本発明は、複数の部品を散在された状態で支持するステージから部品を供給する部品供給装置に関するものである。
部品供給装置には、複数の部品を散在された状態で支持するステージを撮像し、
その撮像データに基づいて、ステージに支持されている部品を部品保持具によって保持する構造の装置が存在する。このような構造の部品供給装置では、ステージ上の部品を適切に保持するべく、撮像データに基づいて、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報を取得する必要がある。下記特許文献には、撮像データの処理手法の一例が記載されている。
上記特許文献に記載の技術によれば、撮像データに基づいて、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報をある程度、取得することが可能となる。しかしながら、さらに精度よく、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報を取得することが望まれている。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報を精度よく取得することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に記載の部品供給装置は、複数の部品を散在された状態で支持するステージを有する部品支持部と、前記ステージに支持されている部品を撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮像された撮像データに基づいて、前記ステージに支持されている部品を保持する部品保持具とを備え、前記ステージが、複数種類用意されており、それら複数種類のステージのうちの任意のステージが、前記部品支持部に着脱可能に装着されることを特徴とする。
本発明に記載の部品供給装置では、ステージが、複数種類用意されており、それら複数種類のステージのうちの任意のステージが、部品支持部に着脱可能に装着される。これにより、例えば、供給予定の部品の色と異なる色相のステージを、部品支持部に装着することが可能となる。具体的には、例えば、供給予定の部品が白色である場合に、黒色のステージが部品支持部に装着されていると、その黒色のステージ上で支持される白色の部品を、背景色と対象物とのコントラストにより、明確に認識することが可能となる。これにより、撮像データに基づいて、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報を精度よく取得することが可能となる。また、例えば、円筒形状の部品が供給される際に、その円筒形状の部品が、平らなステージ上に散在されると、部品がステージ上で転がり、適切な撮像データを得ることができない場合がある。このような場合に、例えば、溝が形成されたステージを部品支持部に装着することで、円筒形状の部品が溝に嵌り、部品の転がりを防止することが可能となる。これにより、ステージ上の部品を適切に撮像し、その撮像データに基づいて、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報を精度よく取得することが可能となる。
部品実装機を示す斜視図である。
部品実装機の部品装着装置を示す斜視図である。
ばら部品供給装置を示す斜視図である。
部品供給ユニットを示す斜視図である。
部品回収容器が上昇端位置に上昇した状態の部品供給ユニットを示す斜視図である。
部品保持ヘッドを示す斜視図である。
リード部品が収納された状態の部品受け部材を示す図である。
部品実装機の制御装置を示すブロック図である。
部品散在状態実現装置を示す斜視図である。
白色のステージの上に白色のリード部品が散在された状態を示す図である。
黒色のステージの上に白色のリード部品が散在された状態を示す図である。
白色のステージの上に黒色のリード部品が散在された状態を示す図である。
部品散在状態実現装置および部品戻し装置を示す斜視図である。
溝が形成されたステージの上に円筒形状の部品が散在された状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
<部品実装機の構成>
図1に、部品実装機10を示す。部品実装機10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装機10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、撮像装置26,28、部品供給装置30、ばら部品供給装置32、制御装置(図8参照)34を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
装置本体20は、フレーム部40と、そのフレーム部40に上架されたビーム部42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム部40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定の位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装機10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
部品装着装置24は、ビーム部42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62は、吸着ノズル(図2参照)66を有しており、吸着ノズル66によって部品を保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム部40上の任意の位置に移動させられる。また、各作業ヘッド60,62は、図2に示すように、スライダ74,76に着脱可能に装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
撮像装置26は、下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、撮像装置26は、フレーム部40上の任意の位置を撮像する。撮像装置28は、図1に示すように、フレーム部40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置30との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、撮像装置28は、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66に保持された部品を撮像する。
部品供給装置30は、フレーム部40の前後方向での一方側の端部に配設されている。部品供給装置30は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置(図示省略)とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置は、テープフィーダ(図示省略)、スティックフィーダ(図示省略)によって部品を供給する装置である。
ばら部品供給装置32は、フレーム部40の前後方向での他方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置32は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。以下に、部品供給装置32の構成について詳しく説明する。なお、部品供給装置30および、ばら部品供給装置32によって供給される部品として、電子回路部品,太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品等が挙げられる。また、電子回路部品には、リードを有する部品,リードを有さない部品等が有る。
ばら部品供給装置32は、図3に示すように、本体80と、部品供給ユニット82と、撮像装置84と、部品引渡し装置86とを有している。
(a)部品供給ユニット
部品供給ユニット82は、部品供給器88と部品散在状態実現装置90と部品戻し装置92とを含み、それら部品供給器88と部品散在状態実現装置90と部品戻し装置92とが一体的に構成されたものである。部品供給ユニット82は、本体80のベース96に着脱可能に組み付けられており、ばら部品供給装置32では、5台の部品供給ユニット82が、X方向に1列に並んで配設されている。
(i)部品供給器
部品供給器88は、図4に示すように、部品収納器100とハウジング102とグリップ104とを含む。部品収納器100は、概して直方体形状をなし、上面と前面とが開口している。その部品収納器100の底面は、傾斜面116となっており、部品収納器100の開口する前面に向かって傾斜している。
ハウジング102は、1対の側壁120を有しており、それら1対の側壁120の間において、部品収納器100が搖動可能に保持されている。また、1対の側壁120の間には、部品収納器100の前面の下端部の前方に位置するように、傾斜板152が固定的に配設されている。傾斜板152は、前方に向かうほど下降するように傾斜している。
グリップ104は、ハウジング102の後方側の端部に配設されており、固定把持部材170と可動把持部材172とによって構成されている。可動把持部材172は、固定把持部材170に対して接近・離間可能とされている。そして、可動把持部材172が、連結アーム(図示省略)によって部品収納器100の後面に連結されている。これにより、グリップ104が把持されることで、可動把持部材172が、固定把持部材170に対して接近・離間し、部品収納器100が1対の側壁120の間で搖動する。
また、部品供給器88は、ベース96に組み付けられている1対のサイドフレーム部190の間に配設されており、ベース96に着脱可能とされている。なお、グリップ104の可動把持部材172の下端部には、ロック機構(図示省略)が設けられており、グリップ104が把持されることで、そのロック機構が解除される。つまり、作業者が部品供給器88のグリップ104を把持した状態で、部品供給器88を持ち上げることで、部品供給器88が1対のサイドフレーム部190の間から取り外される。
(ii)部品散在状態実現装置
部品散在状態実現装置90は、部品支持部材220と部品支持部材移動装置222と供給器振動装置224とを含む。部品支持部材220は、ステージ226と側壁部228とによって構成されている。ステージ226は、概して長手形状の板形状をなし、部品供給器88の傾斜板152の下方から前方に延び出すように、配設されている。なお、ステージ226は、部品支持部材220の基台(図示省略)の上にボルトにより着脱可能とされている。また、側壁部228は、ステージ226の長手方向の両側部を囲うように、部品支持部材220の基台に固定されている。
部品支持部材移動装置222は、部品支持部材220を前後方向に電磁モータ(図8参照)223の駆動により移動させる装置である。これにより、部品支持部材220は、部品供給器88の傾斜板152の下端から僅かに下方において、部品支持部材220の上面が水平な状態で、前後方向に移動する。
供給器振動装置224は、カム部材240とカムフォロワ242とストッパ244とを含む。カム部材240は、板状をなし、側壁部228の外側の側面に、前後方向に延びるように固定されている。カム部材240の上端部には、複数の歯245が前後方向に等間隔で形成されている。カムフォロワ242は、レバー252とローラ254とを含む。レバー252は、部品供給器88の側壁120の下端部に配設されており、上端部を中心に揺動可能とされている。ローラ254は、レバー252の下端部において、回転可能に保持されている。なお、レバー252は、コイルばね(図示省略)の弾性力によって前方に向かう方向に付勢されている。また、ストッパ244は、側壁120に突状に設けられており、コイルばねの弾性力により付勢されたレバー252が、ストッパ244に接触している。
(iii)部品戻し装置
部品戻し装置92は、図5に示すように、容器昇降装置260と部品回収容器262とを含む。容器昇降装置260は、エアシリンダ266と昇降部材268とを含み、昇降部材268は、エアシリンダ266の作動により、昇降する。また、エアシリンダ266は、部品支持部材220の前方側の端部に固定されている。これにより、エアシリンダ266は、部品支持部材移動装置222の作動により、部品支持部材220と共に前後方向に移動する。
部品回収容器262は、昇降部材268の上面に配設されており、エアシリンダ266の作動により、上下方向に移動する。部品回収容器262は、上面が開口する箱状をなし、昇降部材268の上面において、回動可能に保持されている。その部品回収容器262の後方側の端部には、図4に示すように、突出ピン272が配設されている。突出ピン272は、部品回収容器262の側方での外側に向かって突出している。また、サイドフレーム部190の前方側の上端部の内側には、係合ブロック274が固定されている。そして、図5に示すように、部品回収容器262が、エアシリンダ266の作動により上昇端位置まで上昇する際に、突出ピン272が係合ブロック274に係合する。これにより、部品回収容器262は、回動する。
(b)撮像装置
撮像装置84は、図3に示すように、カメラ290とカメラ移動装置292とを含む。カメラ移動装置292は、ガイドレール296とスライダ298とを含む。ガイドレール296は、部品供給器88の上方において、ばら部品供給装置32の幅方向に延びるように、本体80に固定されている。スライダ298は、ガイドレール296にスライド可能に取り付けられており、電磁モータ(図8参照)299の作動により、任意の位置にスライドする。また、カメラ290は、下方を向いた状態でスライダ298に装着されている。
(c)部品引渡し装置
部品引渡し装置86は、図3に示すように、部品保持ヘッド移動装置300と部品保持ヘッド302と2台のシャトル装置304とを含む。
部品保持ヘッド移動装置300は、X方向移動装置310とY方向移動装置312とZ方向移動装置314とを含む。Y方向移動装置312は、X方向に延びるように、部品供給ユニット82の上方に配設されたYスライダ316を有しており、Yスライダ316は、電磁モータ(図8参照)319の駆動により、Y方向の任意の位置に移動する。X方向移動装置310は、Yスライダ316の側面に配設されたXスライダ320を有しており、Xスライダ320は、電磁モータ(図8参照)321の駆動により、X方向の任意の位置に移動する。Z方向移動装置314は、Xスライダ320の側面に配設されたZスライダ322を有しており、Zスライダ322は、電磁モータ(図8参照)323の駆動により、Z方向の任意の位置に移動する。
部品保持ヘッド302は、図6に示すように、ヘッド本体330と吸着ノズル332とノズル旋回装置334とノズル回転装置335とを含む。ヘッド本体330は、Zスライダ322と一体的に形成されている。吸着ノズル332は、部品を保持するものであり、ホルダ340の下端部に着脱可能に装着されている。ホルダ340は、支持軸344において屈曲可能とされており、ノズル旋回装置334の作動により、ホルダ340が上方向に90度屈曲する。これにより、ホルダ340の下端部に装着されている吸着ノズル332は、90度旋回し、旋回位置に位置する。つまり、吸着ノズル332は、ノズル旋回装置334の作動により、非旋回位置と旋回位置との間で旋回する。また、ノズル回転装置335は、吸着ノズル332をそれの軸心周りに回転させる。
また、2台のシャトル装置304の各々は、図3に示すように、部品キャリヤ388と部品キャリヤ移動装置390とを含み、部品供給ユニット82の前方側に横方向に並んで、本体80に固定されている。部品キャリヤ388には、5個の部品受け部材392が、横方向に一列に並んだ状態で装着されており、各部品受け部材392に、部品が載置される。
詳しくは、ばら部品供給装置32で供給される部品は、図7に示すように、リードを有する電子回路部品(以下、「リード部品」と略す場合がある)410であり、リード部品410は、ブロック状の部品本体412と、部品本体412の底面から突出する2本のリード414とから構成されている。また、部品受け部材392には、部品受容凹部416が形成されている。部品受容凹部416は、段付き形状の凹部であり、部品受け部材392の上面に開口する本体部受容凹部418と、その本体部受容凹部418の底面に開口するリード受容凹部420とから構成されている。そして、リード部品410は、リード414が下方を向く姿勢で、部品受容凹部416の内部に挿入される。これにより、リード414がリード受容凹部420に挿入されるとともに、部品本体412が本体部受容凹部418に挿入された状態で、リード部品410が部品受容凹部416の内部に載置される。
また、部品キャリヤ移動装置390は、図3に示すように、板状の長手部材であり、前後方向に延びるように、部品供給ユニット82の前方側に配設されている。部品キャリヤ移動装置390の上面には、部品キャリヤ388が前後方向にスライド可能に配設されており、電磁モータ(図8参照)430の駆動により、前後方向の任意の位置にスライドする。なお、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット82に接近する方向にスライドした際には、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の移動範囲内に位置する部品受取位置までスライドする。一方、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット82から離れる方向にスライドした際には、作業ヘッド移動装置64による作業ヘッド60,62の移動範囲内に位置する部品供給位置までスライドする。
また、制御装置34は、図8に示すように、統括制御装置450と、複数の個別制御装置(図では1つのみ図示されている)452と、画像処理装置454と、記憶装置456とを含む。統括制御装置450は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に接続されている。これにより、統括制御装置450は、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32を統括して制御する。複数の個別制御装置452は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に対応して設けられている(図では、ばら部品供給装置32に対応する個別制御装置452のみが図示されている)。ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品散在状態実現装置90,部品戻し装置92,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品散在状態実現装置90,部品戻し装置92,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304を制御する。また、画像処理装置454は、撮像装置84に接続されており、撮像装置84により撮像された撮像データを処理する。その画像処理装置454は、ばら部品供給装置32の個別制御装置452に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、撮像装置84により撮像された撮像データを取得する。また、記憶装置456は、各種データを記憶しており、個別制御装置452に接続されている。これにより、個別制御装置452は、記憶装置456から各種データを取得する。
<部品実装機の作動>
部品実装機10は、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、撮像装置26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。これにより、回路基材12の保持位置の誤差に関する情報が得られる。また、部品供給装置30若しくは、ばら部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。なお、ばら部品供給装置32による部品の供給に関しては、後で詳しく説明する。そして、作業ヘッド60,62の何れかが、部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル66によって部品を保持する。続いて、部品を保持した作業ヘッド60,62が、撮像装置28の上方に移動し、撮像装置28によって、吸着ノズル66に保持された部品が撮像される。これにより、部品の保持位置の誤差に関する情報が得られる。そして、部品を保持した作業ヘッド60,62が、回路基材12の上方に移動し、保持している部品を、回路基材12の保持位置の誤差,部品の保持位置の誤差等を補正し、回路基材12上に装着する。
<ばら部品供給装置の作動>
(a)ばら部品供給装置によるリード部品の供給
ばら部品供給装置32では、リード部品410が、作業者によって部品供給器88の部品収納器100に投入され、その投入されたリード部品410が、部品供給ユニット82,部品引渡し装置86の作動により、部品キャリヤ388の部品受け部材392に載置された状態で供給される。詳しくは、作業者は、部品供給器88の部品収納器100の上面の開口から、リード部品410を投入する。この際、部品支持部材220は、部品支持部材移動装置222の作動により、部品供給器88の下方に移動しており、部品供給器88の前方には、部品回収容器262が位置している。
部品収納器100の上面の開口から投入されたリード部品410は、部品収納器100の傾斜面116の上に落下し、傾斜面116上に広がる。この際、傾斜面116に落下したリード部品410が、傾斜板152を超えて転がり落ちた場合には、部品供給器88の前方に位置する部品回収容器262に収容される。
部品収納器100へのリード部品410の投入後に、部品支持部材220が、部品支持部材移動装置222の作動により、部品供給器88の下方から前方に向かって移動させられる。この際、カム部材240がカムフォロワ242に至れば、図9に示すように、カムフォロワ242のローラ254が、カム部材240の歯245を乗り越える。カムフォロワ242のレバー252は、コイルばねの弾性力によって前方に向かう方向に付勢されており、レバー252の前方への付勢は、ストッパ244によって規制されている。このため、部品支持部材220が前方に向かって移動する際には、ローラ254と歯245とが噛み合った状態に維持され、レバー252は前方に向かって回動せず、ローラ254は、歯245を乗り越える。この際、部品供給器88は、ローラ254の歯245の乗り越えにより、昇降する。つまり、ローラ254が歯245に噛み合った状態で、部品支持部材220が前方に向かって移動することで、ローラ254が複数の歯245を乗り越え、部品供給器88が上下方向に連続して振動する。
部品収納器100の傾斜面116上に広がっているリード部品410は、部品供給器88の振動と傾斜面116の傾斜により、前方に移動し、傾斜板152を介して、部品支持部材220のステージ226の上面に排出される。この際、部品支持部材220の側壁部228によって、ステージ226からのリード部品410の落下が防止される。そして、部品支持部材220が前方に向かって移動することで、ステージ226の上面に、リード部品410が散在される。
なお、部品収納器100の内部から部品支持部材220のステージ226の上にリード部品410が散在されると、図10に示すように、リード部品410は、概ね2つの姿勢でステージ226の上に散在される。具体的には、リード部品410は、2本のリード414が概して水平方向に並んだ状態の姿勢(以下、「第1姿勢」と記載する場合がある)と、2本のリード414が概して鉛直方向に並んだ状態の姿勢(以下、「第2姿勢」と記載する場合がある)との2つの姿勢で、ステージ226の上に散在される。
リード部品410が、上述したようにステージ226の上に散在されると、撮像装置84のカメラ290が、カメラ移動装置292の作動により、部品支持部材220の上方に移動し、リード部品410を撮像する。そして、カメラ290により撮像された撮像データに基づいて、ピックアップの対象となるリード部品(以下、「ピックアップ対象部品」と略す場合がある)が、特定される。
具体的には、カメラ290の撮像データに基づいて、ステージ226上に散在されている複数の部品毎に、部品の姿勢と、部品の位置が演算される。そして、演算された部品の姿勢が第1姿勢であるリード部品410のみが、ピックアップ対象部品として特定される。これは、第1姿勢のリード部品410では、表面積の大きい側面500が上方を向いており、その側面500を吸着ノズル332により保持することが可能であるが、第2姿勢のリード部品410では、表面積の小さい側面502が上方を向いており、その側面502を吸着ノズル332により保持することができないためである。
そして、ピックアップ対象部品が特定されると、その特定されたピックアップ対象部品が吸着ノズル332により吸着保持されるが、ステージ226の色相と、リード部品410の色相とが近似している場合には、ピックアップ対象部品を適切に特定できない場合がある。具体的には、例えば、図10に示されるステージ226は、概して白色である。一方、そのステージ226の上に散在されているリード部品410の色相も、概して白色である。この際、ステージ226の上方からカメラ290により撮像された撮像データでは、背景色(ステージ226の色)と対象物の色(リード部品410の色)との差が少ないため、リード部品410の輪郭が明確とならず、リード部品410の姿勢等を判定できない場合がある。
このため、ばら部品供給装置32では、リード部品410の色相に応じて、ステージ226が変更される。詳しくは、ステージ226は、上述したように、部品支持部材220の基台に着脱可能とされている。また、ばら部品供給装置32では、部品の支持面が白色のステージ226aと、部品の支持面が黒色のステージ226bとの2種類のステージが用意されている。このため、ばら部品供給装置32による供給予定のリード部品410が白色である場合には、図11に示すように、部品支持部材220に黒色のステージ226bが装着される。これにより、図から解るように、背景色(ステージ226の色)と対象物の色(リード部品410の色)との差が大きくなることで、リード部品410の輪郭が明確となり、リード部品410の姿勢等を適切に判定することが可能となる。
また、ばら部品供給装置32による供給予定のリード部品410が黒色である場合には、図12に示すように、部品支持部材220に白色のステージ226aが装着される。これにより、図から解るように、背景色(ステージ226の色)と対象物の色(リード部品410の色)との差が大きくなることで、リード部品410の輪郭が明確となり、リード部品410の姿勢等を適切に判定することが可能となる。
このように、ばら部品供給装置32では、供給予定のリード部品410の色と異なる色相のステージ226が部品支持部材220に装着されることで、適切にリード部品410の姿勢等を判定することが可能となっている。なお、ばら部品供給装置32では、作業者が、供給予定のリード部品410に関する情報を入力することで、そのリード部品410に応じたステージが案内表示される。
詳しくは、ばら部品供給装置32の個別制御装置452には、リード部品と、そのリード部品の色と異なる色相のステージとが関連付けて記憶されている。つまり、白色系のリード部品は、黒色のステージ226bと関連付けられており、黒色系のリード部品は、白色のステージ226bと関連付けられている。そして、作業者が、供給予定のリード部品に関する情報を入力すると、その情報に応じたリード部品と関連付けられているステージ226が特定され、その特定されたステージ226を案内する旨の情報が、表示パネル(図示省略)に表示される。これにより、作業者は、供給予定のリード部品の色に応じたステージ226を、部品支持部材220に装着することが可能となる。
また、上述したステージの案内表示機能を利用せずに、供給予定のリード部品410と同色系のステージが部品支持部材220に装着された場合、つまり、図10に示すように、供給予定のリード部品410が白色であるにも拘らず、部品支持部材220に白色のステージ226aが装着された場合には、リード部品410の姿勢等を適切に認識できない虞がある。このため、このような場合には、リード部品410の姿勢等を適切に認識できない旨の情報が、表示パネルに表示される。
詳しくは、部品支持部材220のステージ226上に散在されたリード部品410が、カメラ290により撮像された際に、その撮像データに基づいて、ステージ226上のリード部品410の数と、部品の姿勢等を認識可能なリード部品410の数とが演算される。さらに、ステージ226上のリード部品410の数に対する部品の姿勢等を認識可能なリード部品410の数の比率(以下、「認識率」と記載する場合がある)が演算される。そして、認識率が予め設定された閾率より低いか否かが判定され、認識率が閾率より低い場合に、認識率が低いため、リード部品410の姿勢等を適切に認識できない旨の情報が、表示パネルに表示される。これにより、ステージ226の交換を作業者に促すことが可能となり、供給予定のリード部品410と異なる色相のステージ226が部品支持部材220に装着される。
このように、ばら部品供給装置32では、ステージの案内表示機能および、認識率が低い旨の画像の表示により、供給予定のリード部品410と異なる色相のステージ226を、確実に部品支持部材220に装着することが可能となる。
そして、上述した手順に従って、ピックアップ対象部品が特定されると、そのピックアップ対象部品が、部品保持ヘッド302の吸着ノズル332により保持される。なお、吸着ノズル332によってピックアップ対象部品が吸着保持される際には、吸着ノズル332は、非旋回位置に位置している。そして、リード部品410が吸着ノズル332によって保持された後に、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動させられる。この際、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品受取位置に移動する。また、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動する際に、吸着ノズル332は、旋回位置に旋回される。なお、旋回位置の吸着ノズル332に保持されたリード部品410のリード414が、鉛直方向での下方を向くように、吸着ノズル332は、ノズル回転装置335の作動により、回転される。
部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動すると、リード414が鉛直方向での下方を向いた状態のリード部品410が、部品受け部材392の部品受容凹部416内に挿入される。これにより、リード部品410は、図7に示すように、リード414を鉛直方向での下方に向けた状態で、部品受け部材392に載置される。
そして、リード部品410が部品受け部材392に載置されると、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品供給位置に移動する。部品供給位置に移動した部品キャリヤ388は、作業ヘッド60,62の移動範囲に位置しているため、ばら部品供給装置32では、この位置においてリード部品410が供給される。このように、ばら部品供給装置32では、リード414が下方を向き、リード414が接続された底面と対向する上面が上方を向いた状態で、リード部品410が供給される。このため、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66は、適切にリード部品410を保持することが可能となる。
(b)リード部品の回収
また、ばら部品供給装置32では、部品支持部材220の上に散在するリード部品410を回収することが可能である。詳しくは、部品支持部材220が、部品支持部材移動装置222の作動により、部品供給器88の下方に向かって移動させられる。この際、図13に示すように、部品支持部材220のステージ226上のリード部品410は、部品供給器88の傾斜板152によって堰き止められ、ステージ226上のリード部品410が、部品回収容器262の内部に掻き落とされる。
次に、部品回収容器262が、容器昇降装置260の作動により、上昇する。この際、図5に示すように、部品回収容器262に配設された突出ピン272が、サイドフレーム部190の内側に配設された係合ブロック274に係合する。これにより、部品回収容器262は回動し、部品回収容器262内のリード部品410が、部品収納器100の内部に戻される。
そして、作業者が、部品供給器88のグリップ104を把持することで、上述したように、部品供給器88のロックが解除され、部品供給器88を持ち上げることで、部品供給器88が1対のサイドフレーム部190の間から取り外される。これにより、ばら部品供給装置32の外部において、部品供給器88からリード部品410が回収される。
なお、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、図8に示すように、記憶部510、取得部512、第1報知部514、演算部516、第2報知部518を有している。記憶部510は、リード部品と、そのリード部品の色と異なる色相のステージとを関連付けて記憶するための機能部である。取得部512は、上記ステージの案内表示機能を利用する際に、作業者が入力したリード部品に関する情報を取得するための機能部である。第1報知部514は、作業者が入力した情報に応じたリード部品に適したステージを、表示パネルに表示するための機能部である。演算部516は、認識率を演算するための機能部である。第2報知部518は、認識率が閾率より低い場合に、その旨を表示パネルに表示させるための機能部である。
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、供給予定の部品の色相に応じてステージ226が交換されているが、供給予定の部品の形状に応じてステージ226を交換することが可能である。
具体的に、例えば、供給予定の部品が、電解コンデンサである場合について考えてみる。電解コンデンサ520は、図14に示すように、概して円筒状の部品本体522と、その部品本体522の端面に配設されたリード524とによって構成されている。このため、電解コンデンサ520が、上記ステージ226a、226bの上に散在された場合には、ステージ226a、226bの上で転がり、電解コンデンサ520を適切に保持できない虞がある。
そこで、ばら部品供給装置32には、ステージ226a、226bの他にステージ226cが用意されている。このステージ226cには、電解コンデンサ520の部品本体522の外径に応じた形状の複数の溝530が形成されている。このため、ステージ226cが部品支持部材220に装着されることで、ステージ226c上に散在された電解コンデンサ520は、溝530の内部に嵌る。これにより、ステージ226c上に散在された電解コンデンサ520の転がりを防止することが可能となり、電解コンデンサ520を適切に保持することが可能となる。
また、上記実施例では、黒色のステージ226aと白色のステージ226bとの2色のステージしか用意されていないが、茶色、赤色等の種々の色のステージを用意し、それら種々の色のステージのうちの任意の色のステージを部品支持部材220に装着することが可能である。
また、上記実施例では、部品に応じたステージ、認識率が低い旨の情報等が、表示パネルに表示されることで、作業者に報知されているが、音声、光等を用いて、部品に応じたステージ、認識率が低い旨の情報等を作業者に報知することが可能である。
また、上記実施例では、リードを有する部品に本発明が適用されているが、種々の種類の部品に本発明を適用することが可能である。具体的には、例えば、太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品,リードを有さない電子回路部品等に、本発明を適用することが可能である。
32:ばら部品供給装置(部品供給装置) 84:撮像装置 220:部品支持部材(部品支持部) 226:ステージ 332:吸着ノズル(部品保持具) 452:個別制御装置(制御装置) 510:記憶部 512:取得部 514:第1報知部 516:演算部 518:第2報知部
本発明は、複数の部品を散在された状態で支持するステージから部品を供給する部品供給装置、および部品実装機に関するものである。
部品供給装置には、複数の部品を散在された状態で支持するステージを撮像し、
その撮像データに基づいて、ステージに支持されている部品を部品保持具によって保持する構造の装置が存在する。このような構造の部品供給装置では、ステージ上の部品を適切に保持するべく、撮像データに基づいて、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報を取得する必要がある。下記特許文献には、撮像データの処理手法の一例が記載されている。
上記特許文献に記載の技術によれば、撮像データに基づいて、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報をある程度、取得することが可能となる。しかしながら、さらに精度よく、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報を取得することが望まれている。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報を精度よく取得することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に記載の部品供給装置は、複数の部品を散在された状態で支持するステージと、前記ステージが着脱可能に装着される部品支持部と、前記ステージに支持されている部品を撮像する撮像装置とを備え、前記ステージが、複数種類用意されており、それら複数種類のステージのうちの前記散在される部品に応じたステージが、選択的に前記部品支持部に着脱可能に装着されることを特徴とする。また、上記課題を解決するために、本発明に記載の部品実装機は、複数の部品を散在された状態で支持するステージと、前記ステージが着脱可能に装着される部品支持部と、前記ステージに支持されている部品を撮像する撮像装置と、前記撮像装置により撮像された撮像データに基づいて、前記ステージに支持されている部品を保持する部品保持具とを備え、前記ステージが、複数種類用意されており、それら複数種類のステージのうちの前記散在される部品に応じたステージが、選択的に前記部品支持部に着脱可能に装着されることを特徴とする。
本発明に記載の部品供給装置、および部品実装機では、ステージが、複数種類用意されており、それら複数種類のステージのうちの散在される部品に応じたステージステージが、選択的に部品支持部に着脱可能に装着される。これにより、例えば、供給予定の部品の色と異なる色相のステージを、部品支持部に装着することが可能となる。具体的には、例えば、供給予定の部品が白色である場合に、黒色のステージが部品支持部に装着されていると、その黒色のステージ上で支持される白色の部品を、背景色と対象物とのコントラストにより、明確に認識することが可能となる。これにより、撮像データに基づいて、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報を精度よく取得することが可能となる。また、例えば、円筒形状の部品が供給される際に、その円筒形状の部品が、平らなステージ上に散在されると、部品がステージ上で転がり、適切な撮像データを得ることができない場合がある。このような場合に、例えば、溝が形成されたステージを部品支持部に装着することで、円筒形状の部品が溝に嵌り、部品の転がりを防止することが可能となる。これにより、ステージ上の部品を適切に撮像し、その撮像データに基づいて、ステージ上の部品の位置、姿勢等に関する情報を精度よく取得することが可能となる。
部品実装機を示す斜視図である。
部品実装機の部品装着装置を示す斜視図である。
ばら部品供給装置を示す斜視図である。
部品供給ユニットを示す斜視図である。
部品回収容器が上昇端位置に上昇した状態の部品供給ユニットを示す斜視図である。
部品保持ヘッドを示す斜視図である。
リード部品が収納された状態の部品受け部材を示す図である。
部品実装機の制御装置を示すブロック図である。
部品散在状態実現装置を示す斜視図である。
白色のステージの上に白色のリード部品が散在された状態を示す図である。
黒色のステージの上に白色のリード部品が散在された状態を示す図である。
白色のステージの上に黒色のリード部品が散在された状態を示す図である。
部品散在状態実現装置および部品戻し装置を示す斜視図である。
溝が形成されたステージの上に円筒形状の部品が散在された状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
<部品実装機の構成>
図1に、部品実装機10を示す。部品実装機10は、回路基材12に対する部品の実装作業を実行するための装置である。部品実装機10は、装置本体20、基材搬送保持装置22、部品装着装置24、撮像装置26,28、部品供給装置30、ばら部品供給装置32、制御装置(図8参照)34を備えている。なお、回路基材12として、回路基板、三次元構造の基材等が挙げられ、回路基板として、プリント配線板、プリント回路板等が挙げられる。
装置本体20は、フレーム部40と、そのフレーム部40に上架されたビーム部42とによって構成されている。基材搬送保持装置22は、フレーム部40の前後方向の中央に配設されており、搬送装置50とクランプ装置52とを有している。搬送装置50は、回路基材12を搬送する装置であり、クランプ装置52は、回路基材12を保持する装置である。これにより、基材搬送保持装置22は、回路基材12を搬送するとともに、所定の位置において、回路基材12を固定的に保持する。なお、以下の説明において、回路基材12の搬送方向をX方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY方向と称し、鉛直方向をZ方向と称する。つまり、部品実装機10の幅方向は、X方向であり、前後方向は、Y方向である。
部品装着装置24は、ビーム部42に配設されており、2台の作業ヘッド60,62と作業ヘッド移動装置64とを有している。各作業ヘッド60,62は、吸着ノズル(図2参照)66を有しており、吸着ノズル66によって部品を保持する。また、作業ヘッド移動装置64は、X方向移動装置68とY方向移動装置70とZ方向移動装置72とを有している。そして、X方向移動装置68とY方向移動装置70とによって、2台の作業ヘッド60,62は、一体的にフレーム部40上の任意の位置に移動させられる。また、各作
業ヘッド60,62は、図2に示すように、スライダ74,76に着脱可能に装着されており、Z方向移動装置72は、スライダ74,76を個別に上下方向に移動させる。つまり、作業ヘッド60,62は、Z方向移動装置72によって、個別に上下方向に移動させられる。
撮像装置26は、下方を向いた状態でスライダ74に取り付けられており、作業ヘッド60とともに、X方向,Y方向およびZ方向に移動させられる。これにより、撮像装置26は、フレーム部40上の任意の位置を撮像する。撮像装置28は、図1に示すように、フレーム部40上の基材搬送保持装置22と部品供給装置30との間に、上を向いた状態で配設されている。これにより、撮像装置28は、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66に保持された部品を撮像する。
部品供給装置30は、フレーム部40の前後方向での一方側の端部に配設されている。部品供給装置30は、トレイ型部品供給装置78とフィーダ型部品供給装置(図示省略)とを有している。トレイ型部品供給装置78は、トレイ上に載置された状態の部品を供給する装置である。フィーダ型部品供給装置は、テープフィーダ(図示省略)、スティックフィーダ(図示省略)によって部品を供給する装置である。
ばら部品供給装置32は、フレーム部40の前後方向での他方側の端部に配設されている。ばら部品供給装置32は、ばらばらに散在された状態の複数の部品を整列させて、整列させた状態で部品を供給する装置である。つまり、任意の姿勢の複数の部品を、所定の姿勢に整列させて、所定の姿勢の部品を供給する装置である。以下に、部品供給装置32の構成について詳しく説明する。なお、部品供給装置30および、ばら部品供給装置32によって供給される部品として、電子回路部品,太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品等が挙げられる。また、電子回路部品には、リードを有する部品,リードを有さない部品等が有る。
ばら部品供給装置32は、図3に示すように、本体80と、部品供給ユニット82と、撮像装置84と、部品引渡し装置86とを有している。
(a)部品供給ユニット
部品供給ユニット82は、部品供給器88と部品散在状態実現装置90と部品戻し装置92とを含み、それら部品供給器88と部品散在状態実現装置90と部品戻し装置92とが一体的に構成されたものである。部品供給ユニット82は、本体80のベース96に着脱可能に組み付けられており、ばら部品供給装置32では、5台の部品供給ユニット82が、X方向に1列に並んで配設されている。
(i)部品供給器
部品供給器88は、図4に示すように、部品収納器100とハウジング102とグリップ104とを含む。部品収納器100は、概して直方体形状をなし、上面と前面とが開口している。その部品収納器100の底面は、傾斜面116となっており、部品収納器100の開口する前面に向かって傾斜している。
ハウジング102は、1対の側壁120を有しており、それら1対の側壁120の間において、部品収納器100が搖動可能に保持されている。また、1対の側壁120の間には、部品収納器100の前面の下端部の前方に位置するように、傾斜板152が固定的に配設されている。傾斜板152は、前方に向かうほど下降するように傾斜している。
グリップ104は、ハウジング102の後方側の端部に配設されており、固定把持部材170と可動把持部材172とによって構成されている。可動把持部材172は、固定把
持部材170に対して接近・離間可能とされている。そして、可動把持部材172が、連結アーム(図示省略)によって部品収納器100の後面に連結されている。これにより、グリップ104が把持されることで、可動把持部材172が、固定把持部材170に対して接近・離間し、部品収納器100が1対の側壁120の間で搖動する。
また、部品供給器88は、ベース96に組み付けられている1対のサイドフレーム部190の間に配設されており、ベース96に着脱可能とされている。なお、グリップ104の可動把持部材172の下端部には、ロック機構(図示省略)が設けられており、グリップ104が把持されることで、そのロック機構が解除される。つまり、作業者が部品供給器88のグリップ104を把持した状態で、部品供給器88を持ち上げることで、部品供給器88が1対のサイドフレーム部190の間から取り外される。
(ii)部品散在状態実現装置
部品散在状態実現装置90は、部品支持部材220と部品支持部材移動装置222と供給器振動装置224とを含む。部品支持部材220は、ステージ226と側壁部228とによって構成されている。ステージ226は、概して長手形状の板形状をなし、部品供給器88の傾斜板152の下方から前方に延び出すように、配設されている。なお、ステージ226は、部品支持部材220の基台(図示省略)の上にボルトにより着脱可能とされている。また、側壁部228は、ステージ226の長手方向の両側部を囲うように、部品支持部材220の基台に固定されている。
部品支持部材移動装置222は、部品支持部材220を前後方向に電磁モータ(図8参照)223の駆動により移動させる装置である。これにより、部品支持部材220は、部品供給器88の傾斜板152の下端から僅かに下方において、部品支持部材220の上面が水平な状態で、前後方向に移動する。
供給器振動装置224は、カム部材240とカムフォロワ242とストッパ244とを含む。カム部材240は、板状をなし、側壁部228の外側の側面に、前後方向に延びるように固定されている。カム部材240の上端部には、複数の歯245が前後方向に等間隔で形成されている。カムフォロワ242は、レバー252とローラ254とを含む。レバー252は、部品供給器88の側壁120の下端部に配設されており、上端部を中心に揺動可能とされている。ローラ254は、レバー252の下端部において、回転可能に保持されている。なお、レバー252は、コイルばね(図示省略)の弾性力によって前方に向かう方向に付勢されている。また、ストッパ244は、側壁120に突状に設けられており、コイルばねの弾性力により付勢されたレバー252が、ストッパ244に接触している。
(iii)部品戻し装置
部品戻し装置92は、図5に示すように、容器昇降装置260と部品回収容器262とを含む。容器昇降装置260は、エアシリンダ266と昇降部材268とを含み、昇降部材268は、エアシリンダ266の作動により、昇降する。また、エアシリンダ266は、部品支持部材220の前方側の端部に固定されている。これにより、エアシリンダ266は、部品支持部材移動装置222の作動により、部品支持部材220と共に前後方向に移動する。
部品回収容器262は、昇降部材268の上面に配設されており、エアシリンダ266の作動により、上下方向に移動する。部品回収容器262は、上面が開口する箱状をなし、昇降部材268の上面において、回動可能に保持されている。その部品回収容器262の後方側の端部には、図4に示すように、突出ピン272が配設されている。突出ピン272は、部品回収容器262の側方での外側に向かって突出している。また、サイドフレ
ーム部190の前方側の上端部の内側には、係合ブロック274が固定されている。そして、図5に示すように、部品回収容器262が、エアシリンダ266の作動により上昇端位置まで上昇する際に、突出ピン272が係合ブロック274に係合する。これにより、部品回収容器262は、回動する。
(b)撮像装置
撮像装置84は、図3に示すように、カメラ290とカメラ移動装置292とを含む。カメラ移動装置292は、ガイドレール296とスライダ298とを含む。ガイドレール296は、部品供給器88の上方において、ばら部品供給装置32の幅方向に延びるように、本体80に固定されている。スライダ298は、ガイドレール296にスライド可能に取り付けられており、電磁モータ(図8参照)299の作動により、任意の位置にスライドする。また、カメラ290は、下方を向いた状態でスライダ298に装着されている。
(c)部品引渡し装置
部品引渡し装置86は、図3に示すように、部品保持ヘッド移動装置300と部品保持ヘッド302と2台のシャトル装置304とを含む。
部品保持ヘッド移動装置300は、X方向移動装置310とY方向移動装置312とZ方向移動装置314とを含む。Y方向移動装置312は、X方向に延びるように、部品供給ユニット82の上方に配設されたYスライダ316を有しており、Yスライダ316は、電磁モータ(図8参照)319の駆動により、Y方向の任意の位置に移動する。X方向移動装置310は、Yスライダ316の側面に配設されたXスライダ320を有しており、Xスライダ320は、電磁モータ(図8参照)321の駆動により、X方向の任意の位置に移動する。Z方向移動装置314は、Xスライダ320の側面に配設されたZスライダ322を有しており、Zスライダ322は、電磁モータ(図8参照)323の駆動により、Z方向の任意の位置に移動する。
部品保持ヘッド302は、図6に示すように、ヘッド本体330と吸着ノズル332とノズル旋回装置334とノズル回転装置335とを含む。ヘッド本体330は、Zスライダ322と一体的に形成されている。吸着ノズル332は、部品を保持するものであり、ホルダ340の下端部に着脱可能に装着されている。ホルダ340は、支持軸344において屈曲可能とされており、ノズル旋回装置334の作動により、ホルダ340が上方向に90度屈曲する。これにより、ホルダ340の下端部に装着されている吸着ノズル332は、90度旋回し、旋回位置に位置する。つまり、吸着ノズル332は、ノズル旋回装置334の作動により、非旋回位置と旋回位置との間で旋回する。また、ノズル回転装置335は、吸着ノズル332をそれの軸心周りに回転させる。
また、2台のシャトル装置304の各々は、図3に示すように、部品キャリヤ388と部品キャリヤ移動装置390とを含み、部品供給ユニット82の前方側に横方向に並んで、本体80に固定されている。部品キャリヤ388には、5個の部品受け部材392が、横方向に一列に並んだ状態で装着されており、各部品受け部材392に、部品が載置される。
詳しくは、ばら部品供給装置32で供給される部品は、図7に示すように、リードを有する電子回路部品(以下、「リード部品」と略す場合がある)410であり、リード部品410は、ブロック状の部品本体412と、部品本体412の底面から突出する2本のリード414とから構成されている。また、部品受け部材392には、部品受容凹部416が形成されている。部品受容凹部416は、段付き形状の凹部であり、部品受け部材392の上面に開口する本体部受容凹部418と、その本体部受容凹部418の底面に開口す
るリード受容凹部420とから構成されている。そして、リード部品410は、リード414が下方を向く姿勢で、部品受容凹部416の内部に挿入される。これにより、リード414がリード受容凹部420に挿入されるとともに、部品本体412が本体部受容凹部418に挿入された状態で、リード部品410が部品受容凹部416の内部に載置される。
また、部品キャリヤ移動装置390は、図3に示すように、板状の長手部材であり、前後方向に延びるように、部品供給ユニット82の前方側に配設されている。部品キャリヤ移動装置390の上面には、部品キャリヤ388が前後方向にスライド可能に配設されており、電磁モータ(図8参照)430の駆動により、前後方向の任意の位置にスライドする。なお、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット82に接近する方向にスライドした際には、部品保持ヘッド移動装置300による部品保持ヘッド302の移動範囲内に位置する部品受取位置までスライドする。一方、部品キャリヤ388が、部品供給ユニット82から離れる方向にスライドした際には、作業ヘッド移動装置64による作業ヘッド60,62の移動範囲内に位置する部品供給位置までスライドする。
また、制御装置34は、図8に示すように、統括制御装置450と、複数の個別制御装置(図では1つのみ図示されている)452と、画像処理装置454と、記憶装置456とを含む。統括制御装置450は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に接続されている。これにより、統括制御装置450は、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32を統括して制御する。複数の個別制御装置452は、コンピュータを主体として構成されたものであり、基材搬送保持装置22,部品装着装置24,撮像装置26,撮像装置28,部品供給装置30,ばら部品供給装置32に対応して設けられている(図では、ばら部品供給装置32に対応する個別制御装置452のみが図示されている)。ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品散在状態実現装置90,部品戻し装置92,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、部品散在状態実現装置90,部品戻し装置92,カメラ移動装置292,部品保持ヘッド移動装置300,部品保持ヘッド302,シャトル装置304を制御する。また、画像処理装置454は、撮像装置84に接続されており、撮像装置84により撮像された撮像データを処理する。その画像処理装置454は、ばら部品供給装置32の個別制御装置452に接続されている。これにより、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、撮像装置84により撮像された撮像データを取得する。また、記憶装置456は、各種データを記憶しており、個別制御装置452に接続されている。これにより、個別制御装置452は、記憶装置456から各種データを取得する。
<部品実装機の作動>
部品実装機10は、上述した構成によって、基材搬送保持装置22に保持された回路基材12に対して部品の装着作業が行われる。具体的には、回路基材12が、作業位置まで搬送され、その位置において、クランプ装置52によって固定的に保持される。次に、撮像装置26が、回路基材12の上方に移動し、回路基材12を撮像する。これにより、回路基材12の保持位置の誤差に関する情報が得られる。また、部品供給装置30若しくは、ばら部品供給装置32は、所定の供給位置において、部品を供給する。なお、ばら部品供給装置32による部品の供給に関しては、後で詳しく説明する。そして、作業ヘッド60,62の何れかが、部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル66によって部品を保持する。続いて、部品を保持した作業ヘッド60,62が、撮像装置28の上方に移動し、撮像装置28によって、吸着ノズル66に保持された部品が撮像される。これにより、部品の保持位置の誤差に関する情報が得られる。そして、部品を保持した作業ヘッド60
,62が、回路基材12の上方に移動し、保持している部品を、回路基材12の保持位置の誤差,部品の保持位置の誤差等を補正し、回路基材12上に装着する。
<ばら部品供給装置の作動>
(a)ばら部品供給装置によるリード部品の供給
ばら部品供給装置32では、リード部品410が、作業者によって部品供給器88の部品収納器100に投入され、その投入されたリード部品410が、部品供給ユニット82,部品引渡し装置86の作動により、部品キャリヤ388の部品受け部材392に載置された状態で供給される。詳しくは、作業者は、部品供給器88の部品収納器100の上面の開口から、リード部品410を投入する。この際、部品支持部材220は、部品支持部材移動装置222の作動により、部品供給器88の下方に移動しており、部品供給器88の前方には、部品回収容器262が位置している。
部品収納器100の上面の開口から投入されたリード部品410は、部品収納器100の傾斜面116の上に落下し、傾斜面116上に広がる。この際、傾斜面116に落下したリード部品410が、傾斜板152を超えて転がり落ちた場合には、部品供給器88の前方に位置する部品回収容器262に収容される。
部品収納器100へのリード部品410の投入後に、部品支持部材220が、部品支持部材移動装置222の作動により、部品供給器88の下方から前方に向かって移動させられる。この際、カム部材240がカムフォロワ242に至れば、図9に示すように、カムフォロワ242のローラ254が、カム部材240の歯245を乗り越える。カムフォロワ242のレバー252は、コイルばねの弾性力によって前方に向かう方向に付勢されており、レバー252の前方への付勢は、ストッパ244によって規制されている。このため、部品支持部材220が前方に向かって移動する際には、ローラ254と歯245とが噛み合った状態に維持され、レバー252は前方に向かって回動せず、ローラ254は、歯245を乗り越える。この際、部品供給器88は、ローラ254の歯245の乗り越えにより、昇降する。つまり、ローラ254が歯245に噛み合った状態で、部品支持部材220が前方に向かって移動することで、ローラ254が複数の歯245を乗り越え、部品供給器88が上下方向に連続して振動する。
部品収納器100の傾斜面116上に広がっているリード部品410は、部品供給器88の振動と傾斜面116の傾斜により、前方に移動し、傾斜板152を介して、部品支持部材220のステージ226の上面に排出される。この際、部品支持部材220の側壁部228によって、ステージ226からのリード部品410の落下が防止される。そして、部品支持部材220が前方に向かって移動することで、ステージ226の上面に、リード部品410が散在される。
なお、部品収納器100の内部から部品支持部材220のステージ226の上にリード部品410が散在されると、図10に示すように、リード部品410は、概ね2つの姿勢でステージ226の上に散在される。具体的には、リード部品410は、2本のリード414が概して水平方向に並んだ状態の姿勢(以下、「第1姿勢」と記載する場合がある)と、2本のリード414が概して鉛直方向に並んだ状態の姿勢(以下、「第2姿勢」と記載する場合がある)との2つの姿勢で、ステージ226の上に散在される。
リード部品410が、上述したようにステージ226の上に散在されると、撮像装置84のカメラ290が、カメラ移動装置292の作動により、部品支持部材220の上方に移動し、リード部品410を撮像する。そして、カメラ290により撮像された撮像データに基づいて、ピックアップの対象となるリード部品(以下、「ピックアップ対象部品」と略す場合がある)が、特定される。
具体的には、カメラ290の撮像データに基づいて、ステージ226上に散在されている複数の部品毎に、部品の姿勢と、部品の位置が演算される。そして、演算された部品の姿勢が第1姿勢であるリード部品410のみが、ピックアップ対象部品として特定される。これは、第1姿勢のリード部品410では、表面積の大きい側面500が上方を向いており、その側面500を吸着ノズル332により保持することが可能であるが、第2姿勢のリード部品410では、表面積の小さい側面502が上方を向いており、その側面502を吸着ノズル332により保持することができないためである。
そして、ピックアップ対象部品が特定されると、その特定されたピックアップ対象部品が吸着ノズル332により吸着保持されるが、ステージ226の色相と、リード部品410の色相とが近似している場合には、ピックアップ対象部品を適切に特定できない場合がある。具体的には、例えば、図10に示されるステージ226は、概して白色である。一方、そのステージ226の上に散在されているリード部品410の色相も、概して白色である。この際、ステージ226の上方からカメラ290により撮像された撮像データでは、背景色(ステージ226の色)と対象物の色(リード部品410の色)との差が少ないため、リード部品410の輪郭が明確とならず、リード部品410の姿勢等を判定できない場合がある。
このため、ばら部品供給装置32では、リード部品410の色相に応じて、ステージ226が変更される。詳しくは、ステージ226は、上述したように、部品支持部材220の基台に着脱可能とされている。また、ばら部品供給装置32では、部品の支持面が白色のステージ226aと、部品の支持面が黒色のステージ226bとの2種類のステージが用意されている。このため、ばら部品供給装置32による供給予定のリード部品410が白色である場合には、図11に示すように、部品支持部材220に黒色のステージ226bが装着される。これにより、図から解るように、背景色(ステージ226の色)と対象物の色(リード部品410の色)との差が大きくなることで、リード部品410の輪郭が明確となり、リード部品410の姿勢等を適切に判定することが可能となる。
また、ばら部品供給装置32による供給予定のリード部品410が黒色である場合には、図12に示すように、部品支持部材220に白色のステージ226aが装着される。これにより、図から解るように、背景色(ステージ226の色)と対象物の色(リード部品410の色)との差が大きくなることで、リード部品410の輪郭が明確となり、リード部品410の姿勢等を適切に判定することが可能となる。
このように、ばら部品供給装置32では、供給予定のリード部品410の色と異なる色相のステージ226が部品支持部材220に装着されることで、適切にリード部品410の姿勢等を判定することが可能となっている。なお、ばら部品供給装置32では、作業者が、供給予定のリード部品410に関する情報を入力することで、そのリード部品410に応じたステージが案内表示される。
詳しくは、ばら部品供給装置32の個別制御装置452には、リード部品と、そのリード部品の色と異なる色相のステージとが関連付けて記憶されている。つまり、白色系のリード部品は、黒色のステージ226bと関連付けられており、黒色系のリード部品は、白色のステージ226bと関連付けられている。そして、作業者が、供給予定のリード部品に関する情報を入力すると、その情報に応じたリード部品と関連付けられているステージ226が特定され、その特定されたステージ226を案内する旨の情報が、表示パネル(図示省略)に表示される。これにより、作業者は、供給予定のリード部品の色に応じたステージ226を、部品支持部材220に装着することが可能となる。
また、上述したステージの案内表示機能を利用せずに、供給予定のリード部品410と同色系のステージが部品支持部材220に装着された場合、つまり、図10に示すように、供給予定のリード部品410が白色であるにも拘らず、部品支持部材220に白色のステージ226aが装着された場合には、リード部品410の姿勢等を適切に認識できない虞がある。このため、このような場合には、リード部品410の姿勢等を適切に認識できない旨の情報が、表示パネルに表示される。
詳しくは、部品支持部材220のステージ226上に散在されたリード部品410が、カメラ290により撮像された際に、その撮像データに基づいて、ステージ226上のリード部品410の数と、部品の姿勢等を認識可能なリード部品410の数とが演算される。さらに、ステージ226上のリード部品410の数に対する部品の姿勢等を認識可能なリード部品410の数の比率(以下、「認識率」と記載する場合がある)が演算される。そして、認識率が予め設定された閾率より低いか否かが判定され、認識率が閾率より低い場合に、認識率が低いため、リード部品410の姿勢等を適切に認識できない旨の情報が、表示パネルに表示される。これにより、ステージ226の交換を作業者に促すことが可能となり、供給予定のリード部品410と異なる色相のステージ226が部品支持部材220に装着される。
このように、ばら部品供給装置32では、ステージの案内表示機能および、認識率が低い旨の画像の表示により、供給予定のリード部品410と異なる色相のステージ226を、確実に部品支持部材220に装着することが可能となる。
そして、上述した手順に従って、ピックアップ対象部品が特定されると、そのピックアップ対象部品が、部品保持ヘッド302の吸着ノズル332により保持される。なお、吸着ノズル332によってピックアップ対象部品が吸着保持される際には、吸着ノズル332は、非旋回位置に位置している。そして、リード部品410が吸着ノズル332によって保持された後に、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動させられる。この際、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品受取位置に移動する。また、部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動する際に、吸着ノズル332は、旋回位置に旋回される。なお、旋回位置の吸着ノズル332に保持されたリード部品410のリード414が、鉛直方向での下方を向くように、吸着ノズル332は、ノズル回転装置335の作動により、回転される。
部品保持ヘッド302が部品キャリヤ388の上方に移動すると、リード414が鉛直方向での下方を向いた状態のリード部品410が、部品受け部材392の部品受容凹部416内に挿入される。これにより、リード部品410は、図7に示すように、リード414を鉛直方向での下方に向けた状態で、部品受け部材392に載置される。
そして、リード部品410が部品受け部材392に載置されると、部品キャリヤ388は、部品キャリヤ移動装置390の作動により、部品供給位置に移動する。部品供給位置に移動した部品キャリヤ388は、作業ヘッド60,62の移動範囲に位置しているため、ばら部品供給装置32では、この位置においてリード部品410が供給される。このように、ばら部品供給装置32では、リード414が下方を向き、リード414が接続された底面と対向する上面が上方を向いた状態で、リード部品410が供給される。このため、作業ヘッド60,62の吸着ノズル66は、適切にリード部品410を保持することが可能となる。
(b)リード部品の回収
また、ばら部品供給装置32では、部品支持部材220の上に散在するリード部品410を回収することが可能である。詳しくは、部品支持部材220が、部品支持部材移動装
置222の作動により、部品供給器88の下方に向かって移動させられる。この際、図13に示すように、部品支持部材220のステージ226上のリード部品410は、部品供給器88の傾斜板152によって堰き止められ、ステージ226上のリード部品410が、部品回収容器262の内部に掻き落とされる。
次に、部品回収容器262が、容器昇降装置260の作動により、上昇する。この際、図5に示すように、部品回収容器262に配設された突出ピン272が、サイドフレーム部190の内側に配設された係合ブロック274に係合する。これにより、部品回収容器262は回動し、部品回収容器262内のリード部品410が、部品収納器100の内部に戻される。
そして、作業者が、部品供給器88のグリップ104を把持することで、上述したように、部品供給器88のロックが解除され、部品供給器88を持ち上げることで、部品供給器88が1対のサイドフレーム部190の間から取り外される。これにより、ばら部品供給装置32の外部において、部品供給器88からリード部品410が回収される。
なお、ばら部品供給装置32の個別制御装置452は、図8に示すように、記憶部510、取得部512、第1報知部514、演算部516、第2報知部518を有している。記憶部510は、リード部品と、そのリード部品の色と異なる色相のステージとを関連付けて記憶するための機能部である。取得部512は、上記ステージの案内表示機能を利用する際に、作業者が入力したリード部品に関する情報を取得するための機能部である。第1報知部514は、作業者が入力した情報に応じたリード部品に適したステージを、表示パネルに表示するための機能部である。演算部516は、認識率を演算するための機能部である。第2報知部518は、認識率が閾率より低い場合に、その旨を表示パネルに表示させるための機能部である。
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、供給予定の部品の色相に応じてステージ226が交換されているが、供給予定の部品の形状に応じてステージ226を交換することが可能である。
具体的に、例えば、供給予定の部品が、電解コンデンサである場合について考えてみる。電解コンデンサ520は、図14に示すように、概して円筒状の部品本体522と、その部品本体522の端面に配設されたリード524とによって構成されている。このため、電解コンデンサ520が、上記ステージ226a、226bの上に散在された場合には、ステージ226a、226bの上で転がり、電解コンデンサ520を適切に保持できない虞がある。
そこで、ばら部品供給装置32には、ステージ226a、226bの他にステージ226cが用意されている。このステージ226cには、電解コンデンサ520の部品本体522の外径に応じた形状の複数の溝530が形成されている。このため、ステージ226cが部品支持部材220に装着されることで、ステージ226c上に散在された電解コンデンサ520は、溝530の内部に嵌る。これにより、ステージ226c上に散在された電解コンデンサ520の転がりを防止することが可能となり、電解コンデンサ520を適切に保持することが可能となる。
また、上記実施例では、黒色のステージ226aと白色のステージ226bとの2色のステージしか用意されていないが、茶色、赤色等の種々の色のステージを用意し、それら種々の色のステージのうちの任意の色のステージを部品支持部材220に装着することが可能である。
また、上記実施例では、部品に応じたステージ、認識率が低い旨の情報等が、表示パネルに表示されることで、作業者に報知されているが、音声、光等を用いて、部品に応じたステージ、認識率が低い旨の情報等を作業者に報知することが可能である。
また、上記実施例では、リードを有する部品に本発明が適用されているが、種々の種類の部品に本発明を適用することが可能である。具体的には、例えば、太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品,リードを有さない電子回路部品等に、本発明を適用することが可能である。
32:ばら部品供給装置(部品供給装置) 84:撮像装置 220:部品支持部材(部品支持部) 226:ステージ 332:吸着ノズル(部品保持具) 452:個別制御装置(制御装置) 510:記憶部 512:取得部 514:第1報知部 516:演算部 518:第2報知部