JP2019173967A - ガスクッション装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いクッション力が得られるガスクッション装置を提供する。【解決手段】シリンダ20と、シリンダ20内に摺動可能に嵌合されるピストン30と、シリンダ20内に封入され、ピストン30を付勢するガスGと、シリンダ20とピストン30との嵌合部F1に潤滑油Lを供給する給油機構11とを備え、シリンダ20とピストン30とが締まり嵌め状態で嵌合されているガスクッション装置。また、ピストン30が、シリンダ20内から外に向かって縮径している。【選択図】図1

Description

この発明は、ガスクッション装置に関する。
産業機械の多くに使用されているばねの代用として、ガス封入式のガスクッションが知られている。ガスクッションは、コイルスプリング等と比較して高荷重(高クッション力)であり、省スペース化を図り易いといった特徴がある。
特許文献1〜3では、このガスクッションをプレス機械のダイクッションとして用いることが開示されている。
特開平5−69200号公報 特開2005−291470号公報 特開2006−528072号公報
ただ、近年の高張力材料のプレス加工や板鍛造に使用されるダイクッションには、より高いクッション力が求められている。そのため、ガスクッションでは能力が足りないことがある。所望のクッション力を得るために、ガスクッションを多数配置することも考えられるが、金型の剛性低下を招く場合がある。
そこで本発明は、高いクッション力が得られるガスクッション装置の提供を目的とする。
本発明のガスクッション装置は、シリンダ20と、前記シリンダ20内に摺動可能に嵌合されるピストン30と、前記シリンダ20内に封入され、前記ピストン30を付勢するガスGと、前記シリンダ20と前記ピストン30との嵌合部F1に潤滑油Lを供給する給油機構11とを備え、前記シリンダ20と前記ピストン30とが締まり嵌め状態で嵌合されていることを特徴としている。
なお、「締まり嵌め」とは、JIS B0401−1(1988)「寸法公差及びはめあいの方式 第1部:公差,寸法差及びはめあいの基礎」の「しまりばめ(interference fit):穴と軸とを組み立てたときに,常にしめしろができる嵌め合い」のことを言う。
また、前記ピストン30が前記シリンダ20内から外に向かって縮径していることが好ましい。
また、締まり嵌めによる摩擦力が、前記ガスGによる反発力より小であることが好ましい。
また、前記シリンダ20と前記ピストン30との間に、前記ピストン30の押し込みに伴って容積を大きくし、前記ピストン30の引き出しによって容積を小さくする空間Pが形成され、この空間Pが前記給油機構11のポンプを構成していることが好ましい。
また、前記シリンダ20Aが、前記嵌合部F1において、ピストン摺動方向に並ぶ複数の第1凹部22gを備えており、前記ピストン30Aが、前記嵌合部F1において、ピストン摺動方向に並ぶ複数の第2凹部31aを備えており、前記第1凹部22g、22g間に第1嵌合面22hが形成され、前記第2凹部31a、31a間に第2嵌合面31bが形成されていることが好ましい。
また、ピストン摺動方向における複数の第1凹部22gの幅L11が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第2凹部31aの幅L21が互いに等しく、前記1つの第1凹部22gの幅L11と前記1つの第1嵌合面22hの幅L12との和L13と、前記1つの第2凹部31aの幅L21と前記1つの第2嵌合面31bの幅L22との和L23とが等しいことが好ましい。
また、前記第1凹部22gの幅L11と前記第2凹部31aの幅L21とが等しく、前記第1凹部22gの幅L11が、前記第1嵌合面22hの幅L12より大とされていることが好ましい。
もしくは、前記第1凹部22gの幅L11と前記第2凹部31aの幅L21とが等しく、前記第1凹部22gの幅L11と前記1嵌合面22hの幅L12とが等しいことが好ましい。
また、ピストン摺動方向における複数の第1凹部22gの幅L11が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第2凹部31aの幅L21が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第1嵌合面22hの幅L12が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第2嵌合面31bの幅L22が互いに等しく、前記第1嵌合面22hの幅L12と前記第2嵌合面31bの幅L22とが等しく、前記第1凹部22gの幅L11と前記第2凹部31aの幅L21のどちらか一方が前記第1嵌合面22hの幅L12と等しく、他方が前記第1嵌合面22hの幅L12の2の倍数倍とされていても良い。
本発明のガスクッション装置によれば、ピストンがシリンダへ押し込まれる際には、ガスによる反発力(ガスクッション力)に加えて、シリンダの内面とピストンの外面の締まり嵌めによる摩擦力(摩擦クッション力)が得られる。そのため、ガスの反発力のみでクッション力を得ようとする従来のガスクッション装置に比べて、高いクッション力を得ることができる。また、摺動に伴い摩擦熱が生じるが、嵌合部に潤滑油を供給する給油機構を備えているため、嵌合部を冷却することができ、焼き付きやかじりつきを防止し、長期に亘って安定した摩擦クッション力が得られる。
また、ガスクッションは、ピストンの押し込みに伴ってクッション力が増加する。特に小型化を図ったものについては、押し込み量に対するクッション力の増加率が大きい。クッション力が大きく変わると、例えばワークの押え力が不適切となってワークの割れや亀裂の原因となるが、ピストンが、シリンダ内から外に向かって縮径していれば、ピストンの押し込みに伴い、締まり嵌めによる摩擦クッション力が減少する。そのため、ガスクッション力と摩擦クッション力との和では、クッション力の増加率を小さくしたり、無くしたり、また反対にクッション力を減少させることもできる。
ところで、シリンダの内面とピストンの外面の締まり嵌めによる摩擦力は、常にシリンダとピストンの相対運動を妨げる方向に作用する。即ち、ガスクッション力が常にシリンダからピストンを引き出す(押し出す)方向に作用するのに対し、前記締まり嵌めによる摩擦力はシリンダからピストンが引き出される際には、シリンダにピストンを押し込む方向に(引き出しに抵抗するように)作用する。ただ、締まり嵌めによる摩擦力が、ガスによる反発力より小であれば、ピストンの押し込みを止めることで、ピストンは押し込み前の元の位置に自動的に戻る。そのため、別途、ピストンを戻すための装置等を設ける必要が無い。
シリンダとピストンとの間に、ピストンの押し込みに伴って容積を大きくし、ピストンの引き出しによって容積を小さくする空間が形成され、この空間が前記給油機構のポンプを構成していれば、別途、嵌合部に潤滑油を供給するためのポンプを設ける必要が無い。
前記シリンダが、前記嵌合部において、ピストン摺動方向に並ぶ複数の第1凹部を備えており、前記ピストンが、前記嵌合部において、ピストン摺動方向に並ぶ複数の第2凹部を備えており、前記第1凹部間に第1嵌合面が形成され、前記第2凹部間に第2嵌合面が形成されていれば、ピストンの押し込みに伴って、第1嵌合面と第2嵌合面との嵌合部の面積が変化することとなり、摩擦クッション力に強弱をつけることができる。
ピストン摺動方向における複数の第1凹部の幅が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第2凹部の幅が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第1嵌合面の幅が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第2嵌合面の幅が互いに等しく、前記1つの第1凹部の幅と前記1つの第1嵌合面との幅の和と、前記1つの第2凹部の幅と前記1つの第2嵌合面の幅との和とが等しければ、等周期で増減する摩擦クッション力を得ることができる。
前記第1凹部の幅と前記第2凹部の幅とが等しく、前記第1凹部の幅が、前記第1嵌合面の幅より大とされていれば、第1嵌合面と第2嵌合面との嵌合部が形成されない区間を等周期に生じさせることができる。
前記第1凹部の幅と前記第2凹部の幅とが等しく、前記第1凹部の幅と前記1嵌合面の幅とが等しければ、三角波状に変化する摩擦クッション力を得ることができる。
ピストン摺動方向における複数の第1凹部の幅が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第2凹部の幅が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第1嵌合面の幅が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第2嵌合面の幅が互いに等しく、前記第1嵌合面の幅と前記第2嵌合面の幅とが等しく、前記第1凹部の幅と前記第2凹部の幅のどちらか一方が前記第1嵌合面の幅と等しく、他方が前記第1嵌合面の幅の2の倍数倍とされていれば、第1嵌合面と第2嵌合面との嵌合部の面積は一定となる。ただし、この場合、同じ第1嵌合面が連続して第2嵌合面と嵌合することが無いため、冷却面では有利となる。
この発明のガスクッション装置を示す断面図である。 図2Aはシリンダの断面図であり、図2Bはピストンの断面図である。 図3Aはピストン下降時の断面図、図3Bはピストン上昇時の断面図である。 実施例1のクッション力を示すグラフである。 実施例2のクッション力を示すグラフである。 実施例3のクッション力を示すグラフである。 ガスクッション装置を組み込んだプレス機械を示す概略図であって、図7Aが本発明のガスクッション装置を組み込んだもの、図7Bが従来のガスクッション装置を組み込んだものである。 ガスクッション装置を組み込んだプレス機械を示す概略図であって、図8Aが本発明のガスクッション装置を組み込んだもの、図8Bが従来のガスクッション装置を組み込んだものである。 この発明の異なる実施形態に係るガスクッション装置を示す断面図である。 図10Aは第1凹部を設けたシリンダを示す要部断面図、図10Bは第1凹部の拡大図、図10Cは第2凹部を設けたピストンを示す要部断面図、図10Dは第2凹部の拡大図である。 ピストンの押し込みによる嵌合部の変化を示す要部断面図である。 図9に示すガスクッション装置のクッション力を示すグラフである。 図13Aはシリンダとピストンとの嵌合部の他のバリエーションを示す断面図、図13Bはその嵌合部で得られる摩擦クッション力を示すグラフである。 図14Aはシリンダとピストンとの嵌合部のさらに他のバリエーションを示す断面図、図14Bはその嵌合部で得られる摩擦クッション力を示すグラフである。 図15Aはシリンダとピストンとの嵌合部のさらに他のバリエーションを示す断面図、図15Bはその嵌合部で得られる摩擦クッション力を示すグラフである。 図16Aはシリンダとピストンとの嵌合部のさらに他のバリエーションを示す断面図、図16Bはその嵌合部で得られる摩擦クッション力を示すグラフである。
図1〜3に示すガスクッション装置10は、シリンダ20と、シリンダ20内に摺動可能に嵌合されるピストン30と、シリンダ20内に封入され、ピストン30を付勢するガスGと、シリンダ20とピストン30との嵌合部F1に潤滑油Lを供給する給油機構11とを備えている。また、シリンダ20とピストン30とが締まり嵌め状態で嵌合されている。すなわち、このガスクッション装置10は、ガスGによるガスクッション機構12と、締まり嵌めによる摩擦クッション機構13とを備えている。そして、ガスGによる反発力(ガスクッション力)と、締まり嵌めによる摩擦力(摩擦クッション力)とが得られるようになっている。以下、各構成部品について詳細に説明していくが、説明中における「上下」や「左右」は、図における上下又は左右であって、使用状態における方向を定めるものではない。
まず、ガスクッション機構12について説明する。ガスクッション機構12は、図1に示すように、シリンダ20内にピストン30を挿入するとともに、シリンダ20とピストン30とで構成される封入室SにガスGを封入することで構成されている。
シリンダ20は、ピストン30を収容する本体部21と、本体部21の上端に設けられた内向きフランジ部22と、本体部21の下端を塞ぐ蓋部23とを備えている。具体的に説明すると、本体部21は、軸方向両端部に開口21a、22aを有する略円筒状とされている。内向きフランジ部22は、本体部21の上端から径内方向に向かって延びており、上方側の開口22aの径を狭めている。内向きフランジ部22の内周面は、後述するピストン30の軸部31の外周面(ピストン側嵌合部Fp)と嵌合するシリンダ側嵌合部Fsと、シリンダ側嵌合部Fsよりも内径が大きく、ピストン側嵌合部Fpとの間に隙間を形成する環状凹溝22cと、内向きフランジ部22の内周面とピストン30の軸部31の外周面との間をシールするシール材を保持するためのシール保持部22fとに大別されている(図2A参照)。蓋部23は略円板状であって、本体部21の下方側の開口21aを塞いでいる。
ピストン30は、シリンダ20から出入りする軸部31と、ガスGの圧力を受けるピストン本体部32とを備えている。具体的に説明すると、軸部31は、上端が塞がれた略円筒状であって、その外径はシリンダ20の上方側の開口22a径と略同径とされている。ピストン本体部32は、軸部31の下端から径外方向に延びており、その外径はシリンダ20の本体部21の内径と略同径とされている。
封入室Sは、シリンダ20の蓋部23の内面(上面)、本体部21の内周面、ピストン30のピストン本体部32の下面、中空とされた軸部31の内面によって構成されている。封入室Sからのガス漏れを防止するため、部品間にはシールが施されている。具体的には、蓋部23の外周面と本体部21の内周面との間、本体部21の内周面とピストン本体部32の外周面との間に、それぞれシールリングやガスケットによるシール材が施されている。
蓋部23に設けられた注入弁23aから封入室SにガスGが充填されると、ガスGの圧力によってピストン30が上方に付勢される。そして、この付勢力がガスクッション力の初期値となる。ピストン30がシリンダ20内に押し込まれると、封入室Sの容積が小さくなってガスGが圧縮される。その結果、ガスクッション力は上昇する。以上が、ガスクッション機構12の構成及び機能である。
続いて、摩擦クッション機構13について説明する。本発明のガスクッション装置10では、摩擦クッション力を得るために、シリンダ20の内向きフランジ部22の内周面と、ピストン30の軸部31の外周面とを締まり嵌め状態に嵌合している。具体的には、軸部31の外径を、シリンダ20の上方側の開口22a(シリンダ側嵌合部Fs)の内径よりも僅かに大きくし、締め代を持った嵌め合いとしている。締め代分は、開口22aが弾性的に拡径し、軸部31が弾性的に縮径することで吸収される。従って、ピストン30はシリンダ20に対して摺動可能な状態を維持し続ける。
また、ピストン30の軸部31は、図2Bに示すように、軸方向において、シリンダ20内から外に向かって縮径している。なお、図2Bでは、縮径の程度を誇張して描いている。このように形成すると、ピストン30の押し込み量が大きくなるにつれて締め代が徐々に小さくなり、嵌合部F1で生じる摩擦力が徐々に小さくなる。その結果、ピストン30の押し込みに伴うガスクッション力の変化(増加)を、摩擦クッション力の変化によって小さく、若しくは相殺させることができる。
締まり嵌めによる摩擦力としては、ガスクッション力(ガスによる反発力)よりも小とすることが好ましい。ガスクッション装置10をプレス機械に組み込んだ場合、プレス加工の過程でピストン30が押し込まれるが、ガスクッション力によってピストン30が自動的に押し込み前の元の位置に戻るためである。
ところで、ピストン30が摺動すると嵌合部F1に摩擦熱が生じる。そのため、このガスクッション装置10は、摩擦熱を取り除くとともに、ピストン30の焼き付きを防止するため、嵌合部F1に給油する給油機構11を備えている。具体的に説明すると、図2Aに示すように、まずシリンダ側嵌合部(開口22aの内面)Fsに、潤滑油Lを通すための油溝22bが設けられている。この油溝22bは馬目地状に設けられている。但し、螺旋状や格子状であっても良い。
そして油溝22bの下方側は、シリンダ20の内向きフランジ部22の下面と、ピストン30のピストン本体部32の上面との間に形成された略円環状の空間Pに連通している(図3A参照)。シリンダ20の本体部21側面には、空間Pと外部とを連通する開口21bが設けられており、空間Pはこの開口21bを通じてオイルタンク40に接続されている。
この空間Pは、図3A、図3Bに示すように、ピストン30がシリンダ20内に押し込まれると容積を大きくし、ピストン30が上昇する(シリンダ20内から引き出される)と容積を小さくする。従って、ピストン30が押し込まれたときにオイルタンク40から潤滑油Lを取り込み、ピストン30が引き出されるときに潤滑油Lを吐き出すポンプとして機能する。空間Pとオイルタンク40とはチェックバルブ41を介して接続されている。チェックバルブ41は、シリンダ20に内蔵されていても良い。そのため、潤滑油Lは一方向にのみ流れる。具体的には、空間Pから油溝22bに向かって流れる。
油溝22bの上方側には、シリンダ20の周方向に連続する環状凹溝22cが設けられている。この環状凹溝22cは、油溝22bを通じてピストン30の軸部31全周に分散した潤滑油Lをまとめる部位となる。また、シリンダ20の内向きフランジ部22には、環状凹溝22cと外部とを連通する開口22dが設けられている。この開口22dは、チェックバルブ42と冷却器43とを介してオイルタンク40へと通じている。そのため、油溝22bを流れた潤滑油Lは、環状凹溝22cを経てオイルタンク40へと戻る。なお、環状凹溝22cの上方側にはシールリングやガスケットなどのシール材が設けられており、シリンダ20の内向きフランジ部22の内周面とピストン30の軸部31の外周面との間からの潤滑油Lの漏れを防止している。
このように、ピストン30の昇降動作に合わせて潤滑油Lが自動的に嵌合部F1に供給されるため、別途、循環用のポンプ等を設ける必要が無い。特に、摩擦クッション力がガスクッション力よりも小とされていれば、ピストン30を押し込むだけでポンプ機能を発揮させることができる。なお、常時、潤滑油経路を確保するため、開口21bをピストン30で塞がないよう、シリンダ20の内向きフランジ部22の下面に、間隔保持部としての突起22eを設けておく。
給油機構11の説明は以上であるが、この他、焼き付き防止や磨耗防止のために、シリンダ側嵌合部Fsに、ラジカル窒化処理等の硬化処理を施すことが好ましい。表面硬さは、ロックウェルCスケール(HRC)で45〜49程度とすることが好ましい。また、ピストン側嵌合部Fpである軸部31の外周面に、低温TiCコーティング等の硬化処理を施すことが好ましい。表面硬さはロックウェルCスケール(HRC)で55〜65程度とすることが好ましい。
さらに、シリンダ側嵌合部Fsとピストン側嵌合部Fpは、算術平均粗さRa0.2μm以下と、極めて平滑に仕上げることが好ましい。下限については、油膜維持等のため、算術平均粗さRa0.01μm以上とするのが好ましく、加工の容易さからとくに0.08μm以上とするのが好ましい。したがってRa0.01〜0.2μmの範囲、とくにRa0.08〜0.2μmの範囲が好ましい。
また、シリンダ20とピストン30とは、熱膨張係数ができるだけ近い材料、若しくは同一材料を用いることが好ましい。これにより熱膨張が生じても同様に膨張するので、摺動摩擦力の変化を抑制することができる。なお、シリンダ20は炭素鋼、特にJIS規格のSKD61などの合金工具鋼から製造するのが好ましい。また、ピストン30は炭素鋼、特にJIS規格のDC53などの冷間ダイス鋼から製造するのが好ましい。
(実施例1)
以下は、具体的な実施例である。シリンダ20の本体部21の内径を100mm、シリンダ有効高さ(ピストン本体部32を突起22eに当接させたときの、蓋部23の上面からピストン本体部32の下面までの距離)を105mmとし、ピストン30の軸部31の内径を56mm、ピストン内有効高さ(ピストン30内に設けられた中空部の上下方向の長さ)を110mmとした場合において、ピストン押し下げ前の封入室Sの容積は1095598.8mmである。また、ピストン押し下げ後(30mm押し下げ)の封入室Sの容積は859979.4mmである。ガスGの充填圧を15.2MPaとした場合、ガスクッション力はピストン押し下げ前で119kN、ピストン押し下げ後で152kNとなり、ガスクッション力が33kN増加する。
一方で、ピストン30の軸部31の外径を、ピストン押し下げ前の位置において80.14mm、ピストン押し下げ後の位置において80.07mmとなるように軸部31を勾配一定のテーパ状とし、シリンダ20の内向きフランジ部22の内径(シリンダ側嵌合部Fsの内径)を80mmと一定にし、また嵌め合い長さ(嵌合部F1の軸方向の長さ)を25mmとした場合、摩擦クッション力はピストン押し下げ前で69kN、ピストン押し下げ後で35kNとなり、摩擦クッション力が34kN減少する。
そのため、ガスクッション力と摩擦クッション力との和(総合クッション力)は、ピストン押し下げ前後でほとんど変わらず、ほぼ一定のクッション力を得ることができる(図4参照)。
なお、摩擦クッション力(摩擦抵抗)Fは、締り嵌めにて金属間(摺動面)に発生する面圧pと、面圧が作用する面積と、摩擦係数μの積により算出される。嵌め合いにおける締め代δと、発生面圧pの関係は数1で示される。
Figure 2019173967
ここでδ:締め代、ν:ピストンのポアソン比、ν:シリンダのポアソン比、E:ピストンのヤング率、D:ピストンの嵌め合い径、E:シリンダのヤング率、D:シリンダの外径である。
また、摩擦クッション能力Fは、摺動面における面圧pと摩擦係数μと摺動面積Sとの積となる。摺動面積Sはπ×D×Lであるので、摩擦クッション能力Fは数2で示される。
[数2]
F=p×μ×(π×D×L)
摩擦係数μはピストンが動いているときは動摩擦係数が採用され、静止している状態から動き出すまでは静止摩擦係数が採用される。また、Lは嵌め合い長さ(軸方向)である。
ところで、摩擦クッション力の最大値は69kNであって、ガスクッション力の最小値119kNよりも小である。従って、ピストン30は、押し込みを止めると、ガスクッション力によって押し下げ前の元の位置に戻る。
(実施例2)
続いて、総合クッション力がピストン30を押し込むにつれて減少する実施例について説明する。この実施例では、ピストン30の軸部31の外径を、ピストン押し下げ前の位置において80.14mm、ピストン押し下げ後の位置において80.03mmとなるように軸部31を勾配一定のテーパ状としている。なお、他の部位の構成は実施例1と同様である。この場合、摩擦クッション力はピストン押し下げ前で69kN、ピストン押し下げ後で15kNとなる。ガスクッション力は実施例1と同様であるため、総合クッション力は、ピストン押し下げ前で188kN、ピストン押し下げ後で167kNとなり、ピストンを押し込むほどクッション力が減少する(図5参照)。
(実施例3)
続いて、総合クッション力がピストン30を押し込むにつれて増加する実施例について説明する。この実施例では、ピストン30の軸部31の外径を、ピストン押し下げ前の位置において80.14mm、ピストン押し下げ後の位置においても80.14mmとなるようにしている。すなわち、軸部31の外径を変化させず一定としている。なお、他の部位の構成は実施例1と同様である。この場合、摩擦クッション力はピストン押し下げ前後で69kNと変わらない。ガスクッション力は実施例1と同様であるため、総合クッション力は、ピストン押し下げ前で188kN、ピストン押し下げ後で221kNとなり、ピストン30を押し込むほどクッション力が増加する(図6参照)。
上記構成のガスクッション装置10は、例えばプレス機械に組み込まれて使用される。図7Aは、ガスクッション装置10を、プレス機械のダイスプリングとして用いた状態を示している。プレス機械50は、ワークWを載置するためのダイス51と、ワークWを打ち抜くパンチ52と、ワークWを押える押え部53とを備えている。そして、ガスクッション装置10は、押え部53に適切な押え力を付加できるよう、押え部53の背後(上部)に配置されている。図7Bは、ガスの反発力のみでクッション力を得る従来のガスクッション装置54をプレス機械50に組み込んだ状態を示している。図7Aのガスクッション装置10と比較して分かるように、従来のガスクッション装置54では、必要なクッション力を得るために、本願発明のガスクッション装置10に比べて外径が大きくなる。この場合、ガスクッション装置54をパンチ52から離して配置することになるため、偏心量が大きくなり、押え部53にクッション力を伝達するときにモーメントが発生し、抜き面の精度を悪化させる場合もある。
図8Aは本願発明のガスクッション装置10を、図8Bは従来のガスクッション装置54を、プレス機械50のダイクッションとして用いた状態を示している。上記の通り、従来のガスクッション装置54は、必要なクッション力を得るために、本願発明のガスクッション装置10に比べて外径が大きくなる。その結果、下型のダイス下部抉り込み部51aが必要となり、下型剛性が低くなって高精度加工が困難になる。なお、いずれの実施例でも、ガスクッションのみで構成されたガスクッション装置に比べて高いクッション力を得ることができるため、金型剛性を上げることが可能であり、また配置するガスクッション装置の数を減らすことができる。また、実施例1のものについては、プレス中に押え力が変わらないため、ワークWの割れや亀裂の発生を抑制することができる。
次に、パルス波形状の摩擦クッション力が得られるガスクッション装置10Aについて説明する。図9及び図10A、図10Cに示すように、このガスクッション装置10Aでは、シリンダ20Aが、シリンダ20Aとピストン30Aの嵌合部F1において、ピストン摺動方向(シリンダ20Aやピストン30Aの軸方向)に並ぶ複数の第1凹部22gを備えている。具体的に説明すると、シリンダ20Aの内向きフランジ部22の内周面に第1凹部22gが複数設けられている。より具体的には、シリンダ側嵌合部Fsに第1凹部22gが複数設けられている。第1凹部22g、22g間には、ピストン30A(具体的には後述する第2嵌合面31b)と締まり嵌め状態に嵌合する第1嵌合面22hが形成されている。また、ピストン30Aが、嵌合部F1において、ピストン摺動方向に並ぶ複数の第2凹部31aを備えている。具体的に説明すると、ピストン30Aの軸部31の外周面に第2凹部31aが複数設けられている。より具体的には、ピストン側嵌合部Fpに第2凹部31aが複数設けられている。第2凹部31a、31a間には、第1嵌合面22hと締まり嵌め状態に嵌合する第2嵌合面31bが形成されている。第1凹部22gと第2凹部31aはともに環状であり、周方向に連続している。
ところで、ピストン摺動方向における複数の第1凹部22gの幅L11が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第2凹部31aの幅L21が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第1嵌合面22hの幅L12が互いに等しく、ピストン摺動方向における複数の第2嵌合面31bの幅L22が互いに等しくされている。また、1つの第1凹部22gの幅L11と1つの第1嵌合面22hの幅L12の和L13と、1つの第2凹部31aの幅L21と1つの第2嵌合面31bの幅L22の和L23とが等しくされている。
加えて、第1凹部22gの幅L11と前記第2凹部31aの幅L21とが等しく、第1凹部22gの幅L11と第1嵌合面22hの幅L12とが等しくされている。第1凹部22gの深さD1、第2凹部31aの深さD2はともに締め代以上とされている(図10B、図10D参照)。従って、図1に示すガスクッション装置10では、嵌合部F1全体が締まり嵌め状態に嵌合していたが、このガスクッション装置10Aでは、シリンダ20Aとピストン30Aの嵌合部F1のうち、第1嵌合面22hと第2嵌合面31bのみが締まり嵌め状態に嵌合することになる。
上記構成のガスクッション装置10Aでは、ピストン30Aを押し込むと、図11に示すように、シリンダ20Aとピストン30Aとが締まり嵌め状態とされる部分の長さ(面積)が変化していく。(1)の状態では、第1嵌合面22hと第2嵌合面31bは、ピストン摺動方向における全長で締まり嵌め状態に嵌合している。(2)の状態では、第2嵌合面31bが第1凹部22gへと差し掛かっており、第1嵌合面22hと第2嵌合面31bとの嵌合部(締まり嵌め状態に嵌合している部分)F2の長さは半分となっている。(3)の状態に至ると、第2嵌合面31bは、その全面が第1凹部22gに位置することとなり、第1嵌合面22hと第2嵌合面31bとの嵌合部F2は形成されない。図示はしていないが、この状態でさらにピストン30Aを押し込むと、第2嵌合面31bは第1嵌合面22hへと差し掛かり、再び第1嵌合面22hと第2嵌合面31bとの嵌合部F2が形成される。すなわち、嵌合部F2の面積が、ピストン30Aの押し込みに伴い変化するのである。
そのため、摩擦クッション力としては、図12に示すようにパルス波形状(三角波状)となる。図12は、ピストン摺動方向における第1凹部22gの幅L11、第1嵌合面22hの幅L12、第2凹部31aの幅L21、第2嵌合面31bの幅L22をそれぞれ3mmとした場合を示しているが、摩擦クッション力は、原点(0mm押し込み時)、6mm押し込み時、12mm押し込み時といったように、6mm間隔で最小値(ゼロ)になる。これは6mm押し込み毎に図11の(3)の状態になるためである。また、3mm押し込み時、9mm押し込み時、15mm押し込み時といったように、6mm間隔で最大値となる。これは、6mm押し込み毎に図11の(1)の状態になるためである。
このように、上記構成のガスクッション装置10Aでは、パルス波形状の摩擦クッション力を得られるため、ガスクッション力と摩擦クッション力との和である総合クッション力においてもパルス波形状となる。このような総合クッション力は、例えば以下の用途に用いることができる。絞り加工においてダイクッション力は、ブランクホルダーを介してワークのフランジ部を押圧し、しわの発生を抑制している。ただ、ダイクッション力が大きすぎると、ワークを拘束する力が大きくなりすぎて、絞り製品の減肉や割れの発生の原因となる。しわの発生を抑制しつつ、減肉や割れを抑制するためには、ブランクホルダーがワークに押し返されないダイクッション力と、絞り成形の進行とともに金型内にワークが入り込んでいくような力加減が必要となるが、上記構成のガスクッション装置10Aであれば、押し込みに伴ってクッション力が小刻みに増減するため、プレス機械のダイスプリングとして用いれば、十分なダイクッション力でワークを押えつつも、絞り加工がある程度行われた段階で押さえ込みを緩めることができ、しわの発生の抑制と、減肉や割れの抑制を両立させることができる。
図13〜図16は、第1凹部22g、第2凹部31a、第1嵌合面22h、第2嵌合面31bの長さを適宜変更したものを示している。図13Aでは、複数の第1凹部22gの幅L11が互いに等しく、複数の第2凹部31aの幅L21が互いに等しく、複数の第1嵌合面22hの幅L12が互いに等しく、複数の第2嵌合面31bの幅L22が互いに等しく、1つの第1凹部22gの幅L11と1つの第1嵌合面22hの幅L12の和L13と、1つの第2凹部31aの幅L21と1つの第2嵌合面31bの幅L22の和L23とが等しいという条件に加えて、さらに第1凹部22gの幅L11と第2凹部31aの幅L21とが等しく、第1凹部22gの幅L11が、第1嵌合面22hの幅L12より大とされている。この場合、ピストン30Aのストローク中において、第1嵌合面22hと第2嵌合面31bとが嵌合しない区間がでてくる。そのため、摩擦クッション力が得られない区間が等周期で生じ、摩擦クッション力をグラフで示すと、歯抜け状の摩擦クッション力が得られる(図13B参照)。なお、図13Bは、第1凹部22gの幅L11を第1嵌合面22hの幅L12の3倍に設定したものである。倍率は1倍より大きければ良い。第1凹部22gの幅L11と第1嵌合面22hの幅L12の差分だけ、摩擦クッション力が得られない区間が生じる。
図14Aでは、複数の第1凹部22gの幅L11が互いに等しく、複数の第2凹部31aの幅L21が互いに等しく、複数の第1嵌合面22hの幅L12が互いに等しく、複数の第2嵌合面31bの幅L22が互いに等しく、1つの第1凹部22gの幅L11と1つの第1嵌合面22hの幅L12の和L13と、1つの第2凹部31aの幅L21と1つの第2嵌合面31bの幅L22の和L23とが等しいという条件に加えて、第1凹部22gの幅L11と第2凹部31aの幅L21とを異ならせている。この場合、必然的に第1嵌合面22hの幅L12と第2嵌合面31bの幅L22とも異なってくる。例えば、図14Aでは、第1凹部22gの幅L11を第2凹部31aの幅L21の3倍とし、第1嵌合面22hの幅L12を第2嵌合面31bの幅L22の1/3倍としている。この場合、第1嵌合面22hが第2凹部31aに差し掛かったときにのみ、摩擦クッション力が低下するようになる(図14B参照)。なお、第2嵌合面31bの幅L22をこれより小さくすれば、一定の摩擦クッション力を得られる区間が減り、その分、摩擦クッション力を得られない区間が生じる。第2嵌合面31bの幅L22をこれより大きくすれば、最小値がゼロではなくなる。
図15Aでは、複数の第1凹部22gの幅L11が互いに等しく、複数の第2凹部31aの幅L21が互いに等しく、複数の第1嵌合面22hの幅L12が互いに等しく、複数の第2嵌合面31bの幅L22が互いに等しいという条件に加えて、第1凹部22gの幅L11と第1嵌合面22hの幅L12とが等しく、第1嵌合面22hの幅L12と第2嵌合面31bの幅L22とが等しく、第2凹部31aの幅L21が、第1凹部22gの幅L11の正の奇数倍(3倍)とされている。この場合、図15Bに示すように、図12と同じような波形の摩擦クッション力となるが、図15Aの嵌合部F2の面積は、図12に対して半分と成るため、摩擦クッション力は半分となる。しかし、嵌合部F2の面積が図12に対して半分と成れば、摩擦による発熱が半分となり、また第1凹部22gの幅に対して大きな幅を持つ第2凹部31aには潤滑油Lが流れやすいので、冷却面では有利である。なお、倍数を大きくしていくほど、摩擦クッション力は小さくなる。
図16Aでは、複数の第1凹部22gの幅L11が互いに等しく、複数の第2凹部31aの幅L21が互いに等しく、複数の第1嵌合面22hの幅L12が互いに等しく、複数の第2嵌合面31bの幅L22が互いに等しく、前記第1嵌合面22hの幅L12と前記第2嵌合面31bの幅L22とが等しく、第1凹部22gの幅L11が第1嵌合面22hの幅L12と等しく、第2凹部31aの幅L21が第1嵌合面22hの幅L12の2の倍数倍(2倍)とされている。なお、第2凹部31aの幅L21が第1嵌合面22hの幅L12と等しく、第1凹部22gの幅L11が第1嵌合面22hの幅L12の2の倍数倍とされていても良い。この場合、図16Bに示すように、摩擦クッション力は、ピストンのストローク中、変動せず一定となる。ただ、第2凹部31aの幅L21が広いため、その分、第1嵌合面22hが第2嵌合面31bと嵌合する機会が少なくなり、冷却面で有利となる。
ところで、図9〜図16に示すガスクッション装置10Aは、ピストン側嵌合部Fp(具体的には第2嵌合面31b)の外径をピストン摺動方向において変化させず一定としていたが、テーパ状としても良い。すなわち、シリンダ20A側に向かうにつれてピストン側嵌合部Fpの外径を大きく(シリンダ20Aから離れるに従いピストン側嵌合部Fpの外径を小さく)しても良い。この場合、摩擦クッション力は、ピストン30Aの押し込み量が多くなるほど小さくなる。また、図12に示すように、ピストン30Aのストロークの全長にわたって、摩擦クッション力がガスクッション力より小とされているので、別途、ピストンを押し込み前の元の位置に戻すための装置等を設ける必要はない。また、第1凹部22gや第2凹部31aを、潤滑油Lを嵌合部F1に供給するための油溝として使用しても良い。また、第1凹部22gや第2凹部31aは、シリンダ20Aやピストン30Aの周方向に連続した環状のものを想定しているが、必ずしも周方向に連続している必要はない。また、第1凹部22gや第2凹部31aでも締まり嵌め状態の嵌合部を形成しても良い。この場合、凹部22g、31aの深さD1、D2を締め代内に留めれば良い。第1凹部22gの幅L11、第1嵌合面22hの幅L12、第2凹部31aの幅L21、第2嵌合面31bの幅L22の間隔は、適宜変更可能である。例えばピストン30Aの押し込み2mm毎に最大値を得たい場合はL11〜L22を1mmとすれば良い。
他の構成については、図1に示すガスクッション装置10と同様である。例えば、シリンダ20A内にはピストン30Aを付勢するためのガスGが封入されている。また、シリンダ20Aとピストン30Aとの嵌合部F1に潤滑油Lを供給する給油機構11を備えている。また、シリンダ20Aとピストン30Aとの間には、ピストン20Aの押し込みに伴って容積を大きくし、ピストンの引き出しによって容量を小さくする空間Pが形成されており、この空間Pが給油機構11のポンプを構成している。そのため、同様の構成については同符号を付し、具体的な説明は省略する。
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば油溝22bをピストン30側に設けても良いし、シリンダ20側、ピストン30側の双方に設けても良い。嵌合部F1の冷却方法としては、潤滑油Lの循環の他に、別途、冷却機構を設けても良い。
10、10A ガスクッション装置
11 給油機構
12 ガスクッション機構
13 摩擦クッション機構
20、20A シリンダ
21 本体部
21a 下方側の開口
21b 側面の開口
22 内向きフランジ部
22a 上方側の開口
22b 油溝
22c 環状凹溝
22d 開口
22e 突起
22f シール保持部
22g 第1凹部
22h 第1嵌合面
23 蓋部
23a 注入弁
30、30A ピストン
31 軸部
31a 第2凹部
31b 第2嵌合面
32 ピストン本体部
40 オイルタンク
41 上流側のチェックバルブ
42 下流側のチェックバルブ
43 冷却器
50 プレス機械
51 ダイス
51a ダイス下部抉り込み部
52 パンチ
53 押え部
54 ガス圧力のみによるガスクッション装置
F1 嵌合部
F2 第1嵌合面と第2嵌合面との嵌合部
Fs シリンダ側嵌合部
Fp ピストン側嵌合部
G ガス
L 潤滑油
P 空間
S 封入室
W ワーク
L11 第1凹部の幅
L12 第1嵌合面の幅
L13 第1凹部の幅と第1嵌合面の幅の和
L21 第2凹部の幅
L22 第2嵌合面の幅
L23 第2凹部の幅と第2嵌合面の幅の和
D1 第1凹部の深さ
D2 第2凹部の深さ

Claims (9)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に摺動可能に嵌合されるピストンと、
    前記シリンダ内に封入され、前記ピストンを付勢するガスと、
    前記シリンダと前記ピストンとの嵌合部に潤滑油を供給する給油機構とを備え、
    前記シリンダと前記ピストンとが締まり嵌め状態で嵌合されている、
    ガスクッション装置。
  2. 前記ピストンが前記シリンダ内から外に向かって縮径している、
    請求項1記載のガスクッション装置。
  3. 締まり嵌めによる摩擦力が、前記ガスによる反発力より小である、
    請求項1又は2記載のガスクッション装置。
  4. 前記シリンダと前記ピストンとの間に、前記ピストンの押し込みに伴って容積を大きくし、前記ピストンの引き出しによって容積を小さくする空間が形成され、この空間が前記給油機構のポンプを構成している、
    請求項1〜3いずれか記載のガスクッション装置。
  5. 前記シリンダが、前記嵌合部において、ピストン摺動方向に並ぶ複数の第1凹部を備えており、
    前記ピストンが、前記嵌合部において、ピストン摺動方向に並ぶ複数の第2凹部を備えており、
    前記第1凹部間に第1嵌合面が形成され、前記第2凹部間に第2嵌合面が形成されている、
    請求項1〜4いずれか記載のガスクッション装置。
  6. ピストン摺動方向における複数の第1凹部の幅が互いに等しく、
    ピストン摺動方向における複数の第2凹部の幅が互いに等しく、
    ピストン摺動方向における複数の第1嵌合面の幅が互いに等しく、
    ピストン摺動方向における複数の第2嵌合面の幅が互いに等しく、
    前記1つの第1凹部の幅と前記1つの第1嵌合面の幅との和と、前記1つの第2凹部の幅と前記1つの第2嵌合面の幅との和とが等しい、
    請求項5記載のガスクッション装置。
  7. 前記第1凹部の幅と前記第2凹部の幅とが等しく、
    前記第1凹部の幅が、前記第1嵌合面の幅より大とされている、
    請求項6記載のガスクッション装置。
  8. 前記第1凹部の幅と前記第2凹部の幅とが等しく、
    前記第1凹部の幅と前記1嵌合面の幅とが等しい、
    請求項6記載のガスクッション装置。
  9. ピストン摺動方向における複数の第1凹部の幅が互いに等しく、
    ピストン摺動方向における複数の第2凹部の幅が互いに等しく、
    ピストン摺動方向における複数の第1嵌合面の幅が互いに等しく、
    ピストン摺動方向における複数の第2嵌合面の幅が互いに等しく、
    前記第1嵌合面の幅と前記第2嵌合面の幅とが等しく、
    前記第1凹部の幅と前記第2凹部の幅のどちらか一方が前記第1嵌合面の幅と等しく、他方が前記第1嵌合面の幅の2の倍数倍とされている、
    請求項5記載のガスクッション装置。
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