JP2019164878A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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千恵子 荒木
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Abstract

【課題】本発明の目的は、特性が高く、異常昇温時に安全に停止するリチウムイオン二次電池を提供することである。【解決手段】正極活物質を有する正極合剤と、負極活物質を有する負極合剤と、前記正極合剤層と前記負極合剤層の間にはセラミック層が、前記正極合剤層または、前記負極合剤層に塗布された状態で設けられ、前記セラミック層は、セラミック粒子とガス発生剤とを有し、前記セラミック層を前記正極合剤層側と前記負極合剤層側とに分割した時に、正極側に存在するガス発生剤の量Aと、負極側に存在するガス発生量Bとの比率A/Bは、0.5≦A/B≦2.0の範囲であるリチウムイオン二次電池。【選択図】図3

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム二次電池やニッケル水素二次電池に比べて高いエネルギー密度を有することから、ノートパソコン、携帯電話の電源として広く使用されている。また、環境に配慮した自動車として電気自動車およびハイブリッド自動車の開発が進む中、リチウムイオン二次電池は自動車用の電源への適用が進められている。
一般的に、リチウムイオン二次電池はバインダを用いて正極活物質粒子を集電体に塗布した正極と、同様にバインダを用いて負極活物質粒子を集電体に塗布した負極と、その間に配置されるセパレータと、電解液が電池ケースに収納された構成となっている。
こうしたリチウムイオン二次電池のセパレータには、特許文献1に示すような多孔質樹脂フィルムや、特許文献2に示すような電極合剤層上にセラミック粒子を塗布したセラミック層が用いられている。特にセラミック層のセパレータは、厚さを薄くすることができるため、リチウムイオン二次電池の出力密度を上げることができるため好ましい。一方で、多孔質樹脂フィルムは、リチウムイオン二次電池が過充電され、温度が異常上昇した際に樹脂が溶融してセパレータの空孔を塞ぐことでリチウムイオンの伝導を妨げ、電池を安全停止させるいわゆるシャットダウン機能を有する。
温度が異常上昇した際に電池を安全停止させる方法として、例えば特許文献3に示すように、セパレータにガス発生剤の水溶液を滴下させた後に乾燥し、セパレータ内にガス発生剤を含有させ、温度上昇時に発生したガスでセパレータ内の空孔を閉塞させる方法がある。
特開2015−175068 WO97/08763 特開2008−226807
セラミック層のセパレータは、セラミック粒子が溶融しないため、多孔質樹脂フィルムのようなシャットダウン機能を有さず、電池の安全性、信頼性に劣る面がある。
特許文献3のような手法を適用した場合には、滴下したガス発生剤水溶液が正極合剤や負極合剤にも浸透することから、ガス発生剤が正極活物質や負極活物質の表面に付着してしまいリチウムイオンの挿入脱離を妨げるため、電池特性が悪化する課題があった。
本発明の目的は、特性が高く、異常昇温時に安全に停止するリチウムイオン二次電池を提供することである。
本発明の特徴は、例えば、以下の通りである。
正極活物質を有する正極合剤と、負極活物質を有する負極合剤と、前記正極合剤層と前記負極合剤層の間にはセラミック層が、前記正極合剤層または、前記負極合剤層に塗布された状態で設けられ、前記セラミック層は、セラミック粒子とガス発生剤とを有し、前記セラミック層を前記正極合剤層側と前記負極合剤層側とに分割した時に、正極側に存在するガス発生剤の量Aと、負極側に存在するガス発生量Bとの比率A/Bは、0.5≦A/B≦2.0の範囲であるリチウムイオン二次電池。
本発明により、特性が高く、異常昇温時に安全に停止するリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本実施例に係るリチウムイオン二次電池の一例の断面模式図 本実施例に係るリチウムイオン二次電池の一例の断面模式図 本実施例に係るセラミック層の一例の断面模式図 本実施例に係るセラミック層の一例の断面模式図 本実施例に係るリチウムイオン二次電池の一例の半断面模式図
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。
図1に本実施例に係るリチウムイオン二次電池の一例の断面模式図を示す。集電体101上にリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質を含む正極合剤層102が設けられており、集電体105上にリチウムイオンを吸蔵放出する負極活物質を含む負極合剤層104が設けられている。また、正極合剤層102と負極合剤層104の間にセラミック層103が配置されている。正極合剤層102、負極合剤層104、およびセラミック層103内の空孔は、図示していない電解液によって満たされている。
セラミック層103は、正極合剤層102上に塗布により形成されており、セラミック層103と正極合剤層102は実質的に接合された状態となっている。また、セラミック層103は、負極合剤層104の集電体105とは反対の面に塗布することで形成しても良い。ここで、セラミック層103の厚さは3〜50μmとすることが好ましい。3μmよりも薄いと塗布時の欠陥が多くなるため、正極と負極の電子的絶縁性を確保することが難しくなるため好ましくない。また、50μmよりも厚いとリチウムイオン伝導抵抗が大きくなるため、リチウムイオン二次電池の抵抗が増大してしまう可能性がある。
セラミック層103は、セラミック粒子と、ガス発生剤を有する。ガス発生剤は、セラミック粒子の表面に担持され、温度上昇時にガスを発生させる。発生したガスは、セラミック層の空孔に広がり、セラミック層内の電解液を押しのけることでリチウムイオンの経路を閉塞し電池の抵抗を上昇させて電池を安全に停止させることができる。また、電池の内圧上昇を感知して電流を遮断する構造を設けることで、電池を停止させることもできる。
ガス発生剤は実質的にセラミック層103にのみ含まれ、正極合剤層102や負極合剤層104には含まれない構成にすることが好ましい。このような構成とすることで、正極活物質や負極活物質の表面がガス発生剤で被覆され、リチウムイオンの挿入脱離が妨げられることがないため、電池の特性が悪化することを抑制できる。また、ガス発生剤はセラミック層103内に均一に含まれる。このような構成とすることで、電池の異常昇温時に発生したガスがセラミック層103内の空孔を漏れなく塞ぐことが可能となり、確実に電池を安全停止させることができる。
正極合剤層102は、正極活物質を有する。正極活物質は、リチウムを吸蔵、放出できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、LiCoO,LiCo0.33Ni0.33Mn0.33,LiNiO,LiMn,LiNi0.5Mn1.5,LiFePO,LiMnPO,LiFeSiOなどの粒子を用いることができる。これらはバインダによって結着され、正極合剤層102を形成する。バインダは、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、ポリアルギン酸、ポリアクリル酸などを用いることができる。正極合剤層102の厚さは、特に限定されるものではないが、10μm〜200μmとすることが好ましい。
正極合剤層102は、正極の集電体101上に形成される。正極の集電体101は、電池内で変質しにくく、電子伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、アルミニウム、チタン、ステンレスなどを用いることができる。なかでも、アルミニウムを用いることが好ましい。正極の集電体101の厚さは、特に限定されるものではないが1〜100μmのものを用いることができる。また、正極合剤層102自体の強度と電子伝導性が十分であれば、必ずしも集電体を用いる必要はない。
負極合剤層102は、負極活物質を有する。負極活物質は、リチウムを吸蔵、放出できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、C,Si,SiO,Sn,Al,LiTi12などの粒子を用いることができる。これらはバインダによって結着され、負極合剤層104を形成する。なお、バインダは正極と同様なものを用いることができる。負極合剤層104の厚さは、特に限定されるものではないが、10〜200μmの範囲とすることが好ましい。負極合剤層102は、負極の集電体105上に形成される。負極の集電体105は、電池内で変質しにくく、電子伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、銅,ステンレスなどを用いることができる。なかでも、銅を用いることが好ましい。負極の集電体105の厚さは、特に限定されるものではないが1〜100μmのものを用いることができる。また、負極合剤層104自体の強度と電子伝導性が十分であれば、必ずしも集電体を用いる必要はない。
電解液は、非水系溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩とから構成される非水系電解液を用いることができる。非水系溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルアセテートなどの混合溶媒を用いることができる。また、リチウム塩としては、過塩素酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、三フッ化メタンスルホン酸リチウムなどを用いることができる。また、ビニレンカーボネート、エチレンサルファイトなどを添加材として加えても良い。
図2に本実施例に係るリチウムイオン二次電池の一例の断面模式図を示す。集電体201上にリチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質を含む正極合剤層102が設けられており、集電体206上にリチウムイオンを吸蔵放出する負極活物質205が設けられている。また、正極合剤層202と負極合剤層205の間に正極側セラミック層203と負極側セラミック層204が配置されている。正極側セラミック層203は、正極合剤層202上に塗布により形成されており、正極側セラミック層203と正極合剤層202は実質的に接合された状態となっている。また、負極側セラミック層204は、負極合剤層205上に塗布により形成されており、負極側セラミック層204と負極合剤層205は実質的に接合された状態となっている。このような構成とすることで、いずれかのセラミック層に欠陥があった場合でも、欠陥の位置が一致しない限り電子的絶縁性が損なわれないため、リチウムイオン電池の信頼性の観点から好ましい。ここで、正極側セラミック層203と負極側セラミック層204を合わせた厚さは3〜30μmとすることが好ましい。3μmよりも薄いと塗布時の欠陥が多くなる可能性があり、正極と負極の電子的絶縁性を確保することが難しくなるため好ましくない。また、30μmよりも厚いとリチウムイオン伝導抵抗が大きくなるため、リチウムイオン二次電池の抵抗が増大してしまう可能性がある。
ここで、ガス発生剤は実質的に正極側セラミック層203と負極側セラミック層204にのみ含まれ、正極合剤層202や負極合剤層205には含まれない構成とすることが好ましい。このような構成とすることで、正極活物質や負極活物質の表面がガス発生剤で被覆され、リチウムイオンの挿入脱離が妨げられることがないため、電池の特性が悪化することを抑制できる。また、正極側セラミック層203内にはガス発生剤が均一に含まれ、負極側セラミック層204内にはガス発生剤が均一に含まれる。このような構成とすることで、電池の異常昇温時に発生したガスがそれぞれのセラミック層内の空孔を漏れなく塞ぐことが可能となり、確実に電池を安全停止させることができる。なお、正極側セラミック層203のガス発生剤濃度と、負極側セラミック層204のガス発生剤濃度は同程度とすることが好ましい。
図3は、図1、図2におけるセラミック層の詳細を示す概略図である。
セラミック粒子302の表面にはガス発生剤粒子303が担持されており、これらがバインダ304により結着され、空孔を有するセラミック層301を形成している。
セラミック粒子としては、例えば、Al、SiO,ZrOなどを用いることができる。セラミック粒子302の粒子径は、セラミック層301の厚さの1/100〜1/2の範囲から選ぶことが好ましい。例えば、セラミック層301の厚さが20μmの場合には、0.2〜10μmの粒子径のものを用いることが好ましい。
バインダとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、ポリアルギン酸、ポリアクリル酸などを用いることができる。ガス発生剤303の粒子径はセラミック粒子302より小さいことが好ましい。
ガス発生剤303としてはリチウムイオン二次電池の作動環境下で安定な材料であり、100〜250℃の範囲で不活性ガスを放出する材料を用いることができる。100℃未満でガスを発生する材料である場合、通常のリチウムイオン電池の作動環境でガスを発生する可能性があり、300℃以上でガスを発生する材料である場合、ガス発生が遅く、リチウムイオン二次電池の熱暴走を止められない可能性がある。更に、モノメチルヒドラジンなどCHやNHを発生するガス発生剤を用いた場合には、CHは発火性が高い他、電池缶からNHが漏れた場合に人体に有害であるため好ましくない。これらの条件から、ガス発生剤には、100〜250℃でCOを発生させる炭酸水素ナトリウム(NaHCO)や炭酸水素カリウム(KHCO)を用いることが好ましい。ここで、NaHCO,KHCOを用いた場合のガス発生反応を(1)(2)式に示す。
NaHCO→NaCO+CO+HO ・・・式(1)
KHCO→KCO+CO+HO ・・・式(2)
NaHCOやKHCO、1molからCOガス、1molが発生する。ここで、セラミック層に含有させるガス発生剤の総量は、セラミック層の総空孔体積によって決定することが好ましく、発生したガスの体積が、セラミック層の総空孔体積の1〜20倍程度とすることが好ましい。
セラミック層においてガス発生剤は、均一に分布していることが好ましい。均一に分布することで、ガスが発生した際にセラミック層の空孔の電解液をまんべんなく押しのけることができ、リチウムイオンの移動経路を遮断することで電池を停止させることができる。ガス発生剤に偏りがある場合、部分的に電解液が残りリチウムイオンの移動を妨げることができない可能性がある。
セラミック層を正極側(正極合剤層側)と負極側(負極合剤層側)に分割した時に、正極側に存在するガス発生剤の量Aと、負極側に存在するガス発生量BとのA/Bが、0.5≦A/B≦2.0の範囲となることが均一に分布していることの指標となる。
また、正極合剤層や、負極合剤層には実質的にガス発生剤は含まれないことが好ましく、例えば、セラミック層におけるガス発生剤量をD、負極合剤層におけるガス発生剤をCとした時に、5C≦Dを満たすことが好ましい。このような構成とすることで、正極活物質や負極活物質の表面がガス発生剤で被覆され、リチウムイオンの挿入脱離が妨げられることがないため、電池の特性が悪化することを抑制できる。
図4にセラミック層の別例の断面模式図を示す。
図4ではガス発生剤403がセラミック粒子の表面に被覆されている。これらがバインダ404により結着されて、空孔を有するセラミック層401を形成している。このような構成とすることで、セラミック層401内でより均質にガスを発生させることが可能となる。
図4のようにガス発生剤でセラミック粒子を被覆することで、図3のようにガス発生剤を担持する場合よりも更に均質にセラミック層内にガスを発生させることができる。一方で、バインダによるセラミック粒子の結着はガス発生剤を介することになるため、ガス発生剤がセラミック粒子から剥がれるとセラミック粒子間の結着が損なわれる可能性もある。
本発明に係るセラミック層の製造方法の一例を示す。
セラミック粒子の表面にガス発生剤を被覆する方法としては、セラミック粒子とガス発生剤と溶媒を混合する工程と、溶媒を除去し前記ガス発生剤が担持されたセラミック粒子を得る工程と、ガス発生剤が担持されたセラミック粒子とバインダと溶媒を混合し正極合剤層、または負極合剤層に塗布する工程とを有する製造方法を用いることができる。
具体的には、ガス発生剤であるNaHCOを溶媒であるイオン交換水に溶解させた後、セラミック粒子であるSiO粒子と混合し、60℃の恒温槽で12時間乾燥させ、SiOにNaHCOを担持させる。次に、NaHCOが担持されたSiOとバインダであるポリフッ化ビニリデン、溶媒であるN−メチル−2ピロリドン(NMP)を混合し、負極合剤上にブレードを用いて塗布した後、60℃の恒温槽で12時間乾燥させることで、負極合剤上にセラミック層を形成することができる。このような方法でセラミック層を製造することで、セラミック層内にガス発生剤を均一に含ませることができ、且つ、負極合剤層にガス発生剤は実質的に含まれない構成とすることができる。
本発明に係るセラミック層の製造方法のその他の一例を示す。
他の製造方法としては、セラミック粒子とガス発生剤とバインダを混合するスラリ作製工程と、スラリを正極合剤層、または負極合剤層に塗布する工程を含む製造方法を用いることもできる。
具体的には、ガス発生剤であるNaHCOを溶媒であるイオン交換水に溶解させた後、バインダであるスチレンブタジエンゴムとセラミック粒子であるSiO粒子とを混合し、負極合剤層にブレードを用いて塗布する。その後、60℃の恒温槽で12時間乾燥させることで、負極合剤上にセラミック層を形成することができる。このような方法でセラミック層を製造することで、セラミック層内にガス発生剤を均一に含ませることができ、且つ、負極合剤層にガス発生剤は実質的に含まれない。
上記2つの製造方法の乾燥工程において、乾燥速度を速めると図3のようにセラミック粒子にガス発生剤が担持されやすくなる。逆に乾燥速度を遅くすると、図4のようにセラミック粒子にガス発生剤が被覆された状態となりやすい。
図5に図1または図2の電極を用いたリチウムイオン二次電池の一例の半断面模式図を示す。正極501、ガス発生剤を含むセラミック層502、負極503が積層され、捲回された構成となっている。負極503には負極タブ506が接続され、正極501には正極タブ505が接続される。更に、負極タブ506は電池缶504に接続され、正極タブ505は電池蓋511に接続される。このような構造とすることで、負極503と正極501との間に発生した電位差を外部に出力することができる。なお、電池にはその他に内蓋507、内圧開封弁508、ガスケット509、PTC素子510が含まれる。また、電池缶504内はリチウムイオンを伝導する電解液で満たされる。
以下、本実施例に係るリチウムイオン二次電池の実施態様を具体的に説明する。
(実施例1)
NaHCO0.1gを、イオン交換水10gに溶解させた後、乳鉢にて平均粒子径1μmのSiO粒子9.9gと混合した。その後、60℃の恒温槽内で12時間乾燥させ、SiOにNaHCOを担持した。次に、NaHCOが担持されたSiO粒子5.4gとポリフッ化ビニリデンが10%含まれるNMP溶液6gを混合し、更にNMPを加えて粘度を調整してから、負極合剤層上にブレードを用いて塗布した。その後、60℃の恒温槽内で12時間乾燥させた後、直径16mmの円形に打ち抜くことで、本実施例に係るガス発生剤が含まれるセラミック層を得た。乾燥後、セラミック層の厚さを測定したところ、約30μmであった。
(実施例2)
NaHCOの代わりにKHCOを用いる以外は実施例1と同様とし、本実施例に係るガス発生剤が含まれるセラミック層を得た。乾燥後、セラミック層の厚さを測定したところ、約30μmであった。
(比較例1)
NaHCOを加えないでセラミック層を形成する以外は実施例1と同様とし、本比較例に係るセラミック層を得た。乾燥後、セラミック層の厚さを測定したところ、約30μmであった。
(比較例2)
比較例1と同様の方法で得た厚さ約30μmのセラミック層に、NaHCO0.2gをイオン交換水99.8gに溶解させた溶液を35μL滴下した後、60℃の恒温槽内で12時間乾燥させることで、本比較例に係るガス発生剤を含むセラミック層を得た。
(評価)
実施例1、および比較例1〜2のセラミック層を有する負極について、断面SEM−EDX分析によりNa、すなわちガス発生剤の分布を評価した。結果を表1に示す。表1中のセラミック層上部とは、負極合剤層とは反対側(正極側)の表面から深さ15μmまでの部分であり、セラミック層下部とは、深さ15μmから負極合剤層との界面までの部分であり、負極合剤層中部とは、負極合剤層中央の部分を示している。
Naは、ガス発生剤中のナトリウム元素を検出しているため、それぞれの値は、セラミック層における正極側のガス発生剤量A、セラミック層における負極側のガス発生剤量Bとなる。
実施例1ではセラミック層のみにNaが検出され、且つ、セラミック層上部とセラミック層下部でNa組成はほぼ同等であった(A/Bは1.3)。一方で、ガス発生剤を滴下により添加した比較例2では、セラミック層上部でのNa組成が最も高く、セラミック層下部の2倍以上であった(A/Bは2.2)。また負極合剤層中部からもNaが検出され、滴下した溶液が浸透することで負極合剤層にもガス発生剤が存在することが分かる。すなわち、負極活物質表面をガス発生剤が少なからず被覆しており、リチウムイオンの挿入脱離を阻害することで電池特性の悪化を招いてしまう。なお、NaHCOを添加していない比較例1からはいずれの場所からもNaは検出されなかった(0.05以下)。
以上より、実施例1のようなセラミック層内にガス発生剤NaHCOを均一に分布させることで、電池が異常昇温した際にCOガスがセラミック層内で均一に発生し、効果的に電池を安全停止することが可能となる。また、負極合剤層にNaHCOが存在していないため、負極活物質がNaHCOで覆われることによる電池特性の悪化が見られない。
Figure 2019164878
(評価2)
実施例1〜2、および比較例1〜2のセラミック層を有する負極と、直径16mmの円形に打ち抜いた正極とを重ねた試験電池を作製し、充放電を1サイクルさせた。その後、各試験電池の25℃での電池抵抗を測定した後、150℃の恒温槽で1時間保持してから、再度、25℃での電池抵抗を測定した。なお、抵抗値は、交流インピーダンス法によりセラミック層部分の電解液抵抗と相関がある高周波領域の値で比較した。結果を表2に示す。実施例1と実施例2は、150℃保持により大きく抵抗値が上昇した。これはNaHCO、KHCOがセラミック層内に均一に分布しており、これらから生成したCOガスがセラミック層内の空孔を効率よく閉塞させたためと考えられる。一方で、ガス発生剤を含まない比較例1では、150℃保持による抵抗上昇はほとんど見られなかった。また、滴下によりガス発生剤NaHCOを添加した比較例2では、150℃保持により抵抗は増大したものの、実施例1や実施例2に比べると上昇幅は小さかった。
以上より、実施例1、実施例2のセラミック層を有する負極を用いることで、異常昇温時に安全停止させることができるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
Figure 2019164878
101…集電体
102…正極合剤層
103…セラミック層
104…負極合剤層
105…集電体
201…集電体
202…正極合剤層
203…正極側セラミック層
204…負極側セラミック層
205…負極合剤層
206…集電体
301…セラミック層
302…セラミック粒子
303…ガス発生剤
304…バインダ
401…セラミック層
402…セラミック粒子
403…ガス発生剤
500…バインダ
501…正極
502…セラミック層
503…負極
504…電池缶
505…正極タブ
506…負極タブ
507…内蓋
508…内圧開封弁
509…ガスケット
510…PTC素子
511…電池蓋

Claims (7)

  1. 正極活物質を有する正極合剤と、
    負極活物質を有する負極合剤と、
    前記正極合剤層と前記負極合剤層の間にはセラミック層が、前記正極合剤層または、前記負極合剤層に塗布された状態で設けられ、
    前記セラミック層は、セラミック粒子とガス発生剤とを有し、
    前記セラミック層を前記正極合剤層側と前記負極合剤層側とに分割した時に、正極側に存在するガス発生剤の量Aと、負極側に存在するガス発生量Bとの比率A/Bは、0.5≦A/B≦2.0の範囲であるリチウムイオン二次電池。
  2. 請求項1において、
    前記ガス発生剤は、100〜250℃でCOを発生させるリチウムイオン二次電池。
  3. 請求項2において、
    前記ガス発生剤は、炭酸水素ナトリウムまたは、炭酸水素カリウムであるリチウムイオン二次電池。
  4. 請求項3において、
    前記セラミック粒子はAl、SiO,ZrOの少なくともいずれかであるリチウムイオン二次電池。
  5. 請求項4において、
    前記セラミック層におけるガス発生剤量をD、前記負極合剤層におけるガス発生剤量をCとした時に、5C≦Dを満たすリチウムイオン二次電池。
  6. セラミック粒子とガス発生剤と溶媒を混合する工程と、
    前記溶媒を除去し前記ガス発生剤が担持されたセラミック粒子を得る工程と、
    前記ガス発生剤が担持されたセラミック粒子とバインダと溶媒を混合し正極合剤層、または負極合剤層に塗布する工程とを有する請求項1〜請求項5に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  7. セラミック粒子とガス発生剤とバインダを混合するスラリ作製工程と、
    前記スラリを正極合剤層、または負極合剤層に塗布する工程と、を有する請求項1〜請求項5に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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