JP2019156781A - イミダゾリドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より簡便で工業的な生産に適したフッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造方法の提供。【解決手段】式(1)のスルホン酸(A)と式(2)のスルホン酸イミダゾリド(B)とを反応させる。(式中、R1は炭素骨格中に窒素等の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素含有基。)(式中、R2は、炭素骨格中に窒素等の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20のフッ素含有基。R3、R4、R5はH又は炭化水素基等。)【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素含有スルホン酸からフッ素含有スルホン酸イミダゾリドを製造する方法に関する。
スルホン酸イミダゾリドを製造する方法としては、スルホン酸を一旦スルホン酸クロライドに変換した後にイミダゾールと反応させてスルホン酸イミダゾリドを合成する方法が知られている。例えば、非特許文献1には、p−トルエンスルホン酸クロライドとイミダゾールとを反応させる方法が記載されている。スルホン酸クロライドへの変換には五塩化リンを用いるのが一般的である。
また、炭化水素のスルホン酸(p−トルエンスルホン酸等)では、各種縮合剤を用いてスルホン酸イミダゾリドを製造する方法が公知である。非特許文献1には、p−トルエンスルホン酸とカルボニルジイミダゾールとを反応させてスルホン酸イミダゾリドを合成する方法が記載されている。
また、フッ素含有スルホン酸の場合には、縮合剤の存在下でフッ素含有スルホン酸イミダゾリドを合成する方法は報告されておらず、例えば、特許文献1には、五酸化二リンを用いて一旦スルホン酸無水物に変換した後にアミンと反応させ、含フッ素スルホン酸アミドを合成する方法が記載されている。
米国特許出願公開第2009/0137831号明細書
Chemische Berichte、93巻、2902−2915頁(1960)
しかし、五塩化リンを用いてスルホン酸をスルホン酸クロライドに変換する場合には、水分を低く保つような管理が必要であること、五塩化リンが固体であるためにそのハンドリングが煩雑になることなどの課題があり、工業的な生産に適していない。
また、含フッ素スルホン酸を一旦スルホン酸無水物へと変換する場合にも、反応によって生成する水のために使用する五酸化二リンが固化してしまい、撹拌やスルホン酸無水物の分離が困難になるという課題がある。
そこで、本発明の目的は、より簡便な操作で実施でき、工業的な生産に適している、フッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、フッ素含有スルホン酸と、これとは別のフッ素含有スルホン酸に由来するフッ素含有スルホン酸イミダゾリドとをアミド交換反応させることにより、元のフッ素含有スルホン酸をイミダゾリドに変換できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
式(1)で表されるフッ素含有スルホン酸(A)と式(2)で表されるフッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)とを反応させて、前記フッ素含有スルホン酸(A)のフッ素含有基R1と同じ官能基がスルホニル基に結合した構造を有するスルホン酸イミダゾリドを製造する方法。
Figure 2019156781
(式中、R1は、炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式のフッ素含有基を表す。)
Figure 2019156781
(式中、R2は、炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式のフッ素含有基を表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は、結合して環を形成していてもよい。)
[2]
前記フッ素含有スルホン酸(A)が、式(3)、式(4)、又は式(5)で表される、[1]に記載の製造方法。
Figure 2019156781
(式中、nは0、1、又は2を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
Figure 2019156781
(式中、nは1〜4の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
Figure 2019156781
(式中、nは0〜4の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
[3]
前記フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)が、式(6)、式(7)、又は式(8)で表される、[1]に記載の製造方法。
Figure 2019156781
(式中、nは0、1、又は2を表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は結合して環を形成していてもよい。)
Figure 2019156781
(式中、nは0、1、又は2を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は結合して環を形成していてもよい。)
Figure 2019156781
(式中、nは0〜5の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は結合して環を形成していてもよい。)
[4]
前記フッ素含有スルホン酸(A)に対する前記フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)の割合(モル比)が0.1〜10である、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
前記フッ素含有スルホン酸(A)と前記フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)との反応を40〜200℃で行う、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
前記フッ素含有スルホン酸(A)が前記式(3)で表される、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
前記フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)が式(9)、式(10)、又は式(11)で表される、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
Figure 2019156781
(式中、nは0、1、又は2を表す。)
Figure 2019156781
(式中、nは0、1、又は2を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
Figure 2019156781
(式中、nは0〜5の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
[8]
前記フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)が、トリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロエタンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロブタンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロヘキサンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロ(2−エトキシエタン)スルホン酸イミダゾリド、ジフルオロメタンスルホン酸イミダゾリド、5H−オクタフルオロ−3−オキサペンタンスルホン酸イミダゾリド、及び4H−オクタフルオロ−3−オキサペンタンスルホン酸イミダゾリドからなる群から選ばれる、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、より簡便な操作で実施でき、工業的な生産に適している、フッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〈フッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造方法〉
本実施形態のフッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造方法は、式(1)で表されるフッ素含有スルホン酸(A)と式(2)で表されるフッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)とを反応させて、前記フッ素含有スルホン酸(A)のフッ素含有基R1と同じ官能基がスルホニル基に結合した構造を有するスルホン酸イミダゾリドを製造する方法である。
Figure 2019156781
(式中、R1は、炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式のフッ素含有基を表す。)
Figure 2019156781
(式中、R2は、炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式のフッ素含有基を表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は、結合して環を形成していてもよい。)
《フッ素含有スルホン酸(A)》
まず、式(1)で表されるフッ素含有スルホン酸(A)について説明する。
Figure 2019156781
式(1)において、R1は、炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式のフッ素含有基を表す。
フッ素含有基R1の炭素数は、2〜13であることが好ましく、5〜9であることがより好ましい。また、フッ素含有基R1における窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子は、酸素であることが好ましい。
上記のフッ素含有基は、炭素骨格に結合したフッ素原子を有し、その他に、H、N、O、Clが炭素骨格に結合していてもよい。
また、フッ素含有スルホン酸(A)は、式(3)、式(4)、又は式(5)で表されるフッ素含有スルホン酸であることが好ましい。式(3)〜(5)のように末端にビニル基を有する構造は、ポリマー原料として重合に供することができるため、特に好適である。
Figure 2019156781
(式中、nは0、1、又は2を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
Figure 2019156781
(式中、nは1〜4の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
Figure 2019156781
(式中、nは0〜4の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
《フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)》
次に、式(2)で表されるフッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)について説明する。
Figure 2019156781
式(2)において、R2は、炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式のフッ素含有基を表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は、結合して環を形成していてもよい。
フッ素含有基R2の炭素数は、1〜13であることが好ましく、1〜9であることがより好ましく、1〜5であることが更に好ましい。また、フッ素含有基R2における窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子は、酸素であることが好ましい。
3、R4、R5は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、R3、R4、R5は、炭素数が8個以内であることが好ましく、4個以内であることがより好ましく、H又はメチル基であることが特に好ましい。R4、R5が炭化水素基の場合は、R4、R5が結合してベンゼン環等の環を形成していてもよい。
また、フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)は、式(6)、式(7)、又は式(8)で表されるフッ素含有スルホン酸であることが好ましい。
Figure 2019156781
(式中、nは0、1、又は2を表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は結合して環を形成していてもよい。)
Figure 2019156781
(式中、nは0、1、又は2を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は結合して環を形成していてもよい。)
Figure 2019156781
(式中、nは0〜5の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は結合して環を形成していてもよい。)
また、フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)は、特に式(9)、式(10)、又は式(11)で表されるフッ素含有スルホン酸であることが好ましい。
Figure 2019156781
(式中、nは0、1、又は2を表す。)
Figure 2019156781
(式中、nは0、1、又は2を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
Figure 2019156781
(式中、nは0〜5の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
以下に、フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)のイミダゾリド基の好ましい具体例を示す。
Figure 2019156781
フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)の具体例としては、以下に限定されないが、トリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリド、ジフルオロメタンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロエタンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロブタンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロヘキサンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロ(2−エトキシエタン)スルホン酸イミダゾリド、ジフルオロメタンスルホン酸イミダゾリド、5H−オクタフルオロ−3−オキサペンタンスルホン酸イミダゾリド、又は4H−オクタフルオロ−3−オキサペンタンスルホン酸イミダゾリド、及び以下に示すイミダゾリドが挙げられる。
Figure 2019156781
中でも、トリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリド、ジフルオロメタンスルホン酸イミダゾリドが特に好ましい。
〈フッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造〉
本実施形態のフッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造を行う際のフッ素含有スルホン酸(A)に対するフッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)の割合(モル比:B/A)は、0.1〜10の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜8、更に好ましくは2〜6である。0.1未満ではフッ素含有スルホン酸(A)の転化率が低くなり、10を超えるとフッ素含有スルホン酸(A)の濃度が希薄になるため、工業的生産に適さない。
また、フッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造を行う際の温度は、反応速度の観点から40℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上であり、一方で官能基の保護の観点から200℃以下が好ましく、より好ましくは180℃以下である。
フッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造は、溶媒を使用するか又は無溶媒で行ってもよい。用いられる溶媒は、特に限定されず、原料及び生成物の安定性、揮発性などを考慮して適宜選択できる。また、溶媒を2種以上組み合わせてもよい。
溶媒の具体例としては、以下に限定されないが、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−デカンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンなどのケトン類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、2−メチルブチロニトリルなどのニトリル類、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどを挙げることができる。
フッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造を行う際の反応器の方式には特に制限はなく、バッチ式反応器、半回分式反応器、流通式反応器などが使用できる。また、フッ素含有スルホン酸(A)、フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)の両方又は片方が、固体、液体、又は気体の状態で行ってもよい。
フッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造を行う際の反応は、平衡反応であり、目的とするイミダゾリドを反応系から除去する方式が特に好適である。除去の方法については特に制限はなく、反応途中又は反応終了後において原料及び生成物の溶解性、揮発性などを考慮して、抽出、ろ過、蒸留などの方法から適宜選択できる。
本実施形態の製法では、生成したフッ素含有スルホン酸イミダゾリドとフッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)とのモル比が1:9〜9:1の混合物を得ることができる。かかる混合物は、適宜精製されてよい。
〈フッ素含有スルホン酸イミダゾリド〉
本実施形態の製造方法によって得られたフッ素含有スルホン酸イミダゾリドは、フッ素含有化合物の合成中間体として有用であり、次の工程で、例えば、式(12)又は式(13)で表されるビニル基を有するスルホニルフルオライドへと変換することができる。例えば特開2004−18486号公報には、イミダゾリドをフッ酸で処理して式(12)で表されるスルホニルフルオライドへと変換する方法が記載されている。
Figure 2019156781
Figure 2019156781
特にビニル基を有するスルホニルフルオライドは、ポリマー製造における原料モノマーとして有用である。例えば、式(12)又は式(13)で表されるビニル基を有するスルホニルフルオライドとテトラフルオロエチレンとを共重合させ、続いてケン化及び成膜することにより電解質膜とすることができ、固体高分子膜形燃料電池の電解質やイオン交換膜の原料として好適に使用できる。このようにして得られた高分子膜は、水素社会の実現に向けて大きな役割を担うものである。
以下、実施例に従って実施形態の方法を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
窒素気流下、フッ素含有スルホン酸(A)として下記式(14)で表されるスルホン酸(2−(パーフルオロビニルオキシ)パーフルオロエタンスルホン酸)(以下、「化合物(14)」という)5.44gと、フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)としてトリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリド14.30gとを混合し、80℃で4時間撹拌した後、エチレングリコールジメチルエーテルで希釈して下記測定条件にて19F−NMRで分析したところ、下記式(15)で表されるスルホン酸イミダゾリド(以下、「化合物(15)」という)の生成が確認された。化合物(14)と化合物(15)とのモル比率は、化合物(14)/化合物(15)=52/48であった。
19F−NMR]
・測定条件
装置 :Bruker社製Avance500
観測核 :19
観測周波数 :470MHz
パルス幅 :5μ秒
待ち時間 :3秒
積算回数 :16回
溶媒 :エチレングリコールジメチルエーテル
試料濃度 :20w/w%
化学シフト基準:C66(内部標準)−164.9ppm
・測定結果
化合物(14):δ(ppm):−135.1(1F)、−124.2(1F)、−118.6(2F)、−116.8(1F)、−84.7(2F)
化合物(15):δ(ppm):−136.8(1F)、−121.8(1F)、−114.6(2F)、−113.8(1F)、−82.8(2F)
Figure 2019156781
Figure 2019156781
(実施例2)
実施例1と同様にして、窒素気流下、化合物(14)4.81gとトリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリド27.78gとを混合し、80℃で4時間撹拌した後、エチレングリコールジメチルエーテルで希釈して19F−NMRで分析したところ、化合物(15)の生成が確認され、そのモル比率は化合物(14)/化合物(15)=40/60であった。
(実施例3)
実施例1と同様にして、窒素気流下、化合物(14)7.97gとトリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリド11.27gとを混合し、80℃で2時間30分撹拌した後、一部をサンプリングしてエチレングリコールジメチルエーテルで希釈し、19F−NMRで分析したところ、化合物(15)の生成が確認され、そのモル比率は化合物(14)/化合物(15)=64/36であった。
この反応液を100℃、0.1kPaで単蒸留を行ったところ、トリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリドの単一成分である留出液が4.01g得られた。蒸留残差に水30.01gとヘキサン60.36gとを加えて撹拌後、ヘキサン相を分離してエバポレーターにより濃縮したところ、化合物(15)を99.1質量%、トリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリドを0.9質量%含む液体3.05gが得られた。化合物(15)の含有量は3.02gであった。
(比較例1)
窒素気流下、化合物(14)0.70g、イミダゾール0.20g、ジシクロヘキシルカルボジイミド1.04g、及びアセトニトリル4.05gを混合し、80℃で4時間撹拌した後、実施例1と同様にエチレングリコールジメチルエーテルで希釈して19F−NMRで分析したところ、化合物(15)の生成は確認できなかった。
(比較例2)
窒素気流下、化合物(14)1.00g、カルボニルジイミダゾール0.58g、トリエチルアミン0.44g、及びアセトニトリル5.00gを混合し、80℃で4時間撹拌した後、実施例1と同様にエチレングリコールジメチルエーテルで希釈して19F−NMRで分析したところ、化合物(15)の生成は確認できなかった。
(比較例3)
窒素気流下、トリフルオロメタンスルホン酸1.03g、イミダゾール0.68g、ジシクロヘキシルカルボジイミド3.11g、及びアセトニトリル4.99gを混合し、80℃で4時間撹拌した後、実施例1と同様にエチレングリコールジメチルエーテルで希釈して19F−NMRで分析したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリドの生成は確認できなかった。
(比較例4)
窒素気流下、トリフルオロメタンスルホン酸0.71g、カルボニルジイミダゾール0.66g、トリエチルアミン0.48g、及びアセトニトリル5.15gを混合し、80℃で4時間撹拌した後、実施例1と同様にエチレングリコールジメチルエーテルで希釈して19F−NMRで分析したところ、トリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリドの生成は確認できなかった。
本発明のフッ素含有スルホン酸イミダゾリドの製造方法は、より簡便な操作で実施することができ、工業的な生産に適している。

Claims (8)

  1. 式(1)で表されるフッ素含有スルホン酸(A)と式(2)で表されるフッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)とを反応させて、前記フッ素含有スルホン酸(A)のフッ素含有基R1と同じ官能基がスルホニル基に結合した構造を有するスルホン酸イミダゾリドを製造する方法。
    Figure 2019156781
    (式中、R1は、炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式のフッ素含有基を表す。)
    Figure 2019156781
    (式中、R2は、炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式のフッ素含有基を表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は、結合して環を形成していてもよい。)
  2. 前記フッ素含有スルホン酸(A)が、式(3)、式(4)、又は式(5)で表される、請求項1に記載の製造方法。
    Figure 2019156781
    (式中、nは0、1、又は2を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
    Figure 2019156781
    (式中、nは1〜4の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
    Figure 2019156781
    (式中、nは0〜4の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
  3. 前記フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)が、式(6)、式(7)、又は式(8)で表される、請求項1に記載の製造方法。
    Figure 2019156781
    (式中、nは0、1、又は2を表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は結合して環を形成していてもよい。)
    Figure 2019156781
    (式中、nは0、1、又は2を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は結合して環を形成していてもよい。)
    Figure 2019156781
    (式中、nは0〜5の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。R3、R4、R5は、各々独立して、H又は炭素骨格中に窒素、硫黄、及び酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含んでいてもよい炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖、及び/又は環式の炭化水素基を表す。R4、R5は結合して環を形成していてもよい。)
  4. 前記フッ素含有スルホン酸(A)に対する前記フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)の割合(モル比)が0.1〜10である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記フッ素含有スルホン酸(A)と前記フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)との反応を40〜200℃で行う、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記フッ素含有スルホン酸(A)が前記式(3)で表される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)が式(9)、式(10)、又は式(11)で表される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
    Figure 2019156781
    (式中、nは0、1、又は2を表す。)
    Figure 2019156781
    (式中、nは0、1、又は2を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
    Figure 2019156781
    (式中、nは0〜5の整数を表わし、Xは各々独立してH、F、又はClを表す。)
  8. 前記フッ素含有スルホン酸イミダゾリド(B)が、トリフルオロメタンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロエタンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロブタンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロヘキサンスルホン酸イミダゾリド、パーフルオロ(2−エトキシエタン)スルホン酸イミダゾリド、ジフルオロメタンスルホン酸イミダゾリド、5H−オクタフルオロ−3−オキサペンタンスルホン酸イミダゾリド、及び4H−オクタフルオロ−3−オキサペンタンスルホン酸イミダゾリドからなる群から選ばれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
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