JP2018536894A - 青色光及びuv光から保護する光学物品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、前主面及び後主面を有する基材を備え、7以下であるCIE(1976)L国際表色系において定義される表色係数bを有し、87%以上の可視スペクトル内の相対光透過係数Tvを有し、前記前主面に到達する420nm〜450nmの範囲の波長を有する光の少なくとも8%を遮断し、入射角30°及び入射角45°の両方で、7%未満の、ISO13666:1998規格において定義される関数W(λ)により加重される、280nm〜380nmの前記後主面での平均反射係数RUVを有する光学物品に関する。この光学物品は、光毒性青色光及びUV光からユーザの目を保護するのに使用することができる。

Description

本発明は、光学分野に関し、より詳細には、好ましくは低レベルの黄色性、特に大部分は色無しの外観を有し、光毒性青色光の少なくとも部分を遮断し、UV光から保護する光学手段を備えながら良好な透過性を有するものとして知覚される光学物品、好ましくは眼科レンズに関する。
人間により知覚される可視光は概ね、380nm波長〜780nm波長の範囲、より詳細には400nm〜700nmの範囲のスペクトルに及ぶ。約380nm〜約500nmの範囲のこのスペクトルの部分は、高エネルギー光、基本的に青色光に対応する。
多くの研究(例えば、Kitchel E.,“The effects of blue light on ocular health”,Journal of Visual Impairment and Blindness Vol.94,No.6,2000又はGlazer−Hocksteinら,Retina,Vol.26,No.1.pp.1−4,2006参照)では、青色光の部分が人間の目の健康、特に網膜に光毒性を有することが示唆されている。
ISO8980−3規格:2003(E)表B1には、B(λ)青色光危険関数が定義されている)。
眼科光生物学研究(Algvere P.V.ら,“Age−Related Maculopathy and the Impact of the Blue Light Hazard”,Acta Ophthalmo.Scand.,Vol.84,pp.4−15,2006)及び臨床試験(Tomany S.C.ら,“Sunlight and the 10−Year Incidence of Age−Related Maculopathy.The Beaver Dam Eye Study”,Arch Ophthalmol.,Vol.122.pp.750−757,2004)では、青色光への過度に長い又は強度な露出が、加齢黄斑変性症(ARMD)又は白内障等の深刻な眼科疾患を誘発し得ることが示されている。
別の近年の公開物Arnault E.,Barrau C.,Nanteau,C.Gondouin P.,Bigot K.,Vienot F.,Gutman E.,Fontaine V.,Villette T.,Cohen−Tannoudji D.,Sahel J.A.,Picaud S.:“Phototoxic action spectrum on a retinal pigment epithelium model of age related macular degeneration exposed to sunlight normalized conditions”,August 23,2013,PLOS One.2013 Aug 23;8(8):e71398.doi:10.1371/journal.pone.0071398.eCollection 2013には、視覚色素であるN−レチニリデン−N−レチニルエタノールアミン(A2E)の異なる濃度の感光性誘導体を有する、6時間にわたり培養された網膜色素上皮細胞の初代培養を使用した加齢黄斑変性症のin vitroモデルでの生理学的照射条件での網膜光毒性の精密なスペクトルが定義されている。
したがって、特に上記文献に記載される危険性が増大する波長帯に関して、潜在的に有害な青色光への露出を制限することが推奨される。
さらに、太陽スペクトルは、様々な波長、特に紫外線(UV)を有する電磁放射線を含む。UVスペクトルは多くの帯域、特にUVA帯、UVB帯、及びUVC帯を有する。地表に達するそれらのUV帯の中でも、315nm〜380nmの範囲のUVA帯及び280nm〜315nmの範囲のUVB帯は特に網膜に有害である。
従来の反射防止被膜は、可視領域、通常、380nm〜780nmのスペクトル範囲内でレンズ表面での反射を低減するように設計され最適化される。一般に、紫外線領域(280nm〜380nm)での反射は最適化されず、往々にして、従来の反射防止被膜それ実施形態により強化される。記事“Anti−reflective coatings reflect ultraviolet radiation”,Citek,K.Optometry 2008,79,143−148は、この現象の根拠をなす。
したがって、UVA領域及びUVB領域での平均反射は、従来の反射防止レンズでは高レベル(最高で60%)に達する。例えば、近年にわたり大半の製造業者により市販されている非太陽反射防止物品に関して、UV平均反射は、入射角30°〜45°で10%〜25%の範囲である。これはレンズの前面では問題ではなく、その理由は、装着者の前から入り、装着者の目に達し得る(法線入射0°〜15°)UV放射線の大半の部分は一般に、眼科レンズ基材により吸収されるためである。UV放射線透過に対するよりよい保護は、ソーラー眼科レンズを通して得ることができ、ソーラー眼科レンズは、可視スペクトル光度を低減し、UVBを完全に吸収し、UVAを完全又は部分的に吸収するように研究され設計されている。
他方、装着者の背後に配置された光源から生じるUV放射は、レンズに紫外線領域で有効な反射防止被膜が提供されていない場合、レンズ後面で反射され、装着者の目に達し得、したがって、潜在的に装着者の健康に影響する。そのような現象は、目に入る迷反射のリスクを増大させる直径の大きなファッションサングラスのトレンドにより強められる。
レンズ後面に反射し、装着者の目に達し得る光線が、30°〜45°(斜め入射)の範囲の狭い入射角範囲を有することが認められている。
したがって、眼鏡装着者にとって、両眼のそれぞれの前に、網膜への光毒性青色光透過を阻止又は制限し、後面でのUVA及びUVB放射範囲での反射を強力に低減する眼科レンズを装着することが賢明であり得る。そのようなレンズは、コントラスト感度の増大に起因して、視覚性能の増大も提供し得る。
本出願人の名による出願である国際公開第2012/076714号パンフレットには、前主面及び後主面を有する基材を備える眼科レンズであって、上記後主面は、可視スペクトル及びUV範囲の両方で良好な反射防止性を有する多層反射防止被膜が被膜され、すなわち、入射角30°及び入射角45°で5%未満である、ISO13666:1998規格において定義される関数W(λ)により加重される280nm〜380nmの上記後面での平均反射係数RUVを有する、眼科レンズが開示されている。
例えば、特許出願である国際公開第2008/024414号パンフレットでは、吸収又は反射を通して、適する波長範囲の光を部分的に阻止する膜を備えるレンズにより、400nm〜460nmの青色光スペクトルの問題となる部分を少なくとも部分的にカットすることも示唆されている。これは、黄色吸収染料を光学要素に組み込むことにより行うこともできる。
特許である米国特許第8360574号明細書には、400nm〜460nmの範囲の波長を有する光の5%〜50%を遮断し、460nm〜700nmの範囲の波長を有する光の少なくとも80%を透過し、15以下の黄色度指数を示す選択的光波長フィルタを備える。
出願である国際公開第2014/133111号パンフレットには、比較的短い波長、特に400nm〜420nm波長範囲の青色光へのユーザの目の露出を制限するように構成される、350nm〜370nmの範囲の最大吸収ピークを有する1つ又は複数の紫外線吸収剤を含む光学材料が開示されている。
出願である国際公開第2013/084177号パンフレットには、光学基材を通して、少なくとも5%の阻止率で可視光スペクトル内の入射光の430nm〜465nmを中心とする10nm〜70nmの範囲内の帯域幅を有する波長の少なくとも1つの選択された範囲の透過を選択的に阻止するように構成される選択的フィルタリング手段が提供された光学基材を備え、選択的光学フィルタリング手段は、上記少なくとも1つの選択された波長範囲外の可視スペクトルの入射光の少なくとも8%を透過させるように更に構成される、光学デバイスが記載されている。
有害な青色可視光を部分的に拒絶する反射防止被膜を有するレンズが、市場で発売されている。それらのレンズは、反射防止被膜が可視範囲内で低反射を有するため、高レベルの透過性(97%超)を維持する。このレベルの透過性では、装着者は、小さな透過性損失にも敏感であり、現在のトレンドは、透過性、すなわち透明性を上げることである。
上記に鑑みて、ユーザ又は装着者の観点に基付いて良好な透明性及び美観性を保ちながら、有害な青色光を少なくとも部分的に遮断し、有害なUV光から保護することが可能な光学物品が必要とされている。
光学物品が、比較的狭い範囲の青色スペクトルを選択的に遮断する、すなわち、目に有害な青色スペクトルの部分のみを遮断し、低レベルの黄色性を示すことも望ましい。光学物品は、外部観察者から略無色として知覚されるべきである。
別の目的は、光学物品が眼科システムである場合、有害波長からの満足のいく装着者保護及び装着者の満足の両方を得ることである。これに関しては、光学物品は、可視性に関して装着者に高い快適性を提供すべきである。許容可能な全体透光レベルも必要とされるとともに、ユーザにとって許容可能な色知覚も必要とされ、すなわち、光学物品は、装着者の色視覚を劇的に損なうべきではなく、好ましくは、レンズは、防眩性及び/又はコントラスト強化を有する。
本発明者らは、より低い透過性を有するが、それと引き換えに、改善された黄色レベルを有する、すなわち、光学物品を透過する光の黄色レベルを低減する光学物品を提供することにより、これらの目的を達成可能なことを見出した。これらの特性の組み合わせは、ユーザによる光学物品の最良の許容可能性に繋がる。この発見は、通常、透明性が最良のレンズは、透過性が最高のレンズであると見なされる眼科光学分野での一般知識とは対照的である。実際には、実験部分は、ユーザにとって最も透明であるように見えるレンズが、最も低い黄色残留色合いを有するが、この結果を達成するために、可視スペクトルでわずかに低い透過性を提示する必要があるものであることを示している。
装着者が、透過性の低減よりも色の増大にはるかに敏感であるという予期しない発見は、本発明者らが新しい光学物品を提案することに繋がった。
本発明のニーズに対処し、従来技術の上述した欠点を改善するために、本出願人は、前主面及び後主面を有する基材を備え、7以下であるCIE(1976)L国際表色系において定義される表色係数bを有し、87%以上の可視スペクトルTv内の相対光透過係数を有し、上記前主面に到達する420nm〜450nmの範囲の波長を有する光の少なくとも8%を遮断し、入射角35°(後面)で7%未満の、ISO13666:1998規格で定義される関数W(λ)により加重される280nm〜380nmの上記後主面での平均反射率RUVを有する光学物品を提供する。別の実施形態では、ISO13666:1998規格で定義される関数W(λ)により加重される280nm〜380nmの上記後主面でのRUVは、入射角30°及び入射角45°の両方で7%未満である。
本明細書で使用される場合、物品が表面に1つ又は複数の層又は被膜を備える場合、「層又は被膜を物品に成膜する」とは、層又は被膜が、物品の外面被膜の覆われていない(露出した)表面、すなわち、基材から最も離れた被膜に成膜することを意味する。
本明細書で使用される場合、基材/被膜「上」であるか、又は基材/被膜「上に」成膜した被膜は、(i)基材/被膜の上に位置し、(ii)必ずしも基材/被膜に接触する必要はなく、すなわち、1つ又は複数の中間被膜が基材/被膜と関連する被膜との間に介在し得(しかし、好ましくは上記基材/被膜に接触する)、(iii)必ずしも基材/被膜を完全に覆う必要がない被膜として定義される。「被膜1が被膜2の下にあると言える」場合、被膜2が被膜1よりも基材から離れていることを理解されたい。
本説明では、別段のことが指定される場合を除き、光学物品は、上記光学物品を通した像の観察が、像の品質に悪影響を及ぼさずに装着者又は観察者により知覚される場合、透明であると理解される。用語「透明」のこの定義は、別段のことが指定される場合を除き、本説明でそのように定性化される全ての物体に適用することができる。
本発明により光学物品は、好ましくは、透明な光学物品であり、特に光学レンズ又は光学ブランクであり、より好ましくは眼科レンズ又はレンズブランクである。
「眼科レンズ」という用語は、目を保護し、及び/又は視覚を矯正する眼鏡フレームに適合されるレンズを意味するのに使用される。上記レンズは、無限焦点レンズ、単焦点レンズ、二焦点レンズ、三焦点レンズ、及び累進多焦点レンズから選ぶことができる。眼科光学分野は本発明の好ましい分野であるが、本発明が、例えば、光学機器のレンズ、特に写真撮影又は天文学用のフィルタ、光学照準レンズ、目のバイザー、照明系、画面、グレージングの光学系等の青色波長のフィルタリングが有益であり得る他のタイプの光学要素に適用可能なことが理解される。
光学物品は、好ましくは、基材と、基材に被膜される少なくとも1つの層とを備える。光学物品が光学レンズである場合、少なくとも1つの層は基材の前主面、後主面、又は両面に被膜し得る。本明細書で使用される場合、基材の後面は、物品を使用するとき、装着者の目に最も近い面を意味することが意図される。後面は一般に凹面である。逆に、基材の前面は、物品を使用するとき、装着者の目から最も遠い面である。前面は一般に、凸面である。光学物品は平面レンズであることもできる。
基材は、本発明の意味では、被膜されていない基材を意味するものと理解されるべきであり、一般に2つの主面を有する。基材は特に、光学物品の形状、例えば、眼鏡に搭載されるように設計される眼科レンズの形状を有する光学的に透明な材料であり得る。これに関して、「基材」という用語は、光学レンズ、より詳細には眼科レンズの基本構成材料を意味するものと理解される。この材料は、1つ又は複数の被膜又は層の積層の支持体として機能する。
本発明の物品の基材は、無機物基材又は有機基材、例えば、一般に眼科業界で使用される眼科投球の透明材料から選ばれる熱可塑性又は熱硬化性プラスチックから作られる有機基材であり得る。
特に好ましいクラスの基材材料として言及されるのは、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート及びポリカーボネートのコポリマー、ポリノルボルネン等のポリオレフィン、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)のポリマー及びコポリマー(例えば、PPG Industries社により商標名CR−39(登録商標)下で市販されており、対応する市販のレンズは、ESSILORからのORMA(登録商標)レンズと呼ばれる)等のアルキレングリコールビスアリルカーボネートの重合化又は(共)重合化から生じる樹脂、ビスフェノールAから誘導される等のポリカーボネート、ポリメチルメタクリラート(PMMA)等のアクリル(メタクリル)又はチオアクリル(チオメタクリル)ポリマー及びコポリマー、ウレタン及びチオウレタンポリマー及びコポリマー、エポキシポリマー及びコポリマー、エピスルフィドポリマー及びコポリマーである。
本発明による光学物品は、上記趣向面に到達する420nm〜450nmの範囲の波長を有する光の少なくとも8%、好ましくは少なくとも12%を遮断又はカットする。本願では、指定された波長範囲の入射光の「X%のブロック」は、その範囲内の幾つかの波長が完全に遮断されることを必ずしも意味しないが、それは可能である。むしろ、指定された波長範囲の入射光の「X%のブロック」は、その範囲内の上記光の平均でX%が透過しないことを意味する。本明細書で使用される場合、このようにして遮断された光は、光学物品の前主面に到達する光である。
上記指定した範囲内の波長での電磁スペクトルのこの減衰は、少なくとも20%、又は少なくとも30%、又は少なくとも40%、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%、又は少なくとも99%、又100%であり得る。一実施形態では、光学物品により遮断される420nm〜450nmの範囲の波長を有する光の量は、8%〜50%の範囲、より好ましくは10%〜40%の範囲、更に好ましくは12%〜30%の範囲である。
本発明による光学物品は、以下の値のうちの1つ以上の相対光透過係数Tvを可視スペクトルにおいて有する:87%、88%、89%、好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上、よりよくは95%以上。上記Tv係数は、好ましくは、87%〜98.5%、より好ましくは87%〜97%、更によりよくは87%〜96%の範囲である。別の実施形態では、Tvは、89%〜98%の範囲、好ましくは90%〜97%の範囲である。
好ましくは、一般に、上記Tv値は99%未満、好ましくは98.5%以下、さらによりよくは98%以下である。別の好ましい実施形態では、Tvは、97.5%以下、よりよくは97%以下である。Tv係数は、システムの「視感透過率」とも呼ばれ、標準NFEN1836に定義される等のものであり、範囲内の各波長での目の感度に従って加重され、D65照明条件(昼光)下で測定される380nm〜780nm波長範囲での平均に関連する。
本発明による光学物品は、7以下、好ましくは以下の値以下であるCIE(1976)L国際表色系で定義される表色係数bを有する:6%、5%、より好ましくは4、3.5、3、2.5、2以下。光学物品の低表色係数bは、黄色外観の制限又は非黄色外観性に相関付けることができる。実際に、b軸上の正の値は黄色量を示し、負の値は青色量を示す。
本発明による光学物品は、好ましくは−5以上且つ好ましくは1未満であり、好ましくは−5〜−1の範囲、好ましくは0〜−2.5の範囲であるCIE(1976)L国際表色系で定義される表色係数aを有する。
上記表色係数は、標準観測者10°及び標準照明D65を使用して、0°〜15°の範囲、特に0°の入射角でレンズを透過する光の380nm〜780nmで計算される。
幾つかの実施形態では、光学物品は、420nm〜450nmの範囲の波長を有する入射光(青色光)を少なくとも部分的に遮断する、すなわち、光学物品の基材の少なくとも1つの幾何学的に画定される表面、好ましくは全主面を通る光毒性スペクトル範囲の透過を阻止する少なくとも1つの光学フィルタリング手段を備える。本説明では、別段のことが指定される場合を除き、光遮断は、0°〜15°の範囲、好ましくは0°の入射角度を参照して定義される。
本発明によれば、入射角とは、眼科レンズ表面に入射する光線と、入射点での表面への法線により形成される角度である。光線は、例えば、国際表色CIELにおいて定義される標準照明D65等の照明光源である。一般に、入射角は0°(法線入射)から90°(グレージング入射)まで変化する。入射角の有用範囲は0°〜75°である。
本説明では、光学フィルタリング手段は、吸収により光透過を遮断する吸収フィルタ、例えば反射により光透過を遮断する干渉フィルタ、又は両方の組み合わせ(すなわち、吸収性及び干渉性の両方のフィルタ)であることができる。光学物品は、両方とも、420nm〜450nmの範囲の波長を有する入射光を少なくとも部分的に遮断する少なくとも1つの吸収フィルタ及び少なくとも1つの干渉フィルタを備えることもできる。吸収フィルタに加えて干渉フィルタを使用することは、光学物品の美観を改善し得る。
別の実施形態では、光学物品は、選択された入射角範囲内で、光学物品の基材の少なくとも1つの幾何学的に画定された表面、好ましくは全主面への420nm〜450nmの範囲の波長を有する入射光を少なくとも部分的に遮断する少なくとも1つの干渉フィルタを備える。干渉フィルタ、好ましくは420nm〜450nm範囲で反射により光透過を阻止するフィルタは一般に、通常、高屈折率材料及び低屈折率材料が交互になった離散層を成膜することにより製造される多層誘電積層である。個々の層厚、個々の層の屈折率、及び層反復数等の設計パラメータは、多層誘電積層の性能パラメータを決める。420nm〜450nm範囲の光を阻止するそのような干渉フィルタは、例えば、本出願人の名による出願である国際公開第2013/171434号パンフレット及び同第2013/171435号パンフレットに開示されており、これらは参照により本明細書に援用される。
好ましい実施形態では、光学物品は少なくとも1つの吸収フィルタを備える。この場合、光学フィルタリング手段は、吸収染料及び/又はUV吸収剤から選択することができる。本明細書で使用される場合、吸収染料は、吸収染料は、顔料及び着色剤の両方を指し得、すなわち、溶媒にそれぞれ不溶性又は可溶性であることができる。
好ましい吸収フィルタは、電磁スペクトルの420nm〜450nm範囲で狭い吸収帯を有する。理想的には、上記吸収帯は約430nmを中心とする。吸収帯は、好ましくは、410nm〜450nm波長範囲外の可視スペクトルの領域での吸収はゼロであるか、又はごく僅か(通常、5%未満、好ましくは4%未満、より好ましくは3%未満である。
好ましくは、光学フィルタリング手段は、420nm〜450nm範囲内の光を選択的に阻止する。本明細書で使用されるように、この手段は、420nm〜450nm範囲内の少なくともある程度の透過を阻止する場合、波長範囲を「選択的に阻止」するが、波長範囲外の可視波長の透過に影響するように特に構成される場合を除き、波長範囲外の可視波長の透過への影響は僅かであるか、又はない。
実際に、光学フィルタリング手段は、通常、吸収により420nm〜450nm範囲外の波長の入射光の透過を特定の程度まで阻止するように構成し得る。
幾つかの場合、青色スペクトルの比較的小さい部分、すなわち、420nm〜450nm領域を選択的にフィルタリングすることが特に望ましいことがある。実際に、青色スペクトルの多すぎる部分を遮断すると、暗所視及び「概日周期」と呼ばれるバイオリズムを調整するメカニズムに干渉するおそれがあることが分かっている。したがって、好ましい実施形態では、光学フィルタリング手段は、以下のうちの1つの値未満を遮断する:光学物品の前主面に到達する465nm〜495nmの範囲、より好ましくは450nm〜550nmの範囲の波長を有する光の5%、4%、3%、2%、より好ましくは1%。この実施形態では、光学フィルタリング手段は選択的に、光毒性青色光を遮断し、概日周期に関与する青色光を透過する。
好ましくは、光学物品は、465nm〜495nmの範囲の波長を有する波長の少なくとも95%を透過する。この透過率は、この範囲の各波長での目の感度に従って加重されない465nm〜495nm範囲内の透過光の平均である。別の実施形態では、光学フィルタリング手段は、465nm〜495nm範囲、好ましくは450nm〜550nm範囲内の光を吸収しない。
好ましい実施形態では、光学フィルタリング手段は、光学物品の光学透過率が以下の特徴(1)〜(3)の少なくとも1つ、好ましくはこれら3つの特徴を満たすように構成される:
(1)435nm波長での光学透過率は10%以下、
(2)450nmでの光学透過率は70%以下、
(3)480nmでの光学透過率は80%以上。
吸収フィルタの場合、そのような特徴は、適切な吸収染料及び/又はUV吸収剤を適切な濃度で使用することにより達成することができる。
本説明では、別段のことが指定されない限り、透過率/透過性は、0°〜15°の範囲、好ましくは0°の入射角での0.7mm〜2mmの範囲、好ましくは0.8mm〜1.5mmの範囲の厚さの光学物品の中心で測定される。本明細書で使用される場合、透過光は、光学物品の前主面に到達し、レンズを透過した光を指す。
420nm〜450nmの範囲の波長を有する光を少なくとも部分的に阻止する手段として機能し得る吸収染料の化学的性質は、420nm〜450nm範囲内に吸収ピーク、理想的には最大吸収ピークを有するならば、特に制限されない。FWHM(半値全幅)は、好ましくは、40nm未満であり、好ましくは30nm未満である。
青色光遮断吸収染料、通常、黄色染料は、オーラミンO、クマリン343、クマリン314、ニトロベンゾオキサジアゾール、ルシファーイエローCH、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、プロフラビン、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(4−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピレン、2−[4−(ジメチルアミノ)スチリル]−1−メチルピリジニウム(methypyridinium)ヨウ化物、ルテイン、及びゼアキサンチンからなる群からの1つ又は複数の染料を含み得る。
実施形態では、吸収染料は、1つ又は複数のポルフィリン、ポルフィリン錯体、コリン、クロリン、及びコルフィンを含め、ポルフィリンに関連する他の複素環化合物、それらの誘導体、又はペリレン、クマリン、アクリジン、インドレニン(3H−インドールとしても知られている)、及びインドール−2−イリデン族を含む。誘導体は、一般に添加又は置換により生じる物質である。
ポルフィリンは、メチン架橋を介して炭素原子で相互接続された4つの修飾ピロールサブユニットで構成される周知の大員環化合物である。親ポルフィリンはポルフィンであり、置換ポルフィンはポルフィリン類と呼ばれる。ポルフィリン類は、金属を結合して(配位)錯体を形成するリガンドの共役酸である。
特定のポルフィリン、ポルフィリン錯体、又は誘導体は、選択された波長範囲内で、幾つかの場合、例えば、帯域幅20nmを有する選択的吸収フィルタを提供するという点で興味深い。選択的特性は部分的に、分子の対称性により提供される。そのような選択性は、色の視覚的知覚の歪みを制限し、暗所視への光フィルタリングの有害作用を制限し、概日周期への影響を制限するのに役立つ。
例えば、1つ又は複数のポルフィリン、ポルフィリン錯体、又は誘導体は、クロロフィルa、クロロフィルb、5,10,15,20−テトラキス(4−スルホナトフェニル)ポルフィリンナトリウム塩錯体、5,10,15,20−テトラキス(N−アルキル−4−ピリジル)ポルフィリン錯体、5,10,15,20−テトラキス(N−アルキル−3−ピリジル)ポルフィリン錯体、及び5,10,15,20−テトラキス(N−アルキル−2−ピリジル)ポルフィリン錯体からなる群から選択され、アルキルは好ましくは、鎖毎に1〜4個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖のアルキル鎖である。例えば、アルキルは、メチル、エチル、ブチル、及びプロピルからなる群から選択し得る。
錯体は通常、金属錯体であり、金属は、Cr(III)、Ag(II)、In(III)、Mn(III)、Sn(IV)、Fe(III)、Co(II)、Mg(II)及びZn(II)からなる群から選択される。Cr(III)、Ag(II)、In(III)、Mn(III)、Sn(IV)、Fe(III)、Co(II)、及びZn(II)は、水中で、鮮鋭な吸収ピークを有する425nm〜448nmの範囲での吸収を示す。さらに、これらが提供する錯体は、安定しており、酸感受性を有さない。特に、Cr(III)、Ag(II)、In(III)、Sn(IV)、Fe(III)は、室温で蛍光を示さず、これは、眼科レンズ等の光学レンズで有用な特性である。
幾つかの実施形態では、1つ又は複数のポルフィリン又はポルフィリン錯体若しくは誘導体は、マグネシウムメソ−テトラ(4−スルホナトフェニル)ポルフィンテトラナトリウム塩、マグネシウムオクタエチルポルフィリン、マグネシウムテトラメシチルポルフィリン、オクタエチルポルフィリン、テトラキス(2,6−ジクロロフェニル)ポルフィリン、テトラキス(o−アミノフェニル)ポルフィリン、テトラメシチルポルフィリン、テトラフェニルポルフィリン、亜鉛オクタエチルポルフィリン、亜鉛テトラメシチルポルフィリン、亜鉛テトラフェニルポルフィリン、及びジプロトン化テトラフェニルポルフィリンからなる群から選択される。
一実施形態では、420nm〜450nmの範囲の波長を有する光を少なくとも部分的に遮断する光学フィルタリング手段は、UV吸収剤である。そのような化合物は往々にして、光学物品に組み込まれて(特に眼科レンズ材料に)、UV光の網膜への到達を低減又は阻止する。本発明で使用し得るUV吸収剤は、好ましくは、400nmよりも短い波長を有する光、好ましくは385nm又は390nm未満のUV波長を少なくとも部分的に遮断する能力を有するのみならず、可視青色光範囲(400nm〜500nm)に及ぶ吸収スペクトルも有する。最も好ましい紫外線吸収剤は、350nm〜370nmに最大吸収ピークを有し、及び/又は465nm〜495nm範囲、好ましくは450nm〜550nm範囲の光を吸収しない。
上記UV吸収剤は、ユーザの目及び基材材料自体をUV光から保護し、したがって、基材の退色を阻止するとともに、基材が脆くなる及び/又は黄色くなることを阻止する。
UV吸収剤は、好ましくは、限定ではなく、ベンゾトリアゾール化合物である。適するUV吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)クロロベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−メタクリル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、又は他のアリルヒドロキシメチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、及び米国特許第4,528,311号明細書に開示される2−ヒドロキシ−5−アクリロキシフェニル−2H−ベンゾトリアゾールが挙げられる。好ましい吸収剤は、ベンゾトリアゾール族のものである。市販の物品としては、BASFからのTinuvin 326、CiproからのSeeseorb 703、Kyodo ChemicalsからのViosorb 550、及びChemiproからのKemisorb 73が挙げられる。TCP(Tinuvin Carbo Protect)は良好な候補である。
UV吸収剤は、好ましくは、基材の重量の0.3%〜2%を表す量で使用される。
好ましい実施形態によれば、光学フィルタリング手段は、上記前主面に到達する420nm〜450nmの範囲の波長を有する光の少なくとも8%、好ましくは上記光の少なくとも12%、一般には8%〜50%、より好ましくは10%〜50%、更に好ましくは12%〜50%又は10%〜40%、更により好ましくは12%〜30%が遮断/阻止されるように放射線を吸収する。吸収によるこれらのレベルの光阻止は、吸収染料及び/又はUV吸収剤の濃度を調整することにより制御することができ、光学フィルタリング手段が存在しない場合に同波長範囲で透過される光の量に相対して表される。
一般に、望ましくない青色光波長の遮断は、光学デバイスを通して見る場合、カラーバランス、色覚に影響するとともに、光学デバイスが知覚される色に影響する。実際に、420nm〜450nmの範囲の波長を有する光を少なくとも部分的に阻止する上述した吸収型光学フィルタリング手段の少なくとも1つを組み込んだ青色光遮断光学デバイスは、「副作用」として光学物品に薄い色合いを生じさせ、薄い色合いは黄色、茶色、又はアンバーに見える。これは美観的に、多くの光学用途で許容できず、デバイスが眼科レンズの場合、ユーザの正常な色知覚に干渉し得る。
青色光遮断フィルタの黄変の影響を補償し、外部観測者から見た場合、特に大半が中間色として知覚される場合、外見上、許容可能な外観を有する光学物品を得るために、光学物品は、一実施形態では、色無しの外観を得ることが望まれる場合、少なくとも1つのカラーバランス構成要素を備える。
一実施形態では、黄変の影響を少なくとも部分的に相殺するのに利用されるカラーバランス構成要素は、青い色合いの染料等の1つの染料又は赤い色合いの染料と緑の色合いの染料との組み合わせ等の適する割合で使用される染料の混合物である。
カラーバランス染料は通常、下地、ハードコート、又は反射防止被膜等の光学物品の表面に適用されるカラーバランス被膜又は膜に組み込まれる。
適する色合い修正着色剤の例は、当分野で認識されている任意の無機及び有機顔料及び/又は染料を含むことができる。有機染料は、アゾ染料、ポリメチン染料、アリルメチン染料、ポリエン染料、アントラシネジオン染料、ピラゾロン染料、アントラキノン染料、アウイノフタロン(auinophtalone)染料、及びカルボニル染料から選択することができる。そのような有機染料の例としては、Keystone Anilineから入手可能なBlue 6G、Violet PF及びMagenta RB、Morton International、Inc.から入手可能なMorplas Blue、Sensient Corp.から入手可能なD&C Violet #2、Lanxessから入手可能なMacrolex Violet 3R、及びClariant Corporationから入手可能なRubine Redが挙げられる。レーザ染料、例えば、ピロメテン、フルオロセイン、ローダミン、マラカイトグリーン、オキサジン、ピリジン、カルバジン、及びカルボシアニン・アイオダイド等から選択されるレーザ染料も適する。具体例としては、Exiton,Inc.からのABS 574、ABS 668若しくはABS 674;又はH.W.Sands Corp.から入手可能なSDA2443、SDA3572若しくはADA4863が挙げられる。上記染料の任意の混合物を使用することができる。
別の実施形態では、蛍光増白剤(FWA)、光学的光沢剤(OBA)、又は蛍光光沢剤(FBA)とも呼ばれる光学光沢剤が使用される。
周知のように、光学光沢剤は、UV及び紫色領域(通常、340nm〜370nm)の光を吸収し、主に可視スペクトルの青色領域(400nm〜460nm、好ましくは420nm〜450nm範囲)の蛍光により発光する物質である。好ましい光学光沢剤は、高い蛍光効率を有し、すなわち、吸収したエネルギーの大部分を可視光として再放射する。
光学物品が前主面及び後主面を有する場合、その後面は好ましくは、光学光沢剤を含むいかなる層でも被膜されない。
光学光沢剤の化学的性質は、420nm〜450nmの範囲の波長で蛍光、理想的には最大蛍光により発光して、光学フィルタリング手段により付与される黄色をマスキング可能であれば、特に限定されない。
光学光沢剤は、スチルベン類、カルボスチリル類、クマリン類、1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン、ナフタルイミド類、複素環式芳香族化合物(プレニル−トリアジン又は互いに直接若しくは共役環系を通して接続されるチアゾール類、ピラゾール類、オキサジアゾール類、溶融多環芳香族系、又はトリアジン類等の複素環化合物の他の組み合わせ等)、ベンゾオキサゾール類、特に、好ましくはエチレン基、フェニルエチレン基、スチルベン基、ベンゾオキサゾール基、及び/又はチオフェン基を含む2つの位置において共役環系で置換されたベンゾオキサゾール類から選び得るが、これらの族に限定されない。光学光沢剤の好ましい族は、ビス−ベンゾオキサゾール、フェニルクマリン、メチルクマリン、及びビス−(スチリル)ビフェニルであり、これらは、A.G.Oertli,Plastics Additives Handbook,6th Edition,H.Zweifel,D.Maier,M.Schiller Editors,2009により詳細に説明されている。
本発明に使用し得る他の有用な光学光沢剤は、Fluorescent Whitening agents,Anders G.EQS,Environmental quality and safety(Suppl.Vol IV)Georg Thieme Stuttgart 1975に記載されている。市販の光学光沢剤の具体例は、本出願人の名による国際公開第2015/097186号パンフレット及び同第2015097492号パンフレットに開示されている。
本発明によるシステムでは、光学フィルタリング手段及び/又はカラーバランス手段は、光学物品の基材、基材表面の少なくとも1つの被膜、又は2つの基材膜間に挟まれる層に組み込むことができる。健康及び審美的外観に関して本発明の利点及び恩恵をなお得ながら、光学フィルタリング手段及び/又はカラーバランス手段は、両方とも基材に、両方とも同じ被膜、例えば、下地被膜、ハード被膜、若しくは反射防止被膜に、若しくは異なる位置に別個に、例えば一方は基材、他方は光学物品のいずれかの面に成膜した被膜(凸、凹、又は平らであり得る)に、(少なくとも)2つの異なる被膜に別個に組み込むことができ、又はこれらの実施形態の組み合わせを実施することができる。例えば、光学フィルタリング手段は、ハード被膜に配置し得、カラーバランス手段は、下地被膜に含まれ得、又は光学フィルタリング手段は基材に含まれ得、カラーバランス手段は被膜に含まれ得る。光学フィルタリング手段及びカラーバランス手段が(少なくとも)2つの異なる被膜に含まれる場合、これらの被膜は必ずしも光学物品の同じ面に成膜する必要はない。これらの被膜は、光学物品のいずれかの面又は光学物品の両面に成膜することができる。
一実施形態では、青色光波長を遮断する機能及びカラーバランスを実行する機能は、青色光波長を遮断し、いくらかの緑色波長及び赤色波長を反射する単一の構成要素に組み合わせられる。
幾つかの光学フィルタリング手段及び/又はカラーバランス手段を基材及び/又は基材表面に成膜する同じ又は異なる層に組み込むことができる。幾つかの実施形態では、光学フィルタリング手段は、光学基材の同じ又は異なる表面に成膜した2つのフィルタに分割される。
光学フィルタリング手段は、好ましくは、光学物品の基材に含まれる。吸収染料、UV吸収剤、又はカラーバランス手段を光学物品の基材の塊内に組み込む方法は、周知であり、例えば(例えば、国際公開第2014/133111号パンフレット参照)、
I.本質が、基材を有機溶媒及び/又は水性の着色熱浴、好ましくは水性溶液に数分間、浸すことにある含浸又は吸収方法であって、有機レンズ基材等の有機材料から作られる基材は殆どの場合、90°Cのオーダの温度に加熱され、光学フィルタリング手段又はカラーバランス手段が分散した水性着色浴に浸すことにより、材料の大部分内で着色され、したがって、この化合物は基材表面下で拡散し、色濃度は、基材本体に拡散する化合物の量を調整することにより得られる、含浸又は吸収方法、
II.含浸可能な一時的被膜(impregnable temporary coating)を含む特開2000−314088号公報及び特開2000−241601号公報に記載される拡散方法、
III.米国特許第6534443号明細書及び米国特許第6554873号明細書に記載される等の昇華可能材料を使用するコンタクトレス着色、又は
IV.鋳造又は射出成形中に存在する高温に対する十分な耐性を有する場合、例えば、鋳造又は射出成形による、基材自体の製造中の化合物の組み込みであって、これは好ましくは、化合物を基材組成物(光学材料樹脂又は重合可能組成物)に混合し、次に、組成物を適切な金型内で硬化させることにより基材を形成することにより実行される、基材自体の製造中の化合物の組み込み
を含む。
別の実施形態では、光学物品は、基材と、基材に被膜される少なくとも1つの層とを備え、光学フィルタリング手段及び/又はカラーバランス手段は、基材に被膜される上記少なくとも1つの層に組み込まれる。これらの化合物は、例えば、ハード被膜及び/又は一般にハード被膜の基材への接着を促進する下地被膜に組み込まれ得る。光学フィルタリング手段及び/又はカラーバランス手段は、続けて基材に転写、ラミネート、溶融、又は接着される膜に組み込むこともできる。
光学製造の当業者が精通している幾つかの方法が、光学フィルタリング手段(及び/又はカラーバランス手段)を層に組み込むことに関して知られている。これらの化合物は、層と同時に成膜し得、すなわち、層が液体被膜組成物から準備されるとき、光学フィルタリング手段(及び/又はカラーバランス手段)を上記被膜組成物に組み込む(直接又は例えば、化合物に含浸された粒子として)か、又は溶解することができ、それから、基材の表面に塗布(その場での混合)され、硬化される。
光学フィルタリング手段(及び/又はカラーバランス手段)は、別個のプロセス又はサブプロセスで被膜に含まれてもよい。例えば、化合物は、基材の着色に関して参照したものと同様の浸漬着色方法を使用して、すなわち、高温での着色浴により、本出願人の名による米国特許出願第2003/0020869号明細書に開示される拡散方法を通して、インクジェットプリンタを使用したプリントを経るプリント下地を使用する、本出願人の名による米国特許出願第2008/127432号明細書に開示される方法を通して、熱転写プリンタによる昇華染料を用いてのプリントを含む、本出願人の名による米国特許出願第2013/244045号明細書に開示される方法を通して、又は多孔層を使用して、着色剤を基材に転写する、本出願人の名による米国特許出願第2009/047424号明細書に開示される方法を通して、基材の表面への成膜後、被膜に含め得る。化合物は、被膜が硬化(例えば、熱的硬化又はUV硬化)、乾燥、又は塗布される前、基材に噴霧することもできる。
明らかなことに、上記方法の幾つかの組み合わせを使用して、少なくとも1つの光学フィルタリング手段及び/又はカラーバランス手段が内部に組み込まれた光学物品を得ることができる。
本発明で使用される光学フィルタリング手段の量は、青色光からの満足のいく保護を提供するのに十分な量であり、一方、本発明で使用されるカラーバランス手段の量は、光学フィルタリング手段により生じる黄変の影響を相殺するのに十分な量である。
当然ながら、カラーバランス手段及び光学フィルタリング手段のそれぞれの量は、黄色の見た目を有さない透明で色のない要素を生成するように互いに適合し得る。特に、所望量のカラーバランス手段が、使用される光学フィルタリング手段の性質及び量を含む幾つかの要因に応じて様々であることを当業者は理解するはずである。このために、各化合物の最適量は、単純な実験室実験により特定することができる。
例えば、光学フィルタリング吸収染料は、吸収染料の強度及び望まれる保護量に応じて、被膜溶液の重量に基付いて0.005%〜0.150%のレベルで使用することができる。そのような場合、カラーバランス染料は、染料の強度、最終的な色、及び望まれる透過%に応じて、被膜溶液の重量に基付いて0.01%〜0.10%のレベルで使用することができる。本発明がこれらの範囲に限定されず、これらが単なる例として与えられることを理解されたい。
明らかなことに、本発明による光学物品は、その基材及び被膜のいずれも着色されていない場合のみ、無色に見えることができる。
幾つかの用途では、基材の主面が1つ又は複数の機能性被膜で被膜されて、光学特性及び/又は機械的特性を改善することが好ましい。「被膜」という用語は、基材及び/又は別の被膜、例えば、ゾルゲル被膜又は有機樹脂で作られる被膜に接触し得る任意の層、積層、又は膜を意味するものとして理解される。被膜は、ウェット処理、ガス処理、及び膜転写を含め、様々な方法を通して成膜又は形成し得る。光学系で従来使用されるこれらの機能性被膜は、限定ではなく、耐衝撃性及び/又は接着下地、耐摩耗性及び/又は傷防止被膜、反射防止被膜、偏光被膜、光発色性被膜、若しくは静電気防止被膜、又は2つ又は複数のそのような被膜で作られる積層、特に耐摩耗性及び/又は傷防止被膜が被膜された耐衝撃性下地被膜であり得る。
耐摩耗性及び/又は傷防止被膜(ハード被膜)は、好ましくは、ポリ(メス)アクリレート又はシランに基付くハード被膜である。本発明で推奨されるハード耐摩耗及び/又は傷防止被膜としては、シラン加水分解物ベースの組成物(ゾルゲルプロセス)、特に、米国特許出願第2003/0165698号明細書、米国特許第4,211,823号明細書、及び欧州特許第614957号明細書に記載される等のエポキシシラン加水分解物ベースの組成物が挙げられる。
最終物品での耐衝撃性及び/又は更なる層の接着性を改善する下地被膜は、好ましくは、ポリウレタンラテックス又はアクリルラテックスである。下地被膜及び耐摩耗性及び/又は傷防止被膜は、国際公開第2007/088312号パンフレットに記載されるものから選択し得る。
反射防止被膜は、光学分野、特に眼科光学系で従来使用される任意の反射防止被膜であり得る。反射防止被膜は、最終的な光学物品の反射防止性を改善する、光学物品の表面に成膜する被膜として定義される。反射防止被膜は、可視スペクトルの比較的大きな部分にわたり物品−空気界面での光反射を低減できるようにする。
これもまた周知のように、反射防止被膜は従来、国際公開第2013098351号パンフレットに開示される等の誘電材料及び/又はゾルゲル材料及び/又は有機/無機層で構成される単相又は多層積層を含む。これらは好ましくは、高屈折率(HI)を有する層及び低屈折率(LI)を有する層を含む多層被膜である。
本願では、反射防止被膜の層は、屈折率が1.55よりも高い、好ましくは1.6以上、より好ましくは1.8以上、更により好ましくは2.0以上の場合、高屈折率を有する層と言える。反射防止被膜の層は、屈折率が1.55以下、好ましくは1.50以下、より好ましくは1.45以下である場合、低屈折率層であると言える。別段のことが指定される場合を除き、本発明で参照される屈折率は、25°C、波長550nmで表される。
HI層及びLI層は、一般に、限定ではなく、国際公開第2011/080472号パンフレットに開示される材料から選び得る1つ又は複数の金属酸化物を含む当分野で周知の従来の層である。
好ましいHI層は、ジルコニア(ZrO)、二酸化チタン(TiO)、五酸化タンタル(Ta)、酸化ニオブ(Nb)、アルミナ(Al)、酸化プラセオジム(Pr)、チタン酸プラセオジム(PrTiO)、窒化ケイ素、及び酸窒化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む。
好ましいLI層は、酸化ケイ素、シリカ、酸化ケイ素とアルミナとの混合物から選ばれる少なくとも1つの酸化物を含む。SiOとAlとの混合物を含むLI層が使用される場合、LI層は、好ましくは、この層中のSiO+Al総重量に相対して1重量%〜10重量%、より好ましくは1重量%〜8重量%、更により好ましくは1重量%〜5重量%のAlを含む。反射防止被膜の外層は、好ましくは、LI層であり、より好ましくはシリカベースの層である。
通常、HI層は10nm〜120nmの範囲の厚さを有し、LI層は10nm〜100nmの範囲の厚さを有する。
好ましくは、反射防止被膜の総厚は、1μm未満、より好ましくは800nm以下、更により好ましくは500nm以下である。反射防止総厚は一般に、100nmよりも大きく、好ましくは150nmよりも大きい。
更により好ましくは、反射防止被膜は、低屈折率(LI)を有する少なくとも2つの層及び高屈折率(HI)を有する少なくとも2つの層を含む。好ましくは、反射防止被膜の層の総数は、8以下、より好ましくは6以下であり、且つ好ましくは4以上である。
HI層及びLI層は、反射防止被膜内で互いと交互になる必要はないが、本発明の一実施形態により、互いと交互になってもよい。2つのHI層(又はそれ以上)を互いの上に成膜し得るとともに、2つのLI層(又はそれ以上)を互いの上に成膜し得る。
本発明による下地、ハードコート、及び反射防止被膜等の被膜は、スピン被膜、浸漬被膜、吹き付け被膜、蒸着、スパッタリング、化学蒸着、及びラミネーションを含め、当分野で既知の方法を使用して成膜し得る。
反射防止被膜の様々な層は、好ましくは、国際公開第2011/080472号パンフレットに開示される方法のいずれか1つにより成膜し、この国際出願は参照により本明細書に援用される。特に推奨される方法は、真空蒸着である。
反射防止被膜の構造及び準備は、特許出願である国際公開第2010/109154号パンフレット及び同第2012/153072号パンフレットにもより詳細に説明されている。
本発明の一実施形態では、光学物品の後主面、光学物品の前主面、又は両方は、可視領域での上記後主面及び/又は上記前主面での視感反射率Rが2.5%以下であるように、反射防止被膜、好ましくは多層の反射防止被膜が被膜される。
本発明の別の実施形態では、光学物品の後主面、光学物品の前主面、又は両方は、可視領域での上記後主面及び/又は上記前主面での平均反射係数Rが2.5%以下であるように、反射防止被膜、好ましくは多層の反射防止被膜が被膜される。
本発明の幾つかの態様では、光学物品は、少なくとも1つの主面、好ましくは上記後主面及び上記前主面の両方で、2%以下、1.5%以下、1%以下、0.8%以下、又は0.6%以下のR係数及び/又はR係数を有する。
そのようなR値及びR値に達する手段は、当業者から周知である。
は、「視感反射率」とも呼ばれ、ISO規格13666:1998で定義される等であり、ISO8980−4規格(17°未満、通常は15%の入射角の場合)に従って測定され、すなわち、これは、380nm〜780nmの全可視スペクトルにわたる加重スペクトル反射平均である。
本願では、Rと記される「平均反射係数」は、ISO規格13666:1998で定義される等であり、ISO8980−4規格(17°未満、通常は15°の入射角の場合)に従って測定され、すなわち、これは、400nm〜700nmの(非加重)スペクトル反射平均である。
本願では、R率及びR係数は、入射角15°で測定されている。
好ましくは、上述した反射防止被膜は、吸収及び/又は反射により、光学物品の前主面に到達する420nm〜450nmの範囲の波長を有する光の2.5%未満を遮断する。
幾つかの態様では、本発明は、反射防止被膜の前に成膜するサブ層を更に備える光学物品を提供し、上記サブ層は、好ましい1.55以下の屈折率を有する。サブ層は一般に、0.5μm厚未満であり、100nm厚超、好ましくは150nm厚超、より好ましくは150nm〜450nmの範囲のサブ層の厚さである。別の実施形態では、サブ層は、酸化ケイ素、よりよくはシリカを含み、より好ましくは、サブ層の本質は、酸化ケイ素、よりよくはシリカにある。使用可能なサブ層(単層又は多層)の例は、国際公開第2012/076174号パンフレットに記載されている。
幾つかの実施形態では、本発明の反射防止被膜は、少なくとも1つの導電層を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの導電層は、1.55を超える屈折率を有する。少なくとも1つの導電層は、静電気防止剤として機能する。理論により拘束されずに、少なくとも1つの導電層は、多層反射防止被膜積層が静電荷を発生させ保持しないようにする。
布で拭いた後又は静電荷(コロナにより印加される電荷)を生成する任意の他の手順を使用して得られる静電荷をなくすガラスの能力は、上記電荷を消散させるのにかかる時間を測定することにより定量化し得る。したがって、静電気防止ガラスは、約数百ミリ秒(ms)、好ましくは500ms以下の放電時間を有し、一方、非静電気防止ガラスの場合、これは約数十秒である。本願では、放電時間は仏国特許第2943798号明細書に開示される方法に従って測定される。
本明細書で使用する場合、「導電層」又は「静電気防止層」は、非静電気防止基材(すなわち、500msを超える放電時間を有する)の方面に存在することに起因して、静電荷が表面に印加された後、500ms以下の放電時間を有することを可能にする層を意味することが意図される。
導電層は、反射防止被膜の反射防止性が影響を受けない限り、積層中の様々な場所、一般に反射防止被膜内又は反射防止被膜に接触して配置し得る。導電層は、好ましくは、反射防止被膜の2つの層の間に配置され、及び/又はそのような反射防止被膜の高屈折率を有する層に隣接する。好ましくは、導電層は、低屈折率を有する層の真下に配置され、最も好ましくは、好ましくは反射防止被膜のシリカベースの外層の真下に配置されることにより、反射防止被膜の最後から2番目の層である。
導電層は、反射防止被膜の透明性を変えないように十分に薄い層であるべきである。導電層は、好ましくは、導電性を有し、透明性が高い材料、一般に、任意選択的にドープされた金属酸化物から作られる。この場合、導電層の厚さは、好ましくは1nm〜15nmの間で変化し、より好ましくは1nm〜10nmの間で変化する。好ましくは、導電層は、インジウム、スズ、亜鉛の酸化物及びそれらの混合物から選ばれる任意選択的にドープされる金属酸化物を含む。酸化インジウムスズ(In:Sn、スズドープした酸化インジウム)、アルミニウムドープした酸化亜鉛(ZnO:Al)、酸化インジウム(In)、及び酸化スズ(SnO)が好ましい。最も好ましい実施形態では、導電且つ光学的透明層は、酸化スズインジウム層又は酸化スズ層である。
本発明の光学物品は、可視領域での反射を低減することに加えて、UVA及びUVB放射範囲での反射を低減し、UV及び有害青色光に対する最良の健康保護を可能にするように構成される。
これに関して、光学物品は、好ましくは、後主面及び任意選択的に前主面に、可視領域で非常に良好な反射防止性能を保有し、同時に、そのままの基材又は従来の反射防止被膜を備える基材と比較してUV放射線反射、特に紫外線A波及び紫外線B波の反射を大幅に低減することが可能なUV防止反射防止被膜を備える。
ISO13666:1998規格で定義される関数W(λ)により加重される、280nm〜380nmの後主面での平均反射係数RUVは、入射角35°(後面への)で、7%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは4.5%以下、更によりよくは4%以下である。別の実施形態では、ISO13666:1998規格で定義される関数W(λ)により加重される、280nm〜380nmの後主面での平均反射係数RUVは、入射角30°及び入射角45°の両方で、好ましくは5%以下である。上記平均反射係数RUVは、以下の式を通して定義され、
式中、R(λ)は、所与の波長でのレンズスペクトル反射係数を表し、W(λ)は、太陽スペクトル放射照度Es(λ)と効率相対スペクトル関数S(λ)との積に等しい加重関数を表す。特定の実施形態では、この係数は、後面での30°〜45°の範囲の入射角で測定し得る。
紫外線放射透過係数を計算できるようにするスペクトル関数W(λ)は、ISO13666:1998規格に従って定義される。スペクトル関数W(λ)により、装着者のそのような放射線の相対スペクトル効率により調節された紫外線太陽放射線分布を表すことが可能になり、その理由は、スペクトル関数W(λ)が、UVA波と比較して全体的により少ないUVB波を放射する太陽スペクトルエネルギーEs(λ)と、スペクトル効率S(λ)との両方を同時に考慮に入れるためであり、UVB波はUVA波よりも有害である。紫外線領域でのそれら3つの関数の値は、公報である国際公開第2012/076714号パンフレットの第6頁に開示される表に与えられている。
幾つかの実施形態では、上記UV防止性能は、後主面及び/又は前主面でのR係数を2.5%以下に維持しながら、反射防止被膜により提供される。
本発明による光学物品は、疎水性及び/又は疎油性被膜(防汚トップコート)等の、反射防止被膜上に形成され、表面特性を変更可能な被膜を備えることもできる。これらの被膜は、好ましくは、反射防止被膜の外層に成膜する。一般に、これらの被膜の厚さは10nm以下であり、好ましくは1nm〜10nmの範囲であり、より好ましくは1nm〜5nmである。これらの被膜は一般に、フルオロシラン型又はフルオロシラザン型の被膜である。これらの被膜は、好ましくは1つの分子に対して少なくとも2つの加水分解可能基を含有するフルオロシラン前駆体又はフルオロシラザン前駆体を成膜することによって取得し得る。フルオロシラン前駆体は、好ましくは、フルオロポリエーテル成分、より好ましくはペルフルオロポリエーテル成分を含む。
Optool DSX(商標)、KY130(商標)、OF210(商標)、Aulon(商標)は、疎水性及び/又は疎油性被膜の例である。これらの被膜についてのより詳細な情報は、国際公開第2012076714号パンフレットに開示されている。
本発明は、光毒性青色光、言い換えれば、420nm〜450nmの範囲の波長を有する光からユーザの目の少なくとも一部を保護する上述した光学物品の使用にも関する。
以下は、本願において既に説明した本発明の特定の特徴と組み合わせることができる特徴である。
本発明の実施形態は、400nm〜500nmの範囲の波長を有する光の透過を選択的且つ少なくとも部分的に遮断する吸収染料Aである少なくとも1つの光学フィルタリング手段を備える光学物品であり、染料Aは、400nm〜460nmの範囲に吸収ピークを有し、光学物品の吸収スペクトルは、範囲400nm〜435nmでの吸収への寄与が、範囲435nm〜460nm内よりも高いようなものである。
実施形態では、光学物品の吸収スペクトルは、435nm〜460nmの曲線(吸収曲線)下面積と400nm〜435nmの曲線下面積との比率R1が0.7未満であるようなものである。
別の実施形態では、実施形態では、光学物品の吸収スペクトルは、435nm〜460nmの曲線下面積と400nm〜435nmの曲線下面積との比率R1が0.6未満であるようなものである。
吸収スペクトルは、分光光度計により測定される380nm〜780nm波長範囲内の各波長での光学物品の透過値Tから得られ、次に、光学物品の透過値は、公式:A=2−log10%Tを使用して吸収データAに変換される。
次に、吸収スペクトルを表すことができる。光学物品の吸収値は、異なる界面(特に基材/空気界面)での反射に起因する全ての青色遮断及び光学物品の材料(基材材料、被膜、…)に起因する吸収を考慮に入れる。分光光度計は、吸収の直接値を与えるようにプログラムすることもできる。
好ましくは、染料Aは、400nm〜428nmの範囲内、好ましくは415nm〜428nmの範囲内に吸収ピークを有する。
好ましくは、染料Aは、40nm以下の半値全幅を示す吸収ピークを有する。
好ましくは、光学物品は、500nm以上の波長で吸収ピークを有する少なくとも1つのカラーバランス染料Bを含み、Bは好ましくはアントラキノンである。
好ましくは、染料Aは、塩化メチレンで200L.g−1.cm−1を超える、好ましくは300L.g−1.cm−1を超える、より好ましくは400L.g−1.cm−1、500L.g−1.cm−1、600L.g−1.cm−1を超える比吸収係数を有する。
好ましくは、光学物品は、460nm〜700nmの曲線下面積と400nm〜460nmの曲線下面積との比率R2が2.25以下であるような吸収スペクトルを有する。
以下の実施例は、本発明をより詳細に、しかし非限定的に示す。別段のことが述べられる場合を除き、本願で開示される全ての厚さは物理的厚さに関連する。
実施例で使用される光学物品は、直径65mm、屈折率1.50、度数−2.00ジオプタ、及び厚さ1.2mmを有し、前面が、420nm〜450nmの範囲の波長を有する光を少なくとも部分的に阻止する吸収染料又はUV吸収剤を含む被膜と、カラーバランス手段として機能する第2の染料とで被膜される、ESSILORからのORMA(登録商標)レンズ基材を含む。これらの染料の濃度は、所望のb及びa表色係数及び420nm〜450nm範囲で所望レベルの青色光遮断を得るように調整した。青色光遮断染料は、選択的吸収光学フィルタリング手段を提供した。上記染料は、約421nmに中心を有する吸収ピークを有し、半値全幅(FWHM)は40nmであった。
光学フィルタリング手段及び任意選択的にカラーバランス手段を組み込んだこの12μm厚被膜上に、米国特許第7,410,691号明細書の実施例1の表1に記載される等の8μm厚中間被膜を成膜した。
次に、中間被膜上に、厚さ約1μmのポリウレタン耐衝撃性下地被膜(W234(商標))、約2.5μmの欧州特許第614957号明細書の実施例例3に対応する耐摩耗性被膜、150nm厚SiOサブ層、28nm厚ZrO層、22nm厚SiO層、72nm厚ZrO層を含む反射防止被膜、酸化インジウムスズで構成される6nm厚静電気防止層、及び84nm厚SiO層をこの順に成膜した。
レンズの後主面に、下地層W234(商標)、上述したような耐摩耗性被膜、150nm厚SiOサブ層、19nm厚ZrO層、23nm厚SiO層、93nm厚ZrO層を含むUV防止反射防止被膜、酸化インジウムスズで構成される6.5nm厚静電気防止層、並びに82nm厚SiO層のみを被膜した。上記被膜は、Rを0.59%並びにRUVを30°で2.59%及び45°で3.1%を有する。
光学性能
HunterからのUltraScan Pro分光光度計を使用して、レンズの光学性能を測定し、以下の表に示し、表中、青色遮断%(420〜450nm)は、光学物品の前主面に到達する420nm〜450nmの範囲の波長を有する光の遮断%を表す。青色遮断%(420〜450nm)=100−420〜450nmでの平均透過%。
結果は、本発明による光学物品が選択的に、有害青色光(420nm〜450nm)の少なくとも10%を遮断し、概日周期に関与する青色光(465nm〜495nm)の少なくとも94.5%を透過し、装着者に背後に配置される光源から装着者の目の方向に生じる僅かなUV放射線を反射する(斜め入射で低RUV)ことを示す。
感覚分析
少なくとも、Monoyerテストで0.8の表記を有する(すなわち、ライン0.8を読むことが可能である)ような視覚を有する15人の訓練を受けた審査団により、上記で提案されたレンズを評価した。
部屋は感覚分析は、AFNOR NF V 09−15規格に関して行われる。ISO規格13299:2003を使用する。審査員は、ISO8586規格に従って選ばれ形成される。
室内の照明はD65照明に対応している。また、明るいスポットは白色光に対応している。
使用される方法論は以下である:
1)試料を比較提示し、
2)ランダムな順序(ラテン方陣)で製品を評価して、順序の影響に起因する摂動を避け、
3)製品を3桁コードのみで識別することにより、製品を匿名化する。
レンズ透明性基準は、装着者の視点及び観測者の視点で研究した。
レンズ透明性(装着者)
定義:光を透過させ、装着者の目で鮮鋭に見える
プロトコル:装着者は、鏡で自分を見て、自分が自分の目をはっきりと見えるか否かを見ることにより、レンズの透明性を評価する。尺度:0(透明ではない)〜10(非常に透明)。
レンズ透明性(観測者)
定義:光を透過させ、観測者の目で鮮鋭に見える
プロトコル:評価者は、自分の前にいる人物を見て、その人物の目がはっきりと見えるか否かを見ることにより、レンズの透明性を評価する。尺度:0(透明ではない)〜10(非常に透明)。
以下の表では、本発明のレンズは、透明性に関する表記が非常に低い比較例1を除き、十分に透明でありながら、UV及び青色の危険から装着者を保護する。透過率が低減したレンズが、それにもかかわらず、より高い透過率を有するが、より高いbを有するレンズよりも、装着者から透明に見えることを知ることは、驚くべきことである。

Claims (16)

  1. 前主面及び後主面を有する基材を備える光学物品であって、
    7以下であるCIE(1976)L国際表色系において定義される表色係数bを有し、
    87%以上の可視スペクトル内の相対光透過係数Tvを有し、
    前記前主面に到達する420nm〜450nmの範囲の波長を有する光の少なくとも8%を遮断し、
    入射角35°で7%未満の、ISO13666:1998規格で定義される関数W(λ)により加重される280nm〜380nmの前記後主面での平均反射率RUVを有する
    ものとして定義される光学物品。
  2. 波長465nm〜495nmの範囲の波長を有する光の少なくとも95%を透過するものとして更に定義される、請求項1に記載の光学物品。
  3. 87%〜98.5%、好ましくは87%〜97%、より好ましくは87%〜96%の範囲の可視スペクトル内の相対光透過係数Tvを有する、請求項1又は2のいずれか一項に記載の光学物品。
  4. 前記前主面に到達する420nm〜450nmの範囲の波長を有する光の少なくとも12%を遮断するものとして更に定義される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学物品。
  5. 420nm〜450nmの範囲の波長を有する光を少なくとも部分的に遮断する少なくとも1つの光学フィルタリング手段を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学物品。
  6. 前記光学フィルタリング手段は、少なくとも1つの吸収染料及び/又はUV吸収剤を含む、請求項5に記載の光学物品。
  7. 少なくとも1つのカラーバランス構成要素を更に備える、請求項5又は6に記載の光学物品。
  8. 前記後主面及び前記前主面は、多層反射防止被膜で被膜され、前記可視光領域での前記後主面及び前記前主面での前記平均光反射係数Rは、2.5%以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学物品。
  9. 前記多層反射防止被膜は、前記前主面に到達する420nm〜450nmの範囲の波長を有する光の2.5%未満を遮断する、請求項8に記載の光学物品。
  10. 少なくとも1つの主面で0.6%以下である平均光反射係数Rを前記可視領域において有する、請求項8又は9に記載の光学物品。
  11. 前記後主面及び前記前主面において、0.6%以下である平均光反射係数Rを前記可視領域において有する、請求項8又は9に記載の光学物品。
  12. 前記ISO13666:1998規格において定義される関数W(λ)により加重される、280nm〜380nmの前記後主面での前記平均反射係数RUVは、入射角30°及び入射角45°の両方で、5%未満、好ましくは3%未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の光学物品。
  13. 3以下である、前記CIE(1976)L国際表色系で定義される表色係数aを有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の光学物品。
  14. −5以上、好ましくは−5〜−1の範囲の前記CIE(1976)L国際表色系において定義される表色係数aを有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学物品。
  15. 眼科レンズとして更に定義される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光学物品。
  16. 光毒性青色光からユーザの目の少なくとも一部を保護する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の光学物品。
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