JP2019158084A - シームレスシフト式変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】現変速段から次変速段への変速中、差回転の発生により現変速段のドグ歯がドライブ歯面から離れてコースト歯面へ接触することで発生する衝突音を防止すること。【解決手段】複数の変速ギヤ対11in,11out、12in,12out、13in,13outと、ギヤドグ31と、スリーブドグ32と、変速操作機構4と、ドグ歯抜きカム機構5と、を備える。変速操作機構4に有するカム作動用モータ6に対して制御指令を出力する変速機コントローラ71を設ける。変速機コントローラ71は、変速中、次変速段のスリーブドグ32の締結ストロークがドグ歯締結開始ポイントに到達すると、カム作動用モータ6に対する出力をオフにする。【選択図】図5
Description
本発明は、車両に搭載されるシームレスシフト式変速機に関する。
従来、現変速段から次変速段への変速要求があると、スリーブドグのうち次変速段のスリーブドグに締結ストロークを与える。そして、次変速段のスリーブドグの締結ストロークが完了すると、現変速段のスリーブドグとギヤドグの間で発生する差回転を軸方向力に変換することで現変速段のドグ歯を解放する。これにより、ドグクラッチを用いながらも駆動力が途切れないようにしたシームレスシフト式変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来のシームレスシフト式変速機にあっては、変速時に次変速段ギヤからのトルク循環により現変速段のギヤドグとスリーブドグに差回転が発生する。この差回転の発生により現変速段のドグ歯がドライブ歯面から離れてコースト歯面へ接触することにより衝突音が発生する、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、現変速段から次変速段への変速中、差回転の発生により現変速段のドグ歯がドライブ歯面から離れてコースト歯面へ接触することで発生する衝突音を防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、複数の変速ギヤ対と、ドグクラッチ機構と、変速操作機構と、ドグ歯抜きカム機構と、を備える。
変速操作機構に有する変速アクチュエータに対して制御指令を出力する変速制御手段を設ける。
変速制御手段は、変速中、次変速段のスリーブドグの締結ストロークがドグ歯締結開始ポイントに到達すると、変速アクチュエータに対する出力をオフにする。
変速操作機構に有する変速アクチュエータに対して制御指令を出力する変速制御手段を設ける。
変速制御手段は、変速中、次変速段のスリーブドグの締結ストロークがドグ歯締結開始ポイントに到達すると、変速アクチュエータに対する出力をオフにする。
このように、現変速段のドグ歯解放を開始するタイミングを早めることで、現変速段から次変速段への変速中、差回転の発生により現変速段のドグ歯がドライブ歯面から離れてコースト歯面へ接触することで発生する衝突音を防止することができる。
以下、本発明によるシームレスシフト式変速機を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
実施例1におけるシームレスシフト式変速機Aは、前進3速を実現する変速機であり、走行用駆動源としてエンジンEを搭載したエンジン車両(車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「変速制御処理構成」、「カム機構の構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1のシームレスシフト式変速機が適用されたエンジン車の駆動系及び変速制御系を示す。図1に基づいて全体システム構成を説明する。
図1は、実施例1のシームレスシフト式変速機が適用されたエンジン車の駆動系及び変速制御系を示す。図1に基づいて全体システム構成を説明する。
シームレスシフト式変速機Aは、図1に示すように、変速機ケース1のケース内部に、変速ギヤトレーン2と、ドグクラッチ機構3と、変速操作機構4と、ドグ歯抜きカム機構5と、を備えている。変速機ケース1のケース外部に、エンジンEと、カム作動用モータ6(変速アクチュエータ)と、変速制御デバイス7(変速制御手段)と、を備えている。
変速ギヤトレーン2は、入力軸8と出力軸9に設けられ、互いに噛み合う1速ギヤ対11in,11outと、2速ギヤ対12in,12outと、3速ギヤ対13in,13outと、を有する平行2軸式ギヤトレーンである。
入力軸8の一端部には、メインクラッチ10を介してエンジンEが連結されている。入力軸8の軸上には、入力軸8に対して自由に回転可能な1速可動ギヤ11inと2速可動ギヤ12inと3速可動ギヤ13inが設けられる。
出力軸9の軸上には、出力軸9に対して1速固定ギヤ11outと2速固定ギヤ12outと3速固定ギヤ13outが固定される。
出力軸9の一端部には、出力ギヤ21が設けられる。この出力ギヤ21は、デファレンシャルギヤ22のリングギヤ23と噛み合って終減速ギヤ対を構成する。デファレンシャルギヤ22の両サイドギヤには、それぞれドライブシャフト24が連結される。ドライブシャフト24のそれぞれ端部には、左右の駆動輪25が装着されている。なお、互いに噛み合う3つのギヤを有するリバースギヤ列については図示並びに説明を省略する。
ドグクラッチ機構3は、ギヤドグ31と、スリーブドグ32と、の組み合わせにより構成される。ギヤドグ31は、変速ギヤ対(1速ギヤ対11in,11out、2速ギヤ対12in,12out、3速ギヤ対13in,13out)のうち可動ギヤ(11in、12in、13in)に設けられ、ギヤドグ歯33を有する。スリーブドグ32は、ギヤドグ31のギヤドグ歯33と噛み合うスリーブドグ歯34を有する(図2及び図3参照)。
ギヤドグ31は、1速ギヤドグ31aと、2速ギヤドグ31bと、3速ギヤドグ31cと、を有する。1速ギヤドグ31aは、1速ギヤ対11a,11bのうち軸固定されていない1速可動ギヤ11aの側面位置に固定され、1速ギヤドグ歯33aを有する。2速ギヤドグ31bは、2速ギヤ対12a,12bのうち軸固定されていない2速可動ギヤ12aの側面位置に固定され、2速ギヤドグ歯33bを有する。3速ギヤドグ31cは、3速ギヤ対13a,13bのうち軸固定されていない3速可動ギヤ13aの側面位置に固定され、3速ギヤドグ歯33cを有する。
スリーブドグ32は、1速スリーブドグ32aと、2速スリーブドグ32bと、3速スリーブドグ32cと、を有する。1速スリーブドグ32aは、1速ギヤドグ31aの隣接位置に配置され、1速ギヤドグ歯33aと噛み合うスリーブドグ歯34aを有する。2速スリーブドグ32bは、2速ギヤドグ31bの隣接位置に配置され、2速ギヤドグ歯33bと噛み合うスリーブドグ歯34bを有する。3速スリーブドグ32cは、3速ギヤドグ31cの隣接位置に配置され、3速ギヤドグ歯33cと噛み合うスリーブドグ歯34cを有する。
変速操作機構4は、スリーブドグ32に連結され、現変速段から次変速段への変速要求があると、次変速段のスリーブドグ32に締結ストロークを与える機能を有する。
この変速操作機構4は、変速用ドラム41と、ドラム溝42と、シフトアーム43と、シフトロッド44と、シフトフォーク45と、ブラケットピン46と、チェックボール47と、変速用カム機構48を備える。変速用カム機構48は、ドラム溝42とブラケットピン46の組み合わせにより構成され、変速用ドラム41の回転運動をシフトフォーク45のストローク運動に変換する。
変速用ドラム41は、1つのカム作動用モータ6によりドラム中心軸を回転軸として回転する円筒形状ドラムである。この変速用ドラム41には、1速ドラム溝42aと、2速ドラム溝42bと、3速ドラム溝42cとが円周上に形成されている。1速ドラム溝42a、2速ドラム溝42b、3速ドラム溝42cのそれぞれは、変速用ドラム41が回転する各変速パターンにおいて、所望のシフトフォーク45のストローク動作を実現する形状とされている。
シフトアーム43は、1速シフトアーム43aと、2速シフトアーム43bと、3速シフトアーム43cと、を有する。1速シフトアーム43aの一端部には、1速ドラム溝42aの位置に配置される1速ブラケットピン46aが設けられ、他端部は後述する1速シフトロッド44aに固定されている。2速シフトアーム43bの一端部には、2速ドラム溝42bの位置に配置される2速ブラケットピン46bが設けられ、他端部は後述する2速シフトロッド44bに固定されている。3速シフトアーム43cの一端部には、3速ドラム溝42cの位置に配置される3速ブラケットピン46cが設けられ、他端部は後述する3速シフトロッド44cに固定されている。
シフトロッド44は、入力軸8及び出力軸9に平行配置であり、軸方向に移動可能に設けられた1速シフトロッド44aと、2速シフトロッド44bと、3速シフトロッド44cとを有する。1速シフトロッド44aには、ロッド軸に形成された溝にバネ付勢されたボールを押し付けることで、1速シフトロッド44aの軸方向ストローク量を規定する1速チェックボール47aが設けられる。2速シフトロッド44bには、1速チェックボール47aと同様の2速チェックボール47bが設けられる。3速シフトロッド44cには、1速チェックボール47aと同様の3速チェックボール47cが設けられる。
シフトフォーク45は、1速シフトフォーク45aと、2速シフトフォーク45bと、3速シフトフォーク45cと、を有する。1速シフトフォーク45aの一端部は1速シフトロッド44aに固定され、他端部は1速スリーブドグ32aに嵌合される。2速シフトフォーク45bの一端部は2速シフトロッド44bに固定され、他端部は2速スリーブドグ32bに嵌合される。3速シフトフォーク45cの一端部は3速シフトロッド44cに固定され、他端部は3速スリーブドグ32cに嵌合される。
ドグ歯抜きカム機構5は、スリーブドグ32(1速スリーブドグ32a、2速スリーブドグ32b、3速スリーブドグ32c)と、1速可動ギヤ11inと2速可動ギヤ12inと3速可動ギヤ13inが設けられる入力軸8との間に設けられる。このドグ歯抜きカム機構5は、次変速段のドグ歯締結により現変速段のスリーブドグ32とギヤドグ31の間で発生する差回転を、軸方向力に変換することで現変速段の締結ドグ歯を解放する機能を有する。さらに、ドグ歯締結状態において、可動ギヤ11in,12in,13inを入力軸8に対してトルク伝達可能に連結固定する機能を有する。
ドグ歯抜きカム機構5は、入力軸8に対し一体的に設けられたハブ53に形成されたカム溝51と、カム溝51の溝内部に向かって突出配置されたスリーブピン52と、を備える(図2及び図3参照)。
カム溝51は、1速カム溝51aと、2速カム溝51bと、3速カム溝51cとを有する。1速カム溝51aは、入力軸8に固定又は一体に設けられた1速ハブ53aの円筒周面に彫り込んで形成されるV字溝である。2速カム溝51bは、入力軸8に固定又は一体に設けられた2速ハブ53bの円筒周面に彫り込んで形成されるV字溝である。3速カム溝51cは、入力軸8に固定又は一体に設けられた3速ハブ53cの円筒周面に彫り込んで形成されるV字溝である。
スリーブピン52は、1速スリーブピン52aと、2速スリーブピン52bと、3速スリーブピン52cとを有する。1速スリーブピン52aは、1速スリーブドグ32aの内面から内径方向に突出して設けられる円柱状ピンである。2速スリーブピン52bは、2速スリーブドグ32bの内面から内径方向に突出して設けられる円柱状ピンである。3速スリーブピン52cは、3速スリーブドグ32cの内面から内径方向に突出して設けられる円柱状ピンである。
変速制御デバイス7は、変速要求時、カム作動用モータ6への電流指令により変速用ドラム41の回転角度と回転方向を制御する変速機コントローラ71を備える。なお、変速パターン毎に、予め変速用ドラム41の回転角度範囲と回転方向が決められている。
変速機コントローラ71は、車速センサ72、アクセル開度センサ73、1速スリーブストロークセンサ74、2速スリーブストロークセンサ75、3速スリーブストロークセンサ76からの情報を入力する。さらに、エンジン回転センサ77、入力軸回転センサ78、インヒビタースイッチ79、エンコーダ80等からの情報を入力する。
この変速機コントローラ71では、車速VSPとアクセル開度APOによる二次元座標面に各変速段領域を設定した周知の変速スケジュールを用いて変速制御を実行する。つまり、変速スケジュール上での運転点(VSP,APO)が、アップシフト線やダウンシフト線を横切ると、次変速段のスリーブドグ32を締結ストロークする変速指令を出力する。
[カム機構の構成]
図2は、スリーブドグ歯34のドライブ歯面とギヤドグ歯33のドライブ歯面が接触しているドライブ状態を示す(ドライブ状態でスリーブドグ歯34とギヤドグ歯33が互いに接触する面をドライブ歯面とする)。図3は、スリーブドグ歯34のコースト歯面とギヤドグ歯33のコースト歯面が接触しているコースト状態を示す(コースト状態でスリーブドグ歯34とギヤドグ歯33が互いに接触する面をコースト歯面とする)。図4は、ドラム溝42とブラケットピン46との周方向相対位置の設定例及びカム溝とドラム溝の傾斜角度設定例を示す。以下、図2〜図4に基づいて変速用カム機構48とドグ歯抜きカム機構5の構成を説明する。
図2は、スリーブドグ歯34のドライブ歯面とギヤドグ歯33のドライブ歯面が接触しているドライブ状態を示す(ドライブ状態でスリーブドグ歯34とギヤドグ歯33が互いに接触する面をドライブ歯面とする)。図3は、スリーブドグ歯34のコースト歯面とギヤドグ歯33のコースト歯面が接触しているコースト状態を示す(コースト状態でスリーブドグ歯34とギヤドグ歯33が互いに接触する面をコースト歯面とする)。図4は、ドラム溝42とブラケットピン46との周方向相対位置の設定例及びカム溝とドラム溝の傾斜角度設定例を示す。以下、図2〜図4に基づいて変速用カム機構48とドグ歯抜きカム機構5の構成を説明する。
変速用カム機構48を、差回転の発生により現変速段のドグ歯がドライブ歯面から離れてコースト歯面に接触する前に、現変速段のスリーブドグ32をスライドさせて現変速段の締結ドグ歯を解放する設定としている。この変速用カム機構48を採用することで、コースト歯面接触による衝突音を防止している。
即ち、変速用ドラム41を変速時に回転させたとき、スリーブドグ32とギヤドグ31との間で差回転が発生するまでは、図2に示すように、現変速段のスリーブドグ歯34とギヤドグ歯33のドライブ歯面同士が接触しているドライブ状態である。しかし、上記変速操作機構4を採用しないと、差回転の発生により現変速段のスリーブドグ歯34とギヤドグ歯33がドライブ歯面同士の接触から離れ、図3に示すように、スリーブドグ歯34とギヤドグ歯33のコースト歯面同士が接触してしまう。
これに対し、2速段側でドグ歯締結ストロークが完了するタイミングではなく、2速段側でドグ歯締結ポイントに到達するタイミングになると、現変速段の締結ドグ歯の解放を開始する変速用カム機構48の設定としたものである。
即ち、低速段を1速段とし高速段を2速段とし、変速用ドラム41を図4の上方向に回転させて1−2アップシフトを実行するときを例にとる。変速用カム機構48は、2速段側でのドグ歯締結開始タイミングのとき、2速段での2速ドラム溝42bと2速ブラケットピン46bの周方向相対位置を図4の右上部に示す位置に設定している。そして、1速段での1速ドラム溝42aと1速ブラケットピン46aの周方向相対位置を図4の左上部に示す位置に設定している。
即ち、2速スリーブドグ32bにてドグ歯締結により2速ブラケットピン46bへ伝達されるトルクにより、2変速段側の2速ドラム溝42bと2速ブラケットピン46bで変速用ドラム41を回転させる。そして、変速用ドラム41の回転により、1変速段側の1速ドラム溝42aと1速ブラケットピン46aで1速スリーブドグ32aの解放ストロークを補助する設定としている。これにより、1速段側のドグ歯抜きカム機構5は、図4の左下部に示すように、1速スリーブピン52aが1速カム溝51aに沿ってニュートラル位置へスムーズに移動する。
このとき、2速ドラム溝42bと2速ブラケットピン46bで変速用ドラム41を回転し易くする必要がある。このため、2速カム溝51bのカム溝傾斜角度θv(図4の右下部)を、2速ドラム溝42bのドラム溝傾斜角度θd(図4の右上部)より大きく設定している。
[変速制御処理構成]
図5は、変速機コントローラ71にて実行される1−2アップシフト時の変速制御処理の流れを示す。以下、図5に基づいて1−2アップシフト時の変速制御処理構成を説明する。
図5は、変速機コントローラ71にて実行される1−2アップシフト時の変速制御処理の流れを示す。以下、図5に基づいて1−2アップシフト時の変速制御処理構成を説明する。
ステップS1では、スタートに続いて、1−2アップシフト要求があるか否かが判断される。YES(1−2アップシフト要求有り)の場合はステップS2へ進み、NO(1−2アップシフト要求無し)の場合はステップS1の判断を繰り返す。
ステップS2では、ステップS1での1−2アップシフト要求が有りとの判断、或いは、ステップS3でのドグ歯締結開始ポイント未到達であるとの判断に続き、カム作動用モータ6に対して通電電流を出力し、ステップS3へ進む。
ステップS3では、ステップS2での通電電流の出力に続き、2速スリーブドグ32bがドグ歯締結開始ポイントに到達したか否かを判断する。YES(ドグ歯締結開始ポイントに到達)の場合はステップS4へ進み、NO(ドグ歯締結開始ポイントに未到達)の場合はステップS2へ戻る。
ここで、2速スリーブドグ32bがドグ歯締結開始ポイントに到達したか否かの判断は、2速スリーブストロークセンサ75からのセンサ検出値がドグ歯締結開始ポイントを示す値になったかどうかで判断する。
ここで、2速スリーブドグ32bがドグ歯締結開始ポイントに到達したか否かの判断は、2速スリーブストロークセンサ75からのセンサ検出値がドグ歯締結開始ポイントを示す値になったかどうかで判断する。
ステップS4では、ステップS3でのドグ歯締結開始ポイントに到達との判断、或いは、ステップS5での1−2アップシフト未完了であるとの判断に続き、カム作動用モータ6に対する通電電流をゼロとし、ステップS5へ進む。
ステップS5では、ステップS4でのモータ電流ゼロ出力に続き、1−2アップシフトが完了したか否かを判断する。YES(1−2アップシフト完了)の場合はエンドへ進み、NO(1−2アップシフト未完了)の場合はステップS4へ戻る。
ここで、1−2アップシフトの完了の判断は、1速スリーブストロークセンサ74からのセンサ値が完全解放ストローク位置に到達した値を示すことで行う。
ここで、1−2アップシフトの完了の判断は、1速スリーブストロークセンサ74からのセンサ値が完全解放ストローク位置に到達した値を示すことで行う。
つまり、2速スリーブドグ32bがドグ歯締結開始ポイントに到達するまでは、ステップS2においてカム作動用モータ6に対し通電電流を出力することによって変速用ドラム41が回転し、2速スリーブドグ32bにドグ歯締結ストロークが与えられる。しかし、2速スリーブドグ32bがドグ歯締結開始ポイントに到達して差回転が発生すると、ドグ歯抜きカム機構5での軸方向力により1速スリーブドグ32aに対しドグ歯解放ストロークが与えられる。
なお、1速スリーブドグ32aがドグ歯解放ストロークを完了するまで変速用ドラム41が回転する関係にあるが、ドグ歯締結開始ポイントへの到達後の変速用ドラム41の回転は、2速ブラケットピン46bにより与えられる。
次に、実施例1の作用を、「比較例での変速制御作用」、「実施例1での変速制御作用」に分けて説明する。
[比較例での変速制御作用]
以下、図6〜図10に基づいて比較例での変速制御作用を説明する。
まず、シームレスシフト式変速機は、トルク切れのないシームレスシフトを達成するために、低速段から高速段へのアップシフト時、高速段のドグクラッチを締結するとき、低速段のドグクラッチを解放しないで締結したままとされる。
以下、図6〜図10に基づいて比較例での変速制御作用を説明する。
まず、シームレスシフト式変速機は、トルク切れのないシームレスシフトを達成するために、低速段から高速段へのアップシフト時、高速段のドグクラッチを締結するとき、低速段のドグクラッチを解放しないで締結したままとされる。
よって、変速時、図6に示すように、高速段のギヤドグとスリーブドグがドグ歯締結を開始し、高速段経路にトルクの流れが発生すると、低速段のギヤドグとスリーブドグのドグ歯が締結状態を維持していることで循環トルクが発生する。このトルク循環により低速段のギヤドグとスリーブドグに差回転が発生する。即ち、低速段のギヤドグとスリーブドグとの間に差回転が発生することを利用し、差回転を許容しつつ差回転力を軸方向力(スラスト力)に変換するドグ歯抜きカム機構によって低速段のドグクラッチを解放するのがシームレスシフト式変速機である。
ここで、低速段から高速段へのアップシフト時、高速段のドグクラッチの締結ストロークが完了した後、低速段のドグクラッチの解放ストロークを開始するシームレスシフト式変速機を比較例とする。
この比較例の場合、変速用ドラムを図7の上方向に回転させて低速段から高速段へアップシフトを実行するとき、高速段側でドグ歯締結ポイントから変速を開始するタイミングで、低速段側ではドグ歯の解放が開始されない。つまり、図7に示すように、低速段のブラケットピンは、ドラム溝に非接触状態である。
高速段側でドグ歯締結ポイントに到達するまでは、低速段側のギヤドグとスリーブドグは、図8の右部に示すように、ギヤドグ歯とスリーブドグ歯のドライブ歯面が互いに接触している。しかし、高速段側でドグ歯締結ポイントからドグ歯が噛み合いを開始するとトルク循環が始まり、図8の左部に示すように、低速段のギヤドグとスリーブドグに差回転が発生する。この差回転発生により、低速段のギヤドグとスリーブドグの相対位置が変位し、ギヤドグ歯とスリーブドグ歯が、ドライブ歯面の接触状態から離れてコースト歯面に接触し衝突音が発生する。
そして、低速段側のギヤドグのコースト歯面でスリーブドグを押し始め、図9に示すように、ドグ歯抜きカム機構では、スリーブドグに連動するスリーブピンが、先にカム溝内を周方向に向かって移動する。その後、スリーブピンは、カム溝の斜面に沿ってニュートラル位置まで移動する。
比較例での1-2アップシフト制御作用を、図10に基づいて説明する。
図10において、時刻t1は1-2アップシフト制御開始時刻であり、アクチュエータに通電電流が印加され、変速用ドラムのドラム回転角が上昇を開始する。時刻t2はエンジン回転数/入力回転数の上昇開始時刻である。時刻t3は2速スリーブドグの締結ストローク開始時刻である。時刻t4は2速スリーブドグの完全締結ストロークへの到達時刻であると共に1速スリーブドグの解放ストローク開始時刻である。時刻t5は1速スリーブドグの解放ストローク終了時刻であると共にアクチュエータ電流をゼロにする時刻である。時刻t6はエンジン回転数/入力回転数が時刻t4での回転数へ復帰する時刻である。
図10において、時刻t1は1-2アップシフト制御開始時刻であり、アクチュエータに通電電流が印加され、変速用ドラムのドラム回転角が上昇を開始する。時刻t2はエンジン回転数/入力回転数の上昇開始時刻である。時刻t3は2速スリーブドグの締結ストローク開始時刻である。時刻t4は2速スリーブドグの完全締結ストロークへの到達時刻であると共に1速スリーブドグの解放ストローク開始時刻である。時刻t5は1速スリーブドグの解放ストローク終了時刻であると共にアクチュエータ電流をゼロにする時刻である。時刻t6はエンジン回転数/入力回転数が時刻t4での回転数へ復帰する時刻である。
このように、時刻t4にて2速側のドグ歯が締結を完了すると、1速側のドグ歯の解放を開始する。このため、比較例の場合、ギヤドグ歯とスリーブドグ歯がドライブ歯面の接触状態からコースト歯面に接触して衝突音が発生する、という課題がある。
[実施例1での変速制御作用]
実施例1は、上記課題に着目してなされたもので、2速段側において2速スリーブドグ32bのドグ歯締結を開始するタイミングで、変速アクチュエータ41に対する出力をオフにする変速制御デバイス7を採用した。以下、図11〜図14に基づいて実施例1での変速制御作用を説明する。
実施例1は、上記課題に着目してなされたもので、2速段側において2速スリーブドグ32bのドグ歯締結を開始するタイミングで、変速アクチュエータ41に対する出力をオフにする変速制御デバイス7を採用した。以下、図11〜図14に基づいて実施例1での変速制御作用を説明する。
実施例1では、2速スリーブドグ32bにてドグ歯締結開始タイミングになると変速アクチュエータ41に対する出力がオフにされる。このため、変速操作機構4からドグ歯抜きカム機構5に加わる負荷が軽減される。よって、2速スリーブドグ32bのドグ歯締結により1速段側のドグ歯抜きカム機構5において軸方向力の発生を開始すると、1速スリーブドグ32aのドグ歯解放が開始されることになる。
しかし、1速段側のドグ歯抜きカム機構5において発生する軸方向力が変速操作機構4からドグ歯抜きカム機構5に加わる負荷より低い間は、1速スリーブドグ32aのドグ歯解放が開始されない。加えて、2速スリーブドグ32bにてドグ歯締結開始タイミングになると、変速アクチュエータ41から変速用ドラム41に対して回転力が与えられなくなる。
これに対し、変速用ドラム41を図11の上方向に回転させて低速段(1速段)から高速段(2速段)へアップシフトを実行するとき、2速段側でのドグ歯締結開始タイミングに到達すると、その後、2速ブラケットピン46bが2速ドラム溝42bと接触(図11の×の位置)し、2速ブラケットピン46bにより変速用ドラム41を回転させるようにしている(図11の上向きの矢印の方向へ力が働くため)。このため、変速用ドラム41の回転に伴って、図11に示すように、1速ブラケットピン46aは、1速ドラム溝42aに接触し、1速段側ではドグ歯解放ストロークが与えられる。
2速段側でドグ歯締結ポイントに到達するまでは、1速段側の1速ギヤドグ31aと1速スリーブドグ32aは、図12の右部に示すように、1速ギヤドグ歯33aと1速スリーブドグ歯34aのドライブ歯面が互いに接触している。しかし、2速段側でドグ歯締結ポイントからドグ歯が噛み合いを開始するとトルク循環が始まり、図12の左部に示すように、1速ギヤドグ31aと1速スリーブドグ32aに差回転が発生する。この差回転発生により、1速ギヤドグ31aと1速スリーブドグ32aの相対位置が変位し、1速ギヤドグ歯33aと1速スリーブドグ歯34aが、ドライブ歯面の接触状態から離れる。
しかし、2速スリーブドグ32bにてドグ歯締結開始タイミングになると変速アクチュエータ41に対する出力をオフにし、かつ、変速用ドラム41に回転を与えている。よって、変速用カム機構48により1速ギヤドグ歯33aと1速スリーブドグ歯34aがコースト歯面に接触する前に、1速ギヤドグ歯33aから1速スリーブドグ歯34aを抜いてしまう。つまり、1速ギヤドグ31aと1速スリーブドグ32aとのドグ歯解放タイミングを、比較例よりも早めることで、1速ギヤドグ歯33aと1速スリーブドグ歯34aのコースト歯面同士が接触することを回避する。
このため、1速ギヤドグ歯33aのコースト歯面で1速スリーブドグ32aを押すことがない。このため、ドグ歯抜きカム機構5では、図13に示すように、1速スリーブドグ32aに連動する1速スリーブピン52aが、1速歯部53aに形成された1速カム溝51aに沿って直線的にニュートラル位置まで移動する。
実施例1での1-2アップシフト制御作用を、図14に基づいて説明する。
図14において、時刻t1は1-2アップシフト制御開始時刻であり、アクチュエータに通電電流が印加され、変速用ドラム41のドラム回転角が上昇を開始する。時刻t2はエンジン回転数/入力回転数の上昇開始時刻である。時刻t3は2速スリーブドグ32bの締結ストローク開始時刻である。時刻t4は2速スリーブドグ32bの締結開始ポイントへの到達時刻であると共に1速スリーブドグ32aの解放ストローク開始時刻である。さらに、時刻t4はアクチュエータ電流をゼロにする時刻である。時刻t5は2速スリーブドグ32bの締結ストローク完了時刻である。時刻t6は1速スリーブドグ32aの解放ストローク終了時刻である。時刻t7はエンジン回転数/入力回転数が時刻t5での回転数への復帰時刻である。
図14において、時刻t1は1-2アップシフト制御開始時刻であり、アクチュエータに通電電流が印加され、変速用ドラム41のドラム回転角が上昇を開始する。時刻t2はエンジン回転数/入力回転数の上昇開始時刻である。時刻t3は2速スリーブドグ32bの締結ストローク開始時刻である。時刻t4は2速スリーブドグ32bの締結開始ポイントへの到達時刻であると共に1速スリーブドグ32aの解放ストローク開始時刻である。さらに、時刻t4はアクチュエータ電流をゼロにする時刻である。時刻t5は2速スリーブドグ32bの締結ストローク完了時刻である。時刻t6は1速スリーブドグ32aの解放ストローク終了時刻である。時刻t7はエンジン回転数/入力回転数が時刻t5での回転数への復帰時刻である。
このように、時刻t4にて2速ギヤドグ歯33bと2速スリーブドグ歯34bが締結ポイントに到達すると、1速スリーブドグ32aをスライドさせて1速ドグ歯解放を開始する。これにより、時刻t4〜時刻t5の区間が、高速段の締結ストロークと低速段の解放ストロークが重なり合う区間となる。そして、高速段の締結ストロークが完了する前に1速スリーブドグ32aの解放ストロークを進行させておくことで、1速ギヤドグ歯33aと1速スリーブドグ歯34aのコースト歯面同士が接触することを回避する。このため、実施例1の場合、1速ギヤドグ歯33aと1速スリーブドグ歯34aがドライブ歯面の接触状態から離れてコースト歯面に接触することで発生する衝突音を防止できる。
以上説明したように、実施例1のシームレスシフト式変速機Aにあっては、下記に列挙する効果を奏する。
(1) 入力軸8と出力軸9に設けられ、互いに噛み合う複数の変速ギヤ対(1速ギヤ対11in,11out、2速ギヤ対12in,12out、3速ギヤ対13in,13out)と、ギヤドグ31と、スリーブドグ32と、変速操作機構4と、ドグ歯抜きカム機構5と、を備える。
ギヤドグ31は、変速ギヤ対のうち可動ギヤ11in,12in,13inに設けられ、ギヤドグ歯33を有する。
スリーブドグ32は、ギヤドグ31のギヤドグ歯33と噛み合うスリーブドグ歯34を有する。
変速操作機構4は、スリーブドグ32に連結され、現変速段から次変速段への変速要求があると、次変速段のスリーブドグ32に締結ストロークを与える。
ドグ歯抜きカム機構5は、スリーブドグ32と可動ギヤ軸(入力軸8)との間に設けられ、次変速段のドグ歯締結により現変速段のスリーブドグ32とギヤドグ31の間で発生する差回転を、軸方向力に変換することで現変速段の締結ドグ歯を解放する。
変速操作機構4に有する変速アクチュエータ(カム作動用モータ6)に対して制御指令を出力する変速制御手段(変速機コントローラ71)を設ける。
変速制御手段(変速機コントローラ71)は、変速中、次変速段のスリーブドグ32の締結ストロークがドグ歯締結開始ポイントに到達すると、変速アクチュエータ(カム作動用モータ6)に対する出力をオフにする。
このように、現変速段のドグ歯解放を開始するタイミングを早めることで、現変速段から次変速段への変速中、差回転の発生により現変速段のドグ歯がドライブ歯面から離れてコースト歯面へ接触することで発生する衝突音を防止することができる。
加えて、ドグ歯衝突を抑えることで、ギヤドグ歯33を有するギヤドグ31とスリーブドグ歯34を有するスリーブドグ32の耐久信頼性を向上させることができる。
さらに、変速時、変速アクチュエータ(カム作動用モータ6)に対する出力時間を短くすることができる。
ギヤドグ31は、変速ギヤ対のうち可動ギヤ11in,12in,13inに設けられ、ギヤドグ歯33を有する。
スリーブドグ32は、ギヤドグ31のギヤドグ歯33と噛み合うスリーブドグ歯34を有する。
変速操作機構4は、スリーブドグ32に連結され、現変速段から次変速段への変速要求があると、次変速段のスリーブドグ32に締結ストロークを与える。
ドグ歯抜きカム機構5は、スリーブドグ32と可動ギヤ軸(入力軸8)との間に設けられ、次変速段のドグ歯締結により現変速段のスリーブドグ32とギヤドグ31の間で発生する差回転を、軸方向力に変換することで現変速段の締結ドグ歯を解放する。
変速操作機構4に有する変速アクチュエータ(カム作動用モータ6)に対して制御指令を出力する変速制御手段(変速機コントローラ71)を設ける。
変速制御手段(変速機コントローラ71)は、変速中、次変速段のスリーブドグ32の締結ストロークがドグ歯締結開始ポイントに到達すると、変速アクチュエータ(カム作動用モータ6)に対する出力をオフにする。
このように、現変速段のドグ歯解放を開始するタイミングを早めることで、現変速段から次変速段への変速中、差回転の発生により現変速段のドグ歯がドライブ歯面から離れてコースト歯面へ接触することで発生する衝突音を防止することができる。
加えて、ドグ歯衝突を抑えることで、ギヤドグ歯33を有するギヤドグ31とスリーブドグ歯34を有するスリーブドグ32の耐久信頼性を向上させることができる。
さらに、変速時、変速アクチュエータ(カム作動用モータ6)に対する出力時間を短くすることができる。
(2) 変速操作機構4に、変速用ドラム41に形成されるドラム溝42と、スリーブドグ32に嵌合するシフトフォーク45に連結され、ドラム溝42の位置に配置されるブラケットピン46と、の組み合わせによる変速用カム機構48を設ける。
変速用カム機構48は、変速アクチュエータ(カム作動用モータ6)に対して出力オフになると、次変速段のドラム溝42とブラケットピン46で変速用ドラム41を回転させ、現変速段のドラム溝42とブラケットピン46で現変速段のスリーブドグ32を解放させる設定とする。
このように、次変速段のブラケットピン46により変速用ドラム41を回転させることで、現変速段のスリーブドグ32の解放開始域で解放ストロークがアシストされ、コースト歯面に接触する前に現変速段の締結ドグ歯を確実に解放することができる。
変速用カム機構48は、変速アクチュエータ(カム作動用モータ6)に対して出力オフになると、次変速段のドラム溝42とブラケットピン46で変速用ドラム41を回転させ、現変速段のドラム溝42とブラケットピン46で現変速段のスリーブドグ32を解放させる設定とする。
このように、次変速段のブラケットピン46により変速用ドラム41を回転させることで、現変速段のスリーブドグ32の解放開始域で解放ストロークがアシストされ、コースト歯面に接触する前に現変速段の締結ドグ歯を確実に解放することができる。
(3) ドグ歯抜きカム機構5は、カム溝51と、カム溝51の溝内部に向かって突出配置されたスリーブピン52と、を有する。
カム溝51のうち次変速段のカム溝傾斜角度θvを、ドラム溝42のうち次変速段のドラム溝傾斜角度θdより大きく設定する。
このように、次変速段のカム溝傾斜角度θv>ドラム溝傾斜角度θdの関係に設定することで、次変速段のスリーブドグ32の締結ストロークがドグ歯締結開始ポイントに到達した後、ブラケットピン46により変速用ドラム41の回転を促進することができる。
カム溝51のうち次変速段のカム溝傾斜角度θvを、ドラム溝42のうち次変速段のドラム溝傾斜角度θdより大きく設定する。
このように、次変速段のカム溝傾斜角度θv>ドラム溝傾斜角度θdの関係に設定することで、次変速段のスリーブドグ32の締結ストロークがドグ歯締結開始ポイントに到達した後、ブラケットピン46により変速用ドラム41の回転を促進することができる。
以上、本発明のシームレスシフト式変速機を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、変速パターンとして、1-2アップシフトの例による変速作用を示した。しかし、変速パターンとしては、1-2アップシフト以外のアップシフトの例であっても良い。さらに、ダウンシフトの場合も差回転を軸方向力に変換することで現変速段の締結ドグ歯を解放するものであるため、様々なダウンシフトパターン例であっても良い。
実施例1では、アクチュエータとして、変速用ドラム41の回転角度位置に応じてスリーブドグ32の全てを変速段毎にストロークさせる1つのカム作動用モータ6とする例を示した。しかし、アクチュエータとしては、各スリーブドグをそれぞれ別のモータで動かす例であっても良いし、複数のスリーブドグを、例えば、アップシフトパターンとダウンシフトパターンに分け、変速パターン毎に別のモータで動かす例であっても良い。
実施例1では、本発明のシームレスシフト式変速機として、前進3速の変速段を有する変速機の例を示した。しかし、前進変速段や後退段の変速段数は、実施例1に限られるものではなく、例えば、前進4速段以上の変速段有する変速機の例としても勿論良い。
実施例1では、本発明のシームレスシフト式変速機をエンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明のシームレスシフト式変速機は、ハイブリッド車や電気自動車等の他の車両に対しても適用することができる。
A シームレスシフト式変速機
E エンジン
1 変速機ケース
2 変速ギヤトレーン
11in,11out 1速ギヤ対
12in,12out 2速ギヤ対
13in,13out 3速ギヤ対
3 ドグクラッチ機構
31 ギヤドグ
32 スリーブドグ
33 ギヤドグ歯
34 スリーブドグ歯
4 変速操作機構
41 変速用ドラム
42 ドラム溝
45 シフトフォーク
46 ブラケットピン
5 ドグ歯抜きカム機構
51 カム溝
52 スリーブピン
53 ハブ
6 カム作動用モータ(変速アクチュエータ)
7 変速制御デバイス
71 変速機コントローラ(変速制御手段)
8 入力軸(可動ギヤ軸)
9 出力軸
E エンジン
1 変速機ケース
2 変速ギヤトレーン
11in,11out 1速ギヤ対
12in,12out 2速ギヤ対
13in,13out 3速ギヤ対
3 ドグクラッチ機構
31 ギヤドグ
32 スリーブドグ
33 ギヤドグ歯
34 スリーブドグ歯
4 変速操作機構
41 変速用ドラム
42 ドラム溝
45 シフトフォーク
46 ブラケットピン
5 ドグ歯抜きカム機構
51 カム溝
52 スリーブピン
53 ハブ
6 カム作動用モータ(変速アクチュエータ)
7 変速制御デバイス
71 変速機コントローラ(変速制御手段)
8 入力軸(可動ギヤ軸)
9 出力軸
Claims (3)
- 入力軸と出力軸に設けられ、互いに噛み合う複数の変速ギヤ対と、
前記変速ギヤ対のうち可動ギヤに設けられ、ギヤドグ歯を有するギヤドグと、前記ギヤドグのギヤドグ歯と噛み合うスリーブドグ歯を有するスリーブドグと、の組み合わせによるドグクラッチ機構と、
前記スリーブドグに連結され、現変速段から次変速段への変速要求があると、次変速段のスリーブドグに締結ストロークを与える変速操作機構と、
前記スリーブドグと可動ギヤ軸との間に設けられ、次変速段のドグ歯締結により現変速段のスリーブドグとギヤドグの間で発生する差回転を、軸方向力に変換することで現変速段の締結ドグ歯を解放するドグ歯抜きカム機構と、を備え、
前記変速操作機構に有する変速アクチュエータに対して制御指令を出力する変速制御手段を設け、
前記変速制御手段は、変速中、次変速段のスリーブドグの締結ストロークがドグ歯締結開始ポイントに到達すると、前記変速アクチュエータに対する出力をオフにする
ことを特徴とするシームレスシフト式変速機。 - 請求項1に記載されたシームレスシフト式変速機において、
前記変速操作機構に、変速用ドラムに形成されるドラム溝と、前記スリーブドグに嵌合するシフトフォークに連結され、前記ドラム溝の位置に配置されるブラケットピンと、の組み合わせによる変速用カム機構を設け、
前記変速用カム機構は、前記変速アクチュエータに対して出力オフになると、次変速段のドラム溝とブラケットピンで前記変速用ドラムを回転させ、現変速段のドラム溝とブラケットピンで現変速段のスリーブドグを解放させる設定とする
ことを特徴とするシームレスシフト式変速機。 - 請求項2に記載されたシームレスシフト式変速機において、
前記ドグ歯抜きカム機構は、カム溝と、前記カム溝の溝内部に向かって突出配置されたスリーブピンと、を有し、
前記カム溝のうち次変速段のカム溝傾斜角度を、前記ドラム溝のうち次変速段のドラム溝傾斜角度より大きく設定する
ことを特徴とするシームレスシフト式変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018048860A JP2019158084A (ja) | 2018-03-16 | 2018-03-16 | シームレスシフト式変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018048860A JP2019158084A (ja) | 2018-03-16 | 2018-03-16 | シームレスシフト式変速機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019158084A true JP2019158084A (ja) | 2019-09-19 |
Family
ID=67996075
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018048860A Pending JP2019158084A (ja) | 2018-03-16 | 2018-03-16 | シームレスシフト式変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019158084A (ja) |
-
2018
- 2018-03-16 JP JP2018048860A patent/JP2019158084A/ja active Pending
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