JP2019172404A - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクティブ方式のリタードローラを設けた構成において、シートの搬送途中にリタードローラを駆動ローラから離間させることができる新規な構成のシート搬送装置を提供する。【解決手段】シート搬送装置は、電磁クラッチ29が「入」のときにモータ4からの駆動力により第2付勢部材48を第1位置に変位させて第2付勢部材48がホルダ46を第1付勢部材47の第1付勢力より小さい第2付勢力で付勢する第1状態と、電磁クラッチ29が「切」のときに第2付勢部材48を第2位置に変位させて第2付勢部材48がホルダ46を第1付勢部材47の第1付勢力に抗して第1付勢力よりも大きい第3付勢力で付勢する第2状態とに切り替える切替機構20Cを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、シート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
従来から画像読取装置、画像形成装置、複写機等に搭載されるシート搬送装置は、複数枚重なったシートを1枚ずつ分離して供給する機構を備えている。この機構の一つとして、シートの分離性能を向上させるためにアクティブ方式のリタードローラを設けた構成がある。
例えば特許文献1には、シートの分離後にリタードローラを駆動するモータを逆回転させることにより、リタードローラを保持するホルダを揺動させてリタードローラを駆動ローラから離間する構成が開示されている。これにより、リタードローラが駆動ローラに圧接することによるリタードローラのへこみの発生を防いでいる。
ところで、アクティブ方式のリタードローラによれば、シートの分離後、1枚のシートを搬送しているときに、リタードローラに搬送方向と反対方向のトルクが作用した状態でシートを搬送するため、そのトルクがシートを搬送する抵抗となる。このように、アクティブ方式のリタードローラを設けた構成においては、シートの分離性能は向上するが、シートの搬送抵抗は大きくなるという課題がある。
この課題は、分離したシートの搬送途中にリタードローラを駆動ローラから離間させれば解決されるが、特許文献1の構成ではリタードローラを駆動ローラから離間させるためにモータを逆回転させる必要があり、制御が複雑になるという新たな課題が生じる。
本発明は、アクティブ方式のリタードローラを設けた構成において、シートの搬送途中にリタードローラを駆動ローラから離間させることができる新規な構成のシート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明のシート搬送装置は、モータ(4)と、駆動ローラ(22)と、駆動ローラ(22)と対向して配置されるアクティブ方式のリタードローラ(23)と、モータ(4)からの駆動力をシート(S)の搬送方向の駆動力として駆動ローラ(22)に入力する複数のギヤを有する第1駆動ギヤ列(20A)と、モータ(4)からの駆動力を搬送方向と反対方向の駆動力としてリタードローラ(23)に入力する複数のギヤを有する第2駆動ギヤ列(20B)と、リタードローラ(23)を駆動ローラ(22)に対して揺動可能に保持するホルダ(46)と、リタードローラ(23)が駆動ローラ(22)に圧接する方向にホルダ(46)を第1付勢力で付勢する第1付勢部材(47)と、リタードローラ(23)が駆動ローラ(22)から離間する方向にホルダ(46)を付勢する第2付勢部材(48、202)と、第1駆動ギヤ列(20A)及び第2駆動ギヤ列(20B)の途中に配置され、モータ(4)から駆動ローラ(22)及びリタードローラ(23)へ入力される駆動力の入切を行うクラッチ機構(29)と、第2駆動ギヤ列(20B)におけるクラッチ機構(29)より駆動力伝達方向下流側に配置され、第2付勢部材(48、202)がホルダ(46)を付勢する付勢力を切り替える切替機構(20C)であって、クラッチ機構(29)が「入」のときにモータ(4)からの駆動力により第2付勢部材(48、202)を第1位置に変位させて第2付勢部材(48、202)がホルダ(46)を第1付勢部材(47)の第1付勢力より小さい第2付勢力で付勢する第1状態と、クラッチ機構(29)が「切」のときに第2付勢部材(48、202)を第2位置に変位させて第2付勢部材(48、202)がホルダ(46)を第1付勢部材(47)の第1付勢力に抗して第1付勢力よりも大きい第3付勢力で付勢する第2状態とに切り替える切替機構(20C)と、クラッチ機構(29)の入切を制御する制御部(91)とを備える。
上記の構成によれば、シート(S)を分離するときには、制御部(91)がクラッチ機構(29)を「入」にすることにより、駆動ローラ(22)及びリタードローラ(23)にモータ(4)からの駆動力が入力され、切替機構(20C)が第1位置に変位する。この状態では、第1付勢部材(47)の付勢力が第2付勢部材(48、202)の付勢力より大きいため、ホルダ(46)は第1付勢部材(47)で付勢される方向に揺動し、リタードローラ(23)が駆動ローラ(22)に圧接する。これにより、リタードローラ(23)がアクティブ方式のリタードローラ(23)として機能し、シート(S)が分離される。
一方、分離したシート(S)の搬送途中に制御部(91)がクラッチ機構(29)を「切」とすることにより、駆動ローラ(22)及びリタードローラ(23)へのモータ(4)からの駆動力が切断され、切替機構(20C)が第2位置に変位する。この状態では、第2付勢部材(48、202)の付勢力が第1付勢部材(47)の付勢力より大きいため、ホルダ(46)は第2付勢部材(48、202)で付勢される方向に揺動し、リタードローラ(23)が駆動ローラ(22)から離間する。これにより、シート(S)の分離後にシート(S)を搬送しているときには、リタードローラ(23)が搬送抵抗にならず、シート(S)の搬送抵抗を軽減することができる。
本発明によれば、アクティブ方式のリタードローラを設けたシート搬送装置において、上記の新規な構成によって、シートの搬送途中にリタードローラを駆動ローラから離間させることができる。
以下の説明では、図1に示すように画像形成装置1が使用可能に設置された状態を基準とし、シートトレイ10が引き出される側を前、その反対側を後とし、画像形成装置1を前側から見て左右方向を規定し、さらに画像形成装置1の排出トレイ82側を上、その反対を下とし、各方向を定める。
[画像形成装置の全体構成]
図1に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であり、筐体2と、供給ユニット3と、モータ4と、画像形成部の一例としての画像形成ユニット5と、排出ユニット8と、制御ユニット9とを備えている。
図1に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であり、筐体2と、供給ユニット3と、モータ4と、画像形成部の一例としての画像形成ユニット5と、排出ユニット8と、制御ユニット9とを備えている。
供給ユニット3は、画像形成装置1の下部に配置され、供給ユニット3に保持されるシートSを画像形成ユニット5に搬送するものである。画像形成ユニット5は、供給ユニット3よりもシートSの搬送方向下流側に配置され、供給ユニット3から搬送されてきたシートSに画像を形成するものである。排出ユニット8は、画像形成ユニット5よりもシートSの搬送方向下流側に配置され、画像形成ユニット5により画像が形成されたシートSを画像形成装置1の外部へ排出するものである。
供給ユニット3は、シートトレイ10と、シート搬送装置を構成する部材の一例としての給送機構20と、搬送ローラ24と、レジストローラ26とを備えている。
シートトレイ10は筐体2の下部に形成されるシートトレイ装着部2Aに着脱可能に装着されている。シートトレイ10は、シートトレイ装着部2Aに対して、前方から後方へ向けて挿入することによりシートトレイ装着部2Aに装着され、装着位置に位置することとなる。また、シートトレイ10は、シートトレイ装着部2Aに対して、後方から前方へ向けて引き出すことにより、装着位置から引出位置に位置することとなる。
シートトレイ10は、複数枚のシートSを支持可能なトレイ本体11と、トレイ本体11に配置されシートSが積載されるとともにシートSを上下方向に変位可能な圧板12と、圧板12を上昇させるための圧板上昇部材13とを有する。
圧板12は回動支点12Aで回動可能に支持されており、上下方向に変位することが可能となっている。圧板上昇部材13はモータ4により駆動されることで先端部が上昇する。圧板上昇部材13の上昇によって圧板12が持ち上げられ、圧板12上に積載されているシートSが図1に示すような給送可能位置まで上昇させられる。
給送機構20はシートトレイ10に積載されるシートSを一枚ずつ分離して取り出し、搬送ローラ24へ向けて搬送する機構である。給送機構20は、給送ローラ21と、駆動ローラの一例としての分離ローラ22と、リタードローラ23とを備えている。
給送ローラ21は圧板12により給送可能位置まで上昇されたシートSを搬送方向Dに給送するローラであり、圧板12の上方に配置されている。分離ローラ22は給送ローラ21よりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。リタードローラ23は、分離ローラ22に対向配置されるとともに分離ローラ22に向けて付勢され、分離ローラ22とニップを形成している。
給送ローラ21により取り出されたシートSは分離ローラ22側へ送り出され、分離ローラ22とリタードローラ23との間で1枚ずつに分離され、搬送ローラ24に向けて搬送される。
搬送ローラ24はシートSに搬送力を付与するローラであり、給送機構20よりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。搬送ローラ24の対向位置には、紙粉取りローラ25が配置されている。給送機構20から搬送ローラ24に向けて搬送されてきたシートSは搬送ローラ24と紙粉取りローラ25とで挟持され、レジストローラ26へ向けて搬送される。
レジストローラ26は搬送ローラ24よりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。レジストローラ26は対向配置されるレジストコロ27との間で搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、所定のタイミングにて転写位置に向けて搬送する。
画像形成ユニット5は、供給ユニット3から搬送されてきたシートSの表面に画像を転写するプロセスカートリッジ50と、プロセスカートリッジ50の感光体ドラム54の表面を露光する露光ユニット60と、プロセスカートリッジ50によりシートSに転写された画像を定着させる定着ユニット70とを備えている。
プロセスカートリッジ50は筐体2におけるシートトレイ装着部2Aよりも上方に配置されている。プロセスカートリッジ50は、現像剤収容室51と、供給ローラ52と、現像ローラ53と、感光体ドラム54と、転写ローラ55とを備えている。
現像剤収容室51には現像剤となるトナーが収容されている。現像剤収容室51に収容されたトナーは、図示しない撹拌部材により撹拌されながら供給ローラ52に送られる。供給ローラ52は現像剤収容室51から送られてくるトナーをさらに現像ローラ53へ供給する。
現像ローラ53は供給ローラ52に密着して配置されており、供給ローラ52から供給されるとともに図示しない摺接部材により正帯電されたトナーを担持する。また、現像ローラ53には、図示しないバイアス印加手段により正の現像バイアスが印加される。
感光体ドラム54は現像ローラ53に隣接して配置されている。感光体ドラム54の表面は図示しない帯電器により一様に正帯電された後、露光ユニット60により露光される。感光体ドラム54の露光された部分は他の部分よりも電位が低くなり、感光体ドラム54に画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体ドラム54の表面に、正に帯電されたトナーが現像ローラ53から供給されることにより、静電潜像が顕像化されて現像剤像となる。
転写ローラ55は感光体ドラム54に対向配置され、図示しないバイアス印加手段により負の転写バイアスが印加される。転写ローラ55の表面に転写バイアスがされている状態で、現像剤像が形成された感光体ドラム54と転写ローラ55との間(転写位置)でシートSを挟持しなから搬送することにより、感光体ドラム54の表面に形成された現像剤像がシートSの表面に転写される。
露光ユニット60は、レーザダイオードと、ポリゴンミラーと、レンズと、反射鏡とを備えており、画像形成装置1に入力された画像データに基づいてレーザ光を感光体ドラム54へ向けて照射することにより、感光体ドラム54の表面を露光する。
定着ユニット70は、加熱ローラ71と、押圧ローラ72とを備えている。加熱ローラ71はモータ4からの駆動力により回転駆動され、加熱ローラ71は図示しない電源から電力を供給することで加熱される。押圧ローラ72は加熱ローラ71に対向配置されており、加熱ローラ71に密着して従動回転する。現像剤像が転写されたシートSが定着ユニット70に搬送されてくると、加熱ローラ71と押圧ローラ72との間でシートSを挟持しながら搬送し、シートSに現像剤像を定着させる。
排出ユニット8は、排出ローラ81と、排出トレイ82とを備えている。排出ローラ81は一対のローラであり、定着ユニット70から搬送されてくるシートSを筐体2の外部へ向けて排出する。排出トレイ82は筐体2の上面に形成されており、排出トレイ82には排出ローラ81により筐体2の外部に排出されたシートSが堆積される。
制御ユニット9は、画像形成装置1全体を制御する部材であり、制御部として機能するCPU(Central Processing Unit)91と、メモリ92とを備える。メモリ92は、図示しないシートセンサ等の検知結果を記憶する。CPU91は、図示しないROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムに基づいて、モータ4、給送機構20、画像形成ユニット5等を制御する。例えば、CPU91は、給送機構20の電磁クラッチ29(図2(a)等参照)の入切を制御する。
[給送機構の構成]
図2は給送機構20を示す図であり、(a)給送機構20の斜視図、(b)は給送機構20の断面斜視図である。図3は給送機構20の正面図である。図2(b)の断面位置は図3のC−C位置と同じである。
図2は給送機構20を示す図であり、(a)給送機構20の斜視図、(b)は給送機構20の断面斜視図である。図3は給送機構20の正面図である。図2(b)の断面位置は図3のC−C位置と同じである。
給送機構20は、上述した給送ローラ21と、分離ローラ22と、リタードローラ23とに加え、第1軸部28と、クラッチ機構の一例としての電磁クラッチ29と、第1ギヤ30と、第2ギヤ31と、第3ギヤ32とを備えている。また給送機構20は、第4ギヤ33と、第5ギヤ34と、第6ギヤ35と、ワンウェイクラッチ36と、第2軸部37とを備えている。また給送機構20は、第7ギヤ38(図4参照)と、第8ギヤ39と、第9ギヤ40と、第1トルクリミッタ41とを備えている。また給送機構20は、第3軸部42と、第10ギヤ43と、第2トルクリミッタ44と、カム45と、ホルダ46と、第1付勢部材47と、第2付勢部材48と、シート戻し部材49とを備えている。
第1軸部28と、電磁クラッチ29と、第1ギヤ30と、第2ギヤ31と、第3ギヤ32とは、第1駆動ギヤ列20Aに含まれる構成要素の一例である。第1駆動ギヤ列20Aは、モータ4からの駆動力をシートSの搬送方向の駆動力として給送ローラ21及び分離ローラ22に入力する複数のギヤを有する駆動ギヤ列である。
第1軸部28と、電磁クラッチ29と、第4ギヤ33と、第5ギヤ34と、第6ギヤ35と、ワンウェイクラッチ36と、第2軸部37と、第7ギヤ38と、第8ギヤ39と、第9ギヤ40と、第1トルクリミッタ41と、第3軸部42と、第10ギヤ43と、第2トルクリミッタ44と、カム45とは、第2駆動ギヤ列20Bに含まれる構成要素の一例である。第2駆動ギヤ列20Bは、モータ4からの駆動力をシートSの搬送方向と反対方向の駆動力としてリタードローラ23に入力する複数のギヤを有する駆動ギヤ列である。
第2トルクリミッタ44と、カム45と、シート戻し部材49とは、切替機構20Cに含まれる構成要素の一例である。切替機構20Cは、第2駆動ギヤ列20Bにおける電磁クラッチ29より駆動力伝達方向下流側に配置され、第2付勢部材48がホルダ46を付勢する付勢力を切り替える機構である。また、カム45とシート戻し部材49とは、変位機構の一例である。変位機構は、第2トルクリミッタ44に接続され、第2トルクリミッタ44の回転によって変位することで第2付勢部材48の付勢力を変化させる機構である。
第1軸部28は、 左右方向に延びる第1回転軸線R1を中心に回転する軸部である。第1軸部28には、左から順に、電磁クラッチ29、第4ギヤ33、第1ギヤ30、分離ローラ22が設けられる。
電磁クラッチ29は、モータ4から給送機構20へ入力される駆動力の入切を行うクラッチ機構である。電磁クラッチ29は、複数のギヤを有する駆動ギヤ列を介してモータ4に繋がっている。また電磁クラッチ29は、電気的にCPU91に接続されている。電磁クラッチ29は、第1駆動ギヤ列20A及び第2駆動ギヤ列20Bの途中に配置される。
本実施形態において電磁クラッチ29は、第1軸部28の左端部に設けられ、第4ギヤ33の駆動上流側に配置される。そして、CPU91の制御により電磁クラッチ29が「入」にされると、モータ4からの駆動力が第1軸部28に伝達され、CPU91の制御により電磁クラッチ29が「切」にされると、モータ4からの駆動力が第1軸部28に伝達されない。
第1ギヤ30は、第1軸部28における分離ローラ22の左側面に設けられたギヤであり、第1軸部28と一体的に回転する。
分離ローラ22には、図示しないワンウェイクラッチが組み込まれている。これにより第1軸部28が停止しているときに分離ローラ22が第1軸部28に対して搬送方向Dに空転可能となる。第1軸部28が搬送方向に回転するとワンウェイクラッチが回転力を伝達し、分離ローラ22は搬送方向に回転する。
第2ギヤ31は、第1ギヤ30及び第3ギヤ32に噛み合うギヤである。第3ギヤ32は、給送ローラ21の左側面に設けられ、第2ギヤ31に噛み合うギヤである。第2ギヤ31、第3ギヤ32及び給送ローラ21は、図示しないホルダに回転可能に保持される。そして、このホルダは第1軸部28に支持される。
給送ローラ21には、図示しないワンウェイクラッチが組み込まれている。これにより第3ギヤ32が停止しているときに給送ローラ21が搬送方向Dに空転可能となる。第3ギヤ32が搬送方向に回転するとワンウェイクラッチが回転力を伝達し、給送ローラ21は搬送方向に回転する。
第4ギヤ33は、電磁クラッチ29の右側の第1軸部28上に設けられたギヤであり、第1軸部28と一体的に回転する。第5ギヤ34は、第4ギヤ33に噛み合うギヤである。第6ギヤ35は、ワンウェイクラッチ36の外周に設けられ、第5ギヤ34に噛み合うギヤである。ワンウェイクラッチ36は、第6ギヤ35の内周に設けられ、第2軸部37の左端部に設けられる。モータ4からの駆動力により第6ギヤ35が回転すると、ワンウェイクラッチ36が回転力を伝達し、第2軸部37が回転する。一方、第2軸部37からワンウェイクラッチ36に入力される逆方向の回転は第6ギヤ35に伝達されない。
第2軸部37は、左右方向に延びる第2回転軸線R2を中心に回転する軸部である。第2軸部37にはワンウェイクラッチ36及び第7ギヤ38が設けられる。また第2軸部37には、ホルダ46の左側部46A及び右側部46Bに形成された貫通孔が挿通されている。これにより、第2軸部37は、ホルダ46を第2回転軸線R2を中心に揺動可能に支持する。
第7ギヤ38は、ホルダ46の左側部46Aの内側に貫通した第2軸部37に設けられたギヤであり、第2軸部37と一体的に回転する。第8ギヤ39は、ホルダ46の左側部46Aの内側に設けられ、第7ギヤ38及び第9ギヤ40に噛み合うギヤである。第9ギヤ40は、ホルダ46の左側部46Aの内側に設けられ、第8ギヤ39に噛み合うギヤである。第9ギヤ40は、リタードローラ23の左側面に設けられ、リタードローラ23と一体的に回転する。
リタードローラ23は、左右方向に延びる回転軸部23Aを有する。回転軸部23Aの左端部はホルダ46の左側部46Aに回転可能に支持され、回転軸部23Aの右端部はホルダ46の右側部46Bに回転可能に支持される。これにより、リタードローラ23はホルダ46に回転可能に支持される。
第1トルクリミッタ41は、リタードローラ23に第1負荷を与えるトルクリミッタである。第1トルクリミッタ41は、リタードローラ23の回転軸部23A上に設けられ、ホルダ46の右側部46Bに連結されることで固定される。
第3軸部42は、ホルダ46の左側部46A及び右側部46Bに回転可能に支持され、左右方向に延びる第3回転軸線R3を中心に回転する軸部である。第3軸部42には第10ギヤ43、第2トルクリミッタ44、カム45及びシート戻し部材49が設けられる。第3軸部42は、シート戻し部材49を第3回転軸線R3を中心に揺動可能に支持する。
第10ギヤ43は、第3軸部42上に設けられ、第3軸部42と一体的に回転し、第9ギヤ40に噛み合うギヤである。第2トルクリミッタ44は、第3軸部42上に設けられ、第2負荷を発生するトルクリミッタである。カム45は、第3軸部42上に設けられ、第2トルクリミッタ44に接続されることで第2トルクリミッタ44の回転によって回転する。カム45は、左側面にピン45Aを有する。ピン45Aは、第2付勢部材48のアーム部材481に係合する。
ホルダ46は、リタードローラ23を分離ローラ22に対して揺動可能に保持する部材である。ホルダ46は、リタードローラ23の左側に配置される左側部46Aと、第1トルクリミッタ41の右側に配置される右側部46Bと、左側部46Aの下端部と右側部46Bの下端部とを繋ぐ下側部46Cと、左側部46Aの前端部と右側部46Bの前端部とを繋ぐ前側部46Dとを有する。
そして、左側部46A及び右側部46Bの第2回転軸線R2との交点には、第2軸部37に挿通される貫通孔46Eがそれぞれ形成されている。これにより、ホルダ46は第2回転軸線R2を中心に揺動可能に支持される。また、左側部46Aの左面における貫通孔46Eの下方には、上下方向に延びる板状の押部46Fが形成されている。押部46Fは、アーム部材481の支持部481Bに押される部材である。押部46Fが前方向へ押されることで、ホルダ46は第2回転軸線R2を中心として揺動する。
第1付勢部材47は、リタードローラ23が分離ローラ22に圧接する方向にホルダ46を第1付勢力で付勢する部材である。本実施形態では、第1付勢部材47として圧縮コイルばねを用い、ホルダ46の下側部46Cを下方から上方向へ付勢している。
第2付勢部材48は、カム45のピン45Aに係合して変位するアーム部材481と、アーム部材481に変形させられる圧縮コイルばね482とで構成されている。アーム部材481は、後端部にピン45Aに回動可能に係合する係合部481Aを有し、前端部に圧縮コイルばね482の前端部を支持する板状の支持部481Bを有する。一方、圧縮コイルばね482の後端部は、シートトレイ10の壁部10Aに支持されている。
第2付勢部材48は、切替機構20Cのカム45の回動によって、第1位置に変位してホルダ46の押部46Fを第1付勢部材47の第1付勢力より小さい第2付勢力で付勢する第1状態(図6に示す状態)をとり得る。また、第2付勢部材48は、切替機構20Cのカム45の回動及び圧縮コイルばね482の付勢力によって、第2位置に変位してホルダ46の押部46Fを第1付勢部材47の第1付勢力に抗して第1付勢力よりも大きい第3付勢力で付勢する第2状態(図9に示す状態)をとり得る。
シート戻し部材49は、第3軸部42に第3回転軸線R3を中心に揺動可能に支持され、第2トルクリミッタ44及びカム45と一体的に回動する部材である。シート戻し部材49は、コ字型の部材であり、左端部及び右端部にシートSの先端部を搬送方向と反対方向に押し戻すための爪部49Aを有している。
[給送機構の動作]
次に、シートSの搬送時の給送機構20の動作について説明する。以下では、シートSがシートトレイ10から給送開始されてシートSの先端部がリタードローラ23により分離されるまでの給送・分離動作と、給送・分離動作に続いてシートSの後端部がリタードローラ23を通過するまでの搬送動作とに分けて説明する。
次に、シートSの搬送時の給送機構20の動作について説明する。以下では、シートSがシートトレイ10から給送開始されてシートSの先端部がリタードローラ23により分離されるまでの給送・分離動作と、給送・分離動作に続いてシートSの後端部がリタードローラ23を通過するまでの搬送動作とに分けて説明する。
<給送・分離動作>
まず、給送・分離動作について図4から図7を参照して説明する。図4は図3のA−A断面図、図5は図3のB−B断面図、図6は図3のC−C断面図、図7は図3のD−D断面図である。
まず、給送・分離動作について図4から図7を参照して説明する。図4は図3のA−A断面図、図5は図3のB−B断面図、図6は図3のC−C断面図、図7は図3のD−D断面図である。
給送・分離動作は、CPU91が、電磁クラッチ29を「入」に制御することによって実行される。電磁クラッチ29が「入」になると、モータ4からの駆動力が電磁クラッチ29を介して第1軸部28に伝達され、図4に示すように、第1軸部28が矢印F1方向に回転する。これにより、分離ローラ22及び第1ギヤ30も矢印F1方向に回転する。分離ローラ22の矢印F1方向への回転はシートSを搬送方向Dに搬送する搬送力となる。また、第1ギヤ30の矢印F1方向への回転により、第2ギヤ31は矢印F2方向に回転し、第3ギヤ32及び給送ローラ21は矢印F3方向に回転する。給送ローラ21の矢印F3方向への回転はシートSを搬送方向Dに搬送する搬送力となる。
一方、図5に示すように、第1軸部28の矢印F1方向への回転により、第4ギヤ33も矢印F1方向に回転し、第5ギヤ34は矢印F4方向に回転し、第6ギヤ35は矢印F5方向に回転する。第6ギヤ35の矢印F5方向への回転は、ワンウェイクラッチ36を介して第2軸部37に伝達され、第2軸部37も矢印F5方向に回転する。
第2軸部37の矢印F5方向への回転により、図4に示すように、第7ギヤ38も矢印F5方向に回転し、第8ギヤ39は矢印F6方向に回転し、第9ギヤ40は矢印F7方向に回転し、第10ギヤ43及び第3軸部42は矢印F8方向に回転する。
第3軸部42の矢印F8方向への回転により、図6に示すように、第2トルクリミッタ44を介してカム45も矢印F8方向に回転する。カム45は約90°回転したところで図示しない規制部に当接して停止する。これにより、ピン45Aに係合するアーム部材481は、圧縮コイルばね482を圧縮しながらホルダ46の押部46Fから離間する矢印F9方向へ移動し、第1位置に変位する。このとき、第2付勢部材48は第1状態にあり、第2付勢部材48がホルダ46の押部46Fを付勢する第3付勢力は0である。
なお、必ずしも第3付勢力は0である必要はなく、上述したように第1付勢部材47の第1付勢力より小さければよい。つまり、第1状態にある第2付勢部材48は、第1アーム部材481がホルダ46の押部46Fを第1付勢力より小さな付勢力で付勢している状態であってもよい。
また、カム45の矢印F8方向への回転により、図7に示すように、シート戻し部材49も矢印F8方向に回転する。シート戻し部材49はカム45が停止することで停止する。これにより、爪部49Aは前方へ約90°倒れてシートSの搬送経路から外れる。
アーム部材481の第1位置への変位により、ホルダ46は第1付勢部材47の付勢力によって第2回転軸線R2を中心に上方へ揺動し、リタードローラ23は分離ローラ22に圧接する。これにより、リタードローラ23には分離ローラ22の矢印F1方向の回転が伝達される。一方、リタードローラ23には、矢印F7方向に第1トルクリミッタ41の第1負荷及び第2トルクリミッタ44の第2負荷も入力されている。したがって、リタードローラ23は、分離ローラ22から入力される駆動力が第1負荷と第2負荷の和よりも大きい場合、矢印F9方向に回転する。また、リタードローラ23は、分離ローラ22から入力される駆動力が第1負荷と第2負荷の和よりも小さい場合、矢印F7方向に回転する。
この状態において、シートトレイ10のシートSは、給送ローラ21によって搬送方向Dに給送される。このとき、1枚のシートSが給送された場合、シートSは分離ローラ22及びリタードローラ23でニップされて搬送方向Dへ正常に搬送される。一方、複数枚、例えば2枚のシートSが重なって給送された場合、2枚のシートSの前端部がほぼ重なった状態で分離ローラ22及びリタードローラ23のニップ部分に到達する。
図4、図6及び図7に示すように、2枚のシートSが分離ローラ22及びリタードローラ23でニップされた状態では、2枚のシートS間の摩擦力が上側のシートSと分離ローラ22との摩擦力及び下側のシートSとリタードローラ23との摩擦力よりも小さくなる。よって、2枚のシートS間で滑りが生じ、分離ローラ22からリタードローラ23へ駆動力はほとんど伝達されなくなる。その結果、上側のシートSはモータ4の駆動力で矢印F1方向に回転している分離ローラ22によって搬送方向Dに搬送される。
一方、分離ローラ22からリタードローラ23に伝達される搬送方向Dの駆動力は、第1トルクリミッタ41の第1負荷と第2トルクリミッタ44の第2負荷の和より小さくなる。したがって、リタードローラ23は、第2駆動ギヤ列20Bを通じて伝達される搬送方向Dと反対方向の駆動力によって逆転、つまり矢印F7方向に回転する。その結果、下側のシートSはリタードローラ23によって搬送方向Dと反対方向に搬送される。このように、リタードローラ23はアクティブリタードローラとして機能するため、シートSの先端部の分離性能が向上する。
<搬送動作>
次に、搬送動作について図8から図10を参照して説明する。図8は図3のA−A断面図、図9は図3のC−C断面図、図10は図3のD−D断面図である。
次に、搬送動作について図8から図10を参照して説明する。図8は図3のA−A断面図、図9は図3のC−C断面図、図10は図3のD−D断面図である。
搬送動作は、CPU91が、給送・分離動作に続いて電磁クラッチ29を「切」に制御することによって実行される。電磁クラッチ29が「切」になると、モータ4からの駆動力が第1軸部28、つまり給送機構20に伝達されなくなる。これにより、給送機構20は、搬送ローラ24等の駆動力によって搬送されているシートSの移動によって駆動される。
すなわち、図4に示すように、シートSに接触している給送ローラ21と分離ローラ22とリタードローラ23とが搬送方向Dに回転する。つまり、給送ローラ21が矢印F3方向に回転し、分離ローラ22が矢印F1方向に回転し、リタードローラ23が矢印F9方向に回転する。
給送ローラ21及び分離ローラ22にはワンウェイクラッチが組み込まれているため、給送ローラ21及び分離ローラ22は空転する。一方、リタードローラ23が矢印F9方向に回転すると、リタードローラ23の矢印F9方向の回転力が第2トルクリミッタ44に伝達されるため、第2トルクリミッタ44は第2負荷を発生し、リタードローラ23に第2トルクリミッタ44の第2負荷が掛かる。
リタードローラ23の矢印F9方向への回転により、図8に示すように、第9ギヤ40も矢印F9方向に回転し、第8ギヤ39は矢印F10方向に回転し、第7ギヤ38及び第2軸部37は矢印F11方向に回転する。第2軸部37の矢印F11方向への回転により、ワンウェイクラッチ36は空転し、第6ギヤ35は回転しない。
一方、第9ギヤ40の矢印F9方向への回転により、第10ギヤ43及び第3軸部42は矢印F12方向に回転する。第3軸部42の矢印F12方向への回転により、図9に示すように、第2トルクリミッタ44を介してカム45も矢印F12方向に回転する。これにより、ピン45Aに係合するアーム部材481は、圧縮コイルばね482に付勢されながら矢印F13方向へ移動し、ホルダ46の押部46Fを前方向に押す第2位置に変位する。このとき、第2付勢部材48は第2状態にあり、第2付勢部材48がホルダ46の押部46Fを付勢する第2付勢力は、第1付勢力よりも大きい第3付勢力である。
また、カム45の矢印F12方向への回転により、図10に示すように、シート戻し部材49も矢印F12方向に回転する。シート戻し部材49はカム45が停止することで停止する。これにより、爪部49AはシートSの下面に当接しながら後方へ倒れる。リタードローラ23によって分離されたシートSがある場合、爪部49AはシートSの先端部をシートトレイ10へ向かって押し戻す。よって、分離されたシートSが搬送中のシートSとともに搬送されることを抑制できる。
アーム部材481の第2位置への変位により、ホルダ46は第2付勢部材48の付勢力によって第2回転軸線R2を中心に下方へ揺動し、リタードローラ23は分離ローラ22から離間する。これにより、リタードローラ23はシートSから離れて停止する。
このように、分離したシートSの搬送途中にCPU91が電磁クラッチ29を「切」にすることにより、リタードローラ23が分離ローラ22から離間し、リタードローラ23が搬送抵抗にならないため、シートSの搬送抵抗を軽減することができる。
[変形例]
上述したカム45に替わる変位機構としてピニオン201を用い、アーム部材481に替わる構成としてラック203を用いることもできる。図11は変形例の変位機構を備えた給送機構200の給送・分離動作時の断面図である。図12は変形例の変位機構を備えた給送機構200の搬送動作時の断面図である。図11及び図12の断面位置は図3のC−C位置と同じである。
上述したカム45に替わる変位機構としてピニオン201を用い、アーム部材481に替わる構成としてラック203を用いることもできる。図11は変形例の変位機構を備えた給送機構200の給送・分離動作時の断面図である。図12は変形例の変位機構を備えた給送機構200の搬送動作時の断面図である。図11及び図12の断面位置は図3のC−C位置と同じである。
変形例の変位機構は、第2トルクリミッタ44と一体的に回転するピニオン201で構成されている。第2付勢部材202は、ピニオン201に噛み合うラック203と、ラック203に変形させられる圧縮コイルばね482とで構成されている。
ピニオン201は、第3軸部42上に設けられ、第2トルクリミッタ44に接続されることで第2トルクリミッタ44の回転によって回転するギヤである。ラック203は、ホルダ46の左側部46Aの左面に変位可能に支持される。ラック203は、上面にピニオン201に噛み合うラック部203Aを有し、前端部に圧縮コイルばね482の前端部を支持する板状の支持部203Bを有する。一方、圧縮コイルばね482の後端部は、シートトレイ10の壁部10Aに支持されている。
第2付勢部材202は、切替機構のピニオン201の回動によって、第1位置に変位してホルダ46の押部46Fを第1付勢部材47の第1付勢力より小さい第2付勢力で付勢する第1状態(図12に示す状態)をとり得る。また、第2付勢部材202は、切替機構のピニオン201の回動及び圧縮コイルばね482の付勢力によって、第2位置に変位してホルダ46の押部46Fを第1付勢部材47の第1付勢力に抗して第1付勢力よりも大きい第3付勢力で付勢する第2状態(図11に示す状態)をとり得る。なお、図11において第3付勢力は0である。
給送・分離動作時には、図11に示すように、第3軸部42の矢印F8方向への回転により、第2トルクリミッタ44を介してピニオン201も矢印F8方向に回転する。これにより、ピニオン201に噛み合うラック203は、圧縮コイルばね482を圧縮しながらホルダ46の押部46Fから離間する矢印F9方向へ移動し、第1位置に変位する。ラック203の第1位置への変位により、ホルダ46は第1付勢部材47の付勢力によって第2回転軸線R2を中心に上方へ揺動し、リタードローラ23は分離ローラ22に圧接する。
一方、搬送動作時には、図12に示すように、第3軸部42の矢印F12方向への回転により、第2トルクリミッタ44を介してピニオン201も矢印F12方向に回転する。これにより、ピニオン201に噛み合うラック203は、圧縮コイルばね482に付勢されながら矢印F13方向へ移動し、ホルダ46の押部46Fを前方向に押す第2位置に変位する。ラック203の第2位置への変位により、ホルダ46は第2付勢部材202の付勢力によって第2回転軸線R2を中心に下方へ揺動し、リタードローラ23は分離ローラ22から離間する。これにより、リタードローラ23はシートSから離れて停止する。
このように、ラック・アンド・ピニオンの構成によっても、リタードローラ23を分離ローラ22から離間させることができる。
[その他]
上記の実施形態及び変形例の給送機構20、200では、給送ローラ21と分離ローラ22とを別々に設けた構成としたが、給送ローラ21を省略し、分離ローラ22を大径にした構成とすることもできる。この構成によると、分離ローラ22がシートトレイ10上のシートSの上面にも接触可能となり、分離ローラ22がシートSの給送機能も備えることになる。
上記の実施形態及び変形例の給送機構20、200では、給送ローラ21と分離ローラ22とを別々に設けた構成としたが、給送ローラ21を省略し、分離ローラ22を大径にした構成とすることもできる。この構成によると、分離ローラ22がシートトレイ10上のシートSの上面にも接触可能となり、分離ローラ22がシートSの給送機能も備えることになる。
[実施形態の効果]
上記の実施形態である画像形成装置1に搭載されるシート搬送装置は、モータ4と、分離ローラ22と、分離ローラ22と対向して配置されるアクティブ方式のリタードローラ23とを備える。またシート搬送装置は、モータ4からの駆動力をシートSの搬送方向の駆動力として分離ローラ22に入力する複数のギヤを有する第1駆動ギヤ列20Aと、モータ4からの駆動力を搬送方向と反対方向の駆動力としてリタードローラ23に入力する複数のギヤを有する第2駆動ギヤ列20Bとを備える。またシート搬送装置は、リタードローラ23を分離ローラ22に対して揺動可能に保持するホルダ46を備える。またシート搬送装置は、リタードローラ23が分離ローラ22に圧接する方向にホルダ46を第1付勢力で付勢する第1付勢部材47と、リタードローラ23が分離ローラ22から離間する方向にホルダ46を付勢する第2付勢部材48、202とを備える。またシート搬送装置は、第1駆動ギヤ列20A及び第2駆動ギヤ列20Bの途中に配置され、モータ4から分離ローラ22及びリタードローラ23へ入力される駆動力の入切を行う電磁クラッチ29を備える。またシート搬送装置は、第2駆動ギヤ列20Bにおける電磁クラッチ29より駆動力伝達方向下流側に配置され、第2付勢部材48、202がホルダ46を付勢する付勢力を切り替える切替機構20Cであって、電磁クラッチ29が「入」のときにモータ4からの駆動力により第2付勢部材48、202を第1位置に変位させて第2付勢部材48、202がホルダ46を第1付勢部材47の第1付勢力より小さい第2付勢力で付勢する第1状態と、電磁クラッチ29が「切」のときに第2付勢部材48、202を第2位置に変位させて第2付勢部材48、202がホルダ46を第1付勢部材47の第1付勢力に抗して第1付勢力よりも大きい第3付勢力で付勢する第2状態とに切り替える切替機構20Cを備える。またシート搬送装置は、電磁クラッチ29の入切を制御するCPU91を備える。
上記の実施形態である画像形成装置1に搭載されるシート搬送装置は、モータ4と、分離ローラ22と、分離ローラ22と対向して配置されるアクティブ方式のリタードローラ23とを備える。またシート搬送装置は、モータ4からの駆動力をシートSの搬送方向の駆動力として分離ローラ22に入力する複数のギヤを有する第1駆動ギヤ列20Aと、モータ4からの駆動力を搬送方向と反対方向の駆動力としてリタードローラ23に入力する複数のギヤを有する第2駆動ギヤ列20Bとを備える。またシート搬送装置は、リタードローラ23を分離ローラ22に対して揺動可能に保持するホルダ46を備える。またシート搬送装置は、リタードローラ23が分離ローラ22に圧接する方向にホルダ46を第1付勢力で付勢する第1付勢部材47と、リタードローラ23が分離ローラ22から離間する方向にホルダ46を付勢する第2付勢部材48、202とを備える。またシート搬送装置は、第1駆動ギヤ列20A及び第2駆動ギヤ列20Bの途中に配置され、モータ4から分離ローラ22及びリタードローラ23へ入力される駆動力の入切を行う電磁クラッチ29を備える。またシート搬送装置は、第2駆動ギヤ列20Bにおける電磁クラッチ29より駆動力伝達方向下流側に配置され、第2付勢部材48、202がホルダ46を付勢する付勢力を切り替える切替機構20Cであって、電磁クラッチ29が「入」のときにモータ4からの駆動力により第2付勢部材48、202を第1位置に変位させて第2付勢部材48、202がホルダ46を第1付勢部材47の第1付勢力より小さい第2付勢力で付勢する第1状態と、電磁クラッチ29が「切」のときに第2付勢部材48、202を第2位置に変位させて第2付勢部材48、202がホルダ46を第1付勢部材47の第1付勢力に抗して第1付勢力よりも大きい第3付勢力で付勢する第2状態とに切り替える切替機構20Cを備える。またシート搬送装置は、電磁クラッチ29の入切を制御するCPU91を備える。
この構成によれば、シートSを分離するときには、CPU91が電磁クラッチ29を「入」にすることにより、分離ローラ22及びリタードローラ23にモータ4からの駆動力が入力され、切替機構20Cが第1位置に変位する。この状態では、第1付勢部材47の付勢力が第2付勢部材48、202の付勢力より大きいため、ホルダ46は第1付勢部材47で付勢される方向に揺動し、リタードローラ23が分離ローラ22に圧接する。これにより、リタードローラ23がアクティブ方式のリタードローラ23として機能し、シートSが分離される。
一方、分離したシートSの搬送途中にCPU91が電磁クラッチ29を「切」とすることにより、分離ローラ22及びリタードローラ23へのモータ4からの駆動力が切断され、切替機構20Cが第2位置に変位する。この状態では、第2付勢部材48、202の付勢力が第1付勢部材47の付勢力より大きいため、ホルダ46は第2付勢部材48、202で付勢される方向に揺動し、リタードローラ23が分離ローラ22から離間する。これにより、シートSの分離後にシートSを搬送しているときには、リタードローラ23が搬送抵抗にならず、シートSの搬送抵抗を軽減することができる。以上のように、アクティブ方式のリタードローラ23を設けたシート搬送装置において、新規な構成によって、シートSの搬送途中にリタードローラ23を分離ローラ22から離間させることができる。
また上記のシート搬送装置では、切替機構20Cは、モータ4からの駆動力が入力される第2トルクリミッタ44と、第2トルクリミッタ44に接続され、第2トルクリミッタ44の回転によって変位することで第2付勢部材48、202の付勢力を変化させる変位機構とを有する。
この構成によれば、モータ4の駆動力を利用して第2付勢部材48、202の付勢力を変化させる機構を簡単な構成で実現することができる。
また上記の実施形態のシート搬送装置では、変位機構は、第2トルクリミッタ44と一体的に回動するカム45を有し、第2付勢部材48は、カム45に係合して変位するアーム部材481と、アーム部材481に変形させられる圧縮コイルばね482とを有する。
この構成によれば、変位機構をカム機構によって実現することができる。
また上記の変形例のシート搬送装置では、変位機構は、第2トルクリミッタ44と一体的に回転するピニオン201を有し、第2付勢部材202は、ピニオン201に噛み合うラック203と、ラック203に変形させられる圧縮コイルばね482とを有する。
この構成によれば、変位機構をラック・アンド・ピニオンによって実現することができる。
また上記のシート搬送装置では、変位機構は、第2トルクリミッタ44と一体的に回動し、シートSの先端部を搬送方向と反対方向に押し戻すシート戻し部材49を有する。
この構成によれば、リタードローラ23で分離されたシートSをシートトレイ10へ向かって戻すことができる。
また上記のシート搬送装置では、第2駆動ギヤ列20Bにおける電磁クラッチ29とリタードローラ23との間に、リタードローラ23が搬送方向に回転することを許容するワンウェイクラッチ36が配置されている。
この構成によれば、ワンウェイクラッチ36を用いることにより、第2駆動ギヤ列20Bに対する複雑な制御が不要である。
1 画像形成装置
4 モータ
22 分離ローラ(駆動ローラ)
23 リタードローラ
20A 第1駆動ギヤ列
20B 第2駆動ギヤ列
46 ホルダ
47 第1付勢部材
48、202 第2付勢部材
29 電磁クラッチ(クラッチ機構)
20C 切替機構
91 CPU(制御部)
44 第2トルクリミッタ(トルクリミッタ)
45 カム
481 アーム部材
482 圧縮コイルばね(ばね)
201 ピニオン
203 ラック
49 シート戻し部材
36 ワンウェイクラッチ
4 モータ
22 分離ローラ(駆動ローラ)
23 リタードローラ
20A 第1駆動ギヤ列
20B 第2駆動ギヤ列
46 ホルダ
47 第1付勢部材
48、202 第2付勢部材
29 電磁クラッチ(クラッチ機構)
20C 切替機構
91 CPU(制御部)
44 第2トルクリミッタ(トルクリミッタ)
45 カム
481 アーム部材
482 圧縮コイルばね(ばね)
201 ピニオン
203 ラック
49 シート戻し部材
36 ワンウェイクラッチ
Claims (7)
- モータと、
駆動ローラと、
前記駆動ローラと対向して配置されるアクティブ方式のリタードローラと、
前記モータからの駆動力をシートの搬送方向の駆動力として前記駆動ローラに入力する複数のギヤを有する第1駆動ギヤ列と、
前記モータからの駆動力を前記搬送方向と反対方向の駆動力として前記リタードローラに入力する複数のギヤを有する第2駆動ギヤ列と、
前記リタードローラを前記駆動ローラに対して揺動可能に保持するホルダと、
前記リタードローラが前記駆動ローラに圧接する方向に前記ホルダを第1付勢力で付勢する第1付勢部材と、
前記リタードローラが前記駆動ローラから離間する方向に前記ホルダを付勢する第2付勢部材と、
前記第1駆動ギヤ列及び前記第2駆動ギヤ列の途中に配置され、前記モータから前記駆動ローラ及び前記リタードローラへ入力される駆動力の入切を行うクラッチ機構と、
前記第2駆動ギヤ列における前記クラッチ機構より駆動力伝達方向下流側に配置され、前記第2付勢部材が前記ホルダを付勢する付勢力を切り替える切替機構であって、前記クラッチ機構が「入」のときに前記モータからの駆動力により前記第2付勢部材を第1位置に変位させて前記第2付勢部材が前記ホルダを前記第1付勢部材の前記第1付勢力より小さい第2付勢力で付勢する第1状態と、前記クラッチ機構が「切」のときに前記第2付勢部材を第2位置に変位させて前記第2付勢部材が前記ホルダを前記第1付勢部材の前記第1付勢力に抗して前記第1付勢力よりも大きい第3付勢力で付勢する第2状態とに切り替える切替機構と、
前記クラッチ機構の入切を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするシート搬送装置。 - 前記切替機構は、
前記モータからの駆動力が入力されるトルクリミッタと、
前記トルクリミッタに接続され、前記トルクリミッタの回転によって変位することで前記第2付勢部材の付勢力を変化させる変位機構とを有することを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。 - 前記変位機構は、前記トルクリミッタと一体的に回動するカムを有し、
前記第2付勢部材は、前記カムに係合して変位するアーム部材と、前記アーム部材に変形させられるばねとを有することを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。 - 前記変位機構は、前記トルクリミッタと一体的に回転するピニオンを有し、
前記第2付勢部材は、前記ピニオンに噛み合うラックと、前記ラックに変形させられるばねとを有することを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。 - 前記変位機構は、前記トルクリミッタと一体的に回動し、前記シートの先端部を前記搬送方向と反対方向に押し戻すシート戻し部材を有することを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載のシート搬送装置。
- 前記第2駆動ギヤ列における前記クラッチ機構と前記リタードローラとの間に、前記リタードローラが前記搬送方向に回転することを許容するワンウェイクラッチが配置されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載のシート搬送装置。
- 請求項1から請求項6の何れか一項に記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置により搬送されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
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