JP2019174340A - 繊維束の欠陥検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造工程中に、走行する繊維束に発生した毛羽、付着物等の突出した欠陥の情報を、簡便に、検出することができる方法を提供すること。【解決手段】繊維束から突出した欠陥の検出方法であって、複数の繊維束を平行に並べてシート状にした繊維束群を走行させ、前記走行する繊維束群から所定距離離れた位置に、前記繊維束群の進行方向を横切る方向に光を投光する投光器と、前記投光器から投光された光を受光する受光器とを含む検出手段を2組配置し、前記受光器で受光した光の光量から、欠陥によって遮光されて生じる光量変化量を算出し、算出した光量変化量に基づいて欠陥の検出を行い、前記2組の検出手段は、それぞれ異なる方向に前記投光器から受光器に向けて光を投光し、前記2組の検出手段で検出した欠陥の検出時間差から、各繊維束上の欠陥の存在位置を算出する。【選択図】図1
Description
本発明は、繊維束の欠陥検出方法及び該検出方法を用いた繊維製造方法に関する。
合成繊維等の多数の連続した単繊維の束からなる繊維束の製造工程において、単繊維切れ等により、毛羽や毛玉等の欠陥が繊維束に発生する場合がある。さらには、繊維束を形成している全ての単繊維が切れることにより、繊維束の切断が発生する場合がある。
繊維束に発生するこれらの欠陥(異常部)の多くは、繊維束が生産される中での設備との摩擦、又は生産工程中の張力変動や熱処理温度変動等の種々のプロセス条件の変動に基づく繊維束の外的あるいは内的構造変化により生じる。また、毛羽や毛玉が、一旦繊維束から外れて空気中に浮遊した後に、繊維束の製造工程中において、再度、走行する繊維束に付着する場合がある。炭素繊維束の製造工程の場合、焼成炉の炉壁に付着している炭化物やタール等が、炉壁から剥がれ落ち、走行する炭素繊維束に付着する場合がある。
このような繊維束の欠陥は、繊維束自体の品質及び繊維束から形成される繊維製品の品質に大きく影響し、様々なトラブルの原因となる。また繊維束の欠陥部位は、欠陥を有さない部位と比べて、機械的強度が低下しており、機械的強度が求められる製品においては品質不良となる。
したがって、繊維束の欠陥を精度良く検出し、それを把握することは、繊維束自体、さらには繊維製品の品質管理上非常に重要なことである。加えて、繊維束の製造工程における走行繊維束の状態を常時モニタし、早期にプロセス条件の変動に起因する繊維束の状態の変化や欠陥の多発を把握することができれば、繊維束の製造工程における歩留まりの向上が図られる。
したがって、繊維束の欠陥を精度良く検出し、それを把握することは、繊維束自体、さらには繊維製品の品質管理上非常に重要なことである。加えて、繊維束の製造工程における走行繊維束の状態を常時モニタし、早期にプロセス条件の変動に起因する繊維束の状態の変化や欠陥の多発を把握することができれば、繊維束の製造工程における歩留まりの向上が図られる。
繊維束の欠陥を検査する方法として、例えば、特許文献1には、繊維束の糸道方向に対して一方向へ平行に引き揃えられたレーザー光束を投光する投光器と、予め設定したサンプリング時間毎に前記レーザー光束を一定の面積で受光する受光器と、繊維束に発生した毛羽等の欠陥による遮光による光量変化量によって、毛羽等の欠陥の検出を行う方法が提案されている。
また特許文献2には、溶融紡糸した合成繊維糸条を複数のゴデットローラーで延伸・熱処理しチーズ捲きパッケージに巻き取る合成繊維の製造方法において、延伸部および/または巻取装置にレーザー式毛羽検知装置を配置し、走行糸条および/またはチーズ捲きパッケージ表面の糸条の毛羽にレーザー光を照射し、毛羽を検知しながら巻き取ることを特徴とする合成繊維の製造方法が記載されている。特許文献2に記載の方法では、前記レーザー光を、走行糸条から0.1〜20mm離れた位置で、糸条方向に対して交叉するように照射している。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の検出方法は、いずれも、1繊維束での欠陥情報の取得であり、工業的に効率よく検出できない点で繊維束の欠陥の情報として不十分であった。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の検出方法は、いずれも、1繊維束での欠陥情報の取得であり、工業的に効率よく検出できない点で繊維束の欠陥の情報として不十分であった。
本発明の目的は、製造工程中に、走行する複数の繊維束に発生した毛羽、付着物等の突出した欠陥の情報を、簡便に、検出することができる方法を提供することにある。
本発明は、繊維束から突出した欠陥の検出方法であって、複数の繊維束を平行に並べてシート状にした繊維束群を走行させ、前記走行する繊維束群から所定距離離れた位置に、前記繊維束群の進行方向を横切る方向に光を投光する投光器と、前記投光器から投光された光を受光する受光器とを含む検出手段を2組配置し、前記受光器で受光した光の光量から、欠陥によって遮光されて生じる光量変化量を算出し、算出した光量変化量に基づいて欠陥の検出を行い、
前記2組の検出手段は、それぞれ異なる方向に前記投光器から受光器に向けて光を投光し、
前記2組の検出手段で検出した欠陥の検出時間差から、各繊維束上の欠陥の存在位置を算出する繊維束の欠陥検出方法を提供するものである。
前記2組の検出手段は、それぞれ異なる方向に前記投光器から受光器に向けて光を投光し、
前記2組の検出手段で検出した欠陥の検出時間差から、各繊維束上の欠陥の存在位置を算出する繊維束の欠陥検出方法を提供するものである。
また本発明は、前記繊維束の欠陥検出方法により算出した欠陥の存在位置を表示することを特徴とする繊維束の欠陥の工程管理方法を提供するものである。
また本発明は、前記繊維束の欠陥検出方法を有することを特徴とする繊維製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記繊維製造方法を用いる炭素繊維の製造方法を提供するものである。
さらに本発明は、繊維束から突出した欠陥の検出装置であって、
複数の繊維束を平行にシート状に並べた繊維束群を、前記繊維束の長手方向に走行させる走行手段と、
走行する繊維束群から所定距離離れた位置に配置された、前記繊維束群の進行方向を横切る方向に光を投光する投光器と、前記投光器から投光された光を受光する受光器とを含む、2組の検出手段と、
を有し、
前記2組の検出手段は、それぞれ異なる方向に前記投光器から受光器に向けて光を投光するように配置され、
前記受光器で受光した光の光量から、欠陥によって遮光されて生じる光量変化量を算出し、算出した光量変化量に基づいて欠陥の検出を行い、前記2組の検出手段で検出した欠陥の検出時間差から、各繊維束上の欠陥の存在位置を算出する算出手段を備える検出装置を提供するものである。
また本発明は、前記繊維束の欠陥検出方法を有することを特徴とする繊維製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記繊維製造方法を用いる炭素繊維の製造方法を提供するものである。
さらに本発明は、繊維束から突出した欠陥の検出装置であって、
複数の繊維束を平行にシート状に並べた繊維束群を、前記繊維束の長手方向に走行させる走行手段と、
走行する繊維束群から所定距離離れた位置に配置された、前記繊維束群の進行方向を横切る方向に光を投光する投光器と、前記投光器から投光された光を受光する受光器とを含む、2組の検出手段と、
を有し、
前記2組の検出手段は、それぞれ異なる方向に前記投光器から受光器に向けて光を投光するように配置され、
前記受光器で受光した光の光量から、欠陥によって遮光されて生じる光量変化量を算出し、算出した光量変化量に基づいて欠陥の検出を行い、前記2組の検出手段で検出した欠陥の検出時間差から、各繊維束上の欠陥の存在位置を算出する算出手段を備える検出装置を提供するものである。
本発明によれば、製造工程中に、繊維束に発生した毛羽、付着物等の突出した欠陥の詳細な位置情報を、簡便に、検出することができる。
以下、本発明について好ましい実施形態に基づき詳述する。
本発明は、合成繊維等の製造工程において、走行する繊維束上に発生した毛羽、付着物等の突出した欠陥の情報を検出するものである。
本発明において、検出の対象となる繊維束は、単糸が数千〜数万本からなる複数のフィラメント(長単繊維)から構成されるマルチフィラメント繊維束である。かかるマルチフィラメント繊維束の形状は、特に制限されないが、走行する繊維束上に発生した毛羽、付着物等の突出した欠陥の検出し易さの観点から、その断面の形状が扁平状であることが好ましい。
本発明は、合成繊維等の製造工程において、走行する繊維束上に発生した毛羽、付着物等の突出した欠陥の情報を検出するものである。
本発明において、検出の対象となる繊維束は、単糸が数千〜数万本からなる複数のフィラメント(長単繊維)から構成されるマルチフィラメント繊維束である。かかるマルチフィラメント繊維束の形状は、特に制限されないが、走行する繊維束上に発生した毛羽、付着物等の突出した欠陥の検出し易さの観点から、その断面の形状が扁平状であることが好ましい。
繊維束の種類としては、通常用いられている天然繊維、半合成繊維、合成繊維等特に限定はない。毛羽等の欠陥の発生は合成繊維の延伸工程等で多発するため、合成繊維を対象とすることが好ましい。合成繊維としては、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、アリレート繊維、又は炭素繊維等が挙げられる。
本発明において、シート状とは、複数の繊維束が、幅方向に横一列に並んでいる状態をいう。
本発明において、シート状とは、複数の繊維束が、幅方向に横一列に並んでいる状態をいう。
本発明において、欠陥とは、繊維束上に発生した毛羽ないし付着物等であって、繊維から突出している状態のものをいう。また毛羽とは、単糸一本が切れて繊維束本体から飛び出している状態のものや、単糸が複数本繊維束の本体から飛び出して互いに集束している状態のものや、繊維束の一部が弛んでループ状に飛び出している状態のものをいう。また付着物とは、特に炭素繊維の製造工程において焼成炉の炉壁から落ちて繊維に付着した炭化物やタール等をいう。
以下、図面を参照しながら、本発明の欠陥の検出方法及び検出装置の実施形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明の欠陥の検出方法及び検出装置の一実施形態例を示した模式説明図である。図1のうち、図1(a)は平面図であり、図1(b)は立面図である。図1(a)において、符号Xは複数のフィラメント(長単繊維)から構成されるマルチフィラメント繊維束(以下、単に“繊維束”ともいう)である。繊維束Xの断面は、図1(b)に示すように、扁平状である。複数の繊維束Xは、その長手方向に平行(幅方向に、横一列)にシート状に並べた状態でA方向に走行している。以下、シート状に並べた繊維束群を便宜的にシートXXと称する。なお、各繊維束Xの走行速度は同じである。
図1は、本発明の欠陥の検出方法及び検出装置の一実施形態例を示した模式説明図である。図1のうち、図1(a)は平面図であり、図1(b)は立面図である。図1(a)において、符号Xは複数のフィラメント(長単繊維)から構成されるマルチフィラメント繊維束(以下、単に“繊維束”ともいう)である。繊維束Xの断面は、図1(b)に示すように、扁平状である。複数の繊維束Xは、その長手方向に平行(幅方向に、横一列)にシート状に並べた状態でA方向に走行している。以下、シート状に並べた繊維束群を便宜的にシートXXと称する。なお、各繊維束Xの走行速度は同じである。
シートXX上、シートXXの進行方向Aの上流側には、符号1で示される第一の検出手段が配置されている。第一の検出手段1は、透過型レーザー光量検出器であり、投光器11及び受光器12を含んで構成されている。
第一の検出手段1の投光器11は、走行する繊維束XからなるシートXXを間に挟んで、シートXXの進行方向Aを横切る方向に一定面積を有する光(束)Z1を、受光器12に向かって投光する。投光器11から投光された光Z1は、受光器12により受光される。シートXXを横切る光Z1と、シートXXの進行方向Aとの成す角は、θ1で表される。
第一の検出手段1の投光器11は、走行する繊維束XからなるシートXXを間に挟んで、シートXXの進行方向Aを横切る方向に一定面積を有する光(束)Z1を、受光器12に向かって投光する。投光器11から投光された光Z1は、受光器12により受光される。シートXXを横切る光Z1と、シートXXの進行方向Aとの成す角は、θ1で表される。
また、シートXX上、シートXXの進行方向Aの下流側には、符号2で示される第二の検出手段が配置されている。第二の検出手段2は、第一の検出手段1と同様、透過型レーザー光量検出器であり、投光器21及び受光器22を含んで構成されている。
第二の検出手段2の投光器21は、走行する繊維束XからなるシートXXを間に挟んで、第一の検出手段1の投光器11とは異なる方向に、一定面積を有する光(束)Z2を、受光器22に向かって投光する。投光器21から投光された光Z2は、受光器22により受光される。シートXXを横切る光Z2と、シートXXの進行方向Aとの成す角は、θ2で表される。
第二の検出手段2の投光器21は、走行する繊維束XからなるシートXXを間に挟んで、第一の検出手段1の投光器11とは異なる方向に、一定面積を有する光(束)Z2を、受光器22に向かって投光する。投光器21から投光された光Z2は、受光器22により受光される。シートXXを横切る光Z2と、シートXXの進行方向Aとの成す角は、θ2で表される。
走行するシートXX上に、投光された光Z1を遮る物(本発明における「欠陥Y」)が存在すると、光Z1は欠陥Yに遮られて、受光器12が受光する光Z1の光量が変化する。この光量変化量に基づいて、第一の検出手段1が、欠陥Yの存在を検出する。
欠陥Yが存在するシートXXは、続いて、第二の検出手段2(投光器21と受光器22の間)に到達する。
光Z1を遮った欠陥Yは、光Z2を再び遮る。このことにより、投光器22が受光する光Z2の光量は変化する。この光量変化量に基づいて、第二の検出手段2が、欠陥Yの存在を検出する。 ここで、第一の検出手段1で検出された欠陥Yによる光量変化の検出時間t1と、第二の検出手段2で検出された同じ欠陥Yによる光量変化の検出時間t2との差から、繊維束を並べた幅方向の突出した欠陥の存在位置を算出手段(図示していない)により算出することができる。つまり、どの繊維束に欠陥が生じているかを検出できる。
例えば、図1(a)に示した配置において、光Z1の光軸と光Z2の光軸の交点を原点として表した欠陥YのシートXXの幅方向の存在位置yは、シートXXの進行速度vを用いて、v×(t2−t1)/(cotθ1−cotθ2)で得られる。
投光器11から投光される光Z1及び投光器21から投光されるZ2は、一定面積を有しかつ一方向へ引き揃えられた光束であることが必要であって、光が拡散せずに一定面積に集束した光束状態のままで伝播することが必要である。この理由から、本発明では、一方向へ引き揃えられた単一波長を持つレーザー光が好ましい。
光Z1とシートXXの進行方向Aとの成す角θ1及び光Z2とシートXXの進行方向Aとの成す角θ2の範囲は特に制限されないが、θ1≠θ2である必要があり、90±20°の範囲内であることが好ましい。
図1(b)に示すように、投光器11及び受光器12を含んで構成されている第一の検出手段1(投光器21及び受光器22を含んで構成されている第二の検出手段2)は、シートXXの上方に、所定距離Bを置いて配置されている。図1(b)では、第一の検出手段1(第二の検出手段2)は、シートXX上方に距離Bを置いて配置されているが、これに限定されず、第一の検出手段1(第二の検出手段2)を、シートXXの下方に配置することも可能である。
図2は、本発明の欠陥の検出方法及び検出装置の別の一実施形態例を側面から示した模式説明図である。
図2(a)において、符号3は、シートXXを繊維束の長手方向に走行させる走行手段であるシートロールを示している。図2(a)に示すように、シートXXは、シートロール3に規制されつつ、シートロール3上を走行している。シートXXがシートロール3により規制されていると、ばたつきが抑えられ正確な検出が望めることから、検出手段1(検出手段2)は、シートロール3付近である符号イのエリア又は符号ロのエリアに設置されることが好ましい。規制するシートロール3は、光路内にあると、所定距離が変わる可能性があることから、光Z1とZ2の光路の外にあるのが好ましい。
図2(a)において、符号3は、シートXXを繊維束の長手方向に走行させる走行手段であるシートロールを示している。図2(a)に示すように、シートXXは、シートロール3に規制されつつ、シートロール3上を走行している。シートXXがシートロール3により規制されていると、ばたつきが抑えられ正確な検出が望めることから、検出手段1(検出手段2)は、シートロール3付近である符号イのエリア又は符号ロのエリアに設置されることが好ましい。規制するシートロール3は、光路内にあると、所定距離が変わる可能性があることから、光Z1とZ2の光路の外にあるのが好ましい。
また検出手段1(検出手段2)は、図2(b)又は(c)に示すように、シートXXが立ち上がっているところに配置することもできる。
本発明において、シートロール3は、繊維束Xが安定に走行するのに十分な直径、繊維束Xの本数に応じた長手方向の幅、強度を有していればその素材、表面状態等を特に限定する必要はない。また、繊維束Xが走行するシートロール3は、繊維束Xとの摩擦力によって従動駆動するフリーローラであっても、電動機等によって強制的に駆動される強制駆動ローラであってもよい。
以上説明した本発明の繊維束の欠陥の検出方法及び検出装置は、様々な繊維の製造に適用することができる。
以上説明した本発明の繊維束の欠陥の検出方法及び検出装置は、様々な繊維の製造に適用することができる。
<実施例1>
以下、図3を用いて、本発明の欠陥の検出方法及び検出装置についてより具体的に説明する。なお、図1にて説明した部分については適宜説明を省略する。
図3(a)に示すように、5本の繊維束Xを配置し、この5本の繊維束XからなるシートXXを、A1方向に、移動速度5m/minで走行させ、繊維束Xに発生した突出した欠陥Yの検出を行う。繊維束Xの幅は、約10mmとし、繊維束Xと繊維束Xとの幅は、20mmピッチとする。また、繊維束Xとして、市販の炭素繊維束TR−50S(単繊維繊度0.67dtex、単繊維本数12000本)にモデル的な毛羽を加えた繊維束を用いた。
以下、図3を用いて、本発明の欠陥の検出方法及び検出装置についてより具体的に説明する。なお、図1にて説明した部分については適宜説明を省略する。
図3(a)に示すように、5本の繊維束Xを配置し、この5本の繊維束XからなるシートXXを、A1方向に、移動速度5m/minで走行させ、繊維束Xに発生した突出した欠陥Yの検出を行う。繊維束Xの幅は、約10mmとし、繊維束Xと繊維束Xとの幅は、20mmピッチとする。また、繊維束Xとして、市販の炭素繊維束TR−50S(単繊維繊度0.67dtex、単繊維本数12000本)にモデル的な毛羽を加えた繊維束を用いた。
このとき、レーザー光束を投受光する透過型レーザー光量検出器として、投光器と受光器とがセットになったキーエンス社製のレーザーセンサ(以下、「センサー1ともいう」を使用する。センサー1は、センサーヘッド(型式:IB−01/投光器11及び受光器12、又は投光器21及び受光器22)と、アンプユニット(型式:IB−1000/第一の検出手段1又は第二の検出手段2)を含んでいる。なお、この透過型レーザー光量検出器の投光器からは、波長が660nmの可視光レーザー(光Z1)が発振されるようにされている。
センサーヘッド間(投光器11と受光器12との間)の距離は、200mmとし、センサー1と繊維束Xとの成す角θ1を90°とし、シートXXの幅方向中央が、センサー1間のちょうど中央にくるように設置する。図3(b)に示すように、センサー1は、シート下方に設置する。その際、センサー1とシートXXとの距離(所定距離)は10mmとし、またセンサーサンプリング速度は1msとする。
第一の検出手段1であるセンサー1にて、毛羽ないし付着物等の欠陥Yを検出し、図4に示すように、直前の欠陥Yを検出してから欠陥Yを検出するまでの時間間隔のヒストグラムを作成する。そのヒストグラムから予想される欠陥Yとその直前の欠陥Yとの時間間隔の最小値よりも、同一の欠陥Yが第一の検出手段1で検出されてから第二の検出手段2で検出されるまでの遅れ時間の最大が小さくなるように、第二の検出手段2の位置を決定することで、欠陥Yの幅方向の位置を単純なデータ処理により精度良く検出することができる。
例えば、図4(a)のようなヒストグラムであった場合、最も小さな時間間隔は2秒となるため、検出手段1の光軸(光Z1)と検出手段2の光軸(光Z2)の間を毛羽ないし付着物等の欠陥Yが通り過ぎる時間が2秒を越えないように設置する。2秒を越えるように設置してしまうと、検出手段1と2の光軸の間に複数の毛羽ないし付着物等が入るため、幅方向の算出ができなくなってしまう。
また図4(b)のようなヒストグラムであった場合、最も小さな時間間隔は1秒となるため、図4(a)の場合に比して、検出手段1の光軸(光Z1)と検出手段2の光軸(光Z2)の間を狭めて、毛羽ないし付着物等の欠陥Yが通り過ぎる時間が1秒を越えないように設置してもよいが、最も小さな時間間隔における欠陥Yの検出頻度が少ないため、完全な幅方向の位置算出を実施せずに、幅方向の毛羽ないし付着物等の発生傾向を把握してもよい。
また図4(b)のようなヒストグラムであった場合、最も小さな時間間隔は1秒となるため、図4(a)の場合に比して、検出手段1の光軸(光Z1)と検出手段2の光軸(光Z2)の間を狭めて、毛羽ないし付着物等の欠陥Yが通り過ぎる時間が1秒を越えないように設置してもよいが、最も小さな時間間隔における欠陥Yの検出頻度が少ないため、完全な幅方向の位置算出を実施せずに、幅方向の毛羽ないし付着物等の発生傾向を把握してもよい。
以上より検出手段2は、図4(a)のヒストグラムに基づいて配置を決定する場合、最も小さな時間間隔は2秒となるため、検出手段1の光軸(光Z1)と検出手段2の光軸(光Z2)の間を毛羽ないし付着物等の欠陥Yが通り過ぎる時間が2秒を越えないように設置することになる。この場合、シートXXの走行速度は5m/minであるため、シートXXは2秒で166.7mm移動するので、検出手段1の光軸(光Z1)と検出手段2の光軸(光Z2)の間は、166.7mmより短く設定することができる。
例えば、図3に示すように、投光器21−受光器22間距離を200mm、θ2=70°とし、シートXXの幅方向中央が、センサー間のちょうど中央にくるように設置する。また投光器2から一番遠い繊維束Xの幅方向中央上にて、検出手段1の光軸(光Z1)と検出手段2の光軸(光Z2)が長手方向に100mm離れるように配置する(D)。この際、投光器2から一番近い繊維束Xの幅方向中央上の、検出手段1の光軸(光Z1)と検出手段2の光軸(光Z2)とは長手方向に70mm離れることとなる(C)。
例えば、図3に示すように、投光器21−受光器22間距離を200mm、θ2=70°とし、シートXXの幅方向中央が、センサー間のちょうど中央にくるように設置する。また投光器2から一番遠い繊維束Xの幅方向中央上にて、検出手段1の光軸(光Z1)と検出手段2の光軸(光Z2)が長手方向に100mm離れるように配置する(D)。この際、投光器2から一番近い繊維束Xの幅方向中央上の、検出手段1の光軸(光Z1)と検出手段2の光軸(光Z2)とは長手方向に70mm離れることとなる(C)。
上記のように設置することで、投光器11側に一番近い繊維束Xに毛羽ないし付着物等の欠陥Yが存在した場合、図5(a)−1に示すように、欠陥Yが検出手段1で検出され(図5(a)−2参照)、0.84秒後、図5(b)−1に示すように、欠陥Yが検出手段2で検出される(図5(b)−2参照)。また投光器11側に一番遠い繊維束Xに毛羽ないし付着物等の欠陥Yが存在した場合は、図6(a)−1に示すように、欠陥Yが検出手段1で検出され(図6(a)−2参照)、1.2秒後、図6(b)−1に示すように、欠陥Yが検出手段2で検出される(図6(b)−2参照)。
検出手段1で求めた検出手段2の設置方法は、特に制限されず、手動でも良いし、自動で動く機構にしても良い。
また毛羽ないし付着物等の頻度が大きく発生傾向だけを把握する場合は、シートXXと検出手段1及び2との所定距離Bを大きくすることで検出手段の光軸にかかる毛羽ないし付着物等の欠陥Yの検出頻度を減らして、測定する方法でも良い。
<実施例2>
図8(a)−1に示すように、五本の繊維束XからなるシートXXに対し、図3と同様に、投光器1及び受光器1からなる検出手段1と投光器2及び受光器2からなる検出手段2を配置する。投光器1側に一番近い繊維束X及び投光器1側に一番遠い繊維束Xの両方に、毛羽ないし付着物等の欠陥Yが存在するとする。ここで、シートXXは、実施例1と同様とする。投光器1側に一番近い繊維束X上に存在する欠陥を、欠陥Y1とし、投光器1側に一番遠い繊維束X上に存在する欠陥を欠陥Y2とする。欠陥Y1及び欠陥Y2が、投光器1から投光された光Z1に到達するタイミングは同時ではないものとし、欠陥Y1のサイズは、欠陥Y2のサイズに比して大きいものとする。
図8(a)−1に示すように、五本の繊維束XからなるシートXXに対し、図3と同様に、投光器1及び受光器1からなる検出手段1と投光器2及び受光器2からなる検出手段2を配置する。投光器1側に一番近い繊維束X及び投光器1側に一番遠い繊維束Xの両方に、毛羽ないし付着物等の欠陥Yが存在するとする。ここで、シートXXは、実施例1と同様とする。投光器1側に一番近い繊維束X上に存在する欠陥を、欠陥Y1とし、投光器1側に一番遠い繊維束X上に存在する欠陥を欠陥Y2とする。欠陥Y1及び欠陥Y2が、投光器1から投光された光Z1に到達するタイミングは同時ではないものとし、欠陥Y1のサイズは、欠陥Y2のサイズに比して大きいものとする。
シートXX上の欠陥Yの検出を開始する。欠陥Yは、投光器1及び受光器1の間を通過する。その際、投光器1から投光された光Z1は、欠陥Yにより遮蔽される。実施例1では欠陥Yの検出を、欠陥Yの存在の有無のみで判定していたが、本実施例では、欠陥Yの通過速度に対して、サンプリング速度を、欠陥Yの形状が区別できるような十分な速度とすると、図8(a)−2から、検出手段1は、2つの異なるピークを検出しており、シートXX上には、2つの異なる欠陥Yが存在していたことがわかる。左側のピークから、該当する欠陥は、光Z1を一定時間以上完全に遮蔽する程の大きさであることがわかり、また右側のピークは、左側のピークに比して、光Z1の遮蔽量が小さく、遮蔽時間も短いことがわかる。
投光器1及び受光器1の間を通過した2つの欠陥は、次に、図8(b)−1に示すように、投光器2及び受光器2の間を通過し、検出手段2によりそれぞれ検出される。2つの欠陥が投光器2及び受光器2の間を通過した直後の検出手段2が検出した遮光量の変化と検出時間の記録をグラフにすると、図8(b)−2のようになる。その時点における検出手段1が検出した遮光量の変化と検出時間の記録をグラフにしたものが図8(a)−2である。図8(a)−2と図8(b)−2を対比すると、図8(a)−2において、左側に検出されていた大きいピークは、図8(b)−2では、その位置がわずかに、左側にシフトしている。図8(a)−2において、右側に検出されていた小さいピークは、図8(b)−2では、その位置が大きく、左側にシフトしている。
大きいピークの図8(a)−2と図8(b)−2におけるシフトの幅から、大きいピークは、投光器1側に一番近い繊維束X上にある欠陥Y1であることがわかる。同様に、小さいピークは、投光器2側に一番遠い繊維束X上にある欠陥Y2であることがわかる。
以上の記述において「大きいピーク」および「小さいピーク」と区別したピークは、欠陥Yの通過速度に対して十分なサンプリング速度で射光量を測定して記録することで、検出ピークの形状を把握して区別することもできる。検出ピークの形状を把握してピークを区別することで、検出手段1と検出手段2の間に複数の毛羽ないし付着物等が入ったとしても、ピーク形状(高さ、幅等)から個々を識別し、それぞれのピークのシートXX中の幅方向の位置を算出することが可能となる。
投光器1及び受光器1の間を通過した2つの欠陥は、次に、図8(b)−1に示すように、投光器2及び受光器2の間を通過し、検出手段2によりそれぞれ検出される。2つの欠陥が投光器2及び受光器2の間を通過した直後の検出手段2が検出した遮光量の変化と検出時間の記録をグラフにすると、図8(b)−2のようになる。その時点における検出手段1が検出した遮光量の変化と検出時間の記録をグラフにしたものが図8(a)−2である。図8(a)−2と図8(b)−2を対比すると、図8(a)−2において、左側に検出されていた大きいピークは、図8(b)−2では、その位置がわずかに、左側にシフトしている。図8(a)−2において、右側に検出されていた小さいピークは、図8(b)−2では、その位置が大きく、左側にシフトしている。
大きいピークの図8(a)−2と図8(b)−2におけるシフトの幅から、大きいピークは、投光器1側に一番近い繊維束X上にある欠陥Y1であることがわかる。同様に、小さいピークは、投光器2側に一番遠い繊維束X上にある欠陥Y2であることがわかる。
以上の記述において「大きいピーク」および「小さいピーク」と区別したピークは、欠陥Yの通過速度に対して十分なサンプリング速度で射光量を測定して記録することで、検出ピークの形状を把握して区別することもできる。検出ピークの形状を把握してピークを区別することで、検出手段1と検出手段2の間に複数の毛羽ないし付着物等が入ったとしても、ピーク形状(高さ、幅等)から個々を識別し、それぞれのピークのシートXX中の幅方向の位置を算出することが可能となる。
<実施例3>
検出手段1と検出手段2で測定した遮光量を一定の閾値を越えたら欠陥Y有りを意味する1、閾値を越えなかったら欠陥Y無しを意味する0という「1/0」データとし、受光器21における任意の時間0から遡るt秒前の遮光量データをf2(t)[時間tの関数]とし、受光器11における時間0から遡るt秒前の遮光量データf1(t)を[時間tの関数]として、f2(t)×f1(t+d)の一定時間(任意T秒間)の時間積分値をTで割った値(f2(t)およびf1(t)を等間隔の離散データとして記録すれば、積分期間のf2(t)×f1(t+d))の総計を積分期間のデータ数で割ることで得られる値)が、遅れ時間dに対する欠陥Yが「有り」の一致率となる。ただし、遅れ時間dの最小は投光器1及び2から近い繊維束Xの遅れ時間tminで、遅れ時間dの最大は投光器1及び2から遠い繊維束Xの遅れ時間tmaxである。遅れ時間dのtminからtmaxに対して一致率のグラフを描き、大きなピークが出ている遅れ時間dに相当するシートXXの幅方向の位置にある繊維束Xに欠陥が存在することが分かる。
検出手段1と検出手段2で測定した遮光量を一定の閾値を越えたら欠陥Y有りを意味する1、閾値を越えなかったら欠陥Y無しを意味する0という「1/0」データとし、受光器21における任意の時間0から遡るt秒前の遮光量データをf2(t)[時間tの関数]とし、受光器11における時間0から遡るt秒前の遮光量データf1(t)を[時間tの関数]として、f2(t)×f1(t+d)の一定時間(任意T秒間)の時間積分値をTで割った値(f2(t)およびf1(t)を等間隔の離散データとして記録すれば、積分期間のf2(t)×f1(t+d))の総計を積分期間のデータ数で割ることで得られる値)が、遅れ時間dに対する欠陥Yが「有り」の一致率となる。ただし、遅れ時間dの最小は投光器1及び2から近い繊維束Xの遅れ時間tminで、遅れ時間dの最大は投光器1及び2から遠い繊維束Xの遅れ時間tmaxである。遅れ時間dのtminからtmaxに対して一致率のグラフを描き、大きなピークが出ている遅れ時間dに相当するシートXXの幅方向の位置にある繊維束Xに欠陥が存在することが分かる。
具体的に説明すると、例えばf2(t)×f1(t+d)をある時間(例えば1分間)にわたって積分して、積分した時間の長さで割ったものを強度としてdに対してプロットする。
例えば図9(a)に示すように、繊維束XからなるシートXXに対して、投光器11及び受光器12を含む検出手段1と、投光器21及び受光器22を含む検出手段2とを、図3と同様に配置する。仮に投光器11から一番遠い繊維束X上に欠陥Yが存在した場合、検出手段1及び検出手段2が検出するピークは、図9(b)のようになる。これを、「1/0」データとし、受光器21における時間0から遡るt秒前の遮光量データをf2(t)とし、受光器1における時間0から遡るt秒前の遮光量データf1(t+d)をとして表すと、d=0の場合、図9(c)(図10(a)−1)のようになる、
図9(a)の配置の場合、検出手段1と検出手段2での欠陥Yの検出時間差は、dmax=1.2秒となり、dmin=0.84秒となる。
そこで、(i)dmin=0.84の場合について、f2(t)及びf1(t+d)を表すと、図10(a)−2に示すようになり、f2(t)×f1(t+d)を表すと、図10(a)−5となる。
また(ii)dmax=1.1の場合について、f2(t)及びf1(t+d)を表すと、図10(a)−2に示すようになり、f2(t)×f1(t+d)を表すと、図10(a)−6となる。
また(iii)dmax=1.2の場合について、f2(t)及びf1(t+d)を表すと、図10(a)−3に示すようになり、f2(t)×f1(t+d)を表すと、図10(a)−7となる。
d=0.84〜1.2とし、f2(t)×f1(t−d)をある時間、例えば1分間に渡って積分する。
図9(a)では、投光器から一番遠い繊維束X上に欠陥Yが存在するため、1.2秒差で重ねあわせた場合が最もマッチングし、図10(a)−8に示すように、時間差1.2秒の場所に最も高いピークが立つことになる。それぞれの繊維束に存在する欠陥の割合が十分に小さい場合は、それぞれ異なる繊維束にある欠陥に由来する検出信号(「1/0」データの1)が偶然に重なってf2(t)×f1(t−d)が1になる割合は極めて小さいので、遅れ時間dに対応する繊維束にある欠陥に由来する検出信号をf2(t)×f1(t−d)の積分値のピークの高さとして検出することができ、ピークの高さを上記の積分時間で除した値は、遅れ時間dに対応する繊維束に閾値以上の欠陥が存在する割合(存在率)を示す。
以上から、欠陥Yの繊維束XからなるシートXX上における幅方向の存在位置と毛羽の存在率が検出できる。
例えば図9(a)に示すように、繊維束XからなるシートXXに対して、投光器11及び受光器12を含む検出手段1と、投光器21及び受光器22を含む検出手段2とを、図3と同様に配置する。仮に投光器11から一番遠い繊維束X上に欠陥Yが存在した場合、検出手段1及び検出手段2が検出するピークは、図9(b)のようになる。これを、「1/0」データとし、受光器21における時間0から遡るt秒前の遮光量データをf2(t)とし、受光器1における時間0から遡るt秒前の遮光量データf1(t+d)をとして表すと、d=0の場合、図9(c)(図10(a)−1)のようになる、
図9(a)の配置の場合、検出手段1と検出手段2での欠陥Yの検出時間差は、dmax=1.2秒となり、dmin=0.84秒となる。
そこで、(i)dmin=0.84の場合について、f2(t)及びf1(t+d)を表すと、図10(a)−2に示すようになり、f2(t)×f1(t+d)を表すと、図10(a)−5となる。
また(ii)dmax=1.1の場合について、f2(t)及びf1(t+d)を表すと、図10(a)−2に示すようになり、f2(t)×f1(t+d)を表すと、図10(a)−6となる。
また(iii)dmax=1.2の場合について、f2(t)及びf1(t+d)を表すと、図10(a)−3に示すようになり、f2(t)×f1(t+d)を表すと、図10(a)−7となる。
d=0.84〜1.2とし、f2(t)×f1(t−d)をある時間、例えば1分間に渡って積分する。
図9(a)では、投光器から一番遠い繊維束X上に欠陥Yが存在するため、1.2秒差で重ねあわせた場合が最もマッチングし、図10(a)−8に示すように、時間差1.2秒の場所に最も高いピークが立つことになる。それぞれの繊維束に存在する欠陥の割合が十分に小さい場合は、それぞれ異なる繊維束にある欠陥に由来する検出信号(「1/0」データの1)が偶然に重なってf2(t)×f1(t−d)が1になる割合は極めて小さいので、遅れ時間dに対応する繊維束にある欠陥に由来する検出信号をf2(t)×f1(t−d)の積分値のピークの高さとして検出することができ、ピークの高さを上記の積分時間で除した値は、遅れ時間dに対応する繊維束に閾値以上の欠陥が存在する割合(存在率)を示す。
以上から、欠陥Yの繊維束XからなるシートXX上における幅方向の存在位置と毛羽の存在率が検出できる。
1:第一の検出手段
11:(第一の)投光器
12:(第一の)受光器
2:第二の検出手段
21:(第二の)投光器
22:(第二の)受光器
3:シートロール
X:繊維束
XX:シート群
Y:欠陥
Z1:投光器11から投光された光(光軸)
Z2:投光器21から投光された光(光軸)
A:繊維束の進行方向(糸道方向)
B:シートXXと検出手段1及び2との距離
θ1:繊維束Xと光Z1との成す角
θ2:繊維束Xと光Z2との成す角
11:(第一の)投光器
12:(第一の)受光器
2:第二の検出手段
21:(第二の)投光器
22:(第二の)受光器
3:シートロール
X:繊維束
XX:シート群
Y:欠陥
Z1:投光器11から投光された光(光軸)
Z2:投光器21から投光された光(光軸)
A:繊維束の進行方向(糸道方向)
B:シートXXと検出手段1及び2との距離
θ1:繊維束Xと光Z1との成す角
θ2:繊維束Xと光Z2との成す角
Claims (8)
- 繊維束から突出した欠陥の検出方法であって、複数の繊維束を平行に並べてシート状にした繊維束群を走行させ、前記走行する繊維束群から所定距離離れた位置に、前記繊維束群の進行方向を横切る方向に光を投光する投光器と、前記投光器から投光された光を受光する受光器とを含む検出手段を2組配置し、前記受光器で受光した光の光量から、欠陥によって遮光されて生じる光量変化量を算出し、算出した光量変化量に基づいて欠陥の検出を行い、
前記2組の検出手段は、それぞれ異なる方向に前記投光器から受光器に向けて光を投光し、
前記2組の検出手段で検出した欠陥の検出時間差から、各繊維束上の欠陥の存在位置を算出する繊維束の欠陥検出方法。 - 前記2組の検出手段のうち、一方の検出手段により、欠陥の検出の頻度を測定し、その結果により他方の検出手段の位置を決定する請求項1に記載の繊維束の欠陥検出方法。
- 前記繊維束群の走行速度と前記2組の検出手段によるサンプリング速度とを調整して、欠陥の検出ピークの形状を識別し、識別したピークの形状から、複数の欠陥の幅方向位置を算出する請求項1又は2に記載の繊維束の欠陥検出方法。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の繊維束の欠陥検出方法により算出した欠陥の幅方向位置を表示することを特徴とする繊維束の欠陥の工程管理方法。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の繊維束欠陥の検出方法を有することを特徴とする繊維製造方法。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の繊維束欠陥の検出方法から得られる欠陥の情報に応じて繊維束を分別することを特徴とする繊維製造方法。
- 請求項5又は6に記載の繊維製造方法を用いる炭素繊維の製造方法。
- 繊維束から突出した欠陥の検出装置であって、
複数の繊維束を平行にシート状に並べた繊維束群を、前記繊維束の長手方向に走行させる走行手段と、
走行する繊維束群から所定距離離れた位置に配置された、前記繊維束群の進行方向を横切る方向に光を投光する投光器と、前記投光器から投光された光を受光する受光器とを含む、2組の検出手段と、
を有し、
前記2組の検出手段は、それぞれ異なる方向に前記投光器から受光器に向けて光を投光するように配置され、
前記受光器で受光した光の光量から、欠陥によって遮光されて生じる光量変化量を算出し、算出した光量変化量に基づいて欠陥の検出を行い、前記2組の検出手段で検出した欠陥の検出時間差から、各繊維束上の欠陥の存在位置を算出する算出手段を備える検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018064403A JP2019174340A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | 繊維束の欠陥検出方法 |
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ID=68170286
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JP2018064403A Pending JP2019174340A (ja) | 2018-03-29 | 2018-03-29 | 繊維束の欠陥検出方法 |
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JP (1) | JP2019174340A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58207255A (ja) * | 1982-05-25 | 1983-12-02 | Teijin Eng Kk | 糸条の異常検出方法 |
US20030112429A1 (en) * | 2001-12-14 | 2003-06-19 | Jens Harmstorf | Method and apparatus for continuous detection and localization of yarn defects in a yarn sheet traveling in a plane |
JP2005330604A (ja) * | 2004-05-18 | 2005-12-02 | Tsudakoma Corp | 糸シート異常検出装置 |
-
2018
- 2018-03-29 JP JP2018064403A patent/JP2019174340A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS58207255A (ja) * | 1982-05-25 | 1983-12-02 | Teijin Eng Kk | 糸条の異常検出方法 |
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