JP2019170349A - 水生生物生産管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 水生生物の陸上養殖において、継続的に養殖実施データの分析及び学習を繰り返すことにより、大きさや品質が均一な水生生物を給餌効率が良く、歩留まりを向上させて、所望の期間で生産可能な水生生物生産管理システムを提供する。【解決手段】 複数の水生生物を養殖する水槽11、水生生物の大きさの平均値及び標準偏差を測定する水生生物センサ12、水槽内環境を測定する環境センサ15、環境調節装置16、給餌装置17、養殖実施データを蓄積する養殖データ蓄積部22、水生生物の養殖に係る期間及び給餌コストを算出して品質情報とともに養殖管理データとする養殖データ管理部21、養殖モデルを生成する養殖モデル生成部25、養殖条件を指定する養殖条件入力部32、環境調節装置16及び給餌装置17を制御する養殖制御部23とを備え、養殖制御部23は養殖条件に適合する養殖モデルを選択して、選択された養殖モデルに沿って制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、水生生物の陸上養殖において、水槽内の照度や水質等の環境データ、水生生物への給餌量等の給餌情報、水生生物の大きさ等の水生生物データ等をデータベースに蓄積し、蓄積された膨大なデータを繰り返し分析、学習することで、大きさや品質が均一な水生生物を給餌効率が良く、歩留まりを向上させながら、所望の期間で生産することが可能な水生生物生産管理システムに関する。
近年、世界的な人口急増及び食の多様化を背景に魚介等の水生生物の資源の供給が追い付かず、水生生物の養殖場の工業化が進んでいる。
そのため、場所や季節を問わず安定的に水生生物の生産が可能な陸上養殖が注目されているが、ノウハウを有する経験者が、常に水生生物の様子を見ながら経験や勘に頼り、水質の調整や給餌等に係る機器を操作する必要があるため、属人的になる部分が非常に大きかった。
これを解決するため、陸上養殖における種々の装置、システムの自動化技術等が開示されており、例えば、特許文献1においては、水棲生物群の行動を画像解析することによって、常に適正量の餌料を自動給餌し、高摂餌率、餌料のコスト低減、人的負担の減少、さらに環境水の汚染防止を実現する水棲生物用自動給餌装置が開示されている。
また、特許文献2においては、水槽内を3次元的に移動する魚類等の水生生物の3次元位置の対応をとった上で水生生物の3次元位置を精度良く測定することができる水生生物の成育状態監視方法及びその装置が開示されており、さらに給餌装置による給餌量の最適化制御、水温調節装置における加温量の最適制御等が開示されている。
また、特許文献3においては、水質の自動化モニタリング、養殖水の自動交換及び自動投餌が行なえる屋内養殖システムが開示されている。
特開平9−262040 特開2003−250382 特開2006−42635
実際に事業として養殖を行う場合、魚類等の水生生物の出荷時期を考慮した養殖期間、すなわち、市場の動向やニーズ等までをも見据えた計画的な生産、また、養殖に係るコスト、魚類等の水生生物の品質を均一に保つ等の生産管理が必要となる。
しかしながら、特許文献1では、給餌の際の水棲生物の水中挙動、つまり活動量のみで給餌の適正量等を判断するものであり、養殖期間の全体を見据えた計画的な給餌を制御するものではない。また、特許文献2では、水生生物の3次元位置を精度良く測定することで給餌量、水質、環境等を制御するものであるが、複数の水生生物の標準偏差を小さく、一定の品質を揃えるような生産管理の視点は開示されていない。同様に、特許文献3では、最適な養殖環境を保つことが示されているが、生産管理の視点がない。
そこで、本発明は、水生生物の陸上養殖において、生産管理の視点から均一の大きさ、品質の水生生物の効率的な養殖を実現するべく、水槽内の照度や水質等の環境データ、水生生物への給餌量等の給餌情報、水生生物の大きさ等の水生生物データ等をデータベースに蓄積し、蓄積された膨大なデータを繰り返し分析、学習することで、大きさや品質が均一の水生生物を最低限の給餌量で養殖可能として、給餌効率が良く、所望の期間で生産することを可能として、水生生物の生産管理を経験及び勘に頼らず、属人的な要素を排して安定的かつ容易に行うことができる水生生物生産管理システムを提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明の水生生物生産管理システムは、内部で単一種からなる複数の前記水生生物を養殖する水槽と、当該水槽内の前記水生生物の大きさの平均値及び標準偏差を測定する水生生物センサと、前記水槽内の環境を測定する環境センサと、前記水槽内の環境を調節する環境調節装置と、前記水生生物へ給餌する給餌装置と、前記水生生物の品質情報を登録する品質情報登録部と、前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報と前記給餌装置の給餌情報とを養殖実施データとして時系列に蓄積する養殖データ蓄積部と、前記養殖実施データに対して前記水生生物の養殖に係る期間及び給餌コストを算出し、かつ、前記品質情報を付加して養殖管理データとする養殖データ管理部と、前記水生生物の大きさの標準偏差が、所定の条件に該当する前記養殖管理データを抽出して、当該抽出した前記養殖管理データに含まれる前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に基づいて、前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報と前記給餌装置の給餌情報を時間情報とともに有する養殖モデルを生成する養殖モデル生成部と、前記養殖モデルと前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報に従い前記環境調節装置及び前記給餌装置を制御する養殖制御部と、前記水生生物の養殖に係る養殖条件を指定する養殖条件入力部とを備え、前記養殖制御部は前記養殖条件として指定された前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に適合する前記養殖モデルを選択し、前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報が前記選択された前記養殖モデルに沿うように前記環境調節装置及び前記給餌装置を制御することを特徴とする。
また、本発明の前記養殖制御部は、所定の時期に測定された前記水生生物センサの測定情報と、前記選択された前記養殖モデルの有する前記水生生物センサの測定情報との差分を算出し、当該算出された差分が所定範囲外である場合には、前記養殖条件として指定された前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に適合する前記養殖モデルを再度、選択し、前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報が再度選択された養殖モデルに沿うように前記環境調節装置及び前記給餌装置を制御することを特徴とする。
また、本発明の前記再度選択された養殖モデルに係る前記養殖条件は、前回指定された養殖条件、再度指定される養殖条件、又は、自動で修正された養殖条件であることを特徴とする。
また、本発明の前記養殖モデル生成部は、前記抽出した前記養殖管理データに含まれる前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間が、所定の条件下及び範囲内で近似する前記養殖管理データに蓄積された前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報と前記給餌装置の給餌情報を時間情報とともに有する前記養殖モデルを生成することを特徴とする。
また、本発明の前記養殖モデル生成部は、前記抽出した前記養殖管理データに含まれる前記養殖実施データ、前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間の相関関係を学習して、前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報と前記給餌装置の給餌情報を時間情報とともに有する前記養殖モデルを生成することを特徴とする。
また、本発明の前記養殖制御部は、前記養殖条件として指定されなかった前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間について、予め定めた所定の条件に基づいて最適な条件を前記養殖条件として用いることを特徴とする。
また、本発明の前記水生生物生産管理システムは、さらに制御情報入力部を備え、前記養殖制御部23は、前記環境調節装置及び前記給餌装置を人為的にも制御可能であり、前記人為的に制御された前記水生生物の養殖に係る前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報と前記給餌装置の給餌情報とについても前記養殖実施データとして時系列に養殖データ蓄積部に蓄積することを特徴とする。
また、本発明の前記水生生物の大きさの標準偏差に係る前記所定の条件は、当該標準偏差が予め定められた一定値よりも小さいものであることを特徴とする。
また、本発明の前記品質情報は、前記水生生物の外観、食味結果、肉質、脂量及び/又は組成に関する情報であることを特徴とする。
また、本発明の前記水生生物生産管理システムは、内部で単一種からなる複数の前記水生生物を養殖する前記水槽を複数有し、前記複数の水槽における前記水生生物の養殖に係る前記養殖実施データを前記養殖データ蓄積部にまとめて蓄積し、当該蓄積された前記養殖実施データを同一種の前記水生生物の養殖ごとに管理することを特徴とする。
また、本発明の前記水生生物センサは撮像装置であり、前記水生生物の全長、体長及び/又は体高を測定することを特徴とする。
また、本発明の前記養殖制御部は、前記給餌装置における餌の種類、給餌のタイミング、給餌の量、餌の残量、及び/又は水槽内における給餌の場所を制御することを特徴とする。
本発明の水生生物生産管理システムによれば、水槽内の照度や水質等の環境データ、水生生物への給餌量等の給餌情報、水生生物の大きさ等の水生生物データ等をデータベースに蓄積し、蓄積された膨大なデータを分析、学習して得られたデータに基づいて養殖に係る各種設備機器を自動制御することで、一つの水槽内で単一種からなる複数の水生生物が養殖される陸上養殖において、均一で品質(Quality)の良い水生生物を、給餌効率(Cost)が良く、短い期間(Delivery)で生産することを可能として、水生生物の陸上養殖のQCDを継続的に向上することができ、水生生物の生産管理を安定的かつ容易に行うことができる。
また、本発明によれば、陸上養殖の養殖場等の現場に経験及び勘を有する経験者が常駐しなくても養殖を可能とすることで属人的な要素を排して、魚資源等の水生生物の安定的な供給を実現することが可能であり、様々な条件下における大量の養殖の実績データ(ビッグデータ)を分析、学習して得られた養殖モデルの中から、養殖条件を指定するのみでシステムが最適な養殖モデルを選択し、養殖に係る各種設備機器を養殖モデルに沿って自動制御することが可能となる。
即ち、本発明によれば、養殖制御部が、養殖条件として指定された水生生物の大きさの平均値、水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に適合する養殖モデルを選択し、水生生物センサ及び環境センサの測定情報が選択された養殖モデルに沿うように環境調節装置及び給餌装置を制御することにより、養殖環境や給餌方法を最適に制御することが可能である。
また、本発明は、様々な水生生物の種類、環境下における養殖の実績データ(ビッグデータ)から養殖モデルを生成する際に、各々の水生生物の大きさの平均値、水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間を実現した際の養殖管理データを、各々を実現するための養殖モデルとし、その養殖モデルが養殖開始から終了までの全体の期間にまたがる時間ごとの水生生物センサ及び環境センサの測定情報と給餌装置の給餌情報を有することで、水槽内の照度や水質等の環境や給餌量等が完全に制御可能な陸上養殖においては、過去の実績と同様な養殖環境を再現することができる。
また、本発明によれば、様々な水生生物の種類、環境下における養殖の実績データ(ビッグデータ)から養殖モデルを生成する際に、各々の水生生物の大きさの平均値、水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間を実現した際の養殖管理データを機械学習で反復的に学習し、養殖管理データに潜むパターンや規則性等を見つけ出すことで最適な養殖モデルを導き出して、さらに養殖環境や給餌方法を最適に制御することが可能である。
また、本発明によれば、養殖モデルを生成する際、水生生物の大きさの標準偏差が所定の条件に該当する養殖管理データのみを分析、学習するため、当該条件に該当する養殖管理データに基づき生成された養殖モデルに沿って養殖されることで、水生生物の大きさの平均値にばらつきがなくなり、計画的に均一な大きさの水生生物を養殖することが可能となる。
また、本発明によれば、養殖制御部は、所定の時期に測定された水生生物センサの測定情報と、選択された養殖モデルの有する水生生物センサの測定情報との差分を算出し、算出された差分が所定範囲外である場合には、養殖条件として指定された水生生物の大きさの平均値、水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に適合する養殖モデルを再度、選択し、水生生物センサ及び環境センサの測定情報が再度選択された養殖モデルに沿うように環境調節装置及び給餌装置を制御することで、水生生物の個体差や世代差等により、養殖モデルと完全に同一結果を得ることはできないことを考慮し、このために発生する養殖モデルと実際の養殖との差分を軌道修正しつつ、その養殖ごとの水生生物に適合する養殖環境や給餌方法を最適に制御することが可能となる。
また、本発明によれば、さらに制御情報入力部を備え、環境調節装置及び給餌装置を人為的にも制御可能であり、人為的に制御された水生生物の養殖に係る水生生物センサ及び環境センサの測定情報と給餌装置の給餌情報とについても養殖実施データとして時系列に蓄積するため、意図的に養殖条件を変化させて様々なパターンの養殖を行うことが可能となり、種々の養殖実施データ及びこれを含む養殖管理データを得ることが可能となり、過去の養殖実施データ及びこれを含む養殖管理データを増やして、過去の養殖実施データと同様に制御を行う自動制御のバリエーションを増やすことができるとともに、養殖モデル生成部の学習対象としてより最適な養殖モデルの作成及びこれに基づく制御が可能となる。
また、本発明によれば、養殖データ蓄積部に蓄積されるデータは、一の水槽とは別の他の水槽における養殖に係るデータをも含むため、様々な場所及び環境下における養殖の実績データ(ビッグデータ)を分析及び学習して養殖モデルを生成することが可能となり、新たな場所及び環境における養殖の実施においても、最適な養殖モデルを選択して、水生生物の陸上養殖のQCDを継続的に向上しながら、水生生物の生産管理を安定的かつ容易に行うことができる。
本発明の水生生物生産管理システムの実施形態に係る機能ブロック図である。 図1の養殖施設における水槽周辺の構成の一例を示す図である。 本発明の水生生物生産管理システムにおける水生生物の大きさの捉え方の一例を示す図である。 本発明の水生生物生産管理システムにおける水生生物の大きさの標準偏差の捉え方を示す図であり、(a)は標準偏差が大きい場合、(b)は標準偏差が小さい場合を示している。 本発明の水生生物生産管理システムにおける養殖実施データの一例を示す図である。 本発明の水生生物生産管理システムにおける養殖管理データの一例を示す図である。 本発明の水生生物生産管理システムにおける養殖モデルの一例を示す図である。 本発明の水生生物生産管理システムにおける養殖結果モデルデータの一例を示す図である。 本発明の水生生物生産管理システムの全体のフローチャートである。 本発明の水生生物生産管理システムの養殖制御の詳細なフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明による水生生物生産管理システムを実施するための形態について説明する。尚、本発明の水生生物生産管理システムは、水生生物の陸上養殖において、水槽内の照度や水質等の環境データ、水生生物への給餌量等の給餌情報、水生生物の大きさ等の水生生物データ等をデータベースに蓄積し、蓄積された膨大なデータを分析、学習することで、大きさや品質が均一の水生生物を給餌効率が良く、所望の期間で生産することを可能として、水生生物の生産管理を安定的かつ容易に行うことを可能とするものである。
[水生生物生産管理システムの概要]
図1を参照して本発明の実施形態に係る水生生物生産管理システムの概要を説明する。図1は、本発明の水生生物生産管理システムの実施形態に係る機能ブロック図である。
図1に示すように、水生生物生産管理システム1は、水生生物の陸上養殖において、水槽内の照度や水質等の環境データ、水生生物への給餌量等の給餌情報、水生生物の大きさ等の水生生物データ等を養殖データ蓄積部に蓄積し、蓄積された膨大なデータを繰り返し分析、学習することで最適な養殖モデルを生成して陸上養殖の制御を行うものであり、通信ネットワーク5を介して養殖施設10、養殖管理装置20、入力端末装置30が互いに通信可能に接続されている。
養殖施設10は、陸上養殖を実際に行う養殖場であって、清浄な水の確保の容易さ、物流、施設の建設費及びランニングコスト等を考慮して任意の箇所に設けられ、屋内又は屋外に水槽11が設けられ、水槽11に対して、水生生物センサ12、環境センサ15、環境調節装置16及び給餌装置17が配されている。
養殖施設10は図1に示すように、養殖施設No.1、養殖施設No.Nというように複数配することができ、異なる場所に設置することも可能であり、また、養殖施設ごとや、養殖施設内でも水槽ごとに異なる水生生物(異なる種類、系統、品種)を養殖することも可能である。
養殖管理装置20は、コンピュータ上にソフトウェアを搭載することにより構成され、養殖データ管理部21、養殖データ蓄積部22、養殖制御部23及び養殖モデル生成部25を備え、本発明の水生生物生産管理システム全体の制御が可能であり、養殖施設10と異なる都市部に配されたコントロールセンター等の場所に設置することが可能である。
入力端末装置30は、養殖管理装置20に対して各種入力を行うためのものであり、表示を伴う入力機能を有するコンピュータ等で構成され、品質情報登録部31、養殖条件入力部32及び制御情報入力部33を備え、養殖管理装置20の配されるコントロールセンター等に同様に設置する場合や、現場である養殖施設10に設置する場合、その他の施設等を問うものではなく、また、各々の施設に設置する等、複数設置することも可能である。
また通信ネットワーク5は、養殖施設10、養殖管理装置20及び入力端末装置30の互いの通信を有線又は無線を問わずに可能とするものである。
[水生生物生産管理システムの各構成要素]
次に、図1に図2乃至図8を加えて水生生物生産管理システムの各構成要素について詳細に説明する。図2は、図1の養殖施設10における水槽11周辺の構成の一例を示す図であり、図3は、本発明の水生生物生産管理システムにおける水生生物の大きさの捉え方の一例を示す図であり、図4は、本発明の水生生物生産管理システムにおける水生生物の大きさの標準偏差の捉え方を示す図であって、(a)は標準偏差が大きい場合、(b)は標準偏差が小さい場合を示している。図5は、本発明の水生生物生産管理システムにおける養殖実施データの一例を示す図である。図6は、本発明の水生生物生産管理システムにおける養殖管理データの一例を示す図である。図7は、本発明の水生生物生産管理システムの養殖モデルの一例を示す図である。図8は、本発明の水生生物生産管理システムにおける養殖結果モデルデータの一例を示す図である。
[養殖施設における各構成要素]
まず、養殖施設10における各構成要素について説明する。
・水槽
水槽11は、内部で単一種からなる複数の水生生物2を養殖するものであり、養殖する水生生物2に応じて必要な水を蓄えるものである。養殖する水生生物2は図2に示すような魚類に限られるものではなく、貝類、甲殻類の養殖も可能である。また、海水で養殖するべき水生生物2においては、水槽11内の水は海水の成分と一致するように調整された水となる。
また、水槽11内の水は、濾過器を通して循環させて清浄を保つ場合や、付近の川の水や、海水を引き込んでそのままかけ流す等、種々の方式が想定される。
さらに、水槽11は養殖施設10が複数箇所に配されることが可能であると同様に、図1に示すように、同じ養殖施設10に複数個設けられる場合や、養殖施設10を別にして複数個配されることが想定され、各々の水槽11で異なる種の水生生物2を養殖する場合や、同一種の水生生物2を養殖する場合等何れも可能である。
・水生生物センサ
水生生物センサ12は、水槽11内の水生生物2の大きさの平均値及び標準偏差を測定可能に構成され、例えば、水生生物2を複数の異なる方向から同時に撮影することにより、その奥行き方向の情報も記録できるようにしたステレオカメラのような撮像装置であり、水生生物2の全長、体長及/又は体高を把握可能となっている。赤外線や、超音波等を用いて水生生物2の全長、体長及/又は体高を把握可能としてもよいことは当然である。
また、水生生物センサ12は養殖管理装置20と通信ネットワーク5を介して通信可能となっており、測定された水生生物2の大きさの平均値及び標準偏差を養殖管理装置20へ送信する。
水生生物センサ12による検知は、水生生物センサ12内のコンピュータのCPUがROM、RAMや、ハードディスク等に格納されている所定のコンピュータプログラムに基づいてかかる検知動作及び情報の送信を行なうものである。
また、より高精細な撮像装置や、各種センサ類を組み合わせて使用することにより、図3の記号A乃至Kに示すように、全長(A−I間)、体長(A−F間)、体高(J−K間)のみならず、尾叉長(A−H間)、被鱗体長(A−G間)、頭長(A−D間)、躯間長(D−E間)、吻長(A−B間)、眼径(B−C間)を測定して養殖している水生生物2のより多くの情報を収集して最適な養殖制御を実現することも可能である。
また、水槽11内の個体数を把握することも可能である。同様に、より高精細な撮像装置や、各種センサ類を組み合わせて使用することにより、水生生物2の個体識別を可能として、水生生物2のより多くの情報を収集して最適な養殖制御を実現することも可能である。
また、水生生物センサ12は、水生生物2の大きさの平均値及び標準偏差を算出可能となっている。図4を用いて、水生生物2の大きさの平均値及び標準偏差を求める意味を説明するに、本発明の水生生物生産管理システムは、大きさや品質が均一の水生生物を給餌効率が良く、所望の期間で生産して市場に供給するものであり、生産管理の視点においては、複数の水生生物2の個体の大きさが均一で、食味等に関する品質にばらつきがないことが非常に重要である。
この場合、図4は、(a)及び(b)ともに縦軸は水生生物2の個体数を示しており、横軸は水生生物2の大きさを示している。同(a)は、標準偏差±σが大きい場合を示しており、この場合は、大型(の強い)個体のみが餌を多く摂取している状況にあり、大型の個体が満腹にならないと小型(の弱い)個体が餌を摂取できない。また、大型の個体が小型の個体を共食いする事象の発生も予想され、個体数の減少をも引き起こしてしまう。この場合、生産管理の視点においては歩留まりが悪くなってしまい、また、個体間の大きさや品質にばらつきがあれば、計画的な生産もできない。
一方で、同(b)は、標準偏差±σが小さい場合を示しており、この場合は、全ての水生生物2が餌を満遍なく摂取している状況にあり、水生生物2の大きさにばらつきが少ないため大型の個体が小型の個体を共食いする事象も起きにくくなり、個体数の減少も防止される。生産管理の視点においては歩留まりが良く、餌を水槽11内に余剰に与えることなく、最低限の給餌量で実現することが最も給餌効率が良い状態である。本発明の水生生物生産管理システムにおいては、水生生物2の大きさの標準偏差が所定の範囲に収まるような養殖モデルに沿って養殖制御が行われる。
さらに、水槽11内に余剰な餌を与えないことで、余った餌が水槽11内の水質を汚したり、水生生物2の排泄物が多くなることで水質を汚したりすることが少なくなるため、水質等を調節する環境調節装置16の稼動に係る電気代削減等、養殖全体に係るコストを削減する効果もある。
また、水生生物2を大きく生産したい場合は、複数個体の水生生物2を図4(b)のように同(a)よりも大きさの平均値が大きく、かつ、大きさの均一な水生生物2(標準偏差の小さい水生生物群)とするため、本発明の水生生物生産管理システムにおいては、標準偏差を所定の範囲に収まるように制御しながら、養殖期間や給餌する餌の種類、給餌のタイミング、給餌の量等を調節することで、共食い等による個体数の減少を抑止しながら、図4(b)のような水生生物2の大きさの平均値が大きく、かつ、大きさの均一な水生生物2の養殖が可能となる。
尚、水生生物2の大きさの平均値及び標準偏差の算出については、水生生物センサ12では撮像のみを行い、養殖管理装置20側で水生生物2の大きさの平均値及び標準偏差の算出を行っても良い。その場合、養殖管理装置20側における水生生物2の大きさの平均値及び標準偏差の算出機能をも含め水生生物センサ12と捉える。
・環境センサ
環境センサ15は、水槽11内の環境を把握可能であり、例えば、水槽11内の水温、pH値、溶存酸素量、アンモニア値、硝酸値、照度、紫外線強度、温度、及び/又は湿度等を検知するものであり、この検知に必要なセンサ類から構成される。また、環境センサ15は養殖管理装置20と通信ネットワーク5を介して通信可能となっており、測定された水槽11内の情報を養殖管理装置20へ送信する。
環境センサ15による検知は、環境センサ内のコンピュータのCPUがROM、RAMや、ハードディスク等に格納されている所定のコンピュータプログラムに基づいてかかる検知動作を行なうものである。
・環境調節装置
環境調節装置16は水槽11内の環境を調節可能とするものであり、例えば、水温、pH値、溶存酸素量、アンモニア値、硝酸値、照度、紫外線強度、温度、及び/又は湿度等を調節するものであり、これらの調節に必要な装置類から構成されている。
例えば、水温調整はヒータ又は冷水の増加等の制御によって行われ、pH値の調整は水酸化ナトリウム水溶液の滴下を行う装置の制御により行われ、照度は水槽11内へ照射されるライト等の制御により行われる。
また、環境調節装置16は養殖管理装置20と通信ネットワーク5を介して通信可能となっており、養殖制御部22からの指令により、所定のタイミングや、所定の間隔で水槽11内の環境の調節を行う。
環境調節装置16による水槽11内の環境の調節は、環境調節装置内のコンピュータのCPUがROM、RAMや、ハードディスク等に格納されている所定のコンピュータプログラムに基づいてかかる環境調節動作を行なうものである。
・給餌装置
給餌装置17は、水生生物2への給餌を可能とするものであり、例えば、給餌する餌の種類、給餌のタイミング、給餌の量及び/又は水槽内における給餌の場所等を制御して給餌可能とする装置である。
また、給餌装置17は養殖管理装置20と通信ネットワーク5を介して通信可能となっており、養殖制御部23からの指令により、所定のタイミングや、所定の間隔で給餌を行う。
給餌装置17による給餌は、給餌装置17内のコンピュータのCPUがROM、RAMや、ハードディスク等に格納されている所定のコンピュータプログラムに基づいてかかる給餌を行なうものである。
水生生物2の養殖が水槽11内で行われると、各々の養殖について、水生生物センサ12及び環境センサ15で測定した情報が測定情報として、また、給餌装置17の給餌した餌の種類や量等の情報が給餌情報として互いに紐付けられて、養殖実施データとして養殖データ蓄積部22に蓄積される。
・養殖実施データ
図5に示すように、養殖実施データは、給餌情報と、測定情報を構成する環境データ及び水生生物データからなる。
給餌情報は、各々の養殖ごとに養殖実施IDが振られて環境データ及び水生生物データと紐付けられて、給餌時刻ごとに餌の種類や、量等が記録されている。水槽11内における給餌場所についても制御している場合は給餌場所についても記録され、その他適宜、給餌に関する情報を記録可能である。
環境データは、各々の養殖ごとに養殖実施IDが振られて給餌情報及び水生生物データと紐付けられて、計測時刻における水温、pH値、溶存酸素量、アンモニア値、硝酸値、照度、紫外線強度等が記録されている。その他適宜、水槽11内の環境に関する情報を記録可能である。
水生生物データは、各々の養殖ごとに養殖実施IDが振られて給餌情報及び環境データと紐付けられて、計測時刻における水生生物2の大きさの標準偏差、平均の長さ、平均の高さ及び/又は個体数等が記録されている。その他適宜、水生生物2の大きさに、重さに関する情報を記録可能である。
[入力端末装置における各構成要素]
次に、入力端末装置30における各構成要素について説明する。
・品質情報登録部
品質情報登録部31は、養殖の結果得られた水生生物2の品質情報を登録可能するものであって、水生生物2の外観、食味結果、肉質、脂量及び/又は組成等に関する品質情報を登録することが可能である。
また、品質情報登録部31に、人間の食味結果に相当する測定結果を確認可能な測定装置(図示せず)を用いて外観、肉質、脂量及び/又は組成等も含め自動評価を行う場合は、この測定装置により品質情報を自動登録することも可能である。
・養殖条件入力部
次に、養殖条件入力部32は、水生生物2の養殖にあたり、水生生物2をどのように養殖したいか、どのような水生生物2に養殖したいかを管理者が設定するためのものであり、水生生物2の所望の品質、大きさの平均値、養殖に係る期間及び/又は給餌に係るコスト等生産管理に必要な養殖条件を指定可能となっている。また、養殖条件の入力の前提として養殖する水生生物2の種類を指定するものであり、種類と合わせて系統又は品種等を入力することも可能である。
・制御情報入力部
制御情報入力部33は、養殖制御部23の制御の一部又は全部を変更することが可能なものであって、通常、養殖制御部23は水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報が、養殖条件から選択された養殖モデルに沿うように環境調節装置16及び給餌装置17を制御するが、例えば、環境センサ15の測定情報がどのような測定値となるべきか、給餌装置17が給餌する餌の種類、給餌のタイミング、給餌の量及び/又は水槽内における給餌の場所等をどうすべきか等、これらを制御情報入力部33から指定することで、この指定に基づいた制御を養殖制御部23が行うことが可能となる。
また、例えば、環境調節装置16は選択された養殖モデルに沿うように制御しつつ、給餌装置17のみ制御情報入力部33から入力した条件に基づき給餌する餌の種類、給餌のタイミング、給餌の量及び/又は水槽内における給餌の場所等を制御することも可能であり、また、その逆に、給餌装置17は選択された養殖モデルに沿うように制御しつつ、環境調節装置16のみ制御情報入力部33から入力した条件に基づき制御することも可能である。この際、環境調節装置17が制御する照度のみを人為的に変更して、その他は養殖モデルに従うことも当然ながら可能である。
[養殖管理装置における各構成要素]
次に、養殖管理装置20における各構成要素について説明する。
・養殖データ管理部
養殖データ管理部21は、養殖データ蓄積部22に蓄積されている養殖実施データから、水生生物2の養殖に係る期間及び/又は給餌に係るコストを算出する。即ち、養殖データ管理部21は、養殖実施データに含まれている時刻情報を用いて水生生物2の養殖に係る期間を算出する。また、給餌装置17の動作情報から給餌された餌に係る費用総額を算出し、水生生物2の成長に必要となる給餌に係るコスト(給餌コスト)を算出し、かつ、品質情報登録部において登録された品質情報を付加して養殖管理データとする。
・養殖データ蓄積部
養殖データ蓄積部22は、水生生物2の各々の養殖について、水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報と、給餌装置17の給餌情報とを紐付けて養殖実施データとして時系列に時刻情報と共に格納するものである。
さらに、養殖データ蓄積部22は、養殖実施データから養殖データ管理部21において算出された水生生物2の養殖に係る期間及び/又は養殖に係る給餌コストを、各々の養殖ごとの水生生物2の品質情報とともに養殖管理データとして養殖実施データを含んで格納可能である。
尚、養殖管理データを養殖データ蓄積部22に格納せずに、養殖モデル生成時に、養殖データ管理部21でその都度、養殖管理データを算出することも可能である。その際は、養殖実施データと品質情報を紐付けて養殖データ蓄積部22に格納しておくこととなる。
・養殖管理データ
図6に示すように、養殖管理データは、各々の養殖ごとに養殖実施IDが振られて各々の養殖における水槽の特定、水生生物2の特定(種類、系統、品種等)、生産数量(初期数量、最終数量等)、生産サイズ(最終結果としての標準偏差、平均長さ、平均高さ、平均重量等)、生産管理(期間、総コスト、品質等)が記録されている。これらの養殖管理データはその養殖における養殖実施データ及び品質情報を元に算出されている。また、養殖管理データには、その他適宜、養殖の生産管理等に関する情報を記録可能である。
・養殖制御部23
養殖制御部23は、後述する養殖モデル生成部25によって生成される養殖モデルと、水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報に従い環境調節装置16及び給餌装置17を制御するものである。
即ち、養殖制御部23は養殖条件入力部32を介して養殖条件として指定された水生生物2の大きさの平均値、水生生物2の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に適合する養殖モデルを選択し、水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報が選択された養殖モデルに沿うように環境調節装置16及び給餌装置17を制御する。
この場合、養殖制御部23は選択した養殖モデルに係る測定情報、即ち、養殖モデルが有する水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報に沿うように環境調節装置16及び給餌装置17を制御する。
・養殖モデル生成部25
養殖モデル生成部25は、養殖管理データの中から、水生生物2の大きさの標準偏差が所定の条件に該当する養殖管理データのみを抽出して、この抽出した養殖管理データに含まれる水生生物2の大きさの平均値、水生生物2の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に基づいて、水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報と給餌装置17の給餌情報を時間情報とともに有する養殖モデルを生成する。
[養殖モデル生成部25による養殖モデルの生成]
養殖モデルについて詳細に説明する。図7に示すように、養殖モデルは、養殖の水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報や給餌装置17の給餌情報を時間情報(測定や給餌のタイミングの情報)とともに有するものであり、過去の養殖管理データから水生生物2の大きさの標準偏差が所定の条件(例えば、標準偏差が予め定められた一定の値より小さい等)に該当した養殖管理データを今後のモデルとなり得る模範的なデータとし、給餌モデルデータ(養殖モデルの給餌情報)と、測定モデル情報(養殖モデルの測定情報)を構成する環境モデルデータ及び水生生物モデルデータからなる。
給餌モデルデータは、各々の養殖モデルごとに養殖モデルIDが振られて環境モデルデータ及び水生生物モデルデータと紐付けられて、給餌予定時刻(養殖開始時刻から時間情報をもとに算出される)ごとに餌の種類や、量等が定められている。水槽11内における給餌場所についても制御する場合は給餌場所についても定められ、その他適宜、給餌に関する情報を定めることが可能である。
環境モデルデータは、各々の養殖モデルごとに養殖モデルIDが振られて給餌モデルデータ及び水生生物モデルデータと紐付けられて、計測予定時刻(養殖開始時刻から時間情報をもとに算出される)における目標とする水温、pH値、溶存酸素量、アンモニア値、硝酸値、照度、紫外線強度、温度、及び/又は湿度等が定められている。その他適宜、水槽11内の環境に関する情報を定めることが可能である。
水生生物モデルデータは、各々の養殖モデルごとに養殖モデルIDが振られて給餌モデルデータ及び環境モデルデータと紐付けられて、計測予定時刻(養殖開始時刻から時間情報をもとに算出される)における水生生物2の大きさの標準偏差、平均の長さ、平均の高さ及び/又は個体数等が定められている。その他適宜、水生生物2の大きさに関する情報を定めることが可能である。
養殖モデル生成部25は、水生生物2の大きさの標準偏差が所定の条件(例えば、標準偏差が予め定められた一定の値より小さい等)に該当した養殖管理データのみを対象として、この養殖管理データが保有する水生生物2の大きさの平均値、水生生物2の品質情報、成長に係る期間及び給餌コスト等の情報を含めて管理することにより、各養殖モデルの特性を示すラベルが付されている。例えば、品質の良い養殖モデル、期間の最も短い養殖モデル、給餌コストの最も少ない養殖モデル等である。
また、養殖モデル生成部25が生成する養殖モデルは、水生生物2の大きさの標準偏差が所定の条件(例えば、標準偏差が予め定められた一定の値より小さい場合等)に該当した養殖管理データのみを対象として生成されるため、この養殖モデルに従って養殖を制御することで標準偏差が所定の条件におさまるように養殖が制御されることになる。
また、養殖モデル生成部25が生成する養殖モデルについて、過去の養殖管理データをそのまま養殖モデルとする場合においては、その過去の各々の養殖管理データがそのまま想定される養殖結果となる。
一方で、過去の養殖管理データを機械学習等で学習して養殖モデルを生成する場合においては、目標とする養殖結果として図8に示した養殖結果モデルデータが養殖モデル生成部25により生成され、各々の養殖モデルと紐付けられる。
図8に示すように、養殖結果モデルデータは、各々の養殖モデルごとに養殖モデルIDが振られて各々の養殖における水生生物2の特定(種類、系統、品種等)、生産数量モデル(初期数量、最終数量等)、生産サイズモデル(標準偏差、平均長さ、平均高さ、平均重量等)、生産管理モデル(期間、総コスト、品質等)が、養殖モデル生成部25により目標とする養殖結果として生成されて記録されている。また、その他、養殖にあたって留意するべき事項等の特記事項等も記録可能である。これらの養殖結果モデルデータは過去の膨大な養殖管理データを元に生成される。
・養殖モデルの具体的生成方法
ここで、養殖モデルの具体的生成方法について説明する。養殖モデルの生成については、過去の養殖管理データをそのまま養殖モデルとする場合と、過去の養殖管理データを機械学習等で学習して養殖モデルを生成する場合が想定される。また、その両者を採用して最も養殖条件に適合するものを使用することも可能であり、養殖モデルの生成方法が限定されるものではない。
・過去の養殖管理データをそのまま養殖モデルとする場合
養殖モデルの生成について、まず、過去の養殖管理データをそのまま養殖モデルとする場合について説明する。即ち、水生生物2の大きさの標準偏差が所定の条件(例えば、標準偏差が予め定められた一定の値より小さい等)に該当した養殖管理データのなかから、水生生物2の大きさの平均値が所定の値で、且つ、最も給餌コストが少なかった養殖管理データを検索し、所望の水生生物2の大きさの平均値を養殖する際の最も給餌コストの少ない養殖モデルとし、養殖管理データが時系列に保有する過去の前記水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報と給餌装置17の給餌情報を、そのまま養殖開始からの時系列に置き換えた給餌モデルデータ(給餌情報)と、測定モデル情報を構成する環境モデルデータとすることが可能である。
次に、養殖モデルの生成について、過去の養殖管理データを機械学習等で学習して養殖モデルを生成する場合について説明する。即ち、水生生物2の大きさの標準偏差が所定の条件(例えば、標準偏差が予め定められた一定の値より小さい等)に該当した養殖管理データのなかから、水生生物2の大きさの平均値が所定の値で、且つ、給餌コストが少なかった養殖管理データを複数検索し、この給餌コストが少なかった複数の養殖管理データの保有する前記水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報と給餌装置17の給餌情報の相関関係や共通点等を分析、学習させることで、養殖開始からの時系列に置き換えた給餌モデルデータと、測定モデル情報を構成する環境モデルデータとすることが可能である。
尚、機械学習等での学習について、養殖モデル生成部25が用いる学習アルゴリズムは限定されるものではなく、どのようなものを用いてもよい。養殖モデル生成部25は養殖データ蓄積部22に蓄積されるデータの集合から、その中にある有用な規則性や知識表現、判断基準等を解析により抽出し、その判断結果を出力するとともに、知識の学習を行う機能を備える。その手法は様々であるが、例えば、「教師あり学習」及び「強化学習」を用いるものとする。
例えば、養殖モデル生成部25が、養殖データ蓄積部22におけるデータ蓄積が未だ十分ではなく、学習不足であり、未だ満足な養殖モデルを出力できない段階、即ち、過去の養殖管理データに基づいた養殖制御を行う(過去の養殖管理データにもとづいた養殖制御しか選択できない)段階(初期学習動作)では「教師あり学習」を用いる。
即ち、水生生物2の養殖に係る期間及び/又は給餌に係るコストや、食味結果等の品質情報といった養殖管理データを大量に管理することで、品質の良い、納期の短い、コストのかからない養殖管理データが「教師あり学習」における「教師データ」となり、養殖モデル生成部25は「教師データ」をモデルとして、品質等の良い結果が得られた養殖管理データからパターン、規則性といった相関関係等を導き出して、養殖モデルを生成する。
一方で、養殖モデル生成部25の学習が進み、満足な養殖モデルを出力可能となり、この養殖モデルに係る養殖制御プログラムで養殖制御を行う段階(継続学習動作)では「強化学習」を用いて、養殖制御の最適化をより図ることが可能となる。
これら「教師あり学習」「強化学習」を実現するうえで、特徴量そのものの抽出を学習する、「深層学習(ディープラーニング:Deep Learning)」の利用も可能である。
[人為的な制御による養殖]
人為的に制御情報入力部33から入力された内容に基づいて、養殖制御部23を通じて環境調節装置16及び給餌装置17を人為的にも制御する場合も、通常の養殖モデルに基づく制御と同様に養殖実施データとして水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報と給餌装置17の給餌情報が養殖データ蓄積部22に蓄積される。
例えば、常に水槽11内に照明を当て、水生生物2にとって夜が存在しない環境や短時間での水温の急激な変化、常に餌を与える、又は、一定期間餌を与えない等、通常の水生生物2の棲息環境ではあり得ないような状況において、水生生物2の成長がより促される事例が報告されている。
この様な突飛な状況を人為的に試すことにより、水生生物2の養殖に対する新たな知見及び経験が得られ、意図的に養殖条件を変化させてさまざまなパターンの養殖を行うことが可能となり、生産管理の視点から良好な結果を得ることができた養殖管理データ等を増やして、養殖モデル生成部の学習対象とすることにより、従来の知見に捉われない新たな養殖モデルの生成及びこれに基づく最適な制御が可能となる。
[養殖モデルの再検索による養殖制御の修正]
養殖制御部23は、例えば、養殖途中のような所定の時期や、例えば、1週間、1ヵ月おきといった所定の間隔で、水生生物センサ12から得られた現時点の水生生物2の大きさ及び標準偏差と、養殖モデルから求められる現時点においてあるべき水生生物2の大きさの及び標準偏差との差分を算出し、差分が所定範囲外である場合には、養殖モデルの検索を再度行う。
これは、水槽11内の環境や水生生物2への給餌等が、過去の養殖実施データに基づき、全く同一に再現が可能であっても、水生生物2の個体差や世代差等により過去の養殖実施データとり全く同様の成長が保証されるものではなく、所定の時期に最適な養殖モデルを見直すことにより、生物の生産管理を可能とするものである。
このように養殖制御部23は、上記のような所定の時期に測定された水生生物センサ12の測定情報と、既に選択された養殖モデルの有する水生生物センサ12の測定情報との差分を算出し、この算出された差分が所定範囲外である場合には、養殖条件として指定された水生生物2の大きさの平均値、水生生物2の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に適合する養殖モデルを再度、選択し、水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報が再度選択された養殖モデルに沿うように環境調節装置16及び給餌装置17を制御する。
再度選択される養殖モデルに係る養殖条件は、所定の時期における水生生物2の成育状態を鑑みて、養殖条件入力部32から再度養殖条件を入力しても良い。また、予め定めた所定の条件により自動で適宜修正された養殖条件であってもよい。例えば、水生生物2の大きさの平均値を実現することを優先する、水生生物2の養殖に係る給餌コストの実現を優先する、水生生物2の養殖に係る期間の実現を優先する、また、それらの組み合わせ等であり、優先して実現すべき条件に適合する養殖モデルが自動的に選択される。
この様に所定の時期に、養殖モデルの見直しを行うことで、水生生物の生産にあたり、その生産管理を軌道修正しつつ、養殖環境や給餌方法を最適に制御することが可能となる。
[水生生物生産管理システムにおける処理の流れ]
次に、本発明の水生生物生産管理システム1の実施形態における処理の流れを、図1乃至図8に図9乃至図10を加えて説明する。図9は、本発明の水生生物生産管理システムの全体のフローチャートであり、図10は、本発明の水生生物生産管理システムの養殖制御の詳細なフローチャートである。
まず、図9及び図10を用いて水生生物生産管理システム1の全体の流れを説明する。
水生生物生産管理システム1の管理者はまず、養殖条件入力部32を介して大前提として養殖する水生生物2の種類及び又は系統及び/又は品種等を指定する(S1)。
次に、同様に養殖条件入力部32を介して養殖の養殖条件を指定する(S2)。即ち、水生生物2の養殖にあたり、水生生物2の所望の品質、大きさの平均値、養殖に係る期間及び/又は給餌に係るコストからなる養殖条件を指定する(S2)。
即ち、養殖条件は市場動向をも見極めながら、その際の市場のニーズ等に左右されるものであり、例えば以下の様な種々の養殖条件が設定可能である。

A.品質:最高 費用:高 納期:中
(高額な良い餌を用いて、良い品質の魚を生産したケース)
B.品質:中 費用:中 納期:中
(最もバランスの取れたケース)
C.品質:高 費用:高 納期:短
(成長を促す高額な餌を用いて、短納期を実現したケース)
D.品質:中 費用:低 納期:長
(納期はかかるが、中程度の品質の魚が生産できるケース)
E.品質:低 費用:低 納期:短
(品質は落ちるが、短納期、低コストを実現するケース)

尚、A〜Eの上記5パターンは概念を説明するために「最高、高、長、中、低、短」等で示したが、%表示等や具体的な数値を用いた指定等の種々の設定方法が想定され、養殖モデルにも養殖条件に予め対応するラベルは付されている。
養殖モデルの生成について、過去の養殖管理データをそのまま養殖モデルとする場合においては、その過去の各々の養殖管理データに予め養殖条件に対応するラベルが付されており、過去の養殖管理データを機械学習等で学習して養殖モデルを生成する場合においては、想定される養殖結果として図8に示した養殖結果モデルデータが予め作成され、この養殖結果モデルデータにその養殖の特性を示すラベルが付されている。
次に、指定された養殖条件に基づき、養殖モデルが選択される(S3)。即ち、養殖条件入力部32を介して指定された養殖の養殖条件に基づいて、養殖制御部23が水生生物2の大きさ、水生生物の養殖に係る期間及び/又は給餌コスト等に適合する養殖モデルを選択する(S3)。
次に、この選択された養殖モデルの動作モデル情報を構成する給餌モデルデータと、測定モデル情報を構成する環境モデルデータに従って、環境調節装置16及び給餌装置17を制御する(S4)。前述のように養殖モデルについては、過去の養殖管理データがそのまま養殖モデルとなっている場合や、過去の養殖管理データを機械学習等で学習して生成された養殖モデルの何れでもよい。また、その両者を採用して最も養殖条件に適合するものを使用することも可能である。
これら環境調節装置16と給餌装置17に、水生生物センサ12と環境センサ15を加えた制御の詳細は後述する。また、この養殖モデルに従って養殖された養殖実施データが養殖データ蓄積部22に蓄積される(S4)。
尚、これまでの養殖条件等の指定(S1及びS2)や、養殖モデルの選択(S3)及びそれに基づく制御(S4)は、水生生物2が卵の段階、稚魚の段階といった養殖開始時や、養殖途中の任意の時期というように所定の時期において行うことができる。
養殖制御が終わると、養殖データ管理部21において水生生物2の養殖に係る期間及び/又は給餌コストが算出される(S5)。また、水生生物2の食味結果等の品質情報が品質情報登録部31を介して登録される(S6)。
その結果、養殖データ管理部21において算出された水生生物2の養殖に係る期間及び/又は給餌コストが、各々の養殖ごとの水生生物2の品質情報とともに養殖管理データとして養殖データ蓄積部22に蓄積されて(S7)、一連のフローが終了する。尚、S7を省略して養殖実施データのみをS4の如く養殖データ蓄積部22に蓄積し、養殖管理データの作成は養殖モデルの生成時にその都度行うことも可能である。
環境調節装置16と給餌装置17に環境センサ15を加えた制御の詳細を図10を用いて説明する。選択された養殖モデルの動作モデル情報(動作情報)を構成する給餌モデルデータと、測定モデル情報(測定情報)を構成する環境モデルデータで環境調節装置16と給餌装置17を制御し、さらに水生生物センサ12と環境センサ15により測定情報を取得し、給餌装置17の動作情報と紐付けて養殖実施データとして養殖データ蓄積部22に蓄積する(図9のS4)。
即ち、養殖制御部23は、養殖制御が開始されると(ループ開始)、環境センサ15、環境調節装置16、給餌装置17及び水生生物センサ12について、各々が養殖モデルに沿うように個別に制御を行う。
環境センサ15は、所定の間隔又はタイミングで水槽11内の環境を把握する。例えば前述の、水槽11内の水温、pH値、溶存酸素量、アンモニア値、硝酸値、照度、紫外線強度、温度、及び/又は湿度等を検知して測定情報たる環境データとして取得し(S11)、養殖実施データとして環境データを養殖データ蓄積部22に蓄積する(S12)。
この場合、測定情報たる環境データが目標値としての検索された養殖モデルの環境モデルデータと異なるか否かを養殖制御部23が判定し(S13)、差異がある場合は、環境調節装置16を調節し、水槽11内の環境が環境モデルデータに沿うように制御する(S14)。
S13で養殖モデルの環境モデルデータと差異がない場合は、S14をスキップし、環境調節装置16による環境調節は行わないこととなる。このS11からS14までの処理をその水生生物の養殖が終わるまで繰り返す。
尚、S13における測定情報たる環境データが環境モデルデータと異なるか否かの養殖制御部23における判定については、種々の判定手法を用いることが可能であり、例えば、各項目における誤差の許容範囲等、適宜設定可能である。
給餌装置17は養殖制御部23の指令に基づき、所定の間隔又はタイミングで水槽11内の水生生物2に給餌を行う(S21)。給餌装置17は、養殖制御部23からの指令に基づき、例えば、給餌する餌の種類、給餌のタイミング、給餌の量及び/又は水槽内における給餌の場所等を制御して給餌する(S21)。
そして、例えば前述の給餌した餌の種類、給餌したタイミング、給餌した量、給餌装置内の餌の残量及び/又は水槽11内における給餌した場所といった給餌情報が動作情報として養殖実施データに含まれて養殖データ蓄積部22に蓄積される(S22)。そして、このS21及びS22の処理をその水生生物2の養殖が終わるまで繰り返す。
水生生物センサ12は、所定の間隔又はタイミングで水槽11内の水生生物2の大きさ、個体数等を検知して(S31)、水生生物2の大きさの平均値及び標準偏差を算出し(S32)、水生生物2の大きさの平均値及び標準偏差、さらには個体数等を測定情報たる水生生物データとして養殖実施データに含めて養殖データ蓄積部22に蓄積する(S33)。
この場合、測定情報たる水生生物データが目標値としての検索された養殖モデルの水生生物モデルデータ(水生生物2の大きさ及び標準偏差)に達しているか否かを養殖制御部23が判定し(S34)、差分が所定範囲外である場合には、養殖モデルの検索を再度行うべく、図9のS2の処理へと戻る。このとき、養殖条件を見直し可能であり、さらに見直しにおいては養殖条件入力部32からの入力とするのみならず、システムが自動的に行ってもよい。また、S2をスキップして新たな養殖条件を入力することなく、前回入力した養殖条件をそのまま利用して再度の養殖モデルの検索を行うことも可能である。
養殖制御部23は、養殖条件として指定された又は前回入力した養殖条件に係る水生生物2の大きさの平均値、水生生物2の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に適合する養殖モデルを再度、選択して読み出す(図9のS3)。この新たに検索して選択された養殖モデルの水生生物センサ12及び環境センサ15の測定情報(測定モデル情報)に沿うように前記環境調節装置16及び前記給餌装置17を制御して、再度、図10及び図9の処理を養殖終了まで繰り返す。
S34で目標値との差異が所定範囲内の場合は、S31の処理へと戻り、その水生生物2の養殖が終わるまで繰り返す。
尚、S34における測定情報たる水生生物データが目標値としての検索された養殖モデルの水生生物データと異なるか否かの養殖制御部23における判定については、種々の判定手法を用いることが可能であり、例えば、各項目における誤差の許容範囲等、適宜設定可能である。
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
また、図1の機能ブロック図に示した機能ブロックは、本発明の水生生物生産管理システム1の機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態を制限しない。即ち、図中の機能ブロックに対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、さらには、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
1 水生生物生産管理システム
2 水生生物
5 通信ネットワーク
10 養殖施設
11 水槽
12 水生生物センサ
15 環境センサ
16 環境調節装置
17 給餌装置
20 養殖管理装置
21 養殖データ管理部
22 養殖データ蓄積部
23 養殖制御部
25 養殖モデル生成部
30 入力端末装置
31 品質情報登録部
32 養殖条件入力部
33 制御情報入力部

Claims (12)

  1. 水生生物を養殖する水生生物生産管理システムであって、
    内部で単一種からなる複数の前記水生生物を養殖する水槽と、
    当該水槽内の前記水生生物の大きさの平均値及び標準偏差を測定する水生生物センサと、
    前記水槽内の環境を測定する環境センサと、
    前記水槽内の環境を調節する環境調節装置と、
    前記水生生物へ給餌する給餌装置と、
    前記水生生物の品質情報を登録する品質情報登録部と、
    前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報と前記給餌装置の給餌情報とを養殖実施データとして時系列に蓄積する養殖データ蓄積部と、
    前記養殖実施データに対して前記水生生物の養殖に係る期間及び給餌コストを算出し、かつ、前記品質情報を付加して養殖管理データとする養殖データ管理部と、
    前記水生生物の大きさの標準偏差が、所定の条件に該当する前記養殖管理データを抽出して、当該抽出した前記養殖管理データに含まれる前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に基づいて、前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報と前記給餌装置の給餌情報を時間情報とともに有する養殖モデルを生成する養殖モデル生成部と、
    前記養殖モデルと前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報に従い前記環境調節装置及び前記給餌装置を制御する養殖制御部と、
    前記水生生物の養殖に係る養殖条件を指定する養殖条件入力部とを備え、
    前記養殖制御部は前記養殖条件として指定された前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に適合する前記養殖モデルを選択し、前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報が前記選択された前記養殖モデルに沿うように前記環境調節装置及び前記給餌装置を制御することを特徴とする水生生物生産管理システム。
  2. 前記養殖制御部は、所定の時期に測定された前記水生生物センサの測定情報と、前記選択された前記養殖モデルの有する前記水生生物センサの測定情報との差分を算出し、当該算出された差分が所定範囲外である場合には、前記養殖条件として指定された前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間に適合する前記養殖モデルを再度、選択し、前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報が再度選択された養殖モデルに沿うように前記環境調節装置及び前記給餌装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の水生生物生産管理システム。
  3. 前記再度選択された養殖モデルに係る前記養殖条件は、前回指定された養殖条件、再度指定される養殖条件、又は、自動で修正された養殖条件であることを特徴とする請求項2に記載の水生生物生産管理システム。
  4. 前記養殖モデル生成部は、前記抽出した前記養殖管理データに含まれる前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間が、所定の条件下及び範囲内で近似する前記養殖管理データに蓄積された前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報と前記給餌装置の給餌情報を時間情報とともに有する前記養殖モデルを生成することを特徴とする請求項1に記載の水生生物生産管理システム。
  5. 前記養殖モデル生成部は、前記抽出した前記養殖管理データに含まれる前記養殖実施データ、前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間の相関関係を学習して、前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報と前記給餌装置の給餌情報を時間情報とともに有する前記養殖モデルを生成することを特徴とする請求項1に記載の水生生物生産管理システム。
  6. 前記養殖制御部は、前記養殖条件として指定されなかった前記水生生物の大きさの平均値、前記水生生物の養殖に係る品質情報、給餌コスト及び/又は期間について、予め定めた所定の条件に基づいて最適な条件を前記養殖条件として用いることを特徴とする請求項1に記載の水生生物生産管理システム。
  7. 前記水生生物生産管理システムは、さらに制御情報入力部を備え、前記養殖制御部は、前記環境調節装置及び前記給餌装置を人為的にも制御可能であり、前記人為的に制御された前記水生生物の養殖に係る前記水生生物センサ及び前記環境センサの測定情報と前記給餌装置の給餌情報とについても前記養殖実施データとして時系列に養殖データ蓄積部に蓄積することを特徴とする請求項1に記載の水生生物生産管理システム。
  8. 前記水生生物の大きさの標準偏差に係る前記所定の条件は、当該標準偏差が予め定められた一定値よりも小さいものであることを特徴とする請求項1に記載の水生生物生産管理システム。
  9. 前記品質情報は、前記水生生物の外観、食味結果、肉質、脂量及び/又は組成に関する情報であることを特徴とする請求項1に記載の水生生物生産管理システム。
  10. 前記水生生物生産管理システムは、内部で単一種からなる複数の前記水生生物を養殖する前記水槽を複数有し、前記複数の水槽における前記水生生物の養殖に係る前記養殖実施データを前記養殖データ蓄積部にまとめて蓄積し、当該蓄積された前記養殖実施データを同一種の前記水生生物の養殖ごとに管理することを特徴とする請求項1に記載の水生生物生産管理システム。
  11. 前記水生生物センサは撮像装置であり、前記水生生物の全長、体長及び/又は体高を測定することを特徴とする請求項1に記載の水生生物生産管理システム。
  12. 前記養殖制御部は、前記給餌装置における餌の種類、給餌のタイミング、給餌の量、餌の残量、及び/又は水槽内における給餌の場所を制御することを特徴とする請求項1に記載の水生生物生産管理システム。
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