JP2019165053A - 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、システム、及び製造方法 - Google Patents

電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、システム、及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部の寄生容量を低減し、性能に優れた電界効果型トランジスタを提供する。【解決手段】ゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極と、酸化物半導体からなる活性層と、前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられたゲート絶縁膜と、を備え、前記ゲート電極と前記ソース電極及び前記ドレイン電極は第1重畳部を有し、前記活性層のチャネル領域と前記ゲート電極は第2重畳部を有し、前記第1重畳部の前記ゲート絶縁膜の膜厚T1と、前記第2重畳部の前記ゲート絶縁膜の膜厚T2について、T1>T2であることを特徴とする電界効果型トランジスタを提供することにより上記課題を解決する。【選択図】 図1

Description

本発明は、電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、システム、及び製造方法に関する。
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ(OLED)、電子ペーパー等の平面薄型ディスプレイ(Flat Panel Display:FPD)は、非晶質シリコンや多結晶シリコンを活性層に用いた薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)を含む駆動回路により駆動されている。そして、FPDの開発においては、チャネル形成領域のキャリア移動度が高く、素子間のばらつきの小さい酸化物半導体層を用いてTFTを作製し、電子デバイス、光デバイスなどに応用する技術が注目されている。例えば、酸化物半導体層として酸化亜鉛(ZnO)、In、In−Ga−Zn−Oなどを用いた電界効果型トランジスタが提案されている。
TFTのゲート電極とソース電極またはドレイン電極との交差領域に生じる寄生容量(A)はより小さい方が好ましい。また、ソース線とデータ線の交差領域に生じる寄生容量(B)はより小さい方が好ましい。
寄生容量(A)を低減するためのトランジスタ構造及び製造方法として、自己整合型トランジスタが知られている。一般に、自己整合型トランジスタは、半導体層の一部に抵抗率の低いソース領域及びドレイン領域を形成するプロセスを必要とし、プロセス上の困難さがある。自己整合型トランジスタに限らず、ソース・ドレイン領域やソース・ドレイン電極と半導体との接触領域に高抵抗部分があると、トランジスタ性能の低下を招く恐れがある。
寄生容量(B)を低減するためのトランジスタ構造及び製造方法として、交差領域の絶縁膜の膜厚を厚くする方法が知られている(特許文献1参照)、また、半導体保護層形成時に交差領域絶縁膜に保護層を積層する方法が知られている(特許文献2参照)。
本発明は、ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部の寄生容量を低減し、性能に優れた電界効果型トランジスタを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電界効果型トランジスタは、ゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極と、酸化物半導体からなる活性層と、前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられたゲート絶縁膜と、を備え、前記ゲート電極と前記ソース電極及び前記ドレイン電極は第1重畳部を有し、前記活性層のチャネル領域と前記ゲート電極は第2重畳部を有し、前記第1重畳部の前記ゲート絶縁膜の膜厚T1と、前記第2重畳部の前記ゲート絶縁膜の膜厚T2について、T1>T2であることを特徴とする。
開示の電界効果型トランジスタによれば、ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部の寄生容量を低減し、性能に優れた電界効果型トランジスタを提供できる。
第1の実施の形態に係る電界効果型トランジスタと配線の一例の断面図 第1の実施の形態に係る電界効果型トランジスタの製造工程の一例の断面図(その1) 第1の実施の形態に係る電界効果型トランジスタの製造工程の一例の断面図(その2) 第1の実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタと配線の断面図 第1の実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタの製造工程の断面図(その1) 第1の実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタの製造工程の断面図(その2) 第1の実施の形態の他の変形例に係る電界効果型トランジスタと配線の断面図 第1の実施の形態の他の変形例に係る電界効果型トランジスタの断面図と平面図 第1の実施の形態の他の変形例に係る配線の断面図と平面図 第1の実施の形態の他の変形例に係る電界効果型トランジスタの製造工程の断面図(その1) 第1の実施の形態の他の変形例に係る電界効果型トランジスタの製造工程の断面図(その2) 第1の実施の形態のさらに他の変形例に係る電界効果型トランジスタと配線の断面図 第1の実施の形態のさらに他の変形例に係る電界効果型トランジスタの製造工程の断面図(その1) 第1の実施の形態のさらに他の変形例に係る電界効果型トランジスタの製造工程の断面図(その2) 第2の実施の形態に係るテレビジョン装置の構成を示すブロック図 第2の実施の形態に係るテレビジョン装置の説明図(その1) 第2の実施の形態に係るテレビジョン装置の説明図(その2) 第2の実施の形態に係るテレビジョン装置の説明図(その3) 第2の実施の形態に係る表示素子の説明図 第2の実施の形態に係る有機EL素子と電界効果型トランジスタの配置の説明図 第2の実施の形態に係る有機EL素子と電界効果型トランジスタの配置の変形例の説明図 第2の実施の形態に係る有機EL素子の説明図 第2の実施の形態に係るテレビジョン装置の説明図(その4) 第2の実施の形態に係る他の表示素子の説明図(その1) 第2の実施の形態に係る他の表示素子の説明図(その2)
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
<第1の実施の形態>
図1(a)は、第1の実施の形態に係る電界効果型トランジスタの一例の断面図である。図1(a)を参照すると、本実施の形態の電界効果型トランジスタは、基板21と、ゲート電極となる導電層25と、ゲート絶縁膜26と、ソース電極となる導電層23と、ドレイン電極となる導電層24と、半導体層22とを有するボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタである。また、必要に応じて、ゲート絶縁膜26上に、導電層23(ソース電極)と、導電層24(ドレイン電極)と、半導体層22の一部または全部を被覆するパッシベーション層(不図示)が形成されている。
本実施の形態の電界効果型トランジスタでは、絶縁性の基板21上に導電層25(ゲート電極)が形成され、導電層25(ゲート電極)を覆うようにゲート絶縁膜26が形成されている。導電層25(ゲート電極)の上方におけるゲート絶縁膜26の表面に、凹部26aが形成されている。ゲート絶縁膜26上に、凹部26aの内壁面に沿い、凹部26aの外部にまで至る領域において、活性層である半導体層22が形成されている。凹部26aの外部における半導体層22を覆うように、ゲート絶縁膜26の上層に導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)が形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)は、半導体層22のチャネル領域となる所定の間隔を隔てて形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の間における半導体層22の領域がチャネル領域となる。
チャネル領域と導電層25(ゲート電極)が領域R1において重畳部を有する。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)と、導電層25(ゲート電極)は、領域R2において重畳部を有する。領域R1におけるゲート絶縁膜26の膜厚T2と、領域R2におけるゲート絶縁膜26の膜厚T1に関して、T1>T2である。
図1(b)は、第1の実施の形態に係る配線の一例の断面図である。基板21に、導電層25(ゲート電極)と同一の層であり、ゲート電極に接続された配線(ゲート配線)となる導電層25が形成されている。導電層25(ゲート配線)の上層にゲート絶縁膜26が形成されている。ゲート絶縁膜26の上層に、導電層23(ソース電極)と同一の層であり、ソース電極に接続された配線(ソース配線)となる導電層23が形成されている。また、ゲート絶縁膜26の上層に、導電層24(ドレイン電極)と同一の層であり、ドレイン電極に接続された配線(ドレイン配線)となる導電層24が形成されている。但し、導電層24(ドレイン配線)は図1(b)の断面には現れていない。
導電層25(ゲート配線)と導電層23(ソース配線)が領域R3において重畳部を有する。領域R3におけるゲート絶縁膜26の膜厚T3と、上記の領域R2におけるゲート絶縁膜26の膜厚T1に関して、T3>T1である。
なお、ゲート配線となる導電層25、ソース配線となる導電層23及びドレイン配線となる導電層24等の配線は必要に応じて適宜形成される。電界効果型トランジスタの電気特性を計測するための端子となる導電膜、または、後述する駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタ間を電気的に接続する導電膜、または、駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタと光制御素子を電気的に接続する導電膜、または、画像データ作成装置と駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタを電気的に接続する導電膜等である。
以下、電界効果型トランジスタの各構成要素について、詳しく説明する。
〈基板〉
基板21の形状、構造、及び大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。基板21の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ガラス基材、セラミック基材、プラスチック基材、フィルム基材等を用いることができる。例えば、ガラス基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無アルカリガラス、シリカガラスなどが挙げられる。また、プラスチック基材やフィルム基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。なお、基板21としては、表面の清浄化及び密着性向上の点で、酸素プラズマ、UVオゾン、UV照射洗浄などの前処理が行われることが好ましい。
〈ゲート電極〉
ゲート電極となる導電層25は、基板21上の所定領域に形成されている。導電層25(ゲート電極)は、ゲート電圧を印加するための電極である。導電層25(ゲート電極)は、ゲート絶縁膜26と接し、ゲート絶縁膜26を介して半導体層22と対向する。導電層25(ゲート電極)と同一層に、ゲート電極に接続された配線(ゲート配線)となる導電層25が形成されている。
導電層25(ゲート電極)の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、白金、パラジウム、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、クロム、タンタル、モリブデン、チタン等の金属、これらの合金、これら金属の混合物などが挙げられる。
また、導電層25(ゲート電極)の材料として、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ガリウム、酸化ニオブ、スズ(Sn)が添加されたIn(ITO)、ガリウム(Ga)が添加されたZnO、アルミニウム(Al)が添加されたZnO、アンチモン(Sb)が添加されたSnO等の導電性酸化物、これらの複合化合物、これらの混合物を用いてもよい。導電層25(ゲート電極)の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
〈ゲート絶縁膜〉
ゲート絶縁膜26としては、基板21とパッシベーション層(不図示)との間に形成された絶縁膜であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。図1(a)では、ゲート絶縁膜26は、導電層25(ゲート電極)と半導体層22との間に設けられ、導電層25(ゲート電極)と半導体層22とを絶縁している。
ゲート絶縁膜26の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機絶縁材料、有機絶縁材料などが挙げられる。前記無機絶縁材料としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、これらの混合物などが挙げられる。前記有機絶縁材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂などが挙げられる。
前記無機絶縁材料として、アルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくとも何れかである第B元素とを含む酸化物膜を好ましく用いることができる。必要に応じて、その他の成分を含有してもよい。
前記酸化物膜に含まれるアルカリ土類金属は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。アルカリ土類金属としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)が挙げられる。ランタノイドとしては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)が挙げられる。
前記酸化物は、常誘電体アモルファス酸化物であることが好ましい。常誘電体アモルファス酸化物は、大気中において安定であり、かつ広範な組成範囲で安定的にアモルファス構造を形成することができる。但し、前記酸化物の一部に結晶が含まれていてもよい。
ゲート絶縁層がアモルファス材料で形成されていることは、結晶粒界に起因するリーク電流を低減できる点で好ましい形態である。またゲート絶縁層が常誘電体であることは、トランジスタのトランスファ特性におけるヒステリシスを低減させる点で好ましい。
アルカリ土類金属酸化物は大気中の水分や二酸化炭素と反応しやすく、容易に水酸化物や炭酸塩に変化してしまい、単独では電子デバイスへの応用は適さない。又、Ga、Sc、Y、及びランタノイド等の単純酸化物は結晶化しやすく、リーク電流が問題となる。しかし、アルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくとも何れかである第B元素とを含む酸化物は、大気中において安定でかつ広範な組成領域で常誘電性のアモルファス膜を形成できるため、ゲート絶縁層に適している。ただしCeはランタノイドの中で特異的に4価になりアルカリ土類金属との間でペロブスカイト構造の結晶を形成するため、アモルファス相を得るためには第B元素がCeではないことが好ましい。
アルカリ土類金属酸化物とGa酸化物の間にはスピネル構造等の結晶相が存在するが、これらの結晶はペロブスカイト構造結晶と比較して、非常に高温でないと析出しない(一般には1000℃以上)。又、アルカリ土類金属酸化物とSc、Y、及びランタノイドからなる酸化物との間には安定な結晶相の存在が報告されておらず、高温の後工程を経てもアモルファス相からの結晶析出は希である。更に、アルカリ土類金属と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドとを含む酸化物を3種類以上の金属元素で構成すると、アモルファス相は更に安定する。
高誘電率膜を作製するという観点からすると、Ba、Sr、Lu、La等の元素の組成比を高めることが好ましい。又、前記酸化物は、大気中の水分、酸素に対する優れたバリア性にも優れているため、パッシベーション層としての機能を持たせることも可能である。
前記酸化物は、更に、Al、Ti、Zr、Hf、Nb、及びTaの少なくとも何れかである第C元素を含むことが好ましい。これによってアモルファス相が更に安定化し、又、熱安定性及び緻密性をより向上させることができる。
前記酸化物からなる絶縁膜は、前記酸化物前駆体層をあらかじめ形成したのち、オーブンなどの加熱工程により転化して製造することができる。前記酸化物前駆体層は、例えば、前駆体形成用塗布液を塗布し溶剤を除去して形成することができる。このように、塗布法により前駆体層を形成し加熱により転化して絶縁膜を形成する製造方法は、スパッタリング法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などの製造装置に比べ大型基板に適合しやすい点で好ましい。
ゲート絶縁膜26の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30nm〜3μmが好ましく、50nm〜1μmがより好ましい。但し、ゲート絶縁膜26の膜厚に関しては、上記のように領域によってT1>T2となっており、さらに好ましくは、T3>T1となっている。
〈ソース電極、ドレイン電極、ソース配線、ドレイン配線〉
導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)、並びに導電層23(ソース配線)及び導電層24(ドレイン配線)は、ゲート絶縁膜26上に形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)は、ゲート絶縁膜26と接するように、所定の間隔を隔てて形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)は、導電層25(ゲート電極)へのゲート電圧の印加に応じて電流を取り出すための電極である。
導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)、並びに導電層23(ソース配線)及び導電層24(ドレイン配線)の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、白金、パラジウム、金、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、クロム、タンタル、モリブデン、チタン等の金属、これらの合金、これら金属の混合物などが挙げられる。また、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ガリウム、酸化ニオブ、スズ(Sn)が添加されたIn(ITO)、ガリウム(Ga)が添加されたZnO、アルミニウム(Al)が添加されたZnO、アンチモン(Sb)が添加されたSnO等の導電性酸化物、これらの複合化合物、これらの混合物、などが挙げられる。
導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)、並びに導電層23(ソース配線)及び導電層24(ドレイン配線)の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
〈半導体層(活性層)〉
半導体層22は、少なくとも導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の間に形成され、ゲート絶縁膜26、導電層23(ソース電極)、及び導電層24(ドレイン電極)と接している。ここで、「間」とは、半導体層22が導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)と共に、電界効果型トランジスタを機能させる位置であり、そのような位置であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
半導体層22の材料としては、目的に応じて適宜選択することができ、酸化物半導体が用いられる。酸化物半導体としては、インジウム、亜鉛、スズ、ガリウム、及びチタンの少なくともいずれかを含有することが好ましい。前記酸化物半導体としては、例えば、ZnO、SnO、In、TiO、Gaなどが挙げられる。また、In−Zn系酸化物、In−Sn系酸化物、In−Ga系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga系酸化物、Zn−Ga系酸化物、In−Zn−Sn系酸化物、In−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Ga系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物等、複数の金属を含む酸化物を用いることもできる。
酸化物半導体を用いることは、高い電界効果移動度ならびに低いオフ電流を実現できる点から好ましい。半導体層22の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm〜1μmが好ましく、10nm〜0.5μmがより好ましい。
次に、本実施の形態の電界効果型ドランジスタの製造方法について説明する。図2は第1の実施の形態に係る電界効果型トランジスタの製造工程の一例の断面図(その1)である。まず、図2(a)に示されるように、基板21に、例えばスパッタリング法によりAl合金膜を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりAl合金膜を所定のゲート電極のパターンに加工して、ゲート電極となる導電層25を形成する。次に、基板21及び導電層25(ゲート電極)上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26bを形成する。なお、絶縁膜の形成にはスパッタリング法やCVD法を用いることもできる。
次に、図2(b)に示されるように、フォトリソグラフィ工程により、図1中のゲート絶縁膜26の凹部26aを開口するパターンとなるように、絶縁膜26bの上層にフォトレジスト27aをパターン形成する。
次に、図2(c)に示されるように、ウェットエッチング、または、ドライエッチング等のエッチング処理を行い、フォトレジスト27aのパターンに対応する絶縁膜26cを残して、他の部分の絶縁膜26bを除去する。続いて、レジスト剥離処理、または、アッシング処理等によりフォトレジスト27aを除去する。
次に、図2(d)に示されるように、基板21、導電層25(ゲート電極)及び絶縁膜26c上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26cと一体化したゲート絶縁膜26を形成する。絶縁膜26cに対応する部分のゲート絶縁膜26が厚膜化しており、厚膜化した領域の内側に凹部26aが設けられている。
次に、図2(e)に示されるように、例えばスパッタリング法により、凹部26aの内壁面を被覆してゲート絶縁膜26の上層に全面に酸化物半導体を堆積し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、半導体層22を形成する。半導体層のパターン形成にはシャドウマスクを用いた成膜を用いてもよい。続いて、例えば真空蒸着法により半導体層22及びゲート絶縁膜26の上層に全面にAu層を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を形成する。以上の工程により、図1(a)に示されるボトムゲート/トップコンタクトの電界効果型トランジスタを製造することができる。
次に、本実施の形態の電界効果型ドランジスタの別の製造方法について説明する。図3は第1の実施の形態に係る電界効果型トランジスタの製造工程の一例の断面図(その2)である。まず、図3(a)に示されるように、基板21に、例えばスパッタリング法によりAl合金膜を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりAl合金膜を所定のゲート電極のパターンに加工して、ゲート電極となる導電層25を形成する。次に、基板21及び導電層25(ゲート電極)上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26dを形成する。なお、絶縁膜の形成にはスパッタリング法やCVD法を用いることもできる。
次に、図3(b)に示されるように、フォトリソグラフィ工程により、図1中のゲート絶縁膜26の凹部26aを開口するパターンとなるように、絶縁膜26dの上層にフォトレジスト27bをパターン形成する。
次に、図3(c)に示されるように、ウェットエッチング、または、ドライエッチング等のエッチング処理を行い、フォトレジスト27bのパターンに対応して絶縁膜26dを薄膜化することで、ゲート絶縁膜26を形成する。フォトレジスト27bに対応する部分のゲート絶縁膜26が相対的に厚膜化されており、厚膜化した領域の内側に凹部26aが設けられている。
次に、図3(d)に示されるように、例えばスパッタリング法により、凹部26aの内壁面を被覆してゲート絶縁膜26の上層に全面に酸化物半導体を堆積し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、半導体層22を形成する。半導体層のパターン形成にはシャドウマスクを用いた成膜を用いてもよい。続いて、例えば真空蒸着法により半導体層22及びゲート絶縁膜26の上層に全面にAu層を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を形成する。以上の工程により、図1(a)に示されるボトムゲート/トップコンタクトの電界効果型トランジスタを製造することができる。
本実施の形態の電界効果型トランジスタによると、ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部の寄生容量、配線間の寄生容量を低減し、性能に優れた電界効果型トランジスタを提供できる。ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部や配線間の重畳部の絶縁膜の膜厚が厚くなっていることで、寄生容量が低減されている。チャネル領域を形成するゲート絶縁膜部分の容量は大きく、トランジスタのオフ状態で酸化物半導体の完全空乏状態が実現され、オフ電流が低い。ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部はゲート絶縁膜が厚く、絶縁性がより確実に担保される。酸化物半導体層の膜厚を極端に薄くすることなく、また、酸化物半導体層のキャリア濃度を高く設定して、ソース・ドレイン電極と酸化物半導体との接触抵抗を低減しつつ、トランジスタ特性において高いオンオフ比を実現することができる。
上記の半導体層とソース・ドレイン電極の電気的接触を良好にするためには、半導体層の膜厚が少なくとも10nm以上であることが好ましい。これにより、半導体層の膜厚制御が容易になるという利点もある。半導体層とソース・ドレイン電極の電気的接触を良好にするために、半導体層のキャリア濃度は1016〜1017[cm−3]以上、好ましくは1018[cm−3]以上が望ましい。さらにトランジスタのスイッチング特性(低いオフ電流、高いオンオフ比)を実現するには、ゲート容量を大きくする方が良く、そのために高誘電率絶縁体を用いることが好ましい。ゲート容量を大きくするために、ゲート絶縁膜を単純に薄くすると、寄生容量が増大し、リーク電流が増大する可能性がある。また、半導体層を薄くして完全空乏状態を実現しようとすると、薄い半導体層とソース・ドレイン電極との電気的接触が悪化する。
<変形例>
図4は第1の実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタと配線の断面図である。図4(a)を参照すると、本変形例の電界効果型トランジスタは、基板21と、ゲート電極となる導電層25と、ゲート絶縁膜26と、ソース電極となる導電層23と、ドレイン電極となる導電層24と、活性層である半導体層22とを有するボトムゲート/ボトムコンタクト型の電界効果型トランジスタである。また、必要に応じて、ゲート絶縁膜26上に、導電層23(ソース電極)と、導電層24(ドレイン電極)と、半導体層22の一部または全部を被覆するパッシベーション層(不図示)が形成されている。
本変形例の電界効果型トランジスタでは、絶縁性の基板21上に導電層25(ゲート電極)が形成され、導電層25(ゲート電極)を覆うようにゲート絶縁膜26が形成されている。導電層25(ゲート電極)の上方におけるゲート絶縁膜26の表面に、凹部26aが形成されている。凹部26aの外部におけるゲート絶縁膜26の上層に、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)が形成されている。ゲート絶縁膜26上に、凹部26aの内壁面に沿い、凹部26aの外部においては導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の上に乗り上げる状態で、半導体層22が形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)は、半導体層22のチャネル領域となる所定の間隔を隔てて形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の間における半導体層22の領域がチャネル領域となる。
チャネル領域と導電層25(ゲート電極)が領域R1において重畳部を有する。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)と、導電層25(ゲート電極)は、領域R2において重畳部を有する。領域R1におけるゲート絶縁膜26の膜厚T2と、領域R2におけるゲート絶縁膜26の膜厚T1に関して、T1>T2である。
図4(b)は、第1の実施の形態の変形例に係る配線の一例の断面図である。基板21に、導電層25(ゲート電極)と同一の層であり、ゲート電極に接続された配線(ゲート配線)となる導電層25が形成されている。導電層25(ゲート配線)の上層にゲート絶縁膜26が形成されている。ゲート絶縁膜26の上層に、導電層23(ソース電極)と同一の層であり、ソース電極に接続された配線(ソース配線)となる導電層23が形成されている。また、ゲート絶縁膜26の上層に、導電層24(ドレイン電極)と同一の層であり、ドレイン電極に接続された配線(ドレイン配線)となる導電層24が形成されている。但し、導電層24(ドレイン配線)は図4(b)の断面には現れていない。
導電層25(ゲート配線)と導電層23(ソース配線)が領域R3において重畳部を有する。領域R3におけるゲート絶縁膜26の膜厚T3と、上記の領域R2におけるゲート絶縁膜26の膜厚T1に関して、T3>T1である。
なお、ゲート配線となる導電層25、ソース配線となる導電層23及びドレイン配線となる導電層24等の配線は必要に応じて適宜形成される。電界効果型トランジスタの電気特性を計測するための端子となる導電膜、または、後述する駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタ間を電気的に接続する導電膜、または、駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタと光制御素子を電気的に接続する導電膜、または、画像データ作成装置と駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタを電気的に接続する導電膜等である。
電界効果型トランジスタの各構成要素については、上記と同様であるので説明を省略する。
次に、本変形例の電界効果型ドランジスタの製造方法について説明する。図5は第1の実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタの製造工程の一例の断面図(その1)である。まず、図5(a)に示されるように、基板21に、例えばスパッタリング法によりAl合金膜を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりAl合金膜を所定のゲート電極のパターンに加工して、ゲート電極となる導電層25を形成する。次に、基板21及び導電層25(ゲート電極)上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26eを形成する。なお、絶縁膜の形成にはスパッタリング法やCVD法を用いることもできる。
次に、図5(b)に示されるように、フォトリソグラフィ工程により、図4中のゲート絶縁膜26の凹部26aを開口するパターンとなるように、絶縁膜26eの上層にフォトレジスト27cをパターン形成する。
次に、図5(c)に示されるように、ウェットエッチング、または、ドライエッチング等のエッチング処理を行い、フォトレジスト27cのパターンに対応する絶縁膜26fを残して、他の部分の絶縁膜26eを除去する。続いて、レジスト剥離処理、または、アッシング処理等によりフォトレジスト27cを除去する。
次に、図5(d)に示されるように、基板21、導電層25(ゲート電極)及び絶縁膜26f上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26fと一体化したゲート絶縁膜26を形成する。絶縁膜26fに対応する部分のゲート絶縁膜26が厚膜化しており、厚膜化した領域の内側に凹部26aが設けられている。
次に、図5(e)に示されるように、例えば真空蒸着法によりゲート絶縁膜26の上層に全面にAu層を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を形成する。続いて、例えばスパッタリング法により、凹部26aの内壁面を被覆して、ゲート絶縁膜26、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の上層に全面に酸化物半導体を堆積し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、半導体層22を形成する。半導体層のパターン形成にはシャドウマスクを用いた成膜を用いてもよい。以上の工程により、図4(a)に示されるボトムゲート/ボトムコンタクトの電界効果型トランジスタを製造することができる。
次に、本変形例の電界効果型ドランジスタの別の製造方法について説明する。図6は第1の実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタの製造工程の一例の断面図(その2)である。まず、図6(a)に示されるように、基板21に、例えばスパッタリング法によりAl合金膜を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりAl合金膜を所定のゲート電極のパターンに加工して、ゲート電極となる導電層25を形成する。次に、基板21及び導電層25(ゲート電極)上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26gを形成する。なお、絶縁膜の形成にはスパッタリング法やCVD法を用いることもできる。
次に、図6(b)に示されるように、フォトリソグラフィ工程により、図4中のゲート絶縁膜26の凹部26aを開口するパターンとなるように、絶縁膜26gの上層にフォトレジスト27dをパターン形成する。
次に、図6(c)に示されるように、ウェットエッチング、またはドライエッチング等のエッチング処理を行い、フォトレジスト27dのパターンに対応して絶縁膜26gを薄膜化することで、ゲート絶縁膜26を形成する。フォトレジスト27dに対応する部分のゲート絶縁膜26が相対的に厚膜化されており、厚膜化した領域の内側に凹部26aが設けられている。
次に、図6(d)に示されるように、例えば真空蒸着法によりゲート絶縁膜26の上層に全面にAu層を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を形成する。続いて、例えばスパッタリング法により、凹部26aの内壁面を被覆して、ゲート絶縁膜26、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の上層に全面に酸化物半導体を堆積し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、半導体層22を形成する。半導体層のパターン形成にはシャドウマスクを用いた成膜を用いてもよい。以上の工程により、図4(a)に示されるボトムゲート/ボトムコンタクトの電界効果型トランジスタを製造することができる。
本変形例の電界効果型トランジスタによると、ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部の寄生容量、配線間の寄生容量を低減し、性能に優れた電界効果型トランジスタを提供できる。ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部や配線間の重畳部の絶縁膜の膜厚が厚くなっていることで、寄生容量が低減されている。チャネル領域を形成するゲート絶縁膜部分の容量は大きく、トランジスタのオフ状態で酸化物半導体の完全空乏状態が実現され、オフ電流が低い。ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部はゲート絶縁膜が厚く、絶縁性がより確実に担保される。酸化物半導体層の膜厚を極端に薄くすることなく、また、酸化物半導体層のキャリア濃度を高く設定して、ソース・ドレイン電極と酸化物半導体との接触抵抗を低減しつつ、トランジスタ特性において高いオンオフ比を実現することができる。
<第2の変形例>
図7は第1の実施の形態の他の変形例(第2の変形例)に係る電界効果型トランジスタと配線の断面図である。図7(a)を参照すると、本変形例の電界効果型トランジスタは、基板21と、ソース電極となる導電層23と、ドレイン電極となる導電層24と、活性層である半導体層22と、ゲート絶縁膜26と、ゲート電極となる導電層25と、を有するトップゲート/ボトムコンタクト型の電界効果型トランジスタである。また、必要に応じて、ゲート絶縁膜26上に、導電層25(ゲート電極)の一部または全部を被覆するパッシベーション層(不図示)が形成されている。
本変形例の電界効果型トランジスタでは、絶縁性の基板21上に、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)が所定の間隔を隔てて形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の間の領域における基板21の上層に、端部が導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の上に乗り上げる状態で、半導体層22が形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の間における半導体層22の領域がチャネル領域となる。導電層23(ソース電極)、導電層24(ドレイン電極)及び半導体層22を覆うようにゲート絶縁膜26が形成されている。半導体層22のチャネル領域の上方におけるゲート絶縁膜26の表面に、凹部26a2が形成されている。ゲート絶縁膜26上に、凹部26a2の内壁面に沿い、凹部26a2の外部にまで至る領域において、ゲート電極となる導電層25が形成されている。
チャネル領域と導電層25(ゲート電極)が領域R1において重畳部を有する。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)と、導電層25(ゲート電極)は、領域R2において重畳部を有する。領域R1におけるゲート絶縁膜26の膜厚T2と、領域R2におけるゲート絶縁膜26の膜厚T1に関して、T1>T2である。
図7(b)は、第1の実施の形態の他の変形例(第2の変形例)に係る配線の一例の断面図である。基板21に、導電層23(ソース電極)と同一の層であり、ソース電極に接続された配線(ソース配線)となる導電層23が形成されている。また、基板21に、導電層24(ドレイン電極)と同一の層であり、ドレイン電極に接続された配線(ドレイン配線)となる導電層24が形成されている。導電層23(ソース配線)及び導電層24(ドレイン配線)の上層にゲート絶縁膜26が形成されている。ゲート絶縁膜26の上層に、導電層25(ゲート電極)と同一の層であり、ゲート電極に接続された配線(ゲート配線)となる導電層25が形成されている。但し、導電層24(ドレイン配線)は図7(b)の断面には現れていない。
導電層25(ゲート配線)と導電層23(ソース配線)が領域R3において重畳部を有する。領域R3におけるゲート絶縁膜26の膜厚T3と、上記の領域R2におけるゲート絶縁膜26の膜厚T1に関して、T3>T1である。
なお、ゲート配線となる導電層25、ソース配線となる導電層23及びドレイン配線となる導電層24等の配線は必要に応じて適宜形成される。電界効果型トランジスタの電気特性を計測するための端子となる導電膜、または、後述する駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタ間を電気的に接続する導電膜、または、駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタと光制御素子を電気的に接続する導電膜、または、画像データ作成装置と駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタを電気的に接続する導電膜等である。
電界効果型トランジスタの各構成要素については、上記と同様であるので説明を省略する。
図8(a)は第1の実施の形態の他の変形例(第2の変形例)に係る電界効果型トランジスタの断面図であり、図8(b)は平面図である。基板21に、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)が所定の間隔を隔てて形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の間の領域における基板21の上層に、端部が導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の上に乗り上げる状態で、半導体層22が形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の間の方向に直交する方向において、半導体層22は、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)よりも幅広に形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の間における半導体層22の領域がチャネル領域となる。導電層23(ソース電極)、導電層24(ドレイン電極)及び半導体層22を覆うようにゲート絶縁膜26が形成され、ゲート絶縁膜26上にゲート電極となる導電層25が形成されている。図8(c)は図8(b)とは別の例の平面図である。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の間の方向に直交する方向において、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)は、半導体層22よりも幅広に形成されている。上記の点を除いて、図8(b)と同様の構成である。チャネル領域と導電層25(ゲート電極)が領域R1において重畳部を有する。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)と、導電層25(ゲート電極)は、領域R2において重畳部を有する。領域R1におけるゲート絶縁膜26の膜厚をT2とし、領域R2におけるゲート絶縁膜26の膜厚をT1としたとき、T1>T2となっている。
図9(a)は第1の実施の形態の他の変形例(第2の変形例)に係る配線の断面図であり、図9(b)は平面図である。基板21に、導電層23(ソース電極)と同一の層であり、ソース電極に接続された配線(ソース配線)となる導電層23が形成されている。また、基板21に、導電層24(ドレイン電極)と同一の層であり、ドレイン電極に接続された配線(ドレイン配線)となる導電層24が形成されている。導電層23(ソース配線)及び導電層24(ドレイン配線)の上層にゲート絶縁膜26が形成されている。ゲート絶縁膜26の上層に、導電層25(ゲート電極)と同一の層であり、ゲート電極に接続された配線(ゲート配線)となる導電層25が形成されている。但し、導電層24(ドレイン配線)は図9(a)の断面には現れていない。導電層25(ゲート配線)と導電層23(ソース配線)が領域R3において重畳部を有する。領域R3におけるゲート絶縁膜26の膜厚をT3としたとき、上記の領域R2におけるゲート絶縁膜26の膜厚T1に関して、T3>T1となっている。
次に、本変形例の電界効果型ドランジスタの製造方法について説明する。図10は第1の実施の形態の他の変形例(第2の変形例)に係る電界効果型トランジスタの製造工程の一例の断面図(その1)である。まず、図10(a)に示されるように、基板21に、例えばスパッタリング法により全面にITO層を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を形成する。続いて、例えばスパッタリング法により、基板21、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の上層に全面に酸化物半導体を堆積し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、半導体層22を形成する。
次に、図10(b)に示されるように、導電層23(ソース電極)、導電層24(ドレイン電極)及び半導体層22上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26hを形成する。なお、絶縁膜の形成にはスパッタリング法やCVD法を用いることもできる。
次に、図10(c)に示されるように、フォトリソグラフィ工程により、図7中のゲート絶縁膜26の凹部26a2を開口するパターンとなるように、絶縁膜26hの上層にフォトレジスト27eをパターン形成する。
次に、図10(d)に示されるように、ウェットエッチング、または、ドライエッチング等のエッチング処理を行い、フォトレジスト27eのパターンに対応する絶縁膜26iを残して、他の部分の絶縁膜26hを除去する。続いて、レジスト剥離処理、または、アッシング処理等によりフォトレジスト27eを除去する。
次に、図10(e)に示されるように、基板21、半導体層22及び絶縁膜26i上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26iと一体化したゲート絶縁膜26を形成する。絶縁膜26iに対応する部分のゲート絶縁膜26が厚膜化しており、厚膜化した領域の内側に凹部26a2が設けられている。
次に、図10(f)に示されるように、例えばスパッタリング法により凹部26a2の内壁面を被覆して、ゲート絶縁膜26の上層に全面にAl合金膜を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりAl合金膜を所定のゲート電極のパターンに加工して、ゲート電極となる導電層25を形成する。以上の工程により、図7(a)に示されるトップゲート/ボトムコンタクトの電界効果型トランジスタを製造することができる。
次に、本変形例の電界効果型ドランジスタの別の製造方法について説明する。図11は第1の実施の形態の他の変形例(第2の変形例)に係る電界効果型トランジスタの製造工程の一例の断面図(その2)である。まず、図11(a)に示されるように、基板21に、例えばスパッタリング法により全面にITO層を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を形成する。続いて、例えばスパッタリング法により、基板21、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の上層に全面に酸化物半導体を堆積し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、半導体層22を形成する。
次に、図11(b)に示されるように、導電層23(ソース電極)、導電層24(ドレイン電極)及び半導体層22上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26jを形成する。なお、絶縁膜の形成にはスパッタリング法やCVD法を用いることもできる。
次に、図11(c)に示されるように、フォトリソグラフィ工程により、図7中のゲート絶縁膜26の凹部26a2を開口するパターンとなるように、絶縁膜26jの上層にフォトレジスト27fをパターン形成する。
次に、図11(d)に示されるように、ウェットエッチング、または、ドライエッチング等のエッチング処理を行い、フォトレジスト27fのパターンに対応して絶縁膜26jを薄膜化することで、ゲート絶縁膜26を形成する。フォトレジスト27fに対応する部分のゲート絶縁膜26が相対的に厚膜化されており、厚膜化した領域の内側に凹部26a2が設けられている。続いて、レジスト剥離処理、または、アッシング処理等によりフォトレジスト27fを除去する。
次に、図11(e)に示されるように、例えばスパッタリング法により凹部26a2の内壁面を被覆して、ゲート絶縁膜26の上層に全面にAl合金膜を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりAl合金膜を所定のゲート電極のパターンに加工して、ゲート電極となる導電層25を形成する。以上の工程により、図7(a)に示されるトップゲート/ボトムコンタクトの電界効果型トランジスタを製造することができる。
本変形例の電界効果型トランジスタによると、ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部の寄生容量、配線間の寄生容量を低減し、性能に優れた電界効果型トランジスタを提供できる。ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部や配線間の重畳部の絶縁膜の膜厚が厚くなっていることで、寄生容量が低減されている。チャネル領域を形成するゲート絶縁膜部分の容量は大きく、トランジスタのオフ状態で酸化物半導体の完全空乏状態が実現され、オフ電流が低い。ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部はゲート絶縁膜が厚く、絶縁性がより確実に担保される。酸化物半導体層の膜厚を極端に薄くすることなく、また、酸化物半導体層のキャリア濃度を高く設定して、ソース・ドレイン電極と酸化物半導体との接触抵抗を低減しつつ、トランジスタ特性において高いオンオフ比を実現することができる。
<第3の変形例>
図12は第1の実施の形態のさらに他の変形例(第3の変形例)に係る電界効果型トランジスタと配線の断面図である。図12(a)を参照すると、本変形例の電界効果型トランジスタは、基板21と、活性層である半導体層22と、ソース電極となる導電層23と、ドレイン電極となる導電層24と、ゲート絶縁膜26と、ゲート電極となる導電層25と、を有するトップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタである。また、必要に応じて、ゲート絶縁膜26上に、導電層25(ゲート電極)の一部または全部を被覆するパッシベーション層(不図示)が形成されている。
本変形例の電界効果型トランジスタでは、絶縁性の基板21上に半導体層22が形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)が、所定の間隔を隔てられながら、端部が半導体層22の上に乗り上げる状態で形成されている。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の間における半導体層22の領域がチャネル領域となる。導電層23(ソース電極)、導電層24(ドレイン電極)及び半導体層22を覆うようにゲート絶縁膜26が形成されている。半導体層22のチャネル領域の上方におけるゲート絶縁膜26の表面に、凹部26a2が形成されている。ゲート絶縁膜26上に、凹部26a2の内壁面に沿い、凹部26a2の外部にまで至る領域において、ゲート電極となる導電層25が形成されている。
チャネル領域と導電層25(ゲート電極)が領域R1において重畳部を有する。導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)と、導電層25(ゲート電極)は、領域R2において重畳部を有する。領域R1におけるゲート絶縁膜26の膜厚T2と、領域R2におけるゲート絶縁膜26の膜厚T1に関して、T1>T2である。
図12(b)は、第1の実施の形態のさらに他の変形例(第3の変形例)に係る配線の一例の断面図である。基板21に、導電層23(ソース電極)と同一の層であり、ソース電極に接続された配線(ソース配線)となる導電層23が形成されている。また、基板21に、導電層24(ドレイン電極)と同一の層であり、ドレイン電極に接続された配線(ドレイン配線)となる導電層24が形成されている。導電層23(ソース配線)及び導電層24(ドレイン配線)の上層にゲート絶縁膜26が形成されている。ゲート絶縁膜26の上層に、導電層25(ゲート電極)と同一の層であり、ゲート電極に接続された配線(ゲート配線)となる導電層25が形成されている。但し、導電層24(ドレイン配線)は図12(b)の断面には現れていない。
導電層25(ゲート配線)と導電層23(ソース配線)が領域R3において重畳部を有する。領域R3におけるゲート絶縁膜26の膜厚T3と、上記の領域R2におけるゲート絶縁膜26の膜厚T1に関して、T3>T1である。
なお、ゲート配線となる導電層25、ソース配線となる導電層23及びドレイン配線となる導電層24等の配線は必要に応じて適宜形成される。電界効果型トランジスタの電気特性を計測するための端子となる導電膜、または、後述する駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタ間を電気的に接続する導電膜、または、駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタと光制御素子を電気的に接続する導電膜、または、画像データ作成装置と駆動回路に含まれる電界効果型トランジスタを電気的に接続する導電膜等である。
電界効果型トランジスタの各構成要素については、上記と同様であるので説明を省略する。
次に、本変形例の電界効果型ドランジスタの製造方法について説明する。図13は第1の実施の形態のさらに他の変形例(第3の変形例)に係る電界効果型トランジスタの製造工程の一例の断面図(その1)である。まず、図13(a)に示されるように、例えばスパッタリング法により、基板21の上層に全面に酸化物半導体を堆積し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、半導体層22を形成する。続いて、例えば真空蒸着法により半導体層22の上層に全面にAu層を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、所定の間隔を隔てられながら、端部が半導体層22の上に乗り上げる状態で、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を形成する。
次に、図13(b)に示されるように、半導体層22、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26kを形成する。なお、絶縁膜の形成にはスパッタリング法やCVD法を用いることもできる。
次に、図13(c)に示されるように、フォトリソグラフィ工程により、図12中のゲート絶縁膜26の凹部26a2を開口するパターンとなるように、絶縁膜26kの上層にフォトレジスト27gをパターン形成する。
次に、図13(d)に示されるように、ウェットエッチング、または、ドライエッチング等のエッチング処理を行い、フォトレジスト27gのパターンに対応する絶縁膜26lを残して、他の部分の絶縁膜26kを除去する。続いて、レジスト剥離処理、または、アッシング処理等によりフォトレジスト27gを除去する。
次に、図13(e)に示されるように、基板21、半導体層22及び絶縁膜26l上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26lと一体化したゲート絶縁膜26を形成する。絶縁膜26lに対応する部分のゲート絶縁膜26が厚膜化しており、厚膜化した領域の内側に凹部26a2が設けられている。
次に、図13(f)に示されるように、例えばスパッタリング法により凹部26a2の内壁面を被覆して、ゲート絶縁膜26の上層に全面にAl合金膜を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりAl合金膜を所定のゲート電極のパターンに加工して、ゲート電極となる導電層25を形成する。以上の工程により、図12(a)に示されるトップゲート/トップコンタクトの電界効果型トランジスタを製造することができる。
次に、本変形例の電界効果型ドランジスタの別の製造方法について説明する。図14は第1の実施の形態のさらに他の変形例(第3の変形例)に係る電界効果型トランジスタの製造工程の一例の断面図(その2)である。まず、図14(a)に示されるように、例えばスパッタリング法により、基板21の上層に全面に酸化物半導体を堆積し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、半導体層22を形成する。続いて、例えば真空蒸着法により半導体層22の上層に全面にAu層を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、所定の間隔を隔てられながら、端部が半導体層22の上に乗り上げる状態で、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を形成する。
次に、図14(b)に示されるように、半導体層22、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)上にゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、加熱により転化して、絶縁膜26mを形成する。なお、絶縁膜の形成にはスパッタリング法やCVD法を用いることもできる。
次に、図14(c)に示されるように、フォトリソグラフィ工程により、図12中のゲート絶縁膜26の凹部26a2を開口するパターンとなるように、絶縁膜26mの上層にフォトレジスト27hをパターン形成する。
次に、図14(d)に示されるように、ウェットエッチング、または、ドライエッチング等のエッチング処理を行い、フォトレジスト27hのパターンに対応して絶縁膜26mを薄膜化することで、ゲート絶縁膜26を形成する。フォトレジスト27hに対応する部分のゲート絶縁膜26が相対的に厚膜化されており、厚膜化した領域の内側に凹部26a2が設けられている。続いて、レジスト剥離処理、または、アッシング処理等によりフォトレジスト27hを除去する。
次に、図14(e)に示されるように、例えばスパッタリング法により凹部26a2の内壁面を被覆して、ゲート絶縁膜26の上層に全面にAl合金膜を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりAl合金膜を所定のゲート電極のパターンに加工して、ゲート電極となる導電層25を形成する。以上の工程により、図12(a)に示されるトップゲート/トップコンタクトの電界効果型トランジスタを製造することができる。
本変形例の電界効果型トランジスタによると、ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部の寄生容量、配線間の寄生容量を低減し、性能に優れた電界効果型トランジスタを提供できる。ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部や配線間の重畳部の絶縁膜の膜厚が厚くなっていることで、寄生容量が低減されている。チャネル領域を形成するゲート絶縁膜部分の容量は大きく、トランジスタのオフ状態で酸化物半導体の完全空乏状態が実現され、オフ電流が低い。ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部はゲート絶縁膜が厚く、絶縁性がより確実に担保される。酸化物半導体層の膜厚を極端に薄くすることなく、また、酸化物半導体層のキャリア濃度を高く設定して、ソース・ドレイン電極と酸化物半導体との接触抵抗を低減しつつ、トランジスタ特性において高いオンオフ比を実現することができる。
<実施例>
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
以下のように、図1に示されるボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタを作製した。まず、基板21としてガラス基材を用い、酸素プラズマ処理等の前処理を施した後、スパッタリング法を用いてAl合金膜を形成した。フォトリソグラフィ、エッチングによりゲート電極となる導電層25を所望の形状にパターニングした。
次に、基板21と導電層25の上に、ゲート絶縁膜26となる絶縁膜前駆体層を形成した(絶縁膜前駆体層形成工程1)。具体的には以下の方法で行った。シクロヘキシルベンゼン1.2mLに、2−エチルヘキサン酸ランタントルエン溶液(La含量7質量%、Wako 122−03371、株式会社ワコーケミカル製)1.95mLと、2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2質量%、Wako 195−09561、株式会社ワコーケミカル製)0.57mLと、2−エチルヘキサン酸酸化ジルコニウムミネラルスピリット溶液(Zr含量12質量%、Wako 269−01116、株式会社ワコーケミカル製)0.09mLとを混合し、ゲート絶縁膜前駆体形成用塗布液を作製した。上記の基板21上に、ゲート絶縁膜前駆体形成用塗布液を滴下し、所定の条件でスピンコートした。その基板をオーブンで120℃1時間加熱することで、ゲート絶縁膜前駆体層を形成した。なお、この工程で得られるゲート絶縁膜前駆体層は、ゲート絶縁膜として機能はしない。
次に、基板21をオーブンにより400℃で3時間加熱して、上記のゲート絶縁膜前駆体層を転化して絶縁膜26bとした(転化工程1)。さらに、フォトリソグラフィ、エッチングにより所望の形状にパターニングして絶縁膜26cとした(パターニング工程)。上記のゲート絶縁膜前駆体形成用塗布液を用いて全面に塗布し(絶縁膜前駆体層形成工程2)、さらに転化する(転化工程2)ことで、絶縁膜26cと一体となったゲート絶縁膜26を形成した。
次に、特許文献3の実施例に記載の方法で、シャドウマスクを用いてスパッタリング法によりゲート絶縁膜26を形成した基板21にMg−In系酸化物半導体からなる半導体層22をパターン形成した。ターゲットには、InMgOの組成を有する多結晶焼成体を用いた。スパッタチャンバー内の到達真空度は2×10−5Paとした。スパッタ時に流すアルゴンガスと酸素ガスの流量を調整し、全圧を0.3Paとした。得られた酸化物半導体層の膜厚は30nmであった。
次に、半導体層22を形成した基板21に、真空蒸着法を用いて全面にAu膜を形成し、フォトリソグラフィとエッチングを行って、所望の形状の導電層23(ソース電極)と導電層24(ドレイン電極)を形成した。以上により、ボトムゲート/トップコンタクトの電界効果型トランジスタを作製した。
(トランジスタ性能評価)
得られた電界効果型トランジスタについて、半導体パラメータ・アナライザ装置(アジレントテクノロジー社製、半導体パラメータ・アナライザB1500A)を用いて、トランジスタ性能評価を実施した。ソース・ドレイン電極間の電圧Vdsを10Vとし、ゲート電圧をVg=−15Vから+15Vに変化させて、電流−電圧特性(伝達特性)を評価した。また、ソース電極とゲート電極間で、容量を評価した。また、ソース・ドレイン電極間で電流電圧特性を評価し、IV曲線の線形性を評価した。線形である場合を○、非線形である場合を×とした。結果を表1に示す。また、電界効果型トランジスタのオンオフ比、ソース・ドレイン電極とゲート電極間のリーク電流(ゲートリーク電流)、ソース・ドレイン電極とゲート電極間の寄生容量(ゲートソース間容量)を示す。
(比較例1)
実施例1において、(絶縁膜前駆体層形成工程2、転化工程2)を実施しないこと、を除いて、実施例1と同様にして電界効果型トランジスタを作成した。また、実施例1と同様にして、トランジスタ性能を評価した。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1において、(パターニング工程)を実施しないこと、を除いて、実施例1と同様にして電界効果型トランジスタを作成した。また、実施例1と同様にして、トランジスタ性能を評価した。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1において、半導体層22の膜厚を7nmとしたことと、(パターニング工程)を実施しないことを除いて、実施例1と同様にして電界効果型トランジスタを作成した。また、実施例1と同様にして、トランジスタ性能を評価した。結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1において、半導体層22の形成工程と、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)の形成工程の順序を入れ替えたことを除いて、実施例1と同様にして、電界効果型トランジスタを製造した。これにより、図4に示されるボトムゲート/ボトムコンタクト型の電界効果型トランジスタを作製した。実施例1と同様にして、トランジスタ性能を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
以下のように、図7に示されるトップゲート/ボトムコンタクト型の電界効果型トランジスタを作製した。まず、基板21としてガラス基材を用い、酸素プラズマ処理等の前処理を施した後、スパッタリング法を用いてITO膜を形成した。フォトリソグラフィ、エッチングによりパターン加工して、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を形成した。
次に、特許文献3の実施例に記載の方法で、スパッタリング法により導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を形成した基板21に全面にMg−In系酸化物半導体からなる半導体層22を形成した。ターゲットには、InMgOの組成を有する多結晶焼成体を用いた。スパッタチャンバー内の到達真空度は2×10−5Paとした。スパッタ時に流すアルゴンガスと酸素ガスの流量を調整し、全圧を0.3Paとした。得られた酸化物半導体層の膜厚は20nmであった。次いでフォトリソグラフィとエッチングを行って、半導体層22を所望の形状にパターン形成した。
次に、プラズマCVD(Plasma Chemical Vapor Deposition)法により導電層23(ソース電極)、導電層24(ドレイン電極)及び半導体層22を被覆して全面に300nmの厚みになるようにSiOを成膜し、ゲート絶縁膜26を形成した。
次に、フォトリソグラフィ、エッチングにより(パターニング工程)、半導体層22のチャネル領域の上方におけるゲート絶縁膜26を薄膜化して凹部26a2を形成し、ゲート絶縁膜26の膜厚を制御した。
次に、スパッタリング法によりゲート絶縁膜26の上層に全面にAl合金膜を形成し、フォトリソグラフィ、エッチングによりゲート電極となる導電層25を所望の形状にパターニングした。以上により、トップゲート/ボトムコンタクトの電界効果型トランジスタを作製した。実施例1と同様にして、トランジスタ性能を評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
以下のように、図12に示されるトップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタを作製した。まず、基板21としてガラス基材を用い、酸素プラズマ処理等の前処理を施した後、特許文献3の実施例に記載の方法で、スパッタリング法により基板21に全面にMg−In系酸化物半導体からなる半導体層22を形成した。ターゲットには、InMgOの組成を有する多結晶焼成体を用いた。スパッタチャンバー内の到達真空度は2×10−5Paとした。スパッタ時に流すアルゴンガスと酸素ガスの流量を調整し、全圧を0.3Paとした。得られた酸化物半導体層の膜厚は20nmであった。次いでフォトリソグラフィとエッチングを行って、半導体層22を所望の形状にパターン形成した。
次に、半導体層22の上層に、真空蒸着法を用いて全面にAu層を形成し、フォトリソグラフィ及びエッチング処理によりパターン加工して、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を形成した。
次に、プラズマCVD法により半導体層22、導電層23(ソース電極)及び導電層24(ドレイン電極)を被覆して全面に300nmの厚みになるようにSiOを成膜し、ゲート絶縁膜26を形成した。
次に、フォトリソグラフィ、エッチングにより(パターニング工程)、半導体層22のチャネル領域の上方におけるゲート絶縁膜26を薄膜化して凹部26a2を形成し、ゲート絶縁膜26の膜厚を制御した。
次に、スパッタリング法によりゲート絶縁膜26の上層に全面にAl合金膜を形成し、フォトリソグラフィ、エッチングによりゲート電極となる導電層25を所望の形状にパターニングした。以上により、トップゲート/トップコンタクトの電界効果型トランジスタを作製した。実施例1と同様にして、トランジスタ性能を評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜実施例4の製造方法および電界効果型トランジスタでは、ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部のゲート絶縁膜厚を厚くすることができた結果、ソース・ドレイン電極とゲート電極間のリーク電流並びに寄生容量を低減することができている。また、チャネル領域のゲート絶縁膜の膜厚を薄く制御したことによりゲート絶縁容量が適切に制御され、低いオフ電流(高いオンオフ比)を実現できている。また、ソース・ドレイン電極間の電流電圧曲線が線形な形状となっている。
一方、比較例1では、低いオフ電流(高いオンオフ比)を実現できているが、ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部のゲート絶縁膜厚は薄く容量が大きいため、寄生容量が大きい。
比較例2では、寄生容量は実施例1と同等に低くできている一方で、チャネル領域のゲート絶縁容量が低いために、トランジスタオフ状態を十分に制御できておらず、オフ電流が高い(オンオフ比が低い)。
比較例3では、ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部のゲート絶縁膜厚が厚くなっており、寄生容量ならびにリーク電流低減が図られている。また、酸化物半導体層厚が薄いことで、チャネル領域のキャリア数が減少した結果、低いゲート容量でも低いオフ電流が実現できている。(オンオフ比が比較的高い)。一方で、酸化物半導体層のキャリア数が少なく、また、膜厚が薄いため、ソース・ドレイン電極との電気的接触が不安定となり、ソース・ドレイン電極間の電流電圧曲線が非線形な形状となっている。これは、金属と酸化物半導体の接触界面の接触抵抗が電圧に依存していることを示しており、金属と酸化物半導体の接触界面は、非オーミック性の接触であることが推測される。電流−電圧特性がこのような振る舞いを示すトランジスタを駆動回路に用いると、トランジスタに印可される電圧のわずかな変動によって電流が大きく変化してしまい、駆動回路への適用が困難となる。
<第2の実施の形態>
(表示素子)
本発明の表示素子は、少なくとも、光制御素子と、前記光制御素子を駆動する駆動回路とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<光制御素子>
前記光制御素子としては、駆動信号に応じて光出力を制御する素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、エレクトロクロミック(EC)素子、液晶素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子などが挙げられる。
<駆動回路>
前記駆動回路としては、本発明の前記電界効果型トランジスタを有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表示素子は、本発明の前記電界効果型トランジスタを有しており、ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部の寄生容量、配線間の寄生容量が低減され、性能に優れた電界効果型トランジスタを用いた表示装置である。
(画像表示装置)
本発明の画像表示装置は、少なくとも、複数の表示素子と、複数の配線と、表示制御装置とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<複数の表示素子>
前記複数の表示素子としては、マトリックス状に配置された複数の本発明の前記表示素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<複数の配線>
前記複数の配線は、前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧と画像データ信号とを個別に印加可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<表示制御装置>
前記表示制御装置としては、画像データに応じて、各電界効果型トランジスタのゲート電圧と信号電圧とを前記複数の配線を介して個別に制御可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記画像表示装置は、本発明の前記表示素子を有しているため、ソース・ドレイン電極とゲート電極の重畳部の寄生容量、配線間の寄生容量が低減され、性能に優れた電界効果型トランジスタを用いた画像表示装置である。
(システム)
本発明のシステムは、少なくとも、本発明の前記画像表示装置と、画像データ作成装置とを有する。前記画像データ作成装置は、表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する。
前記システムは、本発明の前記画像表示装置を備えているため、画像情報を高精細に表示することが可能となる。
以下、本発明の表示素子、画像表示装置、及びシステムを、図を用いて説明する。まず、本発明のシステムとしてのテレビジョン装置を、図15を用いて説明する。
図15において、テレビジョン装置100は、主制御装置101、チューナ103、ADコンバータ(ADC)104、復調回路105、TS(Transport Stream)デコーダ106、音声デコーダ111、DAコンバータ(DAC)112、音声出力回路113、スピーカ114、映像デコーダ121、映像・OSD合成回路122、映像出力回路123、画像表示装置124、OSD描画回路125、メモリ131、操作装置132、ドライブインターフェース(ドライブIF)141、ハードディスク装置142、光ディスク装置143、IR受光器151、及び通信制御装置152を備える。
映像デコーダ121と、映像・OSD合成回路122と、映像出力回路123と、OSD描画回路125とが、画像データ作成装置を構成する。
主制御装置101は、CPU、フラッシュROM、及びRAMなどから構成され、テレビジョン装置100の全体を制御する。
前記フラッシュROMには、前記CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム、及び前記CPUでの処理に用いられる各種データなどが格納されている。
また、RAMは、作業用のメモリである。
チューナ103は、アンテナ210で受信された放送波の中から、予め設定されているチャンネルの放送を選局する。
ADC104は、チューナ103の出力信号(アナログ情報)をデジタル情報に変換する。
復調回路105は、ADC104からのデジタル情報を復調する。
TSデコーダ106は、復調回路105の出力信号をTSデコードし、音声情報及び映像情報を分離する。
音声デコーダ111は、TSデコーダ106からの音声情報をデコードする。
DAコンバータ(DAC)112は、音声デコーダ111の出力信号をアナログ信号に変換する。
音声出力回路113は、DAコンバータ(DAC)112の出力信号をスピーカ114に出力する。
映像デコーダ121は、TSデコーダ106からの映像情報をデコードする。
映像・OSD合成回路122は、映像デコーダ121の出力信号とOSD描画回路125の出力信号を合成する。
映像出力回路123は、映像・OSD合成回路122の出力信号を画像表示装置124に出力する。
OSD描画回路125は、画像表示装置124の画面に文字や図形を表示するためのキャラクタ・ジェネレータを備えており、操作装置132、IR受光器151からの指示に応じて表示情報が含まれる信号を生成する。
メモリ131には、AV(Audio-Visual)データ等が一時的に蓄積される。
操作装置132は、例えば、コントロールパネルなどの入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報を主制御装置101に通知する。
ドライブIF141は、双方向の通信インターフェースであり、一例としてATAPI(AT Attachment Packet Interface)に準拠している。
ハードディスク装置142は、ハードディスクと、該ハードディスクを駆動するための駆動装置などから構成されている。駆動装置は、ハードディスクにデータを記録するとともに、ハードディスクに記録されているデータを再生する。
光ディスク装置143は、光ディスク(例えば、DVDなど)にデータを記録するとともに、光ディスクに記録されているデータを再生する。
IR受光器151は、リモコン送信機220からの光信号を受信し、主制御装置101に通知する。
通信制御装置152は、インターネットとの通信を制御する。インターネットを介して各種情報を取得することができる。
図16は、本発明の画像表示装置の一例を示す概略構成図である。図16において、画像表示装置124は、表示器300と、表示制御装置400とを有する。表示器300は、図17に示されるように、複数(ここでは、n×m個)の表示素子302がマトリックス状に配置されたディスプレイ310を有する。また、ディスプレイ310は、図18に示されるように、X軸方向に沿って等間隔に配置されているn本の走査線(X0、X1、X2、X3、・・・、Xn−2、Xn−1)と、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本のデータ線(Y0、Y1、Y2、Y3、・・・、Ym−1)、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本の電流供給線(Y0i、Y1i、Y2i、Y3i、・・・・・、Ym−1i)とを有する。よって、走査線とデータ線とによって、表示素子を特定することができる。
以下、本発明の表示素子を図19を用いて説明する。図19は、本発明の表示素子の一例を示す概略構成図である。前記表示素子は、一例として図19に示されるように、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子350と、該有機EL素子350を発光させるためのドライブ回路320とを有している。即ち、ディスプレイ310は、いわゆるアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイである。また、ディスプレイ310は、カラー対応の32インチ型のディスプレイである。なお、大きさは、これに限定されるものではない。
図20には、表示素子302における有機EL素子350とドライブ回路としての電界効果型トランジスタ20との位置関係の一例が示されている。ここでは、電界効果型トランジスタ20の横に有機EL素子350が配置されている。なお、電界効果型トランジスタ10及びキャパシタ(図示せず)も同一基材上に形成されている。
図20には図示されていないが、半導体層22の上部に保護膜を設けることも好適である。前記保護膜の材料としては、SiO、SiN、Al、フッ素系ポリマー等、適宜利用できる。
また、例えば、図21に示されるように、電界効果型トランジスタ20の上に有機EL素子350が配置されてもよい。この場合には、ゲート電極となる導電層25に透明性が要求されるので、導電層25(ゲート電極)には、ITO、In、SnO、ZnO、Gaが添加されたZnO、Alが添加されたZnO、Sbが添加されたSnOなどの導電性を有する透明な酸化物が用いられる。なお、符号360は層間絶縁膜(平坦化膜)である。この層間絶縁膜にはポリイミドやアクリル系の樹脂等を利用できる。
図22は、有機EL素子の一例を示す概略構成図である。図22において、有機EL素子350は、陰極312と、陽極314と、有機EL薄膜層340とを有する。
陰極312の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金、アルミニウム(Al)−リチウム(Li)合金、ITO(Indium Tin Oxide)などが挙げられる。なお、マグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金は、充分厚ければ高反射率電極となり、極薄膜(20nm程度未満)では半透明電極となる。図22では陽極側から光を取り出しているが、陰極を透明、または半透明電極とすることによって陰極側から光を取り出すことができる。
陽極314の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、銀(Ag)−ネオジウム(Nd)合金などが挙げられる。なお、銀合金を用いた場合は、高反射率電極となり、陰極側から光を取り出す場合に好適である。
有機EL薄膜層340は、電子輸送層342と、発光層344と、正孔輸送層346とを有する。電子輸送層342は、陰極312に接続され、正孔輸送層346は、陽極314に接続されている。陽極314と陰極312との間に所定の電圧を印加すると、発光層344が発光する。
ここで、電子輸送層342と発光層344が1つの層を形成してもよく、また、電子輸送層342と陰極312との間に電子注入層が設けられてもよく、更に、正孔輸送層346と陽極314との間に正孔注入層が設けられてもよい。
また、基材側から光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」の場合について説明したが、基材と反対側から光を取り出す「トップエミッション」であってもよい。
図19におけるドライブ回路320について説明する。ドライブ回路320は、2つの電界効果型トランジスタ10及び20と、キャパシタ30を有する。
電界効果型トランジスタ10は、スイッチ素子として動作する。電界効果型トランジスタ10のゲート電極Gは、所定の走査線に接続され、電界効果型トランジスタ10のソース電極Sは、所定のデータ線に接続されている。また、電界効果型トランジスタ10のドレイン電極Dは、キャパシタ30の一方の端子に接続されている。
電界効果型トランジスタ20は、有機EL素子350に電流を供給する。電界効果型トランジスタ20のゲート電極Gは、電界効果型トランジスタ10のドレイン電極Dと接続されている。そして、電界効果型トランジスタ20のドレイン電極Dは、有機EL素子350の陽極314に接続され、電界効果型トランジスタ20のソース電極Sは、所定の電流供給線に接続されている。
キャパシタ30は、電界効果型トランジスタ10の状態、即ちデータを記憶する。キャパシタ30の他方の端子は、所定の電流供給線に接続されている。
そこで、電界効果型トランジスタ10が「オン」状態になると、信号線Y2を介して画像データがキャパシタ30に記憶され、電界効果型トランジスタ10が「オフ」状態になった後も、電界効果型トランジスタ20を画像データに対応した「オン」状態に保持することによって、有機EL素子350は駆動される。
図23は、本発明の画像表示装置の他の一例を示す概略構成図である。図23において、画像表示装置は、表示素子302と、配線(走査線、データ線、電流供給線)と、表示制御装置400とを有する。表示制御装置400は、画像データ処理回路402と、走査線駆動回路404と、データ線駆動回路406とを有する。画像データ処理回路402は、映像出力回路123の出力信号に基づいて、ディスプレイにおける複数の表示素子302の輝度を判断する。走査線駆動回路404は、画像データ処理回路402の指示に応じてn本の走査線に個別に電圧を印加する。データ線駆動回路406は、画像データ処理回路402の指示に応じてm本のデータ線に個別に電圧を印加する。
また、上記実施形態では、光制御素子が有機EL素子の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光制御素子がエレクトロクロミック素子であってもよい。この場合は、上記ディスプレイは、エレクトロクロミックディスプレイとなる。
また、前記光制御素子が液晶素子であってもよく、この場合ディスプレイは、液晶ディスプレイとなり、図24に示されるように、表示素子302'に対する電流供給線は不要となる。また、図25に示されるように、ドライブ回路320'は、電界効果型トランジスタ10及び20と同様の1つの電界効果型トランジスタ40により構成することができる。電界効果型トランジスタ40において、ゲート電極Gが所定の走査線に接続され、ソース電極Sが所定のデータ線に接続されている。また、ドレイン電極Dが、キャパシタ361及び液晶素子370の画素電極に接続されている。
また、前記光制御素子は、電気泳動素子、無機EL素子、エレクトロウェッティング素子であってもよい。
以上、本発明のシステムがテレビジョン装置である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、画像及び情報を表示する装置として画像表示装置124を備えていればよい。例えば、コンピュータ(パソコンを含む)と画像表示装置124とが接続されたコンピュータシステムであってもよい。
また、携帯電話、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置、電子BOOK、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯情報機器、スチルカメラやビデオカメラなどの撮像機器における表示手段に画像表示装置124を用いることができる。また、車、航空機、電車、船舶等の移動体システムにおける各種情報の表示手段に画像表示装置124を用いることができる。さらに、計測装置、分析装置、医療機器、広告媒体における各種情報の表示手段に画像表示装置124を用いることができる。
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
21 基板
22 半導体層
23 導電層
24 導電層
25 導電層
26 ゲート絶縁膜
26a、26a2 凹部
26b、26c、26d、26e、26f、26g、26h、26i、26j、26k、26l、26m 絶縁膜
27a、27b、27c、27d、27e、27f、27g、27h フォトレジスト
特開2016−154229号公報 特開2014−225687号公報 特開2010−74148号公報

Claims (9)

  1. ゲート電極と、
    ソース電極及びドレイン電極と、
    酸化物半導体からなる活性層と、
    前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられたゲート絶縁膜と、を備え、
    前記ゲート電極と前記ソース電極及び前記ドレイン電極は第1重畳部を有し、
    前記活性層のチャネル領域と前記ゲート電極は第2重畳部を有し、
    前記第1重畳部の前記ゲート絶縁膜の膜厚T1と、前記第2重畳部の前記ゲート絶縁膜の膜厚T2について、T1>T2であることを特徴とする、
    電界効果型トランジスタ。
  2. 前記ゲート電極と同一層の第1配線と、前記ソース電極及び前記ドレイン電極と同一層の第2配線と、をさらに備え、
    前記第1配線と前記第2配線は第3重畳部を有し、
    前記第1重畳部の前記ゲート絶縁膜の膜厚T1と、前記第3重畳部の前記ゲート絶縁膜の膜厚T3について、T3>T1であることを特徴とする、
    請求項1に記載の電界効果型トランジスタ。
  3. 前記ゲート絶縁膜が、アルカリ土類金属である第A元素と、Ga、Sc、Y、及びランタノイドの少なくとも何れかである第B元素とを含む酸化物膜であることを特徴とする、
    請求項1または請求項2に記載の電界効果型トランジスタ。
  4. 駆動信号に応じて光出力が制御される光制御素子と、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電界効果型トランジスタを含み、前記光制御素子を駆動する駆動回路と、を備えることを特徴とする
    表示素子。
  5. 前記光制御素子が、エレクトロルミネッセンス素子、エレクトロクロミック素子、液晶素子及び電気泳動素子のいずれかを含む
    請求項4に記載の表示素子。
  6. 画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
    マトリックス状に配置された複数の請求項4または5に記載の表示素子と、
    前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧を個別に印加するための複数の配線と、
    前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタのゲート電圧を前記複数の配線を介して個別に制御する表示制御装置と、を備えることを特徴とする
    画像表示装置。
  7. 請求項6に記載の画像表示装置と、
    表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する画像データ作成装置と、を備えることを特徴とする
    システム。
  8. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法であって、
    (I)前記ゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成する工程と、
    (II)前記絶縁膜前駆体層または前記絶縁膜前駆体層を転化してなる第1絶縁膜をパターニングする工程と、
    (III)前記ゲート電極と、前記絶縁膜前駆体層または前記第1絶縁膜の上に、第2の絶縁膜前駆体層を形成する工程と、を順に含むことを特徴とする
    電界効果型トランジスタの製造方法。
  9. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電界効果型トランジスタの製造方法であって、
    (I)前記ゲート絶縁膜となる絶縁膜前駆体層を形成し、第2絶縁膜に転化する工程と、
    (II)前記第2絶縁膜を部分的にエッチングして除去する工程と、を順に含むことを特徴とする
    電界効果型トランジスタの製造方法。
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