JP2019174418A - 測距システム - Google Patents
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Description
図1に示すように、測距システム1は、第1通信機2及び第2通信機3の間の距離Lを、無線通信を通じて測定する。本例の測距システム1は、無線によって接続された第1通信機2及び第2通信機3の間で電波Siを送受し、電波Siの伝搬特性(振幅及び位相)を求める。そして、その伝搬特性から等価的にインパルスの伝搬時間Tx、すなわち距離Lを演算する。本例の場合、例えば第1通信機2が車両の電子キーであり、第2通信機3が車両である。第1通信機2及び第2通信機3の通信は、例えばブルートゥース(Bluetooth:登録商標)であることが好ましい。
[測距時の動作]
図4に示すように、ステップ101において、第1通信機2は、電波Siを第2通信機3に送信して、第2通信機3に伝搬特性を測定させる。本例の場合、まず波形生成部8は、「0」及び「1」が周期的に繰り返される周期信号Skを生成し、これを変調部9に出力する。変調部9は、「0」及び「1」の繰り返し信号の周期信号SkをGFSK変調し、これをDAコンバータ10に出力する。そして、DAコンバータ10を通過した複素信号は、ミキサ11(周波数シフト部29)に出力される。
そこで、図6(c)に示すように、DC成分抽出部21は、位相スペクトルのDC成分(周波数「0」)の直近前後の位相θm,θpを利用して、DC成分の位相θ0を算出する。本例の場合、DC成分(周波数「0」)の1つ前の位相スペクトルの位相θmと、DC成分(周波数「0」)の1つ後の位相スペクトルの位相θpとの平均を求め、これをDC成分の位相θ0(=(θm+θp)/2)として割り出す。このようにして、本例のDC成分抽出部21は、周波数スペクトルの伝搬特性において、DC成分付近の位相を基にDC成分の位相を補間することにより、DC成分の位相∠θ(f)を抽出する。そして、DC成分抽出部21は、パワースペクトルのDC成分と、補間により求めた位相スペクトルのDC成分とを、DC成分伝搬特性として算出する。
図4に戻り、ステップ103において、測距システム1(第1通信機2及び第2通信機3)は、通信の各チャネルで、順次、伝搬特性を測定する。通信がブルートゥースの場合、複数のチャネル(例えば40チャネル)が存在するので、各チャネルの全てにおいて通信(往復)の伝搬特性が測定される。このため、例えばCH2〜CHnの電波が送受信された場合には、各チャネルの中心周波数f2〜fnの各伝搬特性H(f2)〜H(fn)が得られる。複数周波数の伝搬特性を測定するのは、1つの周波数の伝搬特性ではインパルスを作ることができないからである。
図8及び図9に示すように、異常チャネル検出の作動を行う場合、電波送信部6は、周波数シフト部29によって規定量の「fs」Hz中心となるように作ったベースバンド信号Sb’の電波Siを送信して、この電波Siの伝搬特性を測定させる。本例の場合、複数チャネルで電波送信を行い、ベースバンド信号Sbをシフトしない送信パターンとベースバンド信号Sbをシフトする送信パターンとを、各チャネルで繰り返し行う。
図9(a)に、DAコンバータ10の信号出力点Paにおいて、周波数シフト部29で周波数シフトをした場合のベースバンド信号Sb’2のパワースペクトル(振幅特性)を図示する。同図に示されるように、周波数シフト部29は、測距において電波送信を行うにあたり、元のベースバンド信号Sbを規定量fs分プラス側にシフトして、正の規定量fsを中心としたベースバンド信号Sb’2を生成する。このベースバンド信号Sb’2は、パワースペクトルのピーク周波数が正の「fs」Hzとなった信号である。そして、ベースバンド信号Sb’2は、ミキサ11でチャネルCH2の中心周波数f2にアップコンバートされた後、搬送波に乗せられ、送信アンテナ13から電波Siとして送信される。
図11に示すように、異常チャネル判定部31は、「dθ1,2>xかつdθ2,3>x」が成立することを確認すると、チャネルCH2が異常チャネルであると判定する。なお、位相差dθ2,3は、位相差dθ1,2と同じ算出の仕方を用いて求めることができる。すなわち、チャネルCH2から位相θ2+を算出し、チャネルCH3から位相θ3−を算出し、これらの差の絶対値をとることにより、位相差dθ2,3を求める。また、図中の位相差dθ3,4も同様の算出の仕方で求められる。
異常チャネル判定部31は、判定条件(3)が成立することを確認すると、チャネルi,i+1はともに正常なチャネルであると判定する。
dθi,i−1>xかつdθi−1,i−2≦x … (5)
異常チャネル判定部31は、判定条件(4),(5)のいずれかが成立することを確認すると、チャネルi(図13の場合はCH1)を異常チャネルと判定する。
・異常チャネルの判定は、測距のどのタイミングで実施してもよい。このように、異常チャネルの判定は、測距前、測距途中、測距終了後のいずれで実施されてもよい。
・位相比較は、乗算部23の出力(乗算後の位相)を用いて行われることに限らず、乗算前の位相を用いて行ってもよい。
・周波数シフトした際に得た伝搬特性(振幅及び位相の各データ)を測距に使用してもよい。
・演算の順序は、フーリエ変換、DC成分抽出、乗算の順に限定されない。例えば、フーリエ変換、乗算、DC成分抽出の順序に変更してもよい。
・周期信号Skは、デジタル符号であればよい。また、このデジタル符号は、2値化符号に限定されず、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等の変調を用いる場合を想定して、他の符号に変更してもよい。
・第1通信機2を車両とし、第2通信機3を電子キーとすることに限定されない。例えば、第1通信機2を無線通信式のパーソナルコンピュータとし、第2通信機3を無線LANルータとしてもよい。
・測距システム1は、電波を送受し合って測距を行うシステムに限定されない。例えば、第1通信機2及び第2通信機3の一方から他方のみに電波を送信して測距を行う単方向としてもよい。また、第1通信機2及び第2通信機3で電波を送受し合い、さらにもう一度、第1通信機2及び第2通信機3の一方から他方に電波を送信した上で、伝搬特性を求めて、2者間の測距を行ってもよい。
・通信方式は、ブルートゥースに限定されず、例えば無線LANやUWB等の他の通信としてもよい。
(イ)第1通信機及び第2通信機の一方から他方に、複素信号からなるベースバンド信号を周波数変換した電波を複数チャネルで送信し、当該電波の伝搬特性を求めて、当該伝搬特性から前記第1通信機及び前記第2通信機の間の距離を演算する測距方法であって、複数のチャネル間で電波の周波数スペクトル上の同一周波数における位相が測定できるように、パワースペクトルのピーク周波数を規定量シフトしたベースバンド信号をチャネルごとに作り、当該ベースバンド信号を周波数変換した電波を送信アンテナから送信させるステップと、受信した電波をフーリエ変換することで求まる周波数スペクトルの伝搬特性において、受信したチャネルごとに、周波数シフトされた前記ベースバンド信号のDC成分の位相を抽出するステップと、DC成分抽出部により抽出された各チャネルの位相を比較し、その位相比較の判定結果を基にチャネルの異常有無を判定するステップとを備えた測距方法。
Claims (6)
- 第1通信機及び第2通信機の一方から他方に、複素信号からなるベースバンド信号を周波数変換した電波を複数チャネルで送信し、当該電波の伝搬特性を求めて、当該伝搬特性から前記第1通信機及び前記第2通信機の間の距離を演算する測距システムであって、
パワースペクトルのピーク周波数を規定量シフトしたベースバンド信号を少なくとも1以上のチャネルで作ることにより、複数のチャネル間で電波の周波数スペクトル上の同一周波数における位相を測定可能にして、前記ベースバンド信号を周波数変換した電波を送信アンテナから送信させる周波数シフト部と、
受信した電波をフーリエ変換することで求まる周波数スペクトルの伝搬特性において、受信したチャネルごとに、周波数シフトされた前記ベースバンド信号のDC成分の位相を抽出するDC成分抽出部と、
DC成分抽出部により抽出された各チャネルの位相を比較し、その位相比較の判定結果を基にチャネルの異常有無を判定する異常チャネル判定部と
を備えた測距システム。 - 前記異常チャネル判定部は、位相比較の判定結果が異常無しの場合、その位相の測定に使用したチャネルを正常チャネルと判定する
請求項1に記載の測距システム。 - 前記異常チャネル判定部は、位相比較の判定結果が異常有りの場合、その位相の測定に使用したチャネルのうち、少なくとも1つを異常チャネルとして判定する
請求項1又は2に記載の測距システム。 - 前記周波数シフト部は、各チャネルで前記同一周波数を目標に前記ベースバンド信号をシフトして位相が測定されるにあたり、目標の同一周波数が同じとなっている各チャネルの位相を1つの組とした場合、この組を前記同一周波数ごとに複数作り、
前記異常チャネル判定部は、これら各組ごとに得た位相比較の判定結果を基に、チャネルの異常有無を判定する
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の測距システム。 - 前記異常チャネル判定部は、複数組で位相比較の判定結果が異常有りとなった場合、これら位相判定の両方で使用した共通のチャネルを異常チャネルと判定する
請求項4に記載の測距システム。 - 測定された複数の伝搬特性を合成する合成部と、
合成により得られた伝搬特性を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換部とを備え、
逆フーリエ変換の演算結果から、前記第1通信機及び前記第2通信機の間の距離を演算する測距部とを備える
請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の測距システム。
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