JP2019160842A - 半導体レーザ及び光通信装置 - Google Patents

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早川 明憲
Akinori Hayakawa
明憲 早川
松田 学
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Abstract

【課題】反射戻り光の入射を抑制することができ、温度変化した場合においても、安定したレーザ発振を得ることのできる半導体レーザを提供する。【解決手段】半導体基板の一方の面の側に活性層が形成されている半導体レーザであって、第1の回折格子層が形成されている一方の端面の側の第1の領域と、第2の回折格子層が形成されている他方の端面の側の第2の領域と、前記一方の端面に形成された反射膜と、前記他方の端面に形成された反射防止膜と、を有し、前記第1の回折格子層及び前記第2の回折格子層により各々回折格子が形成されるものであって、前記第1の回折格子層の周期は、所定の周期で形成されており、前記第2の回折格子層の周期は、所定の範囲内において変化しており、前記第1の回折格子層の周期は、前記第2の回折格子層の周期の前記所定の範囲内に含まれていることを特徴とする半導体レーザにより上記課題を解決する。【選択図】図6

Description

本発明は、半導体レーザ及び光通信装置に関するものである。
高性能サーバやスーパーコンピュータ等では要求される演算能力の増大に対し、CPU(Central Processing Unit)のマルチコア化等により高性能化が図られている。一方、チップ間、ボード間の通信においては、高速化する演算能力に対して電気信号での通信は物理的な距離の問題から限界を迎えつつある。低損失かつ小型なシリコン細線導波路をベースとした大規模なシリコン基板上光機能素子、所謂シリコンフォトニクスは、このような高速化する情報処理機器の通信容量不足の問題を解決する技術として期待されている。シリコンフォトニクスは、シリコン電子回路製造技術を利用したものであり、シリコン基板の表面に光機能素子が形成されており、安価で大規模集積が可能である。
シリコンフォトニクスを用いた光送信機における光源は、シリコンが間接遷移半導体であるため、直接遷移半導体であるGaAs系やInP系等のIII−V族半導体が一般的に用いられている。このような、GaAs系やInP系等のIII−V族半導体は、光通信装置の光源等にも広く用いられている。シリコンとこれらIII−V族半導体は、格子定数が異なるため、同一基板上へのモノリシック集積は困難であり、現状においては、シリコン光機能素子の上に、光半導体素子を搭載し集積させる構造、所謂ハイブリッド集積実装構造が主流となっている。
特開2005−117045号公報 特開2000−77774号公報
シリコンフォトニクスを用いた光送信機においては、光源としてDFB(Distributed Feed-Back:分布帰還型)レーザ等が用いられる。光送信機においては、DFBレーザから出射された光は、シリコン基板に形成された光導波路等に入射するが、このような光がDFBレーザにおいて光を出射する出射端より反射戻り光として入射する場合がある。このように、DFBレーザに反射戻り光が入射すると、レーザ発振が不安定となるため好ましくない。
また、環境温度の変化、または、光送信機等を使用することによる発熱等により、使用しているDFBレーザの温度が変化する場合があるが、DFBレーザの温度が変化した場合に、レーザ発振が不安定になることは好ましくない。
よって、シリコンフォトニクスを用いた光送信機等において、光源として用いられる半導体レーザでは、反射戻り光による影響がなく、温度変化した場合においても、安定したレーザ発振が得られるものが求められている。
1つの態様では、半導体レーザは、第1の回折格子層が形成されている一方の端面の側の第1の領域と、第2の回折格子層が形成されている他方の端面の側の第2の領域と、前記一方の端面に形成された反射膜と、前記他方の端面に形成された反射防止膜と、を有し、前記第1の回折格子層及び前記第2の回折格子層により各々回折格子が形成されるものであって、前記第1の回折格子層の回折格子の周期は、所定の周期で形成されており、前記第2の回折格子層の回折格子の周期は、所定の範囲内において変化しており、前記第1の回折格子層の周期は、前記第2の回折格子層の周期の前記所定の範囲内に含まれている。
1つの側面として、反射戻り光による影響を抑制することができ、温度変化した場合においても、安定したレーザ発振を得ることができる。
AR/HR−DFBレーザの構造図 LR/HR−DFBレーザの構造図 LR/HR−DFBレーザの説明図(1) LR/HR−DFBレーザの説明図(2) LR/HR−DFBレーザの特性の説明図 第1の実施の形態における半導体レーザの構造図 第1の実施の形態における半導体レーザの説明図 第1の実施の形態における半導体レーザの特性の説明図 第1の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(1) 第1の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(2) 第1の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(3) 第1の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(4) 第1の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(5) 第1の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(6) 第1の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(7) 第1の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(8) 第2の実施の形態における半導体レーザの構造図 第2の実施の形態における半導体レーザの特性の説明図 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(1) 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(2) 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(3) 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(4) 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(5) 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(6) 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(7) 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(8) 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(9) 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(10) 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(11) 第2の実施の形態における半導体レーザの製造方法の工程図(12) 第2の実施の形態における半導体レーザの変形例の構造図 第3の実施の形態における半導体レーザの構造図 第3の実施の形態における半導体レーザの製造方法の説明図(1) 第3の実施の形態における半導体レーザの製造方法の説明図(2) 第3の実施の形態における半導体レーザの製造方法の説明図(3) 第3の実施の形態における半導体レーザの製造方法の説明図(4) 第4の実施の形態における半導体レーザの構造図 第5の実施の形態における光通信装置のブロック図
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
最初に、シリコンフォトニクスを用いた光送信機に用いられるDFBレーザについて説明する。シリコンフォトニクスを用いた光送信機においては、光導波路の形成されているシリコン基板の上に、DFBレーザが搭載されており、DFBレーザから出射された光は、光導波路に入射する構造となっている。このため、DFBレーザよりレーザ光が出射されるが、出射されたレーザ光の一部が反射戻り光として再びDFBレーザに入射すると、レーザ発振が不安定となり、ノイズとなる場合がある。
図1に示されるDFBレーザは、n−InP基板911の一方の面911aに、n−InPバッファ層912が形成されており、n−InPバッファ層912の上には、n−InGaAsP回折格子層913が形成されている。n−InPバッファ層912及びn−InGaAsP回折格子層913の上はn−InPクラッド層915により覆われている。n−InPクラッド層915の上には、i−InGaAsP量子井戸活性層916、p−InPクラッド層917、p−InGaAsコンタクト層918が順に形成されている。p−InGaAsコンタクト層918の上には金属積層膜943を介しp側電極921が形成されており、n−InP基板911の他方の面911bには金属積層膜945を介しn側電極922が形成されている。このDFBレーザの光の伝播方向において、一方の端面930aには、DFBレーザにおいて高い出力を得るため、高い反射率で光を反射する高反射(High-Reflection:HR)膜931が形成されている。また、他方の端面930bには、光を反射することなく透過させる反射防止(Anti-Reflection:AR)膜932が形成されている。
図1に示すDFBレーザでは、p側電極921とn側電極922との間に電圧を印加することによりi−InGaAsP量子井戸活性層916に電流が注入され、n−InGaAsP回折格子層913により形成された回折格子のピッチに対応した波長のレーザ光が他方の端面930bの側より出射される。図1に示す構造のDFBレーザは、AR/HR−DFBレーザと呼ばれる場合がある。
このDFBレーザでは、他方の端面930bには反射防止膜932が形成されているため、出射されるレーザ光は反射防止膜932を透過し出射される。しかしながら、反射防止膜932は光を透過するため、DFBレーザの外部の光も反射防止膜932を透過し、他方の端面930bよりDFBレーザに入射する場合がある。このように、他方の端面930bよりDFBレーザに入射する光は、反射戻り光と呼ばれており、反射戻り光がDFBレーザに入射すると、レーザ発振が不安定となり、ノイズの原因となる。
このような反射戻り光の対策としては、DFBレーザと光導波路との間に、光アイソレータを挿入し、DFBレーザの外部からの反射戻り光が入射することを抑制する方法が考えられる。しかしながら、挿入損失の小さいバルク型光アイソレータはサイズが大きいため光送信機等を小型化することが困難である。また、他の方法としては、反射戻り光耐性の強い量子ドットDFBレーザや利得結合型DFBレーザを用いることが知られている。しかしながら、このような半導体レーザは、構造や製法が特殊であるため、一般的な量子井戸活性層を用いたDFBレーザに比べて価格が高く、安価な光送信機を得ることはできない。
現在、DFBレーザにおいて、最も安価な反射戻り光対策としては、図2に示すようにDFBレーザの他方の端面930bに反射率が数%の低反射(Low-Reflection:LR)膜933を形成したものがある。このように、他方の端面930bに低反射膜933を形成することにより、DFBレーザ内において発振したレーザ光の多くは、低反射膜933を透過し出射されるが、一部は、低反射膜933により反射されDFBレーザの内部に留まる。このため、外部より低反射膜933を透過し、DFBレーザの内部に入射する光が存在したとしても、その強度は、低反射膜933により反射されDFBレーザの内部に留まる光に比べて極めて低く、外部より低反射膜933を透過し入射した光の影響は殆どない。尚、図2に示す構造のDFBレーザは、LR/HR−DFBレーザと呼ばれる場合がある。
即ち、図1に示す構造のDFBレーザでは、DFBレーザの内部において発振した光は、反射防止膜932では反射されることなく、他方の端面930bの側よりレーザ光が出射される。よって、外部より反射防止膜932を透過してDFBレーザの内部に入射する反射戻り光が存在すると、反射戻り光の影響により、レーザ発振が不安定となりやすい。しかしながら、図2に示す構造のDFBレーザでは、DFBレーザの内部において発振したレーザ光の一部は、他方の端面930bに形成された低反射膜933により反射される。このため、外部から低反射膜933を透過し、DFBレーザの内部に入射する反射戻り光が存在したとしても、その反射戻り光の強度は、レーザ発振した光が低反射膜933により反射された光の強度よりも極めて低い。このため、DFBレーザの内部では、外部から低反射膜933を透過して入射した反射戻り光よりも、低反射膜933により反射された光の方が支配的となる。そのため、AR/HR−DFBレーザに比べれば相対的に反射戻り光による影響が小さく、安定したレーザ発振が得られやすい。
ところで、シリコンフォトニクスを用いた光送信機等においては、小型化、低消費電力化が求められている。また、より高速な信号や、多値変調と言った複雑な通信フォーマットに対応するため、半導体レーザであるDFBレーザでは、高出力なものが求められている。具体的には、消費電力の大きいTEC(Thermoelectric cooler)のような温度調整器を用いることなく、広い温度範囲、例えば、0℃〜80℃の使用環境においても数10mW以上の高い光出力が得られる半導体レーザが求められている。
また、DFBレーザの発振波長は、基本的には、DFBレーザの内部に形成された回折格子によって決定される。回折格子を含むDFBレーザの光導波路の屈折率は温度依存性を有しており、DFBレーザの温度が変化すると発振波長が変化する。また、DFBレーザの活性層の利得ピーク波長は、バンドギャップの温度依存性に起因して変化するものである。発振波長の変化と利得ピーク波長の変化とを比較すると、温度変化の変化量が同じである場合、光導波路の温度変化による発振波長の変化よりも、DFBレーザの活性層の利得ピーク波長の温度変化による変化の方が大きい。
図3は、DFBレーザの温度が、低温から高温変化した場合におけるDFBレーザの発振波長と利得ピーク波長の模式図を示す。尚、本願においては、DFBレーザの発振波長と利得ピーク波長との差を離調(ディチューニング)と記載して説明する。DFBレーザにおいては、高温時でも高い光出力が維持できるよう、DFBレーザの発振波長と利得ピーク波長とが一致するように、即ち、高温時における離調が0になるように設計すると、低温時におけるDFBレーザの発振波長と利得ピーク波長との離調が大きくなる。
DFBレーザに形成されている回折格子は、DFBレーザの発振波長、即ち、ブラッグ波長近傍以外では反射率は低く、低温時の利得ピーク波長近傍において回折格子によるフィードバックが発生することはなく、本来なら意図せぬレーザ発振が生じることはない。しかしながら、図2に示されるLR/HR−DFBレーザでは、高反射膜931と低反射膜933とによりファブリペロー(Fabry-Perot:FP)共振器が形成される。このため、利得ピーク波長の近傍においてFPモードのレーザ発振が生じてしまう場合がある。
図4は、1.3μm帯のLR/HR−DFBレーザを例とし、離調と低反射膜933の反射率との関係より、DFBモードによる発振とFPモードによる発振との関係を示したものである。即ち、FPモードによる発振が生じる反射率の最小値と離調の関係を示すものである。図3に示されるDFBレーザでは、DFBレーザ発振波長と利得ピーク波長の関係は、高温域で離調が小さくなる。従って、図4においては離調の小さい左側が高温側、離調の大きい右側が低温側に相当する。
図4に示されるように、DFBモードで発振させるためには、離調が25nmの場合では、低反射膜933の反射率を約1.5%以下にする必要があり、離調が30nmの場合では、低反射膜933の反射率を約0.7%以下にする必要がある。例えば、1.3μm帯において、DFBレーザの温度が80℃の場合において、離調が0nmとなるように設計した場合、DFBレーザの温度が0℃の場合における離調は26.7nmとなる。従って、低反射膜933の反射率が1%程度であっても、0℃近傍の低温域ではFPモードで発振してしまう。
図5は、図2に示す構造のDFBレーザにおいて、離調が15nm、低反射膜933の反射率が3%の場合におけるレーザ発振スペクトルのシミュレーション結果である。この場合には、DFBモードによるレーザ発振はしているが、FPモードによるレーザ発振が始まっており、DFBモードによる発振とFPモードによる発振とが競合している状態にあり、純粋なDFBモードによる発振ではない状態にある。
従って、図2に示されるLR/HR−DFBレーザでは、低反射膜933の反射率が、反射戻り光の影響を抑えるのに十分な反射率である場合において、広い温度範囲でFPモードによる発振を抑制することができない。即ち、DFBレーザにおけるシングルモード発振を維持することができない。
このため、シリコン光機能素子の上に実装可能で、かつ、安価な半導体レーザであって、高い反射戻り光耐性を備え、かつ、広い温度範囲で高い光出力とシングルモード発振が得られる半導体レーザが求められている。
(半導体レーザ)
次に、第1の実施の形態における半導体レーザについて説明する。本実施の形態における半導体レーザは、化合物半導体により形成されており、例えば、InGaAsP系の1.3μm帯の半導体レーザである。尚、便宜上、レーザ光が出射される方向に平行な方向をX方向とし、膜厚方向、即ち、半導体基板11面に垂直な方向をZ方向とし、X方向及びZ方向に垂直となる図6の紙面に垂直な方向をY方向として説明する。従って、X方向が光の伝播方向となる。
具体的には、図6に示されるように、本実施の形態における半導体レーザ10は、半導体基板11の一方の面11aに、バッファ層12が形成されている。バッファ層12の上には、一方の端面30aの側には、第1の回折格子層13が形成されており、他方の端面30bの側には、第2の回折格子層14が形成されており、第1の回折格子層13及び第2の回折格子層14の上は、下部クラッド層15により覆われている。このように、第1の回折格子層13及び第2の回折格子層14の上を下部クラッド層15により覆うことにより、第1の回折格子及び第2の回折格子が形成される。下部クラッド層15の上には、量子井戸活性層16、上部クラッド層17、コンタクト層18が順に形成されている。
半導体基板11は、n−InP基板により形成されており、バッファ層12はn−InPにより形成されており、第1の回折格子層13及び第2の回折格子層14は、n−InGaAsPにより形成されている。下部クラッド層15はn−InPにより形成されており、量子井戸活性層16はi−InGaAsPにより形成されており、上部クラッド層17はp−InPにより形成されており、コンタクト層18はp−InGaAsにより形成されている。
コンタクト層18の上には、金属積層膜43を介しp側電極21が形成されており、半導体基板11の他方の面11bには金属積層膜45を介しn側電極22が形成されている。本実施の形態においては、半導体レーザの光の伝播方向において、一方の端面30aには、高い反射率で光を反射する高反射(HR)膜31が形成されており、他方の端面30bには、光を反射することなく透過させる反射防止(AR)膜32が形成されている。
本願においては、p側電極21を上部電極と記載し、n側電極22を下部電極と記載する場合がある。また、第1の回折格子層13により形成される回折格子を第1の回折格子と記載し、第1の回折格子層13が形成されている領域を第1の領域10aと記載する場合がある。第2の回折格子層14により形成される回折格子を第2の回折格子と記載し、第2の回折格子層14が形成されている領域を第2の領域10bと記載する場合がある。
本実施の形態においては、第1の回折格子層13は、波長λの光が出射されるように、一定の周期Tで形成されている。例えば、波長λが約1304nmとなるように、周期Tが200.5nmとなるように形成されている。第2の回折格子層14は、波長λの光を含む、所定の波長範囲の光が一部反射されるように形成されており、周期がTaからTbまで徐々に変化している。このように周期が徐々に変化する回折格子は、チャープドグレーティングと呼ばれている。具体的には、第2の回折格子層14は、複数のセグメントに分けられており、セグメント毎に周期を変えて形成されている。表1は、第2の回折格子層14において他方の端面30bから一方の端面30aに向かって順に形成されるセグメントにおける周期を例示したものである。表1に示す場合では、第2の回折格子層14は、18のセグメントに分けられており、各々のセグメント長は10μmであり、周期Taが199.73nmから周期Tbが202.28nmまで順に変化するように形成されている。この場合、波長が約1299nmから約1312nmまでの範囲の光は一部反射されるが、この範囲以外の光は略すべて透過する。
Figure 2019160842
図7は、第2の回折格子層14により形成される第2の回折格子の反射スペクトルを示す。本実施の形態においては、第2の回折格子層14において所定の波長範囲、例えば、1299nmから1312nmまでの波長範囲の光が反射される反射率は、1%以上5%以下が好ましく、更には、1.5%以上4%以下が好ましい。反射率が低すぎると、反射戻り光を抑制する効果が低くなり、反射率が高すぎると、レーザ光のパワーの低下を招くからである。
具体的には、第2の回折格子層14は、第1の回折格子によりフィードバックされる波長帯の光の一部を反射するが、活性層の利得スペクトルのピーク波長帯の光は反射せずこれを透過するように形成されている。尚、第1の回折格子によりフィードバックされる波長帯と、利得スペクトルのピーク波長が一致している場合や近い場合には、DFBモードとは異なる波長におけるFPモードによるレーザ発振は生じにくい。
従って、本実施の形態においては、DFBモードでレーザ発振した光の一部は、第2の回折格子層14において反射され、第1の回折格子層13の側に戻る。このため、半導体レーザの外部より反射防止膜32を透過して反射戻り光が入射しても、DFBモードでレーザ発振し、第2の回折格子層14において反射された光の方が強度が高いため、反射戻り光による影響は殆どない。また、本実施の形態における半導体レーザにおいては、第2の回折格子層14は、所定の波長範囲以外の光は透過するため、この波長範囲以外の波長ではFPモードによるレーザ発振は生じない。即ち、第2の回折格子層14において光の一部が反射する波長範囲以外の範囲に、利得スペクトルのピーク波長が存在したとしても、このピーク波長の光は、第2の回折格子層14を透過するため、FPモードによるレーザ発振は生じることがない。よって、本実施の形態における半導体レーザは、反射戻り光に強く、また、FPモードによるレーザ発振を防ぐことができる。
従って、本実施の形態においては、第2の回折格子層14において光の一部が反射される波長範囲は、環境温度が変化した場合において、DFBモードの発振波長の変化する範囲を含むものであって、FPモードによる発振が生じにくい範囲であることが好ましい。よって、第2の回折格子層14において所定の反射率で反射される光の波長範囲は、環境温度を0℃〜80℃とすると、この環境温度の範囲において、DFBモードの発振波長の変化する範囲を含むものである。このため、第2の回折格子層14は、周期Taが199.73nm〜周期Tbが202.28nmまで徐々に変化しており、これにより、波長が約1299nm〜約1312nmまでの範囲の光は一部反射されるが、この範囲以外の光は略すべて透過する。
尚、第1の回折格子及び第2の回折格子の温度特性はほぼ等しいため、広い温度範囲でFPモードによる発振を抑制することができる。
また、製造上のばらつきや、第1の回折格子及び第2の回折格子の微妙な屈折率の温度依存性の違いを緩和するために、第2の回折格子の反射波長範囲を、第1の回折格子の回折波長範囲に比べて広めに設計してある。
本実施の形態においては、発明者の知見によれば、第2の回折格子層14において光の一部が反射される波長範囲は、DFBモードの発振波長を含むものであって、この波長範囲の上限と下限との差は、5nm以上、25nm以下であることが好ましい。また、本実施の形態における半導体レーザは、第1の回折格子層13及び第2の回折格子層14をn−InGaAsPにより形成しており、下部クラッド層15をn−InPにより形成している。従って、本実施の形態における半導体レーザは、周期の所定の範囲の上限と下限との差、即ち、周期Taと周期Tbとの差は、0.77nm以上、3.85nm以下であることが好ましく、この範囲内に、第1の回折格子層13の周期Tが含まれている。
よって、本実施の形態における半導体レーザは、p側電極21とn側電極22との間に電流を流すことにより、量子井戸活性層16に電流が注入され、第1の回折格子層13が形成されている第1の領域10aにおいて、DFBモードでレーザ発振する。DFBモードでレーザ発振した光の多くは、他方の端面30bに形成された反射防止膜32を透過し出射されるが、一部は第2の回折格子層14が形成されている第2の領域10bにおいて反射され第1の領域10aに戻る。従って、半導体レーザの他方の端面30bより、反射戻り光が入射したとしても、2の回折格子層14が形成されている第2の領域10bにおいて反射され第1の領域10aに戻る光の方が強度が高いため、反射戻り光による影響を抑制することができる。また、量子井戸活性層16において、利得スペクトルのピークの波長の光が発生しても、この波長が第2の回折格子層14において反射される光の波長以外の波長であれば、第2の回折格子層14により形成される第2の回折格子を透過する。即ち、半導体レーザの一方の端面30aには、高反射膜31が形成されているが、他方の端面30bの側では、この波長の光は第2の回折格子層14により形成される第2の回折格子を透過し、反射防止膜32も透過する。従って、ファブリペロー共振器が形成されないため、FPモードによるレーザ発振は生じない。
図8は、本実施の形態における半導体レーザにおいて、第2の回折格子層14を表1に示すようなチャープドグレーティングにより形成した場合におけるレーザ発振スペクトルのシミュレーション結果である。尚、離調は15nm、第2の回折格子層14において光を反射する波長範囲における反射率は、3%である。
本実施の形態における半導体レーザにおいては、FPモードによるレーザ発振は確認されず、DFBモードによるレーザ発振のみが確認されており、純粋なDFBモードにより発振している状態にある。従って、図1に示されるAR/HR−DFBレーザと比較すると、反射戻り光耐性があり、図2に示されるLR/HR−DFBレーザと比較すると、広い温度範囲でシングルモード発振を得ることができる。
(半導体レーザの製造方法)
次に、本実施の形態における半導体レーザの製造方法について図9〜図16に基づき説明する。
最初に、図9に示すように、半導体基板11であるn−InP基板の一方の面11aに、エピタキシャル成長により厚さが300nmのn−InPによりバッファ層12、厚さが30nmで組成波長が1.05μmのn−InGaAsP層13aを形成する。具体的には、バッファ層12及びn−InGaAsP層13aは、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)法により形成する。尚、図9(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図9(b)は、図9(a)の一点鎖線9A−9Bにおいて切断した断面図である。
次に、図10に示すように、n−InGaAsP層13aを加工することにより、第1の領域10aに第1の回折格子層13を形成し、第2の領域10bに第2の回折格子層14を形成する。具体的には、n−InGaAsP層13aの上にフォトレジストを塗布し、電子ビームを用いた露光装置により露光、現像をする。これにより、第1の領域10aには第1の回折格子層13に対応した不図示のレジストパターンを形成し、第2の領域10bには第2の回折格子層14に対応した不図示のレジストパターンを形成する。この後、RIE(Reactive Ion Etching)等のドライエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のn−InGaAsP層13aを除去する。これにより、残存しているn−InGaAsP層13aにより、第1の回折格子層13、及び、第2の回折格子層14を形成する。この後、有機溶剤等により、不図示のレジストパターンは除去する。これにより、第1の領域10aには、X方向における長さが500μmの領域に、周期Tが200.5nmとなる第1の回折格子層13が形成される。また、第2の領域10bには、X方向における長さが180μmの領域に、表1に示すように、周期が199.73nmから202.28nmまで徐々に変化する第2の回折格子層14が形成される。尚、図10(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図10(b)は、図10(a)の一点鎖線10A−10Bにおいて切断した断面図である。
次に、図11に示すように、バッファ層12、第1の回折格子層13、及び、第2の回折格子層14の上に、MOCVDにより、下部クラッド層15、量子井戸活性層16、上部クラッド層17、コンタクト層18を順に積層して形成する。下部クラッド層15は、第1の回折格子層13、及び、第2の回折格子層14の上面からの厚さが110nmとなるようにn−InPをエピタキシャル成長させることにより形成する。量子井戸活性層16は、i−InGaAsPにより形成されており、厚さが10nmのバリア層と、厚さが4.8nmの井戸層とが10周期交互に積層されており、PL(フォトルミネッセンス)波長が1.31μmとなるMQW活性層である。このMQW活性層の両側には、組成波長1.05μmのi−InGaAsPにより形成された厚さが10nmの分離閉じ込めヘテロ構造(Separated Confinement Heterostructure:SCH)層が設けられている。上部クラッド層17は、厚さが1400nmのp−InPにより形成されており、コンタクト層18は、厚さが約300nmのp−InGaAsにより形成されている。尚、図11(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図11(b)は、図11(a)の一点鎖線11A−11Bにおいて切断した断面図である。
次に、図12に示すように、コンタクト層18の上に、ハードマスク41を形成し、ハードマスク41をマスクとして、ハードマスク41が形成されていない領域の化合物半導体層等を除去することにより、メサ構造を形成する。具体的には、コンタクト層18の上の全面にCVD(Chemical Vapor Deposition)法等により、厚さが300nmのSiO膜を形成する。この後、このSiO膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ハードマスク41が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの形成されていない領域のSiO膜をRIE等により除去することにより、残存するSiO膜によりハードマスク41を形成し、有機溶剤等によりレジストパターンを除去する。この後、ハードマスク41をマスクとして、コンタクト層18、上部クラッド層17、量子井戸活性層16、下部クラッド層15、第2の回折格子層14、第1の回折格子層13、バッファ層12、半導体基板11の一部をエッチングにより除去しメサ構造を形成する。この際行われるエッチングは、誘導結合型プラズマによる反応性イオンエッチング等であり、これにより、Z方向における高さ約3μm、Y方向における幅が約1.5μmのメサ構造が形成される。尚、図12(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図12(b)は、図12(a)の一点鎖線12A−12Bにおいて切断した断面図である。
次に、図13に示すように、エッチングにより除去された領域に、MOCVD法により、SI(Semi-Insulating:半絶縁性)−InP層42を形成する。SI−InP層42は、MOCVDにより、SI−InPをエピタキシャル成長させることにより形成されているが、ハードマスク41のSiOはアモルファスである。このため、ハードマスク41の上には、SI−InPは積層されず、エッチングにより除去されたInP結晶が露出している半導体基板11の上にのみ、SI−InPがエピタキシャル成長する。よって、エッチングにより除去された半導体基板11の上にのみSI−InP層42が形成される。尚、図13(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図13(b)は、図13(a)の一点鎖線13A−13Bにおいて切断した断面図である。
次に、図14に示されるように、ハードマスク41をウェットエッチにより除去し、コンタクト層18及びSI−InP層42の上に、金属積層膜43を形成し、更に、金属積層膜43の上にレジストパターン44を形成する。金属積層膜43は、例えば、スパッタリングにより、Ti/Pt/Auを順に成膜することにより形成する。このように形成された金属積層膜43の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、p側電極21が形成される領域に開口部44aを有するレジストパターン44を形成する。尚、図14(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図14(b)は、図14(a)の一点鎖線14A−14Bにおいて切断した断面図である。
次に、図15に示されるように、レジストパターン44の開口部44aにおいて露出している金属積層膜43を電極として、メッキによりAu膜を形成することにより、p側電極21を形成する。この後、レジストパターン44を有機溶剤等により除去し、レジストパターン44を除去することにより露出した金属積層膜43を、p側電極21をマスクとして、ドライエッチングにより除去する。p側電極21は十分に厚く形成されているため、金属積層膜43をエッチングにより除去する際に、マスクとして機能する。これにより、コンタクト層18と電気的に接続されるp側電極21が形成される。尚、図15(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図15(b)は、図15(a)の一点鎖線15A−15Bにおいて切断した断面図である。
次に、半導体基板11の裏面である他方の面を所望の厚さとなるまで研磨等した後、図16に示されるように、半導体基板11の他方の面11bに、n側電極22を形成する。半導体基板11の他方の面の研磨は、厚さが約150μmとなるまで行う。この後、研磨された半導体基板11の他方の面11bに、真空蒸着によりAuGe/Auを順に成膜することにより金属積層膜45を形成する。この後、金属積層膜45の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、n側電極22が形成される領域に開口部を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの開口部において露出している金属積層膜45を電極として、メッキによりAu膜を形成することにより、n側電極22を形成する。尚、図16(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図16(b)は、図16(a)の一点鎖線16A−16Bにおいて切断した断面図である。
この後、フォトレジストを有機溶剤等により除去し、熱処理等を行うことにより、p側電極21及びn側電極22をオーミックコンタクトさせる。本願においては、p側電極21は、p側電極21と金属積層膜43とにより形成されるものを含む場合もあるものとし、n側電極22は、n側電極22と金属積層膜45とにより形成されるものを含む場合もあるものとする。
この後、劈開することにより一方の端面30a及び他方の端面30bを露出させ、一方の端面30aに高反射膜31を成膜し、他方の端面30bに反射防止膜32を成膜する。高反射膜31及び反射防止膜32は、屈折率の異なる2種類以上の材料を積層した膜、例えば、誘電体多層膜等により形成されている。これにより、図6に示される本実施の形態における半導体レーザを作製することができる。
尚、上記の説明では、半導体レーザをInP系の半導体材料を用いた場合について説明したが、他の半導体材料により形成してもよく、例えば、GaAs系の半導体材料により形成してもよい。また、半導体層における組成や光導波路構造、電極構造も上記に限定されるものではなく、例えば、第1の回折格子層、第2の回折格子層や量子井戸活性層にAlGaInAsを用いてもよい。また、活性層の構造も量子井戸構造に限定されるものではなく、バルク活性層や量子ドット活性層等であってもよい。また、回折格子も上記の構造に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変形しても構わない。また、結晶成長や、回折格子形成、メサ構造形成、電極形成等の製造プロセスについても、上記の方法に限定されるものではない。
〔第2の実施の形態〕
(半導体レーザ)
次に、第2の実施の形態における半導体レーザについて説明する。本実施の形態における半導体レーザは、図17に示されるように、第1の回折格子層13が形成されている第1の領域110aと第2の回折格子層14が形成されている第2の領域110bとにより形成されている。また、コンタクト層18及びp側電極21等は、第1の領域110aには形成されているが、第2の領域110bには形成されてはおらず、また、第2の領域110bには、第2の回折格子層14の上方に、InGaAsPにより光導波路層116が形成されている。光導波路層116は、第1の領域110aの量子井戸活性層16と接続されている。
本実施の形態における半導体レーザにおいては、p側電極21は第1の領域110aにのみ形成されており、第2の領域110bには形成されてはいない。従って、第2の領域110bには電流が注入されることはなく、光を発したり、外部から半導体レーザの他方の端面30bより入射した光が第2の領域110bにおいて増幅されることはない。よって、外部から半導体レーザの他方の端面30bより入射した光による影響を更に抑制することができる。このため、第2の領域110bでは、量子井戸活性層16に代えて光導波路層116が形成されている。量子井戸活性層16におけるPL波長は1.31μmであり、光導波路層116は組成波長が1.17μmのi−InGaAsPにより形成されているため、量子井戸活性層16のPL波長よりも、光導波路層116の組成波長は短い。
図18は、本実施の形態における半導体レーザにおいて、第2の回折格子層14を表1に示すようなチャープドグレーティングにより形成した場合におけるレーザ発振スペクトルのシミュレーション結果である。尚、離調は15nm、第2の回折格子層14において光を反射する波長範囲における反射率は、3%である。
本実施の形態における半導体レーザにおいても、FPモードによるレーザ発振は確認されず、DFBモードによるレーザ発振のみが確認されており、純粋なDFBモードにより発振している状態にある。従って、図1に示されるAR/HR−DFBレーザと比較すると、反射戻り光耐性があり、図2に示されるLR/HR−DFBレーザと比較すると、広い温度範囲でシングルモード発振を得ることができる。
(半導体レーザの製造方法)
次に、本実施の形態における半導体レーザの製造方法について図19〜図26に基づき説明する。
最初に、図19に示すように、半導体基板11であるn−InP基板の一方の面11aに、エピタキシャル成長により厚さが300nmのn−InPによりバッファ層12、厚さが30nmで組成波長が1.05μmのn−InGaAsP層13aを形成する。尚、図19(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図19(b)は、図19(a)の一点鎖線19A−19Bにおいて切断した断面図であり、図19(c)は、図19(a)の一点鎖線19C−19Dにおいて切断した断面図である。
次に、図20に示すように、n−InGaAsP層13aを加工することにより、第1の領域110aに第1の回折格子層13を形成し、第2の領域110bに第2の回折格子層14を形成する。尚、図20(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図20(b)は、図20(a)の一点鎖線20A−20Bにおいて切断した断面図であり、図20(c)は、図20(a)の一点鎖線20C−20Dにおいて切断した断面図である。
次に、図21に示すように、バッファ層12、第1の回折格子層13、及び、第2の回折格子層14の上に、MOCVDにより、下部クラッド層15、量子井戸活性層16、第1の上部クラッド層117を順に積層して形成する。第1の上部クラッド層117は、厚さが200nmのp−InPにより形成されている。尚、図21(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図21(b)は、図21(a)の一点鎖線21A−21Bにおいて切断した断面図であり、図21(c)は、図21(a)の一点鎖線21C−21Dにおいて切断した断面図である。
次に、図22に示すように、第1の領域110aにハードマスク140を形成し、第2の領域110bにおける第1の上部クラッド層117、量子井戸活性層16を除去する。具体的には、第1の上部クラッド層117の上の全面にCVD法等により、厚さが300nmのSiO膜を形成する。この後、このSiO膜の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、ハードマスク140が形成される領域に不図示のレジストパターンを形成する。この後、レジストパターンの形成されていない領域のSiO膜をRIE等により除去することにより、残存するSiO膜によりハードマスク140を形成し、有機溶剤等によりレジストパターンを除去する。この後、ハードマスク140をマスクとして、ウェットエッチングにより第1の上部クラッド層117、量子井戸活性層16を除去する。この際、下部クラッド層15と量子井戸活性層16とのエッチング速度が異なるエッチング液を用いて、量子井戸活性層16を選択エッチングすることにより、第2の領域110bにおいて下部クラッド層15の表面を露出させる。尚、図22(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図22(b)は、図22(a)の一点鎖線22A−22Bにおいて切断した断面図であり、図22(c)は、図22(a)の一点鎖線22C−22Dにおいて切断した断面図である。
次に、図23に示すように、第2の領域110bにおいて、MOCVD法により、光導波路層116、第2の上部クラッド層118を形成する。即ち、光導波路層116、第2の上部クラッド層118をバットジョイント成長させる。光導波路層116は、厚さが178nm、組成波長が1.17μmのi−InGaAsPにより形成されており、第2の上部クラッド層118は厚さが200nmのp−InPにより形成されている。光導波路層116、第2の上部クラッド層118は、MOCVDにより、化合物半導体をエピタキシャル成長させることにより形成するが、ハードマスク140のSiOはアモルファスであり、ハードマスク140の上には、化合物半導体は結晶成長しない。従って、エッチングにより除去されたn−InP結晶が露出している下部クラッド層15の上にのみ、化合物半導体がエピタキシャル成長するため、第2の領域110bの下部クラッド層15の上にのみ光導波路層116、第2の上部クラッド層118が形成される。尚、図23(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図23(b)は、図23(a)の一点鎖線23A−23Bにおいて切断した断面図であり、図23(c)は、図23(a)の一点鎖線23C−23Dにおいて切断した断面図である。
次に、図24に示すように、ハードマスク140をウェットエッチングにより除去した後、第1の上部クラッド層117及び第2の上部クラッド層118の上に、MOCVDにより、第3のクラッド層119、コンタクト層18を形成する。このように形成された第1の上部クラッド層117、第2の上部クラッド層118及び第3のクラッド層119により、上部クラッド層17が形成される。本実施の形態においては、これ以降の図面には、第1の上部クラッド層117、第2の上部クラッド層118及び第3のクラッド層119により形成される上部クラッド層17のみ記載する。第3のクラッド層119は、厚さが1200nmのp−InPにより形成されており、これにより、厚さが1400nmの上部クラッド層17が形成される。コンタクト層18は、厚さが約300nmのp−InGaAsにより形成されている。尚、図24(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図24(b)は、図24(a)の一点鎖線24A−24Bにおいて切断した断面図であり、図24(c)は、図24(a)の一点鎖線24C−24Dにおいて切断した断面図である。
次に、図25に示すように、コンタクト層18の上に、ハードマスク41を形成し、ハードマスク41をマスクとして、ハードマスク41が形成されていない領域の化合物半導体層等を除去することによりメサ構造を形成する。具体的には、コンタクト層18、上部クラッド層17、量子井戸活性層16、光導波路層116、下部クラッド層15、第2の回折格子層14、第1の回折格子層13、バッファ層12、半導体基板11の一部をエッチングにより除去しメサ構造を形成する。この際行われるエッチングは、誘導結合型プラズマによる反応性イオンエッチング等であり、これにより、Z方向における高さ約3μm、Y方向における幅が約1.5μmのメサ構造が形成される。尚、図25(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図25(b)は、図25(a)の一点鎖線25A−25Bにおいて切断した断面図であり、図25(c)は、図25(a)の一点鎖線25C−25Dにおいて切断した断面図である。
次に、図26に示すように、エッチングにより除去された領域に、MOCVD法により、SI−InP層42を形成する。尚、図26(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図26(b)は、図26(a)の一点鎖線26A−26Bにおいて切断した断面図であり、図26(c)は、図26(a)の一点鎖線26C−26Dにおいて切断した断面図である。
次に、図27に示されるように、ハードマスク41をウェットエッチにより除去し、第2の領域110bのコンタクト層18及びSI−InP層42の一部を除去する。具体的には、ハードマスク41をウェットエッチにより除去した後、コンタクト層18及びSI−InP層42の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行う。これにより、第1の領域110aのコンタクト層18及びSI−InP層42を覆う不図示のレジストパターンを形成する。この後、ウェットエッチングにより、レジストパターンが形成されていない第2の領域110bにおけるコンタクト層18及びSI−InP層42の一部を除去する。この後、レジストパターンは、有機溶剤等により除去する。尚、図27(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図27(b)は、図27(a)の一点鎖線27A−27Bにおいて切断した断面図であり、図27(c)は、図27(a)の一点鎖線27C−27Dにおいて切断した断面図である。
次に、図28に示されるように、上部クラッド層17、コンタクト層18及びSI−InP層42の上に、金属積層膜43を形成し、更に、金属積層膜43の上にレジストパターン144を形成する。レジストパターン144は、第2の領域110bは全面に形成されており、第1の領域110aにおいてp側電極21が形成される領域に開口部144aを有している。尚、図28(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図28(b)は、図28(a)の一点鎖線28A−28Bにおいて切断した断面図であり、図28(c)は、図28(a)の一点鎖線28C−28Dにおいて切断した断面図である。
次に、図29に示されるように、レジストパターン144の開口部144aにおいて露出している金属積層膜43を電極として、メッキによりAu膜を形成することにより、p側電極21を形成する。この後、表面が露出している金属積層膜43を除去する。尚、図29(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図29(b)は、図29(a)の一点鎖線29A−29Bにおいて切断した断面図であり、図29(c)は、図29(a)の一点鎖線29C−29Dにおいて切断した断面図である。
次に、半導体基板11の裏面である他方の面を所望の厚さとなるまで研磨等した後、図30に示されるように、半導体基板11の他方の面11bに、n側電極22を形成する。尚、図30(a)は、この工程におけるZX面の断面図であり、図30(b)は、図30(a)の一点鎖線30A−30Bにおいて切断した断面図であり、図30(c)は、図30(a)の一点鎖線30C−30Dにおいて切断した断面図である。
この後、熱処理等を行うことにより、p側電極21及びn側電極22をオーミックコンタクトさせる。この後、劈開することにより一方の端面30a及び他方の端面30bを露出させ、一方の端面30aに高反射膜31を成膜し、他方の端面30bに反射防止膜32を成膜する。これにより、図17に示される本実施の形態における半導体レーザを作製することができる。
また、本実施の形態における半導体レーザは、図31に示されるように、第1の領域110aにのみp側電極21及びn側電極22を形成した構造のものであってもよい。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
(半導体レーザ)
次に、第3の実施の形態における半導体レーザについて説明する。本実施の形態における半導体レーザは、図32に示されるように、第1の領域210aに形成される第1のp側電極211と、第2の領域210bに形成される第2のp側電極212とを有するものである。第1の領域210aには、第1の回折格子層13が形成されており、第2の領域210bには、第2の回折格子層14が形成されている。
このように、第1のp側電極211と第2のp側電極212とを分けて形成することにより、第1のp側電極211に印加される電圧と、第2のp側電極212に印加される電圧とを異なるようにすることができる。即ち、第2のp側電極212に印加される電圧を調整することにより、量子井戸活性層16に注入される電流を調整し利得を減らすことで、反射戻り光による影響を抑制することができる。また、第2の実施の形態における半導体レーザと比較して作りやすい。
(半導体レーザの製造方法)
本実施の形態における半導体レーザの製造方法は、第1の実施の形態における図9から図13までの工程は、同じであるため省略する。
図13に示される工程の後、ウェットエッチングによりハードマスク41を除去し、図33に示されるように、第1の領域210aと第2の領域210bとの間のコンタクト層18を除去する。これにより、第1の領域210aのコンタクト層18と第2の領域210bのコンタクト層18とを分離する。具体的には、コンタクト層18及びSI−InP層42の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第1の領域210aと第2の領域210bとの間に開口を有する不図示のレジストパターンを形成する。この後、ウェットエッチングにより、レジストパターンの開口部において露出しているコンタクト層18を除去することにより、第1の領域210aのコンタクト層18と第2の領域210bのコンタクト層18とを分離する。この後、レジストパターンは、有機溶剤等により除去する。
次に、図34に示されるように、コンタクト層18及びSI−InP層42等の上に、金属積層膜43を形成し、更に、金属積層膜43の上にレジストパターン244を形成する。具体的には、金属積層膜43の上に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行うことにより、第1のp側電極211及び第2のp側電極212が形成される領域に開口部244a及び244bを有するレジストパターン244を形成する。
次に、図35に示されるように、レジストパターン244の開口部244a及び244bにおいて露出している金属積層膜43を電極として、メッキによりAu膜を形成することにより、第1のp側電極211及び第2のp側電極212を形成する。この後、レジストパターン244を有機溶剤等により除去し、レジストパターン244を除去することにより露出した金属積層膜43を第1のp側電極211及び第2のp側電極212をマスクとして、ドライエッチングにより除去する。これにより、第1の領域210aにおけるコンタクト層18の上に第1のp側電極211を形成し、第2の領域210bにおけるコンタクト層18の上に第2のp側電極212を形成する。尚、第1のp側電極211は、第1のp側電極211と金属積層膜43とにより形成されるものを含む場合もあるものとし、第2のp側電極212は、第2のp側電極212と金属積層膜43とにより形成されるものを含む場合もあるものとする。
次に、半導体基板11の裏面である他方の面を所望の厚さとなるまで研磨等した後、図36に示されるように、半導体基板11の他方の面11bに、n側電極22を形成する。
この後、劈開することにより一方の端面30a及び他方の端面30bを露出させ、一方の端面30aに高反射膜31を成膜し、他方の端面30bに反射防止膜32を成膜する。これにより、図32に示される本実施の形態における半導体レーザを作製することができる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態における半導体レーザについて説明する。本実施の形態における半導体レーザは、図37に示されるように、第1の領域10aよりも一方の端面30a側となる第1の領域10aと高反射膜31との間に第3の領域10cを有する構造のものである。第3の領域10cには、回折格子層は形成されてはおらず、SOA(Semiconductor Optical Amplifier:半導体光増幅器)のように機能するため、半導体レーザの出力を向上させることができる。よって、第3の領域10cには、p側電極21及びn側電極22が形成されている。本実施の形態においては、第1の領域10aのX方向における長さは400μmであり、第3の領域10cのX方向における長さは100μmである。これは、第3の領域10cが必要以上に長いと、発振が不安定となりやすいため、光の伝播方向であるX方向における長さは、第1の領域10aよりも、第3の領域10cの方が短くなるように形成されている。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第5の実施形態〕
次に、第5の実施の形態における光通信装置について、図38に基づき説明する。本実施の形態における光通信装置300は、光通信機モジュールであり、第1の実施の形態における半導体レーザ10を用いた光送信装置である。具体的には、本実施の形態における光通信装置300は、第1の実施の形態における半導体レーザ10、光変調器310、モニタ素子320、光変調器駆動回路340、レーザ駆動回路350等を有している。レーザ駆動回路350には制御回路351が設けられている。光変調器310、モニタ素子320は、一つのシリコン基板に形成されたシリコン光機能素子(シリコンフォトニクス素子)330であり、半導体レーザ10はシリコン光機能素子330上に実装されている。
本実施の形態における光通信装置300においては、レーザ駆動回路350より半導体レーザ10に電流が供給されるとレーザ光が出射される。半導体レーザ10より出射されたレーザ光は分岐されて、光変調器310とモニタ素子320の各々に入射している。モニタ素子320は、フォトディテクタ等であり、モニタ素子320に入射したレーザ光のパワーを電気信号に変換する。モニタ素子320より出力された電気信号は、レーザ駆動回路350に入射し、レーザ駆動回路350内の制御回路351により、入力されたモニタ素子320からの電気信号に基づき、半導体レーザ10に供給する電流を制御する。このようにして、半導体レーザ10のフィードバックがなされ、半導体レーザ10のパワーを安定化させている。即ち、レーザ駆動回路350における制御回路351は、例えば、モニタ素子320からのフィードバック信号が一定値になるように制御することで、半導体レーザ10を一定光出力駆動(APC:Automatic Power Control)させる。
また、半導体レーザ10より出射され光変調器310に入射しているレーザ光は、光変調器310において光変調され、出力光信号として、光ファイバ360に入射し送信される。光変調器310では、光通信装置300の光変調器駆動回路340に入力している入力電気信号に基づき、光変調器310に入射したレーザ光の光変調を行う。
尚、モニタ素子320の配置位置は図38に示される限りではない。例えば、光変調器310の後方であってもよく、また、図38に示される位置と、光変調器310の後方の双方に設けてもよい。また、モニタ素子320に入射する光は、半導体レーザ10より出射された光の一部であり、例えば光変調器310に入射する入力光に対し5%程度である。
また、光変調器駆動回路340、レーザ駆動回路350は1つの半導体チップにより形成されているものであってもよいし、シリコン光機能素子330にモノリシックに集積されていてもよい。図38に示されるものは、光送信機であるが、更に、受信機能が集積され、光送受信機、即ち、光トランシーバであってもよい。
本実施の形態における光通信装置においては、半導体レーザ10は、第2の実施の形態から第4の実施の形態における半導体レーザを用いてもよい。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
半導体基板の一方の面の側に活性層が形成されている半導体レーザであって、
第1の回折格子層が形成されている一方の端面の側の第1の領域と、
第2の回折格子層が形成されている他方の端面の側の第2の領域と、
前記一方の端面に形成された反射膜と、
前記他方の端面に形成された反射防止膜と、
を有し、
前記第1の回折格子層及び前記第2の回折格子層により各々回折格子が形成されるものであって、
前記第1の回折格子層の周期は、所定の周期で形成されており、
前記第2の回折格子層の周期は、所定の範囲内において変化しており、
前記第1の回折格子層の周期は、前記第2の回折格子層の周期の前記所定の範囲内に含まれていることを特徴とする半導体レーザ。
(付記2)
前記第2の回折格子層により形成される回折格子は、所定の範囲内において周期が徐々に変化するチャープドグレーティングであることを特徴とする付記1に記載の半導体レーザ。
(付記3)
前記半導体基板の一方の面の上には、前記第1の回折格子層及び前記第2の回折格子層が形成されており、
前記第1の回折格子層及び前記第2の回折格子層の上には、下部クラッド層が形成されており、
前記下部クラッド層の上には、前記活性層が形成されており、
前記活性層の上には、上部クラッド層が形成されており、
前記上部クラッド層の上には、上部の電極が形成されており、
前記一方の面とは反対の前記半導体基板の他方の面には、下部の電極が形成されていることを特徴とする付記1または2に記載の半導体レーザ。
(付記4)
前記上部の電極は、前記第1の領域に形成されており、前記第2の領域には形成されていないことを特徴とする付記3に記載の半導体レーザ。
(付記5)
前記下部の電極は、前記第1の領域に形成されており、前記第2の領域には形成されていないことを特徴とする付記3に記載の半導体レーザ。
(付記6)
前記上部の電極及び前記下部の電極は、前記第1の領域及び前記第2の領域に形成されていることを特徴とする付記3に記載の半導体レーザ。
(付記7)
前記上部の電極は分割されており、
前記第1の領域には第1の上部の電極が形成されており、
前記第2の領域には第2の上部の電極が形成されていることを特徴とする付記3に記載の半導体レーザ。
(付記8)
前記活性層は前記第1の領域に形成されており、
前記第2の領域には、前記活性層において発光した光が伝播する光導波路層が形成されており、
光導波路層の組成波長は、前記活性層のPL波長よりも短いことを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の半導体レーザ。
(付記9)
前記第1の領域よりも前記一方の端面の側には、第3の領域が形成されており、
前記第3の領域には、回折格子が形成されていないことを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の半導体レーザ。
(付記10)
光の伝播方向における前記第3の領域の長さは、前記第1の領域よりも短いことを特徴とする付記9に記載の半導体レーザ。
(付記11)
前記第2の回折格子層における周期の前記所定の範囲内の上限と下限との差は、0.77nm以上、3.85nm以下であることを特徴とする付記1から10のいずれかに記載の半導体レーザ。
(付記12)
前記第2の回折格子層により形成される回折格子は、所定の範囲内の波長の光の一部を反射するものであって、
前記所定の範囲内における反射率は、1%以上5%以下であることを特徴とする付記1から10のいずれかに記載の半導体レーザ。
(付記13)
前記第2の回折格子層により形成される回折格子は、所定の範囲内の波長の光の一部を反射するものであって、
前記所定の範囲内における反射率は、1.5%以上4%以下であることを特徴とする付記1から10のいずれかに記載の半導体レーザ。
(付記14)
前記第2の回折格子層により形成される回折格子により前記反射率で反射される光の波長範囲の上限と下限の差は、5nm以上、25nm以下であることを特徴とする付記12または13に記載の半導体レーザ。
(付記15)
付記1から14のいずれかに記載の半導体レーザと、
前記半導体レーザより出射されたレーザ光が入射する光変調器と、
前記光変調器に入射したレーザ光を光変調する光変調器駆動回路と、
を有し、
前記光変調器において光変調されたレーザ光を出力光信号として出射することを特徴とする光通信装置。
10 半導体レーザ
10a 第1の領域
10b 第2の領域
11 半導体基板
12 バッファ層
13 第1の回折格子層
14 第2の回折格子層
15 下部クラッド層
16 量子井戸活性層
17 上部クラッド層
18 コンタクト層
21 p側電極
22 n側電極
30a 一方の端面
30b 他方の端面
31 高反射(HR)膜
32 反射防止(AR)膜
42 SI−InP層
43 金属積層膜
45 金属積層膜


Claims (14)

  1. 半導体基板の一方の面の側に活性層が形成されている半導体レーザであって、
    第1の回折格子層が形成されている一方の端面の側の第1の領域と、
    第2の回折格子層が形成されている他方の端面の側の第2の領域と、
    前記一方の端面に形成された反射膜と、
    前記他方の端面に形成された反射防止膜と、
    を有し、
    前記第1の回折格子層及び前記第2の回折格子層は同一面上に隣接して形成され、
    前記第1の回折格子層及び前記第2の回折格子層には各々回折格子が形成されており、
    前記第1の回折格子層に形成された回折格子の周期は、一定の周期で形成されており、
    前記第2の回折格子層に形成された回折格子の周期は、前記一定の周期を含む所定の範囲において変化していることを特徴とする半導体レーザ。
  2. 前記第2の回折格子層に形成された回折格子は、所定の範囲内において周期が徐々に変化するチャープドグレーティングであることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ。
  3. 前記半導体基板の一方の面の上には、前記第1の回折格子層及び前記第2の回折格子層が形成されており、
    前記第1の回折格子層及び前記第2の回折格子層の上には、下部クラッド層が形成されており、
    前記下部クラッド層の上には、前記活性層が形成されており、
    前記活性層の上には、上部クラッド層が形成されており、
    前記上部クラッド層の上には、上部の電極が形成されており、
    前記一方の面とは反対の前記半導体基板の他方の面には、下部の電極が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザ。
  4. 前記上部の電極は、前記第1の領域に形成されており、前記第2の領域には形成されていないことを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ。
  5. 前記下部の電極は、前記第1の領域に形成されており、前記第2の領域には形成されていないことを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ。
  6. 前記上部の電極及び前記下部の電極は、前記第1の領域及び前記第2の領域に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ。
  7. 前記上部の電極は分割されており、
    前記第1の領域には第1の上部の電極が形成されており、
    前記第2の領域には第2の上部の電極が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ。
  8. 前記活性層は前記第1の領域に形成されており、
    前記第2の領域には、前記活性層において発光した光が伝播する光導波路層が形成されており、
    光導波路層の組成波長は、前記活性層のPL波長よりも短いことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の半導体レーザ。
  9. 前記第1の領域よりも前記一方の端面の側には、第3の領域が形成されており、
    前記第3の領域には、回折格子が形成されていないことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の半導体レーザ。
  10. 光の伝播方向における前記第3の領域の長さは、前記第1の領域よりも短いことを特徴とする請求項9に記載の半導体レーザ。
  11. 前記第2の回折格子層における周期の前記所定の範囲内の上限と下限との差は、0.77nm以上、3.85nm以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の半導体レーザ。
  12. 前記第2の回折格子層により形成される回折格子は、所定の範囲内の波長の光の一部を反射するものであって、
    前記所定の範囲内における反射率は、1%以上5%以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の半導体レーザ。
  13. 前記第2の回折格子層により形成される回折格子により前記反射率で反射される光の波長範囲の上限と下限の差は、5nm以上、25nm以下であることを特徴とする請求項12に記載の半導体レーザ。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載の半導体レーザと、
    前記半導体レーザより出射されたレーザ光が入射する光変調器と、
    前記光変調器に入射したレーザ光を光変調する光変調器駆動回路と、
    を有し、
    前記光変調器において光変調されたレーザ光を出力光信号として出射することを特徴とする光通信装置。


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