JP2019158738A - 自動分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時に測定部が正常と判定されても、所定単位の検体の測定開始時、及び所定単位の検体の測定終了時に測定部が異常と判定された場合に、速やかに異常を把握し、所定の対処を行うことが可能となり、異常と判定された測定部を使い続けることに伴う測定値の異常をなくすことができる自動分析装置を提供する。【解決手段】自動分析装置は、反応容器に分注された検体と試薬とを反応させた反応物を測定する測定装置2と、測定装置2の自己診断を、自動分析装置の起動時、所定単位の検体の測定開始時、及び所定単位の検体の測定終了時に行わせ、測定部の測定値に基づいて、測定装置2の正常又は異常を判定する制御部41と、制御部41の制御により、測定装置2が自己診断して得た測定値が時系列で表示される表示部43と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、自動分析装置に関する。
生体から採取された血清や血漿等の検体を試料とし、この検体中に含まれる抗原又は抗体等の目的物質を定量的に検出する自動分析装置がある。この自動分析装置は、目的物質を化学反応させて発生させた化学発光現象により目的物質から発光される光の光量を測定する発光測定ユニットを備える。発光測定ユニットは、ごく微量の発光であっても高感度で光を検出可能な光検出器を備える。光検出器は、光電子増倍管(PMT:Photomultiplier Tube)により構成されており、検体から放出される光を増倍した光電子の信号電流を出力する。そして、発光測定ユニットは、光電子増倍管から出力される信号電流に基づいて、目的物質が発光した光の光量を測定することが可能となる。
光電子増倍管に外部からの不要な光が進入することを防ぐため、発光測定ユニットは、遮光された筐体内に、目的物質が収容されるサンプル容器と、光検出器とを収納する。これにより、光検出器は、目的物質が発光した光だけを検出することが可能となる。
発光測定ユニットは、光検出器自己診断という機能を有する。光検出器自己診断とは、光検出器が正しく動作していることを確認するために行われる処理であり、一定の強度の光を放出するLED(Light Emitting Diode)を光源として利用する。この光源も遮光された筐体内に収納される。光検出器自己診断を行う際は、筐体内からサンプル容器が取り除かれる。そして、光検出器自己診断では、光源から放出された、例えば、1,000,000カウント分の光を光検出器が検出する。そして、光検出器が出力した信号電流を変換して得られる光量(カウント値)が、光検出器の測定値となる。このため、正常に動作している光検出器であれば、1,000,000カウント分の光を検出可能である。
特許文献1には、指示された分析スケジュールにて診断動作が指示されている試料の分析の前又は後に分析装置内部の所定箇所の状態をチェックする技術が開示されている。
特開平10−318803号公報
従来の光検出器自己診断は、自動分析装置を起動した時の最初の1回のみ行われていた。そして、最初の起動時以外のタイミングで光検出器自己診断を行うには、一旦、自動分析装置を止めて、自動分析装置を起動し直さなければならなかった。また、一旦、測定を停止させた後、ユーザーが自動分析装置に対して各種設定を入力可能なメンテナンス画面からマニュアル操作により光検出器自己診断の実行指示を行う方法も用いられていた。
しかし、ルーチン測定で自動分析装置を使用中に、光検出器に異常が発生する場合がある。極端に異常な測定値が検出されると、光検出器に異常が発生したことをユーザーがすぐに気付くことができる。しかし、光検出器が故障しても、光検出器が、患者等の被検者から採取した血液等の元検体(以下、検体と略記する)を測定したときに出現するようなカウント値を測定することがある。
例えば、光検出器に異常が生じ、光検出器の検出能力が半減すると、本来、光検出器が検出可能なカウント数より低い500,000カウント分の光しか検出できなくなる。このように検出能力が半減した光検出器を用いて測定した検体の測定値が、例えば、480,000カウントであっても、この測定値が、通常の検体測定において取り得る値であれば、発光測定ユニットが、光検出器の故障により測定された値であるにも関わらず、測定値を正常値として誤認識するおそれがある。このため、次に自動分析装置を起動して、光検出器自己診断が行われるまで、ユーザーが光検出器の異常に気付けないことがあった。
そして、特許文献1に開示された技術は、予め指示された分析スケジュールに従って状態をチェックするに過ぎない。そして、分析スケジュールによっては、以前にチェックしたタイミングから次にチェックするタイミングまでの期間が開き過ぎてしまう。このため、チェックしていない期間に光検出器が故障しても、ユーザーは、光検出器の故障を気付くことができない。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、例えば、光検出器を備える測定部の異常を早期に把握できるようにすることを目的とする。
本発明に係る自動分析装置は、測定対象の検体を収容する検体容器を保持する検体容器保持部と、試薬を収容する試薬容器を保持する試薬容器保持部と、検体及び試薬が攪拌される反応容器を保持する反応容器保持部と、検体容器から検体を吸引し、反応容器に検体を分注する検体分注部と、試薬容器から試薬を吸引し、反応容器に試薬を分注する試薬分注部と、反応容器に分注された検体と試薬とを反応させた反応物を測定する測定部と、測定部に対して、自動分析装置の起動時、所定単位の検体の測定開始時、及び所定単位の検体の測定終了時に、測定部の自己診断を行わせ、測定部の測定値に基づいて、測定部の正常又は異常を判定する制御部と、制御部の制御により、測定部が自己診断して得た測定値が時系列で表示される表示部と、を備える。
本発明によれば、例えば、自動分析装置の起動時に測定部が正常と判定されても、所定単位の検体の測定開始時、及び所定単位の検体の測定終了時に測定部が異常と判定された場合に、速やかに異常を把握し、所定の対処を行うことが可能となる。このため、異常と判定された測定部を使い続けることに伴う測定値の異常をなくすことができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態に係る免疫分析装置の構成例を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る発光測定ユニットの構成例を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置の内部構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係るユーザーメンテナンス画面の表示例を示す説明図である。 本発明の第5の実施の形態に係る直近精度管理画面の表示例を示す説明図である。 本発明の第5の実施の形態に係る日差精度管理画面の表示例を示す説明図である。 本発明の第7の実施の形態に係る生化学分析装置の構成例を示す概略構成図である。 本発明の第7の実施の形態に係る制御装置の内部構成例を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
<1.第1の実施の形態(免疫分析装置の例)>
まず、本発明の第1の実施の形態例に係る自動分析装置について図1を参照して説明する。
図1は、免疫分析装置1の構成例を示す概略構成図である。
図1には、本発明の自動分析装置の一例として適用した免疫分析装置1の概略構成図が示される。免疫分析装置1は、被検体の抗原抗体反応等の免疫分析を行う装置である。免疫分析装置1は、測定装置2と、測定装置2を含む免疫分析装置1全体の制御を行うと共に測定装置2から出力される測定値のデータの分析を行う制御装置40とを備えている。
免疫分析装置1は、例えば化学発光酵素免疫測定法(CLEIA:Chemiluminescent Enzyme Immunoassay)を用いて、検体(抗原又は抗体)の高感度の測定を行う。CLEIAは、主な工程として、反応容器内で検体(抗原又は抗体)と試薬とを反応させる反応工程、反応容器内の反応生成物(bound)と未反応物質(free)を分離する分離工程(BF分離)、各試薬と検体とが反応して生成される免疫複合体から生じる発光の発光量を測定する測光工程を有する。
<1−1.自動分析装置の測定系>
測定装置2は、大別して容器供給ユニット3、検体架設ユニット4、容器搬送ユニット5、検体分注プローブ6、試薬保冷ユニット7、第1の試薬分注プローブ8、第2の試薬分注プローブ9、免疫酵素反応ユニット10、第1のBF分離ユニット11、第2のBF分離ユニット12、基質液保冷庫14、容器移送ユニット15及び発光測定ユニット16を備える。これら容器供給ユニット3、検体架設ユニット4等の各ユニットや基質液保冷庫14、容器移送ユニット15及び発光測定ユニット16は、装置外装体20に収容されている。
容器供給ユニット3は、複数の容器(キュベット)3aを収容し、それら複数の容器3aを1つずつ移送位置に配置する。移送位置に配置された容器3aは、容器搬送ユニット5によって免疫酵素反応ユニット10に搬送される。免疫酵素反応ユニット10に搬送された容器3aには、検体と所定の試薬が注入される。
容器搬送ユニット5は、鉛直方向への昇降及び自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアームと、アームの先端部に設けられた保持部を備える。容器搬送ユニット5は、容器供給ユニット3の移送位置に配置された容器3aを保持部により保持し、アームを旋回して、所定のタイミングで免疫酵素反応ユニット10の所定の位置に搬送する。
検体架設ユニット4(検体容器保持部の一例)は、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されているターンテーブルを備える。この検体架設ユニット4には、複数の検体容器4aが収容されている。検体容器4aには、被検者から採取した血液又は尿等からなる検体(サンプル)が収容される。複数の検体容器4aは、検体架設ユニット4の周方向に所定の間隔を空けて並べて配置されている。検体架設ユニット4は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。そして、検体架設ユニット4は、不図示の駆動機構により、周方向に所定の角度範囲ごとに、所定の速度で回転する。図1の例では、検体架設ユニット4の周方向に並べられた検体容器4aの列は、検体架設ユニット4の半径方向に所定の間隔を空けて2列設けられている。なお、検体として、所定の希釈液で希釈された検体を用いてもよい。
検体分注プローブ6(検体分注部の一例)は、検体の吸引及び吐出を行う先端部に取り付けられたプローブと、鉛直方向への昇降及び自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアームを備える。検体分注プローブ6は、検体架設ユニット4の所定位置に移動された検体容器4a内の検体をプローブによって吸引し、アームを旋回させて、所定のタイミングで免疫酵素反応ユニット10の所定の位置にある容器3aに検体を分注する。
試薬保冷ユニット7(試薬容器保持部の一例)は、検体架設ユニット4と同様に、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されているターンテーブルを備える。試薬保冷ユニット7は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回動可能に支持されており、この不図示の駆動機構により、その周方向に所定の角度範囲ずつ、所定の速度で正回転又は逆回転する。
試薬保冷ユニット7には、第1の試薬容器7aと第2の試薬容器7bが収容されている。第1の試薬容器7aと第2の試薬容器7bは、それぞれ試薬保冷ユニット7の周方向上に所定の間隔を空けて並べて配置される。第1の試薬容器7aには、第1の試薬として、検体中の目的の抗原と反応する磁性粒子からなる磁性試薬が収容される。また、第2の試薬容器7bには、第2の試薬として、検体中の抗原と磁性試薬が結合した反応生成物と反応する標識試薬(酵素抗体)が収容される。試薬保冷ユニット7内は、不図示の保冷機構によって所定の温度に保たれている。そのため、第1の試薬容器7aに収容された第1の試薬(磁性試薬)と、第2の試薬容器7bに収容された第2の試薬(標識試薬)は、所定の温度で保冷される。
第1の試薬分注プローブ8(第1の試薬分注部の一例)は、第1の試薬の吸引及び吐出を行う先端部に取り付けられたプローブと、鉛直方向への昇降及び自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアームを備える。第1の試薬分注プローブ8は、試薬保冷ユニット7の所定位置に移動された第1の試薬容器7a内の第1の試薬(磁性試薬)をプローブによって吸引し、アームを旋回させて、所定のタイミングで免疫酵素反応ユニット10の所定の位置にある容器3aに第1の試薬を分注する。
第2の試薬分注プローブ9(第2の試薬分注部の一例)は、第2の試薬の吸引及び吐出を行う先端部に取り付けられたプローブと、鉛直方向への昇降及び自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行うアームを備える。第2の試薬分注プローブ9は、試薬保冷ユニット7の所定位置に移動された第2の試薬容器7b内の第2の試薬(標識試薬)をプローブによって吸引し、アームを旋回させて、所定のタイミングで免疫酵素反応ユニット10の所定の位置にある容器3aに第2の試薬を分注する。
免疫酵素反応ユニット10(反応容器保持部の一例)では、周方向に配置された容器3a内で検体と分析項目に対応する所定の試薬との免疫反応と、この免疫反応で生成される免疫複合体と化学発光基質による酵素反応とが行われる。免疫酵素反応ユニット10は、検体架設ユニット4と同様に、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されているターンテーブルを備える。免疫酵素反応ユニット10は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されており、この不図示の駆動機構により、その周方向に所定の角度範囲ずつ、所定の速度で回転する。ここでは、免疫酵素反応ユニット10は、反時計回りに回転する。図1の例では、免疫酵素反応ユニット10の周方向に並べられた容器3aの列は、免疫酵素反応ユニット10の半径方向に所定の間隔を空けて1列セットされているが、第1の試薬用の容器3aの列と第2の試薬用の容器3aの列を半径方向に所定の間隔を空けて設けてもよい。
免疫酵素反応ユニット10は、検体が注入された容器3aに第1の試薬分注プローブ8によって磁性試薬が分注されると、不図示の撹拌機構により磁性試薬と検体の混合液を撹拌し、検体中の抗原と磁性試薬とを一定時間免疫反応させる(1次免疫反応)。次に、免疫酵素反応ユニット10は、この容器3aを第1の集磁機構(磁石13)に移動し、抗原と磁性試薬が結合した反応生成物を磁力により集磁する。そして、この状態で容器3a内が洗浄され、磁性試薬と反応しなかった未反応物質が除去される(1次BF分離)。
第1の集磁機構は、免疫酵素反応ユニット10の外周部近傍に配置された第1のBF分離ユニット11に対応した位置に固定されている。免疫酵素反応ユニット10のターンテーブルは、固定された下層と回転可能な上層の二層で構成されている。下層のターンテーブルには、第1の集磁機構として磁石13が配置され、上層のターンテーブルには容器3aが配置される。磁石13は、容器3a内の反応生成物を集磁する。
第1のBF分離ユニット11は、第1アーム21と、第1アーム21に取り付けられた第1ノズル22と、第1洗浄槽23とを備える。第1アーム21は、鉛直方向への昇降及び自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。この第1アーム21は、第1ノズル22を、免疫酵素反応ユニット10の1次BF分離位置にある容器3aと、第1のBF分離ユニット11側のノズル洗浄位置にある第1洗浄槽23に移動する。第1ノズル22は、1次BF分離位置において、検体と磁性試薬が注入された容器3a内に洗浄液を吐出及び吸引して洗浄し、磁性試薬と反応しなかった未反応物質を除去する(BF洗浄)。
第1のBF分離ユニット11は、容器3aが1次BF分離位置に搬送されると、1次BF分離を行う。1次BF分離及びBF洗浄により、容器3aには、検体中の目的の抗原と磁性試薬が結合した反応生成物が集磁される。そして、1次BF分離が終了すると、第1アーム21により第1ノズル22を第1洗浄槽23があるノズル洗浄位置に移動する。
1次BF分離後、免疫酵素反応ユニット10は、反応生成物が残留した容器3aに、第2の試薬分注プローブ9によって標識試薬が分注されると、不図示の撹拌機構により磁性試薬と検体の混合液を撹拌し、反応生成物と標識試薬とを一定時間免疫反応させる(2次免疫反応)。次に、免疫酵素反応ユニット10は、この容器3aを不図示の第2の集磁機構に移動し、反応生成物と標識試薬が結合した免疫複合体を磁力により集磁する。そして、この状態で容器3a内が洗浄され、標識試薬と反応しなかった未反応物質が除去される(2次BF分離)。
第2の集磁機構は、第1の集磁機構の磁石13と同様の磁石を有し、免疫酵素反応ユニット10の外周部近傍に配置された第2のBF分離ユニット12に対応した位置に固定されている。図1の例では、第2の集磁機構が備える磁石は、2次BF分離位置にある第2ノズル25の下方に配置されている。
第2のBF分離ユニット12は、第1のBF分離ユニット11と同様の構成を有し、第1のBF分離ユニット11に対し周方向に所定の距離をあけて配置される。第2アーム24は、鉛直方向への昇降及び自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行う。この第2アーム24は、第2ノズル25を、免疫酵素反応ユニット10の2次BF分離位置にある容器3aと、第2のBF分離ユニット12側のノズル洗浄位置にある第2洗浄槽26に移動する。第2ノズル25は、2次BF分離位置において、標識試薬が注入された容器3a内に洗浄液を吐出及び吸引して洗浄し、標識試薬と反応しなかった余剰の未反応物質を除去する(BF洗浄)。
第2のBF分離ユニット12は、容器3aが2次BF分離位置に搬送されると、2次BF分離を行う。2次BF分離及びBF洗浄により、容器3aには、検体中の目的の抗原及び磁性試薬からなる反応生成物と標識試薬とが結合した免疫複合体が集磁される。そして、2次BF分離が終了すると、第2アーム24により第2ノズル25を第2洗浄槽26があるノズル洗浄位置に移動する。
第2のBF分離ユニット12の第2アーム24には、さらに基質液分注プローブ27が取り付けられている。基質液分注プローブ27は、第2ノズル25よりも第2アーム24の回転軸から遠い位置に配置される。基質液分注プローブ27は、不図示のチューブを介して、基質液を収容して保冷する基質液保冷庫14と接続している。基質液分注プローブ27は、磁性試薬、抗原及び標識試薬(酵素抗体)が結合した免疫複合体に対し、標識試薬と特異的に反応する化学発光基質を含んだ基質液を、2次BF分離後の容器3a内に分注する。そして、基質液が注入された容器3aは、免疫酵素反応ユニット10の回転によって、所定位置まで搬送される。所定位置に搬送された容器3aは、容器移送ユニット15によって発光測定ユニット16へ移送される。
発光測定ユニット16(測定部の一例)は、容器3aに分注された検体と試薬とを反応させた反応物が発光するときの光を光検出器17が検出することで、反応物の発光量を測定する。本実施の形態では、発光測定ユニット16が、免疫複合体と化学発光基質からなる発光現象、すなわち発光量を測光する。発光測定ユニット16で測光された発光量に対応する測光信号は、不図示のアナログ−デジタル変換器によりデジタル化される。そして、デジタル化された測光信号は、不図示のシリアルインターフェース等を介して制御装置40に入力され、制御装置40にて分析される。
本実施の形態に係る発光測定ユニット16は、制御装置40の制御により、免疫分析装置1の起動時、所定単位の検体の測定開始時、及び所定単位の検体の測定終了時に、光検出器17に対して、光検出器17の自己診断(光検出器自己診断と呼ぶ)を行わせる。所定単位とは、例えば、検体架設ユニット4に架設された検体容器4aの個数であり、一定の個数の検体を測定する毎に光検出器自己診断が行われる。ただし、所定単位として、例えば、30分ごとのように、一定の時間毎に光検出器自己診断が行われてもよい。そして、制御装置40は、発光測定ユニット16が測定した光検出器17の測定値に基づいて、光検出器17の正常又は異常を判定する。
<1−2.発光測定ユニットの構成例>
図2は、発光測定ユニット16の構成例を示す説明図である。
発光測定ユニット16は、上述した光検出器17の他に、筐体30、遮光部材31等を備える。
筐体30は、容器3aを収容する暗箱として構成されたものである。この筐体30には、例えば円柱を所要形状に穿設して繰り抜くことにより、反応容器収容部37、貫通光路39、及び駆動軸孔50が設けられる。容器移送ユニット15により発光測定ユニット16に移送される容器3aは、反応容器収容部37に収容される。
筐体30には、光源35を収容するための光源収容部36、光源収容部36と反応容器収容部37との間に穿設された光路38が設けられる。光源収容部36に収容される光源35は、例えばLEDである。LEDは、一定の強度の光を放出することが可能である。このため、光検出器自己診断に際して、光源35が、例えば、1,000,000カウント分の光を放出することが可能である。
光検出器17は、筐体30の側周壁において、貫通光路39の形成位置に対応して取り付けられている。この光検出器17は、貫通光路39を介して反応容器収容部37に対面する受光面18を備えており、貫通光路39を通過して受光面18に到達した光の光量を検出する。貫通光路39の中心を通る中心軸は、光検出器17の受光面18の中心を通る中心軸と一致する。
この光検出器17は、例えば光電子増倍管(PMT)のような微弱な光の検出が可能な高感度の光検出器が好適に用いられるが、光電子増倍管に限定されずフォトダイオードを用いたものであってもよい。光検出器17は、制御装置40に接続されており、制御装置40によって光検出の測定を開始し、終了する。光検出器17が検出する光量(カウント値)を示す測光信号は、不図示のアナログ−デジタル変換器によりデジタル化される。そして、デジタル化された測光信号が測定値のデータとして制御装置40に入力される。
上述したように発光測定ユニット16は、光検出器17の自己診断機能を有している。そして、発光測定ユニット16は、予め設定されたタイミングで、光検出器17に対して自己診断を行わせることが可能である。自己診断は、反応物が収容された容器3aがない状態で行われる。このため、光検出器17は、反応容器収容部37に容器3aが収容されていない状態で、光源35から放出され、遮光部材31により開放された貫通光路39を通過する光の光量を検出する。そして、制御装置40の制御部41(後述する図3を参照)は、光源35から放出された光の単位時間当たりの光量に対する、光検出器17が検出した光の単位時間当たりの光量との差に基づいて、光検出器17の正常又は異常を判定する。
駆動軸51は、モータ(不図示)の回転軸に直結して固定されたものであり、筐体30の駆動軸孔50に貫通させて設けられている。この駆動軸51は、駆動軸孔50内において回動自在である。このような駆動軸51において、モータとは逆側の先端は、駆動軸孔50を貫通して遮光部材31の中心に固定されている。これにより、モータの駆動によって、駆動軸51に固定された遮光部材31が、筐体30に対して回転速度を高精度に制御しつつ回動する。
遮光部材31は、筐体30の貫通光路39を連通させる2箇所の検出開口32a,32bを有する。検出開口32a,32bは、遮光部材31を構成する円筒の側周壁の一部を開口して構成され、遮光部材31を回動させた場合に、筐体30の側壁に対して自在に摺動される構成となっている。筐体30における貫通光路39を自在に開放又は遮光する。
検出開口32bには、光フィルタ33が設けられている。光フィルタ33として、例えば、偏光フィルタが用いられる。光フィルタ33は、特定方向の光の光量を減衰する機能を持つ。なお、光フィルタ33として、例えば、全波長範囲の光を均等に吸収して全体光量のうちの所定割合(例えば1%)の光を透過させるNDフィルタを用いてもよい。
検出開口32aは、貫通光路39が設けられた方向に対し、180°の方向に設けられる。また、検出開口32bは、貫通光路39が設けられた方向に対し、135°の方向に設けられる。このため、検出開口32a,32bは、遮光部材31を所定の位置に回動させた場合に、筐体30の貫通光路39に一致する。
例えば、図2の上側には、筐体30の貫通光路39に対して、検出開口32a,32bのいずれも一致していない状態の例が示される。このとき、遮光部材31が遮光しているため、貫通光路39が分断され、受光面18が遮光される。
一方、図2の下側には、遮光部材31が回動されたことにより、筐体30の貫通光路39に対して、検出開口32aが一致した状態の例が示される。このとき、検出開口32aが貫通光路39の一部を構成し、光検出器17の受光面18と、反応容器収容部37との間で貫通光路39が連通した状態となる。そして、反応容器収容部37に容器3aが収容されていれば、容器3aにある反応物から放出される光が受光面18を通過して、光検出器17に入る。また、反応容器収容部37に容器3aが収容されていなければ、光源35から放出される光がそのまま受光面18を通過して、光検出器17に入る。
なお、図示しないものの、遮光部材31が回動されると、筐体30の貫通光路39に対して、検出開口32bが一致する。このとき、反応容器収容部37に容器3aが収容されていれば、容器3aにある反応物から放出される光が、光フィルタ33を通過することで光量が減衰する。そして、光量が減衰した光が受光面18を通過して、光検出器17に入る。
<1−3.制御装置の構成例>
次に、制御装置40の構成例を説明する。
図3は、制御装置40の内部構成例を示すブロック図である。
制御装置40は、バス46に接続された、制御部41と、記憶部42と、表示部43と、入力部44と、インターフェイス部45とを備える。
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)等によって構成されており、記憶部42から読出したプログラムに基づいて免疫分析装置1内の各部の動作を制御する。制御部41は、発光測定ユニット16に光検出器自己診断を行わせるタイミングを制御したり、光検出器17が光検出器自己診断を行って得た測定値の結果に基づいて、光検出器17の正常又は異常を判定したりする。制御部41が実行する様々な処理の詳細は後述する。
記憶部42は、例えば、HDD(Hard disk drive)等の大容量の記録装置によって構成されており、制御部41の処理を実行するためのプログラム、パラメーター、入力部44によってなされた入力操作等を記録する。
表示部43は、光検出器自己診断の測定結果等を表示する。この表示部43には、例えば、液晶ディスプレイ装置等が用いられる。
入力部44は、ユーザーによって行われる免疫分析装置1に対する操作入力を受け付け、入力信号を制御部41に出力する。この入力部44には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等が用いられる。
インターフェイス部45は、測定装置2から受信した測定値のデータを制御部41に渡す。また、インターフェイス部45は、制御部41から送られる制御信号を測定装置2に送信する。これにより、制御部41が測定装置2の各部の動作を制御することができる。
<1−4.光検出器自己診断のタイミングを設定する例>
第1の実施の形態に係る制御装置40の制御部41は、発光測定ユニット16に光検出器自己診断を行わせるタイミングを、測定装置2の起動時(例えば、毎朝、数日毎)だけでなく、「測定開始時」と「測定終了時」とするように制御する。ここで、検体架設ユニット4には、例えば、30本の検体容器4aが配置されている。「測定開始時」とは、検体架設ユニット4に配置された30本の検体容器4aに収容される検体のうち、発光測定ユニット16が最初に検体を測定する前のタイミングである。また、「測定終了時」とは、検体架設ユニット4に配置された30本の検体容器4aに収容される検体のうち、発光測定ユニット16が最後に検体を測定した後のタイミングである。
「測定開始時」と「測定終了時」に光検出器自己診断を行わせる機能を使用するか、従来通りに測定装置2の起動時だけで光検出器自己診断を行わせる機能を使用するかは、入力部44により設定されるパラメーターを切替えることで変更可能である。次表1は、入力部44により設定されるパラメーターの例を示す。
Figure 2019158738
例えば、パラメーター名は、「光検出器自己診断 自動設定」とする。また、パラメーターの変更権限は、管理者以上であることを必要とする。そして、パラメーターとして設定される設定値は、「0」又は「1」のいずれかとする。「0」が設定された場合、無効、すなわち、従来通りに測定装置2の起動時だけで、制御部41が光検出器17に光検出器自己診断を行わせることを表す。「1」が設定された場合、有効、すなわち、「測定開始時」と「測定終了時」においても、制御部41が光検出器17に光検出器自己診断を行わせることを表す。
以上説明した第1の実施の形態に係る免疫分析装置1では、ユーザーがパラメーターの設定値を「1」に設定することで、本実施の形態に係る光検出器自己診断の機能が有効となる。このため、ユーザーが逐一指示しなくても、免疫分析装置1の起動時だけでなく、「測定開始時」と「測定終了時」のタイミングに光検出器17の自己診断が自動的に行われる。このため、光検出器17に異常が発生した際に、ユーザーは、従来よりもいち早く光検出器17に発生した異常を発見し、対処することが可能となる。また、光検出器自己診断のタイミングを増やすことによって、正常に動作する光検出器17により測定されたことが保証されるため、測定値のデータの測定品質を向上することができる。そして、制御部41は、光検出器17を異常と判定した場合に免疫分析装置1を直ちに停止することができる。
また、ユーザーがパラメーターの設定値を「0」に設定すると、本実施の形態に係る光検出器自己診断の機能が無効となる。このため、従来通りに、測定装置2の起動時だけで光検出器17に光検出器自己診断を行わせることも可能である。
<2.第2の実施の形態(絶対値比較により正常又は異常を判定する例)>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る免疫分析装置1について説明する。
本実施の形態に係る制御部41は、光検出器17が自己診断して得た測定値の絶対値を、予め設定された複数の閾値と比較することで、測定値が複数の閾値の範囲内にある場合に光検出器17を正常と判定し、測定値が複数の閾値の範囲外にある場合に光検出器17を異常と判定する。このように制御部41が、光検出器自己診断により得た測定値の絶対値と、閾値とを比較することを「絶対値比較」と呼ぶ。次表2は、制御部41により測定値の正常又は異常を判定するために参照される複数の閾値(上限値及び下限値)の例を示す。
Figure 2019158738
例えば、パラメーター名は、「PMT出力異常判定 上限値」、「PMT出力異常判定 下限値」とする。また、変更権限は、管理者以上であることを必要とする。そして、初期値は、「PMT出力異常判定 上限値」を「1,200,000」とし、「PMT出力異常判定 下限値」を「800,000」とする。
そして、制御部41は、光検出器自己診断を実施することで光検出器17が検出したカウント値が、800,000〜1,200,000の間にあれば正常と判定する。制御部41が正常と判定した場合、検体の測定を継続する。なお、例えば、1日の測定終了時に制御部41が正常と判定した場合、通常の終了処理(例えば、免疫分析装置1の洗浄処理)を継続する。
一方、制御部41は、カウント値が、800,000未満、又は1,200,000以上のいずれかであれば光検出器17に異常が発生したと判定する。制御部41が、光検出器17に異常が発生したと判定した場合、免疫分析装置1を停止し、ユーザーにアラームを通知する。このため、ユーザーは、光検出器17に異常が発生したことを直ちに知ることができ、免疫分析装置1にいち早く対応することが可能となる。
図4は、ユーザーメンテナンス画面W1の表示例を示す説明図である。ユーザーメンテナンス画面W1は、例えば、ユーザーが、「PMT出力異常判定 上限値」、「PMT出力異常判定 下限値」の初期値を変更するための画面である。この画面は、制御装置40の表示部43に表示される。
ユーザーメンテナンス画面W1には、ユーザーが設定を変更可能な各種のパラメーターを示すパラメーター名項目W1aと、設定値項目とがある。設定値項目には、今回、ユーザーにより設定された設定値項目W1b(今回設定値項目と呼ぶ)、前回、ユーザーにより設定された前回設定値項目W1c、デフォルト値(初期値)項目W1dとがある。デフォルト値から変更していない場合、今回設定値項目W1b、前回設定値項目W1cに格納される値は、いずれもデフォルト値項目W1dに格納される値と同じである。ただし、ユーザーが値を変更したときは、今回設定値項目W1bに格納される値が変更される。上述した表2に示すように各パラメーターの設定値を変更可能なユーザーは、変更権限を有する。このため、表2に示す変更権限を変えることで、管理者以外のサービス員や開発者が上下限値の初期値を任意に変更することも可能である。
以上説明した第2の実施の形態に係る免疫分析装置1では、初期値として定めたPMT出力異常判定に用いる上限値及び下限値の範囲内に、光検出器17が検出したカウント値がある場合に自己診断結果が正常と判定される。また、初期値として定めたPMT出力異常判定に用いる上限値及び下限値の範囲外に、光検出器17が検出したカウント値がある場合に自己診断結果が異常と判定される。そして、光検出器自己診断は、上述した第1の実施の形態と組み合わせて、「測定開始時」と「測定終了時」のタイミングで自動的に行われる。このため、自己診断結果が異常と判定された場合に、免疫分析装置1を停止し、速やかに対処することが可能となる。
なお、「PMT出力異常判定 上限値」、「PMT出力異常判定 下限値」は、中間値を決めるだけで自動的に設定できるようにしてもよい。例えば、中間値に対して、±200,000を「PMT出力異常判定 上限値」、「PMT出力異常判定 下限値」としてもよい。この場合、例えば、中間値として、1,000,000を設定したときに、「PMT出力異常判定 上限値」が「1,200,000」、「PMT出力異常判定 下限値」が「800,000」として自動的に設定される。
<3.第3の実施の形態(前回測定値と今回測定値との相対値により正常又は異常を判定する例)>
次に、本発明の第3の実施の形態に係る免疫分析装置1について説明する。
本実施の形態に係る制御部41は、光検出器17が自己診断して得た今回の測定値(以下、「今回測定値」と呼ぶ)を、光検出器17が前回の測定までに自己診断して得た前回測定値と比較する。そして、制御部41は、光検出器17が自己診断して得た今回測定値が、前回測定値に対して乖離した量が所定値未満である場合に、光検出器17を正常と判定する。一方、制御部41は、光検出器17が自己診断して得た測定値が、前回測定値に対して乖離した量が所定値以上である場合に、光検出器17を異常と判定する。次表3は、制御部41により測定値の正常又は異常を判定するために参照される、前回測定値と今回測定値との乖離度合いの例を示す。このように制御部41が、光検出器自己診断により得た今回測定値と、前回測定値との乖離量を所定値(乖離度合い)と比較することを「相対比較」と呼ぶ。
Figure 2019158738
例えば、パラメーター名は、「PMT出力異常判定 上限値(相対)」、「PMT出力異常判定 下限値(相対)」とする。また、変更権限は、管理者以上であることを必要とする。そして、乖離度合いは、「PMT出力異常判定 上限値(相対)」及び「PMT出力異常判定 下限値(相対)」をいずれも「35,000」とする。なお、前回測定値と今回測定値の差を表す相対値は、非常に少ないと考えられるので、乖離度合いとして、相対値を1万倍した値が設定される。
このため、制御部41は、前回測定値が、例えば、1,000,000カウントである場合、今回測定値との相対値が±3.5%の間、すなわち、965,000〜1,035,000の間であれば正常と判定する。制御部41が正常と判定した場合、検体の測定を継続する。なお、例えば、1日の測定終了時に制御部41が正常と判定した場合、通常の終了処理(例えば、免疫分析装置1の洗浄処理)を継続する。
一方、今回測定値との相対値が、965,000未満、又は1,035,000以上であれば異常と判定する。制御部41が、光検出器17に異常が発生したと判定した場合、免疫分析装置1を停止し、ユーザーにアラームを通知する。このため、ユーザーは、光検出器17に異常が発生したことを直ちに知ることができ、免疫分析装置1にいち早く対応することが可能となる。
また、制御部41が、前回測定値に対する今回測定値の乖離量が多いことから、光検出器17に異常が発生したと判定した場合、今回測定値は異常値であると考えられる。このような異常値である今回測定値を、光検出器17の交換等を行った後、前回測定値として使用すると、再び、制御部41は、光検出器17に異常が発生したと判定するおそれがある。このため、制御部41が、光検出器17に異常が発生したと判定した時点で、今回測定値を破棄する。そして、免疫分析装置1の動作を再開した後に行う相対判定では、前回以前に正常と判定したときの前回測定値と、動作再開後に自己診断した今回測定値との差を相対値として求める。
以上説明した第3の実施の形態に係る免疫分析装置1では、PMT出力異常判定に用いる上限値及び下限値の相対値の範囲内に、前回測定値と今回測定値との相対値がある場合に自己診断結果が正常と判定される。また、PMT出力異常判定に用いる上限値及び下限値の相対値の範囲外に、前回測定値と今回測定値との相対値がある場合に自己診断結果が異常と判定される。そして、光検出器自己診断は、上述した第1の実施の形態と組み合わせて、「測定開始時」と「測定終了時」のタイミングで自動的に行われる。このため、自己診断結果が異常と判定された場合に、ユーザーは、免疫分析装置1を停止し、速やかに対処することが可能となる。
なお、表3に示す変更権限を変えることで、管理者以外のサービス員や開発者が上下限値の相対値の乖離度合いを任意に変更することも可能である。
また、光検出器17を交換すると、新たな光検出器17を用いて行われた自己診断の値が、交換前の光検出器17を用いて行われた自己診断の前回測定値とは異なる場合もある。このため、光検出器17を交換した場合には、前回測定値をクリアすることで、前回測定値を使用しなくて済むようにする。ただし、光検出器17を交換した後、前回測定値をクリアするか否かは、ユーザーにより任意に設定可能とする。
<4.第4の実施の形態(光検出器自己診断の診断結果を表示する例)>
次に、本発明の第4の実施の形態に係る免疫分析装置1について説明する。
本実施の形態に係る制御部41は、上述した第2及び第3の実施の形態に係る光検出器自己診断の診断結果に基づいて、様々な動作を制御することが可能である。次表4は、制御部41が光検出器自己診断の診断結果に基づいて行う動作の例を示す。表中で「○」は、診断結果が正常であると判定されたことを示し、「×」は診断結果が異常であると判定されたことを示す。
Figure 2019158738
第2の実施の形態に係る絶対値比較を行った結果、測定値が完全な故障を示す範囲になければ診断結果が正常と判定される。しかし、測定値が完全な故障を示す範囲にあれば診断結果が異常と判定される。この場合、直ちに免疫分析装置1による分析が中止され、ユーザーに分析中止のアラームが出力される。
また、第3の実施の形態に係る相対比較を行った結果、測定値が完全な故障を示す範囲になければ診断結果が正常と判定される。しかし、測定値が完全な故障を示す範囲にあれば診断結果が異常と判定される。この場合も、直ちに免疫分析装置1による分析が中止され、ユーザーに分析中止のアラームが出力される。
一方、第2の実施の形態に係る絶対値比較を行った結果、測定値が軽微な故障を示す範囲になければ診断結果が正常と判定され、測定値が軽微な故障を示す範囲にあれば診断結果が異常と判定される。しかし、測定値が完全な故障を示す範囲になければ診断結果が正常と判定されるため、ユーザーに警告のみのアラームが出力されるが、免疫分析装置1による分析が継続される。
このように第2の実施の形態に係る絶対値比較では、完全な故障を示す範囲と、軽微な劣化を示す範囲とを特定するため、上述した表2に記載した「PMT出力異常判定 上限値」、「PMT出力異常判定 下限値」について、それぞれ2種類の異なる値を設定しておく。そして、例えば、光検出器17の測定値が、「PMT出力異常判定 上限値」の低い方の値を超えた場合、軽微な劣化を示し、「PMT出力異常判定 上限値」の高い方の値を超えた場合、完全な故障を示すものとする。逆に、光検出器17の測定値が、「PMT出力異常判定 下限値」の高い方の値未満となった場合、軽微な劣化を示し、「PMT出力異常判定 下限値」の低い方の値未満となった場合、完全な故障を示すものとする。
なお、第2の実施の形態に係る絶対値比較、第3の実施の形態に係る相対比較のいずれにおいても正常と判定された場合、ユーザーに警告は行われず、免疫分析装置1による分析が継続される。
以上説明した第4の実施の形態に係る免疫分析装置1では、光検出器17の異常の具合によって、免疫分析装置1の動作を「装置を止めずに警告のみ」、「分析中止」等に変更することができる。
なお、制御部41は、表4に示した完全な故障、軽微な劣化に応じて異なるアラームをユーザーに出力してもよい。これにより、ユーザーは、どのような異常を原因として、免疫分析装置1の動作が停止し、又は分析が中止されたかを知ることができる。
<5.第5の実施の形態(光検出器自己診断における測定値を表示する例)>
次に、本発明の第5の実施の形態に係る免疫分析装置1について説明する。
本実施の形態に係る制御部41は、光検出器自己診断の測定値を時系列で比較し、表示部43に表示することが可能である。
図5は、直近精度管理画面W2の表示例を示す説明図である。
直近精度管理画面W2は、過去に所定期間にわたって行われた光検出器自己診断の測定値の平均値に対する、現在の光検出器自己診断の測定値との乖離量をグラフ化して表示する。このため、直近精度管理画面W2に示されるチャート表示エリアW2aは、光検出器自己診断のタイミングを示す日時(30分毎)を横軸とし、光検出器17の測定値の平均値(Mean)と、標準偏差(±2SD(Standard Deviation)、±3SD)を縦軸とするグラフを表す。そして、制御部41は、光検出器17が自己診断して得た測定値を時系列で表示部43、すなわち直近精度管理画面W2のチャート表示エリアW2aに表示する。
図5に示す例では、光検出器自己診断により測定された光検出器17の測定値は、チャート表示エリアW2aに表示される期間において全て平均値より下の値であるが、標準偏差「−SD」の付近にある。ここで、標準偏差「±SD」の範囲には、全体のデータの約68%のデータが入ることが知られている。このため、光検出器17の測定値は、平均値から大きく乖離せず、光検出器17に異常が発生していないことが示される。
そして、本実施の形態において、光検出器自己診断が測定装置2の起動時だけでなく、「測定開始時」と「測定終了時」にも行われるので、制御部41は、光検出器17の測定値を、例えば、30分おきに得ることも可能である。このため、チャート表示エリアW2aは、30分おきに得られた測定値をプロット可能なように横軸の時間スケールが調整して表示される。
図6は、日差精度管理画面W3の表示例を示す説明図である。
日差精度管理画面W3は、光検出器自己診断の測定値を、1日毎にグラフ化して表示する。日差精度管理画面W3のチャート表示エリアW3aには、「Xbar−R管理図」が表示される。Xbar−R管理図は、光検出器自己診断のタイミングを示す日を横軸とし、光検出器自己診断の測定値の平均値(Mean)と、標準偏差(±2SD、±3SD)とを縦軸とするグラフである。チャート表示エリアW3aの上段には、当日に光検出器17が測定した測定値を平均した平均値(Xbar)の推移が表され、下段には、光検出器17が測定した測定値の変動幅(R)の日毎の推移が表される。チャート表示エリアW3aの上段及び下段に示すグラフの縦軸は、それぞれ平均値に対してSD幅で描画される。そして、制御部41は、光検出器17が自己診断して得た測定値を時系列で表示部43、すなわち日差精度管理画面W3のチャート表示エリアW3aに表示する。
チャート表示エリアW3aの上段に示すグラフは、Xbarチャートであり、図5に示した直近精度管理画面W2と同様の内容であるため、詳細な説明を省略する。
チャート表示エリアW3aの下段に示すグラフは、Rチャートであり、各測定日毎に測定された各測定値の「最大値−最小値」で求められる。チャート表示エリアW3aの下段に示すグラフにより、当日の測定値の幅がどの位あったかが示される。例えば、ある測定日に2回測定して得られた測定値が「100」と「110」であれば変動幅は「10」となり、2回とも全く同じ測定値であれば変動幅は「0」となる。なお、1日に1回しか測定していなければ、他に測定結果が変動しないので、変動幅は「0」となる。このため、例えば、12月31日に注目すると、チャート表示エリアW3aの上段により平均値は−2SD近くずれていたことが示される。一方、チャート表示エリアW3aの下段により、12月31日に行われた複数回の測定により得られた各測定値は、平均値から低いながらもそれぞれ同じような値であったため、変動幅は小さかったことが示される。
以上説明した第5の実施の形態に係る免疫分析装置1では、光検出器自己診断の診断結果を、例えば、コントロール検体の測定値を管理するため用いられてきた従来の直近精度管理や日差精度管理と同様に扱うことが可能である。このため、ユーザーにとって使い慣れた管理手法により、光検出器17の正常又は異常を判断することが可能となる。
なお、制御部41は、光検出器自己診断の今回の測定値が、例えば、±2SD、又は±3SDを超え、光検出器17を異常と判定した場合にアラームを出力してもよい。例えば、第4の実施の形態に係る表4に、測定値が2SD、3SDを超えた場合における免疫分析装置1の動作も追加する。そして、制御部41は、過去の測定値の平均値に対して乖離した量が、2SDを越えた場合は「装置を止めずに警告のみ」のアラーム出力とし、過去の測定値の平均値に対して乖離した量が3SDを越えた場合は「緊急停止」のアラーム出力とし、免疫分析装置1を自動的に停止する。このように光検出器自己診断の測定値が、過去の測定値の平均値から乖離した量によって免疫分析装置1の動作を変更することが可能となる。
<6.第6の実施の形態(測定値のデータにフラグを付加する例)>
次に、本発明の第6の実施の形態に係る免疫分析装置1について説明する。
本実施の形態に係る制御部41は、光検出器自己診断により、光検出器17を異常と判定した場合に、診断結果を異常と判定するまでに測定した検体の測定値のデータにフラグを付加する。
例えば、制御部41は、前回の光検出器自己診断の診断結果を正常と判定した後、今回の光検出器自己診断の診断結果を異常と判定する場合がある。この場合、前回、光検出器自己診断を行ってから、今回、光検出器自己診断を行うまでの間に測定された検体の測定値は、故障した光検出器17により正しい値を得られていない可能性が高い。
このため、制御部41は、光検出器17の異常を判定した時点で、前回、光検出器自己診断が行われてから、今回、光検出器自己診断が行われるまでの間に光検出器17が測定した検体の測定値を収容する測定データの所定エリアにフラグを一括して付加する。そして、表示部43は、測定データに付加されたフラグに応じて、測定データが不正確である可能性が高いことを表示する。これにより、ユーザーは、どのデータが、信頼性の低いデータであるかを容易に判別することができる。
なお、制御部41は、免疫分析装置1の動作が復旧した後、フラグが付加されたデータを優先して再検査を行うように制御してもよい。
<7.第7の実施の形態(生化学分析装置の例)>
次に、本発明の第7の実施の形態例に係る自動分析装置について説明する。
図7には、本発明の自動分析装置の一例として適用した生化学分析装置100の斜視図が示される。生化学分析装置100は、例えば、患者等の被検者の血液や尿等の生体から採取した検体に含まれる特定の成分の量を自動的に測定する装置である。本実施の形態では、生化学分析装置100で用いられる多波長光度計114(測定部の一例)の自己診断を予め設定されたタイミングで行わせ、多波長光度計114の正常又は異常を判定する。
生化学分析装置100は、サンプルターンテーブル101と、希釈ターンテーブル102と、第1試薬ターンテーブル103と、第2試薬ターンテーブル104と、反応ターンテーブル105と、を備えている。また、生化学分析装置100は、元検体サンプリングプローブ106と、希釈検体サンプリングプローブ107と、希釈撹拌機構108と、希釈容器洗浄機構109と、第1試薬分注プローブ110と、第2試薬分注プローブ111と、第1反応液撹拌機構112と、第2反応液撹拌機構113と、多波長光度計114と、恒温槽115と、反応容器洗浄機構116と、サンプルバーコードリーダー117と、制御装置118とを備えている。
サンプルターンテーブル101には、複数の検体容器121と、複数の希釈液容器122が収容されている。検体容器121には、上述した検体が収容されている。希釈液容器122には、上述したコントロール検体の他に、通常の希釈液である生理食塩水以外の特別な希釈液が収容される。
希釈ターンテーブル102には、複数の希釈容器123が希釈ターンテーブル102の周方向に並べて収容されている。希釈液によって希釈された検体又はコントロール検体を収容する希釈容器123を保持する希釈ターンテーブル102が、希釈検体搬送部として用いられる。
第1試薬ターンテーブル103には、複数の第1試薬容器124が第1試薬ターンテーブル103の周方向に並べて収容されている。また、第2試薬ターンテーブル104には、複数の第2試薬容器125が第2試薬ターンテーブル104の周方向に並べて収容されている。
反応ターンテーブル105(反応容器保持部の一例)は、希釈ターンテーブル102と、第1試薬ターンテーブル103及び第2試薬ターンテーブル104の間に配置され、複数の反応容器126が反応ターンテーブル105の周方向に並べて収容されている。
元検体サンプリングプローブ106は、サンプルターンテーブル101と希釈ターンテーブル102の周囲に配置され、不図示の元検体サンプリングプローブ駆動機構により、サンプルターンテーブル101及び希釈ターンテーブル102の軸方向(例えば、上下方向)に移動可能に支持されている。元検体サンプリングプローブ106は、検体容器121内に収容された検体を所定量吸引し、吸引した検体と、元検体サンプリングプローブ106自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)を希釈容器123内に吐出する。これにより、希釈容器123内で、検体が所定倍数の濃度に希釈される。
希釈検体サンプリングプローブ107は、希釈ターンテーブル102と反応ターンテーブル105の間に配置され、不図示の希釈検体サンプリングプローブ駆動機構により、希釈ターンテーブル102の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。希釈検体サンプリングプローブ107は、希釈ターンテーブル102の希釈容器123から所定量の希釈検体を吸引し、吸引した希釈検体を反応ターンテーブル105の反応容器126内に吐出する。
希釈撹拌機構108及び希釈容器洗浄機構109は、希釈ターンテーブル102の周囲に配置されている。希釈撹拌機構108は、不図示の撹拌子を希釈容器123内に挿入し、検体と希釈液を撹拌する。希釈容器洗浄機構109は、洗剤ポンプから希釈容器洗浄ノズルに洗剤を供給し、希釈容器洗浄ノズルから希釈容器123内に洗剤を吐出する。
第1試薬分注プローブ110は、反応ターンテーブル105と第1試薬ターンテーブル103の間に配置され、不図示の第1試薬分注プローブ駆動機構により、反応ターンテーブル105の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。第1試薬分注プローブ110は、第1試薬ターンテーブル103の第1試薬容器124から所定量の第1試薬を吸引し、吸引した第1試薬を反応ターンテーブル105の反応容器126に吐出する。
第2試薬分注プローブ111は、反応ターンテーブル105と第2試薬ターンテーブル104の間に配置され、不図示の第2試薬分注プローブ駆動機構により、反応ターンテーブル105の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。第2試薬分注プローブ111は、第2試薬ターンテーブル104の第2試薬容器125から所定量の第2試薬を吸引し、吸引した第2試薬を反応ターンテーブル105の反応容器126に吐出する。
第1反応液撹拌機構112、第2反応液撹拌機構113及び反応容器洗浄機構116は、反応ターンテーブル105の周囲に配置されている。第1反応液撹拌機構112は、不図示の撹拌子を反応容器126内に挿入し、希釈検体と第1試薬を撹拌する。第2反応液撹拌機構113は、不図示の撹拌子を反応容器126内に挿入し、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬とを撹拌する。反応容器洗浄機構116は、検査が終了した反応容器126内を洗浄する。
多波長光度計114は、反応ターンテーブル105の周囲における反応ターンテーブル105の外壁と対向するように配置されている。多波長光度計114は、反応容器126内に注入され、第1薬液及び第2薬液と反応した希釈検体に対して光学的測定を行って、検体中の様々な成分の量を「吸光度」という数値データとして出力し、希釈検体の反応状態を検出する。多波長光度計114には、生化学分析装置100の各部の動作を制御するための制御装置118が接続されている。そして、制御装置118が備える制御部131(後述する図8を参照)の制御により、多波長光度計114は、自己診断を行うことが可能である。
反応ターンテーブル105の周囲には、恒温槽115が配置されている。この恒温槽115は、反応ターンテーブル105に設けられた反応容器126の温度を常時一定に保持するように構成されている。
サンプルバーコードリーダー117は、サンプルターンテーブル101の側面に設けられている。サンプルバーコードリーダー117は、サンプルターンテーブル101に収容される検体容器121の側面に付されたバーコードを読み取り、検体容器121に収容される検体、希釈液等を管理している。
次に、制御装置118の構成例を説明する。
図8は、制御装置118の内部構成例を示すブロック図である。
制御装置118は、バス136に接続された、制御部131と、記憶部132と、表示部133と、入力部134と、インターフェイス部135とを備える。
制御部131は、CPU等によって構成されており、記憶部132から読出したプログラムに基づいて生化学分析装置100内の各部の動作を制御する。制御部131が実行する様々な処理の詳細は後述する。
記憶部132は、例えば、HDD(Hard disk drive)等の大容量の記録装置によって構成されており、制御部131のプログラム、パラメーター、検量線、入力部134によってなされた入力操作等を記録する。
表示部133は、検体、第1試薬及び第2試薬の混合液の測定結果等を表示する。この表示部133には、例えば、液晶ディスプレイ装置等が用いられる。
入力部134は、ユーザによって行われる生化学分析装置100に対する操作入力を受け付け、入力信号を制御部131に出力する。この入力部134には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等が用いられる。
インターフェイス部135は、多波長光度計114が測定した混合液の測定値が入力されると、制御部131に測定値を渡す。なお、図8では、インターフェイス部135に多波長光度計114だけを接続した例を示しているが、生化学分析装置100内の各部についても同様にインターフェイス部135に接続され、制御装置118による制御が行われる。
生化学分析装置100においても、制御装置118は、多波長光度計114の自己診断を行うことが可能である。本実施の形態に係る自己診断とは、多波長光度計114が正しく動作していることを確認するために行われる処理である。例えば、制御部131は、検体等が収容されていない反応容器126を多波長光度計114が測定して得た測定値に基づいて、多波長光度計114が正常又は異常であるかを判断する。そして、多波長光度計114が測定した検体等が収容されていない反応容器126の測定値が、正常な多波長光度計114であれば得られる測定値と異なる場合、制御部41は多波長光度計114に異常が発生したと判断することができる。
従来は、例えば、生化学分析装置100の起動時にだけ多波長光度計114の自己診断が行われていた。その後、多波長光度計114に異常が発生しても、次回、多波長光度計114が起動されるまで、ユーザーは、多波長光度計114に発生した異常を気付くことができなかった。
一方、本実施の形態に係る制御装置118は、任意のタイミングで多波長光度計114の自己診断を行うことが可能である。制御装置118は、多波長光度計114の自己診断を、例えば、生化学分析装置100の起動時、所定単位の検体の測定開始時、及び所定単位の検体の測定終了時に行わせる。そして、制御装置118は、多波長光度計114の自己診断の結果に基づいて、多波長光度計114の正常又は異常を判定する。これにより、ユーザーは、多波長光度計114に発生した異常を早期に把握して、必要な対処を行うことが可能となる。
以上説明した第7の実施の形態に係る生化学分析装置100においても、制御装置118は、任意のタイミングで多波長光度計114の自己診断を行う。このため、生化学分析装置100は、多波長光度計114に異常が発生したことを判定すると、測定停止、多波長光度計114の交換等の適切な対応を行うことができる。その後、正常な多波長光度計114により測定が行われるため、信頼性の高いデータを得ることができる。
なお、上述した第1〜第6の実施の形態において行われた各処理や設定は、本実施の形態に係る生化学分析装置100においても同様に適用される。例えば、制御装置118が自己診断を行うタイミングは、自動又は任意としてよく、ユーザーが任意にタイミングを設定可能である。
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…免疫分析装置、2…測定装置、3…容器供給ユニット、4…検体架設ユニット、5…容器搬送ユニット、6…検体分注プローブ、15…容器移送ユニット、16…発光測定ユニット、17…光検出器、30…筐体、31…遮光部材、35…光源、37…反応容器収容部、39…貫通光路、40…制御装置、41…制御部、42…記憶部、W1…ユーザーメンテナンス画面、W2…直近精度管理画面、W3…日差精度管理画面

Claims (10)

  1. 測定対象の検体を収容する検体容器を保持する検体容器保持部と、
    試薬を収容する試薬容器を保持する試薬容器保持部と、
    前記検体及び前記試薬との反応物を収容する反応容器を保持する反応容器保持部と、
    前記検体容器から前記検体を吸引し、前記反応容器に前記検体を分注する検体分注部と、
    前記試薬容器から前記試薬を吸引し、前記反応容器に前記試薬を分注する試薬分注部と、
    前記反応容器に分注された前記検体と前記試薬とを反応させた前記反応物を測定する測定部と、
    前記測定部に対して、自動分析装置の起動時、所定単位の前記検体の測定開始時、及び所定単位の前記検体の測定終了時に、前記測定部の自己診断を行わせ、前記測定部の測定値に基づいて、前記測定部の正常又は異常を判定する制御部と、
    前記制御部の制御により、前記測定部が自己診断して得た前記測定値が時系列で表示される表示部と、を備える
    自動分析装置。
  2. 前記測定部は、
    一定の強度の光を発光する光源、前記反応容器を収容する反応容器収容部、及び前記反応容器収容部と外部とを連通する貫通光路と、を有する暗箱状の筐体と、
    前記貫通光路を開放又は遮光する遮光部材と、
    前記筐体に取り付けられ、前記貫通光路を介して前記反応容器収容部に対面する受光面を通過した光を検出する光検出器と、を備え、
    前記光検出器は、前記反応容器収容部に前記反応容器が収容されていない状態で、前記光源から放出され、前記遮光部材により開放された前記貫通光路を通過して前記受光面に到達した光の光量を検出し、
    前記制御部は、前記光源から放出された光の単位時間当たりの光量に対する、前記光検出器が検出した光の前記単位時間当たりの光量との差に基づいて、前記光検出器の正常又は異常を判定する
    請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記制御部は、前記光検出器が自己診断して得た前記測定値を、予め設定された複数の閾値と比較することで、前記測定値が前記複数の閾値の範囲内にある場合に前記光検出器を正常と判定し、前記測定値が前記複数の閾値の範囲外にある場合に前記光検出器を異常と判定する
    請求項2に記載の自動分析装置。
  4. 前記制御部は、前記光検出器が自己診断して得た今回の前記測定値を、前記光検出器が前回の測定までに自己診断して得た前回測定値と比較することで前記光検出器の正常又は異常を判定する
    請求項2に記載の自動分析装置。
  5. 前記制御部は、前記光検出器が自己診断して得た今回の前記測定値の前記前回測定値に対して乖離した量が所定値未満である場合に、前記光検出器を正常と判定し、前記測定値が、前記前回測定値に対して乖離した量が所定値以上である場合に、前記光検出器を異常と判定する
    請求項4に記載の自動分析装置。
  6. 前記制御部は、前記光検出器を異常と判定した場合にアラームを出力する
    請求項2に記載の自動分析装置。
  7. 前記制御部は、前記光検出器を異常と判定した場合に、前記光検出器が異常と判定するまでに前記測定部により測定された前記検体の測定値のデータに異常フラグを付加する
    請求項2に記載の自動分析装置。
  8. 前記制御部は、前記光検出器を異常と判定した場合に前記自動分析装置を停止する
    請求項2に記載の自動分析装置。
  9. 前記制御部は、前記光検出器が自己診断して得た今回の前記測定値の過去の前記測定値の平均値に対して乖離した量が、2SD(Standard Deviation)を超えた場合にアラームを出力し、3SDを超えた場合に前記自動分析装置を停止する
    請求項2に記載の自動分析装置。
  10. 前記測定部は、前記反応容器保持部に保持される前記反応容器に収容される反応物に対して光学的測定を行う光度計を備え、
    前記制御部は、前記光度計に対して、自己診断を行わせ、前記光度計の正常又は異常を判定する
    請求項1に記載の自動分析装置。
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