JP2019163086A - 袋体開口装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような袋体の開封を容易にする技術としては、例えば、特許文献1にロール状ビニール袋開封器が開示されている。特許文献1に記載のロール状ビニール袋開封器では、ビニール袋の切断部に吸着ゴムを設け、この吸着ゴムにさらに吸着ゴム凸部を設けている。そして、ビニール袋を吸着ゴムで切断すると、次のビニール袋の開口部においてビニール袋の裏材が吸着ゴム凸部に接触した状態になる。このため、特許文献1記載のロール状ビニール袋開封器は、次の使用時にビニール袋の開口部の表材を指で撫ぜて開口部を開口することができるようになる。
特許文献1に記載のロール状ビニール袋開封器では、吸着ゴムが筒状のロール状ビニール袋本体に接するように支持体によって支持されている。支持体は、その一部がバネになっていて、バネの弾性力によって吸着ゴムをロール状ビニール袋本体に圧接させている。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、袋体ロールの径に関わらず袋体を開口し易くすることが可能な袋体開口装置に関する。
図1は、第一実施形態の袋体開口装置100を説明するための斜視図である。袋体開口装置100は、袋体ロール1に巻き回される帯状部材10と、帯状部材10の一部を巻き取る巻取部11と、帯状部材10を支持するスタンド部材3と、を備えている。このような袋体開口装置100は、一方向に接続された複数の袋体1a(図3参照)で構成される袋体シート(図示せず)がロール状に巻き回された袋体ロール1に対し、袋体ロール1の周面1bに圧接し、かつ袋体ロールの軸周りに巻き回される帯状の帯状部材10を備えている。第一実施形態では、帯状部材10が袋体ロール1の回転方向に沿って巻き回されている場合の帯状部材10の長手方向と直交する方向を以降「帯状部材の幅方向」と記す。
袋体1aは、上面視において長方形を有するポリマー製の袋である。袋体1aの材料となるポリマーには、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンが用いられる。
第一実施形態の袋体1aは、ポリエチレン等の薄膜(以下、「袋材」と記す)が重ね合わされて構成されるマチのない袋である。
さらに、帯状部材10は、袋体ロール1と接触している部分の接触長さが弾性的に伸縮可能である部材である。ここで、接触長さは、帯状部材10が袋体ロール1に巻き回されることによって袋体ロール1と接触する長さであり、弾性的に伸縮するとは、帯状部材10が有する弾力によって接触長さが長くなり、また長くなる以前の状態まで短く復元することをいう。
さらに、このような帯状部材10は、一つの部材で構成されるものに限らず、複数の部材で構成されるものであってもよい。複数の部材で構成される帯状部材10としては、例えば、ゴムやバネに紐やテープを接続したものであってもよい。
このような構成によれば、例えば帯状部材10を環状のゴム部材とし。これを袋体ロール1に巻き回すことにより、袋体1aが消費されるに連れて径が短くなる袋体ロール1に合わせて環状の帯状部材10の径を小さくする(接触長さを短くする)ことができる。
接触長さは、袋体ロール1の径rに関係し、第一実施形態、第二実施形態及び変形例において「接触長さが長い」の記載は「袋体ロールの径が長い」ことを指す。また、「接触長さが短い」の記載は「袋体ロールの径が短い」ことを指すものとする。径rの長さは、袋体ロール1の仮想的な中心軸から最外層までの長さである。仮想的な中心軸とは、円筒状の袋体ロール1にあって円筒の中心軸に一致する。図1中に、仮想的な中心軸1cを破線で示す。「帯状部材の一部を巻き取る」とは、帯状部材10の全てを巻き取ることを除くことを指し、巻取部11が帯状部材10を最も長く巻き取った場合にも帯状部材10は巻取部11から露出している。
(帯状部材)
帯状部材10は、長手方向に直交した切断面が厚み方向の寸法よりも幅方向に寸法が大きい扁平形状をなしている。そして、帯状部材10の長手方向と幅方向により形成される面が、袋体ロール1の周面に圧接する接触面となる。接触面は、連続する一続きの面であればよく、面の形状が限定されるものではない。つまり、第一実施形態は、帯状部材10と袋体ロール1との接触領域において、帯状部材10が袋体ロール1に対して厳密に均一な押圧力を加えることに限定されるものではない。帯状部材10と袋体ロール1とは面接触していればよく、この接触面が、袋体ロール1に加わる押圧力が相対的に強い部分では接触面における帯状部材10の長手方向の長さが相対的に広く、圧力が相対的に弱い部分では相対的に狭くなるものであってもよい。
つまり、第一実施形態では、袋体1aを構成する二枚の袋材のうち、帯状部材10の周面1bにある一方の袋材に加わる摩擦力が、他方の袋材を引き出すのに必要な力以上となる。このため、図3で説明するように、袋体1aは、重なる二つの袋材が帯状部材10から引き出される際にそれぞれ異なる力を受けることによって開口される。この点については図3を使って後に詳述する。
図2は、図1に示した巻取部11を説明するための模式図である。図2に示した巻取部11は、帯状の帯状部材の幅よりも幅広の幅広部の内部に収容されている。第一実施形態の幅広部13は、巻き回された帯状部材10を収容するケース体である。さらに、幅広部13は、帯状部材10と接続される板バネ19と、板バネ19を固定する固定部15と、を内部に収容している。板バネ19と接続される帯状部材10は、幅広部13に形成された挿通孔13bから幅広部13に挿通されている。
板バネ19は、形状記憶合金を材料とし、同軸上に複数巻き回されて構成されている。19の長さ方向の一方の端部は固定部15に固定されており、他方は帯状部材10と接続部191において接続されている。板バネ19及び帯状部材10が巻き回された部分を図中に部分Aとして示す。帯状部材10の板バネ19と接続されていない側の端部には帯状部材10に係合し、かつ幅広部13の内部に突出する帯状部材10の固定部18が形成されている。このような構成により、帯状部材10は、幅広部13を介して二つの端部が接続された環状になる。
幅広部13には帯状部材10が挿通される挿通孔13aが形成されており、固定部18及び回転盤17の帯状部材10の長さ方向に直交する断面の少なくとも一部は、挿通孔13aの帯状部材10の長さ方向に直交する断面よりも大きくなっている。このような構成により、第一実施形態は、固定部18及び回転盤17が13aから抜けて外れることを防止している。なお、第一実施形態では、挿通孔13aと挿通孔13bとを同一線上に形成している。このようにすると、帯状部材10が形成する環が歪みのない、捩れが発生し難いものになる。
第一実施形態では、回転盤17が回転自在に構成されていて、回転盤17に接続された10を回転自在に支持している。回転盤17で帯状部材10の一方の端部を回転自在に支持している第一実施形態では、袋体ロール1の周面1b上で帯状部材10に軸周りの力が作用した場合、帯状部材10に捩れを元に戻そうとする力が生じ、回転盤17が帯状部材10と共に捩れと反対方向に回転して帯状部材10の捩れを元に戻り易くすることができる。
図1に示したように、袋体開口装置100は、袋体ロール1を袋体ロール1の回転軸c1を中心に回転自在に支持するスタンド部材3をさらに備えている。スタンド部材3は、平板状の支持板32、支持板32に対して立設する二つの脚部31a、31b、脚部31a、31b間に設けられる回転部39を有している。回転部39の中心軸は、中心軸1cに一致している。支持板32は、袋体ロール1に対して張力が加えられても袋体開口装置100が揺らがない程度の重さと面積を有することが好ましい。回転部39は、中心軸1cと一致する中心軸が支持板32の図示しない下面と平行な面内にあり、袋体ロール1を設置面と平行に保持している。このような構成により、帯状部材10は設置面と平行な軸を中心にして円滑に回転することができる。
なお、第一実施形態のスタンド部材3は、図1に示した構成に限定されるものでなく、例えば回転部39が袋体ロール1を図中のz軸方向に沿って保持するものであってもよい。
次に、以上説明した構成の袋体開口装置100の動作を説明する。
図3(a)、図3(b)及び図3(c)は、袋体開口装置100に保持されている袋体ロール1から袋体1aを取り出す際の袋体1aの挙動を説明するための図である。取り出される袋体1aの状態は、図3(a)に示した状態から図3(c)に示した状態に向かって変化する。図3(a)から図3(c)に示した袋体ロール1は、中心軸1c方向の長さの略中央に帯状部材10が巻き回されており、帯状部材10を境にした図中の左方を領域B、右方を領域Cとする。
袋体開口装置100の使用者は、先ず、図3(a)のように、例えば領域Cの側から袋体1aの端部eを手Hの二本の指(例えば親指と人差指)で挟んで摘まみ、端部eを手前に引っ張るように袋体シートに張力を加える。このような動作により、端部eを含む袋体1aの一部が領域Cの側へ移動する。
第一実施形態は、幅広部13が図2の構成に限定されるものではない。幅広部13は、帯状部材10を巻き取る機構があればよく、帯状部材10が捩れることを抑止する機構または帯状部材10が幅方向に移動することを抑止する機構があればさらに好ましい。以下に、幅広部の他の構成について例示する。
図4(a)から図4(d)は、幅広部のバリエーションを説明するための図である。図4(a)から図4(d)は、いずれも帯状部材10が捩れることを抑止する機構を備えている。ただし、図4(a)及び図4(b)に示した幅広部23、33は、回転または回動し易い形状を有しており、自身が回動または回転することにより、その回転力を帯状部材10に伝えないことによって帯状部材10の捩れを防いでいる。一方、図4(c)及び図4(d)に示した幅広部43、53は、自身が回動または回転しないことにより、その回転力を帯状部材10に伝えないことによって帯状部材10の捩れを防いでいる。
図4(a)に示した幅広部23は、第一部材23a、第二部材23b、第一部材23aと第二部材23bとを互いに少なくとも回動自在に接続する回転軸23cと、を含んで構成されている。回転軸23cは、回転軸23cを基準にして第一部材23a、第二部材23bの両方を回転可能に接続することができる。このような幅広部23は、例えば、ネックレスのヒンジと同様の構成によって実現することができる。また、幅広部23に挿通される帯状部材としては、例えば、ボールチェーンの周辺をゴム部材等によってコーティングしたものを使用してもよい。
このような幅広部23によれば、袋体1aを引き出す際に帯状部材10の長さ方向周りの力が幅広部23に作用しても、第一部材23a、第二部材23bがそれぞれ回転することによって帯状部材10に回転力が伝わることを防ぎ、帯状部材10が捩れることを防ぐことができる。
さらに、幅広部43、幅広部53は、いずれも平板な部分を有しているから袋体ロール1との接触面積が大きく、帯状部材10が図3(b)に示した矢線Mの方向に移動することを防ぐことができる。
次に、以上説明した第一実施形態の変形例1を説明する。変形例1の帯状部材は、袋体ロール1に巻き回される周回方向に粘着性が異なる部分を有している。
図5(a)、図5(b)は、変形例1を説明するための図であって、それぞれ変形例1の帯状部材101、102の一部を示している。変形例1は、表面の硬度、平滑性、粘着性、袋体ロール1との間に生じる摩擦力の少なくとも一つが異なる二部材により帯状部材を構成するものである。図5(a)に示す帯状部材101は、表面に粘着性の異なる二部材を有するものであり、相対的に粘着性の高い高粘着性部材172と粘着性の低い低粘着部材171とを有している。帯状部材101においては、低粘着部材171上に高粘着性部材172が螺旋状に巻きつくように形成されていて、帯状部材101の表面において低粘着部材171よりも高粘着性部材172が占める面積が小さくなっている。変形例1では、このように、粘着力の異なる領域が帯状部材の周回方向に離散的に存在している。
図5(b)に示す帯状部材102は、面積の等しい低粘着部材171と高粘着性部材172とが交互に配置されるように構成されている。
なお、図5(a)、図5(b)に示す構造において、高粘着性部材172と低粘着部材171との面積の比は任意である。図5(b)に示す構成において、高粘着性部材172の面積と低粘着部材171との面積は等しいことに限らず、高粘着性部材172の面積が低粘着部材171の面積よりも小さいものであってもよい。
なお、低粘着部材171と高粘着性部材172は、一方が帯状部材101、102の全面に設けられ、他方が一方の上面に形成されるものであってもよいし、それぞれ別個に形成されるものであってもよい。さらに、高粘着性部材172は、低粘着部材171上に塗布されて形成されるものであってもよい。
ただし、変形例1の高粘着性部材172は、このような材料により形成することに限定されず、袋体ロール1を開封することに充分な効果を有し、かつ低粘着部材171よりも粘着性が高い部材であればよい。
次に、本発明の第二実施形態の袋体開口装置について説明する。第二実施形態は、巻取部11の幅広部13の内部構成が相違する巻取部61を有している。
図6(a)及び図6(b)は、第二実施形態の巻取部61を説明するための図である。巻取部61は、帯状部材が巻き回される回転可能な第一回転体21と、第一回転体21の回転軸21aと同軸上に回転軸がある第二回転体22と、第一回転体が帯状部材を巻取る方向に第二回転体22を回転させる巻取部材を備えている。第二実施形態の巻取部61は、第三回転体24及び板バネ27を有していて、第三回転体24及び板バネ27が巻取部材として機能する。巻取部61は、巻取部11と同様の幅広部13を有していて、外観は巻取部11と同様である。図6(a)は、図1に示した巻取部11を巻取部61に置き換えた上で矢線fの方向から見た図である。図6(b)は、図1に示した巻取部11を巻取部61に置き換えた上で矢線sの方向から見た図である。
第三回転体24は、回転軸21aと平行な回転軸21bを回転軸にして回転し、かつ、第二回転体22と一直線上に配置されている。第三回転体24と第二回転体22との間には板バネ27が掛け回されている。
次に、本発明の第三実施形態を説明する。第三実施形態は、巻取部にシールやラベルを貼り付けて、このシール等に情報を付している。図7は、第三実施形態の巻取部110を示す斜視図である。巻取部110は、巻取部11と同様にそれぞれが矩形形状を有する六面体であって、帯状部材10の厚さ方向の寸法は、帯状部材10の幅方向の寸法よりも小さくなっている。また、巻取部110の上面には凹溝111が形成されている。
巻取部110に貼り付けられるシールSは、袋体開口装置が使用される店舗や施設に関する情報を示す。店舗や施設等に関する情報とは、例えば、店舗や施設等で提供される物品や商品及びサービスに係る情報等であって、多くの場合比較的短い期間で貼り変えられる。このため、第三実施形態では、巻取部110に凹溝111を形成し、シールSを剥がす作業を簡易化すると共に、シールSを剥がした後にシールの一部が巻取部110に残ることを防いでいる。
なお、凹溝111の本数、長さおよび延在方向は特に限定されない。複数本の凹溝111が互いに平行に、または互いに交差して配置されていてもよい。複数本の凹溝111が巻取部110の全体に分散して形成されていてもよい。これにより、シールSの貼り付け位置によらずシールSを巻取部110から容易に剥がすことができる。また凹溝111は、図7のように巻取部110の袋体ロール1の回転方向の長さ(以下、「巻取部長さ」と記す)の一部(図示では半ば)まで形成されることに限定されるものではない。凹溝111は、例えば巻取部長さと等しい長さを持つものであってもよい。また、第三実施形態は、シールSを剥がし易くする構成として、凹溝111を有するものに限定されるものではない。例えば、凹溝111に代えて巻取部110の上面から突起する複数の突条または突起を形成し、この上からシールSを貼り付けるものであってもよい。このようにすれば、突条や突起の上面からはみ出す部分でシールSが浮き上がり、交換時にシールSを剥がし易くすることができる。
次に、本発明の第四実施形態を説明する。第四実施形態の袋体開口装置は、袋体1aを引き出すことにより帯状部材10が捩れて袋体ロール1上で移動することを防ぐことを目的としている。
図8(a)、図8(b)及び図8(c)は、第四実施形態の帯状部材を説明するための図であって、いずれも帯状部材の断面の斜視図である。なお、断面は、いずれも帯状部材を各帯状部材の長さ方向と直交する面で切った縦断である。図9(a)、図9(b)及び図9(c)は、それぞれ図8(a)、図8(b)及び図8(c)に示した帯状部材を巻き取る巻取部を示している。図8(a)は、帯状部材122を示し、図9(a)は、帯状部材122を巻き取る巻取部120を示している。図8(b)は、帯状部材132を示し、図9(b)は、帯状部材132を巻き取る巻取部130を示している。図8(c)は、帯状部材142を示し、図9(c)は、帯状部材142を巻き取る巻取部140を示している。
次に、本発明の第五実施形態について説明する。第五実施形態は、帯状部材をゴム部材と、ゴム部材よりも伸縮性の低い紐部材とによって構成するものである。
図10(a)、図10(b)は、いずれも第五実施形態の帯状部材を説明するための図である。図10(a)に示した帯状部材250は、紐部材151及びゴム部材152を有している。紐部材151は、袋体ロールと接触している部分の接触長さが伸縮可能であり、ゴム部材152は、粘着性を有し、かつ紐部材に巻き回される巻回部材として機能する。
帯状部材250の紐部材151は、巻取部150によって巻き取られ、その径が変化する。巻取部150は、任意の構造を有するものでよく、例えば、第一実施形態から第三実施形態で説明した巻取部のいずれかを適用した構成であってもよい。
なお、ゴム部材152は、紐部材151の径の大きさの変化を妨げないように設けられるものであればよく、紐部材151に対して自在に移動するものであってもよいし、紐部材151に保持されるものであってもよい。紐部材151の巻取部150から露出する長が全てのゴム部材152の長さの合計よりも短くなった場合、複数のゴム部材152は互いに押圧力を与えながら接触するようになる。
なお、ゴム部材153の厚さ及び硬度は、紐部材151の径の大きさの変化を妨げない範囲で任意に選択可能である。さらに、本実施形態では、紐部材151が挿通される部材はゴム部材に限定されるものでなく、袋体ロール1と接触して袋体1aを取り出すことに適正な粘着性を有する部材であればよい。このような材料としては、例えば、エラストマー材料やプラスチック系の樹脂等が考えられる。
次に、以上説明した第五実施形態の変形例2を説明する。図11は、変形例2の帯状部材250を説明するための図である。第五実施形態は、図10(a)に示す巻取部150にフック156とフック受け部155とを設け、フック156をフック受け部155に取り付けることによって紐状の帯状部材250を図10(a)の構成と同様に環状にするものである。なお、図10(a)に示す帯状部材250においては、紐部材151と略等しい長さの一つのゴム部材152を紐部材151に巻き回している。ここで、ゴム部材152が紐部材151と略同一の長さとは、ゴム部材152の両端部が紐部材151に固定されていて、ゴム部材152が紐部材151と略等しい長さに伸縮することをいう。
また、変形例2では、フック156が巻取部150の側にあって、フック受け部155が帯状部材250の側にあってもよい。さらに、フック156及びフック受け部155は、図11のようにループで係合するものに限定されず、バネ等によって係合するものであってもよい。
また、図12(b)は、袋体ロール1の径に応じて伸縮自在なバネ等の弾性部材の表面にエラストマー材料をコーティングした帯状部材256を示している。バネ等にコーティングされるエラストマー材料としては、例えば、ゴム部材152の材料等が好ましい。このようにすれば、変形例2は、帯状部材250と同様に袋体1aの開口機能を有する帯状部材を一部材で構成することが可能になり、帯状部材と巻取部150との組立工程を簡易化することができる。
次に、本発明の第六実施形態を説明する。第六実施形態は、袋体ロール1と接触している部分の接触長さが弾性的に伸縮可能な帯状部材に関する。
図15は、第六実施形態の帯状部材162を説明するための図である。帯状部材162は、帯状部材162の巻取りに好適な平滑部162bと、袋体ロール1の径に合わせた伸縮性の高い伸縮部162aとを接着剤などを用いて貼り合わせて一体に形成されている。伸縮部162aとしては、例えば、シリコンゴムが用いられる。このような帯状部材162によれば、伸縮部162aが袋体ロール1の径に合わせて伸縮し、平滑部162bの袋体ロール1との接触面が袋体ロール1の表面と適度な摩擦力を持って接触する。平滑部162bは、巻取りに好適な「コシ」や硬度、さらには表面円滑性を持って伸縮部162aを支持している。
次に、本発明の第七実施形態を説明する。図16は、第七実施形態の袋体開口装置200を示す図である。袋体開口装置200は、帯状部材10と形状の異なる帯状部材20を有している。
図16に示すように、帯状部材20は、袋体ロール1の周方向に巻き回される二つの巻回部20a、20b及び巻回部20aと巻回部20bとを接続する接続部20cとによって構成されている。帯状部材20の材料には帯状部材10と同様の材料が用いられ、例えばシリコンゴム等が用いられる。帯状部材20の断面形状は、帯状部材10と同様に、円形、厚み方向が幅方向よりも薄い扁平形状、さらに他の一例として図8(a)、図8(b)及び図8(c)に示す断面形状を有するものであってもよい。
第七実施形態の帯状部材20においては、袋体1a(図3参照)が巻回部20aと巻回部20bとの間から矢線gの方向に引き出され、袋体ロール1から取り出される。このとき、袋体1aの上側袋材の両端が巻回部20aと巻回部20bとによって押圧され、下側袋材が上側袋材に先行して引き出される。このため、袋体1aは引き出されながら上側袋材と下側袋材とが剥離することによって開口する。
次に、本発明の第七実施形態を説明する。図17(a)は第八実施形態の帯状部材259及び接触長変更部60a、60bを説明するための模式図である。第八実施形態は、接触長変更部60aを帯状部材の任意の位置に設け、接触長変更部60bを先の任意の位置と異なる他の位置に設けている。接触長変更部60a、60bは、同様の構成を有していて、互いに表裏反転した状態で帯状部材259に取り付けられている。図17(b)は、図17(a)中に示す一点鎖線で60bを切った断面を矢線b、bの方向に見た断面図である。
接触長変更部60a、60b、例えば第二変形例で説明した帯状部材259の任意の位置に固定される固定部62と、帯状部材を長さ方向に移動可能に保持する移動保持部63と、を有し、帯状部材259が移動することにより袋体ロール1との接触長さを変更することができる。なお、図17に示す帯状部材259は、エラストマー紐259aに凹形状のスパイク259cが形成されている。図17(a)において、帯状部材259の二つの端部をそれぞれ端部259e、259fとする。
以上の動作により、第八実施形態は、袋体ロール1の径が小さくなるに連れて帯状部材259の環を小さくし、袋体ロール1の径によらず袋体ロール1の表面に帯状部材259を圧接させて袋体1aの開口機能を維持することができる。
次に、本発明の第九実施形態を説明する。図18は、第九実施形態の袋体開口装置を説明するための図である。第九実施形態の袋体開口装置は、帯状部材70の内周面70aに設けられ、少なくとも袋体ロール1に当接する側に凸面71aを有する弾性体71を備えている。図18に示す帯状部材70は、袋体ロール1に巻き回される環状の部材であって、嵌合部72により嵌め合わされる二部材により構成されている。帯状部材70を構成する二部材は、それぞれ内周面70aを袋体ロール1に沿わせて互いに嵌合する。帯状部材70の内径は、適用される袋体ロール1の最大径に合わせて定められる。
バネ部材73は、図18に示す複数の弾性体71の内部に各々内包されている。バネ部材73は、弾性体71の内部において伸縮方向が帯状部材70の径方向に沿うように固定されていて、帯状部材70が袋体ロール1に巻き回された場合に袋体ロール1の径に応じて伸縮するように構成されている。弾性体71は、エラストマーを材料にして構成されていて、バネ部材73の伸縮に合わせて帯状部材70の径方向に撓むように変動する。なお、帯状部材70は、エラストマー製の弾性体71との接合強度の条件を満たすものであればどのようなものであっても良いが、例えば、樹脂性とすることができる。また、帯状部材70と弾性体71は、一体的に形成されるものであってもよい。
さらに、第九実施形態では、袋体1aが消費されるに連れて袋体ロール1が細くなったとき、袋体ロール1の径に応じてバネ部材73が伸張して弾性体71が袋体ロール1の外表面に圧接する状態を維持することができる。このため、第九実施形態の袋体開口装置100は、袋体ロール1の使用状態に依らず、袋体1aを開口し易くする効果を得ることができる。
図19(a)、図19(b)及び図19(c)は、巻取部を用いない袋体開口装置を例示する図である。図19(a)は、袋体ロール1に帯状部材を取り付ける方法を説明するための図である。図19(b)、図19(c)は、図19(a)により示した方法で袋体ロール1に固定される帯状部材を例示する図である。なお、図19(c)は、帯状部材の一部を拡大して示している。
巻取部を使用しない場合、袋体開口装置は、例えば、図19(a)に示すように、袋体ロール1に帯状部材Oを巻き回して交差させ、交差部分Fにおいて帯状部材Oを互いに係合させる実現することができる。交差部分Fは、帯状部材Oが袋体ロール1に当接し、中心軸1cを中心にした回転を妨げない位置であればよく、特に限定されるものではない。また、図19(a)の帯状部材Oは、図19(b)に示すように、例えば、変形例2で説明したバネ等の表面にエラストマー材料をコーティングした帯状部材256であってもよい。また、帯状部材Oは、図19(c)に示すように、複数のスリット260aが形成されたエラストマー材料の平紐形状の帯状部材260であってもよい。
(1)一方向に接続された複数の袋体で構成される袋体シートがロール状に巻き回された袋体ロールに対し、前記袋体ロールの周面に圧接し、かつ前記袋体ロールの軸周りに巻き回される帯状部材を備え、前記帯状部材は、粘着性を有し、かつ、前記袋体ロールと接触している部分の接触長さが伸縮可能である、袋体開口装置。
(2)前記接触長さに応じて前記帯状部材の一部を巻き取る巻取部をさらに備える、(1)の袋体開口装置。
(3)前記巻取部は、前記帯状部材の幅よりも幅広の幅広部の内部に収容される、(2)の袋体開口装置。
(4)前記幅広部は、前記帯状部材の一部が前記帯状部材の長さ方向周りに回転することを防ぐ、(3)の袋体開口装置。
(5)前記幅広部は、前記帯状部材を少なくとも回動可能に支持する、(4)の袋体開口装置。
(6)前記幅広部は、前記幅広部の本体部分から前記帯状部材の幅方向に突出する突出部を有する、(4)の袋体開口装置。
(7)前記巻取部は、前記帯状部材が巻き回される回転可能な第一回転体と、前記第一回転体の回転軸と同軸上に回転軸がある第二回転体と、前記第一回転体が前記帯状部材を巻取る方向に前記第二回転体を回転させる巻取部材と、を備える、(2)から(6)のいずれか一つの袋体開口装置。
(8)前記帯状部材は、長手方向に直交した切断面が厚み方向の寸法よりも幅方向に寸法が大きい扁平形状をなし、前記帯状部材の前記長手方向と前記幅方向により形成される面が、前記袋体ロールの周面に圧接する接触面となる、(1)から(7)のいずれか一つの袋体開口装置。
(9)前記接触面は、前記袋体ロールから少なくとも一の前記袋体を破断することに必要な破断力よりも強い摩擦力を前記袋体ロールの表面との間に生じる、(8)の袋体開口装置。
(10)前記袋体ロールを前記袋体ロールの中心軸を中心に回転自在に支持するスタンド部材をさらに備える、(1)から(9)のいずれか一つの袋体開口装置。
(11)前記帯状部材は、前記包袋ロールに巻き回される周回方向に粘着性が異なる部分を有する、(1)から(10)のいずれか一つの袋体開口装置。
(12)前記帯状部材は、前記袋体ロールと接触している部分の接触長さが伸縮可能である紐部材と、粘着性を有しかつ前記紐部材に巻き回された巻回部材と、を含む、(1)から(11)のいずれか一つの袋体開口装置。
(13)前記巻回部材は、前記紐部材が挿通されるチューブ形状である、(12)の袋体開口装置。
(14)前記帯状部材の任意の位置に固定される固定部と、前記帯状部材を長さ方向に移動可能に保持する移動保持部と、を有し、前記帯状部材が移動することにより前記袋体ロールとの前記接触長さを変更する接触長変更部をさらに有する、(1)、(8)、(10)の袋体開口装置。
(15)前記帯状部材の任意の位置と、前記任意の位置と異なる他の位置とにそれぞれ設けられる少なくとも二つの前記接触長変更部と、二つの前記接触長変更部の間にあって前記接触長変更部の間で伸縮自在な弾性部材と、を備える(14)の袋体開口装置。
(16)前記帯状部材の内周面に設けられ、少なくとも前記袋体ロールに当接する側に凸面を有する弾性体を備える(1)の袋体開口装置。
(17)前記弾性体は、内部に弾性部材を収容する略球体である、(16)の袋体開口装置。
1a・・・袋体
1b・・・周面
1c・・・中心軸
3・・・スタンド部材
10、20、101、102、122、132、142、162、250、251、255、256、257、258、259、260、O・・帯状部材
11、61、110、120、130、140、150、160・・・巻取部
13、23、33、43、53・・・幅広部
13a、13b、121、131、141、161、632・・・挿通孔
15、18・・・固定部
17・・・回転盤
19、27・・・板バネ
20a、20b・・・巻回部
20c、191・・・接続部
21・・・第一回転体
21a、21b、23c・・・回転軸
22・・・第二回転体
23a・・・第一部材
23b・・・第二部材
33c、33d・・・端部
24・・・第三回転体
31a、31b・・・脚部
32・・・支持板
39・・・回転部39
43a、43b・・・張出角部
53a、53b、53c、53c・・・突出部
53e・・・本体部分
60a、60b・・・接触長変更部
62・・・固定部
63・・・移動保持部
64、73・・・バネ部材
70・・・帯状部材
70a・・・内周面
71・・・弾性体
71a・・・凸面
71b・・・スパイク
72・・・嵌合部
100、200・・・袋体開口装置
111・・・凹溝
122a・・・湾曲部
122b・・・平板部
132a、142b・・・張出部
132b、142a・・・延出部
151・・・紐部材
152、153・・・ゴム部材
155・・・フック受け部
156・・・フック
162a・・・伸縮部
162b・・・平滑部
171・・・低粘着部材
172・・・高粘着性部材
231・・・面
257a・・・エラストマー体
257b・・・紐部材
258a・・・エラストマー大径部
258b・・・エラストマー小径部
259a・・・エラストマー紐
259b、259c・・・スパイク
259e、259f・・・端部
260a・・・スリット
611・・・板状部材
631・・・隙間
Claims (17)
- 一方向に接続された複数の袋体で構成される袋体シートがロール状に巻き回された袋体ロールに対し、前記袋体ロールの周面に圧接し、かつ前記袋体ロールの軸周りに巻き回される帯状部材を備え、
前記帯状部材は、粘着性を有し、かつ、前記袋体ロールと接触している部分の接触長さが伸縮可能である、袋体開口装置。 - 前記接触長さに応じて前記帯状部材の一部を巻き取る巻取部をさらに備える、請求項1に記載の袋体開口装置。
- 前記巻取部は、前記帯状部材の幅よりも幅広の幅広部の内部に収容される、請求項2に記載の袋体開口装置。
- 前記幅広部は、前記帯状部材の一部が前記帯状部材の長さ方向周りに回転することを防ぐ、請求項3に記載の袋体開口装置。
- 前記幅広部は、前記帯状部材を少なくとも回動可能に支持する、請求項4に記載の袋体開口装置。
- 前記幅広部は、前記幅広部の本体部分から前記帯状部材の幅方向に突出する突出部を有する、請求項4に記載の袋体開口装置。
- 前記巻取部は、前記帯状部材が巻き回される回転可能な第一回転体と、前記第一回転体の回転軸と同軸上に回転軸がある第二回転体と、前記第一回転体が前記帯状部材を巻取る方向に前記第二回転体を回転させる巻取部材と、を備える、請求項2から6のいずれか一項に記載の袋体開口装置。
- 前記帯状部材は、長手方向に直交した切断面が厚み方向の寸法よりも幅方向に寸法が大きい扁平形状をなし、前記帯状部材の前記長手方向と前記幅方向により形成される面が、前記袋体ロールの周面に圧接する接触面となる、請求項1から7のいずれか一項に記載の袋体開口装置。
- 前記接触面は、前記袋体ロールから少なくとも一の前記袋体を破断することに必要な破断力よりも強い摩擦力を前記袋体ロールの表面との間に生じる、請求項8に記載の袋体開口装置。
- 前記袋体ロールを前記袋体ロールの中心軸を中心に回転自在に支持するスタンド部材をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の袋体開口装置。
- 前記帯状部材は、前記包袋ロールに巻き回される周回方向に粘着性が異なる部分を有する、請求項1から請求項10に記載の袋体開口装置。
- 前記帯状部材は、前記袋体ロールと接触している部分の接触長さが伸縮可能である紐部材と、粘着性を有しかつ前記紐部材に巻き回された巻回部材と、を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の袋体開口装置。
- 前記巻回部材は、前記紐部材が挿通されるチューブ形状を有している、請求項12に記載の袋体開口装置。
- 前記帯状部材の任意の位置に固定される固定部と、前記帯状部材を長さ方向に移動可能に保持する移動保持部と、を有し、前記帯状部材が移動することにより前記袋体ロールとの前記接触長さを変更する接触長変更部をさらに有する、請求項1、8、10に記載の袋体開口装置。
- 前記帯状部材の任意の位置と、前記任意の位置と異なる他の位置とにそれぞれ設けられる少なくとも二つの前記接触長変更部と、二つの前記接触長変更部の間にあって前記接触長変更部の間で伸縮自在な弾性部材と、を備える請求項13に記載の袋体開口装置。
- 前記帯状部材の内周面に設けられ、少なくとも前記袋体ロールに当接する側に凸面を有する弾性体を備える請求項1に記載の袋体開口装置。
- 前記弾性体は、内部に弾性部材を収容する部分球体である、請求項15に記載の袋体開口装置。
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