JP2019174144A - 熱式フローセンサ装置および流量補正方法 - Google Patents

熱式フローセンサ装置および流量補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】補正係数の設定の手間と補正係数のばらつきを低減する。【解決手段】熱式フローセンサ装置1は、バルブ開度と流量の関係を近似した理論曲線の情報を記憶するバルブ開度−流量特性情報記憶部3と、理論流量初期値に対する理論流量の倍率の時間毎の増加量が規定値になるように開度指示信号を、バルブを制御する制御装置19に送信するバルブ開度指示部5と、熱式フローセンサ2の流量出力初期値とバルブ開度を変化させる開度指示信号が送信された時点以降の流量出力値を取得する出力信号取得部6と、流量出力初期値に対する流量出力値の倍率が終値に到達するまでの第1の所要時間を計測する所要時間計測部7と、理論流量初期値に対する理論流量の倍率が終値に到達するまでの第2の所要時間に対する第1の所要時間の比を補正係数とする補正係数算出部9と、流量出力値に補正係数を乗算する流量補正部10を備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、計測流体の温度を測定する温度センサから得られるセンサ出力信号を基に計測流体の流量を算出する熱式フローセンサ装置に関するものである。
流体の流量を計測するための熱式フローセンサが実用されている(例えば特許文献1参照)。熱式フローセンサでは、想定されている計測流体(例えば水)について流量−出力信号特性を予め把握することで、計測流体の流量を測定(推定)することができる。このため、特性が予め把握できている計測流体以外の流体を計測対象とする場合は、流量−出力信号特性から得られる流量値を補正係数で補正して対応することになる。
現在の熱式フローセンサの使用方法では、流体の熱物性や、同種の流体を過去に流した時の感度を確認して、推定で補正係数を設定するようにしている。この設定作業は、手順がある程度標準化されているケースであっても、実質的にオペレータの手作業となる。したがって、手間がかかると同時に、オペレータの能力や主観に依存するばらつきが生じ易いので、改善が求められている。
特開2017−009348号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、補正係数の設定の手間と補正係数のばらつきとを低減することができる熱式フローセンサ装置および流量補正方法を提供することを目的とする。
本発明の熱式フローセンサ装置は、計測流体が流通する流路に配設され、前記計測流体の温度を測定する温度センサから得られるセンサ出力信号を出力するように構成された熱式フローセンサと、前記熱式フローセンサよりも上流側または下流側の前記流路の箇所に配設されたバルブの開度と前記計測流体の流量との関係を近似した理論曲線の情報を予め記憶するように構成されたバルブ開度−流量特性情報記憶部と、基準となる計測流体での流量と前記センサ出力信号との関係についての情報を予め記憶するように構成された流量−出力信号基準特性情報記憶部と、この流量−出力信号基準特性情報記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記熱式フローセンサから出力されたセンサ出力信号を流量の値に変換するように構成された流量導出部と、この流量導出部の流量出力値に補正係数を乗算して流量を補正するように構成された流量補正部と、前記理論曲線から得られる理論流量の、前記補正係数の算出・設定開始時の理論流量初期値に対する倍率の単位時間毎の増加量の規定値と、この倍率の終値とを予め記憶するように構成された倍率情報記憶部と、前記補正係数を算出・設定する際に、前記バルブ開度−流量特性情報記憶部と前記倍率情報記憶部の情報を参照し、前記理論流量の前記倍率の単位時間毎の増加量が前記規定値になるようにバルブ開度を指定する開度指示信号を、前記バルブを制御する制御装置に送信するように構成されたバルブ開度指示部と、前記補正係数の算出・設定開始時の前記流量導出部の流量出力初期値と前記バルブ開度を変化させる開度指示信号が送信された時点以降の前記流量導出部の流量出力値とを取得するように構成された出力信号取得部と、前記流量出力初期値に対する前記流量出力値の倍率が前記終値に到達するまでの第1の所要時間を計測するように構成された所要時間計測部と、前記バルブ開度−流量特性情報記憶部と前記倍率情報記憶部の情報に基づいて、前記理論流量初期値に対する前記理論流量の倍率が前記終値に到達するまでの第2の所要時間を算出し、この第2の所要時間に対する前記第1の所要時間の比を前記補正係数として算出して前記流量補正部に設定するように構成された補正係数算出部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の熱式フローセンサ装置の1構成例は、予め規定されたタイミングで前記補正係数の算出・設定処理を実行するように制御管理するように構成された実行管理部と、前記補正係数算出部によって算出された過去から現在までの補正係数の履歴情報を提示するように構成された履歴情報提示部と、前記補正係数算出部によって算出された補正係数の正常値からの乖離度合が、規定量以上になったときにアラームを出力するように構成されたアラーム出力部とを、さらに備えることを特徴とするものである。
また、本発明の流量補正方法は、基準となる計測流体での流量とセンサ出力信号との関係についての情報を予め記憶する流量−出力信号基準特性情報記憶部を参照し、計測流体が流通する流路に配設された熱式フローセンサのセンサ出力信号を流量出力値に変換する第1のステップと、前記流量出力値に補正係数を乗算して流量を補正する第2のステップと、前記補正係数を算出・設定する際に、前記熱式フローセンサよりも上流側または下流側の前記流路の箇所に配設されたバルブの開度と前記計測流体の流量との関係を近似した理論曲線の情報を予め記憶するバルブ開度−流量特性情報記憶部を参照すると共に、前記理論曲線から得られる理論流量の、前記補正係数の算出・設定開始時の理論流量初期値に対する倍率の単位時間毎の増加量の規定値と、この倍率の終値とを予め記憶する倍率情報記憶部を参照し、前記理論流量の前記倍率の単位時間毎の増加量が前記規定値になるようにバルブ開度を指定する開度指示信号を、前記バルブを制御する制御装置に送信する第3のステップと、前記補正係数の算出・設定開始時の前記流量出力値の初期値を取得する第4のステップと、前記バルブ開度を変化させる開度指示信号が送信された時点以降の前記流量出力値を取得する第5のステップと、前記流量出力値の初期値に対する前記流量出力値の倍率が前記終値に到達するまでの第1の所要時間を計測する第6のステップと、前記バルブ開度−流量特性情報記憶部と前記倍率情報記憶部の情報に基づいて、前記理論流量初期値に対する前記理論流量の倍率が前記終値に到達するまでの第2の所要時間を算出し、この第2の所要時間に対する前記第1の所要時間の比を前記補正係数として算出する第7のステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の流量補正方法の1構成例は、予め規定されたタイミングで前記補正係数の算出・設定処理を実行するように指示する第8のステップと、前記第7のステップによって算出された過去から現在までの補正係数の履歴情報を提示する第9のステップと、前記第7のステップによって算出された補正係数の正常値からの乖離度合が、規定量以上になったときにアラームを出力する第10のステップとを、さらに含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、バルブ開度−流量特性情報記憶部と倍率情報記憶部とバルブ開度指示部と出力信号取得部と所要時間計測部と補正係数算出部とを設けることにより、補正係数の設定の手間と補正係数のばらつきとを低減することができる。したがって、流量計測の専門的知識のないオペレータであっても、計測流体に応じた適切な補正係数を設定することが可能になる。
また、本発明では、実行管理部と履歴情報提示部とアラーム出力部とを設けることにより、補正係数算出部によって算出・設定される補正係数をモニタリングすることができ、計測流体の状態変化(異常発生など)を検出することが期待できる。
図1は、計測流体を水とする設定後に各種の流体を熱式フローセンサに流通させた場合の真流量と熱式フローセンサの流量出力との関係を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施例に係る熱式フローセンサ装置の構成を示すブロック図である。 図3は、マスフローコントローラの断面図である。 図4は、熱式フローセンサのフローセンサチップの構造を示す平面図および断面図である。 図5は、熱式フローセンサの電気回路の構成を示すブロック図である。 図6は、バルブの開度と流体の流量との関係の1例を示す図である。 図7は、各種の流体を流路に流通させた場合の真流量とセンサ出力信号との関係を示す図である。 図8は、図7の水の特性を基準とした場合の各種の流体の真流量とセンサ出力信号との関係を示す図である。 図9は、本発明の第1の実施例に係る熱式フローセンサ装置のバルブ開度指示部の動作を説明するフローチャートである。 図10は、本発明の第1の実施例に係る熱式フローセンサ装置の出力信号取得部と所要時間計測部と補正係数算出部の動作を説明するフローチャートである。 図11は、本発明の第1の実施例に係る熱式フローセンサ装置の流量導出部と流量補正部の動作を説明するフローチャートである。 図12は、本発明の第2の実施例に係る熱式フローセンサ装置の構成を示すブロック図である。 図13は、本発明の第2の実施例に係る熱式フローセンサ装置のバルブ開度指示部と実行管理部の動作を説明するフローチャートである。 図14は、本発明の第2の実施例に係る熱式フローセンサ装置の出力信号取得部と所要時間計測部と補正係数算出部と実行管理部と履歴情報提示部とアラーム出力部の動作を説明するフローチャートである。 図15は、本発明の第2の実施例における補正係数の履歴情報の提示例を示す図である。 図16は、本発明の第1、第2の実施例に係る熱式フローセンサ装置を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。
[発明の原理1]
発明者は、例えば水(H2O)を基準の計測流体とした場合(すなわち、水を計測流体として校正した場合)の真流量−熱式フローセンサの流量出力特性と、水以外の流体を同フローセンサに流通させた場合の真流量−流量出力特性とを対比すると、図1に示すようにいずれの流体の場合も熱式フローセンサの流量出力と真流量とが概ね比例の関係にあることを突き止めた。
図1の例では、流体の種類を、水、イソプロピルアルコール中濃度、イソプロピルアルコール高濃度、フロリナート(登録商標)、過酸化水素低濃度、過酸化水素中濃度、過酸化水素高濃度、硫酸低濃度、硫酸中低濃度、硫酸中高濃度、硫酸高濃度とし、各流体の温度を25℃とした。
また、発明者は、熱式フローセンサで計測される流量値を基に流体の流量を制御するバルブが熱式フローセンサの上流または下流に配設されているとき、流体の供給圧力が一定(変動小)の状態であれば、バルブの開度と流量の関係(一定倍率)が予め概ね把握できていると見なせることに着眼した。
そして、一定変化倍率で理論流量が変化するようにバルブ開度を変化させて、理論流量初期値に対する理論流量の倍率が終値に至るまでの理論所要時間と、流量出力初期値に対する流量出力値の倍率が終値に至るまでの所要時間との比に基づき、計測流体に応じた熱式フローセンサの補正係数を算出できることに想到した。これにより、本発明では、補正係数の設定の手間を低減し、ばらつきを低減できる。
[発明の原理2]
定期的に補正係数を算出する手順を実行し、例えば上位側機器に送信し、これをモニタリングすることにより、計測流体の状態変化(異常発生など)を検出することが期待できる。
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図2は本発明の第1の実施例に係る熱式フローセンサ装置の構成を示すブロック図である。本実施例は、上記発明の原理1に対応する例である。なお、図2の例では、熱式フローセンサ装置を含むマスフローコントローラの例について記載するが、本発明はマスフローコントローラ以外にも適用可能である。マスフローコントローラの場合には、熱式フローセンサの下流にバルブが配設されているが、熱式フローセンサの上流にバルブが配設されていてもよい。
熱式フローセンサ装置1は、熱式フローセンサ2と、供給圧力が一定の状態におけるバルブ開度と計測流体の流量との関係を近似した理論曲線の情報を予め記憶するバルブ開度−流量特性情報記憶部3と、基準となる計測流体での流量とセンサ出力信号との関係についての情報を予め記憶する流量−出力信号基準特性情報記憶部4と、補正係数を算出・設定する際に、理論曲線から得られる理論流量の、補正係数の算出・設定開始時の理論流量初期値に対する倍率の単位時間毎の増加量が規定値になるようにバルブ開度を指定する開度指示信号を、バルブを制御する制御装置に送信するバルブ開度指示部5と、補正係数の算出・設定開始時の熱式フローセンサ2の流量出力初期値とバルブ開度を変化させる開度指示信号が送信された時点以降の熱式フローセンサ2の流量出力値とを取得する出力信号取得部6と、流量出力初期値に対する熱式フローセンサ2の流量出力値の倍率が終値に到達するまでの第1の所要時間を計測する所要時間計測部7と、理論曲線から得られる理論流量の、補正係数の算出・設定開始時の理論流量初期値に対する倍率の単位時間毎の増加量の規定値と、この倍率の終値とを予め記憶する倍率情報記憶部8と、バルブ開度−流量特性情報記憶部3と倍率情報記憶部8の情報に基づいて、理論流量初期値に対する理論流量の倍率が終値に到達するまでの第2の所要時間を算出し、この第2の所要時間に対する第1の所要時間の比を補正係数として算出する補正係数算出部9と、熱式フローセンサ2の流量出力値に補正係数を乗算して流量を補正する流量補正部10とを備えている。
図1の流量制御装置19は、バルブと共にマスフローコントローラに設けられる。図3はマスフローコントローラの構造を示す断面図である。図3において、11はマスフローコントローラの本体ブロック、12はセンサパッケージ、13はセンサパッケージ12のヘッド部、14はヘッド部13に搭載されたフローセンサチップ、15はバルブ、16は本体ブロック11の内部に形成された流路、17は流路16の入口側の開口、18は流路16の出口側の開口である。
流体は、開口17から流路16に流入してバルブ15を通過し、開口18から排出される。熱式フローセンサ2は、流路16を流れる流体の流量を計測する。
マスフローコントローラの流量制御装置19は、熱式フローセンサ装置1によって計測された流体の流量に基づく流量制御を行う。具体的には、流量制御装置19は、計測された流量と設定値とが一致するようにバルブ15を駆動する。
図4(A)は熱式フローセンサ2のフローセンサチップ14の構造を示す平面図、図4(B)は図4(A)のフローセンサチップ14のA−A線断面図である。図4(A)、図4(B)において、130は基台となるシリコンチップ、131はシリコンチップ130の上面に空間132を設けて薄肉状に形成された例えば窒化シリコンからなるダイアフラム、133はダイアフラム131の上に形成された金属薄膜からなるヒータ、134はダイアフラム131上のヒータ133の上流側に形成された金属薄膜の感熱抵抗体からなる温度センサ、135はダイアフラム131上のヒータ133の下流側に形成された金属薄膜の感熱抵抗体からなる温度センサ、136は金属薄膜の感熱抵抗体からなる周囲温度センサ、137はダイアフラム131を貫通するスリットである。
ヒータ133や温度センサ134〜136は例えば窒化シリコンからなる薄膜の絶縁層138により覆われている。周囲温度センサ136は、ヒータ133からの熱の影響を受けずに、流体の温度を検出できるところに配置される。フローセンサチップ14は、図4(A)に示した面が下になるようにしてセンサパッケージ12のヘッド部13に搭載され、計測流体に晒されるように本体ブロック11に装着される。
以上のような熱式フローセンサ2の構造とその原理は例えば特許文献1に開示されている。図5は熱式フローセンサ2の電気回路の構成を示すブロック図である。ヒータ駆動部20は、ブリッジ回路21と、トランジスタQ1と、差動増幅器A1と、固定抵抗R3,R4,R5,R6と、コンデンサC1とからなる。ブリッジ回路21は、ヒータ133を駆動する回路であり、ヒータ133と周囲温度センサ136と一対の固定抵抗R1,R2とからなる。電源電圧+Vは、図示しない所定の電源から供給され、トランジスタQ1を介してブリッジ回路21に印加される。
差動増幅器A1は、ヒータ133と周囲温度センサ136との抵抗値の変化に応じてブリッジ回路21のブリッジ出力電圧を検出し、そのブリッジ出力電圧が零(0)になるようにトランジスタQ1を帰還制御して、ブリッジ回路21に印可するヒータ駆動電圧を調整する。これにより、ヒータ駆動部20は、ヒータ133の発熱温度がその周囲温度よりも常に一定温度だけ高くなるように制御する。
一方、流量計測部22は、ブリッジ回路23と、差動増幅器A2と、固定抵抗Rfと、流量導出部24とからなる。ブリッジ回路23は、一対の温度センサ134,135と一対の固定抵抗Rx,Ryとからなる。電源電圧+Vは、図示しない所定の電源から供給され、ブリッジ回路23に印加される。
差動増幅器A2は、ブリッジ回路23の出力電圧V4,V5の差の電位を温度センサ134,135によって計測された温度差に相当するセンサ出力信号(温度差信号)Vtとして出力する。こうして、一対の温度センサ134,135の熱による抵抗値変化をセンサ出力信号Vtに変換する。
流量導出部24は、後述する流量−出力信号基準特性情報記憶部4に予め記憶されている流量PVとセンサ出力信号Vtとの関係に基づいて、差動増幅器A2から出力されるセンサ出力信号Vtを、計測流体の流量PVの値に変換する。
次に、本実施例の熱式フローセンサ装置1の特徴的構成について説明する。バルブ開度−流量特性情報記憶部3には、流体の供給圧力が一定の状態におけるバルブ15の開度とバルブ15を通過する流体の流量PVとの関係についての情報が、あらかじめ記憶されている。例えば特許第5931668号公報には、バルブ15の開度を時間的に直線的に変化させた場合に、高開度側ほど流路を流れる流体の流量体積が少ないことが示されている。
このように、バルブ15の開度MVと流量PVとは、非線形な関係であり、高開度側ほど開度MVの変化量に対して、流量PVの変化量が減少することが知られている。この開度MVと流量PVの関係の概略を図6に示す。なお、図6の例では、便宜上、バルブ15の開度MVと流量PVとを0〜100%の値に正規化している。図6に示したような特性は、非線形な収束現象なので、次式の指数関数で表現できる。
PV=K{1.0−exp(−MV/A)} ・・・(1)
このように、バルブ15の開度MVと流量PVとの関係を近似した関数は、定数項(1.0)と、開度MVに関する項と、開度MVに対する流量PVの大きさを表すゲインに関する係数Kとによって定義される。式(1)のAは非線形な収束状態を与える係数である。図6の曲線cur1〜cur4は、いずれも流体の一定の供給圧力を前提としており、一例としていずれの曲線もA=30.0としている。この場合、式(1)は式(2)のようになる。
PV=K{1.0−exp(−MV/30.0)} ・・・(2)
なお、曲線cur1の場合、K=104.0である。そして、図6では、例えばバルブ15の開度MV=20%の流量PVに対して開度MV=50%の流量PVは、いずれの曲線cur1〜cur4の場合でも1.667倍になる。同様の関係は他のバルブ開度でも言えることなので、規定変化倍率で理論流量が変化するようにバルブ開度指示を決定していくことが、この特性を参照することにより可能になる。
バルブ開度−流量特性情報記憶部3は、バルブ15の開度MVと流量PVとの関係を近似した理論曲線(関数)の式を記憶しておいてもよいし、関数から得られる開度MV毎の理論流量PVの値を記憶しておいてもよい。なお、関数を同定するためには、例えばマスフローコントローラの流量試験を事前に行なって係数AおよびゲインKの値を調べておけばよい。
流量−出力信号基準特性情報記憶部4には、基準となる計測流体(例えば水)での流量と熱式フローセンサ2のセンサ出力信号との関係についての情報が、予め記憶されている。図7は各種の流体を流路16に流通させた場合の真流量とセンサ出力信号Vtとの関係を示す図である。図7の例では、流体の種類を、水、イソプロピルアルコール中濃度、イソプロピルアルコール高濃度、フロリナート(登録商標)、過酸化水素低濃度、過酸化水素中濃度、過酸化水素高濃度、硫酸低濃度、硫酸中低濃度、硫酸中高濃度、硫酸高濃度とし、各流体の温度を25℃とした。なお、センサ出力信号Vtについては0〜100%の値に正規化している。
水を基準にするのであれば、水の特性のみ予め調査して、計測流体が水の場合の真流量とセンサ出力信号Vtとの関係を流量−出力信号基準特性情報記憶部4に記憶させておけばよい。図7は、水の真流量が30mL/minになったときのセンサ出力信号Vtを100%として描いた特性図である。
上記で説明したとおり、水を基準の計測流体とした場合の真流量と熱式フローセンサ2の流量出力(流量導出部24の出力)との関係は図1のようになる。図1に示したようにいずれの流体の場合も熱式フローセンサ2の流量出力と真流量とが概ね比例の特性を示しているので、この特性の比例係数が本実施例で求める補正係数と関係している。
図8は、図7の水の特性を基準とした場合(計測流体が水の場合の各流量におけるセンサ出力信号Vtを100%とした場合)の各種の流体の真流量とセンサ出力信号Vtとの関係を示す図である。図8によれば、ほとんどの流量領域において、水の特性を基準としてほぼ一定の補正係数で補正すれば、ある程度の流量計測精度が確保できることが分かる。
図9はバルブ開度指示部5の動作を説明するフローチャート、図10は出力信号取得部6と所要時間計測部7と補正係数算出部9の動作を説明するフローチャートである。
バルブ開度指示部5は、補正係数を自動設定する際に、バルブ15の開度MVが予め規定された初期値(例えばMV=20%)になるように開度指示信号を流量制御装置19に送信する(図9ステップS100)。
流量制御装置19は、バルブ開度指示部5からの開度指示信号を受信した場合、この開度指示信号に応じた処理を優先的に行う。すなわち、流量制御装置19は、上記の流量制御をいったん中止して、開度指示信号で指定された開度MVになるようにバルブ15を制御する。そして、流量制御装置19は、最後の開度指示信号を受信してから一定時間の経過後に流量制御に復帰する。この一定時間は、例えば後述する出力信号取得部6が流量出力値を取得し終えるのに十分な時間に設定されている。
出力信号取得部6は、バルブ15の開度が初期値MV=20%のときに熱式フローセンサ2の流量導出部24から出力された流量出力初期値PV1を取得する(図10ステップS200)。なお、バルブ15の開度がMV=20%に変化したときの流量変動が落ち着くのを待つために、出力信号取得部6は、開度指示信号が送信されてから所定の待機時間の経過後に熱式フローセンサ2の流量出力初期値PV1を取得することが望ましい。
出力信号取得部6による流量出力初期値PV1の取得後、バルブ開度指示部5は、バルブ開度−流量特性情報記憶部3と倍率情報記憶部8の情報を参照し、開度MV−流量PVの理論曲線(関数)上で理論流量PVの、理論流量初期値に対する倍率Raの単位時間毎の増加量が規定値ΔRになるように開度MVの時間的推移を理論曲線から求め、この推移どおりにバルブ15の開度が変化するように開度指示信号を流量制御装置19に逐次送信する(図9ステップS101)。
バルブ開度指示部5は、補正係数の設定時の開度MVの初期値として例えばMV=20%が予め規定されているとき、理論曲線上で開度の初期値MV=20%に対応する理論流量初期値PVrefを得る。倍率情報記憶部8には、理論流量初期値PVrefに対する理論流量PVの倍率Ra=PV/PVrefの終値Rrefが予め記憶され、また倍率Raの単位時間(1秒)毎の増加量の規定数値ΔR(例えば0.05)が予め記憶されている。
バルブ開度指示部5は、理論曲線上で理論流量初期値PVrefに対する理論流量PVの倍率Ra(Raの初期値は1)の1秒毎の増加量が規定値ΔR(例えば0.05)になるように、すなわち倍率Raが1.05倍、1.10倍、1.15倍、・・・・というような変化になるように、バルブ15の開度を逐次増加させていく。このように、バルブ開度指示部5は、理論曲線上で理論流量初期値PVrefに対する理論流量PVの倍率Raが終値Rrefに到達するまで(図9ステップS102においてYES)、バルブ15の開度を変化させる開度指示信号の送信処理(ステップS101)を繰り返し行う。
出力信号取得部6は、バルブ15の開度を変化させる開度指示信号が最初に送信された時点以降に熱式フローセンサ2の流量導出部24から出力された流量出力値PV2を取得する(図10ステップS201)。
所要時間計測部7は、バルブ15の開度を変化させる開度指示信号が最初に送信された時点からの経過時間tを計測する(図10ステップS202)。
出力信号取得部6と所要時間計測部7とは、流量出力初期値PV1に対する流量出力値PV2の倍率Rb=PV2/PV1が上記の終値Rrefに到達するまで(図10ステップS203においてYES)、ステップS201,S202の処理を繰り返し行う。
なお、バルブ15の開度を変化させる周期(開度指示信号の送信周期)は1秒単位でもよいが、所要時間計測部7で1秒未満の単位で時間を計測する必要があるため、ステップS201,S202の処理の周期は1秒未満にする必要がある。
補正係数算出部9は、流量出力初期値PV1に対する流量出力値PV2の倍率Rbが終値Rrefに到達し、倍率Rbが終値Rrefに到達するまでの所要時間t(第1の所要時間)が得られたとき(ステップS203においてYES)、バルブ開度−流量特性情報記憶部3に記憶されている情報と倍率情報記憶部8に記憶されている情報とに基づいて、理論曲線上で理論流量初期値PVrefに対する理論流量PVの倍率Raが終値Rrefに到達するまでの理論所要時間tref(第2の所要時間)を算出する(図10ステップS204)。
例えば倍率Raの終値Rrefが1.65倍、倍率Raの単位時間(1秒)毎の増加量の規定値ΔRが0.05とすれば、MV=20%のときの理論流量初期値PVrefに対して理論曲線上の理論流量PVが最終的に1.65倍になるまでの理論所要時間trefは13秒である。また、倍率Raの終値Rrefを1.25倍とすれば、理論流量初期値PVrefに対して理論流量PVが1.25倍になるまでの理論所要時間trefは5秒である。
そして、補正係数算出部9は、算出した理論所要時間trefに対する所要時間tの比t/trefを補正係数Cとして算出し、この補正係数Cを流量補正部10に設定する(図10ステップS205)。
例えば理論曲線上で理論流量初期値PVrefに対する理論流量PVの倍率Raが終値Rref=1.25倍に到達するまでの理論所要時間trefが5秒であるときに、流量出力初期値PV1に対する流量出力値PV2の倍率Rbが終値Rref=1.25倍に到達するまでの所要時間tが6.535秒であったとすると、補正係数Cはt/tref=6.535/5=1.307(130.7%)として算出される。この値は、図8によれば、硫酸高濃度(あるいはこれと同等の熱伝導率の流体)が計測流体である場合に、自動的に得られる補正係数Cの数値である。
図11は熱式フローセンサ2の流量導出部24と流量補正部10の動作を説明するフローチャートである。
流量導出部24は、流量−出力信号基準特性情報記憶部4に記憶されている流量PVとセンサ出力信号Vtとの関係に基づいて、差動増幅器A2から出力されるセンサ出力信号Vtを流量PVの値に変換する(図11ステップS300)。
流量補正部10は、熱式フローセンサ2の流量導出部24から出力された流量PVの値に補正係数Cを乗算して流量PVを補正する(図11ステップS301)。なお、補正係数算出部9によって設定される前の補正係数Cの初期値(計測流体が水の場合の値)は1である。
流量導出部24と流量補正部10とは、流量制御(流量計測)中にステップS300,S301の処理を一定時間毎に行う。
こうして、本実施例では、補正係数Cの設定の手間と補正係数Cのばらつきとを低減することができる。本実施例では、理論曲線上で理論流量初期値PVrefに対する理論流量PVの倍率Raの1秒毎の増加量が規定値ΔRになるようにバルブ開度指示を管理しておけば、バルブ開度−流量特性情報記憶部3に記憶されている特性に若干の誤差が生じても、バルブ開度指示を適宜修正することも可能である。
なお、図10で説明した処理を開始するタイミングとしては、オペレータから設定開始の指示を受けたときでもよいし、後述する第2の実施例のように予め規定されたタイミングになったときでもよい。
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図12は本発明の第2の実施例に係る熱式フローセンサ装置の構成を示すブロック図であり、図2と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施例は、上記発明の原理2に対応する例である。
本実施例の熱式フローセンサ装置1aは、熱式フローセンサ2と、バルブ開度−流量特性情報記憶部3と、流量−出力信号基準特性情報記憶部4と、バルブ開度指示部5と、出力信号取得部6と、所要時間計測部7と、倍率情報記憶部8と、補正係数算出部9と、流量補正部10と、予め規定されたタイミングで前記補正係数の算出・設定処理を実行するように制御管理する実行管理部30と、補正係数算出部9によって算出された過去から現在までの補正係数Cの履歴情報を提示する履歴情報提示部31と、補正係数算出部9によって算出された補正係数Cの正常値からの乖離度合が、規定量以上になったときにアラームを出力するアラーム出力部32とを備えている。
図13は本実施例のバルブ開度指示部5と実行管理部30の動作を説明するフローチャート、図14は出力信号取得部6と所要時間計測部7と補正係数算出部9と実行管理部30と履歴情報提示部31とアラーム出力部32の動作を説明するフローチャートである。
実行管理部30は、予め規定されたタイミングになったときに(図13ステップS400、図14ステップS500においてYES)、補正係数算出・設定処理を開始するよう、バルブ開度指示部5と出力信号取得部6と所要時間計測部7と補正係数算出部9とに対して指示を出す(図13ステップS401、図14ステップS501)。
バルブ開度指示部5の動作(図13ステップS402〜S404)は、ステップS100〜S102で説明したとおりである。
出力信号取得部6と所要時間計測部7と補正係数算出部9の動作(図14ステップS502〜S507)は、ステップS200〜S205で説明したとおりである。
履歴情報提示部31は、補正係数算出部9によって算出された過去から現在までの補正係数Cを記憶しており、過去から現在までの補正係数Cの履歴情報を提示する(図14ステップS508)。
図15は補正係数Cの履歴情報の提示例を示す図である。図15の例では、履歴情報提示部31が表示する画面310に、補正係数Cの算出・設定の実行回数を横軸、補正係数Cを縦軸とするグラフが表示されている。また、履歴情報提示部31は、最も初期に算出・設定された補正係数Cの+5%を示すラインL1と−5%を示すラインL2とを画面310に表示する。
アラーム出力部32は、補正係数算出部9によって算出された最新の補正係数Cの正常値(通常は熱式フローセンサ装置の使用の初期に算出され記憶された補正係数C)からの乖離度合が、規定量以上になったときに(図14ステップS509においてYES)、アラームを出力する(図14ステップS510)。
例えばアラーム出力部32は、最新の補正係数Cが正常値から±5%以上乖離したときに、アラームを出力する。アラームの出力方法としては、例えばアラーム発生を知らせる内容を表示したり、アラーム発生を知らせる情報を外部に送信したりする等の方法がある。
こうして、本実施例では、補正係数算出部9によって算出・設定される補正係数Cをモニタリングすることにより、計測流体の状態変化(異常発生など)を検出することが期待できる。
上記のとおり、第1、第2の実施例では、熱式フローセンサ装置を含むマスフローコントローラの例について説明しているが、本発明はマスフローコントローラ以外にも適用可能である。また、熱式フローセンサ2の上流、下流のどちらにバルブが配設されていてもよい。
第1、第2の実施例の熱式フローセンサ装置のうち少なくともバルブ開度−流量特性情報記憶部3と流量−出力信号基準特性情報記憶部4とバルブ開度指示部5と出力信号取得部6と所要時間計測部7と倍率情報記憶部8と補正係数算出部9と流量補正部10と実行管理部30と履歴情報提示部31とアラーム出力部32と流量導出部24とは、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。
このコンピュータの構成例を図16に示す。コンピュータは、CPU200と、記憶装置201と、インターフェース装置(以下、I/Fと略する)202とを備えている。I/F202には、熱式フローセンサ2の流量計測部22と流量制御装置19とが接続される。このようなコンピュータにおいて、本発明の流量補正方法を実現させるためのプログラムは記憶装置201に格納される。CPU200は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施例で説明した処理を実行する。また、流量制御装置19についても、周知のとおりコンピュータとプログラムによって実現することができる。
本発明は、熱式フローセンサに適用することができる。
1,1a…熱式フローセンサ装置、2…熱式フローセンサ、3…バルブ開度−流量特性情報記憶部、4…流量−出力信号基準特性情報記憶部、5…バルブ開度指示部、6…出力信号取得部、7…所要時間計測部、8…倍率情報記憶部、9…補正係数算出部、10…流量補正部、11…本体ブロック、12…センサパッケージ、13…ヘッド部、14…フローセンサチップ、15…バルブ、16…流路、17,18…開口、19…流量制御装置、20…ヒータ駆動部、21,23…ブリッジ回路、22…流量計測部、24…流量導出部、30…実行管理部、31…履歴情報提示部、32…アラーム出力部、130…シリコンチップ、131…ダイアフラム、133…ヒータ、134,135…温度センサ、136…周囲温度センサ、137…スリット。

Claims (4)

  1. 計測流体が流通する流路に配設され、前記計測流体の温度を測定する温度センサから得られるセンサ出力信号を出力するように構成された熱式フローセンサと、
    前記熱式フローセンサよりも上流側または下流側の前記流路の箇所に配設されたバルブの開度と前記計測流体の流量との関係を近似した理論曲線の情報を予め記憶するように構成されたバルブ開度−流量特性情報記憶部と、
    基準となる計測流体での流量と前記センサ出力信号との関係についての情報を予め記憶するように構成された流量−出力信号基準特性情報記憶部と、
    この流量−出力信号基準特性情報記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記熱式フローセンサから出力されたセンサ出力信号を流量の値に変換するように構成された流量導出部と、
    この流量導出部の流量出力値に補正係数を乗算して流量を補正するように構成された流量補正部と、
    前記理論曲線から得られる理論流量の、前記補正係数の算出・設定開始時の理論流量初期値に対する倍率の単位時間毎の増加量の規定値と、この倍率の終値とを予め記憶するように構成された倍率情報記憶部と、
    前記補正係数を算出・設定する際に、前記バルブ開度−流量特性情報記憶部と前記倍率情報記憶部の情報を参照し、前記理論流量の前記倍率の単位時間毎の増加量が前記規定値になるようにバルブ開度を指定する開度指示信号を、前記バルブを制御する制御装置に送信するように構成されたバルブ開度指示部と、
    前記補正係数の算出・設定開始時の前記流量導出部の流量出力初期値と前記バルブ開度を変化させる開度指示信号が送信された時点以降の前記流量導出部の流量出力値とを取得するように構成された出力信号取得部と、
    前記流量出力初期値に対する前記流量出力値の倍率が前記終値に到達するまでの第1の所要時間を計測するように構成された所要時間計測部と、
    前記バルブ開度−流量特性情報記憶部と前記倍率情報記憶部の情報に基づいて、前記理論流量初期値に対する前記理論流量の倍率が前記終値に到達するまでの第2の所要時間を算出し、この第2の所要時間に対する前記第1の所要時間の比を前記補正係数として算出して前記流量補正部に設定するように構成された補正係数算出部とを備えることを特徴とする熱式フローセンサ装置。
  2. 請求項1記載の熱式フローセンサ装置において、
    予め規定されたタイミングで前記補正係数の算出・設定処理を実行するように制御管理するように構成された実行管理部と、
    前記補正係数算出部によって算出された過去から現在までの補正係数の履歴情報を提示するように構成された履歴情報提示部と、
    前記補正係数算出部によって算出された補正係数の正常値からの乖離度合が、規定量以上になったときにアラームを出力するように構成されたアラーム出力部とを、さらに備えることを特徴とする熱式フローセンサ装置。
  3. 基準となる計測流体での流量とセンサ出力信号との関係についての情報を予め記憶する流量−出力信号基準特性情報記憶部を参照し、計測流体が流通する流路に配設された熱式フローセンサのセンサ出力信号を流量出力値に変換する第1のステップと、
    前記流量出力値に補正係数を乗算して流量を補正する第2のステップと、
    前記補正係数を算出・設定する際に、前記熱式フローセンサよりも上流側または下流側の前記流路の箇所に配設されたバルブの開度と前記計測流体の流量との関係を近似した理論曲線の情報を予め記憶するバルブ開度−流量特性情報記憶部を参照すると共に、前記理論曲線から得られる理論流量の、前記補正係数の算出・設定開始時の理論流量初期値に対する倍率の単位時間毎の増加量の規定値と、この倍率の終値とを予め記憶する倍率情報記憶部を参照し、前記理論流量の前記倍率の単位時間毎の増加量が前記規定値になるようにバルブ開度を指定する開度指示信号を、前記バルブを制御する制御装置に送信する第3のステップと、
    前記補正係数の算出・設定開始時の前記流量出力値の初期値を取得する第4のステップと、
    前記バルブ開度を変化させる開度指示信号が送信された時点以降の前記流量出力値を取得する第5のステップと、
    前記流量出力値の初期値に対する前記流量出力値の倍率が前記終値に到達するまでの第1の所要時間を計測する第6のステップと、
    前記バルブ開度−流量特性情報記憶部と前記倍率情報記憶部の情報に基づいて、前記理論流量初期値に対する前記理論流量の倍率が前記終値に到達するまでの第2の所要時間を算出し、この第2の所要時間に対する前記第1の所要時間の比を前記補正係数として算出する第7のステップとを含むことを特徴とする流量補正方法。
  4. 請求項3記載の流量補正方法において、
    予め規定されたタイミングで前記補正係数の算出・設定処理を実行するように指示する第8のステップと、
    前記第7のステップによって算出された過去から現在までの補正係数の履歴情報を提示する第9のステップと、
    前記第7のステップによって算出された補正係数の正常値からの乖離度合が、規定量以上になったときにアラームを出力する第10のステップとを、さらに含むことを特徴とする流量補正方法。
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