JP2019166684A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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孝紀 吉澤
Takanori Yoshizawa
孝紀 吉澤
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Abstract

【課題】ノズル面を傷付けることがなく、インクの吐出不良が発生するのを防止することができるようにする。【解決手段】キャリッジと、インクを吐出する記録ヘッドHdiと、バキューム・ワイプユニット40とを有する。該バキューム・ワイプユニット40は、複数の回転体及び走行部材を備えた移送機構46、ノズル面Saに沿って副走査方向に移動させられ、ノズル面Saに付着したインクを空気と共に吸引する吸引部、並びにインク及び空気が吸引された後のノズル面Saをワイプする払拭部を備える。インク中に分散させられた顔料によってノズル面Saが擦られることがなく、ノズル面Saを傷付けることがない。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関するものである。
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、インクジェットプリンタにおいては、キャリッジがレールに沿って移動させられ、キャリッジに搭載された記録ヘッドからインクがインク滴として吐出され、記録媒体に付着させられることによって文字、イメージ等の画像が形成され、印刷が行われるようになっている。
ところで、記録ヘッドにおいてノズルからインクが吐出されている間、すなわち、記録ヘッドによる記録中に記録ヘッドの周辺を浮遊するインクミストのインクがノズル面に付着し、固化すると、ノズルからインクを円滑に吐出することができなくなるだけでなく、メンテナンス装置として配設されたキャップユニットによってノズル面がキャップで覆われたときにキャップと記録ヘッドとの間に隙間が生じ、キャップ内を密閉することができなくなってしまう。その結果、ノズル内のインクの粘度が高くなり、固化すると、インクの吐出不良が発生する。
そこで、メンテナンス装置としてさらに配設されたワイプユニットによって、定期的に記録ヘッドのノズル面が掃除され、ノズル面に付着したインクが払拭されるようになっている。
前記ワイプユニットにおいては、不織布等のシートがノズル面に当接させて移動させられる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−202805号公報
しかしながら、前記従来のインクジェットプリンタにおいては、ワイプユニットにおいて、シートが、ノズル面に当接させて移動させられるので、ノズル面を擦り、ノズル面を傷付けてしまう。
すなわち、ノズル面には、インクミストのインクが付着した場合にインクがノズルの周辺に濡れ広がるのを防止するために、すなわち、付着したインクを撥液させるために、撥液処理が施され、薄い膜が形成されるようになっている。
ところが、ノズル面に付着したインクが払拭される際に、シートが記録ヘッドのノズル面に当接させて移動させられるので、インク中に色材として分散させられた微小の粒子から成る顔料、例えば、黒色のインク中に分散させられたカーボンブラック等がシートに付着し、ノズル面を擦り、傷付けてしまう。
ノズル面に付いた傷が少なければ、膜の撥液性能をある程度維持することができるが、繰り返しノズル面のインクが払拭されるのに伴って傷が多くなると、膜の撥液性能を維持することができなくなり、ノズル面にインクが濡れ広がり、ノズルのメニスカスに影響を及ぼし、インクの吐出不良が発生してしまう。
本発明は、前記従来のインクジェットプリンタの問題点を解決して、ノズル面を傷付けることがなく、インクの吐出不良が発生するのを防止することができるインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
そのために、本発明のインクジェットプリンタにおいては、主走査方向に移動自在に配設されたキャリッジと、該キャリッジに搭載され、ノズル面を備え、インクを吐出する記録ヘッドと、キャリッジの主走査方向における所定の箇所に前記ノズル面と対向させて配設されたバキューム・ワイプユニットとを有する。
そして、該バキューム・ワイプユニットは、複数の回転体及び該各回転体によって走行自在に張設された走行部材を備えた移送機構、前記走行部材の第1の取付部に取り付けられ、走行部材の走行に伴ってノズル面に沿って副走査方向に移動させられ、ノズル面に付着したインクを空気と共に吸引する吸引部、並びに前記走行部材の第2の取付部に取り付けられ、走行部材の走行に伴ってノズル面に沿って副走査方向に移動させられ、インク及び空気が吸引された後のノズル面をワイプする払拭部を備える。
本発明によれば、インクジェットプリンタにおいては、主走査方向に移動自在に配設されたキャリッジと、該キャリッジに搭載され、ノズル面を備え、インクを吐出する記録ヘッドと、キャリッジの主走査方向における所定の箇所に前記ノズル面と対向させて配設されたバキューム・ワイプユニットとを有する。
そして、該バキューム・ワイプユニットは、複数の回転体及び該各回転体によって走行自在に張設された走行部材を備えた移送機構、前記走行部材の第1の取付部に取り付けられ、走行部材の走行に伴ってノズル面に沿って副走査方向に移動させられ、ノズル面に付着したインクを空気と共に吸引する吸引部、並びに前記走行部材の第2の取付部に取り付けられ、走行部材の走行に伴ってノズル面に沿って副走査方向に移動させられ、インク及び空気が吸引された後のノズル面をワイプする払拭部を備える。
この場合、走行部材の走行に伴って、吸引部が、ノズル面に沿って移動させられ、ノズル面に付着したインクを空気と共に吸引し、続いて、払拭部が、ノズル面に沿って移動させられ、インク及び空気が吸引された後のノズル面をワイプするので、インク中に分散させられた顔料によってノズル面が擦られることがなく、ノズル面を傷付けることがない。
したがって、ノズル面に形成された膜の撥液性能を維持することができるので、ノズル面にインクが濡れ広がってノズルのメニスカスに影響を及ぼすことがなく、インクの吐出不良が発生するのを防止することができる。
本発明の実施の形態におけるバキューム・ワイプユニットの概略図である。 本発明の実施の形態におけるインクジェットプリンタの斜視図である。 本発明の実施の形態におけるバキューム・ワイプユニットの概念図である。 本発明の実施の形態におけるインクジェットプリンタの制御ブロック図である。 本発明の実施の形態におけるインクジェットプリンタの動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのインクジェットプリンタについて説明する。
図2は本発明の実施の形態におけるインクジェットプリンタの斜視図である。
図において、10はインクジェットプリンタ、Frは該インクジェットプリンタ10の本体、すなわち、装置本体を支持するフレームであり、該フレームFrは、インクジェットプリンタ10を前側(図において手前側)から見たときの左端から右端にかけて延在させて配設された受け板PB、該受け板PBの左端から立ち上げて形成された第1の主支持部としてのサイドプレートPL1、受け板PBの右端から立ち上げて形成された第2の主支持部としてのサイドプレートPR1、前記サイドプレートPL1より所定の距離だけ右方において受け板PBから立ち上げて形成された第1の副支持部としての枠体PL2、及び前記サイドプレートPR1より所定の距離だけ左方において受け板PBから立ち上げて形成された第2の副支持部としての枠体PR2を備える。
前記サイドプレートPL1、PR1間にレール15が延在させて配設(架設)され、該レール15に沿ってキャリッジ17が主走査方向に移動自在に配設される。該キャリッジ17に、一つ又は複数の、本実施の形態においては、複数の後述される記録ヘッドHdi(i=1、2、…)(図1)が、複数のノズルが開口する面、すなわち、後述されるノズル面Saを下方に向けて搭載される。
また、前記サイドプレートPR1に駆動側のプーリ18が、サイドプレートPL1に従動側のプーリ19が、それぞれ回転自在に配設され、プーリ18、19間に無端ベルト21が走行自在に張設され、該無端ベルト21の所定の箇所に前記キャリッジ17が取り付けられる。そして、前記プーリ18にキャリッジ移動用の駆動部としてのキャリッジモータ22が連結される。
したがって、該キャリッジモータ22を駆動し、無端ベルト21を走行させることによってキャリッジ17を左右方向に移動させ、キャリッジ17の移動に伴って各記録ヘッドHdiを左右方向に移動させることができる。また、このとき、記録ヘッドHdi(各ノズル)からインクを吐出させ、副走査方向、すなわち、キャリッジ17の移動方向に対して直交する方向に搬送される記録媒体Pに付着させることによって、記録媒体Pに文字、イメージ等の画像を形成し、印刷を行うことができる。そのために、前記ノズル面Saに、インクを吐出するための前記複数のノズルがノズル列を形成して配設される。
なお、記録媒体Pとしては、用紙のほかに、塩化ビニル、PET等の樹脂製のフィルム等を使用することができる。
前記レール15に沿って、かつ、レール15と平行に延在させてリニアスケール23が配設され、該リニアスケール23の目盛りが、キャリッジ17に配設された後述されるエンコーダ35(図4)によって読み取られ、該エンコーダ35のセンサ出力に基づいて、キャリッジ17の位置が検出される。また、キャリッジ17の位置の変化及び時間に基づいてキャリッジ17の移動速度を算出することができる。
また、前記レール15に沿って、かつ、レール15と平行に延在させて、プレート状の形状を有するプラテン25が配設される。該プラテン25は、前記受け板PB上における枠体PL2、PR2間に配設され、プラテン25上を搬送される記録媒体Pを支持する。
そして、前記プラテン25の下方に、記録媒体Pを負圧によってプラテン25に引き寄せるための図示されない空気吸引装置が配設される。該空気吸引装置は吸引用のファンを備え、該ファンによって空気が吸引され、記録媒体Pはプラテン25によって平坦に支持される。
また、前記プラテン25より後方に、第1の媒体案内部としての図示されないリヤペーパガイドが配設される。該リヤペーパガイドは、図示されない繰出ロールから繰り出された記録媒体Pを前記プラテン25に案内する。そのために、記録媒体Pの搬送方向における前記リヤペーパガイドとプラテン25との間に、搬送部材としての搬送ローラ対30が回転自在に配設される。
該搬送ローラ対30は、プラテン25に隣接させて、キャリッジ17の主走査方向における複数箇所に回転自在に配設された第1のローラとしての搬送ローラ31、及び該搬送ローラ31より上方において回転自在に配設され、記録媒体Pを搬送ローラ31に押し付ける第2のローラとしてのピンチローラ32から成る。後述される搬送用の駆動部としての搬送モータ34(図4)を駆動し、搬送ローラ31を回転させると、ピンチローラ32が連れ回りで回転させられる。
これにより、記録媒体Pは、搬送ローラ31とピンチローラ32とによって挟まれた状態で繰出ロールから繰り出され、リヤペーパガイドに沿って搬送され、プラテン25上に送られる。そして、記録媒体Pと記録ヘッドHdiのノズル面Saとが対向させられ、記録ヘッドHdiからインクが吐出され、記録媒体Pに付着させられる。
この場合、前記搬送モータ34を駆動して記録媒体Pを所定の距離搬送した後、搬送モータ34を停止させ、その状態でキャリッジ17を移動させ、記録ヘッドHdiからインクを吐出させることによって、1走査が行われ、1ライン分の画像が形成される。1走査が終了すると、前記搬送モータ34を再び駆動して記録媒体Pを所定の距離搬送した後、搬送モータ34を停止させ、その状態でキャリッジ17を移動させ、記録ヘッドHdiからインクを吐出させることによって、1走査が行われ、1ライン分の画像が形成される。この動作を繰り返すことによって、記録媒体Pに画像が形成され、印刷が行われる。
なお、本実施の形態においては、シングルパス方式によって印刷が行われるようになっているが、マルチパス方式によって印刷を行う場合は、前記記録媒体Pを搬送する距離が記録ヘッドHdiの図示されないノズル列より短くされ、複数の走査を行うことによって1ライン分の画像が形成される。
また、前記プラテン25より前方に、印刷が行われた後の記録媒体Pを媒体排出口Eqに案内するための第2の媒体案内部としてのフロントペーパガイド33が配設される。該フロントペーパガイド33は、前記プラテン25から水平方向に排出された記録媒体Pを下方に向けて案内するために、湾曲した形状を有する。
したがって、図示されない媒体導入口から供給された記録媒体Pは、リヤペーパガイドによって案内されてプラテン25に送られ、プラテン25上において、記録ヘッドHdiから吐出されたインクが付着させられて印刷が行われ、印刷が行われた後、フロントペーパガイド33によって媒体排出口Eqに案内され、図示されない巻取装置に送られて巻き取られる。
印刷が行われた直後の記録媒体Pにはインクが付着しており、インクが付着した記録媒体Pを、インクが乾かないうちにインクジェットプリンタ10から排出し、その後、巻取装置によって巻き取ると、記録媒体Pがインクで汚れてしまう。
本実施の形態においては、記録媒体P上のインクを乾燥させ、記録媒体Pに定着させるために、前記リヤペーパガイド、プラテン25及びフロントペーパガイド33の裏面に加熱体としての図示されないヒータが配設され、該ヒータによって、リヤペーパガイド、プラテン25及びフロントペーパガイド33上を搬送される記録媒体Pが加熱されるようになっている。
なお、本実施の形態においては、前記レール15がサイドプレートPL1、PR1間に配設され、プラテン25が枠体PL2、PR2間に配設されるので、キャリッジ17がプラテン25上を移動させらていれる間は各記録ヘッドHdiによるインクの吐出、すなわち、記録が行われ、キャリッジ17がサイドプレートPL1と枠体PL2との間に置かれているとき、及びキャリッジ17がサイドプレートPR1と枠体PR2との間に置かれているときは、各記録ヘッドHdiによる記録が行われない。したがって、本実施の形態においては、サイドプレートPR1と枠体PR2との間が、キャリッジ17の位置の原点合わせを行うためのホームポジションにされ、サイドプレートPL1と枠体PL2との間が、キャリッジ17をプラテン25上から退避させるとともに折り返すための、かつ、各記録ヘッドHdiのメンテナンスを行うための退避ポジションにされる。
ところで、前記記録ヘッドHdiは、画像データに従ってインクを吐出して画像を形成するので、画像データによっては、インクが吐出されないノズルがある。インクが吐出されないノズル内でインクの粘度が高くなってノズルが詰まったり、ノズルにごみ等が付着したりすると、ノズルからインクを円滑に吐出することができなくなってしまう。
そこで、本実施の形態においては、前記退避ポジションに、第1のメンテナンス装置としてのキャップユニット43が配設される。該キャップユニット43は、インクジェットプリンタ10が長時間使用されない場合に、記録ヘッドHdiのノズル面Saをキャップで覆い、ノズル内のインクの粘度が高くなってノズルが詰まったり、ノズルにごみ等が付着したりするのを防止する。
また、記録ヘッドHdiによる記録中に記録ヘッドHdiの周辺に浮遊するインクミストのインクがノズル面Saに付着し、固化すると、ノズルからインクが円滑に吐出されなくなるだけでなく、前記キャップユニット43によってノズル面Saがキャップで覆われたときにキャップと記録ヘッドHdiとの間に隙間が生じ、キャップ内を密閉することができなくなってしまう。その場合、ノズル内のインクの粘度が高くなり、固化すると、インクの吐出不良が発生してしまう。
そこで、キャリッジ17の主走査方向における所定の箇所、本実施の形態においては、前記ホームポジションに、枠体PR2に隣接させて第2のメンテナンス装置としてバキューム・ワイプユニット40がノズル面Saと対向させて配設される。前記バキューム・ワイプユニット40は、後述される吸引部としてのバキューム部44(図1)、払拭部としてのワイプ部41等を備える。
また、本実施の形態においては、記録ヘッドHdiのノズル内のインクの粘度が高くなるのを防止するために、定期的に、又は所定のタイミングで、記録ヘッドHdiをホームポジションに置き、記録ヘッドHdiを駆動し、ノズルから所定のインク滴分のインクを吐出することによってスピットを行うようにしている。そのために、前記ホームポジションに、前記バキューム・ワイプユニット40に隣接させて第3のメンテナンス装置としてのスピットユニット45がノズル面Saと対向させて配設される。前記スピットユニット45は、記録ヘッドHdiから吐出されたインクを受け、廃棄する。
したがって、記録ヘッドHdiによる記録が行われた後、キャリッジ17は、プラテン25側からホームポジションに移動させられ、ノズル面Saに付着したインク及び記録ヘッドHdiの周辺の空気の吸引並びにノズル面Saの掃除、すなわち、ワイプが行われ、更に移動させられて前記スピットユニット45と対向する位置に置かれ、スピットユニット45によってスピットが行われる。
次に、前記バキューム・ワイプユニット40について説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるバキューム・ワイプユニットの概略図、図3は本発明の実施の形態におけるバキューム・ワイプユニットの概念図である。
図において、Hdiは記録ヘッド、40は、ホームポジションに、枠体PR2に隣接させて配設されたバキューム・ワイプユニットであり、該バキューム・ワイプユニット40は、バキューム部44及びワイプ部41を備える。
前記バキューム部44は、ホームポジションにおいて記録ヘッドHdiのノズル面Saと対向させられ、キャリッジ17(図2)がホームポジションに置かれたときに、ノズル面Saに付着したインクを空気と共に吸引し、除去する。前記ワイプ部41は、バキューム部44によって吸引が行われた後のノズル面Saをワイプする。
また、バキューム・ワイプユニット40は、箱型の形状を有し、上面が開放されたハウジングHs、該ハウジングHs内に配設され、前記バキューム部44及びワイプ部41を移動させる移送機構46、該移送機構46をバキューム部44及びワイプ部41と共に上下方向に移動させる図示されない昇降機構、ワイプ部41によってノズル面Saをワイプする際に使用されるワイプ液Wqを収容するための液槽51等を有する。
前記移送機構46は、後述される移送用の駆動部としての移送モータ71(図4)、該移送モータ71の回転を受けて回転させられる駆動側の回転体としてのギヤgr1、該ギヤgr1と噛合させられ、ギヤgr1の回転を受ける従動側の第1の回転体としてのギヤgr2、該ギヤgr2と所定の距離を置いて配設された従動側の第2の回転体としてのギヤgr3、前記ギヤgr2、gr3の下方に配設された従動側の第3の回転体としてのギヤgr4、前記各ギヤgr2〜gr4と噛合させられ、ギヤgr2〜gr4によって矢印A方向に走行自在に張設された走行部材としてのチェーンベルトBt、ギヤgr4を下方に向けて所定の付勢力で付勢し、チェーンベルトBtに弛みが生じるのを防止する付勢部材としてのスプリング47等を備える。ギヤgr2、gr3は高さが等しくされ、ギヤgr2、gr3の各中心を結ぶ線がノズル面Saと平行にされるので、ノズル面Saと平行な面に沿ってチェーンベルトBtが走行させられる。また、前記ギヤgr4は、ギヤgr2、gr4間の距離とギヤgr3、gr4間の距離とが等しく、チェーンベルトBtが二等辺三角形を描くように配設される。
本実施の形態においては、チェーンベルトBtの長さをLγとしたとき、バキューム部44及びワイプ部41は、チェーンベルトBtの長さ方向において互いに所定の距離、本実施の形態においては、Lγ/2の距離を置いて設定された第1、第2の取付部q1、q2に取り付けられる。
前記記録ヘッドHdiがバキューム・ワイプユニット40の上方に置かれた状態において、前記移送モータ71を駆動し、チェーンベルトBtを矢印A方向に走行させたときに、チェーンベルトBtがノズル面Saと平行な面に沿ってギヤgr2、ギヤgr3間を走行させられる領域をバキューム部44及びワイプ部41の作動領域とし、該作動領域以外の、チェーンベルトBtがギヤgr3、gr4間及びギヤgr4、gr2間を走行させられる他の領域をバキューム部44及びワイプ部41の非作動領域としたとき、バキューム部44及びワイプ部41は、作動領域を移動させられる間、記録ヘッドHdiと対向させられ、非作動領域を移動させられる間、液槽51と対向させられる。
そして、前記作動領域において、前記バキューム部44は、チェーンベルトBtの走行に伴ってノズル面Saに沿って副走査方向に移動させられ、ノズル面Saに付着したインクを空気と共に吸引し、前記ワイプ部41は、チェーンベルトBtの走行に伴ってノズル面Saに沿って副走査方向に移動させられ、インク及び空気の吸引が行われた後のノズル面Saをワイプする。
また、前記非作動領域において、前記バキューム部44は、インク及び空気の吸引を行わず、液槽51との間に所定の距離を置いて副走査方向に移動させられ、前記ワイプ部41は、ノズル面Saのワイプを行わず、後述されるワイプ部材としてのワイプブレード54を液槽51内のワイプ液Wqに浸漬させて副走査方向に移動させられる。これにより、ワイプブレード54にワイプ液Wqが浸透させられる。
また、昇降機構は、前記バキューム部44、ワイプ部41及び移送機構46を保持するフレーム、後述される昇降用の駆動部としての昇降モータ70(図4)、該昇降モータ70を駆動することによって発生させられた回転運動を直進運動に変換してフレームを上下方向に移動させる運動方向変換機構等から成る。本実施の形態において、運動方向変換機構は、フレームに対して鉛直方向に延在させて配設された第1のボールねじ軸、及びフレームに対して平行に延在させて配設された第2のボールねじ軸から成り、第1、第2のボールねじ軸の各ねじが互いに螺合させられる。そして、フレームに取り付けられたボールナットと第1のボールねじ軸とが螺合させられ、前記昇降モータ70と第2のボールねじ軸とが連結される。したがって、昇降モータ70を駆動し、第2のボールねじ軸を回転させると、第1のボールねじ軸が回転させられ、フレームが上下方向に移動させられ、これに伴って、ギヤgr2、gr3がガイドGd1、Gd2を介してそれぞれ上下方向に案内される。
なお、運動方向変換機構として、昇降モータ70と連結され、前記フレームにカム面を当接させるようにしたカムを配設することができる。
したがって、前記昇降モータ70を駆動し、移送機構46を上下方向に移動させることによって、作動領域に置かれたときのバキューム部44及びワイプ部41の位置、及び非作動領域に置かれたときのバキューム部44及びワイプ部41の位置を調整することができる。これにより、作動領域において、ノズル面Saと後述される吸引面としてのバキューム面Sbとの間にインクを吸引するのに最適な隙間を形成することができ、ワイプブレード54をノズル面Saに適正に当接させることができるとともに、非作動領域において、バキューム面Sbが液槽51内のワイプ液Wqに接触することがなく、ワイプブレード54をワイプ液Wqに浸漬させることができる。
なお、前記隙間は、あらかじめ実験等に基づいて設定され、本実施の形態においては、1〔mm〕〜5〔mm〕にされる。前記隙間が小さすぎると、ノズル面Saに吸引装置61が当接してノズル面Saを破損させる可能性があり、隙間が大きすぎると、インクを吸引することができない。
次に、前記バキューム部44について説明する。
バキューム部44は、箱型の形状を有し、チェーンベルトBtの第1の取付部q1に取り付けられ、ノズル面Saに付着したインクを空気と共に吸引する吸引装置61、該吸引装置61と連通させて配設され、駆動されて負圧を発生させる駆動部としての、かつ、負圧発生装置としての吸引ポンプPs、吸引装置61によって吸引されたインクと空気とを分離させる分離装置85、該分離装置85によって分離させられたインクを回収する廃液回収部としての廃液ボトル89等を備える。そして、前記吸引装置61と分離装置85とがパイプp1によって、分離装置85と吸引ポンプPsとがパイプp2によって、分離装置85と廃液ボトル89とがパイプp3によって接続される。
前記バキューム部44は、前記ハウジングHs内において、昇降機構によって移送機構46と共に上方に移動させられて吸引位置に置かれ、作動領域を移動させられている間に、ノズル面Saに付着したインクを空気と共に吸引する。そのために、吸引位置において、ノズル面Saとバキューム面Sbとの間に前記隙間が形成される。
前記吸引装置61は、箱型の形状を有するケースCe、及び該ケースCe内を貫通するように形成された吸引流路64を備える。前記ケースCeの上端には、記録ヘッドHdiのノズル面Saと対向させて、偏平な前記バキューム面Sbが形成され、前記ケースCeの下端には、前記吸引ポンプPsと対向させて排出面Scが形成される。
また、前記バキューム面Sbに、ノズル列に対して直交する方向に、すなわち、主走査方向に延在させて、吸引開口としてのバキュームスリット63が形成され、前記排出面Scに排出口h1が形成される。
そして、前記吸引流路64は、前記バキュームスリット63を上端に備え、上下方向に延在させて形成された第1の流路部f1、前記排出口h1を下端に備え、上下方向に延在させて形成された第2の流路部f2、及び第1、第2の流路部f1、f2間に形成された圧力調整室Rmを備える。該圧力調整室Rmは、第1、第2の流路部f1、f2の流路断面より大きい流路断面を有し、吸引ポンプPsが駆動され、バキュームスリット63を介して空気が吸引されたときに、空気の圧力を調整し、バキュームスリット63の長手方向において空気の圧力に差が生じるのを抑制する。
なお、前記圧力調整室Rmの上端部には、第1の流路部f1にかけて徐々に断面積が小さくなるように図示されないテーパ部が、前記圧力調整室Rmの下端部には、第2の流路部f2にかけて徐々に断面積が小さくなるように図示されないテーパ部が形成されるので、バキュームスリット63の長手方向において空気の圧力に差が生じるのを確実に抑制することができる。
前記キャリッジ17を移動させ、記録ヘッドHdiがバキューム・ワイプユニット40の上方に置かれ、続いて、バキューム部44が後述されるバキューム開始位置に置かれると、昇降モータ70が駆動され、バキューム部44が吸引位置に置かれ、吸引装置61のバキューム面Sbとノズル面Saとの間に前記隙間が形成される。
そして、吸引装置61のバキューム面Sbとノズル面Saとの間に前記隙間が形成された状態で、吸引ポンプPsを駆動するとともに、移送モータ71を駆動し、チェーンベルトBtを矢印A方向に走行させると、吸引装置61はノズル面Saに対して矢印B方向に移動させられ、ノズル面Saに負圧が及ぼされ、ノズル面Saに付着したインクが吸引装置61によって吸引される。
また、このとき、記録ヘッドHdiの周辺の空気が、バキューム面Sbとノズル面Saとの隙間を流れ、吸引流路64内に吸引される。
本実施の形態においては、チェーンベルトBtが走行させられ、バキューム部44が副走査方向に移動させられるのに伴って、バキュームスリット63が、記録ヘッドHdiの後端から前端にかけて、ノズル列の方向に沿って移動させられる。すなわち、バキュームスリット63は、すべての記録ヘッドHdiのノズル面Saの全域にわたってノズル列の方向に移動しながらノズル面Saに付着したインク吸引することになる。
この場合、バキューム面Sbの幅(主走査方向の長さ)は、主走査方向に配設された各ノズル面Saの幅の合計より広くされる。
これにより、吸引ポンプPsが駆動されるのに伴って、空気は、ノズル面Saに対してほぼ平行に流れ、ノズル面Saとバキューム面Sbとの隙間を通り、バキュームスリット63を介して吸引流路64内に進入する。
したがって、バキューム面Sbとノズル面Saとが相対的に移動させられるので、バキューム面Sbとノズル面Saとが対向している間、吸引装置61は、同じ圧力で、ノズル面Saに付着したインクを安定させて吸引することができる。
なお、バキューム面Sbの面積がノズル面Saの面積より小さい場合、吸引ポンプPsが駆動されるのに伴って、空気が下方からノズル面Saに向けて流れ、ノズル面Saに当たり、状況によっては渦を形成して吸引流路64内に吸引される。その場合、ノズル面Saとバキューム面Sbとの間で予期せぬ空気の流れが生じやすくなり、ノズル面Saに付着したインクを安定させて吸引することができなくなる。
前記吸引装置61によって吸引されたインク及び空気は、パイプp1を介して分離装置85に送られる。該分離装置85内は、分離壁87及びフィルタ88によって、吸入側室AR1と排気側室AR2とに区画される。吸引装置61から排出され、吸入側室AR1に送られたインク及び空気は、フィルタ88によって分離させられ、空気だけが排気側室AR2に送られる。排気側室AR2に送られた空気は、パイプp2を介して吸引ポンプPsによって吐出口h2から排出される。
そして、吸入側室AR1に残留したインクは、パイプp3を介して廃液ボトル89に送られ、回収される。
次に、ワイプ部41について説明する。
該ワイプ部41は、チェーンベルトBtの第2の取付部q2に取り付けられた支持部材53、及び該支持部材53に取り付けられた前記ワイプブレード54を備える。
前記ワイプ部41は、前記ハウジングHs内において、昇降機構によって移送機構46と共に上下方向に移動させられてワイプ位置に置かれ、作動領域において、先端をノズル面Saに当接させてノズル面Saに沿って矢印C方向に移動させられ、吸引が行われた後のノズル面Saをワイプし、非作動領域において、ワイプブレード54が液槽51内のワイプ液Wqに浸漬させられる。
前記液槽51の底面51bには、突起56が上方に向けて突出させて形成され、ワイプブレード54の先端が液槽51内の突起56に当たると、ワイプブレード54の先端に付着した異物等が削ぎ落とされ、除去される。
したがって、ノズル面Saをワイプすることによってワイプブレード54に付着した汚れを除去することができる。
前記ワイプブレード54は、ゴム状の柔軟な樹脂材料から成るシートであり、先端がノズル面Saに当接させられると湾曲させられる。また、突起56は、剛性の高い樹脂又は柔軟な多孔質の樹脂等によって形成される。なお、突起56を、剛性の高い樹脂及び柔軟な多孔質の樹脂によって形成することができ、その場合、突起56は、例えば、液槽51の底面51bに形成されたリブ状の突起、及び該突起に隣接させて形成されたスポンジから成る。
また、前記液槽51内のワイプ液Wqの量が少なくなると、バキューム・ワイプユニット40の外部に配設された図示されないワイプ液ボトルが液槽51の側部に形成された連通孔h3に接続され、ワイプ液ボトル内のワイプ液Wqが液槽51に補充される。
なお、液槽51内のワイプ液Wqの液面Sfが低すぎる場合、非作動領域を移動させられるワイプ部41のワイプブレード54をワイプ液Wqに浸漬させることができず、ワイプ液Wqの液面Sfが高すぎる場合、非作動領域を移動させられる吸引装置61のケースCeがワイプ液Wqに浸漬してしまう。
そこで、液槽51内のワイプ液Wqの液面Sfの高さを所定の範囲内に収まるようにするために、例えば、液槽51の側面に、液面Sfの高さが所定の値になるとワイプ液Wqが液槽51外に排出されるように溝を形成し、該溝を介して、液槽51外に配設された図示されない回収ボトルにワイプ液Wqを回収するようにすることができる。
また、液槽51内に、液面Sfの高さに応じて上下方向に移動する図示されないフロートを配設し、該フロートの位置を図示されない液面検出センサによって検出することにより、液面Sfの高さを検出し、液面Sfの高さが所定の値より小さくなると、ワイプ液ボトル内のワイプ液Wqが液槽51に供給されるようにすることができる。
次に、前記インクジェットプリンタ10の制御装置について説明する。
図4は本発明の実施の形態におけるインクジェットプリンタの制御ブロック図である。
図において、80はインクジェットプリンタ10の全体の制御を行う制御部、81は第1の記憶装置としてのROM、82は第2の記憶装置としてのRAM、83は第3の記憶装置としての設定値メモリである。
前記制御部80は、演算装置としての図示されないCPUを備え、ROM81に記録されたプログラムに基づいて各種の処理を行う。ROM81には前記プログラムのほかに各種の初期値等が記録され、RAM82には各種のデータが一時的に記録される。また、RAM82は、前記CPUが演算を行う際にワークエリアとしても機能する。そして、前記設定値メモリ83には、制御部80が各種の処理を行う際に使用される設定値、例えば、バキューム部44(図1)がノズル面Saに付着したインク及び記録ヘッドHdiの周辺の空気の吸引を開始するチェーンベルトBtの走行経路上の位置であるバキューム開始位置、バキューム部44がノズル面Saに付着したインク及び記録ヘッドHdiの周辺の空気を吸引する高さ方向の位置である吸引位置、ワイプ部41がノズル面Saをワイプする高さ方向の位置であるワイプ位置、ワイプ部41によってノズル面Saがワイプされる回数を表すワイプ回数、ワイプを開始する条件であるワイプ開始条件等が記録される。
また、前記制御部80は、ヘッド駆動処理部Pr1、搬送処理部Pr2、キャリッジ駆動処理部Pr3、昇降処理部Pr4、吸引処理部Pr5、移送処理部Pr6等を備える。
前記ヘッド駆動処理部Pr1は前記記録ヘッドHdiに画像データを送り、記録ヘッドHdiは、画像データに基づいて、所定のタイミングでインクを吐出して画像を形成する。
前記搬送処理部Pr2は、前記搬送モータ34を駆動し、搬送ローラ対30(図2)を回転させ、記録媒体Pを搬送する。
前記キャリッジ駆動処理部Pr3は、PWM制御によって前記キャリッジモータ22を駆動し、キャリッジ17を移動させる。そのために、キャリッジ駆動処理部Pr3は、ROM81からキャリッジ17の目標位置及び目標速度を読み出し、前記エンコーダ35のセンサ出力を受け、キャリッジ17の位置を検出し、制御値としてのPWM制御信号を発生させてキャリッジモータ22に送る。該キャリッジモータ22は、PWM制御信号を受けて、PWM制御信号のデューティに比例して回転速度を変化させ、キャリッジ17を加速したり減速したりして目標速度で目標位置に移動させる。
前記昇降処理部Pr4は、前記昇降モータ70を駆動し、移送機構46を上下方向に移動させる。そのために、ハウジングHsにおける所定の位置に、移送機構46を保持する前記フレームと対向させて昇降用の検出部としての昇降センサ36が配設され、昇降処理部Pr4は、昇降センサ36のセンサ出力を受け、バキューム部44及びワイプ部41の高さ方向の位置を検出する。
前記吸引処理部Pr5は、吸引ポンプPsを駆動する。該吸引ポンプPsが駆動されると、吸引装置61によって、ノズル面Saに付着したインク及び記録ヘッドHdiの周辺の空気が吸引される。
前記移送処理部Pr6は、前記移送モータ71を駆動することによって、チェーンベルトBtを走行させ、バキューム部44及びワイプ部41を副走査方向に移動させる。これにより、バキューム部44がノズル面Saと平行な面に沿って移動させられ、吸引装置61によって、ノズル面Saに付着したインクが空気とともに吸引され、ワイプ部41がノズル面Saに沿って移動させられ、ワイプブレード54によってノズル面Saがワイプされる。
なお、ハウジングHs内においてギヤgr2と対向させて移送用の検出部としての移送センサ37が配設され、移送処理部Pr6は、移送センサ37のセンサ出力を受け、バキューム部44及びワイプ部41のチェーンベルトBtの走行経路上の位置を検出する。
次に、インクジェットプリンタ10の動作について説明する。
図5は本発明の実施の形態におけるインクジェットプリンタの動作を示すフローチャートである。
まず、キャリッジ駆動処理部Pr3(図4)は、キャリッジモータ22を駆動し、エンコーダ35から送られたセンサ出力を読み込み、キャリッジ17の位置を検出しながらキャリッジ17をホームポジションに移動させ、記録ヘッドHdiをバキューム・ワイプユニット40の上方、すなわち、バキューム部44及びワイプ部41の作動領域の上方に置く。そのために、キャリッジ17はプラテン25側からホームポジションに向けて移動させられ、ノズル面Saがバキューム部44及びワイプ部41と対向する位置で停止させられる。
続いて、移送処理部Pr6は、移送モータ71を駆動し、移送センサ37から送られたセンサ出力を読み込み、バキューム部44のチェーンベルトBtの走行経路上の位置を検出し、バキューム部44をバキューム開始位置に置く。また、昇降処理部Pr4は、昇降センサ36から送られたセンサ出力を読み込み、バキューム部44の高さ方向の位置を検出し、バキューム部44を吸引位置に置く。なお、この場合、前述されたように、前記移送センサ37がギヤgr2と対向させて配設されるので、バキューム開始位置は、バキューム部44が非作動領域から作動領域に移動する直前の位置に設定される。
そして、吸引処理部Pr5は、吸引ポンプPsを駆動し、ノズル面Saに付着したインク及び記録ヘッドHdiの周辺の空気の吸引を開始する。
キャリッジ17が停止させられた状態で、前記移送処理部Pr6が、移送モータ71を駆動し、チェーンベルトBtを走行させると、チェーンベルトBtの走行に伴ってバキューム部44が各記録ヘッドHdiのノズル面Saと平行な面に沿って移動させられ、ノズル面Saに付着したインク及び記録ヘッドHdiの周辺の空気を吸引する。
そして、チェーンベルトBtが所定の距離走行させられ、バキューム部44が作動領域から非作動領域に移動すると、吸引処理部Pr5は、吸引ポンプPsを停止させ、バキューム部44によるインク及び空気の吸引を停止させる。
続いて、昇降処理部Pr4は、昇降モータ70を駆動し、移送機構46を上方に移動させ、昇降センサ36から送られたセンサ出力を読み込み、ワイプ部41の高さ方向の位置を検出し、ワイプ部41をワイプ位置に置く。本実施の形態においては、チェーンベルトBtが走行させられたまま移送機構46が上方に移動させられ、ワイプ部41がワイプ位置に置かれるが、チェーンベルトBtを停止させた状態で移送機構46を上方に移動させ、ワイプ部41をワイプ位置に置くことができる。
次に、ワイプ部41は、ワイプブレード54によって、インク及び空気が吸引された後のノズル面Saをワイプする。
そして、チェーンベルトBtが所定の距離走行させられ、ワイプ部41が作動領域から非作動領域に移動させられると、昇降処理部Pr4は、昇降モータ70を駆動し、移送機構46を下方に移動させ、ワイプブレード54の先端を液槽51内のワイプ液Wqに浸漬させ、突起56に当てる。続いて、移送処理部Pr6は、移送モータ71を停止させ、チェーンベルトBtの走行を停止させる。なお、バキューム・ワイプユニット40が待機状態に置かれているときに、ワイプ部41は、ワイプブレード54の先端を液槽51内のワイプ液Wqに浸漬させた状態で停止させられる。
このようにして、バキューム部44によるインク及び空気の吸引、並びにワイプ部41によるノズル面Saのワイプが終了すると、キャリッジ駆動処理部Pr3は、キャリッジモータ22を駆動し、キャリッジ17を移動させ、記録ヘッドHdiをスピットユニット45(図2)の上方に移動させる。続いて、ヘッド駆動処理部Pr1は、記録ヘッドHdiを駆動し、スピットを行い、ノズルから所定の数のインク滴分のインクをスピットユニット45に向けて吐出する。スピットユニット45は、記録ヘッドHdiから吐出されたインクを受け、廃棄する。
本実施の形態においては、ノズル面Saがワイプされた後、直ちにスピットが行われるので、記録ヘッドHdiのメンテナンスを効率的に行うことができる。また、バキューム部44及びワイプ部41が主走査方向における同じ位置に配設されるので、バキューム部44によるインク及び空気の吸引だけが行われ、ワイプ部41によるノズル面のワイプが行われない場合でも、直ちにスピットを行うことができる。したがって、記録ヘッドHdiのメンテナンスを一層効率的に行うことができる。
続いて、ヘッド駆動処理部Pr1が記録ヘッドHdiによる記録を開始すると、キャリッジ駆動処理部Pr3は、キャリッジモータ22を駆動し、キャリッジ17をホームポジションからプラテン25側に移動させる。
前述されたように、本実施の形態においては、バキューム・ワイプユニット40が待機状態に置かれているときに、ワイプ部41が、ワイプブレード54の先端を液槽51内のワイプ液Wqに浸漬させた状態で停止させられるが、このとき、バキューム部44がノズル面Saと対向する位置に置かれていると、キャリッジ17が移動させられて、記録ヘッドHdiがスピットユニット45の上方に移動させられるのに伴って、バキューム部44と記録ヘッドHdiとが干渉することがあり、その場合、記録ヘッドHdiが破損してしまう。
そこで、本実施の形態においては、バキューム・ワイプユニット40が待機状態に置かれているときに、バキューム部44はギヤgr2の上方に置かれ、ワイプ部41は、ワイプブレード54の先端が液槽51内のワイプ液Wqに浸漬させられる。なお、ワイプ部41を停止させたときに、昇降機構によって移送機構46を下方に移動させ、バキューム部44と記録ヘッドHdiとが干渉するのを防止するようにすることができる。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 キャリッジ駆動処理部Pr3は記録ヘッドHdiをバキューム・ワイプユニット40の上方に置く。
ステップS2 移送処理部Pr6はバキューム部44をバキューム開始位置に置く。
ステップS3 吸引処理部Pr5は吸引ポンプPsを駆動し、ノズル面Saに付着したインク及び記録ヘッドの周辺の空気の吸引を開始する。
ステップS4 移送処理部Pr6はチェーンベルトBtを走行させ、バキューム部44はノズル面Saに付着したインク及び記録ヘッドHdiの周辺の空気を吸引する。
ステップS5 吸引処理部Pr5はバキューム部44によるインク及び空気の吸引を停止する。
ステップS6 昇降処理部Pr4は移送機構46を上方に移動させ、ワイプ部41をワイプ位置に置く。
ステップS7 ワイプ部41はノズル面Saをワイプする。
ステップS8 昇降処理部Pr4は移送機構46を下方に移動させ、ワイプブレード54の先端を突起56に当て、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、チェーンベルトBtの走行に伴って、バキューム部44が、ノズル面Saと平行な面に沿って移動させられ、ノズル面Saに付着したインクを空気と共に吸引し、続いて、ワイプ部41が、ノズル面Saに沿って移動させられ、インク及び空気が吸引された後のノズル面Saをワイプするので、インク中に分散させられた顔料によってノズル面Saが擦られることがなく、ノズル面Saを傷付けることがない。
したがって、ノズル面Saに形成された膜の撥液性能を維持することができるので、ノズル面Saにインクが濡れ広がってノズルのメニスカスに影響を及ぼすことがなく、インクの吐出不良が発生するのを防止することができる。
また、本実施の形態においては、バキューム部44及びワイプ部41が主走査方向において同じ位置に配設されるので、記録ヘッドHdiは、キャリッジ17の移動に伴って、プラテン25上からバキューム部44の上方に移動すると、ワイプ部41の上方に移動することにもなる。したがって、キャリッジ17を移動させるためのキャリッジモータ22の制御を簡素化することができる。
さらに、本実施の形態においては、吸引ポンプPsを駆動したり、停止させたりして、バキューム部44によるインク及び空気の吸引を行ったり、停止させたりするようになっているが、分離装置85と吸引ポンプPsとの間に図示されない弁を配設し、該弁を開閉することによって、バキュームスリット63と吸引ポンプPsと連通したり、遮断したりすることができる。その場合、チェーンベルトBtの走行に伴って、バキューム部44がバキューム開始位置に置かれると、弁が開かれ、バキューム部44が作動領域を移動させられている間、バキュームスリット63と吸引ポンプPsとが連通させられ、バキューム部44が作動領域から非作動領域に移動させられると、弁が閉じられ、バキュームスリット63と吸引ポンプPsとが遮断される。このとき、弁に配設された別の開口から空気が吸引される。これにより、仮に、バキューム部44が非作動領域を移動させられているときに液槽51内のワイプ液Wqに漬漬させられても、バキュームスリット63を介してワイプ液Wqが吸引されるのが防止される。
前記実施の形態においては、インクジェットプリンタ10について説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
10 インクジェットプリンタ
17 キャリッジ
40 バキューム・ワイプユニット
41 ワイプ部
44 バキューム部
46 移送機構
Bt チェーンベルト
gr2〜gr4 ギヤ
Hdi 記録ヘッド
q1、q2 第1、第2の取付部
Sa ノズル面

Claims (8)

  1. (a)主走査方向に移動自在に配設されたキャリッジと、
    (b)該キャリッジに搭載され、ノズル面を備え、インクを吐出する記録ヘッドと、
    (c)キャリッジの主走査方向における所定の箇所に前記ノズル面と対向させて配設されたバキューム・ワイプユニットとを有するとともに、
    (d)該バキューム・ワイプユニットは、複数の回転体及び該各回転体によって走行自在に張設された走行部材を備えた移送機構、前記走行部材の第1の取付部に取り付けられ、走行部材の走行に伴ってノズル面に沿って副走査方向に移動させられ、ノズル面に付着したインクを空気と共に吸引する吸引部、並びに前記走行部材の第2の取付部に取り付けられ、走行部材の走行に伴ってノズル面に沿って副走査方向に移動させられ、インク及び空気が吸引された後のノズル面をワイプする払拭部を備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記第1、第2の取付部は、走行部材の長さ方向において互いに所定の距離を置いて設定される請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. (a)前記バキューム・ワイプユニットは、ワイプ液を収容するための液槽を備え、
    (b)該液槽内のワイプ液は、前記払拭部のワイプ部材に浸透させられる請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記走行部材がノズル面と平行な面に沿って走行させられる領域を前記吸引部及び払拭部の作動領域とし、該作動領域以外の走行部材の他の領域を吸引部及び払拭部の非作動領域としたとき、作動領域を移動させられている間に、前記吸引部はノズル面に付着したインクを空気と共に吸引し、払拭部はインク及び空気を吸引が行われた後のノズル面をワイプする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記走行部材がノズル面と平行な面に沿って走行させられる領域を前記吸引部及び払拭部の作動領域とし、該作動領域以外の走行部材の他の領域を吸引部及び払拭部の非作動領域としたとき、非作動領域を移動させられている間に、前記払拭部は液槽内のワイプ液に浸漬させられる請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記バキューム・ワイプユニットが待機状態に置かれているときに、前記払拭部は払拭部材をワイプ液に浸漬させた状態で停止させられる請求項5に記載のインクジェットプリンタ。
  7. (a)前記移送機構を上下方向に移動させる昇降機構を有するとともに、
    (b)前記吸引部は、昇降機構によって上方に移動させられて吸引位置に置かれ、ノズル面に付着したインクを空気と共に吸引し、
    (c)前記払拭部は、昇降機構によって上方に移動させられてワイプ位置に置かれ、ノズル面をワイプする請求項1にインクジェットプリンタ。
  8. (a)キャリッジ移動用の駆動部を駆動して前記キャリッジを移動させ、記録ヘッドを前記バキューム・ワイプユニットの上方に置くキャリッジ駆動処理部と、
    (b)記録ヘッドをバキューム・ワイプユニットの上方に置いた状態で移送用の駆動部を駆動して前記走行部材を走行させ、前記吸引部及び払拭部を移動させる移送処理部とを有するとともに、
    (c)前記吸引部は、前記走行部材の走行に伴って、ノズル面と平行な面に沿って移動させられ、ノズル面に付着したインクを空気と共に吸引し、
    (d)前記払拭部は、前記走行部材の走行に伴って、ノズル面に沿って移動させられ、インク及び空気が吸引された後のノズル面をワイプする請求項1にインクジェットプリンタ。
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