JP2019158971A - リンク作動装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
回動可能に支持される軸部とその回動する方向の異なる位置に設けられた複数の被接触部を有する回動手段と、
前記回動手段の一部に接続され、前記回動手段の回動に伴い変位するリンク手段と、
前記回動手段に対して接近および離間する方向に移動するよう配置され、前記回動手段の複数の被接触部に順次接触して前記回動手段を回動させる複数の接触部を有する移動接触手段と、
を備えたものである。
この発明(A3)のリンク作動装置は、上記発明A1又はA2のリンク作動装置において、前記移動接触手段は、1つの本体部に前記複数の接触部を設けた構造物として構成されているものである。
この発明(A4)のリンク作動装置は、上記発明A3のリンク作動装置において、前記移動接触手段における複数の接触部は、前記本体部の長手方向の一端に設ける面部と、前記本体部の長手方向の途中に設ける窪み部の内側で対向する2つの壁面部とで構成されているものである。
この発明(A5)のリンク作動装置は、上記発明A1からA4のいずれかのリンク作動装置において、前記回動手段を前記移動接触手段が前記離間する方向に移動するときの方向に回動させるよう付勢する付勢手段を備えているものである。
上記発明A3のリンク作動装置によれば、移動接触手段が複数の本体部に複数の接触部を配分して設けた構造物である場合に比べて、移動接触手段を小型で簡易な構造物にし易くなる。
上記発明A4のリンク作動装置によれば、移動接触手段を離間する方向に移動させた場合、その移動接触手段における複数の接触部の一部が回動手段の被接触部に接触しない状態になっても、回動手段が回動して、リンク手段を移動する範囲の一端側の位置に戻すことができる。
上記発明A5のリンク作動装置によれば、回動手段が付勢手段で付勢されていても、移動接触手段を接近する方向に移動させることにより回動手段を回動させてリンク手段の移動量を確保でき、また、移動接触手段を離間する方向に移動するときに、複数の接触部の一部が回動手段の被接触部に接触しない状態になっても、回動手段が付勢手段の付勢する力を受けて回動し、リンク手段の移動量を確保できる。
図1から図4は、この発明の実施の形態1を示すものである。図1は実施の形態1に係る画像形成装置1の外観の概要を示し、図2はその画像形成装置1の主な構成の概要を示し、図3はその画像形成装置1における作像装置などの概要を示し、図4はその画像形成装置1における着脱構造部分の概要を示している。
画像形成装置1は、画像形成装置の一例であるプリンタとして構成されたものであり、外部から入力される文字、写真、図形等からなる画像の情報に基づいて現像剤(トナー)で構成される画像を被記録材の一例である記録用紙9に形成するものである。
また、画像形成装置1は、図2等に示されるように、装置本体である筐体10の内部に、現像剤としてのトナーからなるトナー像を電子写真方式等の画像形成方式により形成して記録用紙9に転写する作像装置2、所要の記録用紙9を収容するとともに作像装置2の転写位置に供給する給紙装置3、記録用紙9に転写されたトナー像を定着する定着装置4等を備えている。
このうち、帯電装置22は、感光ドラム21の周面(像形成領域となる外周面部分)を所要の極性および電位に帯電させる接触帯電方式等の装置である。露光装置23は、感光ドラム21の帯電後の周面に、画像形成装置1に種々の方式で入力される画像情報(信号)に対応させた光を照射することにより静電潜像を形成する装置である。現像装置24は、現像剤としてのトナーを現像ロール241から供給することにより感光ドラム21上の静電潜像を現像してトナー像にする装置である。現像装置24には、補給用の現像剤(主にトナー)を収納する現像剤収納容器28から現像剤が補給部244を介して補給される。転写装置25は、感光ドラム21上のトナー像を記録用紙9に静電的に転写させる接触転写方式等の装置である。清掃装置26は、感光ドラム21の周面に付着して残留するトナー等の不要物を除去してその周面を清掃する装置である。
用紙収容体31は、筐体10に対して引き出した状態にできるよう取り付けられており、その利用する態様に応じて複数装備される。用紙収容体31は、例えば、その外装材に設けられる窪んだ形状の取っ手316をつかんで引き出す等の操作が行われる。記録用紙9としては、例えば、所定のサイズに裁断された普通紙、コート紙、厚紙等の記録媒体が使用される。
加熱用回転体41は、図2に示されるように、矢印で示す方向に回転駆動するとともに、図示しない加熱手段により加熱されて周面温度が所要の温度に保持されるロール形態、ベルト形態等からなる加熱用の定着部材である。加圧用回転体42は、加熱用回転体41の軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転するロール形態、ベルト形態等からなる加圧用の定着部材である。また、定着装置4は、加熱用回転体41と加圧用回転体42とが接触する部分を、未定着のトナー像が転写された記録用紙9を通過させて所要の定着処理(加熱、加圧など)を行う定着処理部FNとしている。
その主な用紙搬送路としては、給紙装置3の送出装置32と作像装置2の転写位置TP(感光ドラム21の転写装置25と向き合う位置)との間に設けられる供給搬送路Rt1、作像装置2の転写位置TPと定着装置4の定着処理部FNとの間に設けられる中継搬送路Rt2、定着装置4の定着処理部FNと筐体10の排出口14との間に設けられる排出搬送路Rt3、排出搬送路Rt3の終端(分岐部)と供給搬送路Rt1の途中(合流部)との間に設けられる両面用搬送路Rt4等である。
排出搬送路Rt3は、複数の搬送ロール対35a,35bや図示しない複数の搬送案内部材を用いて、全体が湾曲して立ち上がる状態の経路になるよう形成されている。搬送ロール対35bは、排出口14の手前に設けられ、定着後の記録用紙9を排出収容部13に送り出す排出ロール対として構成されている。
両面用搬送路Rt4は、排出搬送路Rt3の終端を構成する正逆回転可能な排出ロール対35b、複数の搬送ロール対36a,36b,36c、記録用紙9の進路先を切り替える図示しない進路切替部材、図示しない複数の搬送案内部材等で構成されている。搬送ロール対36aは、排出搬送路Rt3における搬送ロール対35aと駆動ロールを共用している。
この画像形成装置1による画像形成は、次のようにして行われる。ここでは、記録用紙9の片面に画像を形成するときの基本的な画像形成動作を例にして説明する。
画像形成装置1は、例えば種々の通信手段で接続されている情報端末等から図示しない制御部が画像形成動作の開始の指令(信号)を受けると、作像装置2においてトナー像を形成する作像動作が開始される。
最後に、供給搬送路Rt1に再送された記録用紙9は、上記片面の画像形成動作の場合と同様に、転写のタイミングで作像装置2の転写位置TPに送り込まれてその他面(第2面:裏面)にトナー像が転写され、しかる後、定着装置4に搬送されてトナー像の定着がなされる。最後に、表裏両面に画像が形成された記録用紙9は、前述した場合と同様に、排出収容部13に排出されて収容される。
この画像形成装置1においては、図4に示されるように、作像装置2の一部を構成する着脱ユニット20と現像剤収納容器28とが筐体10に対して着脱可能な構造になっている。
第2着脱通過空間S2は、着脱ユニット20の装着部から筐体10の一側面部の一部にむけて斜めに延びる空間として構成されている。これにより、着脱ユニット20は、第2着脱通過空間S2の長手方向にほぼ沿う方向でもある矢印D1,D2で示す斜め方向に移動させることで、その装着および取り外しがなされる。
また、この第1着脱通過空間S1と第2着脱通過空間S2については、第1着脱通過空間S1の下部が第2着脱通過空間S2の一部に食い込んで重なり合う関係になっている。これは、上記したように着脱ユニット20の一部に現像剤収納容器28を装着する装着部20bが設けられているためである。
一方、着脱ユニット20の着脱を行う場合は、現像剤収納容器28を取り外した状態にした後に、第2着脱通過空間S2を利用した着脱ユニット20の着脱作業を行う必要がある。
これは、現像剤収納容器28を装着したままで着脱ユニット20の着脱作業を行おうとしても、その現像剤収納容器28の一部が、第2着脱通過空間S2からはみ出した状態になって第2着脱通過空間S2を囲む周囲の部品等に接触することになり、その着脱ユニット20を第2着脱通過空間S2内で通過させる際の妨げになるためである。
そこで、この画像形成装置1では、着脱ユニット20の着脱作業を行う際に、後述する移動機構5により露光装置23が静電潜像を形成するときの露光位置P1(図2の実線で又は図4の二点鎖線で示す露光装置23の位置)からその着脱ユニット20の移動の妨げにならないよう退避する退避位置P2(図4の実線で示す露光装置23の位置)まで移動させられるよう構成されている。
露光装置23の移動機構5は、図4等に示されるように、露光装置23を、第1の位置としての露光位置P1と第1の位置で停止する姿勢とは異なる停止姿勢になる第2の位置としての退避位置P2との間で移動させる機構である。
また、この移動機構5は、露光装置23の長手方向の両端部とそれぞれ向き合う2つの位置に分けて配置される左右2つの移動機構5A,5B(具体的には左側移動機構5Aおよび右側移動機構5B)として構成されている。
画像形成装置1では、この連動機能を実現するため、開閉カバー15の開閉動作時の揺動運動を移動機構5A,5Bの移動動作の動力に変換して伝達する手段として後述するリンク機構6を採用している。
第2の位置である退避位置P2については、図4に示されるように、第2着脱通過空間S2と排出収容部13の斜面部13aとの間に斜めの状態で挟まるように存在する狭小の空間S5の一部となる位置に設定されている。
まず、開閉カバー15を開ける場合は、図4、図13(b)、図14(b)等に示されるように、その開ける動作に連動して移動機構5A,5Bが露光装置23を露光位置P1から退避位置P2に移動させるように動作する。
反対に開閉カバー15を閉じる場合は、図2、図13(a)、図14(a)等に示されるように、その閉じる動作に連動して移動機構5A,5Bが露光装置23を退避位置P2から露光位置P1に移動させるように動作する。
実施の形態1では、図5、図7等に示されるように、移動機構5(5A,5B)とリンク機構6(6A,6B)を一体にした移動装置17が、画像形成装置1の筐体10において露光装置23の長手方向の両端部と向き合う2つの側面部(例えば左右の側面部)113,114の上部に、左右2つの移動装置17A,17B(具体的には左側移動装置17Aおよび右側移動装置17B)として取り付けられている。
図5における符号112は筐体10の一部である底面部、符号115は左右の側面部113,114を側面部の下部で連結する側部連結部、符号116は左右の側面部113,114を上面部の一部で連結する上部連結部をそれぞれ示す。
なお、図7においては、右の第1支持部材171Bの図示が省略されている。また図8においては、左の第1支持部材171Aのみが図示されており、右の第1支持部材171Bの図示と左右の第2支持部材175A,175Bの図示が省略されている。
また、上記第1支持部材171A,171Bにはいずれも、図12から図14等に示されるように、移動機構5A,5Bにおける第1ガイド溝53および第2ガイド溝54がそれぞれ設けられている。この第1ガイド溝53および第2ガイド溝54については、少なくとも露光装置23の長手方向の両端部とそれぞれ向き合うよう配置される板状の支持部材に設ければよい。
リンク機構6は、図8、図9、図12、図13、図14等に示されるように、左側移動機構5Aおよび右側移動機構5Bに対応して左右2つのリンク機構6A,6B(具体的には左側リンク機構6Aおよび右側リンク機構6B)として構成されている。
このリンク機構6A,6Bは、開閉カバー15の開閉時における揺動運動を動力として入力する左右2つの動力入力部61A,61Bと、各動力入力部61A,61Bで得られる動力を移動機構5における移動動作の動力に変換して伝達する左右2つの動力伝達部65A,65Bとを備えている。
左側の回動体62Aは、左の側面部113のうち開閉カバー15と向き合う上部角部の外面側に存在するように、左側移動装置17Aの第2支持部材175Aに回転可能に支持されている。右側の回動体62Bは、右の側面部114のうち開閉カバー15と向き合う上部角部の外面側に存在するように、右側移動装置17Bの第2支持部材175Bに回転可能に支持されている。
また、この動力入力部61A,61Bは、以下に示すようにリンク作動装置の一部を構成している。
まず、リンク作動装置60は、図15から図18等に示されるように、回動可能に支持される軸部とその回動する方向の異なる位置に設けられた複数の被接触部を有する回動手段の一例である回動体62A,62Bと、回動体62A,62Bの一部に接続され、その回動体62A,62Bの回動に伴い変位するリンク手段と、回動体62A,62Bの複数の被接触部に順次接触して回動体62A,62Bを回動させる複数の接触部を有する移動接触手段の一例である接触作用部18A,18Bとを少なくとも備えている装置である。
また、このリンク作動装置60は、左右2つのリンク機構6A,6B等に対応して左右2つのリンク作動装置60(具体的には左側リンク作動装置60Aおよび右側リンク作動装置60B)として構成されている。
一方、バネ取付部625A,625Bについてはいずれも、図10(b)等に示されるように軸部621A(621B)の軸線JLに沿う方向で本体部620A(620B)を境にして第1の被接触部622A(622B)等がある側と反対側の方向JL1に突出する突出部として設けている。
また、回動体62A,62Bは、バネ取付部625A,625Bを、本体部620A,620Bにおいて後述する破線の矢印C1で示す回動方向C1の順番で見たときに第2の被接触部623A,623B、第1の被接触部622A,622B,バネ取付部625A,625Bがこの順番で間隔をあけて並ぶような部位に配置している。また、バネ取付部625A,625Bは、別言すると、本体部620A,620Bにおいて第1の被接触部622A,622Bと引張バネ63A,63Bのバネ取付部625A,625Bの間になる部位に配置されている。
この引張バネ63A,63Bは、その一端部が回動体62A,62Bのバネ取付部625A,625Bに取り付けられ、その他端部632b、632bが左側支持部材175Aや筐体10の右側側面部114に設けられるバネ取付部178等に取り付けられている。そして、引張バネ63A,63Bは、露光装置23が退避位置P2から露光位置P1に移動させられるときに、その引張バネ63A,63Bの一部が回動体62A,62Bの軸部621A,621Bにおける回転中心を含む状態になるまで接近して静止するように配置されている。この引張バネ63A,63Bの配置は、その各引張バネ63A,63Bの長手方向における両端部の固定位置を選定することで実現できる。これにより、引張バネ63A,63Bは、露光装置23が露光位置P1にあるときに、その付勢する力の関係が上記関係(MA2<MA1,MB2<MB1)になるよう構成される。
この第1の接触部183は、開閉カバー15を矢印B2で示す閉じる方向に揺動させる動作に伴って接触作用部18A,18Bが回動体62A,62Bに接近する方向に移動する際に、回動体62A,62Bにおける第1の被接触部622A,622Bと接触して使用される押込み用の接触部として機能する(図15、図16等を参照)。
第2の接触部184は、開閉カバー15を矢印B1で示す開ける方向に揺動させる動作に伴って接触作用部18A,18Bが回動体62A,62Bから離間する方向に移動する際に、回動体62A,62Bにおける第2の被接触部623A,623Bと接触して使用される引出し用の接触部として機能するよう構成されている(図15、図16等を参照)。また、第3の接触部185は、開閉カバー15を矢印B2で示す閉じる方向に揺動させる動作に伴って接触作用部18A,18Bが回動体62A,62Bに接近する方向に移動する際に、回動体62A,62Bにおける第2の被接触部623A,623Bと接触して使用される押込み用の接触部として機能するよう構成されている(図15、図16等を参照)。
図5における符号19は、開けたときの開閉カバー15の姿勢を保持するため、開閉カバー15の一部と側部折曲げ部113bの一部との間を所定の長さで連結する可撓性の部材である。
また、回動リンク66A,66Bは、その他の頂部付近に設けられる第1結合軸662A,662Bが、2地点の間を移動するときに第1支持部材171A,171Bにそれぞれ設けられたガイド溝173A,173Bにより案内されるよう支持されている。
また、第2支持部材175A,175Bには、図7に示されるように、第1支持部材171A,171Bに設けられる支持溝172A,172Bと対応する位置に同じ形状の補助支持溝177A,177Bが設けられている。この補助支持溝177A,177Bには、リンク機構6A,6Bにおける回動リンク66A,66Bの支点軸661A,661B(支点軸661A,661Bを嵌め入れる補助部材664)が嵌め入れられて補助的に案内される。
ちなみに、引張バネ63Bの他端632bは、筐体10の側面部114における本体部114aの一部に設けられる図示しない固定取付部に取り付けられている。この図示しない固定取付部は、図7や図15(a)に示されるように、回動体62Bよりも下方側に離れた位置であって回動体62Bの回転中心よりも回動リンク66Bと反対側にずれた位置に設けられている。
リンク機構6(6A,6B)においては、上記支点軸661A,661Bと上記第1結合軸662A,662Bおよび第2結合軸663A,663Bとを有し、上記支点軸661A,661Bを回転中心にして回動する回動リンク66A,66Bと、上記ガイド溝173A,173Bと上記支持溝172A,172Bとが設けられた第1支持部材171A,171Bとを備えたリンク機構部分(リンク機構6A,6Bの一部分)60において以下の構成を更に採用している。
すなわち、上記ガイド溝173A,173Bについては、図14に示されるように、回動リンク66A,66Bの支点軸661A,661Bと第1結合軸662A,662Bとの離間距離Rを半径とする円弧の曲率よりも大きい曲率からなる形状の長辺ガイド部174を有する構成としている。また、上記支持溝172A,172Bについては、図14(a)に示されるように、ガイド溝173A,173Bの長辺ガイド部174の延びる方向N1と交差する方向N2に延びる長い形状の長溝で構成している。
また、長辺ガイド部174については、図14(a)に示されるように、ガイド溝173A,173Bが第1結合軸662A,662Bを案内する2地点を結ぶ直線(N1)に沿う直線状の形状になるよう形成している。また、長辺ガイド部174については、長溝状のガイド溝173A,173Bにおける2つの長辺部のうち支持溝172A,172Bから遠い方の長辺部に設けている。
一方、支持溝172A,172Bについては、図14(a)に示されるように、ガイド溝173A,173Bの長手方向(N1)の中心点CPを通過する垂直線に沿う長い形状の長溝として形成されている。
また、露光装置23は、図13等に示されるように、支持部材232が、第1突起51および第2突起52が設けられた左右2つの取付け部材236に挟まれて存在する状態で板バネ234を介して露光本体部231に固定されている。
また、第2ガイド溝54については、図6や図14(a)等に示されるように、1つの円弧状の形状からなるガイド溝として構成している。しかも、このときの第1ガイド溝53については、第2ガイド溝54のうち露光位置P1側に存在する円弧状の部分と同じ方向に曲がる円弧状の形状からなる部分53cと、第2ガイド溝54のうち退避位置P2側に存在する円弧状の部分とは反対の方向に曲がる円弧状の形状からなる部分53dとを有しているガイド溝として形成している。
また、リンク機構6A,6Bにおける動力入力部61A,61B(実際には回動体62A,62B)が、側面部113,114の外側面のうち側部折曲げ部113b,114bの通過口117が設けられた部位に接近した位置に配置される。
さらに、リンク機構6A,6Bにおける動力伝達部65A,65B(実際には連結リンク67A,67Bと回動リンク66A,66B)が、側面部113,114の外側面のうち移動機構5A,5Bと動力入力部61A,61Bの間の位置でかつ上部折曲げ部113c,114cに接近させた位置に配置される。
移動装置17A,17Bは、上記したように開閉カバー15の開閉動作に連動してリンク機構6A,6Bを作動させることにより移動機構5A,5Bにおいて露光装置23が露光位置P1と退避位置P2の間で移動するように動作する。
はじめに、閉じられた状態にある開閉カバー15を開けるときの動作について説明する。開閉カバー15を開けるのは、現像剤収納容器28や着脱ユニット20の交換作業等に伴う着脱などを行うときである。
このときのリンク移動装置60A,60Bにおいては、接触作用部18A,18Bにおける第2の接触部185を、回動体62A,62Bにおける第2の被接触部623A,623Bに接触させているときに限り、回動体62A,62Bを矢印C1で示す方向に回動させていることになる。
これにより、第1突起51が、移動機構5A,5Bにおける第1ガイド溝53に案内されながら移動し、第1ガイド溝53の下方側の位置から第1ガイド溝53の上方側の位置まで移動させられる。また、この第1突起51の移動に併せて同じ露光装置23における第2突起52が、移動機構5A,5Bにおける第2ガイド溝54に案内されながら移動し、第2ガイド溝54の下方側の位置から第2ガイド溝54の上方側の位置まで移動させられる。
また、移動機構5A,5Bにより退避位置P2に移動させられた露光装置23は、図4、図6等に示されるように、その露光本体部231(の出光面233)が斜め上方を向いた停止姿勢に保たれる。上記斜め上方は、例えば、第2着脱通過空間S2の長手方向に沿う上向きの方向である。
つまり、この段階では、開閉カバー15における接触作用部18A,18Bが回動体62A,62Bから完全に離れた状態にある。しかし、リンク機構6A,6Bにおける回動体62A,62Bは、図13(b)や図14(b)に示されるように、引張バネ63A,63Bによる張力TA1,TB1を回動体62A,62Bを矢印C1の方向に回動させる付勢力MA1,MB1として受け続けるようになっており、これにより破線の矢印C1で示す方向に回動し続けるよう保たれている。このため、その回動体62A,62Bの破線の矢印C1で示す方向への回動し続けるときの回転運動(動力)が、動力伝達部65A,65Bにより回動リンク66A,66Bを破線の矢印G1で示す方向に回動させ続ける力FA1,FB1として伝達される。
この結果、回動リンク66A,66Bが破線の矢印G1で示す方向に回動し続ける状態に保たれているので、露光装置23における第1突起51および第2突起52は、第1ガイド溝53および第2ガイド溝54の上方側の位置に留められた状態で維持される。
このため、この移動機構5A,5Bでは、露光装置23の露光位置P1および退避位置P2における各停止姿勢を90度以上回転した異なる姿勢に変更することが可能である。
次に、開けられた状態にある開閉カバー15を閉じるときの動作について説明する。
図22において符号CSは、回動体62Bの軸部621Bにおける回転中心(軸線JLが通過する位置)を示している。上記回動させる量は、例えば、第1の接触部183が第1の被接触部622Bに接触する直前における結合軸624Bの回転中心CSと結ぶ直線を基準線としたとき、その基準線に対して回動体62Bが矢印C2の方向に回動したときの結合軸624Bの各位置における回転中心CSとなす中心角の大小として捉えることもできる。
この図22に例示されるように、リンク移動装置60B(60Aにおける連結リンク67Bの移動する量Uは、上記第1段階の動作では第1の移動量(U1+U2)となり、上記第2段階の動作では第2の移動量(U3)になる。このように第2段階の動作まで行うときの連結リンク67Bの移動する量Uは、第1段落の動作を行うのみの場合の第1の移動量に比べて、移動量U4だけ増えることになる。
これにより、第1突起51が、図20から図18に遡るように示されるように、移動機構5A,5Bにおける第1ガイド溝53に案内されながら移動し、第1ガイド溝53の上方側の位置から第1ガイド溝53の下方側の位置まで移動させられる。また、この第1突起51の移動に併せて同じ露光装置23における第2突起52が、移動機構5A,5Bにおける第2ガイド溝54に案内されながら移動し、第2ガイド溝54の上方側の位置から第2ガイド溝54の下方側の位置まで移動させられる。
また、移動機構5A,5Bにより露光位置P1に移動させられた露光装置23は、図4、図6等に示されるように、その露光本体部231(の出光面233)が斜め下方(感光ドラム21の露光位置:静電潜像の形成位置)を向いて停止した姿勢に保たれる。
これにより、第1突起51が設けられている取付け部材236が上記位置決め部に向けて押し付けられた状態になる。また、これに伴って圧縮バネ237が更に圧縮された状態になる。このため、露光装置23については、露光本体部231が圧縮バネ237により取付け部材236に対して矢印J2(図13)で示す方向に変位させられるよう付勢されて上記位置決め部に強く押し付けられるので、強固に位置決めされた状態になる。
これにより、接続リンク68A,68Bは、回動リンク66A,66Bにおける第2結合軸663A,663Bが、回動リンク66A,66Bにおける支点軸661A,661Bと第1突起51とを結ぶ直線を乗り越えた側の領域に移動して停止部179に接触し、その時点で停止した姿勢になる。このとき第2結合軸663A,663Bは、上記直線と交差する位置になる死点を通過することになる。また、このときの回動リンク66A,66Bと接続リンク68A,68Bは、支点軸661A,661Bと第2結合軸663A,663Bと第1突起51を結ぶ線が、第2結合軸663A,663Bの位置が上記直線から矢印G2又は矢印H2で示す方向にずれて突出した位置になり、全体でくの字状に屈曲した線になる状態におかれる。
これにより、接続リンク68A,68Bは、回動リンク66A,66Bの第2結合軸663A,663Bと接続される側の端部の一部が図示しない停止部に接触した状態が維持され、上記停止した姿勢が保たれる。
つまり、このときは、リンク機構6A,6Bとリンク作動装置60A,60Bにおいては、図15(a)や図16(a)に示されるように、引張バネ63A,63Bが、露光装置23が退避位置P2にあるときと比べて延ばされた状態にあるが、その引張バネ63A,63Bの一部が回動体62A,62Bの軸部621A,621bの回転中心(CS)を含む状態になるまで接近して静止した状態にもなる。
このため、このときの引張バネ63A,63Bの張力TA2,TB2は、回動体62A,62Bを破線の矢印C2で示す方向に回動させる付勢力としては作用することがなく、回動体62A,62Bを破線の矢印C1で示す方向に回動させる付勢力MA2,MB2としてわずかに作用する程度である。
したがって、このとき回動体62A,62Bは、引張バネ63A,63Bの張力TA2,TB2を受けて矢印C1で示す方向に回動させられる状態になるので、図15(a)や図16(a)に示されるように、回動体62A,62Bの回転運動(動力)が動力伝達部65A,65Bにより回動リンク66A,66Bを矢印G2で示す方向に回動させ続ける力FA2,FB2として伝達されることがない。
すなわち、開閉カバー15は、閉じたときに図示しないロック手段(ラッチ機構等)によりロックされる固定位置を越えて矢印B2で示す閉じる方向に数ミリ程度ずれた揺動終端位置までオーバーストロークして揺動できるように構成されているとともに、図示しない付勢手段(バネ等)により矢印B1で示す開ける方向に少し戻されるわずかな付勢力を受けるように構成されている。
これにより、開閉カバー15を閉じる過程では、接触作用部18A,18Bの第3の接触部185が回動体62A,62Bの第2の被接触部623A,623Bに接触し、接続リンク68A,68Bが上記停止する姿勢になるまで接触し続ける。しかし、接続リンク68A,68Bが上記反動を受けて停止する姿勢が保たれる状態になると、リンク機構6A,6B全体の関係により回動体62A,62Bが停止した状態になる一方で、開閉カバー15が上記付勢力を受けることで揺動終端位置から固定位置に戻される。この結果、接触作用部18A,18Bは、開閉カバー15の揺動に伴って矢印B1で示す方向に少し移動するので、回動体62A,62Bの第2の被接触部623A,623Bから離れた状態になる。
しかし、画像形成装置1はリンク作動装置60A(60B)を備えていることにより、図23(a)に例示するように、通過口117から挿入した物品200(の先端部)を回動体62Aの第1の被接触部622Aに接触させて矢印C2で示す方向に回動させようとした場合でも、同図(b)に示されるように回動体62Aの第2の被接触部623Aが物品200の一部に接触した状態になる。
これにより、この画像形成装置1では、物品200をそれ以上、奥側に押し込んで回動体62Aを矢印C2で示す方向に回動させることができない。この結果、回動体62Aを矢印C2で示す方向に必要な量だけ回動させることができず、露光装置23を露光位置P1に移動させて固定させることができないようになっている。
この結果、回動リンク66A,66Bのうち第1結合軸662A,662Bが存在する部分665A,665Bは、その回動リンク66A,66Bの回動に伴って、第1結合軸662A,662Bを上記2地点(P10,P20)の間で移動するよう案内するガイド溝173A,173Bのうち支持溝172A,172Bとは反対側の部位(本例では長辺ガイド部174でもある)から迫り出す量(図19参照)が低減される。
このことによって画像形成装置1では、上記リンク機構部分60を、筐体10の側面部113,114における内壁面の一例である上面折曲げ部113d,114dに接近した状態で容易に配置することが可能になる(図15から図18)。
実施の形態1では、リンク移動装置60における回動手段の一例である回動体62として2つの被接触部622,623を有するものを例示したが、その回動手段としては3つ以上の被接触部を有するものであってもよい。また、その回動手段として、円盤状の本体部620を有する回動体62を例示したが、その回動手段は他の形状からなる本体部を有するものや本体部がなく軸部が本体を兼ねたものであっても構わない。
ただし、回動手段は、複数の被接触部を軸部の軸線JLに沿う方向で異なる側の方向に突出する突出部として設ける場合よりも、その軸部の軸線JLに沿う方向で同じ側の方向に設けた場合の方が、回動手段の軸線方向JLにおける寸法を小さくし易くなる。
また実施の形態1では、リンク移動装置60における移動接触手段の一例である接触作用部18として3つの接触部183〜185を有するものを例示したが、その移動接触手段としては2つ又は4つ以上の接触部を有するものであってもよい。
また、実施の形態では、リンク移動装置60A,60Bを適用する画像形成装置として電子写真方式を採用した画像形成装置1を例示した。しかし、そのリンク移動装置60A,60Bを適用する画像形成装置は、回動手段の一部に接続されて回動手段の回動に伴い変位させるリンク手段を利用する画像形成装置であれば、他の画像形成方式(インク吐出方式など)や構成を採用する画像形成装置であってもよい。
2 …作像装置(作像手段の一例)
15…開閉カバー(揺動手段の一例)
60…リンク作動装置
62…回動体(回動手段の一例)
63…引張バネ(付勢手段の一例)
67…連結リンク(リンク手段の一例)
180…接触作用部(移動接触手段の一例)
182…窪み部
183…第1の接触部(接触部の一例)
184…第2の接触部(接触部および壁面部の一例)
185…第3の接触部(接触部および壁面部の一例)
621…軸部(軸部の一例)
622…第1の被接触部(被接触部の一例)
623…第2の被接触部(被接触部の一例)
B1…開閉カバーを開けるときの揺動方向(回動手段に対して離間する方向の一例)
B2…開閉カバーを閉じるときの揺動方向(回動手段に対して接近する方向の一例)
C1,C2…回動体の回動する方向
JL…軸線
Claims (7)
- 回動可能に支持される軸部とその回動する方向の異なる位置に設けられた複数の被接触部を有する回動手段と、
前記回動手段の一部に接続され、前記回動手段の回動に伴い変位するリンク手段と、
前記回動手段に対して接近および離間する方向に移動するよう配置され、前記回動手段の複数の被接触部に順次接触して前記回動手段を回動させる複数の接触部を有する移動接触手段と、
を備えたリンク作動装置。 - 前記回動手段における複数の被接触部は、前記軸部の軸線に沿う方向で同じ側の方向に突出する突出部として設けられている請求項1に記載のリンク作動装置。
- 前記移動接触手段は、1つの本体部に前記複数の接触部を設けた構造物として構成されている請求項1又は2に記載のリンク作動装置。
- 前記移動接触手段における複数の接触部は、前記本体部の長手方向の一端に設ける面部と、前記本体部の長手方向の途中に設ける窪み部の内側で対向する2つの壁面部とで構成されている請求項3に記載のリンク作動装置。
- 前記回動手段を前記移動接触手段が前記離間する方向に移動するときの方向に回動させるよう付勢する付勢手段を備えている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のリンク作動装置。
- 画像を形成する作像手段と、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のリンク作動装置と、
を備えた画像形成装置。 - 前記リンク作動装置における前記移動接触手段は、揺動するよう操作される揺動手段又は進退移動するよう操作される進退手段に設けられている請求項6に記載の画像形成装置。
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