JP2019160778A - 燃料電池スタックの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池セルに供給されるガスについての圧損をスタック端部で調整する新たな圧損調整手法を提供する。【解決手段】燃料電池セルごとに圧損値を取得し、取得圧損値が圧損値設計公差範囲に含まれる1次規格範囲に属する燃料電池セルをセル積層用のパレットに積層するセル第1積層処置を、予め規定した未積層セル数の分だけセル積層総数より少ない積層回数に亘って繰り返す。また、前記セル第1積層処置で前記パレットに積層済み燃料電池セルについての前記取得圧損値から得られる統計量を用いて、前記1次規格範囲とは異なる2次規格範囲を規定する。そして、燃料電池セルごとに圧損値を取得し、取得圧損値が2次規格範囲に属する燃料電池セルをパレットに追加して積層するセル第2積層処置を未積層セル数の積層回数に亘って繰り返す。【選択図】図6

Description

本発明は、燃料電池スタックの製造方法に関する。
燃料電池スタックは、複数の燃料電池セルを積層して備え、各燃料電池セルには、燃料ガス(例えば、水素)と酸化剤ガス(例えば、空気)が供給される。燃料電池セルの発電状況は、ガスの供給量等により変動し得るので、それぞれの燃料電池セルへのガスの供給状況を均等とすることが望ましい。しかしながら、燃料電池スタックでは、燃料電池セルの積層方向に沿ったガス供給路におけるガス供給側と反対側のスタック端部ほどガス中の燃料成分や酸素の量が少なくなり、燃料電池セルの積層箇所によりガスの供給状況が相違する。こうしたことを踏まえ、燃料電池セルに供給されるガスについての圧損をスタック端部で小さくする圧損調整手法が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2005−56671号公報
上記の圧損調整手法では、流路断面積や流路形状を変えて圧損が異なる多種類の燃料電池セルを製造することを前提とするので、圧損ごとのセル製造機器、或いは圧損ごとの機器調整が必要となり、高コスト化や作業の繁雑化を招きかねない。
本発明は、上述の課題を踏まえてなされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)燃料電池スタックの製造方法の一形態は、複数の燃料電池セルが積層された燃料電池スタックの製造方法であって、前記燃料電池セルごとに圧損値を取得し、該取得した取得圧損値がセル製造の際の圧損値設計公差範囲に含まれる1次規格範囲に属する前記燃料電池セルをセル積層用のパレットに積層するセル第1積層処置を、予め規定した未積層セル数の分だけセル積層総数より少ない積層回数に亘って繰り返す工程と、前記セル第1積層処置で前記パレットに積層済み燃料電池セルについての前記取得圧損値から得られる統計量を用いて、前記1次規格範囲とは異なる2次規格範囲を規定する工程と、前記燃料電池セルごとに圧損値を取得し、該取得した圧損値が前記2次規格範囲に属する前記燃料電池セルを前記パレットに追加して積層するセル第2積層処置を、前記未積層セル数の積層回数に亘って繰り返す工程とを備える。
この形態の燃料電池スタックの製造方法では、1次規格範囲とは異なる2次規格範囲の上限値が1次規格の上限値より小さい圧損値となるよう取得圧損値から得られる統計量を用いて規定された場合には、燃料電池セルに供給されるガスについての圧損を、セル第2積層処置の繰り返しにより積層されたスタック端部で相対的に小さくすることができる。その一方、1次規格範囲とは異なる2次規格範囲の下限値が1次規格の下限値より大きい圧損値となるよう取得圧損値から得られる統計量を用いて規定された場合には、燃料電池セルに供給されるガスについての圧損を、セル第2積層処置の繰り返しにより積層されたスタック端部で相対的に大きくすることができる。しかも、この形態の燃料電池スタックの製造方法によれば、こうした圧損調整を図るに当たり、圧損値設計公差に含まれる1次規格範囲の設定と、1次規格範囲とは異なる2次規格範囲を規定すれば良いので、圧損が異なる多種類の燃料電池セルを意図的に製造することが不要となり、コスト低減や作業の簡便化を図ることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、燃料電池スタックの形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての燃料電池スタックの製造方法で得られる燃料電池の概略構成を示す説明図である。 本実施形態の燃料電池スタックの製造方法を実施する上で用いるスタック製造装置の概略的な機器構成を示す説明図である。 スタック製造装置を用いたスタック製造プロセスの主要部手順を示す工程図である。 スタック製造プロセスの第1分岐手順を示す工程図である。 スタック製造プロセスの第2分岐手順を示す工程図である。 本実施形態の燃料電池スタックの製造方法で得られた燃料電池スタックにおける燃料電池セルごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。 圧損値設計公差範囲より狭小な1次規格範囲を用いた製造方法で得られた燃料電池スタックにおける燃料電池セルごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。 2次規格範囲の下限値を1次規格範囲の下限値より大きくした第2実施形態の製造方法で得られた燃料電池スタックにおける燃料電池セルごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。 2次規格範囲の上限値を算出圧損平均値より大きくした第3実施形態の製造方法で得られた燃料電池スタックにおける燃料電池セルごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。 2次規格範囲の上下限値を算出圧損平均値を用いて規定した第4実施形態の製造方法で得られた燃料電池スタックにおける燃料電池セルごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。 2次規格範囲を算出圧損平均値を用いて2段階に規定した第4実施形態の製造方法で得られた燃料電池スタックにおける燃料電池セルごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。
図1は本発明の一実施形態としての燃料電池スタックの製造方法で得られる燃料電池100の概略構成を示す説明図である。燃料電池100は、複数の燃料電池セル110が積層された燃料電池スタック110Sを一対のエンドプレート170F,170Eで挟持したスタック構造を有している。燃料電池100は、その一端側のエンドプレート170Fと燃料電池セル110との間に、絶縁板165Fを介在させてターミナルプレート160Fを有する。以下、エンドプレート170Fが配設された燃料電池100の一端側を、便宜上、前端側と称し、図における紙面左側の他端側を後端側と称する。
燃料電池100は、後端側のエンドプレート170Eと燃料電池セル110との間にも、同様に、後端側の絶縁板165Eを介在させて後端側のターミナルプレート160Eを有する。燃料電池セル110と、ターミナルプレート160F,160Eと、絶縁板165F,165Eおよびエンドプレート170F,170Eは、それぞれ、略矩形状の外形を有するプレート構造を有しており、長辺がX方向(水平方向)で短辺がY方向(垂直方向、鉛直方向)に沿うように配置されている。
燃料電池100は、前端側のエンドプレート170Fの側に、燃料ガスである水素ガスと酸化剤ガスである空気の供給用マニホールド116と排出用マニホールド117を備える。これらマニホールドは、図においては単一機構として示されているが、ガスごとに用意されている。また、それぞれの燃料電池セル110は、送り込まれた水素ガスと空気とをそれぞれのガスの供給用マニホールド116から燃料電池セル積層方向に送り込む供給孔を個別に備え、燃料電池セル内を通過した余剰の水素ガスと空気とを燃料電池セル積層方向に送り込む排出孔を、それぞれのガスの排出用マニホールド117に重ねて備える。つまり、水素ガスは、エンドプレート170Eの側から送り込まれて各燃料電池セルに供給された後、エンドプレート170Fの側の燃料電池セル110からリターンされて、余剰分がエンドプレート170Eの排出用マニホールド117から排出される。空気についても同様である。エンドプレート170Fとエンドプレート170Eの両者に給排用マニホールドを設け、反応ガス(水素ガス、空気)および冷却水を例えばエンドプレート170Fからそれぞれの燃料電池セル110に対して供給しつつ、それぞれの燃料電池セル110からの排出ガスおよび排出水を、エンドプレート170Eから排出する構成としてもよい。なお、燃料電池100は、冷却水の給排マニホールドも有するが、本発明の要旨と直接関係しないので、図1においては、その図示は省略されている。
前端側のターミナルプレート160Fおよび後端側のターミナルプレート160Eは、各燃料電池セル110の発電電力の集電板であり、図示しない集電端子から集電した電力を外部へ出力する。
本実施形態の燃料電池100は、燃料電池スタック110Sにおけるセル積層域の内、エンドプレート170Fの側のスタック端部の所定範囲、例えばセル積層総数の10%程度のセル数の燃料電池セル110を、後述の低圧損調整セル110tとする。本実施形態では、燃料電池スタック110Sにおいて200枚の燃料電池セル110を積層させることを想定しているので、低圧損調整セル110tのセル積層数を3〜20層の層数となるように予め規定して、この総数で低圧損調整セル110tを積層する。低圧損調整セル110tにおけるセル積層数は、本発明における未積層セル数に相当し、以下、低圧損調整セル110tにおけるセル積層数をスタック端部セル積層数と称する。
図2は本実施形態の燃料電池スタックの製造方法を実施する上で用いるスタック製造装置SMの概略的な機器構成を示す説明図である。スタック製造装置SMは、燃料電池セル110を製造するセル製造機器群SMGから搬入された燃料電池セル110の圧損値を、圧損測定機器SM1で取得する。圧損測定機器SM1は、搬送されてきた燃料電池セル110のアノード側およびカソード側のセル面にプレートを押し付け、例えばアノードにおけるセパレータ表面のガス流路に定流量のガスを送り込みながら、アノード側の圧損値をセルごとに取得する。セル製造機器群SMGは、セル製造過程において圧損測定機器SM1と同様の手法でアノード側の圧損値を計測し、その圧損値がセル製造の際の圧損値設計公差範囲(例えば、13.6〜16.4kPa)に含まれるものを良品セルとして、圧損測定機器SM1に搬入する。つまり、スタック製造装置SMは、アノード側の圧損値が圧損値設計公差範囲に含まれる燃料電池セル110の搬入を受け、後述するように、そのセルを積層して燃料電池スタック110Sを製造する。なお、セル製造機器群SMGにおいてセルごとに圧損値が計測され、その計測結果がバーコード等にてセルに表記されるのであれば、圧損測定機器SM1では、バーコード等から圧損値を読み出すようにすればよい。
アノード側の圧損値が取得された燃料電池セル110は、セル積層アームSM2に受け渡されて吸引され、このセル積層アームSM2によりセル積層用の第1パレットP1、或いは第2パレットP2に搬送されて、該当するパレットに積層される。セル積層アームSM2によるセル搬送と積層は、制御装置SM3が実行制御する後述のスタック製造プロセスに従ってなされる。
制御装置SM3は、論理演算を実行するCPUやROM、RAM等を備えたいわゆるマイクロコンピュータで構成され、規定のプログラムを実行することで、セル積層アームSM2によるセル搬送と積層の制御の他、圧損測定機器SM1で取得した圧損値の記憶や積算、セル製造機器群SMGへのセル搬入指令の出力等をなす。
図3はスタック製造装置SMを用いたスタック製造プロセスの主要部手順を示す工程図である。図4はスタック製造プロセスの第1分岐手順を示す工程図である。図5はスタック製造プロセスの第2分岐手順を示す工程図である。
図3に示すスタック製造プロセスは、制御装置SM3が規定のプログラムを実行することで繰り返し進行し、制御装置SM3は、まず、スタック製造装置SMの圧損測定機器SM1に燃料電池セル110を搬入する(ステップS200)。このセル搬入は、制御装置SM3からセル製造機器群SMGへのセル搬入指令によってなされる。圧損測定機器SM1は、搬入を受けた燃料電池セル110についてのアノード側の圧損値を計測して取得し、取得した圧損値を制御装置SM3に出力する(ステップS210)。制御装置SM3は、出力を受けた圧損値を、燃料電池セル110を特定するセル番号と対応付けて記憶する。以下、説明の便宜上、ステップS210で取得した圧損値を取得圧損値と、適宜、称する。
圧損値の取得に続き、制御装置SM3は、規格変更フラグFcが値1であるか否かを判定する(ステップS220)。この規格変更フラグFcは、搬入済み燃料電池セル110の圧損値の対比規格を変更した旨を示すフラグであり、後述の規格変更タイミング(ステップS300)でセットされる。そして、規格変更フラグFcは、値ゼロであれば、搬入済み燃料電池セル110の圧損値を対比する対比規格範囲を1次規格範囲に設定することを示し、値1であれば、搬入済み燃料電池セル110の圧損値を対比する対比規格範囲を2次規格範囲に設定することを示す。1次規格範囲は、セル製造の際の圧損値設計公差範囲に含まれる圧損値範囲であり、圧損値設計公差範囲と同じとすることも、圧損値設計公差範囲より狭小とすることもできる。以下では、1次規格範囲は圧損値設計公差範囲と同じであることを前提に各手順を説明し、1次規格範囲が圧損値設計公差範囲より狭小である場合については後述する。
制御装置SM3は、ステップS220において規格変更フラグFcの値が値1ではないと否定判定すると、搬入済み燃料電池セル110の圧損値を対比する対比規格範囲を1次規格範囲に設定する(ステップS230)。その一方、制御装置SM3は、ステップS220において規格変更フラグFcの値が値1であると判定すると、搬入済み燃料電池セル110の圧損値を対比する対比規格範囲を2次規格範囲に設定する(ステップS240)。
規格変更フラグFcに応じた対比規格範囲の設定に続き、制御装置SM3は、搬入済み燃料電池セル110の圧損値がステップS230或いはステップS240で設定された対比規格範囲に属するか否かを判定する(ステップS250)。図3に示すスタック製造プロセスの開始当初は、図2に示す第1パレットP1および第2パレットP2にセル積層総数(200枚)の燃料電池セル110は未積層であり、積層済みセル数は、図1に示す低圧損調整セル110tのスタック端部セル積層数をセル積層総数から減算したセル数にも達していない。規格変更フラグFcは、後述するように、積層済みセル数がセル積層総数から低圧損調整セル110tについてのスタック端部セル積層数を減算したセル数に達した時点でセットされるので、図3に示すスタック製造プロセスの開始当初は、規格変更フラグFcは初期値(=0)のままである。よって、現時点のステップS250では、搬入済み燃料電池セル110の圧損値は、ステップS230で対比規格範囲に設定された1次規格範囲に属するか否かが判定される。
既述したように、セル製造機器群SMGからは、アノード側の圧損値が圧損値設計公差範囲に含まれる燃料電池セル110しかスタック製造装置SMに搬入されない。そして、対比規格範囲に設定された1次規格範囲は圧損値設計公差範囲と同じなので、ステップS250では、搬入済み燃料電池セル110の圧損値が1次規格範囲に属すると肯定判定される。この肯定判定に続き、制御装置SM3は、搬入済み燃料電池セル110を、セル積層アームSM2(図2参照)によりメインパレットに搬送して当該パレットに積層する(ステップS260)。ステップS210での圧損値の取得と、ステップS250での搬入済み燃料電池セル110の圧損値と1次規格範囲との対比判定と、この判定に基づいたステップS260でのパレット積層は、本発明におけるセル第1積層処置に相当する。なお、1次規格範囲が圧損値設計公差範囲より狭小である場合には、ステップS250において、搬入済み燃料電池セル110の圧損値が1次規格範囲に属さないと判定されることもあるが、これについては後述する。
メインパレットは、図3に示すスタック製造プロセスの開始時において、図2に示す第1パレットP1に設定されていることから、搬入済み燃料電池セル110は、第1パレットP1に積層される。そのセル積層に伴い、制御装置SM3は、セル積層数をカウントアップし、次いで、積層済み燃料電池セル110についての圧損値を、セル積層数と共に積算して記憶する(ステップS270)。
メインパレットたる第1パレットP1へのセル積層に続き、制御装置SM3は、第1パレットP1への積層済みセル数がセル積層総数からスタック端部セル積層数を減算したセル数、即ち図1に示す低圧損調整セル110tを除くセル積層数に達したか否かの判定(ステップS280)を行う。図3に示すスタック製造プロセスの開始当初は、既述したように、積層済みセル数は、セル積層総数からスタック端部セル積層数を減算したセル数に達していない。よって、制御装置SM3は、ステップS280での否定判定を経て、ステップS200のセル搬入を改めて実行し、その後、規格変更フラグFcに基づいた対比規格範囲の規定からステップS280での積層済みセル数の判定までの処理を繰り返す。これにより、第1パレットP1への積層済みセル数がセル積層総数からスタック端部セル積層数を減算したセル数に達するまでの積層回数に亘って、ステップS210の圧損値の取得からステップS260のパレット積層までのセル第1積層処置が繰り返されることになる。
上記したセル第1積層処置の繰り返しにより、ステップS280では、第1パレットP1への積層済みセル数がセル積層総数からスタック端部セル積層数を減算したセル数に達したと肯定判定される。こうなると、制御装置SM3は、規格変更フラグFcが値1であるか否かを改めて判定する(ステップS290)。上記したセル第1積層処置の繰り返しの過程において、規格変更フラグFcは初期値(=0)のままであるので、制御装置SM3は、ステップS290での否定判定を経て、2次規格範囲の設定と、規格変更フラグFcへの値1のセットとを行う(ステップS300)。
ステップS300での2次規格範囲の設定は、次のようになされる。制御装置SM3は、ステップS200でのセル搬入を伴うセル第1積層処置の繰り返しにより第1パレットP1に積層済みの燃料電池セル110についての圧損値の積算結果を読み出し、積層済み燃料電池セル110の圧損値の平均値を算出する。そして、2次規格範囲を、算出した圧損平均値より小さい圧損値、例えば算出圧損平均値より1%ほど小さい圧損値を上限とする規格範囲に規定する。こうして規定された2次規格範囲は、1次規格範囲の上限値(16.4kPa)より小さい圧損値を上限値(例えば、15.0kPa)とするので、圧損値設計公差範囲に含まれた上で、既述した1次規格範囲とは異なる規格範囲となる。また、2次規格範囲の上記した上限値は、セル第1積層処置で第1パレットP1に積層済み燃料電池セル110についての取得圧損値から得られる統計量の一つの圧損平均値を用いて規定されることになる。なお、2次規格範囲の上限値を規定するに当たり、圧損平均値より数%ほど小さい圧損値を上限としたりしてもよい。また、2次規格範囲の下限値は、1次規格範囲の下限値と同じとしてもよいほか、1次規格範囲の下限値より大きくしてもよい。
2次規格範囲の規定に続き、制御装置SM3は、第1パレットP1への積層済みセル数がセル積層総数に達したか否かを判定する(ステップS310)。ステップS300で2次規格範囲の設定がなされた状況では、第1パレットP1への積層済みセル数がセル積層総数からスタック端部セル積層数を減算したセル数に達しているものの、セル積層総数には達していない。よって、制御装置SM3は、ステップS310での否定判定を経て、ステップS200のセル搬入を改めて実行し、その後、規格変更フラグFc(=1)に基づいて対比規格範囲を2次規格範囲に規定した上で(ステップS240)、この2次規格範囲に搬入済み燃料電池セル110の圧損値が属するか否かの判定(ステップS250)を行う。
ステップS300での2次規格範囲の規定がなされた以降のステップS250では、搬入済み燃料電池セル110の圧損値が圧損値設計公差範囲(=1次規格範囲)であっても、2次規格範囲の上限値が圧損平均値より小さい圧損値であることから、搬入済み燃料電池セル110の圧損値が2次規格範囲に属さないと判定され得る。このように判定されると、制御装置SM3は、図4に示すステップS320に移行して、搬入済み燃料電池セル110を、セル積層アームSM2(図2参照)によりサブパレットたる第2パレットP2に搬送して当該パレットに積層する。そして、制御装置SM3は、第2パレットP2へのセル積層に伴いセル積層数をカウントアップした上で、第2パレットP2に積層済み燃料電池セル110についての圧損値を、第2パレットP2におけるセル積層数と共に積算して記憶する(ステップS330)。この圧損値の積算記憶は、メインパレットたる第1パレットP1に積層済みの燃料電池セル110についての圧損値の積算記憶とは別になされる。
制御装置SM3は、サブパレットたる第2パレットP2に積層済み燃料電池セル110についての圧損値の記憶に続き、改めてステップS200に移行してセル搬入を実行する。その後は、ステップS240での規格変更フラグFc(=1)に基づいた対比規格範囲の規定と、ステップS250での2次規格範囲に対する搬入済み燃料電池セル110の圧損値の対比判定を行う。この場合であっても、搬入済み燃料電池セル110の圧損値が2次規格範囲に属さないと判定され得るので、制御装置SM3は、既述したように搬入済み燃料電池セル110の第2パレットP2への搬送・積層(ステップS320)と、第2パレットP2への積層済み燃料電池セル110についての圧損値の積算・記憶(ステップS330)を行う。
その一方、ステップS300での2次規格範囲の設定を経てなされるステップS250での圧損値の対比判定、および、一旦、ステップS250で圧損値が2次規格範囲に属さないとされた以降のステップS250での圧損値の対比判定において、搬入済み燃料電池セル110の圧損値が2次規格範囲に属すると肯定判定すると、制御装置SM3は、ステップS260に移行する。これにより、新たに搬入済みの燃料電池セル110は、それまでにメインパレットたる第1パレットP1に積層済みの燃料電池セル110に、セル積層アームSM2により追加して積層される。ステップS300での2次規格範囲の設定を経た以降のステップS210での圧損値の取得と、ステップS250での搬入済み燃料電池セル110の圧損値と2次規格範囲との対比判定と、この判定に基づいたステップS260でのパレット積層は、本発明におけるセル第2積層処置に相当する。
制御装置SM3は、新たに搬入済みの燃料電池セル110の追加・積層に伴い、セル積層数をカウントアップし、次いで、積層済み燃料電池セル110についての圧損値を、セル積層数と共に積算して記憶する(ステップS270)。なお、ステップS300での2次規格範囲の設定を経た以降においては、ステップS270での圧損値記憶を省略してもよい。これは、ステップS300での2次規格範囲の設定を一旦経れば、それ以降の第1パレットP1へのセル積層の過程で、2次規格範囲を再設定することが無いからである。
新たに搬入済みの燃料電池セル110の追加・積層に続き、制御装置SM3は、ステップS280において、第1パレットP1への積層済みセル数がセル積層総数からスタック端部セル積層数を減算したセル数に達したか否かの判定を行う。ステップS300での2次規格範囲の設定を経た以降のステップS280では、積層済みセル数はセル積層総数からスタック端部セル積層数を減算したセル数に達しているので、制御装置SM3は、ステップS280の肯定判定を経て、規格変更フラグFcが値1であるか否かの判定(ステップS290)を行う。ステップS300での2次規格範囲の設定を経た以降においては、規格変更フラグFcは値1にセット済みであることから、ステップS290での肯定判定によりステップS300がスキップされ、制御装置SM3は、第1パレットP1への積層済みセル数がセル積層総数に達したか否かの判定(ステップS310)を実行する。ステップS300での2次規格範囲の設定を経てステップS200のセル搬入に移行した製造プロセスの過程であっても、その当初は、積層済みセル数は、セル積層総数に達していないので、制御装置SM3は、ステップS310での否定判定を経て、ステップS200のセル搬入を改めて実行し、その後、規格変更フラグFcに基づいた対比規格範囲の規定からステップS310での積層済みセル数の判定までを処理を繰り返す。これにより、新たに搬入済みの燃料電池セル110の第1パレットP1への追加・積層を伴う第2積層処置が、第1パレットP1への積層済みセル数がセル積層総数に達するまでのスタック端部セル積層数に亘って繰り返されることになる。これにより、メインパレットたる第1パレットP1には、燃料電池セル110がセル積層総数の層数で積層され、燃料電池スタック110Sが得られる。
上記したセル第2積層処置の繰り返しにより、ステップS310では、第1パレットP1への積層済みセル数がセル積層総数に達したと肯定判定される。このように肯定判定されると、制御装置SM3は、図5に示すステップS340に移行して、メインパレットたる第1パレットP1を搬出する。このパレット搬出は、図2に図示を省略したパレット搬送装置によりなされ、それまで第1パレットP1が配置されていたパレットポジションには、パレットがないことになる。また、パレット搬出先では、燃料電池スタック110Sが、第1パレットP1にセル積層総数で燃料電池セル110が積層された状態で得られる。
制御装置SM3は、次なるパレットへの燃料電池セル110の新たな積層に備え、パレット搬出に続き、ステップS300で設定済みの2次規格範囲をクリアすると共に、規格変更フラグFcについてもこれを値ゼロにリセットする(ステップS350)。これにより、次なるパレットへの燃料電池セル110の新たな積層は、1次規格範囲との対比結果に応じてなされることになる。
2次規格範囲のクリアに続き、制御装置SM3は、それまでサブパレットとして扱っていた第2パレットP2をメインパレットとしての扱いに変更する(ステップS360)。第2パレットP2には、2次規格範囲に属さないものの圧損値設計公差範囲(=1次規格範囲)に圧損値が含まれる燃料電池セル110がステップS320により既に積層されている。よって、この第2パレットP2をメインパレットとして取り扱うことで、第2パレットP2に積層済みの燃料電池セル110を、次回の燃料電池スタック110Sの製造に用いることができる。具体的な処置は、規格変更フラグFcがリセット状態なために、ステップS230での1次規格範囲との圧損値対比により燃料電池セル110が搬送されるパレットを、第1パレットP1から第2パレットP2に変更する。つまり、ステップS260において、セル積層アームSM2により搬送される燃料電池セル110の搬送先パレットを、第2パレットP2とし、この第2パレットP2をメインパレットとする。これに加え、第1パレットP1に積層された燃料電池セル110についてステップS270で記憶していた圧損値を破棄し、第2パレットP2に積層済みの燃料電池セル110についてステップS330において記憶していた圧損値を、ステップS270で記憶済みの圧損値に校正する。
サブパレットの取扱いの変更に続き、制御装置SM3は、ステップS340で排出された第1パレットP1に代わる空パレットのセル積層ポジションへの搬入を待機する(ステップS370)。そして、制御装置SM3は、空パレットの搬入がなされると、ステップS200のセル搬入を改めて実行し、その後、規格変更フラグFc(=0)に基づいて対比規格範囲を1次規格範囲に規定した上で(ステップS230)、ステップS250以降の各処理を既述したように実行する。これにより、第2パレットP2についても、既述した手順で燃料電池セル110が順次積層される。
図6は本実施形態の燃料電池スタックの製造方法で得られた燃料電池スタック110Sにおける燃料電池セル110ごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。既述したスタック製造プロセスでは、対比規格範囲を1次規格範囲とした1次セル積層処置がセル積層当初から繰り返されるので、燃料電池セル110の圧損値は、1次規格範囲においてセル積層順に分散する。そして、積層済みセル数がセル積層総数(=200)セル積層総数から低圧損調整セル110tについてのスタック端部セル積層数(=15)を減算したセル数(=185)に達すると、対比規格範囲が2次規格範囲とした2次セル積層処置に切り換わり、この2次セル積層処置がスタック端部セル積層数(=15)に亘って繰り返される。これにより、スタック端部では、燃料電池セル110の圧損値は、2次規格範囲の上限値以下の範囲でセル積層順に分散し、スタック端部のセル積層域において、相対的に低下する。こうして圧損値の低下したセル積層域の燃料電池セル110が低圧損調整セル110tとなる。
図7は圧損値設計公差範囲より狭小な1次規格範囲を用いた製造方法で得られた燃料電池スタック110Sにおける燃料電池セル110ごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。例えば、1次規格範囲の下限値を圧損値設計公差範囲の中央値とすると、1次規格範囲は圧損値設計公差範囲の上限側のほぼ半分域となる。このような1次規格範囲を用いた1次セル積層処置の繰り返し過程では、図7に示すように、1次規格範囲の下限値である圧損値設計公差範囲の中央値を下回る圧損値の分布は見られず、燃料電池セル110の圧損値は、圧損値設計公差範囲の上限側のほぼ半分域に相当する1次規格範囲において分散する。よって、この場合の積層済み燃料電池セル110の圧損値の平均値は、1次規格範囲を圧損値設計公差範囲と同じとした場合より大きくなる。
この1次セル積層処置の繰り返し過程においても、圧損値が圧損値設計公差範囲の中央値より小さい燃料電池セル110は搬入されるが、この燃料電池セル110は、1次セル積層処置の繰り返し過程におけるステップS250の否定判定に続くステップS340にて、サブプレートたる第2パレットP2に積層される。こうして第2パレットP2に積層された燃料電池セル110は、対比規格範囲を2次規格範囲とした2次セル積層処置の繰り返し過程で第2パレットP2に積層された燃料電池セル110と共に、次回の燃料電池スタック110Sの製造に用いられる。
積層済みセル数がセル積層総数(=200)セル積層総数から低圧損調整セル110tについてのスタック端部セル積層数(=15)を減算したセル数(=185)に達した以降の2次セル積層処置の繰り返しにより、スタック端部では、燃料電池セル110の圧損値は、2次規格範囲の上限値以下の範囲で分散し、スタック端部のセル積層域において、相対的に低下する。こうして圧損値の低下したセル積層域の燃料電池セル110が低圧損調整セル110tとなる。
以上説明した本実施形態の燃料電池スタックの製造方法では、図6と図7に示すように、対比規格範囲を1次規格範囲とした1次セル積層処置の繰り返しにより、積層済みセル数がセル積層総数(=200)セル積層総数からスタック端部セル積層数(=15)を減算したセル数(=185)までに亘るセル積層域は、圧損値が1次規格範囲において分散したセル積層形態となる。そして、対比規格範囲を、1次セル積層処置の繰り返しで得られたセル積層域における圧損平均値より小さい圧損値を上限とする2次規格範囲とした上で、この2次規格範囲を用いた2次セル積層処置のスタック端部セル積層数(=15)に亘る繰り返しにより、スタック端部では、燃料電池セル110の圧損値を、2次規格範囲の上限値以下の範囲で分散させ、このセル積層域の燃料電池セル110を低圧損値(低圧損特性)の低圧損調整セル110tとする。こうしたセル積層により得られた燃料電池スタック110Sでは、燃料電池セル110に供給されるガスについての圧損は、スタック端部で相対的に小さくなる。そして、本実施形態の燃料電池スタックの製造方法によれば、スタック端部で圧損を小さくする圧損調整を図るに当たり、圧損値設計公差に含まれる1次規格範囲の設定と、この1次規格範囲より上限値が小さい2次規格範囲の設定とを行えば良いので、圧損が異なる多種類の燃料電池セルの意図的な製造が不要となり、コスト低減や作業の簡便化を図ることができる。
本実施形態の燃料電池スタックの製造方法では、用いるスタック製造装置SMが複数パレットへのセル積層が可能なスペックであれば足りるので、既存設備を流用して、スタック端部で圧損値が相対的に小さい燃料電池スタック110Sを容易、且つ、安価に製造できる。
図8は2次規格範囲の下限値を1次規格範囲の下限値より大きくした第2実施形態の製造方法で得られた燃料電池スタック110Sにおける燃料電池セル110ごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。既述した実施形態では、2次規格範囲を算出圧損平均値より小さい圧損値を上限とする規格範囲に規定し、その下限値については、1次規格範囲と同じとしたが、第2実施形態では、2次規格範囲の下限値を1次規格範囲の下限値より大きくした。図8に示す第2実施形態の圧損値分布の燃料電池スタック110Sを得るに当たっては、図2のステップS300において2次規格範囲を規定する際に、その上限値と共に、下限値も規定すればよい。例えば、2次規格範囲の下限値を、1次規格範囲の下限値より数%大きな圧損値とする。こうすれば、スタック端部では、算出圧損平均値より1%ほど小さい圧損値である2次規格範囲の上限値以下で、且つ、1次規格範囲の下限値より数%大きな圧損値である2次規格範囲の下限値以上の圧損値の燃料電池セル110が積層される。このように2次規格範囲の下限値を1次規格範囲の下限値より大きくすれば、スタック端部で積層された燃料電池セル110の圧損値分布を狭くできる。こうして規定した2次規格範囲は、1次規格範囲の下限値より大きい圧損値を下限とするので、1次規格範囲より狭い規格範囲となる。そして、このような圧損値分布を持つ燃料電池スタック110Sを得るに当たり、圧損が異なる多種類の燃料電池セルの意図的な製造が不要となり、コスト低減や作業の簡便化を図ることができる。
図9は2次規格範囲の上限値を算出圧損平均値より大きくした第3実施形態の製造方法で得られた燃料電池スタック110Sにおける燃料電池セル110ごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。既述した実施形態では、ステップS300での2次規格範囲の設定において、算出圧損平均値より小さい圧損値を上限とする規格範囲を2次規格範囲として規定したが、第3実施形態では、算出圧損平均値より大きい圧損値を下限とする規格範囲を2次規格範囲として規定した。図9に示す第3実施形態の圧損値分布の燃料電池スタック110Sを得るに当たっては、図2のステップS300において2次規格範囲を規定する際に、2次規格範囲の下限値を算出圧損平均値より大きい圧損値とする。こうして規定した2次規格範囲は、その下限値が1次規格範囲の下限値より大きい圧損値であることから、1次規格範囲より狭い規格範囲となる。この2次規格範囲に含まれる燃料電池セル110を積層したスタック端部では、燃料電池セル110の圧損値を、算出圧損平均値より大きい圧損値である2次規格範囲の下限値以上の範囲で分散させ、このセル積層域の燃料電池セル110を高圧損値の調整セルとできる。よって、セル積層により得られた燃料電池スタック110Sでは、燃料電池セル110に供給されるガスについての圧損を、スタック端部で相対的に大きくできる。スタック端部で高圧損値(高圧損特性)の燃料電池セル110を積層すれば、高圧損値への調整がなされたセル端部の燃料電池セル110を、発電監視用の燃料電池セルとできる。そして、このような圧損値分布を持つ燃料電池スタック110Sを得るに当たり、圧損が異なる多種類の燃料電池セルの意図的な製造が不要となり、コスト低減や作業の簡便化を図ることができる。
図10は2次規格範囲の上下限値を算出圧損平均値を用いて規定した第4実施形態の製造方法で得られた燃料電池スタック110Sにおける燃料電池セル110ごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。既述した実施形態では、ステップS300での2次規格範囲の設定において、算出圧損平均値より小さい圧損値を上限とする規格範囲を2次規格範囲として規定したが、第4実施形態では、算出圧損平均値の±2%の範囲を2次規格範囲として規定した。図10に示す第4実施形態の圧損値分布の燃料電池スタック110Sを得るに当たっては、図2のステップS300において2次規格範囲を規定する際に、2次規格範囲の上限値を算出圧損平均値の1.02倍の圧損値とし、下限値を算出圧損値の0.98倍の圧損値とする。こうして規定した2次規格範囲は、その下限値が1次規格範囲の下限値より大きく、上限値も1次規格範囲より小さい圧損値であることから、1次規格範囲より狭い規格範囲となる。この2次規格範囲に含まれる燃料電池セル110を積層したスタック端部では、燃料電池セル110の圧損値を、算出圧損平均値の±2%の範囲で分散させ、このセル積層域の燃料電池セル110を算出圧損平均値に近似した圧損値が並んだ調整セルとできる。よって、セル積層により得られた燃料電池スタック110Sでは、燃料電池セル110に供給されるガスについての圧損を、スタック端部で相対的に算出圧損平均値に近似させることができる。そして、このような圧損値分布を持つ燃料電池スタック110Sを得るに当たり、圧損が異なる多種類の燃料電池セルの意図的な製造が不要となり、コスト低減や作業の簡便化を図ることができる。
図11は2次規格範囲を算出圧損平均値を用いて2段階に規定した第4実施形態の製造方法で得られた燃料電池スタック110Sにおける燃料電池セル110ごとの圧損値の分布の様子を示す説明図である。この第4実施形態では、算出圧損平均値の±4%の範囲を前半2次規格範囲として規定し、算出圧損平均値の±2%の範囲を後半2次規格範囲として規定した。前半2次規格範囲の圧損値で積層するセル枚数は、2次積層処置の対象となるスタック端部における181層目のセルから197層目のセルまでの17枚とし、後半2次規格範囲の圧損値で積層するセル枚数は、2次積層処置の対象となるスタック端部における198層目のセルから200層目のセルまでの3枚とした。図11に示す第4実施形態の圧損値分布の燃料電池スタック110Sを得るに当たっては、図2のステップS300において2次規格範囲を規定する際に、前半2次規格範囲の上限値を算出圧損平均値の1.04倍の圧損値とし、下限値を算出圧損値の0.96倍の圧損値とする。後半2次規格範囲の設定は、前半2次規格範囲に含まれる圧損値の燃料電池セル110が上記した17枚積層された後に、図2のステップS300において、その上限値が算出圧損平均値の1.02倍の圧損値となり、下限値が算出圧損値の0.98倍の圧損値となるように規定する。こうして規定した前後半の2次規格範囲は、その下限値が1次規格範囲の下限値より大きく、上限値も1次規格範囲より小さい圧損値であることから、1次規格範囲より狭い規格範囲となる。この前後半の2次規格範囲に含まれる燃料電池セル110を積層したスタック端部では、燃料電池セル110の圧損値を、算出圧損平均値の±2%の範囲で分散させ、このセル積層域の燃料電池セル110を中圧損値の調整セルとできる。よって、セル積層により得られた燃料電池スタック110Sでは、燃料電池セル110に供給されるガスについての圧損を、181層目のセルから197層目のセルまでについて相対的に算出圧損平均値に近似させ、198層目のセルから200層目のセルまでについては、その圧損をより一層と算出圧損平均値に近似させることができる。そして、このような圧損値分布を持つ燃料電池スタック110Sを得るに当たり、圧損が異なる多種類の燃料電池セルの意図的な製造が不要となり、コスト低減や作業の簡便化を図ることができる。
図11に示した圧損値分布の燃料電池スタック110Sを、200層目の燃料電池セル110が図1におけるエンドプレート170Eの側となるようにした燃料電池100では、次の利点がある。この燃料電池100は、前後半の2次規格の圧損値とした燃料電池セル110が積層されたスタック端部をエンドプレート170Eの側に備える。エンドプレート170Eの側においては、スタック端部の燃料電池セル110がガス流入に対して奥側に位置するので、このスタック端部の燃料電池セル110には、ガスが入り難くなる。しかしながら、図11に示した圧損値分布の燃料電池スタック110Sでは、ガスが入り難い側のスタック端部の燃料電池セル110を、181〜197層目までは算出圧損平均値の±4%の範囲の圧損値とし、198〜200層目の燃料電池セル110の圧損値を算出圧損平均値の±2%の範囲とするので、エンドプレート170Eの側のスタック端部の燃料電池セル110についても、ガスが流入しやすくできる。また、198〜200層目の燃料電池セル110では、最端部である故に、生成水が溜まり易くなり勝ちであるが、算出圧損平均値の±2%の範囲の圧損値に揃えることで、生成水を貯まりにくくできる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
既述した実施形態では、第1パレットP1と第2パレットP2とをメインパレットとサブパレットとして用いるようにしたが、複数のパレットにセル積層を行うようにしてもよい。例えばは、第1パレットP1をツーパレット準備し、これらをセル積層当初にはメインパレットとして取扱い、同じくツーパレット準備した第2パレットP2をサブパレットとして取り扱えばよい。
既述した実施形態では、アノード側の圧損値を取得したが、カソード側の圧損値を取得して圧損調整を図るようにしてもよい。冷却水の流路についての圧損値を取得して圧損調整を図るようにしてもよい。
既述した実施形態では、2次規格範囲を規定するに当たり、第1パレットP1に積層済みの燃料電池セル110について取得した取得圧損値から算出した圧損平均値を用いたが、この取得圧損値から得られる他の統計量を用いてもよい。例えば、第1パレットP1に積層済みの燃料電池セル110について取得した圧損値の中央値や最頻値といった統計量を用いて、2次規格範囲を規定してもよい。この他、第1パレットP1に積層済みの燃料電池セル110について取得した圧損値の最大値を上限とし、既述した圧損平均値を下限とするよう2次規格範囲を規定したり、第1パレットP1に積層済みの燃料電池セル110について取得した圧損値の最小値を下限とし、既述した圧損平均値を上限とするよう2次規格範囲を規定してもよい。
既述した実施形態では、スタック端部セル積層数を15〜20としたが、スタック端部セル積層数を10程度としてもよい。
100…燃料電池、110…燃料電池セル、110S…燃料電池スタック、110t…低圧損調整セル、116…供給用マニホールド、117…排出用マニホールド、160E、160F…ターミナルプレート、165E、165F…絶縁板、170F、170E…エンドプレート、P1…第1パレット、P2…第2パレット、SM…スタック製造装置、SM1…圧損測定機器、SM2…セル積層アーム、SM3…制御装置、SMG…セル製造機器群

Claims (1)

  1. 複数の燃料電池セルが積層された燃料電池スタックの製造方法であって、
    前記燃料電池セルごとに圧損値を取得し、該取得した取得圧損値がセル製造の際の圧損値設計公差範囲に含まれる1次規格範囲に属する前記燃料電池セルをセル積層用のパレットに積層するセル第1積層処置を、予め規定した未積層セル数の分だけセル積層総数より少ない積層回数に亘って繰り返す工程と、
    前記セル第1積層処置で前記パレットに積層済み燃料電池セルについての前記取得圧損値から得られる統計量を用いて、前記1次規格範囲とは異なる2次規格範囲を規定する工程と、
    前記燃料電池セルごとに圧損値を取得し、該取得した圧損値が前記2次規格範囲に属する前記燃料電池セルを前記パレットに追加して積層するセル第2積層処置を、前記未積層セル数の積層回数に亘って繰り返す工程とを備える、
    燃料電池スタックの製造方法。
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