JP2019157773A - オイルポンプ構造 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、ポンプ部の油をモータ室に供給する場合には、油の排出口を油没させる場合と、油没させずに気中に配置する場合が考えられる。
ストレーナに接続された機械式オイルポンプ及び電動式オイルポンプを有するオイルポンプ構造であって、
前記電動式オイルポンプは、
ポンプ部と、
モータが配置されたモータ室と、
前記ポンプ部から前記モータ室へ作動油を供給する連通経路と、を有し、
前記モータ室は、前記連通経路の位置よりも重力方向上側に、気中に配置された排出口を有する構成とした。
さらに、駆動力伝達機構2のドライブスプロケット21と、ドリブンスプロケット22と、チェーン23も、簡略的に仮想線で示している。
バリエータ13のプライマリプーリ14は、入力軸12に入力された回転駆動力で、回転軸X1(プライマリプーリ14の軸中心)回りに回転する。
プライマリプーリ14に入力された回転駆動力は、プライマリプーリ14とセカンダリプーリ15とに巻き掛けられた動力伝達部材16(ベルト)を介して、セカンダリプーリ15に伝達される。
本実施形態では、バリエータ13と、ギヤ列17と、ファイナルギヤ18とで、変速機構部を構成している。
貯留空間S3内には、コントロールバルブ3が位置している。コントロールバルブ3もまた、変速機ケース10の下部に固定されており、コントロールバルブ3に付設されたオイルストレーナ31は、オイルパン20内に貯留させたオイルOL内に位置している。
変速機ケース10内の空間は、周壁11の下部に設けた底壁部111により、オイルパン20側の貯留空間S3と、変速機構部側の収容空間S1とに区画されている。
ここで、鉛直線VLは、自動変速機1の設置状態を基準とした鉛直線であって、プライマリプーリ14の回転軸X1を通る直線である。また、水平線HLは、鉛直線VLに直交する水平線であって、プライマリプーリ14の回転軸X1を通る水平線である。
底壁部111では、仕切壁部110よりも外側に位置する膨出部111aの上側に、壁部112が設けられている。壁部112は、仕切壁部110の外周から変速機ケース10の外側に向けて延出している。壁部112は、入力軸12の回転軸X1に直交する水平線HLに対して、略平行に設けられている。
電動オイルポンプEOPは、底壁部111の膨出部111aと壁部112とで、周囲を取り囲まれている。
変速機コントローラ114(ATCU)から延びるワイヤハーネス115は、膨出部111aを貫通して、オイルパン20側に引き出されたのち、コントロールバルブ3に接続されている。
メカオイルポンプMOPは、駆動力伝達機構2を介して入力されるエンジン(図示せず)の回転駆動力で駆動される。
メカオイルポンプMOPは、駆動力伝達機構2を介して伝達される回転駆動力により駆動されて、オイルストレーナ31を介して吸引したオイルOLを、加圧したのちにコントロールバルブ3に供給する。
メカオイルポンプMOPは、エンジンの駆動時に駆動される。
なお、図2では、説明の便宜上、オイルポンプ収容室S2内の空間を抜き出して、電動オイルポンプEOPを断面図で示すと共に、オイルポンプ収容室S2内を満たすオイルOLの高さ位置を、符号OL_levelで示している。
図5は、比較例にかかるオイルポンプ構造を説明する図である。
そして吸引されたオイルOLは、電動オイルポンプEOPと、メカオイルポンプMOPで加圧、調圧されたのち、油路36、37を通って、コントロールバルブ3に供給される。
逆止弁33は、メカオイルポンプMOPが停止状態であり、電動オイルポンプEOPが駆動状態であるときに、電動オイルポンプEOPから吐出されたオイルOLのメカオイルポンプMOP側への流入を規制する。
図2に示すように、電動オイルポンプEOPは、モータ部5とポンプ部6とを有している。ポンプ部6は、ポンプ機構部7を収容するハウジング60を有している。
ハウジング60は、収容部61と、収容部61の開口を封止するカバー部62とから構成されている。
収容部61では、周壁部612の内側が、ポンプ機構部7の収容空間(ポンプ室Sa)となっている。
実施の形態にかかる電動オイルポンプEOPでは、ポンプ機構部7から排出溝611bに押し出されたオイルOLが、底壁部611に設けた吐出口613から油路37に吐出されるようになっている。
挿通孔63には、円筒状のメタルベアリング65が設けられており、ボス部64を貫通したシャフトSHのうち、挿通孔63内に位置する領域の外周は、メタルベアリング65を介してボス部64で回転可能に支持されている。
よって、連通経路Rは、シャフトSHとメタルベアリング65(軸受)との間のクリアランスにより構成されている。
電動オイルポンプEOPでは、カムリング73の内側の一対のサイドプレート74、75で囲まれた空間がポンプ室Saとなっている。
そのため、電動オイルポンプEOPでは、カムリング73の内側に配置されたロータ71の外周と、カムリング73の内周73aとの離間距離が、回転軸Xa周りの周方向で周期的に増減している。
そして、電動オイルポンプEOPでは、前記した離間距離が回転軸Xa周りの周方向で周期的に増減しているために、各ポンプ空間の容積が、回転軸Xa周りの周方向で連続的に変化(増減)している。
そして、ポンプ空間内に吸引されたオイルOLは、ロータ71の回転に伴うポンプ空間のその後の容積の減少により、ポンプ空間内で圧縮される。
そして、ロータ71のさらなる回転により、ポンプ空間の容積が減少すると、圧縮されたオイルOLが、サイドプレート75に設けた油路と排出溝611bとを通って、吐出口613から油路37に吐出される。
モータ51は、シャフトSHに外挿されたロータコア52と、ロータコア52の外周を所定間隔で囲むステータコア53と、を有する。
ロータコア52は、シャフトSHとの相対回転が規制された状態で、シャフトSH上の所定位置に固定されている。
ロータコア52の外周側では、図示しないN極とS極の磁石が、回転軸Xa周りの周方向に交互に設けられている。
ティース部531は、回転軸Xa周りの周方向に所定間隔で複数設けられており、ティース部531の各々に、巻線532が巻き回されている。
ステータコア53は、カバー55の筒状壁部56の内周に固定されている。この状態においてステータコア53は、ロータコア52の外周を所定の隙間CLをあけて囲んでいる。
筒状壁部56の他端には、回転軸Xaの径方向に延びるフランジ状の接合部561が設けられている。接合部561は、回転軸Xa周りの周方向の全周に亘って設けられており、接合部561は、収容部61の端面612aに全面に亘って接合されている。
この排出口562は、ポンプ部6側(図2における右側)から視たときに、ステータコア53(電磁コイル)よりも奥側に配置されている。
本実施形態では、モータ室Sb内の空間と、オイルポンプ収容室S2内の空間とが、排出口562を介して連通している。
すなわち、電動オイルポンプEOPとメカオイルポンプMOPが、オイルストレーナ31を共用している。
この際に、油路39内のオイルOLもまた、油路38側に吸引されて、油路39内に負圧が発生する。すなわち、メカオイルポンプMOPによるオイルOLの吸引に起因して、油路39内に負圧が発生する。
そのため、油路39に負圧が発生すると、この油路39は、電動オイルポンプEOP内のポンプ室Saに連絡しているため、ポンプ室Sa内にも負圧が発生する。
電動オイルポンプEOP外の空気の吸引は、吸引した空気が、メカオイルポンプMOPが吐出するオイルOLに取り込まれてしまうと、摩擦締結要素の作動などに支障を生じる場合があるので好ましくない。
(b)(a)の条件を満たしつつ、連通経路Rから離れた位置にある底壁部57の近傍に排出口562を設ける。
そのため、排出口562がシャフトSHよりも下側に設けられていると、モータ室Sb内を通流するオイルOLの高さは、排出口562の高さが上限となる(図5参照)。
かかる場合、図5に示すように、ポンプ室Pa側に負圧が発生した際に、ポンプ室Sa側への流体の取込口となる領域(メタルベアリング65が設けられた領域:連通経路R)が、モータ室Sb内に気中に配置されることになり、ポンプ室Sa側への空気の流入を阻止することができない。
よって、本実施形態では、排出口562を、挿通孔63よりも上側であって、筒状壁部56における最も上側に位置する領域に設けている。
さらに、モータ室Sb内のオイルで満たしておくために、排出口562は、開口を回転軸Xaの径方向に向けて設けられている。
そのため、モータ51の構成要素(ロータコア52、ステータコア53)を、適切に冷却できるようにするために、排出口562は、ポンプ部6側(図2における右側)から視たときに、ステータコア53(電磁コイル)よりも奥側に配置されている。
これにより、供給されたオイルOLが、モータ室Sb内を回転軸Xa方向の全域に渡って通流することで、モータ51の構成要素(ロータコア52、ステータコア53)が適切に冷却される。
図2を参照して、電動オイルポンプEOPの駆動時には、ポンプ室Sa側からモータ室Sbに、モータ51を冷却するためのオイルOLが供給される。
このオイルOLは、ステータコア53とロータコア52との間の隙間CLや、回転軸Xa周りの周方向で隣接するステータコア53の間などを通って、シャフトSHの他端部SHb側(図中、左側)に移動したのち、排出口562からモータ室Sb内に排出される。
そのため、モータ51のステータコア53とロータコア52が油没しており、モータ室Sb内を通流するオイルOLで、モータ51が適切に冷却される。
そのため、メカオイルポンプMOPの駆動により、電動オイルポンプEOP内のポンプ室Sa側に負圧が発生しても、ポンプ室Sa側に空気が取り込まれないようになっている。
(1)オイルポンプ構造は、メカオイルポンプMOP(機械式オイルポンプ)と、電動オイルポンプEOP(電動式オイルポンプ)とを有する。
メカオイルポンプMOPと電動オイルポンプEOPは、共通のオイルストレーナ31(ストレーナ)に接続されている。
電動オイルポンプEOPは、ポンプ部6(ポンプ室Sa)と、モータ51が配置されたモータ部5(モータ室Sb)と、ポンプ部6からモータ部5にオイルOL(作動油)を供給する挿通孔63(連通経路R)と、を有する。
モータ部5は、挿通孔63の位置よりも重力方向上側に、気中に配置された排出口562を有する。
オイルストレーナ31を、メカオイルポンプMOPと電動オイルポンプEOPで共用している場合、電動オイルポンプEOPを停止させる一方で、メカオイルポンプMOPを駆動すると、メカオイルポンプMOPの駆動に起因する負圧が、電動オイルポンプEOPのポンプ部6内に発生する。
かかる場合であっても、ポンプ部6の内部とモータ部5の内部とを連通させる挿通孔63が油中に位置しているので、空気がポンプ部6側に流入して最終的にメカオイルポンプMOP側に到達することを防止できる。
これにより、メカオイルポンプMOP(機械式オイルポンプ)が駆動されていた場合における電動オイルポンプEOP(電動式オイルポンプ)側からのエア混入を抑制することができる。
(2)モータ51と、ポンプ部6側のロータ71とを接続するシャフトSHと、
シャフトSHを支持するするメタルベアリング65(軸受)と、を有する。
連通経路Rは、シャフトSHとメタルベアリング65との間のクリアランスにより構成されている。
これにより、連通経路R(油路)を作成するための別途の穴あけ作業などが不要になり、作成工程が簡便になる。
なお、この場合、排出口はメタルベアリング65(軸受)よりも重力方向上側に配置されることになる。
(3)ポンプ部6は、吐出口613と、吸入口621aと、油圧を生成するポンプ室Saと、を有する。
連通経路Rは、ポンプ室Saと接続されている。
(4)排出口562は、重力方向上側に向って開口している。
そのため、自動変速機1の設置状態を基準とした鉛直線方向(重力方向)で、連通経路Rよりも上側に位置する領域、より好ましくは、筒状壁部56における最も上側に位置する領域に、排出口562を設けると共に、排出口562の開口を、回転軸Xaの径方向に向けて設けることで、油面高さOL_levelを高くして静止時の冷却効果を向上させる。
(5)モータ51は、ステータコア53(電磁コイル)を有する。
排出口562は、ポンプ部6側から視たときに、ステータコア53(電磁コイル)よりも奥側に配置されている。
これにより、排出口562を、ステータコア53(電磁コイル)よりも手前側(ポンプ部6側)に設ける場合よりも、電動オイルポンプEOP駆動時の冷却効果を高めることができる。
また、電動オイルポンプの停止時(静止時)および駆動時(動作時)の双方において、冷却効果を高めることができる。
この排出口562Aは、回転軸Xaに沿う向きで設けられており、開口を回転軸Xa方向に向けている。
さらに、排出口562Aは、自動変速機1の設置状態を基準とした鉛直線方向で、シャフトSHの外周と挿通孔63の内周と隙間(メタルベアリング65が設けられた領域:連通経路R)よりも上方に位置している。
レイアウト上の制限などにより、底壁部57寄りの位置に排出口を設けることができない場合には、空気のポンプ部6側への流入を阻止できる点で有効である。
10 変速機ケース
11 周壁
110 仕切壁部
111 底壁部
111a 膨出部
112 壁部
113 蓋部
114 変速機コントローラ
20 オイルパン
2 駆動力伝達機構
21 ドライブスプロケット
22 ドリブンスプロケット
23 チェーン
3 コントロールバルブ
31 オイルストレーナ
33、34 逆止弁
35 油圧制御回路
36、37、38、39 油路
5、5A、5B モータ部
51 モータ
52 ロータコア
53 ステータコア
530 ヨーク部
531 ティース部
532 巻線
55 カバー
56 筒状壁部
562、562A、562B、562p 排出口
562a 上端
57 底壁部
6 ポンプ部
60 ハウジング
61 収容部
611 底壁部
611a 支持穴
611b 排出溝
612 周壁部
613 吐出口
62 カバー部
621a 吸入口
63 挿通孔
64 ボス部
65 メタルベアリング
66 油路
7 ポンプ機構部
71 ロータ
72 ベーン
73 カムリング
74 サイドプレート
75 サイドプレート
CL 隙間
EOP 電動オイルポンプ
MOP メカオイルポンプ
OL オイル
OL_level 油面
Pa ポンプ室
R 連通経路
S シールリング
Sa ポンプ室
Sb モータ室
S1 収容空間
S2 オイルポンプ収容室
S3 貯留空間
SH シャフト
X1、Xa、Xb 回転軸
Claims (6)
- ストレーナに接続された機械式オイルポンプ及び電動式オイルポンプを有するオイルポンプ構造であって、
前記電動式オイルポンプは、
ポンプ部と、
モータが配置されたモータ室と、
前記ポンプ部から前記モータ室へ作動油を供給する連通経路と、を有し、
前記モータ室は、前記連通経路の位置よりも重力方向上側に、気中に配置された排出口を有することを特徴とするオイルポンプ構造。 - 請求項1において、
前記モータと前記ポンプ部とを接続するシャフトと、
前記シャフトを支持する軸受と、を有し、
前記連通経路は、前記シャフトと前記軸受との間のクリアランスにより構成されていることを特徴とするオイルポンプ構造。 - 請求項2において、
前記ポンプ部は、吐出口と、吸入口と、油圧を生成するポンプ室と、を有し、
前記連通経路は、ポンプ室と接続されていることを特徴とするオイルポンプ構造。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記排出口は、重力方向上側に向って開口していることを特徴とするオイルポンプ構造。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
前記モータは電磁コイルを有し、
前記排出口は、前記ポンプ部側から視たときに、前記電磁コイルよりも奥側に配置されていることを特徴とするオイルポンプ構造。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記モータは電磁コイルを有し、
前記排出口は、重力方向上側に向って開口しており、
前記排出口は、前記ポンプ部側から視たときに、前記電磁コイルよりも奥側に配置されていることを特徴とするオイルポンプ構造。
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