JP2019162579A - 容器の一体化キット、並びに、それに用いる容器及び容器保持具 - Google Patents
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Abstract
Description
このため、PCRの作業効率を向上させる目的で、様々な提案がされている(例えば、特許文献1及び2参照)。
従って、ウェルを1個単位で任意に組み合わせし、利用するPCR反応用サーマルサイクラーに合わせた形を持っているシールと一体化した平板に装着することで、ウェルを1個単位で組み合わせることが可能な上、任意の市販のPCR反応用サーマルサイクラーで検査することが可能で、且つシーリング作業なしで均一にシーリングすることが可能である一体化キットが求められている。このキットは気軽に、簡単に一体化させることが重要であり、そのためウェルの装着が手作業でも簡単に行える一体化キットが求められている。
本発明の容器の一体化キットは、一端が閉塞されている容器の複数と、貫通孔を有し、前記容器を保持可能な保持部を複数有する容器保持具とを有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明の容器の一体化キットの容器は、容器保持具における保持部で保持された際、容器保持具における貫通孔の外縁よりも外側に突出するように設けられた、第1の突出部と、第1の突出部と離接して設けられ、第1の突出部と共に容器保持具を挟持可能な第2の突出部とを有する。
また、本発明の容器の一体化キットは、従来技術のような、ウェルの外側周面における2つのリブがいずれも保持具の貫通孔の内径よりも小さいものでは、装着には細かい力の制御が必要となり、手作業での装着時はウェルが所定の位置に装着することが困難な場合があるという知見に基づくものである。
さらに、具体的には、リアルタイムPCR(Polymerase Chain Reaction)において、検量線を作成するために試薬の濃度やサンプル数を段階的に変化させたウェルを含むマイクロプレートを作成する場合を考える。この場合、核酸コピー数が1〜100のような極低濃度の試薬を稀釈により高精度に調製することは困難である。このため、本発明の容器の一体化キットは、濃度の組合せを指定したマイクロプレートを作成するよりも、それぞれ既知の濃度の試薬が予めインクジェットによる分注等の方法で入れてあるウェルを組み合わせてマイクロプレートを作成したほうが作業効率を向上できるという知見に基づくものである。
また、本発明の容器の一体化キットは、それぞれ既知の濃度の試薬が予め入れてあるウェルを組み合わせてマイクロプレートを作成することができるため、作業効率を向上させることができる。
以下の各実施形態では、本発明の容器の一体化キットをバイオの分野で用いる場合を考える。なお、本発明の容器の一体化キットは、バイオの分野に限らず、容器に対して適用することができる。
図1A及び図1Bは、本発明の容器の一体化キットの一例を示す概略図である。
図1Aに示すように、第1の実施形態に係る容器の一体化キット1は、容器としてのウェル10の複数と、容器保持具としてのプレート20とを有し、図1A中矢印が示す方向から、ウェル10の複数がプレート20の貫通孔20aに差し込まれる。
なお、本実施形態では、便宜上、図1A中矢印が示す方向を上、図1A中矢印が示す方向とは逆の方向(鉛直方向)を下とする。また、鉛直方向を法線とする面を水平面とする。
ウェル10における閉塞された一端の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、略ドーム形状などが挙げられる。略ドーム形状としては、例えば、ウェル10の底部がいわゆる丸底、U底、V底等である形状などが挙げられる。また、ウェル10がいわゆる平底で自立したとしても、ウェル10自体が小さく軽いため作業がしにくい場合がある。
ウェル10の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
プレート20は、貫通孔20aの下から差し込まれたウェル10を貫通孔20aの周縁部20bで保持する。換言すると、プレート20は、ウェル10の複数を保持して自立可能化するためのプレート20であって、貫通孔20aを有し、ウェル10を保持可能な保持部としての周縁部20bを複数有する。
プレート20の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体、セラミック、金属、ガラス、石英ガラス、プラスチックなどが挙げられる。これらの中でも、作製が容易な点からプラスチックが好ましい。
これにより、本発明の容器の一体化キット1は、ウェル10を、プレート20の貫通孔20aに複数差し込んで、貫通孔20aの周縁部20bでウェル10を保持することにより、複数のウェル10を一体化することができる。これにより、本発明の容器の一体化キット1は、複数のウェル10の取扱いを容易にすることができるため、作業の効率を向上できる。
図2Aに示すように、ウェル10は、上部の外面において、第1の突出部11と、第2の突出部12とを有する。
なお、プレート20の貫通孔20aにウェル10を差し込む際に位置合わせしやすくするために、図3に示すように、貫通孔20aのプレート20下面の径をプレート20上面の径よりも大きくした傾斜付き周縁部20cとしてもよい。
これにより、第1の突出部11及び第2の突出部12は、プレート20からウェル10を脱落させないようにすることが可能となる。
また、第1の実施形態に係る容器の一体化キット1は、第1の突出部が容器保持具における貫通孔の外縁よりも外側に突出するように設けられているため、容器を貫通孔に差し込むと第1の突出部が貫通孔に突き当たることにより、所定の位置で容器を保持することができる。
第2の実施形態の容器の一体化キット1は、図4A及び図4Bに示すように、第1の実施形態におけるウェル10の第2の突出部12の形状を環状にした環状突出部13に変更した。これにより、プレート20の周縁部20bに対し、第1の実施形態では第1の突出部11の当接点及び第2の突出部12の当接点で挟持するが、第2の実施形態では第1の突出部11の当接点及び環状突出部13の当接「面」で挟持する。換言すると、第1の実施形態では点と点でプレート20の周縁部20bを挟持するが、第2の実施形態では点と「面」でプレート20の周縁部20bを挟持することから、ウェル10をより安定して保持することができる。また、ウェル10を複数差し込んだプレート20を作業台などに載置したときに、プレート20を環状突出部13の当接面で支えることができるため、ぐらつきにくく、より安定した状態にすることができる。
第3の実施形態の容器の一体化キットは、従来技術では、例えば、リアルタイムPCRでは検査で加熱する際に蒸発による試薬ロスを防ぐため、ウェルの開口部をシールで密封する作業が手間であるという知見に基づくものである。
第3の実施形態の容器の一体化キットは、図5A及び図5Bに示すように、第1の実施形態に加えて、プレート20の上にシール手段としてのシール30を積層し、更にシール30の上にカバープレート40を積層してシール30を固定する。すなわち、第3の実施形態のプレート20は、ウェル10を保持する際、ウェル10における一端開口部を閉塞可能なシール手段を有する。
なお、本実施形態では、シールをカバープレートで固定したが、これに限ることなく、例えば、接着剤による固定、杭又はねじなどによる複数点での固定などが挙げられる。
シール30の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
シール30の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、PCRの蛍光測定を妨げない点から無色透明が好ましい。
シール30の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィンなどが挙げられる。
なお、シール30は、ウェル10における一端開口部と接する面に粘着性を有するようにしてもよい。
カバープレート40の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、半導体、セラミック、金属、ガラス、石英ガラス、プラスチックなどが挙げられる。これらの中でも、作製が容易な点からプラスチックが好ましい。
なお、ウェル10の開口部にかかるシール30の張力を調整するために、プレート20がウェル10を保持した際のプレート20からウェル10の高さ、シール30の材質、貫通孔40aの位置、形状、大きさなどを変更してもよい。
これにより、第3の実施形態の容器の一体化キットは、ウェル単位で任意に組合せが可能な上、ウェル毎に密封作業をすることなく、市販のPCR反応用サーマルサイクラーで検査可能なプレートを容易に作成することができる。
第4の実施形態の容器の一体化キットは、第3の実施形態のウェル10をプレート20が保持する構造を、ウェル10の上部の外面において、貫通孔20aの周縁部20bに係合可能な係合構造に変更した。すなわち、ウェル10は、プレート20における周縁部20bに対し、回動により着脱可能にする係合部14を有する。
図6A及び図6B並びに図7A及び図7Bに示すように、第4の実施形態のウェル10は、第2の実施形態で示した環状突出部13を有し、環状突出部13の上に2つの係合部14を更に有することで、ウェル10側の係合構造が構成されている。2つの係合部14は、ウェル10の軸に対し対向する位置に配されている。
また、プレート20の周縁部20bには、ウェル10の係合部14と係合可能な段差20dが設けられている。
図6Aに示すように、ウェル10を差し込んで図6A中矢印Rで示す方向に回すことにより、図6Bに示すように、段差20dに係合部14が係合され、シール30の張架による下方向の力に対してもウェル10がより強固に、かつ開口部10aが水平を保ちながら保持される。これにより、第4の実施形態では、第3の実施形態よりも開口部10aをシール30の張架により密封しやすくなる。
第5の実施形態の容器の一体化キットは、ウェル10がプレート20における貫通孔の外縁に密接可能な密接手段を有する。すなわち、図8A及び図8Bに示すように、第5の実施形態のウェル10は、第2の実施形態で示した環状突出部13を有し、密接手段としての小片シール31で開口部10aを覆ったままで貫通孔20aに差し込まれ、開口部10aを密封するとともに保持される。すなわち、密接手段としての小片シール31は、開口部10aを密封するとともに、ウェル10自体を保持するために用いられる。また、本実施例では、貫通孔20aの内径と開口部10aの外径との差は、小片シール31の厚さの2倍よりも小さい。このため、第5の実施形態では、ウェル10を貫通孔20aに差し込んで装着すると、開口部10aの周面に貼られた小片シール31が一部変形し、貫通孔20aの内壁と小片シール31との間に強い摩擦力が生じることから、ウェル10を密閉するとともに保持することができる。
第6の実施形態の容器の一体化キットは、ウェル10がその内部に収容される収容物に関する情報を表示可能な情報表示手段を更に有する。
また、情報表示手段がバーコードであれば、図9Bに示すように、ウェル10に貼付したバーコードを読み込むことで、例えば、ウェル10に予め収容された試薬の種類や核酸に関する情報を判別することができる。なお、核酸に関する情報としては、例えば、目的の塩基配列のコピー数の情報や、その他、例えば、分析結果(発光強度等)、核酸の種類、測定日時、測定者の氏名などの情報が挙げられる。
また、本発明の容器の一体化キットは、容器の第1の突出部が容器保持具における貫通孔の外縁よりも外側に突出するように設けられているため、容器を貫通孔に差し込むと第1の突出部が貫通孔に突き当たることにより、所定の位置で容器を保持することができる。
さらに、本発明の容器の一体化キットは、それぞれ既知の濃度の試薬が予め入れてあるウェルを組み合わせてマイクロプレートを作成することができるため、作業効率を向上させることができる。
<1> 一端が閉塞されている容器の複数と、
貫通孔を有し、前記容器を保持可能な保持部を複数有する容器保持具と、
を有する容器の一体化キットであって、
前記容器が、前記容器保持具における前記保持部で保持された際、
前記容器保持具における前記貫通孔の外縁よりも外側に突出するように設けられた、
第1の突出部と、
前記第1の突出部と離接して設けられ、前記第1の突出部と共に前記容器保持具を 挟持可能な第2の突出部と、
を有することを特徴とする容器の一体化キットである。
<2> 前記第2の突出部が、前記第1の突出部よりも前記容器における一端開口部に近い位置に設けられた前記<1>に記載の容器の一体化キットである。
<3> 一端が閉塞されている容器の複数と、
貫通孔を有し、前記容器を保持可能な保持部を複数有する容器保持具と、
を有する容器の一体化キットであって、
前記容器が、前記容器保持具における前記保持部に対し、回動により着脱可能にする係合部を有することを特徴とする容器の一体化キットである。
<4> 一端が閉塞されている容器の複数と、
貫通孔を有し、前記容器を保持可能な保持部を複数有する容器保持具と、
を有する容器の一体化キットであって、
前記容器が、前記容器保持具における前記保持部に対し、嵌合により着脱可能にする嵌合部を有することを特徴とする容器の一体化キットである。
<5> 前記容器における閉塞された一端の形状が、略ドーム形状である前記<1>から<4>のいずれかに記載の容器の一体化キットである。
<6> 前記容器が、マイクロプレートに用いられるウェル容器である前記<1>から<5>のいずれかに記載の容器の一体化キットである。
<7> 前記容器保持具が、平板状プレートである前記<1>から<6>のいずれかに記載の容器の一体化キットである。
<8> 前記容器保持具における複数の前記保持部が列状に配された前記<1>から<7>のいずれかに記載の容器の一体化キットである。
<9> 前記容器保持具が、
前記容器を保持する際、前記容器における一端開口部を閉塞可能なシール手段を更に有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の容器の一体化キットである。
<10> 前記容器が、その内部に収容される収容物に関する情報を表示可能な情報表示手段を更に有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の容器の一体化キット。
<11> 前記容器保持具が、前記保持部に保持される前記容器に収容される収容物に関する情報を表示可能な情報表示手段を更に有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の容器の一体化キットである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の容器の一体化キットに用いられることを特徴とする容器である。
<13> 前記容器の周側面よりも外側に突出するように設けられた、
第1の突出部と、
前記第1の突出部と離接して設けられた第2の突出部と、
を有する前記<12>に記載の容器である。
<14> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の容器の一体化キットに用いられることを特徴とする容器保持具である。
10 ウェル(容器)
10a 開口部
11 第1の突出部
12 第2の突出部
13 環状突出部
14 係合部
20 プレート(容器保持具)
20a 貫通孔
20b 周縁部(保持部)
20c 傾斜付き周縁部
20d 段差(係合構造)
30 シール(シール手段)
31 小片シール
40 カバープレート
40a 貫通孔
B バーコード(情報表示手段)
Claims (14)
- 一端が閉塞されている容器の複数と、
貫通孔を有し、前記容器を保持可能な保持部を複数有する容器保持具と、
を有する容器の一体化キットであって、
前記容器が、前記容器保持具における前記保持部で保持された際、
前記容器保持具における前記貫通孔の外縁よりも外側に突出するように設けられた、
第1の突出部と、
前記第1の突出部と離接して設けられ、前記第1の突出部と共に前記容器保持具を 挟持可能な第2の突出部と、
を有することを特徴とする容器の一体化キット。 - 前記第2の突出部が、前記第1の突出部よりも前記容器における一端開口部に近い位置に設けられた請求項1に記載の容器の一体化キット。
- 一端が閉塞されている容器の複数と、
貫通孔を有し、前記容器を保持可能な保持部を複数有する容器保持具と、
を有する容器の一体化キットであって、
前記容器が、前記容器保持具における前記保持部に対し、回動により着脱可能にする係合部を有することを特徴とする容器の一体化キット。 - 一端が閉塞されている容器の複数と、
貫通孔を有し、前記容器を保持可能な保持部を複数有する容器保持具と、
を有する容器の一体化キットであって、
前記容器が、前記容器保持具における前記保持部に対し、嵌合により着脱可能にする嵌合部を有することを特徴とする容器の一体化キット。 - 前記容器における閉塞された一端の形状が、略ドーム形状である請求項1から4のいずれかに記載の容器の一体化キット。
- 前記容器が、マイクロプレートに用いられるウェル容器である請求項1から5のいずれかに記載の容器の一体化キット。
- 前記容器保持具が、平板状プレートである請求項1から6のいずれかに記載の容器の一体化キット。
- 前記容器保持具における複数の前記保持部が列状に配された請求項1から7のいずれかに記載の容器の一体化キット。
- 前記容器保持具が、
前記容器を保持する際、前記容器における一端開口部を閉塞可能なシール手段を更に有する請求項1から8のいずれかに記載の容器の一体化キット。 - 前記容器が、その内部に収容される収容物に関する情報を表示可能な情報表示手段を更に有する請求項1から9のいずれかに記載の容器の一体化キット。
- 前記容器保持具が、前記保持部に保持される前記容器に収容される収容物に関する情報を表示可能な情報表示手段を更に有する請求項1から10のいずれかに記載の容器の一体化キット。
- 請求項1から11のいずれかに記載の容器の一体化キットに用いられることを特徴とする容器。
- 前記容器の周側面よりも外側に突出するように設けられた、
第1の突出部と、
前記第1の突出部と離接して設けられた第2の突出部と、
を有する請求項12に記載の容器。 - 請求項1から11のいずれかに記載の容器の一体化キットに用いられることを特徴とする容器保持具。
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