JP2019173872A - ブレーキ摩擦材 - Google Patents
ブレーキ摩擦材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019173872A JP2019173872A JP2018062520A JP2018062520A JP2019173872A JP 2019173872 A JP2019173872 A JP 2019173872A JP 2018062520 A JP2018062520 A JP 2018062520A JP 2018062520 A JP2018062520 A JP 2018062520A JP 2019173872 A JP2019173872 A JP 2019173872A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon fiber
- mass
- brake
- friction material
- fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Braking Arrangements (AREA)
Abstract
Description
また、強度と耐久性を有し、フェード現象を抑制し得るブレーキ摩擦材を提供するため、炭素繊維を3〜30質量%含有する繊維ブロックを分散した摩擦材が開示されている(特許文献3参照)。
さらに、結合材との結び付きを強固にし、補強効果をより良く発揮させるため、表面に官能基を導入した炭素繊維を含む摩擦材も知られている(特許文献4参照)。
ブレーキ摩擦材は常に風雨に晒される環境下において使用されるため、信頼性を確保するためにブレーキ摩擦材からなるライニング材とバックプレートの境界部における錆の発生防止を目的とし、表面に塗装が施されている。
即ち、従来のライニング材には銅繊維が使用されてきたが、これを廃止することにより導電性が失われ、アースが困難となり、十分な塗膜が形成されず、錆の発生により接着強度が低下し、結果として長期信頼性が損なわれるという課題があった。
従って、本発明によれば、実質的に銅を含む材料を含有せず、粉体塗装が容易で、優れた摩擦特性を確保しつつ、長期間使用時の錆の発生を防止できるブレーキ摩擦材を提供することができる。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態のブレーキ摩擦材3において、前記強化繊維としてアラミド繊維などを適用することができ、前記結合材としてフェノール樹脂などを適用することができる。また、有機系摩擦調整材としてカシューダスト、ゴム粉などを適用することができ、無機系摩擦調整材として亜鉛粉などの粉末あるいは酸化ジルコニウムなどの粉末を適用することができ、充填材として硫酸バリウムなどを適用することができ、pH調整材として水酸化カルシウムなどを適用することができる。
また、本実施形態のブレーキ摩擦材3において、前記各種材料の他に、潤滑材として黒鉛、マイカ、コークス、三硫化アンチモン、二硫化モリブデンなどを含んでいても良く、無機繊維としてチタン酸カリウム繊維、ウォラストナイト、ロックウールなどを含んでいても良い。
炭素繊維の含有量が0.05質量%未満である場合、ブレーキ摩擦材3の導電性を十分に確保できなくなり、粉体塗装性が低下する。炭素繊維の含有量が0.1質量%を超えるとブレーキ摩擦材3の摩擦係数が急激に低下するおそれがある。
炭素繊維の繊維長が1mm未満であると導電性を得るために炭素繊維の配合量を増加する必要があり、結果として摩擦係数が目標の範囲を満足しなくなる。
炭素繊維の繊維長が1mm以上10mm未満の範囲では、塗装性と摩擦特性への影響は生じない。しかし、繊維長がこの範囲の炭素繊維は凝集し易いので、配合する際に注意が必要であり、凝集した炭素繊維が多く含まれている場合、ブレーキ摩擦材3に凝集体が混入し、ブレーキ摩擦材3の表面に凝集体が露出して外観不良となるおそれがある。このため、優れた塗装性と摩擦特性を具備した上に外観不良の問題も考慮すると、炭素繊維の繊維長は10mm以上であることが好ましい。
従って、本実施形態によれば、実質的に銅元素を含有せず、環境負荷の低減が可能であり、粉体塗装性が良好であって、優れた摩擦特性を確保しつつ、長期間使用時の錆の発生を防止できるブレーキ摩擦材3を提供することができる。
次に、以下の表1、表2に示すように炭素繊維を0.05〜0.1質量%含有し、他の成分は、結合材としてフェノール樹脂、強化繊維としてアラミド繊維、無機繊維としてチタン酸カリウム繊維、ウォラストナイト、セピオライト、ロックウール、セラミック繊維、潤滑材として黒鉛、マイカ,コークス、三硫化アンチモン、二硫化モリブデン、PTFE、有機系摩擦調整材としてカシューダスト、ゴム粉、NBR、アクリルゴム、無機系摩擦調整材として酸化ジルコニウム、珪酸ジルコニウム、亜鉛粉、バーミキュライト、タルク、pH調整材として水酸化カルシウム、充填材として硫酸バリウムを各表に示すように含有量となるように配合した。表1、表2において各成分の配合量の単位は全て質量%を示す。
これら各組成の冷間成形品と接着剤を塗布した裏金を150℃に設定した金型に投入し、所定の圧力、時間で加熱圧縮成形し、成形品を得た。さらに、金型から成形品を取り出し、220℃にて6時間熱処理し、研磨、溝加工、粉体塗装を実施し、実施例1〜6のブレーキパッドを作製した。
また、上述した実施例と同等の作製条件でブレーキパッドを作製する際、炭素繊維の繊維長と、炭素繊維の配合量を先に説明した望ましい範囲から外して作製した比較例1〜8のブレーキパッドを作製した。
以下の表1に実施例1〜6のブレーキパッドに用いた炭素繊維の繊維長を示し、表1に用いた材料の配合量(質量%)を示す。また、表2に比較例1〜8のブレーキパッドに用いた炭素繊維の繊維長を示し、表2に用いた材料の配合量(質量%)を示す。
実施例1〜6と比較例1〜8のブレーキパッドの外観は図1に示すブレーキパッドと同等である。
粉体塗装性の評価には、ブレーキパッド側面の塗装膜厚を用いることとし、摩擦特性の評価には、摩擦係数の代表値としてJASO C407の第2効力試験における減速度3.0m/s2の計測値を用いることとした。
摩擦特性の評価において、第2効力試験における減速度3.0m/s2の計測値が0.37以上の場合は摩擦特性が優れていると判断して、摩擦特性の欄にOKと表示した。
摩擦特性の評価において、第2効力試験における減速度3.0m/s2の計測値が0.37未満の場合は摩擦特性に劣っていると判断して、摩擦特性の欄にNGと表示した。
これら評価の結果を以下の表3、表4に記載する。
実施例1〜6は、銅含有量を0%としている環境負荷低減が可能な例であるが、好適な配合量と好適な繊維長の炭素繊維を含有しているため、粉体塗装性に優れ、長期間使用しても錆発生のおそれがない上に、摩擦特性に優れた特徴を有する。
比較例3〜5は、炭素繊維の配合量が少ないため、炭素繊維の繊維長を長くしても粉体塗装に必要な導電性が得られず、境界部塗膜厚さが不足し、十分な厚さの塗膜が得られないため、塗装性に問題を生じた。
比較例6〜8は、炭素繊維の配合量を多くした例であるが、導電性には問題ないものの第2効力試験における減速度3.0m/s2の計測値が低くなり(0.37未満となり)、摩擦特性に劣る結果となった。
なお、後述する炭素繊維配合量と摩擦係数との相関関係から、炭素繊維配合量0.1質量%およびそれ以下の含有量の試料と、炭素繊維配合量0.15質量%の試料およびそれ以上の含有量の試料との間で摩擦係数のレベル変位が大きいことがわかっている。炭素繊維配合量0.1質量%およびそれ以下の含有量の試料が示す摩擦係数のレベルと、炭素繊維配合量0.15質量%の試料およびそれ以上の含有量の試料が示す摩擦係数のレベルの境界が0.37となるので、0.37以上と0.37未満と把握できる境界は炭素繊維配合量について得られる摩擦係数の大小レベルを区別するという面から見た場合の境界基準として把握できる。
摩擦特性の評価には、摩擦係数の代表値としてJASO C407の第2効力試験における減速度3.0m/s2の計測値を用いた。
その結果を表5に示すとともに、摩擦係数と炭素繊維配合量の相関関係を図2に示す。
なお、表5では、炭素繊維配合量について、実施例との対比のために、実施例6の数値を比較例9〜14の数値と対比して示す。
このことから、ブレーキ摩擦材において炭素繊維の配合量は0.1質量%以下が望ましいことがわかった。
それらの測定結果を表6に示すとともに、電気抵抗値(kΩ)と炭素繊維配合量の相関関係を図3に示す。
なお、表6では、炭素繊維配合量について、実施例との対比のために、実施例3、6の数値を比較例15〜19の数値と対比して示す。
また、表5と図2に示す摩擦係数の評価結果と合わせて考慮すると、ブレーキ摩擦材において炭素繊維の配合量は0.1質量%以下が望ましいことがわかる。
なお、この試験に用いたブレーキ摩擦材について、他の成分は、フェノール樹脂7.0質量%、アラミド繊維3.0質量%、無機繊維30.0質量%、潤滑材11.5質量%、有機系摩擦調整材6.0質量%、無機系摩擦調整材10.0質量%、pH調整材3.0質量%、残部充填材の組成を有する。
炭素繊維凝集体がブレーキ摩擦材の表面に存在すると外観不良となる可能性を有する。炭素繊維集合体が生成したのみでは塗装性、摩擦特性への影響はないので、ブレーキ摩擦材として特性上の問題にはならないが、ブレーキ摩擦材でブレーキパッドを形成した場合の外観をも考慮した場合、繊維長10mm以上の炭素繊維を選択して用いることが好ましい。
Claims (2)
- 少なくとも強化繊維材、結合材、摩擦調整材、充填材、およびpH調整材を含有してなるブレーキ摩擦材において、
前記ブレーキ摩擦材の全体量を100質量%としたとき、銅を含む材料を含まず、かつ、0.05質量%以上かつ0.1質量%以下の炭素繊維を含有し、該炭素繊維の繊維長が1mm以上であることを特徴とするブレーキ摩擦材。 - 前記炭素繊維の繊維長が10mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018062520A JP7045902B2 (ja) | 2018-03-28 | 2018-03-28 | ブレーキ摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018062520A JP7045902B2 (ja) | 2018-03-28 | 2018-03-28 | ブレーキ摩擦材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019173872A true JP2019173872A (ja) | 2019-10-10 |
JP7045902B2 JP7045902B2 (ja) | 2022-04-01 |
Family
ID=68170173
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018062520A Active JP7045902B2 (ja) | 2018-03-28 | 2018-03-28 | ブレーキ摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7045902B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021049115A (ja) * | 2019-09-25 | 2021-04-01 | 株式会社三共 | 遊技機 |
JP2021049114A (ja) * | 2019-09-25 | 2021-04-01 | 株式会社三共 | 遊技機 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06210205A (ja) * | 1992-12-03 | 1994-08-02 | Nordson Corp | 回転霧化機 |
WO2014147807A1 (ja) * | 2013-03-22 | 2014-09-25 | 日清紡ブレーキ株式会社 | 摩擦材 |
JP2016121246A (ja) * | 2014-12-24 | 2016-07-07 | 日本ブレーキ工業株式会社 | 摩擦材組成物、摩擦材組成物を用いた摩擦材および摩擦部材 |
-
2018
- 2018-03-28 JP JP2018062520A patent/JP7045902B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06210205A (ja) * | 1992-12-03 | 1994-08-02 | Nordson Corp | 回転霧化機 |
WO2014147807A1 (ja) * | 2013-03-22 | 2014-09-25 | 日清紡ブレーキ株式会社 | 摩擦材 |
JP2016121246A (ja) * | 2014-12-24 | 2016-07-07 | 日本ブレーキ工業株式会社 | 摩擦材組成物、摩擦材組成物を用いた摩擦材および摩擦部材 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021049115A (ja) * | 2019-09-25 | 2021-04-01 | 株式会社三共 | 遊技機 |
JP2021049114A (ja) * | 2019-09-25 | 2021-04-01 | 株式会社三共 | 遊技機 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7045902B2 (ja) | 2022-04-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5051330B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JP5124814B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材 | |
JP5979003B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JP6281755B1 (ja) | 摩擦材組成物、およびこれを用いた摩擦材および摩擦部材 | |
JP6764216B2 (ja) | 摩擦材 | |
KR101904546B1 (ko) | 마찰재 | |
JP6024460B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JP5790175B2 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物 | |
WO2012066966A1 (ja) | ノンアスベスト摩擦材組成物、これを用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JP6836716B2 (ja) | 摩擦材組成物 | |
JP7045902B2 (ja) | ブレーキ摩擦材 | |
JP6346424B2 (ja) | 摩擦材組成物、摩擦材組成物を用いた摩擦材及び摩擦部材 | |
JPWO2020158735A1 (ja) | 摩擦材組成物、摩擦材及び摩擦部材 | |
US11060577B2 (en) | Friction material | |
JP2016079252A (ja) | 摩擦材組成物、摩擦材及び摩擦部材 | |
JP2016160299A (ja) | 非石綿系摩擦材 | |
WO2017014173A1 (ja) | 摩擦材 | |
JP2008189791A (ja) | 摩擦材 | |
JP2008184594A (ja) | 摩擦材 | |
JP5469805B2 (ja) | 摩擦材組成物及び摩擦材組成物を用いた摩擦材 | |
JP6570167B2 (ja) | 摩擦材組成物、およびこれを用いた摩擦材および摩擦部材 | |
JP2017002110A (ja) | ブレーキ摩擦材 | |
JP2021152119A (ja) | 摩擦部材、摩擦材組成物、摩擦材及び車両 | |
JP7184094B2 (ja) | 摩擦部材、下張り材用摩擦材組成物及び下張り材 | |
JP2018002775A (ja) | ブレーキ摩擦材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201028 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210716 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210727 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220222 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220322 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7045902 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |