JP6597032B2 - ミラー支持方法、ミラー支持構造およびミラー構造体 - Google Patents
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Description
本発明によるミラー構造体は、上記ミラー支持構造と前記ミラーとからなり、前記ミラー支持構造が前記ミラーの底面を前記複数の支持ロッドにより支持することを特徴とする。
本発明によるミラー支持方法は、複数の支持ロッドによりミラーを支持するミラー支持方法であって、前記複数の支持ロッドを所定の支持点配置で前記ミラーの底面に対して所定の角度で接合し、前記支持点配置と前記支持ロッドの接合角度とに基づいて前記ミラーのツェルニケ(Zernike)5−37次の自重変形RMS値を最小化する、ことを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、ミラーを斜めに支持する支持構造の支持点配置と、支持構造と当該ミラーとの間の角度と、を最適化することで、少ない支持点数でミラーの自重変形を最小化することが可能となる。以下、本発明の原理的なメカニズムおよび実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
大型のミラーの主要な設計課題の一つは、1G下での自重変形の低減である。ミラーの厚さ及びミラー支持点配置はミラーの基本的構造諸元であるが、このミラー厚さと支持点配置は自重変形に大きくかかわるパラメータである。なかでも、支持点配置は設計の自由度が大きく、支持点配置を適切に決定することはミラー部構造設計において最も基本的な設計項目である。さらに、逆バイポッド式支持構造の場合、支持点配置だけでなく支持構造の取付角度によって自重変形が影響を受ける。以下、図1〜図3に示す逆バイポッド式支持構造を用いたミラー構造体を例示し、支持点配置と支持構造取付角度の最適組み合わせによって自重変形を最小化できることを示す。
図1〜図3に例示するように、本発明の一実施形態によるミラー支持構造を適用可能なミラー構造体は、ミラー10が3組の逆バイポッド式支持構造11〜13による6点で支持された構成を有する。ミラー10は、たとえば高精度の波面が要求される平面鏡、凹面鏡等であるが、そのほか、精度が要求される光学部材であってもよい。逆バイポッド式支持構造11〜13の各々の構造については後述する。
一般に、円形ミラー10の自重変形量Wは次式(1)で近似的に表すことができる(”Analytical Predictions For Lightweight Optics In A Gravitational And Thermal Environment,” Proc. of SPIE Vol. 0748, Structural Mechanics of Optical Systems II)。
W:自重変形量(重力方向が光軸垂直の場合)
C:支持点配置で決まる定数
q:ミラー面密度(単位面積当たり質量)
R:ミラー半径
E:ミラー弾性率
t:ミラー厚さ
自重変形低減にはTriangular変形低減が重要である。重力方向が光軸垂直の場合、自重変形の主たる成分は、変形モードのうち、
1)ピストン成分(光軸方向の並進移動)、
2)パワー変形成分(曲率半径変化)、
3)その他ツェルニケ(Zernike)5次以上の高次変形成分
となる。
以上述べたように、本実施形態によれば、逆バイポッド式支持方式におけるバイポッドの支持点配置と各バイポーラとミラーとの角度とを最適化することで、少ない支持点数でミラーの自重変形を最小化することが可能となる。
本発明の一実施例によるミラー支持構造は、逆バイポッド式構成を有し、上述したようにミラー10の底面の中心の周りに互いに120°の角度で配置され、各逆バイポッド式支持構造の2本の支持ロッド、計6本の支持ロッドがミラー10を支持する。以下、本実施例における分離可能支持ロッドの構成について説明する。
本発明の他の実施例によれば、上述した分離可能支持ロッド100を2本用いて、逆V字に接続することで分離可能なバイポッド式支持構造を構成することができる。バイポッド式支持構造は、ミラー10に接着するパッドに固定された2本の分離可能支持ロッドからなり、各分離可能支持ロッドにはベース構造体14に固定される固定部が設けられている。本実施例では、3組のバイポッド式支持構造がミラー10を3点支持し、ベース構造体14に6点で固定される。各バイポッド式支持構造の各支持ロッドは、図9〜図11において説明した支持ロッド100の上下が反転した構成を有する。
上述した本実施例によるミラー支持構造は、大型光学式望遠鏡のミラーの支持構造に適用される。たとえば、図13に例示される光学式望遠鏡1において、特に大型ミラー2の支持構造に適用可能である。すでに述べたように、式(1)から、自重変形は半径の4乗に比例するので、口径が大きくなるほど自重変形の低減が益々大きな設計課題になるからである。
11〜13 逆バイポッド式支持構造
14 ミラー構造体
100 分離可能支持ロッド
101 接着パッド
102 接続部
103 可撓接合部
104 分離可能接合部
105 接続ロッド
106 可撓接合部
107 固定部
Claims (11)
- ミラーを複数支点で支持する複数の支持ロッドを有し、前記複数の支持ロッドの支持点配置と、前記ミラーの底面に対する前記各支持ロッドの接合角度と、に基づいて、前記ミラーのツェルニケ(Zernike)5−37次の自重変形RMS値を最小化することを特徴とするミラー支持構造。
- 前記複数の支持ロッドが前記ミラーの周辺部に配置され、各支持ロッドが前記ミラーの底面の内側に傾いて設置されることを特徴とする請求項1に記載のミラー支持構造。
- 前記支持点配置と前記支持ロッドの接合角度により前記ミラーのツェルニケ(Zernike)10次のTriangular変形成分を最小化することを特徴とする請求項1または2に記載のミラー支持構造。
- 2本の前記支持ロッドからなるバイポッド構造を3組設け、前記3組のバイポッド構造が前記ミラーの中心の周りに均等に配置されたことを特徴とする請求項1−3のいずれか一項に記載のミラー支持構造。
- 前記3組のバイポッド構造は、各バイポッド構造が前記2本の支持ロッドをV字状に構成し、6点で前記ミラーを支持し、3点でベースに結合されることを特徴とする請求項4に記載のミラー支持構造。
- 前記3組のバイポッド構造は、各バイポッド構造が前記2本の支持ロッドを逆V字状に構成し、3点で前記ミラーを支持し、6点でベースに結合されることを特徴とする請求項4に記載のミラー支持構造。
- 前記複数の支持ロッドが前記ミラーを凸状に変形させるように支持することで前記ミラーの自重変形を最小化することを特徴とする請求項1−6のいずれか1項に記載のミラー支持構造。
- 前記複数の支持ロッドの各々には可撓接合部が設けられたことを特徴とする請求項1−7のいずれか1項に記載のミラー支持構造。
- 請求項1−8のいずれか一項に記載のミラー支持構造と前記ミラーとからなり、前記ミラー支持構造が前記ミラーの底面を前記複数の支持ロッドにより支持することを特徴とするミラー構造体。
- 複数の支持ロッドによりミラーを支持するミラー支持方法であって、
前記複数の支持ロッドを所定の支持点配置で前記ミラーの底面に対して所定の角度で接合し、
前記支持点配置と前記支持ロッドの接合角度とに基づいて前記ミラーのツェルニケ(Zernike)5−37次の自重変形RMS値を最小化する、
ことを特徴とするミラー支持方法。 - 前記支持点配置と前記支持ロッドの接合角度により前記ミラーのツェルニケ(Zernike) 10次のTriangular変形成分を最小化することを特徴とする請求項10に記載のミラー支持方法。
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