JP2019157795A - 内燃機関のエアクリーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、エアの流量を調節することができる内燃機関のエアクリーナを提供する。【解決手段】エアクリーナ11は、第1インレット15及び第2インレット16を有するケース12と、アウトレット18を有するキャップ13と、ケース12とキャップ13との間に配置される可撓性を有したフィルタエレメント14とを備える。フィルタエレメント14は、濾過部20と、非通気部21とを有し、ケース12内に突出する第2インレット16の端部16aが非通気部21に接触されることにより当該端部16aの開口16bが閉塞されている。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の吸気通路に配置され、エアの流量を調節可能な内燃機関のエアクリーナに関する。
従来、この種のエアクリーナとして例えば特許文献1に示すものが知られている。こうしたエアクリーナは、ハウジングと、当該ハウジング内の中央位置に配置されたフィルタエレメントとを備えている。ハウジングにおけるフィルタエレメントよりも上流側の側壁には、ハウジング内にエアを吸入するための吸気側ダクトが接続されている。ハウジングにおけるフィルタエレメントよりも下流側の側壁には、一端側がエンジンの吸気系に接続された送気側ダクトの他端が接続されている。そして、吸気側ダクトからハウジング内に吸入されたエアは、フィルタエレメントで濾過された後、送気側ダクトを経由してエンジンの吸気系に送られる。
吸気側ダクトの下流側端部には、流量調整パイプがアクチュエータの作動により軸線方向にスライドするように配置されている。そして、上述のエアクリーナでは、流量調整パイプが下流側へスライドしたときに吸気側ダクト内の吸気通路が全開開度となり、流量調整パイプが上流側へスライドしたときに吸気側ダクト内の吸気通路が半開開度となるように構成されている。
すなわち、上述のエアクリーナでは、吸気側ダクトからハウジング内に吸入されるエアの流量を調節するために、流量調整パイプを上流側と下流側との間でスライドさせることで吸気側ダクト内の吸気通路の開度を全開開度と半開開度との間で切り替えるようにしている。つまり、上述のエアクリーナでは、エンジンの低回転時など、吸気音を低減させたい場合に吸気側ダクト内の吸気通路を半開開度にする一方、エンジンの高回転時など、吸気流量が多く必要な場合に吸気側ダクト内の吸気通路を全開開度にするようにしている。
特開2012−184674号公報
しかし、上述のエアクリーナでは、流量調整パイプのスライドにアクチュエータを必要とするため、構成が複雑化するという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされた。その目的は、簡単な構成で、エアの流量を調節することができる内燃機関のエアクリーナを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する内燃機関のエアクリーナは、第1インレット及び第2インレットを有するケースと、アウトレットを有するキャップと、前記ケースと前記キャップとの間に配置される可撓性を有したフィルタエレメントと、を備えたエアクリーナであって、前記フィルタエレメントは、濾過部と、非通気部とを有し、前記ケース内に突出する前記第2インレットの端部が前記非通気部に接触されることにより当該端部の開口が閉塞されている。
この構成によれば、第1インレットからケース内に流入するエアの流量の変化に伴うフィルタエレメントの弾性変形により、非通気部による第2インレットの端部の開口の閉塞状態が維持されたり、非通気部による第2インレットの端部の開口の閉塞状態が解除されたりする。すなわち、エンジンの低回転時には非通気部による第2インレットの端部の開口の閉塞状態が維持され、エンジンの高回転時には非通気部による第2インレットの端部の開口の閉塞状態が解除される。このため、フィルタエレメントの非通気部を、第2インレットの端部の開口を開閉する弁として機能させることができるので、第2インレットの端部の開口の開閉動作にアクチュエータを必要としない。したがって、簡単な構成で、エアの流量を調節することができる。
本発明によれば、簡単な構成で、エアの流量を調節することができる。
一実施形態における内燃機関のエアクリーナの分解斜視図。 同エアクリーナの断面図。 フィルタエレメントの斜視図。 図3の4−4線矢視断面図。 エアクリーナのフィルタエレメントが弾性変形したときの状態を示す断面図。 変更例のエアクリーナの要部拡大断面図。 変更例のエアクリーナの要部拡大断面図。 変更例のエアクリーナの要部拡大断面図。 変更例のエアクリーナの断面図。
以下、内燃機関のエアクリーナの一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、エアクリーナ11は、車載内燃機関であるエンジンの吸気通路に配置される。エアクリーナ11は、上端部に開口部12aを有した有底矩形箱状をなす合成樹脂製のケース12と、下端部に開口部13aを有した有蓋矩形箱状をなす合成樹脂製のキャップ13と、ケース12とキャップ13との間に配置されるフィルタエレメント14とを備えている。
ケース12の側壁には、エアが流入する円筒状の第1インレット15が設けられている。ケース12の底壁における中央部寄りの位置には、エアが流入する円筒状の第2インレット16がケース12の内外を貫通するように設けられている。第2インレット16の内径は、第1インレット15の内径よりも大きくなっている。第2インレット16におけるケース12内に突出する部分の端部16aは、ケース12の底壁からの距離が開口部12aと同じになっている。ケース12における開口部12aの外側には、ケース側フランジ17が全周にわたって設けられている。
キャップ13の側壁には、エアが流出する円筒状のアウトレット18が設けられている。キャップ13における開口部13aの外側には、キャップ側フランジ19が全周にわたって設けられている。キャップ側フランジ19の先端部は、ケース12側に向かって直角に屈曲している。
図3及び図4に示すように、フィルタエレメント14は、エアを濾過する波板状の濾過部20と、通気性を有さない矩形板状の非通気部21と、周縁部全体にわたって設けられた矩形枠状のシール部22とを備えている。フィルタエレメント14は、不織布などの繊維成形体によって構成され、可撓性を有している。すなわち、フィルタエレメント14は、濾過部20と、非通気部21と、シール部22とが一体成形された繊維成形体によって構成されている。
濾過部20は、非通気部21と隣接しており、非通気部21よりも専有面積が広くなっている。第2インレット16の端部16aは、フィルタエレメント14の非通気部21に当接(接触)されることにより、その開口16bが閉塞されている。この場合、第2インレット16の端部16aは、非通気部21におけるフィルタエレメント14の中央部寄りの位置に当接している。
シール部22は、ケース側フランジ17とキャップ側フランジ19とで挟持されることで、ケース側フランジ17とキャップ側フランジ19との間をシールしている。ケース12とキャップ13とは、クランプ(図示略)によって締結されている。
次に、エアクリーナ11の作用について説明する。
図2に示すように、エンジンが始動されると、エンジンの吸気負圧により、第1インレット15からエアがケース12内に流入する。ケース12内に流入したエアは、濾過部20で濾過されてキャップ13内に流れた後、アウトレット18からエンジン側へ供給される。そして、エンジンの低回転時には、第1インレット15からケース12内に流入するエアの流量が比較的少ないため、ケース12内に流入したエアが濾過部20で円滑に濾過されてエンジン側へ流れる。このため、フィルタエレメント14はほとんど弾性変形しないので、第2インレット16の端部16aの開口16bがフィルタエレメント14の非通気部21によって閉塞された状態が維持される。
一方、エンジンの高回転時には、第1インレット15からケース12内に流入するエアの流量がエンジンの低回転時に比べて格段に多くなるため、ケース12内の圧力が一気に上昇する。そして、ケース12内の圧力が上昇してケース12内とキャップ13内との圧力差がある程度大きくなると、この圧力差によってフィルタエレメント14は、図5に示すように、中央部がキャップ13側に張り出すように弾性変形する。なぜなら、フィルタエレメント14は、周縁部に位置するシール部22がケース側フランジ17とキャップ側フランジ19とで挟持されているからである。このため、フィルタエレメント14は、周縁部から中央部に向かうほど、弾性変形量(変位量)が大きくなる。
そして、フィルタエレメント14が上述のように弾性変形すると、第2インレット16の端部16aからフィルタエレメント14の非通気部21が離れ、第2インレット16の端部16aの開口16bがフィルタエレメント14の非通気部21によって閉塞された状態が解除される。すなわち、第2インレット16の端部16aの開口16bが開放される。すると、ケース12内には、第1インレット15から流入するエアに加えて第2インレット16からもエアが流入するようになる。これにより、濾過部20で濾過されてエンジン側へ流れるエアの量が増加するため、エンジンに十分なエアが供給される。
そして、エンジンが高回転状態から低回転状態になると、第1インレット15からケース12内に流入するエアの流量も第2インレット16からケース12内に流入するエアの流量も減少するため、ケース12内の圧力が一気に下がる。そして、ケース12内の圧力が下がってケース12内とキャップ13内との圧力差がある程度小さくなると、弾性変形していたフィルタエレメント14が自身の弾性復元力によって弾性変形前の元の形状に戻るため、第2インレット16の端部16aの開口16bがフィルタエレメント14の非通気部21によって閉塞された状態になる。
このように、本実施形態のエアクリーナ11では、エンジンの低回転域で第1インレット15からのみケース12内にエアが流入するため、吸気音が低く抑えられ、エンジンの高回転域で第1インレット15及び第2インレット16の両方からケース12内にエアが流入するため、エンジンへの必要なエアの供給量を確保できる。
以上詳述した実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
(1)エアクリーナ11は、ケース12内に突出する第2インレット16の端部16aがフィルタエレメント14の非通気部21に接触されることにより第2インレット16の端部16aの開口16bが閉塞されている。この構成によれば、第1インレット15からケース12内に流入するエアの流量の変化に伴うフィルタエレメント14の弾性変形により、非通気部21による第2インレット16の端部16aの開口16bの閉塞状態が維持されたり、非通気部21による第2インレット16の端部16aの開口16bの閉塞状態が解除されたりする。すなわち、エンジンの低回転時には非通気部21による第2インレット16の端部16aの開口16bの閉塞状態が維持され、エンジンの高回転時には非通気部21による第2インレット16の端部16aの開口16bの閉塞状態が解除される。このため、フィルタエレメント14の非通気部21を、第2インレット16の端部16aの開口16bを開閉する弁として機能させることができるので、第2インレット16の端部16aの開口16bの開閉動作にアクチュエータを必要としない。したがって、簡単な構成で、ケース12内に流入するエアの流量を調節することができる。
(2)エアクリーナ11において、フィルタエレメント14は、濾過部20と非通気部21とが一体成形された繊維成形体によって構成されている。この構成によれば、1種類の材料で濾過部20と非通気部21とを一体成形できるので、フィルタエレメント14を容易に製造することができる。
(3)エアクリーナ11において、第2インレット16の内径は、第1インレット15の内径よりも大きくなっている。この構成によれば、エンジンの低回転域では、第1インレット15からのみケース12内にエアが流入するため、吸気音を効果的に低く抑えることができ、エンジンの高回転域では、第1インレット15及び第2インレット16の両方からケース12内にエアが流入するため、エンジンへの必要なエアの供給量を十分に確保できる。
(変更例)
なお、上記実施形態は次のように変更してもよい。
・図6に示すように、フィルタエレメント14の非通気部21における第2インレット16の端部16aとの接触部分に、第2インレット16の端部16aと係合することによってフィルタエレメント14の位置を決める凹部30を形成するようにしてもよい。この場合、凹部30は、第2インレット16の端部16aが遊嵌可能な大きさの円形状をなしている。この構成によれば、フィルタエレメント14が弾性変形した後、フィルタエレメント14が弾性復元力によって元の形状に戻る際に、フィルタエレメント14の非通気部21を、第2インレット16の端部16aの開口16bを閉塞する位置に精度よく戻すことができる。
・図7に示すように、上述の図6のフィルタエレメント14の非通気部21に形成される円形状の凹部30を、円環状の凹部31に変更してもよい。この場合、凹部31は、第2インレット16の端部16aが遊嵌可能な大きさの円環状をなしている。このようにしても、上述の図6の凹部30と同様の作用効果を得ることができる。
・図8に示すように、フィルタエレメント14の非通気部21における第2インレット16の端部16aとの接触部分に、例えばエラストマーなどの密着性の高い材料で構成された板材32を設けるようにしてもよい。このようにすれば、第2インレット16の端部16aを板材32に当接させた際の開口16bの密閉性を高めることができる。
・図9に示すように、フィルタエレメント14において、非通気部21を中央部に配置し、非通気部21を挟んだ両側に濾過部20を配置するようにしてもよい。フィルタエレメント14が弾性変形した際の非通気部21の変位量を大きくすることができるので、第2インレット16の端部16aの開口16bを好適に開放することができる。
・フィルタエレメント14は、必ずしも濾過部20と非通気部21とが一体成形された繊維成形体によって構成する必要はない。例えば、濾過部20を濾紙によって構成し、非通気部21をエラストマーによって構成してもよい。
・第2インレット16の端部16aは、非通気部21におけるフィルタエレメント14の周縁部寄りの位置に当接するようにしてもよい。
11…内燃機関のエアクリーナ、12…ケース、13…キャップ、14…フィルタエレメント、15…第1インレット、16…第2インレット、16a…端部、16b…開口、18…アウトレット、20…濾過部、21…非通気部、30,31…凹部。

Claims (3)

  1. 第1インレット及び第2インレットを有するケースと、
    アウトレットを有するキャップと、
    前記ケースと前記キャップとの間に配置される可撓性を有したフィルタエレメントと、
    を備えたエアクリーナであって、
    前記フィルタエレメントは、濾過部と、非通気部とを有し、
    前記ケース内に突出する前記第2インレットの端部が前記非通気部に接触されることにより当該端部の開口が閉塞されていることを特徴とする内燃機関のエアクリーナ。
  2. 前記フィルタエレメントは、前記濾過部と前記非通気部とが一体成形された繊維成形体によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のエアクリーナ。
  3. 前記非通気部における前記第2インレットの端部との接触部分には、前記第2インレットの端部と係合することによって前記フィルタエレメントの位置を決める凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関のエアクリーナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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