以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内のX軸と平行な方向をX軸方向とし、X軸と直交する水平面内のY軸と平行な方向をY軸方向とし、X軸及びY軸と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。X軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθX方向とし、Y軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθY方向とし、Z軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθZ方向とする。XY平面は、水平面である。Z軸方向は、上下方向である。
[第1実施形態]
<電子部品実装装置>
図1は、本実施形態に係る電子部品実装装置1を模式的に示す平面図である。電子部品実装装置1は、基板Pに電子部品Cを実装する。図1に示すように、電子部品実装装置1は、電子部品Cを供給する電子部品供給装置2と、基板Pを搬送する基板搬送装置3と、電子部品Cを着脱可能に保持するノズル4を有し、電子部品Cを基板Pに実装する実装ヘッド5と、実装ヘッド5を移動するヘッド移動装置6と、ノズル4を移動するノズル移動装置7と、電子部品供給装置2、基板搬送装置3、実装ヘッド5、及びヘッド移動装置6を支持するメインフレーム8と、実装制御装置9とを備える。
電子部品供給装置2は、基板Pに実装される電子部品Cを部品供給位置APに供給する。電子部品供給装置2は、複数のテープフィーダ21を支持するフィーダバンク20を有する。フィーダバンク20において、テープフィーダ21は、X軸方向に複数配置される。テープフィーダ21は、テープリールから供給されるキャリアテープを規定の搬送方向に搬送する。本実施形態において、テープフィーダ21によるキャリアテープの搬送方向は、Y軸方向である。キャリアテープに複数の電子部品Cが保持される。部品供給位置APは、テープフィーダ21の一部に規定される。テープフィーダ21は、キャリアテープに保持されている電子部品Cが部品供給位置APに配置されるように、キャリアテープを搬送する。キャリアテープが搬送されることにより、複数の電子部品Cのそれぞれが部品供給位置APに順次配置される。
本実施形態において、電子部品供給装置2は、Y軸方向において基板搬送装置3の両側に配置される。実装ヘッド5は、2つの電子部品供給装置2のそれぞれに対応するように2つ配置される。なお、電子部品供給装置2は、Y軸方向において基板搬送装置3の片側のみに配置されてもよい。実装ヘッド5は、1つだけ配置されてもよい。
基板搬送装置3は、基板Pを規定の搬送方向に搬送する。本実施形態において、基板搬送装置3による基板Pの搬送方向は、X軸方向である。基板搬送装置3は、基板Pを支持してX軸方向に搬送する搬送ベルト34と、搬送ベルト34を駆動させる動力を発生するモータ35とを備える。基板搬送装置3は、基板Pを実装位置MPに搬送する。
実装ヘッド5は、電子部品Cを着脱可能に保持するノズル4を有する。ノズル4は、実装ヘッド5に複数設けられる。ノズル4は、電子部品Cを吸着して保持する吸着ノズルでもよいし、電子部品Cを挟んで保持する把持ノズルでもよい。ノズル4が吸着ノズルである場合、ノズル4に接続される真空システムの作動により、ノズル4は、電子部品Cを吸着することができる。ノズル4が把持ノズルである場合、ノズル4を駆動可能なアクチュエータの作動により、ノズル4は、電子部品Cを挟むことができる。
ヘッド移動装置6は、実装ヘッド5をX軸方向及びY軸方向に移動する。ヘッド移動装置6は、実装ヘッド5をX軸方向に移動するX軸移動装置61と、実装ヘッド5をY軸方向に移動するY軸移動装置62とを有する。X軸移動装置61は、実装ヘッド5をX軸方向にガイドするX軸ガイドレールと、少なくとも一部が実装ヘッド5とX軸ガイドレールとの間に配置され、実装ヘッド5をX軸方向に移動させる動力を発生するリニアアクチュエータとを有する。Y軸移動装置62は、X軸ガイドレールをY軸方向にガイドするY軸ガイドレールと、少なくとも一部がX軸ガイドレールとY軸ガイドレールとの間に配置され、X軸ガイドレールをY軸方向に移動させる動力を発生するリニアアクチュエータとを有する。
ノズル移動装置7は、ノズル4をZ軸方向及びθZ方向に移動する。ノズル移動装置7は、実装ヘッド5に設けられる。ノズル移動装置7は、複数のノズル4のそれぞれに設けられる。ノズル移動装置7は、ノズル4をZ軸方向に移動させる動力を発生するZ軸モータと、ノズル4をθZ方向に回転させる動力を発生するθZモータとを有する。
ノズル4は、ヘッド移動装置6及びノズル移動装置7により、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、及びθZ方向のそれぞれに移動可能である。実装ヘッド5は、ヘッド移動装置6により、部品供給位置APと実装位置MPとの間を移動可能である。実装ヘッド5は、部品供給位置APにおいてノズル4で電子部品Cを保持して実装位置MPに移動する。実装ヘッド5は、基板搬送装置3により実装位置MPに配置された基板Pに電子部品Cを実装する。
実装制御装置9は、コンピュータシステムを含み、ノズル4の動作及び実装ヘッド5の動作を制御する。実装制御装置9は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリ及びストレージを含む記憶装置とを有する。演算処理装置は、基板Pに電子部品Cを実装する実装処理の手順を規定する生産プログラムに従って、ノズル4の動作及び実装ヘッド5の動作を制御する。生産プログラムは、記憶装置に記憶されている。
実装制御装置9は、ヘッド移動装置6を制御して、実装ヘッド5の移動動作を制御する。実装制御装置9は、ノズル移動装置7を制御して、ノズル4の移動動作を制御する。ノズル4が吸着ノズルである場合、実装制御装置9は、ノズル4に接続される真空システムを制御して、ノズル4の吸着動作を制御する。ノズル4が把持ノズルである場合、実装制御装置9は、把持ノズルを駆動可能なアクチュエータを制御して、ノズル4の把持動作を制御する。
<基板搬送装置>
図2は、本実施形態に係る基板搬送装置3を模式的に示す側面図である。図3は、本実施形態に係る基板搬送装置3を模式的に示す平面図である。図1、図2、及び図3に示すように、基板搬送装置3は、基板Pを支持してX軸方向に搬送する搬送ベルト34と、搬送ベルト34を駆動させる動力を発生するモータ35とを備える。
基板搬送装置3は、基板Pを+X方向に搬送する。基板搬送装置3は、−X側の端部に規定され、基板Pが搬入される搬入口38と、+X側の端部に規定され、基板Pが搬出される搬出口39とを有する。
搬入口38に搬入側外部装置が接続される。搬入側外部装置として、電子部品実装装置1とは別の電子部品実装装置、及び基板Pに半田を印刷する印刷装置の少なくとも一つが例示される。
搬出口39に搬出側外部装置が接続される。搬出側外部装置として、電子部品実装装置1とは別の電子部品実装装置、及び基板Pの半田を溶かすために基板Pを加熱するリフロー炉の少なくとも一つが例示される。
基板Pは、搬入側外部装置から搬入口38に搬入される。搬入口38に搬入された基板Pは、+X方向に搬送され、実装位置MPにおいて電子部品Cを実装される。電子部品Cが実装された基板Pは、搬出口39から搬出側外部装置に搬出される。
基板搬送装置3は、インバッファ31と、センタバッファ32と、アウトバッファ33とを有する。インバッファ31とセンタバッファ32とアウトバッファ33とは、X軸方向に直列に配置される。
インバッファ31とは、搬入側外部装置から搬入された基板Pを待機させるエリアをいう。搬入口38は、インバッファ31の−X側の端部に規定される。
センタバッファ32とは、基板Pに電子部品Cを実装する実装処理が実施されるエリアをいう。センタバッファ32は、インバッファ31とアウトバッファ33との間に規定される。実装ヘッド5は、XY平面内においてセンタバッファ32の全領域を移動可能である。
アウトバッファ33とは、搬出側外部装置に搬出される基板Pを待機させるエリアをいう。搬出口39は、アウトバッファ33の+X側の端部に規定される。
インバッファ31に搬入待機位置CPが規定される。搬入待機位置CPとは、搬入側外部装置から搬入された基板Pを待機させる位置をいう。基板搬送装置3は、電子部品Cが実装される前の基板Pを、センタバッファ32に搬入する前に、インバッファ31において待機させる。センタバッファ32に搬入される前の基板Pをインバッファ31において待機させる場合、基板搬送装置3は、基板Pを搬入待機位置CPにおいて停止させる。
センタバッファ32に実装位置MPが規定される。実装位置MPとは、電子部品Cが実装される基板Pが配置される位置をいう。電子部品Cを基板Pに実装する場合、基板搬送装置3は、基板Pを実装位置MPにおいて停止させる。
アウトバッファ33に搬出待機位置TPが規定される。搬出待機位置TPとは、搬出側外部装置に搬出される基板Pを待機させる位置をいう。基板搬送装置3は、電子部品Cが実装された後の基板Pを、搬出側外部装置に搬出する前に、アウトバッファ33において待機させる。搬出側外部装置に搬出される前の基板Pをアウトバッファ33において待機させる場合、基板搬送装置3は、基板Pを搬出待機位置TPにおいて停止させる。
搬送ベルト34は、X軸方向に延在する。搬送ベルト34は、Y軸方向に一対設けられる。一方の搬送ベルト34は、基板Pの下面の+Y側の縁部を支持する。一方の搬送ベルト34は、基板Pの下面の−Y側の縁部を支持する。搬送ベルト34は、モータ35の作動により、基板Pを支持した状態で駆動して、基板Pを+X方向に搬送する。
基板搬送装置3は、3バッファ1モータ方式の基板搬送装置である。搬送ベルト34は、インバッファ31、センタバッファ32、及びアウトバッファ33のそれぞれに亘って配置される。モータ35は、1つ設けられる。1つのモータ35が発生する動力によって、搬送ベルト34が駆動される。
基板搬送装置3は、搬送ベルト34と接触した状態で回転する駆動プーリ36及び従動プーリ37を備える。駆動プーリ36は、搬送ベルト34の+X側の端部を支持する。従動プーリ37は、搬送ベルト34の−X側の端部を支持する。モータ35は、駆動プーリ36に接続され、駆動プーリ36を回転させる。モータ35が発生する動力により駆動プーリ36が回転することにより、駆動プーリ36に接触する搬送ベルト34は、駆動プーリ36及び従動プーリ37に支持された状態で、基板PがX軸方向に搬送されるように駆動する。
基板搬送装置3は、実装位置MPに停止した基板Pの上面の少なくとも一部に対向する保持部材70と、実装位置MPに停止した基板Pの下面の少なくとも一部を支持して上昇して、保持部材70との間で基板Pの少なくとも一部を挟むクランプ部材80とを備える。保持部材70及びクランプ部材80は、センタバッファ32に配置させる。
また、基板搬送装置3は、インバッファ31において基板Pを停止させるウエイトストッパ部材41と、センタバッファ32において基板Pを停止させるセンタストッパ部材42と、アウトバッファ33において基板Pを停止させるセンタストッパ部材42とを備える。
また、基板搬送装置3は、搬入口38において基板Pを検出するインセンサ50と、インバッファ31において基板Pを検出するウエイトセンサ51と、センタバッファ32において基板Pを検出するセンタセンサ52と、アウトバッファ33において基板Pを検出するアウトセンサ53とを備える。
また、基板搬送装置3は、ウエイトストッパ部材41及びウエイトセンサ51を支持する支持部材90と、支持部材90をX軸方向にガイドするガイド機構91とを備える。
保持部材70は、基板Pを支持する搬送ベルト34の上面よりも上方に配置される。保持部材70は、Y軸方向において、一対の搬送ベルト34の中心の+Y側及び−Y側のそれぞれに配置される。また、保持部材70は、Y軸方向において、一対の搬送ベルト34よりも内側に配置される。保持部材70は、X軸方向に長い板状部材である。
クランプ部材80は、クランプアクチュエータ83の作動により、Z軸方向に移動可能である。クランプアクチュエータ83として、例えばエアシリンダが例示される。クランプ部材80は、Y軸方向において、一対の搬送ベルト34の中心の+Y側及び−Y側のそれぞれに配置される。また、クランプ部材80は、Y軸方向において、一対の搬送ベルト34よりも内側に配置される。
クランプ部材80は、基板Pの下面の第1領域AR1を支持する第1クランプ部材81と、第1領域AR1よりも搬入待機位置CPに近い基板Pの下面の第2領域AR2を支持する第2クランプ部材82とを含む。
第1領域AR1及び第2領域AR2のそれぞれは、基板Pの下面のY軸方向における縁部領域である。第2領域AR2は、第1領域AR1よりも−X側に規定される。第1領域AR1及び第2領域AR2のそれぞれは、Y軸方向において、一対の搬送ベルト34よりも内側に規定される。
第1クランプ部材81は、X軸方向に長い板状部材である。第1クランプ部材81は、基板Pの下面の第1領域AR1を支持可能な支持面81Sを有する。クランプアクチュエータ83は、第1クランプ部材81をZ軸方向に移動する。第1クランプ部材81の支持面81Sは、第1クランプ部材81がZ軸方向の可動範囲において最も下方に配置されている状態において、基板Pを支持する搬送ベルト34の上面よりも下方に配置される。第1クランプ部材81の支持面81Sは、第1クランプ部材81がZ軸方向の可動範囲において最も上方に配置されている状態において、基板Pを支持する搬送ベルト34の上面よりも上方に配置される。
第1クランプ部材81は、クランプアクチュエータ83の作動により上昇して、基板Pの下面の第1領域AR1に支持面81Sを接触させることによって、基板Pを支持する。第1クランプ部材81は、クランプアクチュエータ83の作動により下降して、基板Pの下面から支持面81Sを離すことによって、基板Pの支持を解除する。
第2クランプ部材82は、第1クランプ部材81にθY方向に回転可能に支持される。第2クランプ部材82は、X軸方向に複数配置される。本実施形態において、第2クランプ部材82は、X軸方向に2つ配置される。なお、第2クランプ部材82は、X軸方向に3つ以上配置されてもよい。第2クランプ部材82は、X軸方向に1つ配置されてもよい。第2クランプ部材82は、基板Pの下面の第2領域AR2を支持可能な支持面82Sを有する。
第2クランプ部材82は、基板Pの下面の第2領域AR2に支持面82Sを接触させることによって、基板Pを支持する。第2クランプ部材82は、θY方向に回転して、基板Pの下面から支持面82Sを離すことによって、基板Pの支持を解除する。
すなわち、第1クランプ部材81は、Z軸方向に移動することによって、基板Pの支持と支持の解除とを切り換えることができる。第2クランプ部材82は、θY方向に回転することによって、基板Pの支持と支持の解除とを切り換えることができる。
クランプ部材80は、搬送ベルト34に接触することなく、搬送ベルト34から離れた状態で、一対の搬送ベルト34の間を通過するようにZ軸方向に移動可能である。インバッファ31からセンタバッファ32に搬入された基板Pは、搬送ベルト34の上面に支持された状態で、実装位置MPに停止する。クランプ部材80が搬送ベルト34から離れた状態で実装位置MPに停止した基板Pの下面の少なくとも一部を支持して上昇すると、基板Pは、搬送ベルト34の上面から離れるように上昇する。クランプ部材80が基板Pを支持した状態で更に上昇すると、基板Pは、保持部材70とクランプ部材80との間に挟まれる。これにより、基板Pの位置が固定される。基板Pの位置が固定された状態で、実装ヘッド5により基板Pに電子部品Cが実装される。
ウエイトストッパ部材41は、基板Pがセンタバッファ32の実装位置MPに搬入される前に、搬送ベルト34に支持されている基板Pに接触して、基板Pをインバッファ31の搬入待機位置CPに停止させる。ウエイトストッパ部材41は、Y軸方向において、一対の搬送ベルト34の間に配置される。ウエイトストッパ部材41は、ウエイトストッパアクチュエータ44の作動により、Z軸方向に移動可能である。ウエイトストッパアクチュエータ44として、例えばエアシリンダが例示される。
基板Pの搬送を停止させるとき、ウエイトストッパ部材41の少なくとも一部は、基板Pを支持する搬送ベルト34の上面よりも上方に配置される。ウエイトストッパ部材41の少なくとも一部が搬送ベルト34の上面よりも上方に配置されることにより、ウエイトストッパ部材41は、基板Pの+X側の端部に接触する。これにより、搬送ベルト34による基板Pの搬送が制限され、基板Pは停止する。
基板Pを搬送させるとき、ウエイトストッパ部材41は、搬送ベルト34の上面よりも下方に配置される。ウエイトストッパ部材41が搬送ベルト34の上面よりも下方に配置されることにより、ウエイトストッパ部材41と基板Pとが離れ、ウエイトストッパ部材41による基板Pの停止が解除される。基板Pは、搬送ベルト34に支持された状態で、+X方向に移動可能である。
センタストッパ部材42は、搬送ベルト34に支持されている基板Pに接触して、基板Pをセンタバッファ32の実装位置MPに停止させる。センタストッパ部材42は、Y軸方向において、一対の搬送ベルト34の間に配置される。センタストッパ部材42は、一対の第1クランプ部材81の間に配置される。センタストッパ部材42は、第1クランプ部材81にθY方向に回転可能に支持される。センタストッパ部材42は、センタストッパアクチュエータ45の作動により、θY方向に回転可能である。センタストッパアクチュエータ45として、例えばステッピングモータが例示される。
基板Pの搬送を停止させるとき、センタストッパ部材42の少なくとも一部は、搬送ベルト34の上面よりも上方に配置される。センタストッパ部材42の少なくとも一部が搬送ベルト34の上面よりも上方に配置されることにより、センタストッパ部材42は、基板Pの+X側の端部に接触する。これにより、搬送ベルト34による基板Pの搬送が制限され、基板Pは停止する。
基板Pを搬送させるとき、センタストッパ部材42は、搬送ベルト34の上面よりも下方に配置される。センタストッパ部材42が搬送ベルト34の上面よりも下方に配置されることにより、センタストッパ部材42と基板Pとが離れ、センタストッパ部材42による基板Pの停止が解除される。基板Pは、搬送ベルト34に支持された状態で、+X方向に移動可能である。
アウトストッパ部材43は、基板Pがセンタバッファ32の実装位置MPから搬出された後に、搬送ベルト34に支持されている基板Pに接触して、基板Pをアウトバッファ33の搬出待機位置TPに停止させる。アウトストッパ部材43は、Y軸方向において、一対の搬送ベルト34の間に配置される。アウトストッパ部材43は、アウトストッパアクチュエータ46の作動により、Z軸方向に移動可能である。アウトストッパアクチュエータ46として、例えばエアシリンダが例示される。
基板Pの搬送を停止させるとき、アウトストッパ部材43の少なくとも一部は、搬送ベルト34の上面よりも上方に配置される。アウトストッパ部材43の少なくとも一部が搬送ベルト34の上面よりも上方に配置されることにより、アウトストッパ部材43は、基板Pの+X側の端部に接触する。これにより、搬送ベルト34による基板Pの搬送が制限され、基板Pは停止する。
基板Pを搬送させるとき、アウトストッパ部材43は、搬送ベルト34の上面よりも下方に配置される。アウトストッパ部材43が搬送ベルト34の上面よりも下方に配置されることにより、アウトストッパ部材43と基板Pとが離れ、アウトストッパ部材43による基板Pの停止が解除される。基板Pは、搬送ベルト34に支持された状態で、+X方向に移動可能である。
本実施形態において、ウエイトストッパ部材41、センタストッパ部材42、及びアウトストッパ部材43のそれぞれは、搬送ベルト34が駆動している状態で、基板Pの搬送を停止させることができる。例えば、ウエイトストッパアクチュエータ44は、モータ35が作動している状態で、ウエイトストッパ部材41の少なくとも一部が搬送ベルト34の上面よりも上方に配置されるように、ウエイトストッパ部材41を移動することができる。ウエイトストッパ部材41が基板Pの+X側の端部に接触しているとき、搬送ベルト34は駆動し続けることができる。搬送ベルト34は、基板Pの下面の少なくとも一部を擦りながら駆動することができる。同様に、センタストッパアクチュエータ45は、モータ35が作動している状態で、センタストッパ部材42の少なくとも一部が搬送ベルト34の上面よりも上方に配置されるように、センタストッパ部材42を移動することができる。アウトストッパアクチュエータ46は、モータ35が作動している状態で、アウトストッパ部材43の少なくとも一部が搬送ベルト34の上面よりも上方に配置されるように、アウトストッパ部材43を移動することができる。
インセンサ50は、搬入側外部装置から搬入口38に搬入された基板Pを検出する。インセンサ50は、例えば検出光を射出する射出部と、検出光を受光する受光部とを有する。検出光の光路に基板Pが配置されたとき、射出部から射出され基板Pで反射した検出光の少なくとも一部は受光部に受光される。検出光の光路に基板Pが配置されている状態と配置されていない状態とでは、受光部における検出光の受光状態が異なる。インセンサ50は、射出部から検出光を射出したときの受光部の受光状態に基づいて、検出光の光路に基板Pが存在するか否かを検出することができる。
ウエイトセンサ51は、基板Pが搬入待機位置CPに搬入される前に、搬送ベルト34に搬送される基板Pを検出する。ウエイトセンサ51は、インバッファ31に配置される。ウエイトセンサ51は、X軸方向において、搬入口38と搬入待機位置CPとの間に配置される。インセンサ50と同様、ウエイトセンサ51は、検出光を射出する射出部と、検出光を受光する受光部とを有する。ウエイトセンサ51は、射出部から検出光を射出したときの受光部の受光状態に基づいて、検出光の光路に基板Pが存在するか否かを検出することができる。
センタセンサ52は、搬入待機位置CPと実装位置MPとの間において、搬送ベルト34に搬送される基板Pを検出する。センタセンサ52は、センタバッファ32に配置される。センタセンサ52は、X軸方向において、搬入待機位置CPと実装位置MPとの間に配置される。インセンサ50及びウエイトセンサ51と同様、センタセンサ52は、検出光を射出する射出部と、検出光を受光する受光部とを有する。センタセンサ52は、射出部から検出光を射出したときの受光部の受光状態に基づいて、検出光の光路に基板Pが存在するか否かを検出することができる。
アウトセンサ53は、実装位置MPと搬出待機位置TPとの間において、搬送ベルト34に搬送される基板Pを検出する。アウトセンサ53は、アウトバッファ33に配置される。アウトセンサ53は、X軸方向において、実装位置MPと搬出待機位置TPとの間に配置される。インセンサ50、ウエイトセンサ51、及びセンタセンサ52と同様、アウトセンサ53は、検出光を射出する射出部と、検出光を受光する受光部とを有する。アウトセンサ53は、射出部から検出光を射出したときの受光部の受光状態に基づいて、検出光の光路に基板Pが存在するか否かを検出することができる。
支持部材90の少なくとも一部は、搬送ベルト34よりも下方に配置される。また、支持部材90の少なくとも一部は、Y軸方向において一対の搬送ベルト34の間に配置される。ウエイトセンサ51は、支持部材90に固定される。ウエイトセンサ51と支持部材90との相対位置は変化しない。ウエイトストッパ部材41は、支持部材90にZ軸方向に移動可能に支持される。ウエイトストッパ部材41は、支持部材90にX軸方向及びY軸方向に移動不可能に支持される。すなわち、Z軸方向において、ウエイトストッパ部材41と支持部材90との相対位置は変化するものの、X軸方向及びY軸方向において、ウエイトストッパ部材41と支持部材90との相対位置は変化しない。支持部材90は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにおいて、ウエイトストッパ部材41とウエイトセンサ51との相対位置が維持されるように、ウエイトストッパ部材41及びウエイトセンサ51を支持する。
ガイド機構91は、支持部材90をX軸方向にガイドする。ガイド機構91は、X軸方向に延在するガイドレールを含む。ガイド機構91は、Y軸方向に一対設けられる。支持部材90は、ガイド機構91にガイドされながらX軸方向に移動可能である。
支持部材90は、X軸方向においてウエイトストッパ部材41よりも搬入待機位置CPから離れた位置に配置される押込部92を有する。押込部92は、ウエイトストッパ部材41よりも+X方向に突出する凸部である。支持部材90が+X方向に移動したとき、押込部92は、第2クランプ部材82に接触する。
第2クランプ部材82は、X軸方向の支持部材90の位置に基づいて、基板Pの下面の第2領域AR2の支持を解除する。支持部材90が第1クランプ部材81に接近するように+X方向に移動したとき、第2クランプ部材82の下端部が押込部92に+X方向に押される。これにより、第2クランプ部材82は、一方向に回転して、基板Pの下面の第2領域AR2の支持を解除する。支持部材90が第1クランプ部材81から離れるように−X方向に移動したとき、押込部92は、第2クランプ部材82から離れる。これにより、第2クランプ部材82は、逆方向に回転して、基板Pの下面の第2領域AR2を支持する。
<搬送制御装置>
図4は、本実施形態に係る基板搬送装置3の搬送制御装置100を示す機能ブロック図である。図4に示すように、基板搬送装置3は、搬送制御装置100を有する。搬送制御装置100は、コンピュータシステムを含み、基板搬送装置3を制御する。搬送制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリ及びストレージを含む記憶装置とを有する。演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施する。
搬送制御装置100は、データ取得部101と、モータ制御部102と、ストッパ制御部103と、クランプ制御部104とを有する。
データ取得部101は、インセンサ50からインセンサ50の検出データを取得する。データ取得部101は、ウエイトセンサ51からウエイトセンサ51の検出データを取得する。データ取得部101は、センタセンサ52からセンタセンサ52の検出データを取得する。データ取得部101は、アウトセンサ53からアウトセンサ53の検出データを取得する。データ取得部101は、実装制御装置9から実装制御装置9の実装制御データを取得する。データ取得部101は、搬出側外部装置200から搬出側外部装置200の受入要否データを取得する。
モータ制御部102は、データ取得部101により取得されたデータに基づいて、モータ35を制御する制御指令を出力する。
ストッパ制御部103は、データ取得部101により取得されたデータに基づいて、ウエイトストッパアクチュエータ44、センタストッパアクチュエータ45、及びアウトストッパアクチュエータ46のそれぞれを制御する制御指令を出力する。
クランプ制御部104は、データ取得部101により取得されたデータに基づいて、クランプアクチュエータ83を制御する制御指令を出力する。
インセンサ50の検出データは、インセンサ50が基板Pを検出したときの検出データを含む。モータ制御部102は、インセンサ50が基板Pを検出したときの検出データに基づいて、搬入口38に搬入された基板Pが搬送ベルト34により搬送されるように、モータ35の作動を開始する制御指令を出力することができる。
実装制御装置9の実装制御データは、センタバッファ32に配置されている基板Pの実装処理が終了したか否かを示す実績データを含む。上述のように、実装制御装置9の記憶装置は、生産プログラムを記憶する。生産プログラムは、実装制御データを含む。ストッパ制御部103は、実装制御データに基づいて、センタバッファ32に配置されている基板Pの実装処理が終了していないと判定したとき、インバッファ31の基板Pがセンタバッファ32に搬送されずに搬入待機位置CPに停止するように、ウエイトストッパアクチュエータ44を作動させる制御指令を出力する。すなわち、センタバッファ32に基板Pが存在するとき、インバッファ31の基板Pがセンタバッファ32に移動しないように、ストッパ制御部103は、ウエイトストッパ部材41を上昇させるための制御指令をウエイトストッパアクチュエータ44に出力する。これにより、ウエイトストッパ部材41が基板Pに接触し、基板Pは搬入待機位置CPに停止する。
ウエイトセンサ51の検出データは、ウエイトセンサ51が基板Pを検出したときの検出データを含む。ウエイトストッパ部材41が上昇している状態で、ウエイトセンサ51が基板Pを検出した場合、モータ制御部102は、ウエイトセンサ51が基板Pを検出したときの検出データに基づいて、搬送ベルト34の搬送速度が低下するように、モータ35を制御する制御指令を出力する。これにより、基板Pが高速度でウエイトストッパ部材41に当たることが抑制される。そのため、基板Pの損傷が抑制される。また、基板Pに既に電子部品Cが搭載されている場合、電子部品Cの位置がずれることが抑制される。
実装制御装置9の実装制御データは、電子部品Cが実装される前の基板Pがインバッファ31からセンタバッファ32に搬送されたことを示す搬送データを含む。ストッパ制御部103は、実装制御データに基づいて、電子部品Cが実装される前の基板Pがセンタバッファ32に搬送されたと判定したとき、基板Pが実装位置MPに停止するように、センタストッパアクチュエータ45を作動させる制御指令を出力する。すなわち、新たな基板Pがセンタバッファ32に搬入されたとき、実装位置MPに停止するように、ストッパ制御部103は、センタストッパ部材42を上昇させるための制御指令をセンタストッパアクチュエータ45に出力する。これにより、センタストッパ部材42が基板Pに接触し、基板Pは実装位置MPに停止する。
センタセンサ52の検出データは、センタセンサ52が基板Pを検出したときの検出データを含む。センタストッパ部材42が上昇している状態で、センタセンサ52が基板Pを検出した場合、モータ制御部102は、センタセンサ52が基板Pを検出したときの検出データに基づいて、搬送ベルト34の搬送速度が低下するように、モータ35を制御する制御指令を出力する。これにより、基板Pが高速度でセンタストッパ部材42に当たることが抑制される。そのため、基板Pの損傷が抑制される。また、基板Pに既に電子部品Cが搭載されている場合、電子部品Cの位置がずれることが抑制される。
搬出側外部装置200の受入要否データは、アウトバッファ33に存在する基板Pの受入を搬出側外部装置200が許可したことを示す許可データを含む。ストッパ制御部103は、受入要否データに基づいて、アウトバッファ33に配置されている基板Pの受入が許可されていないと判定したとき、アウトバッファ33の基板Pが搬出側外部装置200に搬送されずに搬出待機位置TPに停止するように、アウトストッパアクチュエータ46を作動させる制御指令を出力する。すなわち、搬出側外部装置200が基板Pの受入を許可していないとき、アウトバッファ33の基板Pが搬出側外部装置200に移動しないように、ストッパ制御部103は、アウトストッパ部材43を上昇させるための制御指令をアウトストッパアクチュエータ46に出力する。これにより、アウトストッパ部材43が基板Pに接触し、基板Pは搬出待機位置TPに停止する。
アウトセンサ53の検出データは、アウトセンサ53が基板Pを検出したときの検出データを含む。アウトストッパ部材43が上昇している状態で、アウトセンサ53が基板Pを検出した場合、モータ制御部102は、アウトセンサ53が基板Pを検出したときの検出データに基づいて、搬送ベルト34の搬送速度が低下するように、モータ35を制御する制御指令を出力する。これにより、基板Pが高速度でアウトストッパ部材43に当たることが抑制される。そのため、基板Pの損傷が抑制される。また、基板Pに既に電子部品Cが搭載されている場合、電子部品Cの位置がずれることが抑制される。
上述のように、実装制御装置9の実装制御データは、センタバッファ32に配置されている基板Pの実装処理が終了したか否かを示す実績データを含む。ストッパ制御部103は、実装制御データに基づいて、センタバッファ32に配置されている基板Pの実装処理が終了したと判定したとき、インバッファ31の基板Pがセンタバッファ32に搬送されるように、ウエイトストッパアクチュエータ44を作動させる制御指令を出力する。すなわち、センタバッファ32に基板Pが存在しないとき、インバッファ31の基板Pがセンタバッファ32に移動するように、ストッパ制御部103は、ウエイトストッパ部材41を下降させるための制御指令をウエイトストッパアクチュエータ44に出力する。これにより、インバッファ31に存在する基板Pはセンタバッファ32に搬送される。
また、ストッパ制御部103は、実装制御データに基づいて、センタバッファ32に配置されている基板Pの実装処理が終了したと判定したとき、センタバッファ32の基板Pがアウトバッファ33に搬送されるように、センタストッパアクチュエータ45を作動させる制御指令を出力する。すなわち、アウトバッファ33に基板Pが存在しないとき、センタバッファ32の基板Pがアウトバッファ33に移動するように、ストッパ制御部103は、センタストッパ部材42を下降させるための制御指令をセンタストッパアクチュエータ45に出力する。これにより、センタバッファ32に存在する基板Pはアウトバッファ33に搬送される。
<搬送方法>
次に、本実施形態に係る基板搬送装置3の動作について説明する。図5、図6、及び図7は、本実施形態に係る基板搬送装置3を模式的に示す側面図である。図5に示すように、例えばX軸方向における基板Pの大きさに基づいて、X軸方向における支持部材90の位置が調整される。本実施形態において、X軸方向における支持部材90の位置の調整は、作業者によって実施される。支持部材90は、ガイド機構91によりガイドされながらX軸方向に移動可能である。作業者は、支持部材90を手で操作して、支持部材90の位置を調整することができる。なお、支持部材90とガイド機構91との間にリニアアクチュエータが設けられ、リニアアクチュエータの作動により、X軸方向における支持部材90の位置が調整されてもよい。
支持部材90は、ウエイトストッパ部材41とセンタストッパ部材42とのX軸方向の距離Laが、センタストッパ部材42とアウトストッパ部材43とのX軸方向の距離Lbよりも短くなるように、X軸方向に移動される。
X軸方向において、ウエイトストッパ部材41とウエイトセンサ51との距離Waと、センタストッパ部材42とウエイトセンサ52との距離Wbと、アウトストッパ部材43とアウトセンサ53との距離Wcとは、等しい。距離Laが距離Lbよりも短いことは、ウエイトセンサ51とセンタセンサ52とのX軸方向の距離Lcがセンタセンサ52とアウトセンサ53とのX軸方向の距離Lcよりも短いことと同義である。また、距離Laが距離Lbよりも短いことは、ウエイトストッパ部材41とセンタセンサ52とのX軸方向の距離Leがセンタストッパ部材42とアウトセンサ53とのX軸方向の距離Lfよりも短いことと同義である。
本実施形態においては、X軸方向において、押込部92の+X側の端部の位置と、実装位置MPに配置される基板Pの−X側の端部の位置とが一致するように、X軸方向における支持部材90の位置が調整される。
支持部材90の位置が調整された後、1枚目の基板Pが搬入側外部装置から電子部品実装装置1の基板搬送装置3に搬入される。基板搬送装置3に基板Pが存在しない状態において、1枚目の基板Pが搬入側外部装置から搬入口38に搬入された場合、モータ制御部102は、インセンサ50の検出データに基づいて、モータ35の作動を開始する。モータ制御部102は、基板Pが第1搬送速度V1で搬送されるように、モータ35を制御する。
また、ストッパ制御部103は、センタストッパ部材42の少なくとも一部が搬送ベルト34の上面よりも上方に配置され、ウエイトストッパ部材41が搬送ベルト34の上面よりも下方に配置されるように、ウエイトストッパアクチュエータ44及びセンタストッパアクチュエータ45を制御する。これにより、搬入口38に搬入された1枚目の基板Pは、インバッファ31において待機することなく、センタバッファ32まで搬送ベルト34により搬送される。搬送ベルト34により搬入口38からセンタバッファ32まで搬送された基板Pは、センタストッパ部材42に接触して、実装位置MPに停止する。基板Pがセンタストッパ部材42に接近するとき、センタセンサ52は基板Pを検出する。モータ制御部102は、センタセンサ52が基板Pを検出したときの検出データに基づいて、基板Pが第1搬送速度V1よりも低い第2搬送速度V2で搬送されるように、モータ35を制御する。すなわち、モータ制御部102は、センタセンサ52の検出データに基づいて、基板Pがセンタストッパ部材42に接近したと判定したとき、基板Pの搬送速度を低下させる。これにより、基板Pが高速度でセンタストッパ部材42に接触することが抑制される。
1枚目の基板Pがセンタストッパ部材42に接触して実装位置MPに停止した後、クランプ制御部104は、クランプアクチュエータ83を制御して、第1クランプ部材81を上昇させる。これにより、第1クランプ部材81は、基板Pの下面の第1領域AR1を支持した状態で上昇し、第2クランプ部材82は、基板Pの下面の第2領域AR2を支持した状態で上昇する。第1クランプ部材81及び第2クランプ部材82が上昇し、基板Pが搬送ベルト34から離れた後、図5に示すように、ストッパ制御部103は、センタストッパアクチュエータ45を制御して、センタストッパ部材42を基板Pの+X側の端部から離す。第1クランプ部材81及び第2クランプ部材82が更に上昇することにより、図5に示すように、基板Pは、保持部材70と第1クランプ部材81及び第2クランプ部材82との間に挟まれる。基板Pの位置が固定された後、実装制御装置9は、ノズル4及び実装ヘッド5を制御して、実装位置MPに配置されている基板Pに電子部品Cを実装する。
センタバッファ32に配置されている1枚目の基板Pが保持部材70と第1クランプ部材81及び第2クランプ部材82との間に挟まれ、1枚目の基板Pと搬送ベルト34とが離れている状態で、2枚目の基板Pが搬入側外部装置から搬入口38に搬入された場合、モータ制御部102は、インセンサ50の検出データに基づいて、基板Pが第1搬送速度V1で搬送されるように、モータ35を制御する。図6に示すように、ストッパ制御部103は、ウエイトストッパ部材41の少なくとも一部が搬送ベルト34の上面よりも上方に配置されるように、ウエイトストッパアクチュエータ44を制御する。これにより、搬入口38に搬入された2枚目の基板Pは、ウエイトストッパ部材41に接触して、搬入待機位置CPに停止する。また、基板Pがウエイトストッパ部材41に接近するとき、ウエイトセンサ51は基板Pを検出する。モータ制御部102は、ウエイトセンサ51が基板Pを検出したときの検出データに基づいて、基板Pが第1搬送速度V1よりも低い第2搬送速度V2で搬送されるように、モータ35を制御する。すなわち、モータ制御部102は、ウエイトセンサ51の検出データに基づいて、基板Pがウエイトストッパ部材41に接近したと判定したとき、基板Pの搬送速度を低下させる。これにより、基板Pが高速度でウエイトストッパ部材41に接触することが抑制される。
1枚目の基板Pの実装処理が終了した後、クランプ制御部104は、クランプアクチュエータ83を制御して、第1クランプ部材81を下降させる。これにより、基板Pは、搬送ベルト34に支持され、第1クランプ部材81及び第2クランプ部材82による基板Pの支持が解除される。搬送ベルト34は、モータ35の作動により駆動している。搬送ベルト34に支持された基板Pは、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出される。
図7に示すように、ストッパ制御部103は、アウトストッパ部材43の少なくとも一部が搬送ベルト34の上面よりも上方に配置されるように、アウトストッパアクチュエータ46を制御する。これにより、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出された1枚目の基板Pは、アウトストッパ部材43に接触して、搬出待機位置TPに停止する。また、基板Pがアウトストッパ部材43に接近するとき、アウトセンサ53は基板Pを検出する。モータ制御部102は、アウトセンサ53が基板Pを検出したときの検出データに基づいて、基板Pが第1搬送速度V1よりも低い第2搬送速度V2で搬送されるように、モータ35を制御する。すなわち、モータ制御部102は、アウトセンサ53の検出データに基づいて、基板Pがアウトストッパ部材43に接近したと判定したとき、基板Pの搬送速度を低下させる。これにより、基板Pが高速度でアウトストッパ部材43に接触することが抑制される。
1枚目の基板Pがセンタバッファ32からアウトバッファ33に搬出された後、ストッパ制御部103は、2枚目の基板Pがインバッファ31からセンタバッファ32に搬入されるように、ウエイトストッパアクチュエータ44を制御して、ウエイトストッパ部材41を搬送ベルト34の上面よりも下方に移動する。これにより、2枚目の基板Pは、搬送ベルト34により、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入される。ストッパ制御部103は、2枚目の基板Pが実装位置MPに停止するように、センタストッパアクチュエータ45を制御して、センタストッパ部材42の少なくとも一部を搬送ベルト34の上面よりも上方に移動する。基板Pが実装位置MPに停止した後、クランプ制御部104は、クランプアクチュエータ83を制御して、第1クランプ部材81及び第2クランプ部材82を上昇させる。これにより、2枚目の基板Pは、保持部材70と第1クランプ部材81及び第2クランプ部材82との間に挟まれる。基板Pの位置が固定された状態で、実装ヘッド5により基板Pに電子部品Cが実装される。
図8は、本実施形態に係る基板Pの搬送方法を示すフローチャートである。図8は、図7に示す状態からの基板搬送装置3の動作を示すフローチャートである。
図7に示すように、ストッパ制御部103は、インバッファ31において基板Pが搬入待機位置CPに停止するように、ウエイトストッパアクチュエータ44を制御する。また、ストッパ制御部103は、センタバッファ32において実装処理が終了した基板Pが実装位置MPに停止するように、センタストッパアクチュエータ45を制御する。また、ストッパ制御部103は、アウトバッファ33において基板Pが搬出待機位置TPに停止するように、アウトストッパアクチュエータ46を制御する(ステップS10)。
インバッファ31、センタバッファ32、及びアウトバッファ33のそれぞれに基板Pが配置されている状態で、データ取得部101は、搬出側外部装置200から許可データを取得したか否かを判定する(ステップS20)。上述のように、許可データは、アウトバッファ33に存在する基板Pの受入を搬出側外部装置200が許可したことを示す。
ステップS20において、許可データを取得していないと判定した場合(ステップS20:No)、ストッパ制御部103は、アウトバッファ33の基板Pが搬出待機位置TPに停止している状態を維持するように、すなわち、アウトストッパ部材43の少なくとも一部が搬送ベルト34の上面よりも上方に配置されるように、アウトストッパアクチュエータ46を制御する。
ステップS20において、許可データを取得していないと判定した場合(ステップS20:No)、ストッパ制御部103は、アウトストッパアクチュエータ46を制御して、アウトストッパ部材43を下降させる。これにより、アウトバッファ33の基板Pは、搬送ベルト34により、搬出側外部装置200に搬出される(ステップS30)。
アウトバッファ33の基板Pが搬出側外部装置200に搬出された後、ストッパ制御部103は、センタストッパアクチュエータ45を制御して、センタストッパ部材42を下降させる。これにより、実装処理が終了したセンタバッファ32の基板Pは、搬送ベルト34により、アウトバッファ33に搬出される(ステップS40)。
センタバッファ32の基板Pがアウトバッファ33に搬出された後、ストッパ制御部103は、ウエイトストッパアクチュエータ44を制御して、ウエイトストッパ部材41を下降させる。これにより、インバッファ31の基板Pは、搬送ベルト34により、センタバッファ32に搬入される(ステップS50)。
ステップS50において、インバッファ31の基板Pがセンタバッファ32に移動して、センタセンサ52が基板Pを検出すると、モータ制御部102は、基板Pの搬送速度を第1搬送速度V1から第2搬送速度V2に低下させる。
本実施形態において、距離Le(La,Lc)は、距離Lf(Lb,Ld)よりも短い。そのため、センタバッファ32の基板Pがアウトセンサ53に到達する前に、インバッファ31の基板Pがセンタセンサ52に到達する。すなわち、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出された基板Pがアウトセンサ53に検出される前に、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入された基板Pがセンタセンサ52に検出される。
本実施形態においては、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出された基板Pがアウトセンサ53に検出される前に、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入された基板Pがセンタセンサ52に検出される。そのため、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入される基板Pの搬送速度を低下させる必要がない区間においては、基板Pの搬送速度は第1搬送速度V1に維持される。これにより、基板Pがインバッファ31からセンタバッファ32に移動するのに要する時間が長くなることが抑制される。
図9は、本実施形態に係る搬送方法の効果を説明するための模式図である。図9(A)は、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出される基板Pの搬送速度プロファイルを示す図である。図9(B)は、距離La(Le)と距離Lb(Lf)とが等しい場合におけるインバッファ31からセンタバッファ32に搬入される基板Pの搬送速度プロファイルを示す図である。図9(C)は、本実施形態に係る基板搬送装置3における基板Pの搬送速度プロファイルを示す図であって、距離La(Le)が距離Lb(Lf)よりも短い場合におけるインバッファ31からセンタバッファ32に搬入される基板Pの搬送速度プロファイルを示す図である。図9(A)、図9(B)、及び図9(C)において、横軸は、X軸方向の位置を示し、縦軸は、基板Pの搬送速度を示す。
図9(A)に示すように、センタバッファ32の実装位置MPにおいてセンタストッパ部材42により停止していた基板Pは、停止を解除されることにより、第1搬送速度V1でアウトバッファ33に搬送される。基板Pがアウトセンサ53に到達し、アウトセンサ53が基板Pを検出すると、モータ制御部102は、搬送ベルト34の搬送速度を第1搬送速度V1から第2搬送速度V2に低下させる。これにより、基板Pが高速度でアウトストッパ部材43に当たることが抑制される。
本実施形態において、基板搬送装置3は、3バッファ1モータ方式の基板搬送装置であり、1つの搬送ベルト34が1つのモータ35によって駆動される。また、本実施形態においては、センタバッファ32においてセンタストッパ部材42により停止していた基板Pの停止が解除された後に、インバッファ31においてウエイトストッパ部材41により停止していた基板Pの停止が解除される(ステップS40及びステップS50参照)。
そのため、図9(B)に示すように、距離Le(La)と距離Lf(Lb)とが等しい場合、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入された基板Pがセンタセンサ52に検出される前に、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出された基板Pがアウトセンサ53に検出されたことに起因して、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入される基板Pの搬送速度が低下する。基板Pが高速度でセンタストッパ部材42に接触することを抑制するためには、基板Pがセンタセンサ52に検出されたタイミングで基板Pの搬送速度が低下されれば十分である。しかし、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入された基板Pがセンタセンサ52に検出される前に、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出された基板Pがアウトセンサ53に検出されると、センタセンサ52が配置されている位置よりも−X側の位置Pxにおいて、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入される基板Pの搬送速度の低下が開始される。位置Pxは、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入された基板Pがセンタセンサ52に検出される前に、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出された基板Pがアウトセンサ53に検出されたことに起因して、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入される基板Pの搬送速度の低下が開始される位置である。
位置Pxとセンタセンサ52が配置されている位置との間においては、基板Pは第1搬送速度V1で搬送可能であるにもかかわらず、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入された基板Pがセンタセンサ52に検出される前に、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出された基板Pがアウトセンサ53に検出されたことに起因して、位置Pxにおいて基板Pの搬送速度が第1搬送速度V1から第2搬送速度V2に低下してしまう。このように、距離Le(La)と距離Lf(Lb)とが等しい場合、基板Pが第2搬送速度V2で搬送される区間が長くなってしまう。その結果、基板Pがインバッファ31からセンタバッファ32に移動するのに要する時間が長くなり、基板搬送装置3の搬送効率が低下する。
図9(C)は、本実施形態に係る基板搬送装置3における基板Pの搬送速度プロファイルを示す。図9(C)に示すように、本実施形態においては、距離Le(La)が距離Lf(Lb)よりも短いため、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出される基板Pがアウトセンサ53に検出されるよりも前に、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入された基板Pがセンタセンサ52に検出される。これにより、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入される基板Pが第2搬送速度V2で搬送される区間が長くなることを抑制しつつ、基板Pが高速度でセンタストッパ部材42に当たることが抑制される。
なお、図9(C)に示す例においては、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出された基板Pがアウトセンサ53に検出される前に、センタセンサ52が基板Pを検出したことに起因して、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出される基板Pの搬送速度が低下する可能性がある。すなわち、アウトセンサ53が配置されている位置よりも+X側の位置において、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出される基板Pの搬送速度の低下が開始される可能性がある。基板搬送装置3による基板Pの搬送効率の低下を抑制し、電子部品実装装置1による電子機器の生産効率の低下を抑制するためには、アウトバッファ33から搬出側外部装置に基板Pを素早く搬出するよりも、インバッファ31から実装処理が実施されるセンタバッファ32に基板Pを素早く搬入することが重要である。
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、ウエイトストッパ部材41及びウエイトセンサ51を支持する支持部材90がガイド機構91にガイドされた状態でX軸方向に移動することができる。これにより、X軸方向におけるウエイトストッパ部材41とウエイトセンサ51との相対位置(距離Wa)を維持した状態で、X軸方向におけるウエイトストッパ部材41及びウエイトセンサ51の位置を調整することができる。
ウエイトストッパ部材41とセンタストッパ部材42との距離La(Lc,Le)が、センタストッパ部材42とアウトストッパ部材43との距離Lb(Ld,Lf)よりも短くなるように、支持部材90の位置が調整されることにより、図9を参照して説明したように、センタバッファ32からアウトバッファ33に搬出される基板Pがアウトセンサ53に検出されるよりも前に、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入された基板Pがセンタセンサ52に検出される。これにより、インバッファ31からセンタバッファ32に搬入される基板Pが第2搬送速度V2で搬送される区間が長くなることを抑制しつつ、基板Pが高速度でセンタストッパ部材42に当たることが抑制される。したがって、基板搬送装置3による基板Pの搬送効率の低下が抑制され、電子部品実装装置1による電子機器の生産効率の低下が抑制される。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図10は、本実施形態に係る基板搬送装置3を模式的に示す側面図である。上述の実施形態と同様、X軸方向における支持部材90の位置が、基板Pの寸法に基づいて調整される。図10は、X軸方向における基板Pの寸法が小さい場合の基板搬送装置3の動作を示す。図10において、基板Pの寸法は、基板Pがセンタストッパ部材42により実装位置MPに停止されたときに基板Pの−X側の端部が第2クランプ部材82の支持面82Sよりも+X側に配置される寸法である。
上述の実施形態と同様、X軸方向における支持部材90の位置は、押込部92の+X側の端部の位置と、実装位置MPに配置される基板Pの−X側の端部の位置とが一致するように調整される。
上述のように、第2クランプ部材82は、第1クランプ部材81にθY方向に回転可能に支持される。基板Pの寸法が小さいため、押込部92の+X側の端部の位置と実装位置MPに配置される基板Pの−X側の端部の位置とが一致するように支持部材90の位置が調整されると、図10に示すように、支持部材90は、実装位置MPに接近するように+X方向に移動して、第2クランプ部材82の下端部を押込部92で+X方向に押す。押込部92に押された第2クランプ部材82は、基板Pの下面の支持を解除するように、一方向に回転する。このように、第2クランプ部材82は、X軸方向の支持部材90の位置に基づいて、基板Pの下面の支持を解除する。
支持部材90は、第2クランプ部材82による基板Pの下面の支持が解除された状態で、X軸方向においてウエイトストッパ部材41の位置と保持部材70の少なくとも一部の位置とが一致するように、X軸方向に移動することができる。すなわち、支持部材90は、保持部材70の下方に入り込むことができる。ウエイトストッパ部材41は、Y軸方向において一対の保持部材70の間に入り込むことができる。
本実施形態においては、距離La(Lc,Le)を距離Lb(Ld,Lf)よりも更に十分に短くすることができる。これにより、基板Pがインバッファ31からセンタバッファ32に移動するのに要する時間を更に短くすることができる。したがって、基板搬送装置3による基板Pの搬送効率の低下を抑制し、電子部品実装装置1による電子機器の生産効率の低下を抑制することができる。