JP2019166901A - シートベルト装置 - Google Patents

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祐史 植田
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実嗣 川尻
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Abstract

【課題】シートベルト装置におけるウェビングに作用する張力を可変に制限可能な範囲を広くする。【解決手段】リトラクター2が、ウェビング1を巻き取るスプール21と、スプール21の軸方向一端側に回転可能に配設されたロックホイール22と、一端側がロックホイール22に一体的に回転可能に支持されると共に、他端側がスプール21に一体的に回転可能に支持されたトーションバー24と、予め定められた条件の下でロックホイール22の回転を阻止するロックホイールロック部材28とを含み、スプール21がトーションバー24から離間した位置で軸方向に沿って形成されたワイヤー挿入穴211を有し、ロックホイール22がスプール21側の表面に円形の内溝部222を有し、前記内溝部222に、基端が内溝部222に固定されると共に他端がワイヤー挿入穴211に挿入された状態でワイヤーを収納するようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車両に装備されるシートベルト装置に関する。
シートベルト装置は、乗員のシートからの飛び出しを阻止して乗員を保護する安全装置であり、乗員をシートに拘束するウェビングと、ウェビングの一部または全部を収納してウェビングが引き出される長さ(ウェビング引出量)を調整可能なリトラクターとを含んで構成されている。
リトラクターには、ウェビングの引き出しをロックするELR(Emergency Locking Retractor)機構が備えられている。ELR機構は、車体に大きな加速度または減速度が加わったとき(例えば、車両の衝突時)に、ウェビングの引き出しをロックすることにより、乗員のシートからの飛び出しを阻止して乗員を保護するものである。
また、リトラクターには、ELR機構作動時にウェビングに作用する張力(ウェビング張力)を制限するEA(Energy Absorber)機構が備えられている。EA機構は、ウェビング張力(乗員を拘束するウェビングの張力)が所定値を超えないようにウェビングの引き出しを許容し、所定のウェビング張力で当該ウェビングがリトラクターから引き出されるようにする(ウェビングの引き出しを制限する)ことにより、その間の運動エネルギーを吸収して乗員に作用する衝撃荷重を軽減するものである。
さらに、近年では、ELR機構作動時における多様なエネルギー吸収特性を実現するために、ウェビング張力を可変に制限する可変EA機構が開発されている(例えば、特許文献1−6参照)。可変EA機構は、上述したEA機構(第一のEA機構)に加えて別途の機構(第二のEA機構)を追設したものであり、第一のEA機構によって所定のウェビング張力でリトラクターから引き出されるウェビングに対して、第二の機構によって更なる一時的な負荷を与えてウェビング張力を一時的に増加させる(ウェビングの引き出しを更に制限する)ことにより、運動エネルギーをさらに吸収して乗員に作用する衝撃荷重を更に軽減するものである。
特開2002−53007号公報 特開2000−85527号公報 特開2002−53008号公報 特開平10−258702号公報 特開2001−106025号公報 特開2002−59809号公報
しかし、従来技術においては、第一のEA機構によって引き出されるウェビング引出量に対して、第二のEA機構によってウェビング張力を増加可能な範囲(ウェビング引出量)が短いため、多様なエネルギー吸収特性を実現するには十分でない。例えば、特許文献1−6に記載された従来技術においては、その構成上、ELR機構作動後にウェビングの引き出しが開始されてからスプール(ウェビングの巻き取り部)が約一回転するまでの範囲(ウェビング引出量)だけでしかウェビング張力を増加させる(可変とする)ことができない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、シートベルト装置におけるウェビングに作用する張力を可変に制限可能な範囲を広くすることを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係るシートベルト装置は、乗員をシートに拘束するウェビングと、前記ウェビングの引出量を調整可能なリトラクターとを備えるシートベルト装置において、前記リトラクターが、車体に固定されたリトラクターフレームに回転可能に支持されて前記ウェビングを巻き取る第一の回転体と、前記第一の回転体の軸方向一端側に配設されて前記リトラクターフレームに回転可能に支持された第二の回転体と、軸方向一端側が前記第二の回転体に一体的に回転可能に支持されると共に、軸方向他端側が前記第一の回転体に一体的に回転可能に支持された棒状体と、予め定められた条件の下で前記第二の回転体の回転を阻止するロック装置とを含み、前記第一の回転体が、前記棒状体から離間した位置に軸方向に沿って形成された穴部を有し、前記第二の回転体が、前記第一の回転体側の表面であって当該第二の回転体に対して前記第一の回転体が相対回転したときに前記穴部が通る軌跡に対向する位置に円形状に形成された第一の溝部を有し、前記第一の溝部に、基端が前記第一の溝部に固定されると共に他端が前記穴部に挿入された状態で収納され、前記ロック装置により前記第二の回転体の回転が阻止された状態で前記第一の回転体に回転方向の力が作用したときに、前記第一の回転体の回転に伴って湾曲しつつ前記穴部に嵌入された後、再度湾曲しつつ引き出されて、前記第一の回転体の回転エネルギーを吸収するワイヤーを備えることを特徴とする。
また、第2の発明に係るシートベルト装置は、第1の発明において、前記第一の回転体は、前記穴部と前記第一の回転体の前記第二の回転体側の表面との間に形成され、前記ロック装置により前記第二の回転体の回転が阻止された状態で前記第一の回転体に回転方向の力が作用したときに、前記ワイヤーを前記穴部に誘導する案内面を有することを特徴とする。
また、第3の発明に係るシートベルト装置は、第1又は第2の発明において、前記第一の回転体と前記第二の回転体との間に、前記第二の回転体に対して相対回転可能に構成され、前記ロック装置により前記第二の回転体の回転が阻止された状態で前記第一の回転体に回転方向の力が作用したときに、前記ワイヤーが前記穴部に嵌入される間、前記ワイヤーの前記第二の回転体側の面を摺動可能に覆って前記ワイヤーを前記穴部に誘導するガイド部材と、前記ワイヤーが前記穴部に嵌入された後、前記ワイヤーが前記穴部から引き出される際に、前記第一の溝部から離間した位置に前記ガイド部材を退避させるガイド部材退避手段とを有することを特徴とする。
また、第4の発明に係るシートベルト装置は、第3の発明において、前記ガイド部材退避手段は、前記ガイド部材に設けられ、前記穴部とは径方向に異なる位置で前記第二の回転体側に突出する突起部と、前記第二の回転体に設けられ、前記ロック装置により前記第二の回転体の回転が阻止された状態で前記第一の回転体に回転方向の力が作用したときに、前記突起部を周方向に沿って案内すると共に、前記ワイヤーが前記穴部から引き出される前に前記突起部を径方向外側に誘導する第二の溝部とを含むことを特徴とする。
本発明に係るシートベルト装置によれば、シートベルト装置におけるウェビングに作用する張力を可変に制限可能な範囲を広くすることができる。
本発明の実施形態に係るシートベルト装置の要部を示す正面図である。 図1に示すスプール及びロックホイールの構成を模式的に示す分解斜視図である。 図1に示すスプールのロックホイール側の表面を示す説明図である。 図1に示すロックホイールのスプール側の表面を示す説明図である。 図8のV−V矢視部の構造を示す説明図である。 図8のVI−VI矢視部の構造を示す説明図である。 図1に示すガイド部材を示す斜視図である。 本発明の実施形態におけるシートベルト装置のEA機構作動前の状態を示す説明図である。 本発明の実施形態におけるシートベルト装置のEA機構作動時の図8に続く動作を示す説明図である。 本発明の実施形態におけるシートベルト装置のEA機構作動時の図9に続く動作を示す説明図である。 本発明の実施形態におけるシートベルト装置のEA機構作動時の図10に続く動作を示す説明図である。 本発明の実施形態におけるシートベルト装置のEA機構作動時の図11に続く動作を示す説明図である。 本発明の実施形態におけるシートベルト装置のEA機構作動時の図12に続く動作を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るシートベルト装置の特性を示すグラフである。
以下、図1から図14を用いて本発明に係るシートベルト装置の一実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態に係るシートベルト装置は、自動車等の車両に装備され、乗員のシートからの飛び出しを阻止して乗員を保護する安全装置であり、乗員をシートに拘束するウェビング1と、ウェビング1の引出量を調整可能な巻き取り装置であるリトラクター2とを含んで構成されている。
本実施形態においてリトラクター2は、図1に示すように、第一の回転体としてのスプール21と、第二の回転体としてのロックホイール22と、ELRホイール23と、棒状体としてのトーションバー24とを含んで構成されている。
スプール21は、概ね円筒状に形成されて、車体に固定されたリトラクターフレーム25に回転可能に支持されている。スプール21は、後で詳述するワイヤー挿入穴(穴部)211、案内面212、及び溝部(以下、スプール側溝部)213を備えている。
また、ロックホイール22は、概ね円盤状に形成されてスプール21の軸方向一端側(図1では左側)に配設され、リトラクターフレーム25に回転可能に支持されている。ロックホイール22は、ベルト引出加速度検知部27によりベルト引出加速度が所定値を超えたことが検知されたとき、及び、当該ロックホイール22にELRホイール23に対するウェビング引き出し方向の相対的な回転力が生じたときに、ロック装置としてのロックホイールロック部材28により回転を阻止されるように構成されている。ロックホイール22は、後で詳述する第一の溝部(以下、外溝部)221及び第二の溝部(内溝部)222を備えている。
ELRホイール23は、概ね円盤状に形成されてロックホイール22の軸方向一端側に配設され、リトラクターフレーム25に、ロックホイール22と共に回転可能に支持されている。ELRホイール23は、車体加速度検知部29により車体加速度が所定値を超えたことが検知されたときに、ELRホイールロック部材30により回転を阻止されるように構成されている。
トーションバー24は、スプール21に挿通され、一端がロックホイール22に、当該ロックホイール22に対して回転方向の移動を規制された状態で(ロックホイール22と一体的に回転可能に)支持されると共に、他端がスプール21のロックホイール22とは反対側の端部にスプール21に対して回転方向の移動を規制された状態で(スプール21と一体的に回転可能に)支持されている。つまり、リトラクター2においては、スプール21とロックホイール22(およびELRホイール23)との間で、トーションバー24を介した回転運動(回転力)の伝達がなされるようになっている。
次に、図2から図7を用いて本実施形態における可変EA機構の主な構成について詳細に説明する。
図2,図3,及び図5に示すように、上述したワイヤー挿入穴211は、トーションバー24から離間した位置に軸方向に沿って形成され、ロックホイール22側に開口部を有している。
また、案内面212は、ワイヤー挿入穴211とスプール21のロックホイール22側の表面(以下、スプール表面)21aとの間に周方向に沿って形成された傾斜部であり、ワイヤー挿入穴211からスプール表面21aに向かうに従って周方向に拡がっている。案内面212は、ワイヤー挿入穴211とスプール表面21aとを滑らかにつなぐように、それぞれロックホイール22側に向かって膨出する円弧状に形成されている。
図2及び図3に示すように、スプール側溝部213は、スプール表面21aに、ワイヤー挿入穴211から径方向外側へ向かって延設されている。なお、スプール側溝部213の径方向の長さは、後で詳述するガイド部材26がスプール側溝部213の径方向外側に位置するときに、このガイド部材26全体がワイヤー挿入穴211よりも径方向外側に位置するように設定されている。
図2及び図4に示すように、外溝部221は、ロックホイール22の表面22aに形成され、その軸心を中心とする円弧状の外円弧溝221aと、外円弧溝221aの一端(スプール21のロックホイール22に対する相対回転方向(以下、単に相対回転方向という)の下流側の端部から径方向外側かつ相対回転方向に向かって延びる外連通溝221bと、ロックホイール22の軸心から外連通溝221bの径方向外側の端部までの距離を半径とする円形状の外円形溝221cとから構成されている。
また、内溝部222は、外溝部221の径方向内側に形成され、円形状の第一内円形溝222aと、第一内円形溝222aから径方向外側かつ相対回転方向に向かって延びる内連通溝222bと、ロックホイール22の軸心から内連通溝222bの径方向外側の端部までの距離を半径とする円形状の第二内円形溝222cとから構成されている。第一内円形溝222aは、ロックホイール22に対してスプール21がウェビング引き出し方向に相対回転した時にワイヤー挿入穴211が通る軌跡に対向する位置に形成されている。また、内連通溝222bは外連通溝221bとは、周方向に同一の位置に形成されている。
図7に示すように、ガイド部材26は、突起部261と、案内部262と、連結部263とを含んで構成されている。
突起部261は円柱状に形成され、案内部262はブロック状に形成されて断面視円弧状の曲面である案内面262aを有している。連結部263は四角柱状に形成されて突起部261と案内部262とを一体的に連結している。具体的には、連結部263の長手方向一端側は突起部261に連結され、連結部263の長手方向他端側は案内部262に連結されている。
なお、突起部261と案内部262とは連結部263に対して同一方向に突出しており、案内面262aは、連結部263の長手方向に平行な軸周りに沿うように、湾曲している。また、突起部261と案内部262とは、突起部261が外溝部221に沿って摺動可能であると共に、案内部262が内溝部222に沿って摺動可能となるように、外円形溝221cと第二内円形溝222cとの間の径方向の距離と同一の距離で連結部263により連結されている。さらに、突起部261は案内部262に比較して連結部263の長手方向の幅が狭く、これに伴い、外溝部221の径方向の幅は内溝部222の径方向の幅よりも狭くなっている。
このように構成されるガイド部材26は、図1,図2及び図5に示すように、スプール側溝部213、外溝部221、及び内溝部222に支持されている。換言すると、ガイド部材26は、スプール側溝部213、外溝部221、及び内溝部222に沿ってロックホイール22に対して周方向及び径方向に摺動可能に、スプール21とロックホイール22との間に挟持されている。更にガイド部材26は、案内面262aにより図中にドットを付して示す棒状の変形部材(以下、ワイヤー)31のロックホイール22側の面を覆うように配設されており、これによりワイヤー31をワイヤー挿入穴211へと誘導するように構成されている。
図2及び図4から図6に示すように、ワイヤー31は、第一内円形溝222aに収納されている。ワイヤー31の一端は、図中に黒丸で示すように内連通溝222bよりも僅かに相対回転方向下流側で第一内円形溝222aに固定され、先端部側が相対回転方向上流側に収納されている。以下、ワイヤー31の固定されている端部を基端、基端とは反対側の端部を先端と称する。このワイヤー31は、全長がワイヤー挿入穴211の全長と同一か又はワイヤー挿入穴211の全長よりも僅かに短くなっている。
ワイヤー31は、通常時においては、先端がワイヤー挿入穴211に挿入された状態となっている。ワイヤー31の先端は、少なくとも案内面212よりも深い位置まで挿入されているものとする。
ここで、本実施形態においてはロックホイール22,ELRホイール23,ベルト引出加速度検知部27,ロックホイールロック部材28,車体加速度検知部29およびELRホイールロック部材30等によりELR機構が構成される。また、スプール21,ロックホイール22,トーションバー24,ガイド部材26,およびワイヤー31等により可変EA機構が構成される。また、内溝部222、外溝部221がそれぞれ第一の溝部、第二の溝部を構成する。
以下、図1及び図8から図13を用いて本実施形態に係るシートベルト装置の動作について説明する。
まず、例えば車両に大きな減速度が加わった場合、車体加速度検知部29により車両の急減速が検知されると、ELRホイールロック部材30によりELRホイール23の回転が阻止される。このとき、乗員は慣性により車体に対して相対的に移動しようとし、その運動エネルギーが乗員を拘束しているウェビング1に作用して、ウェビング1に引き出し方向の荷重がかかる。
ELRホイール23の回転が阻止された状態でウェビング1に引き出し方向の荷重がかかると、この荷重がスプール21及びトーションバー24を介してロックホイール22に伝達され、ロックホイール22に、ELRホイール23に対するウェビング引き出し方向の相対的な回転力が生じて、ロックホイールロック部材28によりロックホイール22のウェビング引き出し方向の回転が阻止される。
このように、ロックホイール22のウェビング引き出し方向の回転が阻止されると、トーションバー24は、ロックホイール22に支持された一端側が回転を阻止された状態となる一方、スプール21に支持された他端側は回転可能な状態を維持することとなる。
そのためELRホイール23及びロックホイール22の回転が阻止された状態でウェビング1にさらに大きな引き出し方向の荷重がかかると、この荷重がスプール21を介してトルクとなり、トーションバー24に伝達され、トーションバー24が捩れ始める。
トーションバー24が捩れ始めると、同時にスプール21がロックホイール22に対してウェビング引き出し方向へ相対回転を始める。スプール21がロックホイール22に対してウェビング引き出し方向へ相対回転し始めると、これに伴って、図8に示す通常時の位置に対し、図9に示すように、ワイヤー挿入穴211がワイヤー31の基端側に移動するとともに、突起部261と案内部262とがそれぞれ外溝部221と内溝部222とに沿って摺動して、ガイド部材26がワイヤー挿入穴211と一体的にロックホイール22に対して相対移動する。これにより、ワイヤー31の先端が案内面212とガイド部材26の案内面262aとに沿って変形しつつワイヤー挿入穴211内に押し込まれ始める(嵌入され始める)。
その後、図10に示すように、ワイヤー31の基端に対向する位置までワイヤー挿入穴211が移動し、ワイヤー31のほぼ全長がワイヤー挿入穴211に押し込まれた状態となると、ほぼ同時に、突起部261と案内部262とがそれぞれ外連通溝221bと内連通溝222bとに沿って移動することにより、ガイド部材26が径方向外側へ退避される。
そして更にスプール21がロックホイール22に対してウェビング引き出し方向へ相対回転すると、これに伴って今度は図11及び図12に示すように、ワイヤー31が案内面212に沿って変形しつつワイヤー挿入穴211から引き出され始める。
その後、図13に示すように、ワイヤー31がワイヤー挿入穴211から完全に引き出されると、トーションバー24によるウェビング引き出しの制限のみが継続される。
従って、本実施形態に係るシートベルト装置によれば、トーションバー24が捩れ始めてスプール21がロックホイール22に対して相対回転すると、スプール21のウェビング引き出し方向への回転に、トーションバー24が捩れることによる抵抗(負荷)に加えて、ワイヤー31が変形することによる抵抗(負荷)を付与することができる。これにより、図14に示すように、ELR機構作動後に、スプール21の回転エネルギーを十分に吸収し、トーションバー24のみによりウェビング張力を制限する場合(図14中に破線で示す値)に比較して、ウェビング1の引き出しが開始されてからワイヤー31の全長の約二倍の長さ分(例えば、ワイヤー31の全長をスプール21が約一回転する間の範囲でウェビング張力を増加させることができる長さとした場合、スプール21が約二回転する間)、ウェビング張力を増加させることが可能となる。なお、図14中に示す二点鎖線は、従来技術における、スプール21が約一回転する間の範囲でウェビング張力を増加させた場合の値の一例を示している。
すなわち、本実施形態に係るシートベルト装置によれば、ウェビング1に作用する張力を可変に制限可能な範囲を従来に比較して広くすることができる。これにより、例えば車両の前面衝突時等において、衝突直後に乗員が前方へ移動する距離をより抑制して、乗員が膨張するエアバッグに接する位置をよりシート側とすることができ、乗員にかかる拘束力が大きくなり過ぎないように制御する等ということを実現しやすくなる。
また、ガイド部材26の突起部261と案内部262とをそれぞれ外溝部221及び内溝部222に沿って摺動可能な構成としたことにより、ガイド部材26の姿勢を安定させることができ、ワイヤー31をワイヤー挿入穴211内へ押し込む際、ガイド部材26により確実にワイヤー挿入穴211内へ誘導することができる。
なお、ワイヤー31によるウェビング引き出しの制限は、適用する車両の特性(ハンドルの位置やエアバッグの構造等)に応じて設定すればよい。
例えば、ワイヤー31の全長を短くすればウェビング張力を増加可能な範囲(ウェビング引出量)を短くすることができ、反対にワイヤー31の全長を長くすればウェビング張力を増加可能な範囲(ウェビング引出量)を長くすることができる。すなわち、ウェビング張力を増加可能な範囲(ウェビング引出量)の設定は、ワイヤー31の全長で調整することができる。
さらに、例えば、ワイヤー31の剛性を低くすれば、増加させるウェビング張力の量を少なくすることができ、ワイヤー31の剛性を高くすれば増加させるウェビング張力の量を多くすることができる。
また、スプール21に形成する案内面212の、ワイヤー31がワイヤー挿入穴211に押し込まれる側と引き出される側の形状を自由に設定することで、ワイヤー31がワイヤー挿入穴211に押し込まれるときと、ワイヤー挿入穴211から引き出される時とでワイヤー31が変形することにより発生する抵抗(負荷)を自由に設定することができる。例えばワイヤー31がワイヤー挿入穴211に押し込まれるときと、ワイヤー挿入穴211から引き出されるときとでワイヤー31が変形することにより発生する抵抗(負荷)を一定に設定すれば、増加させるウェビング張力の量を安定して付与することができ、変則に設定すれば、増加させるウェビング張力の量を2段階に変則させて付与する事ができる。
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態ではガイド部材26を、突起部261が案内部262に対して径方向外側に位置するように配置する例を示したが、突起部261が案内部262に対して径方向内側に位置するように配置し、外溝部(第一の溝部)221を内溝部(第二の溝部)222の径方向内側に配置すると共に、外円弧溝221aを外円形溝221cの径方向内側に配置するようにして、ワイヤー31の略全長がワイヤー挿入穴211に押し込まれた後にガイド部材26を径方向内側へ退避させるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、ガイド部材26を、突起部261が外溝部221(連通部221b)に誘導されることにより径方向外側へ退避する例を示したが、ガイド部材26の突起部261及び連結部263と外溝部221とを廃止する一方、ガイド部材26が連通溝222bに対向する位置にきたときに、ガイド部材26を第二内円形溝222c側へ押圧する付勢手段を設けて、この付勢手段によってガイド部材26を第二内円形溝222cへと退避させるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、ワイヤー挿入穴211を軸方向に平行に形成する例を示したが、ワイヤー挿入穴211は、トーションバー24の周りに螺旋状に形成する、又は、蛇行しつつ軸方向に延びるように形成するなどしてもよい。
1 ウェビング
2 リトラクター
21 スプール
21a スプール表面
22 ロックホイール
22a ロックホイール表面
23 ELRホイール
24 トーションバー
25 リトラクターフレーム
26 ガイド部材
27 ベルト引出加速度検知部
28 ロックホイールロック部材
29 車体加速度検知部
30 ELRホイールロック部材
31 ワイヤー
211 ワイヤー挿入穴
212 案内面
213 スプール側溝部
221 外溝部
221a 外円弧溝
221b 外連通溝
221c 外円形溝
222 内溝部
222a 第一内円形溝
222b 内連通溝
222c 第二内円形溝
261 突起部
262 案内部
262a 案内面
263 連結部

Claims (4)

  1. 乗員をシートに拘束するウェビングと、前記ウェビングの引出量を調整可能なリトラクターとを備えるシートベルト装置において、
    前記リトラクターが、
    車体に固定されたリトラクターフレームに回転可能に支持されて前記ウェビングを巻き取る第一の回転体と、
    前記第一の回転体の軸方向一端側に配設されて前記リトラクターフレームに回転可能に支持された第二の回転体と、
    軸方向一端側が前記第二の回転体に一体的に回転可能に支持されると共に、軸方向他端側が前記第一の回転体に一体的に回転可能に支持された棒状体と、
    予め定められた条件の下で前記第二の回転体の回転を阻止するロック装置と
    を含み、
    前記第一の回転体が、前記棒状体から離間した位置に軸方向に沿って形成された穴部を有し、
    前記第二の回転体が、前記第一の回転体側の表面であって当該第二の回転体に対して前記第一の回転体が相対回転したときに前記穴部が通る軌跡に対向する位置に円形状に形成された第一の溝部を有し、
    前記第一の溝部に、基端が前記第一の溝部に固定されると共に他端が前記穴部に挿入された状態で収納され、前記ロック装置により前記第二の回転体の回転が阻止された状態で前記第一の回転体に回転方向の力が作用したときに、前記第一の回転体の回転に伴って湾曲しつつ前記穴部に嵌入された後、再度湾曲しつつ引き出されて、前記第一の回転体の回転エネルギーを吸収するワイヤーを備える
    ことを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記第一の回転体は、前記穴部と前記第一の回転体の前記第二の回転体側の表面との間に形成され、前記ロック装置により前記第二の回転体の回転が阻止された状態で前記第一の回転体に回転方向の力が作用したときに、前記ワイヤーを前記穴部に誘導する案内面を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 前記第一の回転体と前記第二の回転体との間に、前記第二の回転体に対して相対回転可能に構成され、前記ロック装置により前記第二の回転体の回転が阻止された状態で前記第一の回転体に回転方向の力が作用したときに、前記ワイヤーが前記穴部に嵌入される間、前記ワイヤーの前記第二の回転体側の面を摺動可能に覆って前記ワイヤーを前記穴部に誘導するガイド部材と、
    前記ワイヤーが前記穴部に嵌入された後、前記ワイヤーが前記穴部から引き出される際に、前記第一の溝部から離間した位置に前記ガイド部材を退避させるガイド部材退避手段と
    を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシートベルト装置。
  4. 前記ガイド部材退避手段は、
    前記ガイド部材に設けられ、前記穴部とは径方向に異なる位置で前記第二の回転体側に突出する突起部と、
    前記第二の回転体に設けられ、前記ロック装置により前記第二の回転体の回転が阻止された状態で前記第一の回転体に回転方向の力が作用したときに、前記突起部を周方向に沿って案内すると共に、前記ワイヤーが前記穴部から引き出される前に前記突起部を径方向外側に誘導する第二の溝部と
    を含むことを特徴とする請求項3に記載のシートベルト装置。
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