JP2015068181A - 電動ポンプ - Google Patents

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俊之 横井
Toshiyuki Yokoi
俊之 横井
拓也 大澤
Takuya Osawa
拓也 大澤
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Abstract

【課題】リリーフ弁の搭載自由度が高く、吸入側に大きな開口面積が確保できると共に、開弁開始から全開までのリリーフ弁のストローク量を大きくすることができる電動ポンプを提供する。【解決手段】電動ポンプ1は、内接型ギアポンプ14を有するポンプ部10と、内接型ギアポンプ14を駆動するセンサレスブラシレスDCモータ21を有するモータ部20と、ポンプ部10及びモータ部20と一体化されており、吸入通路43と吐出通路44と吸入通路43と吐出通路44とを連通させる連通路とが形成されたポンプカバー40と、連通路内に取り付けられたリリーフ弁60とを備えている。吸入通路43と吐出通路44とはいずれもモータ部20と反対側に延出する第1部分を有し、リリーフ弁60は回転軸心Xに対して傾斜している。【選択図】図3

Description

本発明は、ポンプを有するポンプ部と、このポンプを駆動するモータを有するモータ部と、ポンプから吐出された作動油の油圧を所定値以下に抑えるリリーフ弁とを備えた電動ポンプに関する。
車両に用いられる電動ポンプはエンジンの回転とは無関係に駆動できるため、例えば、アイドリングストップ時におけるトランスミッションの油圧保持等の目的で使用されている。当該電動ポンプは、オイルパンに貯留されている作動油を吸入ポートに汲み上げて、ポンプ部内で作動油を加圧し、吐出ポートからエンジン内部や弁開閉時期制御装置、その他の箇所に圧送している。電動ポンプはモータ部を構成するモータにより駆動されている。この電動ポンプには、モータの負荷が過大になって脱調しないように、ポンプ部から吐出される作動油の圧力が所定値を超えると、吐出通路を流通する作動油の一部が連通路を介して吸入通路に還流するリリーフ弁を備えているものがある。
特許文献1には、リリーフ弁を備えた内接型ギアポンプ式の電動ポンプユニットが開示されている。内接型ギアポンプは、インナロータと該インナロータと内接噛合したアウタロータを有し、ポンプ室を形成している。ギアポンプに隣接配置されたポンププレートには、ポンプ室に沿って、吸入側の三日月状ポートと吐出側の三日月状ポートが形成され、吸入側の三日月状ポートと吐出側の三日月状ポートに連通して、吸入ポートと吐出ポートがそれぞれ形成されている。リリーフ弁は、吸入側の三日月状ポートと吐出側の三日月状ポートを連結する通路上に配置されている。
特開2008−215087号公報
特許文献1に記載の電動ポンプユニットにおいて、吸入側の三日月状ポートと吐出側の三日月状ポートの外径は内接型ギアポンプのアウタロータの内径に等しい。内接型ギアポンプの大きさは、その吐出性能に応じて決まるため、例えば、吐出量が少ない内接型ギアポンプのアウタロータの内径は小さくなる。しかし、リリーフ弁はその構造上、一定以上の大きさが必要となる。従って、そのような場所にリリーフ弁を搭載すると、リリーフ弁の大きさが制約を受けると共に、搭載の自由度が小さくなるという問題があった。また、リリーフ弁が開弁したときの還流通路が吸入側の三日月状ポートになるため、還流された作動油が流入する吸入側の開口面積が小さくなるという問題があった。吸入側の開口面積が小さいと、作動油を還流させても多量の作動油を還流させることができず、リリーフ特性は悪化してしまう。すなわち、作動油還流時でも吐出側の油圧は少ししか低下しないため、モータの負荷は高い状態が維持される。その結果、モータの消費電流が多くなってしまい、改善の余地があった。
さらに、リリーフ弁が開弁したときの還流通路が吸入側の三日月状ポートであると、開弁開始から全開までのリリーフ弁のストローク量が短くなるため、リリーフ弁が全開になった状態でも背圧部にある空気(気泡)や作動油が十分に抜けない場合があり、これらの抜け性が悪化するという問題があった。気泡の抜け性が悪化すると、その後気泡が抜ける時に異音が発生するおそれがある。また、作動油の抜け性が悪化すると、リリーフ弁が全開になる時に通常より高い作動油の油圧が必要となりリリーフ特性が悪化するため、改善の余地があった。
上記問題に鑑み、本発明は、リリーフ弁の搭載自由度が高く、吸入側に大きな吸入側開口面積が確保できると共に、開弁開始から全開までのリリーフ弁のストローク量を大きくすることができる電動ポンプを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る電動ポンプの特徴構成は、ポンプを有するポンプ部と、前記ポンプ部に隣接して配置され、前記ポンプを駆動するモータを有するモータ部と、前記ポンプ部に対して前記モータ部と反対側に配置され、前記ポンプ部及び前記モータ部と一体化されており、前記ポンプ部に供給する作動油を流通させる吸入通路と前記ポンプ部から吐出された作動油を流通させる吐出通路と、前記吸入通路と前記吐出通路とを連通させる連通路とが形成されたポンプカバーと、前記連通路内に取り付けられ、前記吐出通路を流通する作動油の油圧が所定値以下であれば前記吐出通路と前記吸入通路との連通を遮断し、前記油圧が所定値を超えると前記吐出通路と前記吸入通路とを連通させ、前記吐出通路を流通する作動油の一部を前記連通路を経由して前記吸入通路に還流させるリリーフ弁とを備え、前記吸入通路と前記吐出通路はいずれも前記モータ部と反対側に延出する第1部分を有し、前記リリーフ弁は、前記吐出通路の前記第1部分の前記ポンプ部から遠い側にある端部に回転軸心に対して傾斜した状態で、且つ、前記吸入通路の前記第1部分と交差しないように配置されている点にある。
このような特徴構成とすれば、リリーフ弁をポンプカバーに搭載することになるので、リリーフ弁の搭載自由度を高めることができる。また、リリーフ弁が吐出通路の第1部分にのみ交差し、吸入通路の第1部分に交差しないように配置されているので、特許文献1に記載の電動ポンプユニットとは異なり、リリーフ弁の大きさは吸入通路の第1部分と吐出通路の第1部分の間隔の影響を受けることなく、仕様に応じて自由に設定することができる。そのため、リリーフ弁のストロークを長くすることができ、ストロークが短いことに起因する作動油や気泡の抜け性を改善することができる。さらに、連通路がポンプカバーに形成されているので、連通路の通路断面積、すなわち、吸入側の開口面積を大きくすることが可能である。これらより、リリーフ弁のリリーフ特性を良好にすることができる。
本発明に係る電動ポンプにおいては、前記リリーフ弁は弁体と前記弁体を付勢する付勢部材とを備えており、前記ポンプカバーは、ミッションケースに固定するための取付面を有し、前記取付面は前記回転軸心及び前記リリーフ弁の軸心に平行であり、前記取付面が地面に対し垂直になるよう前記ミッションケースに固定される姿勢において、前記弁体の重さの一部もしくは全部により圧縮方向の力が前記付勢部材に印加されていると好適である。
リリーフ弁を取付面に対して平行に配置することにより、特許文献1に記載の電動ポンプユニットのように、リリーフ弁が吸入側の三日月状ポートと吐出側の三日月状ポートを連結する通路上に配置された構造と比較して、取付面からの電動ポンプの高さを低くすることができるので、電動ポンプを狭所に搭載することができる。
電動ポンプが作動している時、付勢部材が備えられた空間内は作動油で満たされている。また、作動油はオイルパンからの汲み上げ時に空気が気泡となって混入し、その状態で流通するので、当該空間には気泡も存在している。弁体が変位する時に、当該空間にある作動油や気泡を連通路に確実に逃がさないと、弁体をスムーズに変位させることはできない。特に、気泡が残存すると、それがエアダンパーとなって弁体のスムーズな変位を阻害する。通常、当該空間の作動油や気泡を逃がすための孔や溝は弁体側に形成されている。弁体本発明において、電動ポンプの取付面が地面に対して垂直になるようにミッションケースに固定される姿勢において、弁体の重さの一部もしくは全部により圧縮方向の力が付勢部材に印加された状態にあると、リリーフ弁において、弁体が地面から最も高い位置にくるので、当該空間内の気泡は弁体側に溜まる。その結果、弁体の変位時に作動油だけでなく気泡も確実に連通路に逃がすことができ、弁体をスムーズに変位させることができる。
本発明に係る電動ポンプにおいては、前記弁体において前記吐出通路を流通する作動油の前記油圧を受ける上面は平面であり、前記連通路のうち少なくとも前記リリーフ弁と交差している箇所における断面形状は円弧部と弦部からなる弓形状であり、前記リリーフ弁が開弁する直前には前記上面を含む平面上に前記弦部があると好適である。
このような構成とすれば、リリーフ弁が開弁する直前には弁体と連通路とは上面と弦部において線で接することになる。そしてリリーフ弁が開弁して吐出通路と吸入通路とが連通すると、上面に到達している作動油は、上面と弦部の隙間から連通路に流入する。そのため、開弁直後では、連通路が弦部を有さず断面が円弧部のみからなる円形状である場合と比較して上面と弦部の隙間が短時間で大きく開口するので、多量の作動油が連通路に一気に流入する。また、連通路はポンプカバーに形成されているので、その通路断面積、すなわち、吸入側の開口面積を大きくすることができる。その結果、吐出流路を流通する作動油の吐出圧力は急激に低下し、電動ポンプの動作点における吐出圧力を下げることができ、良好なリリーフ特性を得ることができると共に、吐出量維持に必要なモータ電流を下げることができる。
第1実施形態に係る電動ポンプの構造を表す正面図である。 第1実施形態に係る電動ポンプの構造を表す底面図である。 図2のIII-III線断面図である。 図1のIV-IV線断面図である。 図4の部分拡大図である。 第1実施形態に係る電動ポンプがミッションケースに取り付けられた状態を表す説明図である。 第1実施形態の変形例に係る電動ポンプのリリーフ弁及び還流通路の構造を表す断面図である。
1.第1実施形態
〔電動ポンプの構成〕
以下には、本発明に係る第1実施形態について、図面に基づいて説明する。図1、図2に示すように、本実施形態に係る電動ポンプ1は、ポンプ部10とモータ部20とポンプカバー40から構成されている。図3〜図5に示すように、ポンプ部10は、一方の端面に有底且つ断面が円形の収容凹部12が形成されたポンプハウジング11と、この収容凹部12に収容された内接型ギアポンプ14を備えている。内接型ギアポンプ14は、インナロータ15とアウタロータ16を備えている。アウタロータ16の外径は収容凹部12の内径にほぼ等しい。ポンプハウジング11、インナロータ15、アウタロータ16はアルミ合金製である。ポンプハウジング11には収容凹部12の軸心から偏心した箇所に軸受孔19が形成され、該軸受孔19とインナロータ15を貫通する回転軸13が挿入されている。回転軸13は軸受孔19によって回転自在に支持され、回転軸13とインナロータ15は共通の回転軸心Xを持ち一体となって回転する。
内接型ギアポンプ14は、インナロータ15に形成された外歯とアウタロータ16に形成された内歯とが噛合するように構成され、インナロータ15の回転に伴い、アウタロータ16がインナロータ15の周囲を連れ回りする。インナロータ15の歯部とアウタロータ16の歯部の間には、回転に伴い容積が増減する多数のポンプ室17が形成されている。
ポンプ部10に隣接してモータ部20が配置されている。モータ部20は、センサレスブラシレスDCモータ21を備えている。センサレスブラシレスDCモータ21は、円筒状のロータ26と、多少の隙間をおいてその外側に位置する環状のステータ22とにより構成されている。センサレスブラシレスDCモータ21は、モータの一例である。ロータ26とステータ22はいずれも回転軸心Xと同軸心である。
ロータ26は、電磁鋼板を積層した円筒状のロータヨーク27の内部にマグネット28を埋め込んで固着したものであり、ロータ26は回転軸13と一体となって回転する。ステータ22は、電磁鋼板を積層したステータコア23と、ステータコア23のティースを覆う絶縁体のコイル支持枠25と、コイル支持枠25の上からステータコア23に巻回されたコイル24から構成されている。ステータ22は、樹脂製のモータハウジング29で覆われて一体化されている。モータハウジング29には、コネクタ30が一体的に形成されており、コネクタ30を介して、コイル24に交番電流が印加される。交番電流によるコイル24とマグネット28との吸引、反発の繰り返しによりロータ26が回転し、それに伴いインナロータ15が回転する。
ポンプカバー40は、ポンプ部10に対してモータ部20と反対側に配置されており、回転軸心Xと平行な方向に延在している。ポンプカバー40はアルミ合金からなり、ポンプ部10、モータ部20とネジにより締結され、一体化されている。ポンプ部10とモータ部20の間、及びポンプ部10とポンプカバー40との間にはそれぞれ環状シール3、2が内接型ギアポンプ14全体を囲むように配置されており、内接型ギアポンプ14から外部への作動油の漏れを防止している。ポンプカバー40は、吸入ポート41、吐出ポート42、吸入通路43、吐出通路44、還流通路48、リリーフ弁60を備えている。還流通路48は連通路の一例である。
吸入ポート41は、内接型ギアポンプ14のポンプ室17の容積が増大する範囲に沿ってポンプ室17と連通するように形成された、三日月形状の溝である。同様に、吐出ポート42は、内接型ギアポンプ14のポンプ室17の容積が減少する範囲に沿ってポンプ室17と連通するように形成された、三日月形状の溝である。さらに、吸入ポート41の底面からは、吸入ポート41と連通する吸入通路43が延出し、吐出ポート42の底面からは、吐出ポート42と連通する吐出通路44が延出している。吸入通路43は不図示のオイルパンに貯留された作動油を流通させ、吸入ポート41を介して内接型ギアポンプ14に作動油を供給している。吐出通路44は内接型ギアポンプ14から吐出された作動油を流通させ、不図示のエンジン内部や弁開閉時期制御装置、その他の箇所に作動油を供給している。吸入通路43と吐出通路44の作動油の流通方向に垂直な断面は円形状である。
図4、図5に示すように、吐出通路44は、回転軸心Xと平行に、モータ部20と反対側且つポンプ部10から離間する方向に延出する第1部分44aと、第1部分44aの端部で直角に屈曲してミッションケース80に電動ポンプ1を取り付ける際の取付面46まで延出する第2部分44bとからなる。第2部分44bは取付面46で外部に向けて開口している。第1部分44aと取付面46とは平行であり、第2部分44bと取付面46とは垂直である。取付面46の近傍では、第2部分44bの作動油の流通方向に垂直方向の断面積は、吐出通路44の他の部分の断面積より大きい。図3に示すように、第1部分44aのポンプ部10から遠い側にある端部である、第1部分44aと第2部分44bとが交わる箇所からは、第1部分44a、すなわち回転軸心Xに対して傾斜し、且つ、第2部分44bに対して垂直な方向に、連通路としての短い通路を介してリリーフ弁60が配設されている。リリーフ弁60についての詳細は後述する。
吸入通路43は、回転軸心Xと平行に、モータ部20と反対側且つポンプ部10から離間する方向に延出する第1部分43aと、第1部分43aの端部で直角に屈曲して取付面46まで延出する第2部分43bからなる。第2部分43bは取付面46で外部に向けて開口している。第1部分43aと第1部分44a、第2部分43bと第2部分44bとはそれぞれ平行である。取付面46の近傍では、第2部分43bの作動油の流通方向に垂直方向の断面積は、吸入通路43の他の部分の断面積より大きい。第1部分43aと第2部分43bとが交わる箇所からは、第2部分43bに沿って延出し、リリーフ弁60に到達する還流通路48が形成されている。
リリーフ弁60を第2部分44bに対して垂直な方向、すなわち、取付面46に対して平行に配置することにより、特許文献1に記載の電動ポンプユニットのように、リリーフ弁が吸入側の三日月状ポートと吐出側の三日月状ポートを連結する通路上に配置された構造と比較して、取付面46からの電動ポンプ1の高さ(図2における取付面46から上方向の高さ)を低くすることができるので、狭所に搭載することができる。また、リリーフ弁60をポンプカバー40に搭載することにより、リリーフ弁60の搭載自由度を高めることができる。さらに、リリーフ弁60が第1部分43aにのみ交差し、第1部分44aに交差しないように配置されているので、特許文献1に記載の電動ポンプユニットとは異なり、リリーフ弁60の大きさは第1部分43aと第1部分44aとの間隔の影響を受けることなく、仕様に応じて自由に設定することができる。そのため、リリーフ弁60のストロークを長くすることができ、ストロークが短いことに起因する作動油や気泡の抜け性を改善することができる。これらより、リリーフ弁60のリリーフ特性を良好にすることができる。作動油や気泡の抜け性の詳細については後述する。
図5に示すように、リリーフ弁60は、ポンプカバー40に形成された断面が円形状の挿入穴50に配設され、ピストン62、スプリング66、ストッパ68を備えて構成される。ピストン62は円筒形状を有し、挿入穴50の軸方向に沿って滑らかに摺動可能な外径を有している。ピストン62の一方の端面(上面63)は吐出通路44と対向し、吐出通路44を流通する作動油の油圧を受ける受圧面となっている。上面63の中央には、当該ピストン62の内部を貫通する連絡通路64の一方の開口が形成されている。連絡通路64は、ピストン62の内部で4本に分岐し、それぞれの連絡通路64はピストン62の側面で開口している。ピストン62の側面には第1環状溝65が形成されており、4本の連絡通路64の開口は第1環状溝65と連通している。第1環状溝65の溝幅は、連絡通路64の内径よりも大きい。なお、ピストン62は弁体の一例であり、連絡通路64と第1環状溝65は、いずれも連通路の一例である。
還流通路48は挿入穴50の内周面に開口しており、ピストン62の第1環状溝65が還流通路48と対向した時にリリーフ弁60は開弁し、連絡通路64、第1環状溝65、還流通路48を介して吐出通路44と吸入通路43とが連通し、吐出通路44を流通する作動油の一部が吸入通路43に還流される。還流通路48はポンプカバー40に形成されているので、通路断面積、すなわち、吸入側の開口面積を大きくすることが可能であり、これにより良好なリリーフ特性を得ることができる。さらに良好なリリーフ特性を得るためには、連絡通路64と第1環状溝65の通路断面積を可能な限り大きくするのがよい。
ピストン62の他方の端面(底面)には中央部に有底の穴が形成されており、当該穴の内周面から径方向に4つの貫通孔69が形成されている。貫通孔69が開口しているピストン62の外周には第2環状溝67が形成されており、第2環状溝67により、ピストン62の位置に関わらず、空間70と還流通路48は連通している。
ストッパ68は、挿入穴50を閉栓しており、作動油が挿入穴50から外部に流出することを防止している。ストッパ68の挿入穴50内にある端面には中央部に有底の穴が形成されている。ピストン62とストッパ68との間にある空間70にはスプリング66が配設されており、ピストン62の穴とストッパ68の穴とで保持されている。スプリング66は、ピストン62を吐出通路44の方向に付勢している。スプリング66は付勢部材の一例である。
図4に示すように、ピストン62がスプリング66の付勢力により吐出通路44に最も接近した位置(初期位置)にある時に、貫通孔69は還流通路48と対向している。従って、その状態で電動ポンプ1が作動を開始すると、吸入通路43を流通する作動油の一部が還流通路48を通って空間70に流入し、空間70は作動油で満たされる。また、作動油はオイルパンからの汲み上げ時に空気が気泡となって混入し、その状態で流通するので、空間70には気泡も存在する。貫通孔69と第2環状溝67は、初期位置からピストン62が変位する時に、空間70にある作動油や気泡を確実に還流通路48に逃がし、ピストン62の変位をスムーズにするために設けられている。
図1に示すように、ポンプカバー40には、取付面46に対して垂直な方向に、貫通孔である取付孔52が3ヶ所形成されている。電動ポンプ1をミッションケース80に取り付ける際には、取付面46をミッションケース80の壁面に密着させ、ボルト54を取付孔52に挿入してミッションケース80に締結することにより、電動ポンプ1をミッションケース80に固定する。このとき、図6に示すように、電動ポンプ1は、取付面46が地面(図6の下方)に対して垂直になるようにして、ミッションケース80の壁面に取り付けられることが望ましい。
このように取り付けられると、リリーフ弁60において、ピストン62が地面に対して最も高い位置にくるので、空間70内の気泡はピストン62側に溜まる。ピストン62には、貫通孔69と第2環状溝67が形成されているので、ピストン62の変位時に作動油だけでなく気泡も貫通孔69から第2環状溝67を経由して還流通路48に逃がすことができ、ピストン62をスムーズに変位させることができる。もし、逆にストッパ68がピストン62よりも高い位置にあると、空間70内の気泡がストッパ68側に溜まるので、ピストン62の変位時に作動油を還流通路48に逃がすことはできても、気泡を全て逃がすことができない。そのため、気泡がエアダンパーとなってピストン62のスムーズな変位が妨げられるおそれがある。
〔電動ポンプの動作〕
電動ポンプ1のセンサレスブラシレスDCモータ21が通電される前は、吸入通路43、吐出通路44に作動油はなく、ピストン62の上面63には油圧が作用していないため、ピストン62は初期位置にある。このとき、吐出通路44と吸入通路43とは連通していない。
センサレスブラシレスDCモータ21が通電されると、ロータ26が回転し、内接型ギアポンプ14のインナロータ15が回転する。アウタロータ16はインナロータ15の回転に連れ回りする。内接型ギアポンプ14のポンプ室17のうち吸入ポート41と連通した部分は、回転に伴いポンプ室17の容積が増加する部分なので、吸入ポート41と連通状態にあるポンプ室17には負圧が発生する。これにより、オイルパンに貯留された作動油が吸入通路43を通って吸い上げられ、ポンプ室17に流入し溜められる。
一方、ポンプ室17のうち吐出ポート42と連通した部分は、回転に伴いポンプ室17の容積が減少する部分なので、吐出ポート42と連通状態にあるポンプ室17には正圧が発生する。これにより、ポンプ室17に溜められた作動油は、ポンプ室17から吐出ポート42を経由して吐出通路44に加圧された状態で押し出される。加圧状態で吐出通路44を流通する作動油の大半は、不図示のエンジン内部や弁開閉時期制御装置、その他の箇所に送られるが、一部の作動油はピストン62の上面63に到達し、スプリング66の付勢力に抗する方向に油圧を作用させる。そして、作動油は連絡通路64を流通して第1環状溝65にまで到達するが、油圧が低い状態では第1環状溝65は還流通路48と対向していないので、作動油はそれ以上流れない。
センサレスブラシレスDCモータ21の回転数が上がると、内接型ギアポンプ14の回転数も高くなり、吐出されて吐出通路44を流通する作動油の吐出量、吐出圧力共に大きくなる。それに伴い、上面63に作用する作動油の油圧も大きくなる。上面63に作用する作動油の油圧がスプリング66の付勢力を上回ると、ピストン62は初期位置からストッパ68との距離が短くなる方向に変位する。そして、作動油の油圧が所定値に到達し、ピストン62が第1環状溝65と還流通路48とが対向するところまで変位すると、リリーフ弁60が開弁して連絡通路64、第1環状溝65、還流通路48を介して吐出通路44と吸入通路43とが連通し、吐出通路44を流通する作動油の一部が吸入通路43に還流される。これにより、吐出通路44を流通する作動油の圧力を所定値以下に維持し、センサレスブラシレスDCモータ21のロータ26が脱調することを防止することができる。また、電動ポンプ1においては還流通路48の通路断面積、すなわち、吸入側の開口面積が大きく多量の作動油を還流させることができるので、良好なリリーフ特性を得ることができる。ピストン62は、ストッパ68に当接するまで変位する(図5に示す状態)。
2.第1実施形態の変形例
次に、本発明に係る電動ポンプ1の第1実施形態の変形例を図面に基づいて説明する。図7に示すように、本変形例においては、リリーフ弁60のピストン62の形状と還流通路48の断面形状が第1実施形態と異なり、他の点は同じである。
本変形例において、ピストン62の上面63は平面状であり、ピストン62の内部に連絡通路64は形成されていない。還流通路48及び第2部分44bの作動油の流通方向に垂直な断面は、円弧部56と弦部58からなる弓形状であり、リリーフ弁60が開弁する直前で上面63と弦部58とが同一平面上にある。
電動ポンプ1が通電され、吐出通路44を流通して上面63に作用する作動油の油圧が大きくなり、上面63に作用する作動油の油圧がスプリング66の付勢力を上回ると、ピストン62は初期位置からストッパ68との距離が短くなる方向に変位する。そして、作動油の油圧が所定値に到達すると、リリーフ弁60は開弁し、ピストン62の上面63と弦部58の隙間から作動油が還流通路48に流入して吐出通路44と吸入通路43とが連通し、吐出通路44を流通する作動油の一部が吸入通路43に還流される。これにより、吐出通路44を流通する作動油の圧力を所定値以下に維持し、センサレスブラシレスDCモータ21のロータ26が脱調することを防止することができる。ピストン62は、ストッパ68に当接するまで変位する。
本変形例においては、リリーフ弁60が開弁する直前にはピストン62と還流通路48とは上面63と弦部58において線で接することになる。そしてリリーフ弁60が開弁して吐出通路44と吸入通路43とが連通すると、上面63に到達している作動油は、上面63と弦部58の隙間から還流通路48に流入する。そのため、開弁直後では、還流通路48が弦部58を有さず断面が円弧部56のみからなる円形状である場合と比較して上面63と弦部58の隙間が短時間で大きく開口するので、多量の作動油が還流通路48に一気に流入する。また、還流通路48はポンプカバー40に形成されているので、還流通路48の通路断面積、すなわち、吸入側の開口面積を大きくすることができる。その結果、吐出通路44を流通する作動油の吐出圧力は急激に低下し、電動ポンプ1の動作点における吐出圧力を下げることができ、良好なリリーフ特性を得ることができると共に、吐出量維持に必要なモータ電流を下げることができる。
また、本変形例1のような構成とすることにより、リリーフ弁60が開弁して吐出通路44と吸入通路43とが連通する時に発生する異音を小さくすることができる。
本変形例においては、第2部分43bと還流通路48の両方に弦部58を設けたが、必ずしもその構成である必要はない。還流通路48に弦部58が設けられていれば、第2部分43bの断面は円形状であってもよい。
上記実施形態及びその変形例においては、電動ポンプ1の型式として内接型ギアポンプ14を用いて説明したが、これだけに限られるものではない。内接型ギアポンプ14以外にも、例えば、外接型ギアポンプやベーンポンプであってもよい。
上記実施形態及びその変形例においては、第2部分43b、44b、還流通路48はいずれも第1部分43a、44aに対して垂直に配置されていたがこれに限られるものではない。第2部分43b、44b、還流通路48の全てもしくはいずれかが第1部分43a、44aに対して斜めに配置されていてもよい。また、第1部分43a、44aは、回転軸心Xに対して平行に延出するように配置されていたがこれに限られるものではない。第1部分43a、44aの全てもしくはいずれかが回転軸心Xに対して斜めに延出するように配置されていてもよい。
上記実施形態及びその変形例においては、リリーフ弁60は取付面46に平行に配置されていたがこれに限られるものではない。搭載スペースの許す限りにおいては、取付面46に対して斜めに配置されていてもよい。また、回転軸心Xに対する傾斜度合いについても、搭載スペース等の事情に応じて、適宜変更してもよい。
上記実施形態及びその変形例においては、電動ポンプ1はミッションケース80に取り付けたが、これだけに限られるものではない。電動ポンプ1はエンジンその他の場所に取り付けられていてもよい。
本発明は、ポンプを有するポンプ部と、このポンプを駆動するモータを有するモータ部と、ポンプから吐出された作動油の油圧を所定値以下に抑えるリリーフ弁とを備えた電動ポンプに利用することが可能である。
1 電動ポンプ
10 ポンプ部
20 モータ部
21 センサレスブラシレスDCモータ(モータ)
40 ポンプカバー
43 吸入通路
43a 第1部分
43b 第2部分
44 吐出通路
44a 第1部分
44b 第2部分
46 取付面
48 還流通路(連通路)
60 リリーフ弁
62 ピストン(弁体)
63 上面
64 連絡通路(連通路)
65 環状溝(連通路)
66 スプリング(付勢部材)
80 ミッションケース
X 回転軸心

Claims (3)

  1. ポンプを有するポンプ部と、
    前記ポンプ部に隣接して配置され、前記ポンプを駆動するモータを有するモータ部と、
    前記ポンプ部に対して前記モータ部と反対側に配置され、前記ポンプ部及び前記モータ部と一体化されており、前記ポンプ部に供給する作動油を流通させる吸入通路と前記ポンプ部から吐出された作動油を流通させる吐出通路と、前記吸入通路と前記吐出通路とを連通させる連通路とが形成されたポンプカバーと、
    前記連通路内に取り付けられ、前記吐出通路を流通する作動油の油圧が所定値以下であれば前記吐出通路と前記吸入通路との連通を遮断し、前記油圧が所定値を超えると前記吐出通路と前記吸入通路とを連通させ、前記吐出通路を流通する作動油の一部を前記連通路を経由して前記吸入通路に還流させるリリーフ弁とを備え、
    前記吸入通路と前記吐出通路はいずれも前記モータ部と反対側に延出する第1部分を有し、前記リリーフ弁は、前記吐出通路の前記第1部分の前記ポンプ部から遠い側にある端部に回転軸心に対して傾斜した状態で、且つ、前記吸入通路の前記第1部分と交差しないように配置されている電動ポンプ。
  2. 前記リリーフ弁は弁体と前記弁体を付勢する付勢部材とを備えており、
    前記ポンプカバーは、ミッションケースに固定するための取付面を有し、
    前記取付面は前記回転軸心及び前記リリーフ弁の軸心に平行であり、
    前記取付面が地面に対し垂直になるよう前記ミッションケースに固定される姿勢において、前記弁体の重さの一部もしくは全部により圧縮方向の力が前記付勢部材に印加されている請求項1に記載の電動ポンプ。
  3. 前記弁体において前記吐出通路を流通する作動油の前記油圧を受ける上面は平面であり、前記連通路のうち少なくとも前記リリーフ弁と交差している箇所における断面形状は円弧部と弦部からなる弓形状であり、前記リリーフ弁が開弁する直前には前記上面を含む平面上に前記弦部がある請求項2に記載の電動ポンプ。
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