JP2009266458A - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池を組み立てる際の製造効率を向上させると共に、積層された単セルにおいて電圧低下を引き起こすガス不足を抑制する。
【解決手段】燃料電池の製造方法であって、次回候補単セルを用意する第1の工程と、次回候補単セルについて、圧損を反映する特性値を求める第2の工程と、既に積層した単セルがない場合には、次回候補単セルを最初の単セルとして用いて積層を開始する第3の工程と、既に積層した単セルがある場合には、次回候補単セルの特性値が、前回積層した単セルの特性値に基づいて定められた許容範囲に属するか否かを判定する第4の工程と、第4の工程において許容範囲に属すると判定された場合には、次回候補単セルを積層し、第4の工程において許容範囲に属しないと判定された場合には、次回候補単セルの積層を留保する第5の工程と、を備える複数の工程を繰り返し実行することにより、複数の単セルの積層を行なう。
【選択図】図4

Description

この発明は、燃料電池の製造方法に関する。
複数の単セルを積層して成る燃料電池においては、一般に、各単セル内部に形成されたガス流路は、燃料電池の積層方向に平行に形成されたガスマニホールドを介して、互いに並列に接続されている。このような燃料電池を構成する単セルのいずれかにおいて、供給されるガス量が不十分になると、この単セルにおいて電圧が低下して、燃料電池全体の性能が低下する可能性がある。そのため、一部の単セルにおけるガス不足に起因する性能低下を抑えるために、従来、種々の構成が提案されてきた。例えば、スタック中段部において、より高温であるために熱膨張に起因してガス濃度が低下し、ガス不足になる可能性に対応する方策として、上記中段部に位置する単セルにおいて、単セルが備える集電体の空隙率をより大きくすることにより圧損を低くして、ガス量の確保を図る構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−86018 特開2005−142001
しかしながら、上記のように、燃料電池スタックの特定の部位に配置する単セルの圧損を、他の部位に配置する単セルの圧損と異ならせる場合には、一旦、燃料電池スタックを製造するために必要なすべての単セルを用意して、個々の単セルが備える集電体の空隙率を調べた上で、全体の積層順序を決定する必要がある。このように、必要な数の単セルを一旦用意した上で全体の配置を決定するため、製造効率を高めることが困難であり、製造効率をさらに向上可能となる製造方法が望まれていた。また、燃料電池スタックにおいて、特定の部位に配置する単セルを、他の部位に配置する単セルに比べて圧損を高くあるいは低くして、燃料電池全体として単セルの配置を規定しても、スタック中に含まれる単セルの一つでもガス不足が生じると、燃料電池全体の性能低下が引き起こされる。そのため、ガス不足に起因する電圧低下を抑制するためには、燃料電池スタックを構成するすべての単セルにおいてガス不足が生じないように、個々の単セルに対する供給ガス量が充分に担保されている必要がある。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池を組み立てる際の製造効率を向上させると共に、積層された単セルにおいて電圧低下を引き起こすガス不足を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実施することが可能である。
[適用例1]
複数の単セルを順次積層して成る燃料電池の製造方法であって、
次回に積層するための単セルとしての次回候補単セルを用意する第1の工程と、
前記次回候補単セルについて、単セル内部のガス流路をガスが流れる際の圧損を反映する特性値を求める第2の工程と、
既に積層した単セルがない場合には、前記次回候補単セルを最初の単セルとして用いて積層を開始する第3の工程と、
既に積層した単セルがある場合には、前記次回候補単セルの前記特性値が、前回積層した単セルの前記特性値に基づいて定められた許容範囲に属するか否かを判定する第4の工程と、
前記第4の工程において前記許容範囲に属すると判定された場合には、前記次回候補単セルを、前記前回積層した単セルの次に積層し、前記第4の工程において前記許容範囲に属しないと判定された場合には、前記次回候補単セルの積層を留保する第5の工程と、
を備える複数の工程を繰り返し実行することにより、複数の単セルの積層を行なう燃料電池の製造方法。
適用例1に記載の燃料電池の製造方法では、次回候補単セルの特性値が、前回積層した単セルの特性値に基づいて定められた許容範囲に属する場合に、次回候補単セルを積層するため、隣り合う単セル間の圧損差を抑え、燃料電池においていずれかの単セルに対するガス供給が不足することを抑制できる。これにより、供給ガス量不足に起因していずれかの単セルの電圧が低下し、電池性能が低下する不都合を抑制することができる。また、前回積層した単セルの特性値に基づいて定められた許容範囲に属しない特性値を示す単セル以外は、用意した単セルを順次積層することができるため、燃料電池の組み立てに必要な単セルの総数に関わらず、積層することなく保持する単セルの数を抑え、製造効率を向上させることが可能になる。
[適用例2]
適用例1に記載の燃料電池の製造方法であって、前記第1の工程は、積層を留保した留保単セルが既に存在する場合であって、直前に実行した前記第5の工程において単セルの積層を行なった場合には、前記次回候補単セルとして、前記留保単セルを用意する燃料電池の製造方法。適用例2記載の燃料電池の製造方法によれば、留保セルが存在するときには、この留保セルを次回候補単セルとして用いて、積層の可否の判断を再び行なうことにより、留保セルを積層に用いる機会を確保して留保セル数の増加を抑え、製造効率をさらに向上させることができる。
[適用例3]
適用例1または2記載の燃料電池の製造方法であって、前記第4の工程は、前記第2の工程で前記次回候補単セルについて求めた前記特性値が、前記特性値がとり得る値の範囲を分割して予め設定した複数の階級のいずれに属するかを求める工程を含むと共に、前記次回候補単セルについて求めた前記階級が、前記前回積層した単セルについて求めた前記階級との間で、連続した積層を許容できる組み合わせとして予め定められた階級の組み合わせに該当する場合には、前記許容範囲に属すると判定し、前記組み合わせに該当しない場合には、前記許容範囲に属しないと判定する燃料電池の製造方法。適用例3記載の燃料電池の製造方法によれば、前回積層した単セルに連続して次回候補単セルを積層可能か否かの判断を、特性値が属する階級に基づいて判断するため、具体的な数値を比較する必要がなく、積層の可否を判断する動作を簡素化することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、本発明の燃料電池の製造方法により製造した燃料電池などの形態で実現することが可能である。
A.燃料電池の構成:
図1は、本発明の好適な一実施例としての燃料電池を構成する単セル10の構成の概略を表わす分解斜視図である。また、図2は、単セル10を積層して成る燃料電池スタック15の外観を表わす斜視図である。
単セル10は、MEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)20と、ガス拡散層23,24と、ガスセパレータ25,26と、を備えている。ここで、MEA20は、電解質膜と、電解質膜の各々の面に形成された電極であるアノードおよびカソードと、によって構成される。このMEA20は、ガス拡散層23,24によって挟持されており、MEA20およびガス拡散層23,24から成るサンドイッチ構造は、さらに両側からガスセパレータ25,26によって挟持されている(ただし、ガス拡散層23は、ガス拡散層24が形成される面の裏面に配置されるため、図1では図示せず)。
MEA20を構成する電解質膜は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を示す。カソードおよびアノードは、触媒として、例えば白金、あるいは白金合金を備えており、これらの触媒を、導電性を有する担体上に担持させることによって形成されている。より具体的には、カソードおよびアノードは、例えば、上記触媒を担持したカーボン粒子と、電解質膜を構成する高分子電解質と同様の電解質と、を用いて作製した触媒インクを、電解質膜上、あるいはガス拡散層上に塗布することにより形成されている。
ガス拡散層23,24は、ガス透過性を有する導電性部材、例えば、カーボンペーパやカーボンクロスによって形成することができる。本実施例のガス拡散層23,24は、いずれも、全体として平坦な形状の板状部材である。このようなガス拡散層23,24は、電気化学反応に供されるガスの流路になると共に、集電を行なう。
ガスセパレータ25,26は、ガス不透過な導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンや、焼成カーボン、あるいはステンレス鋼などの金属材料により形成されている。ガスセパレータ25,26は、MEA20との間に形成される反応ガス(水素を含有する燃料ガスあるいは酸素を含有する酸化ガス)の流路の壁面を成す部材であって、その表面には、ガス流路を形成するための凹凸形状が形成されている。表面に溝62が形成されたガスセパレータ25とMEA20との間には、酸化ガスの流路であるセル内酸化ガス流路が形成される。また、表面に溝63が形成されたガスセパレータ26とMEA20との間には、燃料ガスの流路であるセル内燃料ガス流路が形成される。単セル10を組み立てる際には、MEA20の外周にシール部(図示せず)を配置して、単セル10内のガス流路のシール性を確保しつつ、ガスセパレータ25、26間を接合する。
ここで、ガスセパレータ25において、セル内酸化ガス流路を形成するための溝62が設けられた面の裏面には、凹部87が形成されている(ただし、ガスセパレータ25の裏面に形成されるため図1では図示せず)。同様に、ガスセパレータ26において、セル内燃料ガス流路を形成するための溝63が設けられた面の裏面には、凹部87が形成されている。これらの凹部87は、ガスセパレータ25,26上にガス拡散層23,24が配置される領域全体と重なる範囲にわたって形成されており、隣り合う単セル10間で、冷媒の流路を形成する。すなわち、複数の単セル10を積層して燃料電池を組み立てたときには、隣り合う一方の単セル10のガスセパレータ25に形成された凹部87と、隣り合う他方の単セル10のガスセパレータ26に形成された凹部87とが、丁度重なり合って、冷媒流路を形成する。
ガスセパレータ25,26は、その外周近くの互いに対応する位置に、複数の孔部を備えている。単セル10を複数積層して燃料電池を組み立てると、各セパレータの対応する位置に設けられた孔部は、互いに重なり合って、ガスセパレータの積層方向に燃料電池内部を貫通する流路を形成する。すなわち、孔部83〜86は、セル内ガス流路に対して反応ガスを供給・排出する給排ガス流路であるガスマニホールドを形成する。また、孔部81,82は、セル間冷媒流路に対して冷媒を供給・排出する冷媒マニホールドを形成する。
図2に示すように、本実施例の燃料電池は、複数の単セル10を積層して成るスタック構造を有し、単セル10の積層体の両端に、出力端子32,33を備える集電板30,31、絶縁板34,35、エンドプレート36,37を順次配置することによって形成される。上記集電板30、絶縁板34およびエンドプレート36には、ガスセパレータに設けた孔部83〜86に対応する位置に、孔部41〜46が設けられている。これらの孔部を介して、既述したマニホールドに対して、ガスあるいは冷媒の給排が行なわれる。なお、燃料電池スタック15は、単セル10の積層方向に所定の押圧力がかかった状態で保持されるが、図2では、単セル10の積層体に対して押圧力を加える構成については図示を省略している。
B.各単セルの圧損とスタック内でのガス分配:
以下に、各単セル10内に形成されるガス流路における圧損と、燃料電池スタック15内におけるガスの分配との関係について説明する。図3は、燃料電池スタック15内部におけるガス分配の例として、燃料電池内部で酸化ガスが分配される様子を平面的に表わす模式図である。燃料電池スタック15の外部から供給される酸化ガスは、最初に、ガスセパレータ25,26に設けられた孔部83が形成する酸化ガス供給マニホールド内に導かれる。そして、この酸化ガスマニホールドから、各単セル10へと分配される。具体的には、ガスセパレータ25に設けられた溝62によって形成される単セル内酸化ガス流路へと分配されて、電気化学反応に供される。電気化学反応に供されつつ各単セル内酸化ガス流路を流れた酸化ガスは、ガスセパレータ25,26に設けられた孔部84が形成する酸化ガス排出マニホールドへと排出される。そして、酸化ガス排出マニホールドによって、燃料電池スタック15の外部へと導かれる。
上記のように各単セル内酸化ガス流路が互いに並列に接続されているため、燃料電池スタック15内を酸化ガスが流れる際には、各々の単セル内酸化ガス流路における流路抵抗(あるいは酸化ガスが流れる際の圧損)に応じて、各々の単セル内酸化ガス流路に分配される酸化ガスの流量がばらつく。すなわち、流路抵抗の大きい単セル内酸化ガス流路に分配される酸化ガス流量は、流路抵抗がより小さい単セル内酸化ガス流路に分配される酸化ガス流量に比べて、少なくなる。燃料電池スタック15を構成する単セル10のいずれかにおいて、単セル内酸化ガス流路への供給酸化ガス量が際立って少なくなると、その単セルでは、酸化ガス量が不足することによって電圧低下が起こる。燃料電池スタック15は、複数の単セルを直列に接続して成るため、一つでも電圧低下を起こす単セルがあると、燃料電池全体として充分な電圧を維持できなくなり、発電性能が低下する可能性がある。
燃料電池を組み立てる際に、内部に形成されるガス流路の抵抗が同等の大きさである単セルだけを用いるならば、上記したように部分的にガス流量不足になって電圧が低下する不都合を回避可能となる。しかしながら実際には、ガスセパレータをはじめとする各部材の製造精度にばらつきがあり、単セルごとに内部のガス流路における抵抗がばらつく。なお、単セル内に形成されるガス流路における流路抵抗に影響する要因としては、例えば、ガスセパレータ表面に形成されるガス流路のための溝構造(溝62,63)の形成精度や、ガス拡散層23,24の気孔率、あるいは、電解質膜上に形成される電極の厚みを挙げることができる。以下に説明する本実施例の燃料電池の製造方法は、単セル内ガス流路における流路抵抗がばらつく単セルを用いる場合であっても、ガス流量不足に起因する電圧低下を抑制し、充分な電池性能の実現を可能にするものである。
C.単セルの積層工程:
図4は、本実施例の燃料電池の製造方法としての、単セル10の積層方法を表わす工程図である。燃料電池は、既述したようにスタック構造を有し、単セル10を順次積層することによって製造されるものであり、燃料電池スタックを作製する際には、まず、順番に積層を行なうか否かの判断の対象となる単セルである次回候補単セルを用意する(ステップS100)。この次回候補単セルとしては、通常は、製造された単セルを順次用いればよい。なお、後述するように、上記次回候補単セルとしては、一旦は次回候補単セルとして積層の可否の判断対象となりながら、積層が留保された単セルを用いる場合もある。そして、用意した次回候補単セルについて、内部の単セル内ガス流路における圧損を計測すると共に、測定結果としての圧損を、複数の階級にランク分けする(ステップS110)。なお、本実施例の燃料電池は、燃料ガスとして純度の高い水素ガスを用いると共に酸化ガスとして空気を用いるものであり、本実施例では、電極活物質の濃度がより低い酸化ガスの流路を、圧損測定の対象となるガス流路としている。
単セル内酸化ガス流路における圧損は、ステップS100で用意した単セル10内の酸化ガス流路に対して供給するガス圧と、酸化ガス流路から排出されるガス圧との差として求められる。例えば、次回候補単セルが備えるガスセパレータ25の孔部83に対して、流量および圧力が一定である気体(例えば空気)を供給しつつ、単セル内酸化ガス流路を通過してガスセパレータ25の孔部84から排出される上記気体の圧力を測定し、供給ガスと排出ガスの間の圧力差を求めればよい。
図5は、一定の製造工程により製造された多数の単セルについて、単セル内ガス流路の圧損を測定した結果の一例を表わす説明図である。図5では、製造された各単セルについて測定した単セル内ガス流路における圧損が、正規分布様の分布を示す様子を表わしている。本実施例では、図5に示すように、単セル内酸化ガス流路における圧損を、低い方から順にランクI、II、IIIという3つの階級に分類している。この圧損のランクは、同じランクおよび隣り合うランクに属する単セル同士は、隣接させて積層しても、積層体内で電圧低下を引き起こさないように設定されている。すなわち、ランクIIにおける最大値cは、この値cの圧損を示す単セルと、圧損分布の最小値である値aの圧損を示す単セルとを隣接させても、積層体内で電圧低下が引き起こされないと判断するための値として設定されている。また、ランクIIにおける最小値bは、この値bの圧損を示す単セルと、圧損分布の最大値である値dの圧損を示す単セルとを隣接させても、積層体内で電圧低下が引き起こされないと判断するための値として設定されている。
ここで、積層体内では、積層された複数の単セルの中に比較的圧損が大きい単セルが存在しても、隣り合う単セル間の圧損の差が小さければ、上記比較的圧損が大きい単セルに対する供給ガス量が確保され易くなり、ガス不足に起因する電圧低下が抑えられるという性質を有している。そのため、本実施例では、圧損の異なる2枚の単セルを積層体内で隣接させたときの組み合わせとして、積層体全体の電圧低下を引き起こさない組み合わせを調べることにより、上記したランクIIにおける最小値bおよび最大値cを設定している。積層体内におけるガス分配の状態は、積層する単セルの数によって影響を受けるため、上記最小値bおよび最大値cを設定するためには、実際に組み立てる燃料電池と同じ数の単セルを積層した積層体に対して、実際に燃料電池の発電を行なうガス供給条件下で、上記電圧低下を引き起こすか否かを調べることが望ましい。しかしながら、実際の発電条件に近い条件を再現できるならば、より少ない数の単セルを積層した積層体を用いて、上記最小値bおよび最大値cを設定しても良い。例えば、実際に製造すべき燃料電池が、200枚の単セルから成る場合に、20〜50枚の単セルによって構成される積層体を用いて、上記最小値bおよび最大値cを設定しても良い。このように、実際の燃料電池よりも少ない数の単セルから成る積層体を用いる場合には、単セルの数を減らした割合に応じて、積層体への供給ガス量を減らし、各単セルに分配されるガス量の条件を合わせればよい。
具体的には、圧損のばらつきが充分に抑えられた所定の数の単セルを積層して燃料電池スタックを組み立てると共に、その際に、ガス分配の影響を調べたい2つの単セルを隣接させて、このスタック内に組み込む。圧損のばらつきが充分に抑えられた単セルとしては、圧損の分布がごく限られた範囲である単セルを用いればよく、例えば、図5の横軸に沿って矢印で範囲を示したように、度数の多い中央値付近の圧損を示す単セルを用いることができる。このような積層体の中に、圧損分布の最小値である値aの圧損を示す単セルと、調べる対象となる単セルとを隣接させて組み込む。そして、実際の燃料電池の運転状態に対応する条件で発電を行なわせ、電圧低下が生じるか否かを調べる。このとき、上記したように、実際の燃料電池よりも少ない数の単セルから成る積層体を用いる場合には、各単セルに分配されるガス量が、実際の発電条件に近い条件となるように、積層体に供給するガス量を調節すればよい。このようにして、電圧低下を実際に引き起こすか否かを調べることにより、値aの圧損を示す単セルと隣り合わせても電圧低下が起こらないと判断できる圧損の最大値として、値cが設定されている。同様にして、圧損分布の最大値である値dの圧損を示す単セルと、種々の圧損を示す単セルとを組み合わせて、電圧低下が生じるか否かを調べることにより、値dの単セルと隣り合わせても電圧低下が起こらないと判断できる圧損の最小値として、値bが設定されている。
ステップS110において、単セル内ガス流路における圧損を計測すると共に、測定結果としての圧損をランク分けすると、次に、ランク分けしたその単セルが、積層に用いる最初の単セルであるか否かを判断する(ステップS120)。すなわち、燃料電池スタックは、200枚などの予め定めた数の単セルを積層することによって作製するが、現在処理の対象としている次回候補単セルが、燃料電池スタックの最初の1枚であるか否かを判断する。ステップS120において、最初の単セルであると判断されたときには、その単セルを用いて積層を開始し(ステップS200)、その後、ステップS100に戻って、次の次回候補単セルを用意し、既述したステップS110およびS120の動作を繰り返す。
ステップS120において、次回候補単セルが最初の単セルではないと判断されたときには、この次回候補単セルについてステップS110で分類した圧損のランクが、いずれのランクであるかを判断する(ステップS130)。次回候補単セルの圧損のランクが、ランクIIである場合には、この次回候補単セルを用いて、順番通りそのまま積層を行なう(ステップS140)。図6は、図4に示した単セルの積層方法に従って単セルを積層する途中の様子を表わす説明図であり、図6(A)は、次回候補単セルの圧損のランクがランクIIである場合を表わす。次回候補単セルの圧損がランクIIに属する場合には、既に積層した単セルのうちの最後に積層した単セルの圧損のランクが、I、II、IIIのいずれであっても、ランクIIに属する次回候補単セルをそのまま積層する。
次回候補単セルを用いて積層した後は、この次回候補単セルの積層により、燃料電池を製造するために積層すべき規定枚数の単セルの積層が行なわれたか否かを判断する(ステップS150)。規定枚数の単セルの積層が行なわれたと判断されたときには、単セル積層の動作を終了する。また、ステップS150において、規定枚数の単セルの積層が行なわれていないと判断されたときには、ステップS100に戻り、新たな次回候補単セルを用意して、ステップS110以下の動作を行なう。
ステップS130において、次回候補単セルの圧損のランクがランクIであった場合には、1つ前の単セル、すなわち、既に積層した単セルのうちの最後に積層した単セルの圧損のランクが何であったかを判断する(ステップS160)。最後に積層した単セルの圧損のランクがランクIまたはIIである場合には、この最後に積層した単セルに隣接するようにランクIに属する次回候補単セルを積層しても、積層体内において電圧低下を引き起こさないと判断できる。そのため、ランクIに属する次回候補単セルをそのまま積層し(ステップS140)、その後、既述したステップS150以下の処理を行なう。
ステップS160において、最後に積層した単セルの圧損のランクがランクIIIであると判断される場合には、ランクIに属する次回候補単セルは、積層することなく留保する(ステップS170)。すなわち、ランクIIIに属する最後に積層した単セルに連続して、ランクIに属する次回候補単セルを積層すると、完成した燃料電池スタックを用いたときに、ランクIIIに属する上記最後に積層した単セルにおいてガス不足が生じ、電圧低下が引き起こされる可能性がある。そのため、次回候補単セルがランクIに属し、最後に積層した単セルがランクIIIに属する場合には、次回候補単セルの積層は見合わせる。図6(B)は、次回候補単セルの圧損のランクがランクIであり、最後に積層した単セルの圧損のランクがランクIIIである場合に、次回候補単セルを留保単セルとする様子を表わす。このように、ステップS170で次回候補単セルの積層を留保した時には、ステップS100に戻り、留保した単セルとは異なる新たな次回候補単セルを用意して、ステップS110以下の動作を行なう。
ステップS130において、次回候補単セルの圧損のランクがランクIIIであった場合には、1つ前の単セル、すなわち、既に積層した単セルのうちの最後に積層した単セルの圧損のランクが何であったかを判断する(ステップS180)。最後に積層した単セルの圧損のランクがランクIIIまたはIIである場合には、この最後に積層した単セルに隣接するようにランクIIIに属する次回候補単セルを積層しても、積層体内において電圧低下を引き起こさないと判断できる。そのため、ランクIIIに属する次回候補単セルをそのまま積層し(ステップS140)、その後、既述したステップS150以下の処理を行なう。
ステップS180において、最後に積層した単セルの圧損のランクがランクIであると判断される場合には、ランクIIIに属する次回候補単セルは、積層することなく留保する(ステップS190)。すなわち、ランクIに属する最後に積層した単セルに連続して、ランクIIIに属する次回候補単セルを積層すると、完成した燃料電池スタックを用いたときに、圧損が高い次回候補単セルにおいてガス不足が生じ、電圧低下が引き起こされる可能性がある。そのため、次回候補単セルがランクIIIに属し、最後に積層した単セルがランクIに属する場合には、次回候補単セルの積層は見合わせる。このように、ステップS190で次回候補単セルの積層を留保した時には、ステップS100に戻り、留保した単セルとは異なる新たな次回候補単セルを用意して、ステップS110以下の動作を行なう。
ここで、ステップS100で用意する次回候補単セルとしては、既述したように、通常は、製造された単セルを順次用いるが、前々回以前に実行したステップS100で次回候補単セルとして用意した単セルであって、ステップS170あるいはステップS190で留保した単セルがある場合には、これらの留保単セルを用いる。例えば、前々回以前に実行したステップS100で用意した次回候補単セルがランク(I)に属し、そのときの最後に積層した単セルが、図6(B)に示すようにランク(III)に属するために、上記次回候補単セルをステップS170において留保していた場合には、この留保単セルを、ステップS100において次回候補単セルとする。このとき、その後に行なわれた積層の動作によって、上記最後に積層した単セルの後にランク(II)に属する単セルが積層されていれば、留保単セルの状態から次回候補単セルにしたランク(I)に属する単セルを用いて、積層を行なうことができる。このときの様子を、図6(C)に示す。
なお、ステップS100を実行する際に留保単セルが存在する場合であっても、この留保単セルが、前回実行したステップS100において次回候補単セルとして用意した単セルである場合には、この留保単セルは用いない。すなわち、留保単セルが、直前に実行した図4に示す一連の工程におけるステップS170あるいはS190において留保した単セルである場合には、ステップS100において、この留保単セルは用いない。次回候補単セルを留保する動作の繰り返しを避けるためである。
また、ステップS100で用意した次回候補単セルがランク(I)に属し、そのときの最後に積層した単セルがランク(III)に属するために、図6(B)に示すように上記次回候補単セルを留保していた場合に、次回に実行するステップS100で新たに用意した次回候補単セルがランク(I)に属するときには、この新たな次回候補単セルも、留保セルとなる。このときの様子を、図6(D)に示す。このように、同じランクに属する複数の単セルが留保された場合には、次回に実行するステップS100では、先に留保された単セルを用いることなく、新たな単セルを用意すれば良い。また、直前に実行した図4に示す一連の工程におけるステップS140で単セルの積層を行なったときに、複数の留保単セルが存在する場合には、以後の工程では、ステップS100において、複数の留保単セルを順次次回候補単セルとして用いればよい。具体的には、例えば、図6(D)と同様に最後に積層した単セルがランク(III)に属し、ランク(I)に属する複数の留保単セルが存在する時に、図6(C)と同様にその後の積層の動作によってさらにランク(II)に属する単セルが積層された場合が考えられる。このときの様子を図6(E)に示す。このような場合には、ランク(I)に属する複数の留保単セルを順次次回候補単セルとして用いることで、これらの留保単セルを積層し、滞留する留保単セルを削減することができる。
以上のように構成された本実施例の燃料電池の製造方法によれば、規定枚数の単セルを積層して成る燃料電池として、隣接する単セルの組み合わせが、同じランク同士、ランク(I)と(II)、あるいはランク(II)と(III)であって、ランク(I)とランク(III)の単セルは隣り合わない燃料電池を製造することができる。したがって、燃料電池において、隣接するセル間で、圧損の差を抑えることができる。これにより、比較的圧損が高いランク(III)に属する単セルを用いても、このランク(III)の単セルに対する供給ガス量を確保して、単セルに対する供給ガス量不足に起因する電圧低下を抑制することができる。
また、本実施例の燃料電池の製造方法によれば、製造した単セルを、次回候補単セルとして順次用いて積層の動作を繰り返すため、製造した単セルを順に積層する動作を基本とすることができ、積層することなく保持する単セルとしては、最後に積層した単セルとの圧損差が大きいことにより留保した単セルのみに抑えることができる。したがって、多数の単セルを用いて燃料電池スタックを組み立てる際にも、積層すべき単セルの数に関わらず、積層することなく保持する単セルの数を抑えることができる。隣接する単セル間の圧損差を抑える他の構成としては、例えば、燃料電池の組み立てのために必要な枚数の単セルを一旦用意して、用意した多数の単セル全体を並び替えて、隣接する単セル間の圧損差を小さく抑える方法も考えられる。これに対して本実施例では、留保単セルとなる単セル以外は順次積層されるため、製造効率を大きく向上させることができる。
特に、本実施例では、圧損分布のピークを含む広い範囲の圧損がランクIIとなっており、大部分の単セルはランクIIに属することになるため、ステップS130において、多くの場合には、そのまま積層する判断を行なうことができる。また、最後に積層した単セルがランクIあるいはランクIIIとなった場合にも、次回に用意される次回候補単セルが、留保すべきランクIIIあるいはランクIとなる確率が低く、留保単セル数を抑えて積層の動作を継続することができる。なお、実施例では、圧損の分布は、圧損分布のピークが中央値付近である正規分布様の分布としたが、異なる分布態様を示す場合であっても、ピークを含んでより多くの単セルを含むように、圧損ランクの一つを設定すれば、より多くのセルが連続して積層可能になる同様の効果が得られる。
なお、上記した説明では、圧損分布の最小値をa、最大値をdとしているが、これらの値a、bは、積層に用いる単セルに許容する圧損の限界値として定めたものである。したがって、上記最小値aよりも圧損が小さい単セルや、上記最大値dよりも圧損が大きい単セルが製造された場合には、これらの単セルは積層に用いていない。積層に用いない単セルの増加は、例えば製造コストの上昇を招き得るため、このような不都合を抑えるためには、最小値aはより小さく、最大値dはより大きく設定することが望ましい。ただし、最小値aを小さくするほど、最小値aに基づいて設定されるランクIIの最大値cも小さくなり、最大値dを大きくするほど、最大値dに基づいて設定されるランクIIの最小値bも大きくなる。したがって、最大値aをより小さく設定し、最大値dをより大きく設定する場合には、ランクIIの最小値bと最大値cとの差が小さくなり、ランクIIに属する単セルの割合が低下するため、留保単セルが生じる確率が高まり、製造効率が低下する可能性がある。したがって、上記最小値aおよび最大値dは、許容できる単セル廃棄率や、許容できる単セル留保率に応じて、適宜設定すればよい。
また、本実施例の燃料電池の製造方法によれば、留保単セルが存在する場合には、ステップS100において、新たな単セルに優先して留保単セルを用いているため、留保単セルの増加を抑制し、より多くの単セルを、留保することなく積層に利用することができる。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
実施例では、単セルの積層の際に、酸化ガス流路側の圧損のみを考慮したが、異なる構成としても良い。例えば、燃料ガスの方が酸化ガスよりも電極活物質濃度が低く、流量変動の影響を受けやすい場合には、燃料ガス流路側の圧損のみに基づいて、次回候補単セルの積層の可否を判断しても良い。あるいは、両方のガス流路の圧損に基づいて、次回候補単セルの積層の可否を判断することもできる。両方のガス流路の圧損に基づいて判断する場合には、例えば、それぞれのガス流路について圧損を測定すると共に、それぞれのガス流路の圧損に基づいて実施例と同様の判断を行ない、両方のガス流路について積層可能な条件を満たしたときに、次回候補単セルを積層することとすれば良い。
D2.変形例2:
実施例では、個々の単セルの圧損を測定して、測定した圧損の値に基づいて単セルをランク分けしたが、異なる構成としても良い。例えば、触媒層の厚みやガス拡散層の厚み、ガス流路を形成するガスセパレータ上の溝の深さ、またはこれらの厚みや深さの最小値、あるいはガス拡散層におけるガスの透過度等とすることもできる。単セル内のガス流路の圧損を反映する値、すなわち、流路抵抗を反映する値としての特性値を、実施例の圧損に代えて用いるならば、同様の効果が得られる。
また、実施例では、積層の可否を判断する際の基準値(値bおよび値c)を、実際に積層体の中で単セル同士を隣接させたときに電圧降下が起こるか否かを実験的に調べることにより求めたが、異なる構成としても良い。例えば、燃料電池スタック内で単セル同士を隣接させても電圧降下が起こり難い単セルの圧損として、経験的に知られた値に基づいて、ある程度の余裕をもって上記基準値を設定しても良い。
D3.変形例3:
実施例では、製造される単セルのうち、特に圧損が大きいあるいは小さい限られた少数の単セルのみが、互いに隣接不可であったため、3つのランクに層別して、同じランクに属する単セル同士、あるいは隣接するランクに属する単セル間は積層可能としたが、異なる構成としても良い。例えば、各単セルの圧損を反映する特性値を、3つを超える、より多くのランクに分類してもよい。このようにランクの数を増加させる場合には、隣接するランクに属する単セル同士だけでなく、隣接しない離れたランクに属する単セル同士であっても連続して積層可能であるという判断がされるように、ランク間の境界となる特性値の基準値を設定しても良い。少なくとも隣接するランクに属する単セル同士は連続して積層可能となるように、3つ以上のランクを設定すれば、実施例と同様の動作によって単セルの積層を行なうことで、隣り合う単セル間の圧損さを抑え、単セルにおけるガス不足に起因する電圧低下が抑制された燃料電池を製造することができる。また、この場合にも、留保単セルが存在する場合に、最後に積層した単セルが、連続して積層可能な組み合わせに該当する場合には、留保単セルを優先的に用いて次回の積層の動作を行なうことで、留保単セルの数を抑制することができる。
D4.変形例4:
実施例では、製造した各単セルについて順次圧損を測定し、測定した圧損を、圧損がとり得る値の範囲を分割して予め設定した複数のランクに分類して、属するランクに基づいて単セルの連続した積層の可否を判断したが、異なる構成としても良い。例えば、各単セルを、圧損を反映する特性値のランク分けによって層別せずに、求めた特性値そのものに基づいて、連続した積層の可否を判断しても良い。この場合には、例えば、最後に積層した単セルと次回候補単セルとの間で圧損を反映する特性値を比較し、両者の差が、予め定めた基準値以内であれば連続して積層を行ない、予め定めた基準値を超える場合には、連続した積層を行なわない判断をすることができる。このように、最後に積層した単セルと次回候補単セルとが、予め設定した複数のランクのいずれに属するかを比較して、あるいは、特性値を比較して、予め設定した基準の状態に属するか否かに基づいて、連続積層の可否を判断すれば良い。次回候単セルの特性値が、最後に積層した単セルの特性値に基づいて定められた許容範囲に属する場合に、次回候補単セルを連続して積層することとすれば、同様の効果が得られる。
D5.変形例5:
燃料電池を構成する各部の構成、例えば、単セル内ガス流路や冷媒流路を形成するガスセパレータの形状や、ガス拡散層の構成は、実施例と異なっていても良い。また、実施例の燃料電池は、固体高分子型燃料電池としたが、固体酸化物型燃料電池など、異なる種類の燃料電池において本願発明を適用しても良い。燃料電池が、スタック構造、すなわち、単セルを順次積層してなる構造を有する場合には、本願の製造方法を適用することで、比較的圧損が大きい単セルを配置してガス流量が不足することに起因する電圧低下を抑制する同様の効果を得ることができる。
単セル10の構成の概略を表わす分解斜視図である。 燃料電池スタック15の外観を表わす斜視図である。 燃料電池内部で酸化ガスが分配される様子を平面的に表わす模式図である。 燃料電池の製造方法を表わす工程図である。 多数の単セルについて単セル内ガス流路の圧損を測定した結果の一例を表わす説明図である。 単セルを積層する途中の様子を表わす説明図である。
符号の説明
10…単セル
15…燃料電池スタック
20…MEA
23,24…ガス拡散層
25,26…ガスセパレータ
30,31…集電板
32,33…出力端子
34,35…絶縁板
36,37…エンドプレート
41〜46…孔部
62,63…溝
81〜86…孔部
87…凹部

Claims (4)

  1. 複数の単セルを順次積層して成る燃料電池の製造方法であって、
    次回に積層するための単セルとしての次回候補単セルを用意する第1の工程と、
    前記次回候補単セルについて、単セル内部のガス流路をガスが流れる際の圧損を反映する特性値を求める第2の工程と、
    既に積層した単セルがない場合には、前記次回候補単セルを最初の単セルとして用いて積層を開始する第3の工程と、
    既に積層した単セルがある場合には、前記次回候補単セルの前記特性値が、前回積層した単セルの前記特性値に基づいて定められた許容範囲に属するか否かを判定する第4の工程と、
    前記第4の工程において前記許容範囲に属すると判定された場合には、前記次回候補単セルを、前記前回積層した単セルの次に積層し、前記第4の工程において前記許容範囲に属しないと判定された場合には、前記次回候補単セルの積層を留保する第5の工程と、
    を備える複数の工程を繰り返し実行することにより、複数の単セルの積層を行なう燃料電池の製造方法。
  2. 請求項1記載の燃料電池の製造方法であって、
    前記第1の工程は、積層を留保した留保単セルが既に存在する場合であって、直前に実行した前記第5の工程において単セルの積層を行なった場合には、前記次回候補単セルとして、前記留保単セルを用意する
    燃料電池の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池の製造方法であって、
    前記第4の工程は、前記第2の工程で前記次回候補単セルについて求めた前記特性値が、前記特性値がとり得る値の範囲を分割して予め設定した複数の階級のいずれに属するかを求める工程を含むと共に、前記次回候補単セルについて求めた前記階級が、前記前回積層した単セルについて求めた前記階級との間で、連続した積層を許容できる組み合わせとして予め定められた階級の組み合わせに該当する場合には、前記許容範囲に属すると判定し、前記組み合わせに該当しない場合には、前記許容範囲に属しないと判定する
    燃料電池の製造方法。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池の製造方法によって製造された燃料電池。
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