JP2019173872A - ブレーキ摩擦材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、銅繊維を使用しなくとも粉体塗装を可能とし、製品の長期信頼性を維持した上で、摩擦特性を十分に確保することができ、銅を含有していないブレーキ摩擦材を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、少なくとも強化繊維材、結合材、摩擦調整材、充填材、およびpH調整材を含有してなるブレーキ摩擦材において、前記ブレーキ摩擦材の全体量を100質量%としたとき、銅を含む材料を含まず、かつ、0.05質量%以上かつ0.1質量%以下の炭素繊維を含有し、該炭素繊維の繊維長が1mm以上であることを特徴とするブレーキ摩擦材であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ブレーキ摩擦材に関する。
従来、自動車等のブレーキ摩擦材においては、銅繊維等の金属繊維と、アラミド繊維等の有機繊維と、ウォラストナイト、セピオライト、チタン酸カリウム繊維、チタン酸ナトリウム多結晶繊維、炭素繊維、ロックウール等の無機繊維と、フェノール樹脂等の結合材と、黒鉛、二硫化モリブデン等の潤滑材と、アルミナ粉、ジルコンサンド、カシューダスト、セラミック粉、金属粉等の摩擦調整材と、硫酸バリウム等の充填材と、水酸化カルシウム等のpH調整材を混合することにより、強度、接着性、摩擦特性、摩耗特性、鳴き特性等のブレーキ特性を満足するように調整されている(特許文献1参照)。
前記材料のうち、炭素繊維は摩擦係数を低下させるというデメリットがある一方で、軽量、高強度、高耐熱性という優れた特性を有していることから、ライニング材の補強や耐熱性の向上を目的として使用されている(特許文献2参照)。
また、強度と耐久性を有し、フェード現象を抑制し得るブレーキ摩擦材を提供するため、炭素繊維を3〜30質量%含有する繊維ブロックを分散した摩擦材が開示されている(特許文献3参照)。
さらに、結合材との結び付きを強固にし、補強効果をより良く発揮させるため、表面に官能基を導入した炭素繊維を含む摩擦材も知られている(特許文献4参照)。
特開2012−233064号公報 特開昭55−157672号公報 特開平2−212634号公報 特開2010−285578号公報
上述のように炭素繊維は、ブレーキ摩擦材の材料として使用する際、その優れた力学特性に着目される一方で、炭素繊維が有する優れた特性の1つである導電性については今まで着目されていなかった。
ブレーキ摩擦材は常に風雨に晒される環境下において使用されるため、信頼性を確保するためにブレーキ摩擦材からなるライニング材とバックプレートの境界部における錆の発生防止を目的とし、表面に塗装が施されている。
塗装には、環境負荷低減とコスト低減の観点から、溶剤を使用せず、かつ塗料を無駄なく使用することができる粉体塗装が用いられる。これは、帯電させた粉体塗料を被塗物に付着させ、そのまま焼成して塗膜を形成する方法であることから、静電気による電荷を逃がすために被塗物をアースする必要がある。
ところで、一部の国において環境負荷を低減するため、一般的なブレーキ摩擦材に含まれている銅の金属繊維を規制しようとする法規制が進められている。このため、本発明者は銅の金属繊維を除いたブレーキ摩擦材について研究開発を行っている。しかし、銅の金属繊維を含むブレーキ摩擦材は導電性に優れているので、上述の粉体塗装に有利であるが、銅の金属繊維を含まないブレーキ摩擦材は導電性が不足し、粉体塗装を行った場合、十分な膜厚の塗膜を形成できないことがわかった。塗膜の厚さが不足した場合、ブレーキ摩擦材からなるライニング材とバックプレートの境界部から錆が発生し、この錆が進展するとライニング材がバックプレートから剥離する可能性が生じる。
即ち、従来のライニング材には銅繊維が使用されてきたが、これを廃止することにより導電性が失われ、アースが困難となり、十分な塗膜が形成されず、錆の発生により接着強度が低下し、結果として長期信頼性が損なわれるという課題があった。
そこで本発明では、銅繊維を使用しなくとも粉体塗装を可能とし、製品の長期信頼性を維持した上で、摩擦特性を十分に確保することができ、銅を含む材料を含有していないブレーキ摩擦材を提供することを目的とする。
本発明のブレーキ摩擦材は、少なくとも強化繊維材、結合材、摩擦調整材、充填材、およびpH調整材を含有してなるブレーキ摩擦材において、前記ブレーキ摩擦材の全体量を100質量%としたとき、銅を含む材料を含まず、かつ、0.05質量%以上かつ0.1質量%以下の炭素繊維を含有し、該炭素繊維の繊維長が1mm以上であることを特徴とする。
本発明によれば、銅を含有する材料を使用しないことにより、環境負荷の低減が可能となる。また、銅繊維の代わりに配合量と繊維長を最適化した炭素繊維を含有していることで、ブレーキ摩擦材に効果的に導電性を付与することができ、粉体塗装性が向上することで長期間使用時における錆の発生を防止することが可能となる。
従って、本発明によれば、実質的に銅を含む材料を含有せず、粉体塗装が容易で、優れた摩擦特性を確保しつつ、長期間使用時の錆の発生を防止できるブレーキ摩擦材を提供することができる。
本実施形態のブレーキ摩擦材の一適用例としてのブレーキパッドを示す正面図。 実施例と比較例において作製した複数のブレーキ摩擦材における摩擦係数と炭素繊維配合量の相関関係を示すグラフ。 実施例と比較例において作製した複数のブレーキ摩擦材における電気抵抗値と炭素繊維配合量の相関関係を示すグラフ。
以下、ブレーキ摩擦材を実施するための形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態のブレーキ摩擦材は、自動車などの車両の制動に用いられるディスクブレーキ用のブレーキパッド及びドラムブレーキ用のブレーキシュー等に用いられるブレーキ摩擦材である。これらのブレーキパッドやブレーキシューは、ディスクロータやブレーキドラム等の被制動部材に当接して摩擦力を生じさせることで車両を制動する。
図1に一例として、ディスクブレーキ用のブレーキパッド1を示す。このブレーキパッド1は、バックプレート2と、バックプレート2の表面に接着されたブレーキ摩擦材3とからなっている。このブレーキパッド1は、バックプレート2において車両の非回転部に支持されることになり、バックプレート2においてブレーキ摩擦材3と反対側がディスクブレーキキャリパで押圧されることにより、ブレーキ摩擦材3が車輪とともに回転するディスクに接触してディスクの回転にブレーキをかけるものである。
本実施形態のブレーキ摩擦材3は、少なくとも強化繊維材、結合材、摩擦調整材、充填材、およびpH調整材を含有してなるブレーキ摩擦材において、ブレーキ摩擦材の全体量を100質量%としたとき、銅元素を含む材料を含まず、かつ、0.05質量%以上かつ0.1質量%以下の炭素繊維を含有し、当該炭素繊維の繊維長が1mm以上であることを特徴とする。
本実施形態のブレーキ摩擦材3において、前記強化繊維としてアラミド繊維などを適用することができ、前記結合材としてフェノール樹脂などを適用することができる。また、有機系摩擦調整材としてカシューダスト、ゴム粉などを適用することができ、無機系摩擦調整材として亜鉛粉などの粉末あるいは酸化ジルコニウムなどの粉末を適用することができ、充填材として硫酸バリウムなどを適用することができ、pH調整材として水酸化カルシウムなどを適用することができる。
また、本実施形態のブレーキ摩擦材3において、前記各種材料の他に、潤滑材として黒鉛、マイカ、コークス、三硫化アンチモン、二硫化モリブデンなどを含んでいても良く、無機繊維としてチタン酸カリウム繊維、ウォラストナイト、ロックウールなどを含んでいても良い。
本実施形態のブレーキ摩擦材3において、炭素繊維の含有量を0.05質量%以上かつ0.1質量%以下とすることが望ましく、この範囲の炭素繊維を含んでいることにより、導電性を確保し、摩擦係数を好適な値とすることができる。
炭素繊維の含有量が0.05質量%未満である場合、ブレーキ摩擦材3の導電性を十分に確保できなくなり、粉体塗装性が低下する。炭素繊維の含有量が0.1質量%を超えるとブレーキ摩擦材3の摩擦係数が急激に低下するおそれがある。
本実施形態のブレーキ摩擦材3において、炭素繊維の繊維長を1mm以上とすることが必要であり、炭素繊維の繊維長を1mm以上とすることにより、導電性を得やすくなり、上述の配合量で良好な塗装性を得ることができようになる。
炭素繊維の繊維長が1mm未満であると導電性を得るために炭素繊維の配合量を増加する必要があり、結果として摩擦係数が目標の範囲を満足しなくなる。
炭素繊維の繊維長が1mm以上10mm未満の範囲では、塗装性と摩擦特性への影響は生じない。しかし、繊維長がこの範囲の炭素繊維は凝集し易いので、配合する際に注意が必要であり、凝集した炭素繊維が多く含まれている場合、ブレーキ摩擦材3に凝集体が混入し、ブレーキ摩擦材3の表面に凝集体が露出して外観不良となるおそれがある。このため、優れた塗装性と摩擦特性を具備した上に外観不良の問題も考慮すると、炭素繊維の繊維長は10mm以上であることが好ましい。
以上説明したブレーキ摩擦材3は、上述の各成分を必要量秤量して混合し、混合材を金型によって目的の形状に圧縮成形して得られる。また、この圧縮成形品をバックプレート2に接着剤で接着し、必要な研磨や溝加工を施すことで図1に示すブレーキパッド1を得ることができる。
上述の配合のブレーキ摩擦材3であるならば、従来のブレーキパッドに用いられていた銅元素を含有する材料を使用しないことにより、環境負荷の低減が可能となる。また、銅繊維の代わりに配合量と繊維長を最適化した炭素繊維を望ましい範囲含有していることにより、ブレーキ摩擦材に効果的に導電性を付与することができ、粉体塗装性が向上することで十分な厚さのブレーキ摩擦材3を形成でき、長期間使用時における錆の発生を防止できるブレーキ摩擦材3を提供できる。即ち、粉体塗装性を向上させることで十分な厚さの塗膜を形成できるので、該塗膜を焼成することにより十分な厚さのブレーキ摩擦材3を得ることができ、錆発生のおそれのないブレーキ摩擦材3を形成できる。
従って、本実施形態によれば、実質的に銅元素を含有せず、環境負荷の低減が可能であり、粉体塗装性が良好であって、優れた摩擦特性を確保しつつ、長期間使用時の錆の発生を防止できるブレーキ摩擦材3を提供することができる。
ブレーキ摩擦材を取り付けるためのバックプレートを十分に洗浄した後、ブレーキ摩擦材と接する面に接着剤を塗布し乾燥させた。
次に、以下の表1、表2に示すように炭素繊維を0.05〜0.1質量%含有し、他の成分は、結合材としてフェノール樹脂、強化繊維としてアラミド繊維、無機繊維としてチタン酸カリウム繊維、ウォラストナイト、セピオライト、ロックウール、セラミック繊維、潤滑材として黒鉛、マイカ,コークス、三硫化アンチモン、二硫化モリブデン、PTFE、有機系摩擦調整材としてカシューダスト、ゴム粉、NBR、アクリルゴム、無機系摩擦調整材として酸化ジルコニウム、珪酸ジルコニウム、亜鉛粉、バーミキュライト、タルク、pH調整材として水酸化カルシウム、充填材として硫酸バリウムを各表に示すように含有量となるように配合した。表1、表2において各成分の配合量の単位は全て質量%を示す。
表1、表2に示す各配合割合の混合物を常温にて所定の金型に投入し、圧力50MPaにて冷間成形した。
これら各組成の冷間成形品と接着剤を塗布した裏金を150℃に設定した金型に投入し、所定の圧力、時間で加熱圧縮成形し、成形品を得た。さらに、金型から成形品を取り出し、220℃にて6時間熱処理し、研磨、溝加工、粉体塗装を実施し、実施例1〜6のブレーキパッドを作製した。
また、上述した実施例と同等の作製条件でブレーキパッドを作製する際、炭素繊維の繊維長と、炭素繊維の配合量を先に説明した望ましい範囲から外して作製した比較例1〜8のブレーキパッドを作製した。
以下の表1に実施例1〜6のブレーキパッドに用いた炭素繊維の繊維長を示し、表1に用いた材料の配合量(質量%)を示す。また、表2に比較例1〜8のブレーキパッドに用いた炭素繊維の繊維長を示し、表2に用いた材料の配合量(質量%)を示す。
実施例1〜6と比較例1〜8のブレーキパッドの外観は図1に示すブレーキパッドと同等である。
Figure 2019173872
Figure 2019173872
以上の如く製造した実施例と比較例のブレーキパッドについて、粉体塗装性、摩擦特性(自動車工業規格JASO C407「トラック・バス−ブレーキ装置−ダイナモメータ試験方法」)の評価を行った。
粉体塗装性の評価には、ブレーキパッド側面の塗装膜厚を用いることとし、摩擦特性の評価には、摩擦係数の代表値としてJASO C407の第2効力試験における減速度3.0m/sの計測値を用いることとした。
摩擦特性の評価において、第2効力試験における減速度3.0m/sの計測値が0.37以上の場合は摩擦特性が優れていると判断して、摩擦特性の欄にOKと表示した。
摩擦特性の評価において、第2効力試験における減速度3.0m/sの計測値が0.37未満の場合は摩擦特性に劣っていると判断して、摩擦特性の欄にNGと表示した。
これら評価の結果を以下の表3、表4に記載する。
Figure 2019173872
Figure 2019173872
実施例1〜6は、炭素繊維とフェノール樹脂(結合材)とアラミド繊維(強化繊維)と無機繊維と潤滑材と有機系摩擦調整材と無機系摩擦調整材とpH調整材と充填材を含み、炭素繊維長1〜25mm、炭素繊維の配合量0.05〜0.1質量%の範囲の試料である。実施例1〜6は、境界部塗膜厚さが十分な厚さを有し、摩擦特性に優れていた。境界部塗膜厚さが十分な厚さを有する場合、長期間使用しても錆発生のおそれのないブレーキ摩擦材を形成できる。
実施例1〜6は、銅含有量を0%としている環境負荷低減が可能な例であるが、好適な配合量と好適な繊維長の炭素繊維を含有しているため、粉体塗装性に優れ、長期間使用しても錆発生のおそれがない上に、摩擦特性に優れた特徴を有する。
比較例1、2は、繊維長の短い炭素繊維を配合した例であるが、規定内の配合量では粉体塗装に必要な導電性が得られず、境界部塗膜厚さが不足し、十分な厚さの塗膜が得られないため、塗装性に問題を生じた。
比較例3〜5は、炭素繊維の配合量が少ないため、炭素繊維の繊維長を長くしても粉体塗装に必要な導電性が得られず、境界部塗膜厚さが不足し、十分な厚さの塗膜が得られないため、塗装性に問題を生じた。
比較例6〜8は、炭素繊維の配合量を多くした例であるが、導電性には問題ないものの第2効力試験における減速度3.0m/sの計測値が低くなり(0.37未満となり)、摩擦特性に劣る結果となった。
なお、後述する炭素繊維配合量と摩擦係数との相関関係から、炭素繊維配合量0.1質量%およびそれ以下の含有量の試料と、炭素繊維配合量0.15質量%の試料およびそれ以上の含有量の試料との間で摩擦係数のレベル変位が大きいことがわかっている。炭素繊維配合量0.1質量%およびそれ以下の含有量の試料が示す摩擦係数のレベルと、炭素繊維配合量0.15質量%の試料およびそれ以上の含有量の試料が示す摩擦係数のレベルの境界が0.37となるので、0.37以上と0.37未満と把握できる境界は炭素繊維配合量について得られる摩擦係数の大小レベルを区別するという面から見た場合の境界基準として把握できる。
次に、炭素繊維の配合量がブレーキ摩擦材の摩擦特性に与える影響を知るために表5に示す配合量の比較例9〜14を作製し、各例の摩擦特性について評価した。
摩擦特性の評価には、摩擦係数の代表値としてJASO C407の第2効力試験における減速度3.0m/sの計測値を用いた。
その結果を表5に示すとともに、摩擦係数と炭素繊維配合量の相関関係を図2に示す。
なお、表5では、炭素繊維配合量について、実施例との対比のために、実施例6の数値を比較例9〜14の数値と対比して示す。
Figure 2019173872
実施例6は、先に表1で示したように炭素繊維配合量0.1質量%、炭素繊維長25mm、フェノール樹脂7.0質量%、アラミド繊維3.0質量%、無機繊維30.0質量%、潤滑材11.5質量%、有機系摩擦調整材6.0質量%、無機系摩擦調整材10.0質量%、pH調整材3.0質量%、残部充填材の組成を有する試料である。実施例6の試料に対比するために、充填材の一部を炭素繊維に置き換える形式で炭素繊維配合量を変量し、他の成分は同等配合量として比較例9〜14の試料を作製した。
表5と図3に示す結果が示すように、炭素繊維の配合量を0.1質量%以下の範囲とした試料は摩擦係数(第2効力)の値が優れているものの、0.1質量%を超えた炭素繊維を含有する試料では摩擦係数(第2効力)の値が急激に減少していることがわかった。
このことから、ブレーキ摩擦材において炭素繊維の配合量は0.1質量%以下が望ましいことがわかった。
次に、炭素繊維の配合量がブレーキ摩擦材の電気抵抗値と粉体塗布性に与える影響を知るために表6に示す配合量の比較例15〜19を作製し、各例の電気抵抗値と粉体塗布性について評価した。
それらの測定結果を表6に示すとともに、電気抵抗値(kΩ)と炭素繊維配合量の相関関係を図3に示す。
なお、表6では、炭素繊維配合量について、実施例との対比のために、実施例3、6の数値を比較例15〜19の数値と対比して示す。
Figure 2019173872
実施例3は、先に表1で示したように炭素繊維配合量0.05質量%、炭素繊維長25mm、フェノール樹脂7.0質量%、アラミド繊維3.0質量%、無機繊維30.0質量%、潤滑材11.5質量%、有機系摩擦調整材6.0質量%、無機系摩擦調整材10.0質量%、pH調整材3.0質量%、残部充填材の組成を有する試料である。実施例3、6の試料に対比するために、充填材の一部を炭素繊維に置き換える形式で炭素繊維配合量を変量し、他の成分は同等配合量として比較例15〜19の試料を作製した。
表6と図3に示す結果が示すように、炭素繊維を配合していない試料は粉体塗装ができないような大きな電気抵抗を示すが、炭素繊維の配合量を0.05質量%とした試料は粉他塗装可能な電気抵抗値であり、0.1質量%以上の炭素繊維を含有する試料は更に電気抵抗値が低くなるので、問題なく塗装ができた。
また、表5と図2に示す摩擦係数の評価結果と合わせて考慮すると、ブレーキ摩擦材において炭素繊維の配合量は0.1質量%以下が望ましいことがわかる。
次に、ブレーキ摩擦材に配合する炭素繊維長の影響を把握するために、炭素繊維長:0.15mmの試料(炭素繊維配合量0.1質量%)、炭素繊維長:0.4mmの試料(炭素繊維配合量0.1質量%)、炭素繊維長:1mmの試料(炭素繊維配合量0.1質量%)、炭素繊維長:3mmの試料(炭素繊維配合量0.1質量%)、炭素繊維長:10mmの試料(炭素繊維配合量0.1質量%)、炭素繊維長:25mmの試料(炭素繊維配合量 0.1質量%)をそれぞれ作製し、これらのブレーキ摩擦材を個別に用いて図1に示す形状のブレーキパッドを作製し、各ブレーキパッドの外観観察を行った。
なお、この試験に用いたブレーキ摩擦材について、他の成分は、フェノール樹脂7.0質量%、アラミド繊維3.0質量%、無機繊維30.0質量%、潤滑材11.5質量%、有機系摩擦調整材6.0質量%、無機系摩擦調整材10.0質量%、pH調整材3.0質量%、残部充填材の組成を有する。
得られた各ブレーキパッドについて外観の検査を目視により行ったところ、炭素繊維長0.15mm、0.4mm、10mm、25mmの試料はブレーキパッドの表面に特に問題は見られなかったが、炭素繊維長1mm、3mmの試料にはブレーキパッドの表面に2〜3箇所、炭素繊維凝集体の存在を確認できた。
炭素繊維凝集体がブレーキ摩擦材の表面に存在すると外観不良となる可能性を有する。炭素繊維集合体が生成したのみでは塗装性、摩擦特性への影響はないので、ブレーキ摩擦材として特性上の問題にはならないが、ブレーキ摩擦材でブレーキパッドを形成した場合の外観をも考慮した場合、繊維長10mm以上の炭素繊維を選択して用いることが好ましい。
1…ブレーキパッド、 2…バックプレート、 3…ブレーキ摩擦材。

Claims (2)

  1. 少なくとも強化繊維材、結合材、摩擦調整材、充填材、およびpH調整材を含有してなるブレーキ摩擦材において、
    前記ブレーキ摩擦材の全体量を100質量%としたとき、銅を含む材料を含まず、かつ、0.05質量%以上かつ0.1質量%以下の炭素繊維を含有し、該炭素繊維の繊維長が1mm以上であることを特徴とするブレーキ摩擦材。
  2. 前記炭素繊維の繊維長が10mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ摩擦材。
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