JP2019159137A - 光学系支持構造および支持調整方法 - Google Patents

光学系支持構造および支持調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学的性能を劣化させることなく、振動や温度の変動が大きい環境下であっても光学系を高精度かつ高剛性で支持することができる支持構造および支持調整方法を提供する。【解決手段】主鏡と副鏡とを支持する支持機構は、ベースプレート30と、ベースプレート上に固定されたトラス組立体20と、トラス組立体上に固定されたリング状の第一ブラケット201と、第一ブラケット上に所定の接続箇所で固定されたリング状のスパイダリング部10と、からなり、主鏡200がトラス組立体内のベースプレート上に取り付けられ、副鏡100がスパイダリング部10のリング中央部にスパイダ102により取り付けられる。【選択図】図1

Description

本発明は高精度が要求される光学系の支持構造に関する。
人工衛星等の宇宙機に搭載される反射望遠鏡には、打ち上げ時の振動や大きな温度変動環境であっても光学性能に劣化が生じない対策が必要である。特に、秒角の精度(1秒角は1km先で5mm以内に収まる精度)が要求されるミラーには、振動環境や温度変動環境に対して、その位置精度を維持できる支持機構が不可欠である。このような支持機構の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載された支持機構は、主鏡および副鏡を支持するトラス構造を3支点でベースパネルに固定する。このトラス構造は、主鏡を支持する比較的大きい三角形状の支持部材と、副鏡を支持する比較的小さな三角形状の支持部材とを、それぞれの対応頂点を結ぶトラスロッドにより接合することで形成される。
また、特許文献2に開示された支持機構は、主鏡取付ベースと副鏡取付ベースとにそれぞれ中間ベースを設け、これらの中間ベースの間をスパイダにより接合し、中間ベースと主鏡取付ベースおよび副鏡取付ベースとの間をそれぞれトラスにより接合する。
特開2002−124809号公報 特開2002−214537号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された支持機構は、副鏡の近傍にトラスロッドの接合点が設置されているために、温度変化等によるロッドの伸縮による副鏡の角度変化、面内並進方向変化の感度が高いという難点がある。さらに、入射光を3本のトラスロッドが遮る構造が光学性能を劣化させる要因となる。
また、特許文献2に開示された支持機構は、主鏡を囲むトラスと副鏡を囲むトラスとが中間ベースおよびスパイダを介して接合するために、構造が複雑化する上に機械的強度が向上するとは限らない。さらに、中間ベースを支えるスパイダと副鏡を囲むトラスとが主鏡への入射光を遮り、光学的性能を劣化させる原因となる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、光学的性能を劣化させることなく、振動や温度の変動が大きい環境下であっても光学系を高精度かつ高剛性で支持することができる支持構造および支持調整方法を提供することある。
本発明の一態様によれば、主鏡と副鏡とを支持する支持機構であって、ベースプレートと、前記ベースプレート上に固定されたトラス組立体と、前記トラス組立体上に固定されたリング状の第一ブラケットと、前記第一ブラケット上に所定の接続箇所で固定されたリング状のスパイダリング部と、からなり、前記主鏡が前記トラス組立体内の前記ベースプレート上に取り付けられ、前記副鏡が前記スパイダリング部のリング中央部にスパイダにより取り付けられる。
本発明の他の態様によれば、主鏡と副鏡とを支持する支持機構における支持調整方法であって、前記支持機構が、ベースプレートと、前記ベースプレート上に固定されたトラス組立体と、前記トラス組立体上に固定されたリング状の第一ブラケットと、前記第一ブラケット上に複数の所定接続箇所で固定されたリング状のスパイダリング部と、からなり、前記主鏡が前記トラス組立体内の前記ベースプレート上に取り付けられ、前記副鏡が前記スパイダリング部のリング中央部にスパイダにより取り付けられた構造を有し、前記複数の所定接続箇所で、前記第一ブラケットと前記スパイダリング部との間にスペーサを挟み、前記複数の所定接続箇所におけるそれぞれのスペーサの厚さを調整することで、前記副鏡の前記主鏡に対する角度を調整する。
本発明によれば、光学的性能を劣化させることなく、振動や温度の変動が大きい環境下であっても光学系を高精度かつ高剛性で支持することができる。
図1は本発明の第1実施形態による光学系支持構造の概略的構成を示す斜視図である。 図2は本発明の第2実施形態による光学系支持構造の概略的構成を示す分解斜視図である。 図3は本発明の一実施例による光学系支持構造の側面図である。 図4は図3に示す光学系支持構造におけるスパイダリング部とトラス組立体との接続構造を説明するための分解斜視図である。 図5は図3に示す光学系支持構造の平面図である。 図6は図5に示す接続構造の一例を示す断面図である。 図7は本発明を適用した光学式望遠鏡の一例を示す概略的構成図である。
<実施形態の概要>
本発明の実施形態によれば、主鏡および副鏡の支持機構が、ベースプレート上にトラス組立体によりリング状のブラケットを固定し、そのブラケット上に複数点でリング状のスパイダリング部が固定される。主鏡はトラス組立体内のベースプレート上に取り付けられ、副鏡はスパイダリング部の中央部にスパイダにより取り付けられる。
このように、本実施形態によれば、主鏡周辺に設けられたトラス組立体と副鏡を支持するスパイダリング部とを独立させ、静定構造とする。これにより他からの歪入力に対して主鏡と副鏡との間の相対的な位置および角度を維持することができる。したがって、振動や温度の変動が大きい環境下であっても、光学系を高精度かつ高剛性で支持することができる。特に、人工衛星等の宇宙機に搭載された場合、打ち上げ時の振動や宇宙環境での温度変動に対して光学系の位置精度を維持することができ、光学的性能の劣化を防止できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態および実施例に記載されている構成要素は単なる例示であって、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨ではない。また、図1〜図7は、本発明の一実施形態および一実施例による支持機構の構成および動作を説明するための例示であり、その各部材、各構成要素の実際の形状、寸法および比率を示すものではない。
1.第1実施形態
図1に例示するように、本実施形態による光学系支持機構は、スパイダリング部10と、トラス組立体20と、ベースプレート30とからなる。副鏡100はスパイダリング部10内に支持され、主鏡200はトラス組立体20に囲まれたベースプレート30上に支持される。
スパイダリング部10はリング状のスパイダリングブラケット101からなり、その中央部に副鏡100がスパイダにより支持される。スパイダ102は、スパイダリングブラケット101の内側から延びて副鏡100を支持する。本実施形態によれば、スパイダリングブラケット101は3つの接続点A、BおよびCでトラス組立体20に固定され、これら接続点A、BおよびCに副鏡100を支持する3本のスパイダ102が固定される。また、接続点A、BおよびCは、スパイダリングブラケット101に内接する正三角形の3頂点に対応する位置関係にある。スパイダ102は、図1では模式的に実線で記載されているが、主鏡200および副鏡100の光軸方向からみると極めて小さな断面を有するプレート形状であり、小さな遮光率(主鏡への入射光が構造体等により遮蔽される割合)と十分な機械的強度を有する。
トラス組立体20は、リング状のトラス側ブラケット201と、トラス構造を形成する複数のトラスロッド202と、からなる。本実施形態では、一例として、トラス側ブラケット201が6本のトラスロッド202の上側3支点で支持される。トラス側ブラケット201は、スパイダリングブラケット101と接続点A、BおよびCの位置で固定される。望ましくは、上側3支点の位置が接続点A、BおよびCにそれぞれ対応する。トラス側ブラケット201とスパイダリングブラケット101との固定には、任意の固着手段を用いることができ、典型的には、ねじ止めである。トラス組立体20はトラス構造を有する複数のトラスロッド202から構成される。典型的には、図1に例示するように、2本のトラスロッド一組で1つの支点を形成する3点支持構成である。
トラスロッド202の下側3支点は主鏡200を包囲するようにベースプレート30に固定される。このように、トラス組立体20のトラスロッドがトラス側ブラケット201とベースプレート30とに固定されることで、スパイダリング部10を支持する静定構造を形成できる。なお、ベースプレート30は、キネマティックマウント40等の取付部材を介して、例えば宇宙機本体に固定される。
上述したように、第1実施形態による支持機構は、主鏡200を囲むトラス組立体20と副鏡100を支持するスパイダリング部10とが、接続点A、BおよびCの位置で固定された静定構造を形成する。これにより、外部振動や温度変化等が大きい環境により外部の構造体が歪んでも、主鏡200と副鏡100との間の相対的な位置および角度を高精度に維持することができる。さらに、リング状のスパイダリング部10に副鏡100をスパイダ支持することで、主鏡200への入射光を遮光する割合を小さくすることができる。
このような構成により、光学的性能を低下させることなく、主鏡200および副鏡100を高精度かつ高剛性で支持することが可能となる。たとえば、トラス組立体20のトラスロッド202に線膨張係数の小さい材料を適用することで、外部の温度変動によりトラスロッド202が伸縮したとしても、副鏡100のチルト角の変化を小さくできる。これにより、外部の環境に対して、よりロバストな(感度が低い)特性を得ることができる。
また、トラス組立体20をベースプレートと3点で支持して静定構造とすることで、ベースプレートが歪んでも主鏡200と副鏡100間の位置精度を保つことができる。
2.第2実施形態
図2に例示するように、本実施形態による光学系支持機構は、第1実施形態と同様の静定構造を有するが、リング状のスパイダリング部10とトラス組立体20との間の接合部にスペーサ70を介在させたことが異なる。以下、図1に示す支持機構と同じ部材には同一参照番号を付して説明は省略する。
スパイダリング部10のスパイダリングブラケット101とトラス側ブラケット201とは、接続点A、BおよびCにそれぞれ対応する位置でスペーサ70を介して3点結合される。したがって、3個のスペーサ70の厚さを一律に調整することで、主鏡200と副鏡100との間の光軸方向の距離を調整することができる。
さらに、3個のスペーサ70を所定の異なる厚さに設定することで、副鏡100のチルト角を所望の方向で調整することもできる。スパイダリングブラケット101の接続点A、BおよびCは、副鏡100からスパイダの長さだけ離れた位置にある。したがって、接続点A、BおよびCの位置にあるスペーサ70の厚さを変化させることで、副鏡100のチルト角を高精度に調整することができる。言い換えれば、スペーサ調整部位が主鏡100の径より大きい径のスパイダリングブラケット101およびトラス側ブラケット201の円周上に配置される。このように副鏡100の径より大きい径のブラケット上で厚さ設定をするために、副鏡100を直接調整するのに比べて、副鏡100のチルト角の調整精度を向上させることができる。さらに、同一構造が逆に作用して、温度変動によりトラスロッド202が伸縮しても、副鏡100のチルト角の変化を小さくでき、温度変動環境に対してロバストな(感度が低い)特性を得ることができる。
また、スパイダリングブラケット101およびスペーサ70に貫通孔を設け、ねじ止めによりスパイダリングブラケット101とトラス側ブラケット201とを固定することができる。この固定方法の場合、スパイダリングブラケット101の貫通孔の径をねじ部の径より大きくすることで、スパイダリング部10をトラス組立体20に対して水平方向に、すなわち光軸に直交する平面内で位置調整することが可能である。また、接着剤によりスパイダリングブラケット101とトラス側ブラケット201とを固定してもよい。
上述したように、第2実施形態による支持機構は、上述した第1実施形態の効果に加えて、スペーサ70を使用することで、副鏡100の位置調整を光軸方向、光軸と直交する方向あるいは光軸に対する傾き方向に柔軟に行うことが可能となる。
3.一実施例
以下、本発明の一実施例による支持機構について図3〜6を参照しながら詳細に説明する。本実施例は、スペーサ70を設けた第2実施形態(図2)の一例であるが、スペーサ70を除けば第1実施形態による支持機構の一例でもある。以下、図2に示す支持機構と同じ部材には同一参照番号を付して説明を簡略化する。
3.1)構成
図3を参照すると、本実施例による光学系支持機構は、スパイダリング部10とトラス組立体20とがスペーサ70A、70B、70Cを介して接合され、トラス組立体20がベースプレート30上に固定される。副鏡100は、後述するように、スパイダリング部10内の中央にスパイダ支持され、主鏡200はトラス組立体20のトラスロッド202に囲まれたベースプレート30上に固定される。なお、主鏡200の中央部には開口部200aが、ベースプレート30の中央部には開口部30aが形成されている。これらの開口部200aおよび30aは、副鏡100からの反射光を通過させるために設けられている。
<スパイダリング部>
図4および図5に例示するように、スパイダリング部10はリング状のスパイダリングブラケット101と、3枚のスパイダ102A、102Bおよび102Cとからなる。スパイダ102A、102Bおよび102Cは、接続部103A、103Bおよび103Cにそれぞれ対応する内側面の位置から延びて副鏡100を中央部に支持する。スパイダリングブラケット101は、各スパイダの幅以上の高さを有する円筒形状を有し、上端部と下端部とが内側に折り込まれたコ字型の断面を有することで機械的な剛性・強度を向上させている。
スパイダ102A、102Bおよび102Cは、十分な機械的強度を保持し、かつ厚さが十分小さい矩形プレート形状を有する。各スパイダは、長手方向でスパイダリングブラケット101の内側面と副鏡100とを接続し、幅方向を副鏡100の光軸方向に一致させるように配置される。したがって、図5に典型的に示すように、主鏡200および副鏡100の光軸方向からみると、スパイダ102A、102Bおよび102Cは、トラスロッド202と比較して、極めて小さな断面となり、主鏡200に到達する観測光の遮蔽を最小化できる。
また、スパイダ102A、102Bおよび102Cは、それぞれが副鏡100の接線方向であって、副鏡100の中心角120°の間隔で副鏡100と接合するように配置される。このような支持機構は、各スパイダの温度変化により長さが変化しても、副鏡100の光軸方向の位置変化を抑制できる。
スパイダリングブラケット101の接続部103A、103Bおよび103Cは、トラス側ブラケット201の接続部203A、203Bおよび203Cにそれぞれ対応する。スパイダリングブラケット101は、それぞれ対応する接続部でスペーサ70A、70Bおよび70Cをそれぞれ挟んで、トラス側ブラケット201に固定される。接続部103A、103Bおよび103Cはスパイダリングブラケット101に内接する正三角形の3頂点に対応する位置に設けられる。
<トラス組立体>
トラス組立体20は、リング状のトラス側ブラケット201と、トラス構造を形成する6本のトラスロッド202と、からなる。6本のトラスロッド202の上端は、2本ずつが1つの支点部に接続され、上側3支点部204A、204Bおよび204Cでトラス側ブラケット201を支持する。支点部204A、204Bおよび204Cの配置は、図4および図5に例示するように、スペーサ70A、70Bおよび70Cがそれぞれ挟まれた接続部203A、203Bおよび203Cにそれぞれ対応する。
6本のトラスロッド202の下端は、2本ずつが1つのベース側支点部に接続され、ベース側支点部205AB、205BCおよび205CAでベースプレート50に固定される。図3および図5に示すように、ベース側支点部205ABは、2本のトラスロッド202により、上側支点204Aおよび204Bにそれぞれ接続される。同様に、ベース側支点部205BCは、別の2本のトラスロッド202により、上側支点204Bおよび204Cに、ベース側支点部205CAは、残りの2本のトラスロッド202により、上側支点204Cおよび204Aに、それぞれ接続される。
図5に明示されるように、ベース側支点部205AB、205BCおよび205CAは、主鏡200を取り囲む、正三角形の3頂点に対応するように配置される。また、ベース側支点部205AB、205BCおよび205CAが形成する正三角形は、上側3支点部204A、204Bおよび204Cが形成する正三角形に対して60°回転した位置関係にある。なお、本実施例におけるベースプレート50は、ベース側支点部205AB、205BCおよび205CAの配置に対応した正三角形の形状を有する。このように、トラス組立体20は、ベースプレート50および6本のトラスロッド202により静定構造を形成し、スパイダリング部10を高剛性で支持することができる。
<ブラケット接続部>
スパイダリングブラケット101の接続部103A、103Bおよび103Cは、トラス側ブラケット201の接続部203A、203Bおよび203Cとスペーサ70A、70Bおよび70Cをそれぞれ挟んで固定される。以下、これらブラケット接続部の一例を図6を参照しながら説明する。図6は任意のブラケット接続部の断面を示し、接続部103A、103Bまたは103Cを「接続部103」、接続部203A、203Bまたは203Cを「接続部203」、スペーサ70A、70Bまたは70Cを「スペーサ70」と記すものとする。また、図6および図4では、接続部一カ所あたり2本の固定ねじが使用されているが、これは一例であり、1本の固定ねじあるいは3本以上の固定ねじ、またはねじ以外の固着手段を用いることもできる。
図6において、スパイダリングブラケット101の接続部103には2つの貫通穴101.1および101.2が形成され、スペーサ70にはそれぞれ対応する貫通穴70.1および70.2が形成される。これらの貫通穴を通して固定ねじ301および302をトラス側ブラケット201の接続部203のねじ穴と螺合させる。これによりスパイダリングブラケット101がスペーサ70を挟んでトラス側ブラケット201に固定される。さらに、本実施例では、スパイダリングブラケット101とスペーサ70の貫通穴の径が固定ねじ301および302のねじ部の径より十分大きく形成される。したがって、これらの貫通穴と固定ねじ301および302との間にはクリアランスが形成される。このクリアランスおよびスペーサの厚さDを適当に設定することで、スパイダリング部10の位置および姿勢の調整が可能となる。
本実施例によれば、主鏡200に対する副鏡100のZ軸(光軸)方向の位置は、3カ所のスペーサ70A、70Bまたは70Cの厚さDを一律に設定することで調整可能である。また、X軸あるいはY軸方向の位置あるいはZ軸回りの角度(すなわちX−Y平面上のズレ)は、スパイダリングブラケット101と固定ねじ301および302との間のクリアランスを利用して吸収可能である。また、X軸回りあるいはY軸回りのチルト角は、スペーサ70A、70Bまたは70Cのそれぞれの厚さDa、DbおよびDcを適宜変えることで調整可能である。特に、スペーサ70A、70Bまたは70Cが主鏡200の径より大きいスパイダリングブラケットの周囲に配置されるので、副鏡100のチルト角を高精度に調整可能となる。
たとえば、副鏡100を支持するスパイダリング部10を動かして、主鏡100に対する副鏡100の最適な位置におけるスパイダリングブラケット101とトラス側ブラケット201との間のZ軸(光軸)方向の位置、X−Y平面上のズレおよびX軸/Y軸回りのチルト角を求める。続いて、ノミナルで用意したスペーサ70A、70Bまたは70Cを、副鏡100が光学的に最適状態となる寸法にそれぞれ加工する。言い換えれば、スパイダリングブラケット101とトラス側ブラケット201との間は、予め隙間が生じる設計にしておき、最適位置となる隙間に合わせた3つのスペーサ70A、70Bまたは70Cを用意すればよい。
3.2)適用例
以下、本実施例による支持機構を光学式望遠鏡に適用した一例について図7を参照しながら説明する。
図7に例示するように、光学式望遠鏡400の副鏡100および主鏡200は、本実施例による支持機構により支持され、さらに副鏡100は焦点調整機構401により焦点調整が可能である。本実施例による支持機構により主鏡200と副鏡100とは光軸が一致するように支持される。主鏡200により集光された入射光束は、副鏡100で反射され、主鏡200およびベースプレートの中央部に設けられた開口部200aおよび30aを通過する。通過した光束は3次鏡402により集光された後、第1折曲鏡403および第2折曲鏡404でそれぞれ反射されて光検出器405上に結像する。
高精度な光学式望遠鏡を実現するには、各反射鏡が最適な位置に設置される必要がある。特に、主鏡200と副鏡100との相対位置および相対角度が最も感度が高くなる。したがって、スパイダリング部10に支持された副鏡100の高精度調整が最も有効である。また、宇宙用の望遠鏡にとって避けられない打ち上げ時の振動環境や軌道上での温度変動環境に対して、相対位置を維持する必要がある。本実施例による支持機構は、このような過酷な環境であっても、主鏡200と副鏡100とを高精度で高剛性に支持することができる。以下、本実施例による支持機構がどのような効果を奏するかについて説明する。
3.3)効果
上述したように、本実施例によれば、ベースプレート30上の主鏡200を囲むトラス組立体20と副鏡100を支持するスパイダリング部10とが3か所のブラケット接続部で接合した静定構造を形成する。静定構造は、言い換えると構造内部に歪を蓄えない構造様式であるので、内部に蓄えられた歪が振動環境や温度変化が加わることにより変位として露呈することを防止できる。これにより、外部振動や温度変化等が大きい環境にあっても、主鏡200と副鏡100との間の相対的な位置および角度を維持することができる。さらに、リング状のスパイダリング部10において、入射側から見た断面積が極めて小さいスパイダにより副鏡100を支持することで、主鏡200への入射光を遮光する割合を小さくすることができる。このような構成により、光学的性能を低下させることなく、主鏡200および副鏡100を高精度かつ高剛性で支持することができる。
スパイダリングブラケット101とトラス側ブラケット201とは、ともに主鏡100の径より大きい径を有し、それらの円周上の3点の接続部で結合する。したがって、副鏡100は、その径より大きい径のスパイダリングブラケット101にスパイダにより支持される。このために、温度変動によりトラスロッド202が伸縮しても、副鏡100のチルト角の変化を小さくでき、温度変動環境に対してロバストな(感度が低い)特性を得ることができる。
また、本実施例による支持機構は、構造本体(トラス組立体20)と副鏡を支持する部分構造(スパイダリング部10)とを独立させ、それらを結合した構造を有する。トラス組立体20は構造体として独立自立しており、高剛性の静定構造体である。静定構造とすることで、ベースプレート30から歪が入力されても影響が最小化される。このトラス・静定構造により、ベースプレート30にねじれや面外変形が発生しても、モーメント荷重はスパイダリング部10に伝達されない。これにより、トラス組立体20の構造内部に生じる歪が最小となり、振動・熱環境で内部歪の解放によって発生する主鏡200と副鏡100との間の相対位置・角度変化の発生が抑制される。
さらに、副鏡100を支持するスパイダ102は軽量な構造かつ重力方向に高い剛性を有する。このために、地上の重力環境に対しても副鏡100周りのたわみを極力抑えることができる。地上での重力環境でのたわみを抑えることができれば、重力環境と軌道上の無重力環境との間で、たわみの差異を小さくできる。これによって、地上において軌道上での性能に対する予測精度が向上し、軌道上で高精度性能を得ることができる。さらに、トラス組立体20により3点支持されるので、静定支持として、トラス組立体20から副鏡100に伝わる歪を最小化できる。
また、本実施例では、スパイダリング部10とトラス組立体20の結合部分にスペーサ70などの隙間調整要素を設ける。通常、スペーサは結合部に隙間があるときに使用するものであるが、本実施例では、予め隙間を想定して、厚みのあるスペーサを使用する設計とする。スペーサの介在により、副鏡100の位置および傾きを調整して主鏡200と副鏡100との間の相対位置および相対角度を最適に保つことができる。また、トラス組立体20とスパイダリング部10との間にスペーサ70を挟んで調整する方式のため、構造が単純で、強固に結合することができる。
さらに、結合部のねじの締め付けトルクを管理することで、振動環境に対してズレたりすることがなく、主鏡−副鏡間の相対位置を最適状態に維持できる。したがって、本実施例による支持機構は、宇宙用の反射望遠鏡だけでなく、地上の望遠鏡の光学系支持装置としても適用可能である。
本実施例による支持機構では、スペーサ調整部位がリング状のブラケットに沿って配置されている。したがって、スペーサ調整部の位置は主鏡200の径より大きい円周上にあり、副鏡100の径に対して大きい。このために、本実施例では、副鏡100の周辺でスペーサ調整を行う場合に比べて、同じスペーサ厚に対する副鏡100のチルト量が小さい。言い換えれば、副鏡100から離れたスパイダリング外周部で調整を行うことで、同じスペーサ厚に対して副鏡100の角度変化の感度を低くすることができる。したがって、本実施例によれば、スペーサ厚を調整することで、副鏡100の位置および角度をより高精度に調整することができる。
さらに、温度変動によりトラスロッドが伸縮した場合、本実施例では副鏡100のチルト角の変化が小さくなるため、外部の環境に対して、よりロバストな(感度が低い)特性を得ることができる。
なお、スペーサ70は次のようにして形成する。まず、副鏡100を取り付けたスパイダリング部10を6軸調整ステージ(冶具)に設置する。続いて、スパイダリング部10を調整して副鏡100の光学的に最適な位置を求める。スパイダリング部10の最適位置におけるスパイダリングブラケット101とトラス側ブラケット201との間の隙間を測定し、その隙間に応じた厚さのスペーサを選択あるいは加工する。こうしてスペーサ調整に伴う繰り返し作業を最小化して効率化できる。
本発明は、宇宙空間で使用される光学式反射望遠鏡のミラーを支持する装置に適用することができる。本発明は宇宙用の望遠鏡のみでなく、温度変動が生じる地上で使用する望遠鏡の支持構造としても有効である。また、スペーサ調整方法は地上の望遠鏡にも適用できる。
10 スパイダリング部
20 トラス組立体
30 ベースプレート
40 キネマティックマウント
70、70A、70B、70C スペーサ
100 副鏡
101 スパイダリングブラケット
102、102A、102B、102C スパイダ
103、103A、103B、103C 接続部
200 主鏡
201 トラス側ブラケット
202 トラスロッド
203、203A、203B、203C 接続部
204、204A、204B、204C 支点部
301、302 固定ねじ
401 焦点調整機構
402 3次鏡
403 第1折曲鏡
404 第2折曲鏡
405 光検出器

Claims (10)

  1. 主鏡と副鏡とを支持する光学系支持機構であって、
    ベースプレートと、
    前記ベースプレート上に固定されたトラス組立体と、
    前記トラス組立体上に固定されたリング状の第一ブラケットと、
    前記第一ブラケット上に所定の接続箇所で固定されたリング状のスパイダリング部と、
    からなり、
    前記主鏡が前記トラス組立体内の前記ベースプレート上に取り付けられ、前記副鏡が前記スパイダリング部のリング中央部にスパイダにより取り付けられた支持機構。
  2. 前記第一ブラケットおよび前記スパイダリング部の内径が前記主鏡の径以上であり、前記トラス組立体のトラスロッドが2本一組で前記第一ブラケットを3点支持する、請求項1に記載の支持機構。
  3. 前記スパイダリング部が、
    リング状の第二ブラケットと、
    前記第二ブラケットのリング中央部に前記副鏡を支持する3本のスパイダと、
    からなり、前記第二ブラケットが前記第一ブラケット上に所定の接続箇所で固定された、請求項1または2に記載の支持機構。
  4. 前記スパイダは十分小さい厚さを有する矩形プレートであり、前記矩形プレートの長さ方向で前記第二ブラケットの内側と前記副鏡とを接続し、前記矩形プレートの幅方向を前記主鏡および前記副鏡の光軸方向に一致させた、請求項1−3のいずれか1項に記載の支持機構。
  5. 前記第一ブラケットと前記スパイダリング部とを固定する前記所定の接続箇所は、正三角形の頂点に対応する3点である、請求項1−4のいずれか1項に記載の支持機構。
  6. 前記トラスロッドの前記ベースプレートとの固定点は、前記主鏡の周りの正三角形の頂点に対応する3点であり、前記所定の接続箇所の3点と前記固定点の3点とは60°位相がずれている、請求項5に記載の支持機構。
  7. 前記所定の接続箇所は、前記第一ブラケットと前記スパイダリング部との間に調整された厚さを有するスペーサを挟んだ構造を有する、請求項1−6のいずれか1項に記載の支持機構。
  8. 主鏡と副鏡とを支持する光学系支持機構における支持調整方法であって、
    前記支持機構が、ベースプレートと、前記ベースプレート上に固定されたトラス組立体と、前記トラス組立体上に固定されたリング状の第一ブラケットと、前記第一ブラケット上に複数の所定接続箇所で固定されたリング状のスパイダリング部と、からなり、前記主鏡が前記トラス組立体内の前記ベースプレート上に取り付けられ、前記副鏡が前記スパイダリング部のリング中央部にスパイダにより取り付けられた構造を有し、
    前記複数の所定接続箇所で、前記第一ブラケットと前記スパイダリング部との間にスペーサを挟み、
    前記複数の所定接続箇所におけるそれぞれのスペーサの厚さを調整することで、前記副鏡の前記主鏡に対する角度を調整する、
    支持調整方法。
  9. 前記第一ブラケットおよび前記スパイダリング部の内径が前記主鏡の径以上であり、前記トラス組立体のトラスロッドが2本一組で前記第一ブラケットを3点支持する、請求項8に記載の支持調整方法。
  10. 前記複数の所定接続箇所において、所定の固着手段が前記スパイダリング部と前記第一ブラケットとを締め付け、前記スパイダリング部の貫通穴の径を前記固着手段の径より大きくすることで、前記主鏡の光軸に対する前記副鏡の光軸の位置を調整する、請求項8または9に記載の支持調整方法。
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