JP2019156316A - 自動傾斜車両 - Google Patents

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Taku NAGASAWA
拓 長澤
雪秀 木村
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雪秀 木村
純郎 山本
Yoshio Yamamoto
純郎 山本
利英 矢野
Toshihide Yano
利英 矢野
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Abstract

【課題】車両が旋回走行中に急激に減速されても、弾性部材に蓄積されていた弾性エネルギの放出に起因して車両の重心の高さが振動することを抑制することにより、車両の傾斜角の制御性を向上させる。【解決手段】ナックル16L、16Rにより支持された左右の前輪12L、12Rと、車両傾斜装置18と、制御装置20とを含む自動傾斜車両10であり、車両傾斜装置は、揺動部材36を揺動させるアクチュエータ38と、揺動部材及びナックルに枢着されたタイロッド40L、40Rとを含み、制御装置20は、重力に対する車両の目標横加速度の比に基づく目標傾斜角になるように車両の傾斜角を制御し、前輪の車輪減速度が基準値以上であるときには、ショックアブソーバ51の伸び側及び縮み側の減衰係数Ce、Ccを、それぞれ標準値Cen、Ccnよりも高い値Ceh、Cchに制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、旋回時に自動的に旋回内側へ傾斜(リーン)する自動傾斜車両に係る。
自動傾斜車両は、車両傾斜装置を有し、旋回時に車両傾斜装置によって自動的に旋回内側へ傾斜される。例えば、下記の特許文献1には、横方向に隔置された一対の前輪と、一つの後輪と、揺動型の車両傾斜装置と、車両傾斜装置を制御する制御装置とを含み、一対の前輪はそれぞれ対応するナックルにより回転可能に支持された自動傾斜車両が記載されている。
車両傾斜装置は、前後方向に延在する揺動軸線の周りに揺動可能な揺動部材と、揺動軸線の周りに揺動部材を揺動させるアクチュエータと、一対のタイロッドとを含んでいる。一対のタイロッドは、上端にて揺動部材の外端に枢着され下端にて対応するナックルに枢着されている。左右の前輪は、車体に対し上下方向へ相対変位可能であるが、車体に対する横方向への変位及び傾斜が制限されるよう、前輪サスペンションにより車体から懸架されている。前輪サスペンションは、アクチュエータと車体との間に配設されたショックアブソーバ及びサスペンションスプリングを含んでいる。
揺動部材が揺動軸線の周りに揺動すると、一対のタイロッドが互いに逆方向へ上下動するので、一対の前輪、即ち左右の前輪が車体に対し互いに逆方向へ上下動し、これにより車両が横方向へ傾斜する。制御装置は、運転者の操舵操作量及び車速に基づいて車両を安定的に旋回させるための車両の目標傾斜角を演算し、アクチュエータによって揺動部材の揺動角を制御することにより、車両の傾斜角が目標傾斜角になるように車両を傾斜させるよう構成されている。なお、車両の目標傾斜角は、車両の重心に作用する遠心力と重力との合力が所定の方向に作用するよう演算される。例えば、車両の目標傾斜角は、車両の傾斜角の制御が遅れないよう、車両の実際の横加速度が検出されるのではなく、運転者の操舵操作量及び車速に基づいて車両の目標横加速度が演算され、重力加速度に対する車両の目標横加速度の比に基づいて演算される。
機械学会論文集Vol.81 No.826,2015
〔発明が解決しようとする課題〕
自動傾斜車両においては、以下に説明するように、車両の減速時に傾斜角を必ずしも正確に目標傾斜角に制御することができないという課題がある。本願発明者は、この課題について鋭意検討を行った結果、車両の旋回走行時に車輪にはそれらの位置を車両の直進走行時の位置へ戻そうとするジャイロモーメントが作用し、車両の減速時にジャイロモーメントが減少することが原因であることを究明した。
自動傾斜車両が旋回走行時に旋回内側へ傾斜される際には、左右の前輪は回転している状態にて車体と共に傾斜される。左右の前輪にはそれらの位置を車両の直進走行時のような標準状態における位置へ戻そうとするジャイロモーメントが作用し、ジャイロモーメントに起因する力はタイロッド、揺動部材及びアクチュエータを介して、また前輪サスペンションを介して車体へ伝達される。よって、車体は旋回外側への力を受け、その力は車両の傾斜角を低減するよう作用する。
アクチュエータがジャイロモーメントによる上記作用に抗して車両の傾斜角を目標傾斜角に維持するための力を発生すると、その反力が車体などへ伝達される。よって、後に詳細に説明するように、揺動部材及び一対のタイロッドの位置関係が車両の標準状態におけるそれらの関係とは異なる関係になると共に、アクチュエータが車輪に対し下方へ変位せしめられ、車体の高さが本来の高さよりも低くなる。車体の高さが低くなると、車両の重心が車両の傾斜方向に沿って下方へ変位する。
更に、揺動部材及び一対のタイロッドの位置関係が変化すると、揺動部材及び一対のタイロッドなどを車両の標準状態における位置へ弾性的に付勢する弾性部材の弾性変形量が本来の値(揺動部材などの位置関係が変化していないときの値)とは異なる値に変化することにより弾性エネルギが蓄積される。この場合の弾性部材は、例えば枢着部に組み込まれているゴムブッシュなどである。
特に、車両の旋回走行中に車両が非常に高い減速度にて減速されると、ジャイロモーメントが急激に減少し、タイロッドを介して揺動部材へ伝達される力が急激に減少する。そのため、弾性部材に蓄積されていた弾性エネルギが放出されることにより、車体が車両の傾斜方向に沿ってアクチュエータに対し上方へ急激に変位し、車両の重心が急激に上昇する。その結果、弾性部材及びサスペンションスプリングの弾性変形量が振動的に増減するので、車両の重心の高さが振動し、重心の旋回半径が振動的に増減することに起因して車両の実横加速度も振動する。そのため、車両の傾斜角が目標傾斜角になるよう車両傾斜装置を制御しても、車両の傾斜角は振動し、車両の傾斜角を精度よく目標傾斜角に制御することが困難である。
本発明の主要な課題は、車両が旋回走行中に急激に減速されても、弾性部材に蓄積されていた弾性エネルギの放出に起因して車両の重心の高さが振動することを抑制することにより、従来に比して車両の傾斜角の制御性を向上させることである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
本発明によれば、横方向に隔置された一対の車輪(12L、12R)と、車両傾斜装置(18)と、制御装置(20)とを含む自動傾斜車両(10)であって、一対の車輪は、それぞれ対応するナックル(16L、16R)により回転可能に支持されており、車両傾斜装置は、前後方向に延在する揺動軸線(34)の周りに揺動する揺動部材(36)と、揺動軸線の周りに揺動部材を揺動させる傾斜アクチュエータ(38)と、一対のタイロッド(40L、40R)とを含み、一対のタイロッドは揺動軸線に対し横方向両側において上端の枢着部にて揺動部材に枢着され且つ下端の枢着部にて対応するナックルに枢着されており、傾斜アクチュエータはサスペンションスプリング(50)及び減衰力可変式のショックアブソーバ(51)を介して車体(24)に連結されており、制御装置(20)は、車両を旋回内側へ傾斜させるための車両の目標傾斜角(θt)を演算し、車両の傾斜角(θ)が目標傾斜角になるように傾斜アクチュエータを制御するよう構成された自動傾斜車両が提供される。
制御装置(20)は、車両が旋回走行している状況において、一対の車輪の少なくとも一方の車輪減速度が基準値以上であるときには、ショックアブソーバ(51)の減衰係数を高くするよう構成される。
上記の構成によれば、一対の車輪の少なくとも一方の車輪減速度が基準値以上であるときには、ショックアブソーバの減衰係数が高くされ、傾斜アクチュエータ及び車体の相対変位が抑制されるので、傾斜アクチュエータに対する車体の振動が抑制される。よって、車両が旋回走行中に急激に減速され、弾性部材に蓄積されていた弾性エネルギが放出されても、車両の重心の高さが振動し重心の旋回半径が振動的に増減することに起因して車両の実横加速度が振動することを抑制することができる。従って、従来の自動傾斜車両に比して車両の傾斜角の振動を低減し、車両の傾斜角を精度よく目標傾斜角に制御することができる。
更に、弾性部材に蓄積されていた弾性エネルギが放出される際の車両の重心の上昇速度を低減することができる。よって、車体の慣性によるオーバーシュートにより車両の重心の高さが一時的に過剰に高くなることに起因して車両の減速停止時の安定性が低下する虞を低減することができる。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いられた符号が括弧書きで添えられている。しかし、本発明の各構成要素は、括弧書きで添えられた符号に対応する実施形態の構成要素に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本発明による自動傾斜車両の実施形態を、前輪位置における横方向の垂直切断面にて切断して示す解図的正面縦断面図である。 実施形態の前輪及び車両傾斜装置を、車両の前方から見た状態にて示すスケルトン図である。 実施形態の自動傾斜車両を、前後方向の中央垂直切断面にて切断して示す解図的側面縦断面図である。 実施形態の自動傾斜車両を、水平切断面にて切断して示す解図的平断面図である。 実施形態の後輪及び後輪サスペンションを示す拡大斜視図である。 左旋回時における実施形態を、前輪位置における横方向の垂直切断面にて切断して示す正面縦断面図である。 実施形態における車両の傾斜角制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施形態におけるショックアブソーバの制御ルーチンを示すフローチャートである。 車両の旋回に起因する遠心力Fy、車輪のジャイロモーメントに起因する横力Fj及び重力Fgと車両の目標傾斜角θtとの関係を示す説明図である。 操舵角St及び車速Vに基づいて車両の目標横加速度Gytを演算するためのマップである。 左右の前輪と車体の間の相対速度Vwbとショックアブソーバの減衰力Fdpとの関係を示すグラフである。 車両のホイールベース及び後輪の転舵角δrを説明するための図である。 左旋回中の車両の重心を通る垂線が左右前輪の接地点及び後輪の接地を結ぶ三角形の範囲外を通る状況を示す正面縦断面図である。 左旋回中の車両の重心を通る垂線が左右前輪の接地点及び後輪の接地を結ぶ三角形の余裕マージンの内側を通るよう、車両の目標傾斜角が低減修正された状況を示す正面縦断面図である。 左旋回中の車両の傾斜角が許容最大傾斜角であるときの実施形態の前後輪及び車両傾斜装置を、車両の前方から見た状態にて示すスケルトン図である。 第一の修正例の自動傾斜車両を、前後方向の中央垂直切断面にて切断して示す解図的側面縦断面図である。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1乃至図5において、本発明の実施形態にかかる自動傾斜車両10は、非操舵駆動輪である一対の前輪12L及び12Rと、操舵従動輪である一つの後輪14とを含む定員1名の三輪車両である。前輪12L及び12Rは、横方向に互いに隔置され、それぞれ対応するナックル(車輪キャリア)16L及び16Rにより回転軸線(図示せず)の周りに回転可能に支持されている。
実施形態においては、前輪12L及び12Rのキャンバはニュートラルキャンバであり、従って車両の10の非旋回時における前輪のキャンバ角は0である。なお、前輪のキャンバは、ネガティブキャンバ又はポジティブキャンバであってもよい。後輪14は、前輪に対し後方に位置し、後に詳細に説明するように、運転者によるステアリングホイール15の操作量に応じてステアバイワイヤ式に操舵されるようになっている。図1及び後述の図6においては、ステアリングホイール15は実際の位置とは異なる位置に図示されている。自動傾斜車両10は、更に車両傾斜装置18及び電子制御装置20を含んでいる。
図示の実施形態においては、図には示されていないが、ナックル16L及び16Rは、駆動装置としてのインホイールモータを内蔵している。ナックル16L及び16Rは、それぞれ対応するサスペンションアーム22L及び22Rにより、車体24に対し上下方向に変位可能であると共に、車体24に対する横方向への変位及び傾斜が制限されるよう、支持されている。
図示のサスペンションアーム22L及び22Rは、それぞれ前端にてナックル16L及び16Rに一体的に連結され、後端にてジョイント28L及び28Rにより車体24に連結されたリーディングアームである。ジョイント28L及び28Rは、例えば実質的に横方向に延在する軸線を有するゴムブッシュ装置のようなジョイントであってよい。なお、ナックル16L及び16Rに関する上記要件が満たされる限り、サスペンションアーム22L及び22Rは、トレーリングアーム、アッパアーム及びロアアームの組合せのような他のアームであってもよい。
サスペンションアーム22L及び22Rの前端近傍には、それぞれナックルアーム30L及び30Rの下端が一体的に連結されている。ナックルアーム30L及び30Rは、それぞれサスペンションアーム22L及び22Rから実質的に上方へ延在することによりナックル16L及び16Rに対し上下方向に延在し且つ対応するサスペンションアームの前端部及びナックルと一体的に上下動する。
図1及び図6に示されているように、ナックルアーム30L及び30Rは、前後方向に見て直線状をなしているが、図3に示されているように、ナックル16L及び16Rの部材などに干渉しないよう、横方向に見て前方へ向けて開いた実質的にC形をなしている。なお、ナックルアーム30L及び30Rは、それぞれナックル16L及び16Rと一体的に連結されていてもよく、横方向に見て後方へ向けて開いた実質的にC形又は直線状をなしていてもよい。
インホイールモータの回転方向及び出力は、運転者によるシフトレバー及びアクセルペダル(何れも図示せず)の操作に応じて電子制御装置20により制御される。前輪12L、12R及び後輪14の制動力は、運転者によるブレーキペダル(図示せず)の操作に応じて作動する制動装置32が、電子制御装置20によって制御されることにより制御される。
車両傾斜装置18は、前後方向に延在する揺動軸線34の周りに揺動する揺動部材36と、揺動軸線34の周りに揺動部材36を揺動させる傾斜アクチュエータ38と、一対のタイロッド40L及び40Rとを含んでいる。タイロッド40L及び40Rは、揺動軸線34に対し横方向両側において実質的に上下方向に延在し、それぞれ上端にてジョイント42L及び42Rにより揺動部材36の対応する外端に枢動可能に連結されている。なお、ジョイント42L及び42Rは、実質的に車両前後方向に延在する軸線を有するゴムブッシュ付の枢軸ピンを含むジョイントであることが好ましいが、ボールジョイントのようなジョイントであってもよい。
更に、タイロッド40L及び40Rは、それぞれ下端にてボールジョイントのようなジョイント44L及び44Rによりナックルアーム30L及び30Rの上端に枢動可能に連結されている。前述のように、ナックルアーム30L及び30Rは、それぞれサスペンションアーム22L及び22Rから実質的に上方へ延在することによりナックル16L及び16Rに対し上下方向に延在し且つ対応するナックルと一体的に上下動する。よって、タイロッド40L、40Rの下端は、それぞれナックルアーム30L、30R及びサスペンションアーム22L、22Rを介してナックル16L、16Rに一体的に連結されている。
図2に示されているように、ジョイント42L及び42Rの中心をそれぞれ枢点Pal及びParとし、ジョイント44L及び44Rの中心をそれぞれ枢点Pbl及びPbrとし、前輪12L及び12Rの接地点をそれぞれPfl及びPfrとする。車両10が水平路にて静止又は直進走行する状態(以下「標準状態」という)にあるときには、枢点Pbl及びPbrは、それぞれ前輪12L及び12Rのタイヤの上縁部よりも高い位置に位置しているが、タイヤの上縁部と同一又はそれよりも低い位置に位置していてもよい。
車両10が標準状態にあるときには、枢点Pal及びPar、枢点Pbl及びPbr及び接地点Pfl及びPfrは、それぞれ車両10の中心平面66に対し左右対称である。なお、中心平面66は、車両10の横方向の中央を通り車両の前後方向に延在する仮想の平面であり、車両が標準状態にあるときには鉛直方向に沿って延在する。枢点Pbl及びPbrの間の距離は、枢点Pal及びParの間の距離よりも大きく、接地点Pfl及びPfrの間の距離よりも小さい。枢点Pblは実質的に枢点Pal及び接地点Pflを結ぶ線分Lacl上に位置し、枢点Pbrは、枢点Pbrは実質的に枢点Par及び接地点Pfrを結ぶ線分Lacr上に位置しているが、枢点Pbl及びPbrはそれぞれ線分Lacl及びLacr上に位置していなくてもよい。
揺動部材36は、揺動軸線34の周りに回転可能なボス部36Bと、ボス部36Bと一体をなしボス部36Bから互いに逆方向へ延在するアーム部36AL及び36ARとを有し、揺動軸線34の周りに揺動可能なスイングアーム部材として機能する。アーム部36AL及び36ARの有効長さ、即ち軸線34と枢点Pblとの間の距離及び軸線34と枢点Pbrとの間の距離は同一である。
以上の説明から解るように、左右の前輪12L及び12R、傾斜アクチュエータ38、揺動部材36及び一対のタイロッド40L及び40Rは、車両の標準状態におけるそれらの位置へ弾性的に付勢されている。上記部材を弾性的に付勢する付勢手段は、サスペンションアーム22L及び22Rの弾性、サスペンションアームの後端のジョイント28L及び28Rに組み込まれたゴムブッシュ装置、及びジョイント42L及び42Rに組み込まれたゴムブッシュなどである。
図2及び図15においては、これらの付勢手段が総括的に仮想の弾性部材45L及び45Rとして図示されている。弾性部材45L及び45Rは、それぞれアーム部36AL及び36AR及びタイロッド40L及び40Rのなす角度が標準状態における角度から変化するときには、その変化を抑制する力を発生すると考えられてよい。即ち、各弾性部材は、対応するアーム部及びタイロッドのなす角度が標準状態における角度よりも小さくなると、その角度を大きくするよう圧縮力を発生する。逆に、各弾性部材は、対応するアーム部及びタイロッドのなす角度が標準状態における角度よりも大きくなると、その角度を小さくするよう引張り力を発生する。
傾斜アクチュエータ38は、例えば直流ブラシレスモータなどの電動機38M及び図には示されていない減速歯車を含むハーモニックドライブ(登録商標)のような回転型の電動アクチュエータであってよい。アクチュエータ38の出力回転軸は後方へ突出し、出力回転軸の先端にボス部36Bが固定的に取り付けられており、これにより電動機38Mの回転運動が揺動部材36へ揺動運動として伝達されるようになっている。なお、アクチュエータ38は、往復動型又は揺動型のアクチュエータであってもよく、前者の場合にはアクチュエータの往復動が運動変換機構により揺動運動に変換されて揺動部材36へ伝達されるようになっていてよい。
図3及び図5に示されているように、アクチュエータ38は、横方向に隔置され車体24に固定された一対のブラケット46の間に配置されている。アクチュエータ38は、横方向に互いに離れるよう突出する一対の枢軸48を有し、枢軸48がブラケット46によって回転可能に支持されることにより、枢軸48の周りに揺動可能に支持されている。アクチュエータ38の前端部とその下方の車体24との間には、サスペンションスプリング50及びショックアブソーバ51が介装されている。よって、アクチュエータ38は、車体に対する横方向への変位及び傾斜が制限されるが、前端部及び後端部にて車体24に対し上下方向に変位可能であるよう、サスペンションスプリング50及びショックアブソーバ51を介して車体に連結されている。なお、サスペンションスプリング50は例えば圧縮コイルばねのような弾性部材であってよい。
サスペンションスプリング50及びショックアブソーバ51は、サスペンションアーム22L及び22Rなどと共働して前輪サスペンション52を構成している。よって、前輪12L、12R及び車両傾斜装置18は、車体24に対し上下方向へ相対変位可能であるが、車体に対する横方向への変位及び傾斜が制限されるよう、前輪サスペンション52により車体24から懸架されている。車両の走行時に前輪12L、12Rが路面から受け車体24へ伝達される衝撃は、サスペンションスプリング50によって緩和される。前輪12L、12Rと車体24との間の相対上下振動は、ショックアブソーバ51により減衰される。
アクチュエータ38は、車体24に作用する重力により、一対のブラケット46を介して下方への力を受ける。しかし、アクチュエータ38は、車両傾斜装置18により下方へ変位することが阻止されるので、後方側部分が車体24に対し上方へ変位し前方側部分が車体24に対し下方へ変位するよう、枢軸48の周りに揺動する。よって、サスペンションスプリング50が圧縮変形せしめられるので、車体24の重量はサスペンションスプリング50の圧縮変形によるばね力によって支持される。また、サスペンションスプリング50の圧縮変形量は、前輪12L及び12Rがバウンドし、アクチュエータ38の後方側部分が上方へ変位すると増大し、逆に前輪がリバウンドし、アクチュエータ38の後方側部分が下方へ変位すると減少する。
図5に示されているように、ショックアブソーバ51はサスペンションスプリング50と同心に配設されているが、ショックアブソーバ51はサスペンションスプリング50と同心でなくてもよい。ショックアブソーバ51は、当技術分野において公知の減衰力可変式のショックアブソーバであり、伸び側の減衰係数Ce及び縮み側の減衰係数Ccは電子制御装置20によって制御される。電子制御装置20による減衰係数Ce及びCcの制御については、後に説明する。
図5に示されているように、後輪14は後輪サスペンション54により車体24から懸架されている。後輪サスペンション54は、図には示されていない後輪14のホイールを回転可能に支持する支持部材と車体24の側の支持部材との間に介装されたサスペンションスプリング及びショックアブソーバを含んでいる。よって、後輪14は車体24に対し傾斜することなく上下動することができ、それらの相対上下振動はショックアブソーバにより減衰される。
車体24には転舵アクチュエータ62が固定されている。転舵アクチュエータ62は回転型の電動アクチュエータであり、直流ブラシレスモータのような電動機(図示せず)を含んでいる。電動機の回転軸は下方へ延在し、回転軸の先端は車体24の側の支持部材に一体的に連結されており、これにより電動機の回転運動がアッパアーム部材56へ伝達されるようになっている。なお、転舵アクチュエータ62も、往復動型の電動アクチュエータであってもよく、その場合にはアクチュエータの往復動が運動変換機構により回転運動に変換されて車体24の側の支持部材へ伝達されるようになっていてよい。
以上の説明から解るように、後輪14は、車体24に対し上下動可能に且つ転舵アクチュエータ62の電動機の回転軸の軸線と同一のキングピン軸の周りに回転可能に、後輪サスペンション54により車体24から懸架されている。車両10の旋回時には、後輪14がアクチュエータ62によりキングピン軸の周りに回転されることにより転舵される。キングピン軸は車体24に対し横方向へ傾斜することができないので、後述のように車体24が横方向へ傾斜すると、後輪14も車体24と同一の角度だけ横方向へ傾斜する。
図6に示されているように、揺動部材36が揺動軸線34の周りに揺動すると、タイロッド40L及び40Rが互いに逆方向へ上下動することにより、前輪12L及び12Rが車体24に対し互いに逆方向へ上下動し、これにより車両10が横方向へ傾斜する。なお、図6においては、車両10に遠心力が作用することによるタイヤの弾性変形が誇張して図示されている。図6には示されていないが、車両10の旋回内側への傾斜角θの大きさが大きくなるにつれて、旋回外輪側の枢点Pbrは、線分Lacrに対し車両の横方向外側へ向けて移動し、逆に、旋回内輪側の枢点Pblは、線分Laclに対し車両の横方向内側へ向けて移動する(図2参照)。
ナックルアーム30L、30R及びタイロッド40L、40Rは、車体24を支持するための圧縮荷重を受け、車両傾斜装置18が作動すると、圧縮荷重は、旋回外輪側においては増大し、旋回内輪側においては減少する。ナックルアーム30L、30R及びタイロッド40L、40Rは、車両傾斜装置18の作動により圧縮荷重が変動しても実質的に湾曲変形しないことが好ましいが、僅かに湾曲変形してもよい。
図4及び図6に示されているように、車両10の標準積載状態における重心Gmは、車両の上下方向の中心平面66上にてアクチュエータ38に対し後方且つ低い位置にある。車両10の傾斜角θは、中心平面66が鉛直方向68に対しなす角度である。図4に示されているように、前輪12L、12Rの接地点Pfl、Pfr及び後輪14の接地点Prを結ぶ二等辺三角形を三角形69と指称する。
車両10の傾斜角θの時間変化率、即ち車両の傾斜角速度θd(=dθ/dt)は、ジャイロスコープ70により検出されるようになっている。ジャイロスコープ70により検出された車両の傾斜角速度θdを示す信号は、電子制御装置20へ入力される。なお、傾斜角θは、揺動部材36の揺動角が0で、中心平面66が鉛直方向68と一致するときに0になり、車両10が左方向へ傾斜するときに正の値になる。傾斜角速度θdは、車両10の傾斜角が左方へ変化するときに正の値になる。更に、車両10の傾斜角θは、車体24のロール角(図示せず)と実質的に同一であるので、車体のロール角がロール角センサにより車両10の傾斜角θとして検出されてもよい。
ステアリングホイール15の回転角に等しい操舵角Stは、運転者の操舵操作量として操舵角センサ72により検出される。操舵角センサ72により検出された操舵角Stを示す信号は、電子制御装置20へ入力される。更に、電子制御装置20には、車輪速度センサ74FL、74FR及び74Rにより検出されたそれぞれ左右の前輪12L、12R及び後輪14の車輪速度(角速度)Vfl、Vfr及びVrを示す信号が入力され、回転角センサ76により検出された電動機38Mの回転角φmを示す信号が入力される。
電子制御装置20は、車輪速度Vfl、Vfr及びVrに基づいて車速Vを演算し、操舵角St及び車速Vに基づいて後輪14の目標転舵角δrtを演算し、後輪の転舵角δrが目標転舵角δrtになるよう、転舵アクチュエータ62を制御することにより、後輪14をステアバイワイヤ式に転舵する。なお、回転角センサ76により検出される回転角φmは、揺動部材36の揺動角が0のときに0になり、車両10が左方向へ傾斜するよう揺動部材36が揺動するときに正の値になる。
図には示されていないが、電子制御装置20には、アクセルポジションセンサから、運転者により操作されるアクセルペダルの踏み込み操作量であるアクセルポジションApを示す信号が入力される。電子制御装置20には、シフトポジションセンサから、運転者により操作されるシフトレバーの操作位置であるシフトポジションSpを示す信号が入力される。更に、電子制御装置20には、踏力センサ80から、運転者によるブレーキペダル(図示せず)に対する踏力Fpを示す信号が入力される。なお、前後加速度Gxは、車両の前進方向への加速を正として検出される。
電子制御装置20は、アクセルポジションAp及びシフトポジションSpに基づいてインホイールモータの出力及び回転方向を制御することにより、前輪12L及び12Rの駆動力を制御する。更に、電子制御装置20は、踏力Fpに基づいて制動装置32を制御することにより前輪12L、12R及び後輪14の制動力を制御する。なお、制動時には、インホイールモータによる回生が行われてもよい。
図9に示されているように、車両10の旋回に起因して重心Gmに作用する遠心力をFyとする。図12に示されているように、左右の前輪12L及び12Rの接地点Pfl及びPfrの中点Pfと後輪14の接地点Prとを結ぶ直線を直線82とする。電子制御装置20は、遠心力Fyと重力Fgとの合力Fygが直線82へ向かう方向(本明細書においては「所定の方向」という)へ作用するよう、車両10を旋回内側へ傾斜させるための目標傾斜角θtを演算する。
具体的には、電子制御装置20は、図7に示されたフローチャートに従って、車両の目標横加速度Gytを演算する。更に、電子制御装置20は、重力加速度Gに対する目標横加速度Gytの比Gyt/Gに基づいて目標傾斜角θtを演算する。更に、電子制御装置20は、車両の傾斜角θが目標傾斜角θtになるように傾斜アクチュエータ38の電動機38Mの回転角φmを制御する。従って、電子制御装置20は、車両傾斜装置18の揺動部材36の揺動角φを制御することにより車両10を傾斜させるよう構成された制御装置として機能する。
特に、実施形態においては、電子制御装置20は、図13に示されているように、車両10の重心Gmを通る垂線84が、三角形69(図4参照)の範囲外又は所定の余裕マージンを通る場合には、図14に示されているように、垂線84が余裕マージンの内側を通るよう、目標傾斜角θtを低減修正する。よって、垂線84が三角形69の斜辺よりも所定の余裕マージンの距離だけ内側を通るときの車両の傾斜角を最大許容傾斜角θamaxとすると、目標傾斜角θtは、その大きさが最大許容傾斜角θamaxを越えないよう、必要に応じて修正される。なお、所定の余裕マージンは、種々の部材の製造公差などを考慮して予め設定される。また、図14においては、図13に示された重心Gm、中心平面66及び垂線84の位置が、それぞれ符号Gm′、66′及び84′にて示されている。
前述のように、車両10の旋回内側への傾斜角θの大きさが大きくなるにつれて、旋回外輪側の枢点Pblは、車両の横方向外側へ向けて移動し、逆に、旋回内輪側の枢点Pbrは、車両の横方向内側へ向けて移動する。よって、実施形態においては、図15に示されているように、車両10が旋回内側へ傾斜しているときには、枢点Pbrは線分Lacrに対し旋回外側に位置し、枢点Pblは線分Lacl上又は線分Laclに対し車両の内側に位置する。
更に、電子制御装置20は、図8に示されたフローチャートに従って、ショックアブソーバ51の伸び側の減衰係数Ce及び縮み側の減衰係数Ccを、それぞれ標準値Cen及びCcnと、標準値よりも高いCeh及びCchとに切り替えることにより制御する。なお、Cen、Ccn、Ceh及びCchは正の定数であり、図11に示されているように、CcnはCenよりも小さく、CchはCehよりも小さい。図11において、相対速度Vwbは左右の前輪12L及び12Rと車体24の間の中心平面66に沿う上下方向の相対速度であり、前輪及び車体の互いに離れる方向の相対変位が正である。周知のように、伸び側の減衰力Fdpは減衰係数Ce及び相対速度Vwbの積であり、縮み側の減衰力Fdpは減衰係数Cc及び相対速度Vwbの積である。
なお、図1においては、電子制御装置20及びジャイロスコープ70などのセンサは、車両10の外に図示されているが、車両10に搭載されている。電子制御装置20は、例えばCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータであってよい。図7及び図8に示されたフローチャートに対応する制御プログラムは、ROMに格納されており、車両10の傾斜角θ及びショックアブソーバ51の減衰係数は、それらの制御プログラムに従ってCPUにより制御される。
<車両の傾斜角制御ルーチン>
次に、図7に示されたフローチャートを参照して実施形態における車両の傾斜角制御ルーチンについて説明する。なお、図7に示されたフローチャートによる傾斜角の制御は、図には示されていないイグニッションスイッチがオンであるときに所定の時間毎に繰返し実行される。
まず、ステップ10においては、ジャイロスコープ70により検出された車両の傾斜角速度θdを示す信号などの信号が読み込まれる。
ステップ20においては、ジャイロスコープ70により検出された車両の傾斜角速度θdが積分されることにより、車両10の傾斜角θが演算される。なお、ジャイロスコープ70が車両10の傾斜角θを示す信号を出力する場合には、傾斜角速度θdの積分は不要である。
ステップ30においては、車輪速度Vfl、Vfr及びVrに基づいて車速Vが演算され、操舵角St及び車速Vに基づいて図10に示されたマップが参照されることにより、車両10の目標横加速度Gytが演算される。なお、図10に示されているように、目標横加速度Gytは、操舵角Stの絶対値が大きいほど大きさが大きくなり、車速Vが高いほど大きくなるよう演算される。
ステップ40においては、車両10を旋回内側へ傾斜させるための車両の目標傾斜角θtが、下記の式(1)に従って演算される。なお、下記の式(1)における重力加速度Gは正の定数であってよい。
θt=tan−1(Gyt/G) (1)
ステップ50においては、車両の目標傾斜角θtの大きさが最大許容傾斜角θamaxを越えているときには、大きさが最大許容傾斜角θamaxになるよう目標傾斜角θtが修正される。なお、目標傾斜角θtの大きさが最大許容傾斜角θamax以下であるときには、即ち車両10の重心Gmを通る垂線84が三角形69の図には示されていない余裕マージンよりも内側を通る場合には、車両の目標傾斜角θtは修正されない。
ステップ60においては、車両10の傾斜角θと車両の目標傾斜角θtとの偏差θ−θtの絶対値が基準値θ0(正の定数)よりも小さいか否かの判別が行われる。肯定判別が行われたときには車両の傾斜角θの修正制御は不要であるので、傾斜角の制御は一旦終了し、否定判別が行われたときには傾斜角の制御はステップ70へ進む。
ステップ70においては、車両10の傾斜角θと目標傾斜角θtとの偏差θ−θtを0にするための揺動部材36の目標揺動角φtが演算されると共に、目標揺動角φtを達成するための傾斜アクチュエータ38の電動機38Mの目標回転角φmtが演算される。
ステップ80においては、電動機38Mの回転角φmが目標回転角φmtになるよう電動機38Mが制御されることにより、揺動部材36の揺動角φが目標揺動角φtになるよう制御され、これにより車両10の傾斜角θが目標傾斜角θtになるよう制御される。
以上の説明から解るように、ステップ20において、ジャイロスコープ70により検出された車両10の傾斜角速度θdに基づいて車両10の傾斜角θが演算される。ステップ30及び40において、車両10を旋回内側へ傾斜させるための車両の目標傾斜角θtが演算される。更に、ステップ50〜80において、車両10の傾斜角θと目標傾斜角θtとの偏差θ−θtの大きさが基準値θ0以下になり、揺動部材36の揺動角φが目標揺動角φtになるよう、傾斜アクチュエータ38の電動機38Mが制御される。
特に、ステップ30において、操舵角St及び車速Vに基づいて車両10の目標横加速度Gytが演算され、ステップ40において、重力加速度Gに対する目標横加速度Gyの比Gy/Gに基づいて目標傾斜角θtが演算される。よって、車両10の旋回による遠心力Fyと重力Fgとの合力Fygが所定の方向へ作用するよう、車両10を旋回内側へ傾斜させて、車両を安定的に旋回させることができる。
また、ステップ50において、車両10の重心Gmを通る垂線84が、三角形69の範囲外を通る場合には、垂線84が三角形69の余裕マージンよりも内側を通るよう、車両の目標傾斜角θtが修正される。よって、仮に車両の傾斜角θが最大許容傾斜角θamaxに等しい目標傾斜角θtになるよう制御されている状態にて車両が停止しても、車両は安定して停止することができる。
<ショックアブソーバの制御ルーチン>
次に、図8に示されたフローチャートを参照して実施形態におけるショックアブソーバ51の制御ルーチンについて説明する。なお、図8に示されたフローチャートによるショックアブソーバの制御も、図には示されていないイグニッションスイッチがオンであるときに所定の時間毎に繰返し実行される。
まず、ステップ110においては、左右の前輪12L及び12Rの車輪速度Vfl及びVfrを示す信号及び後輪14の車輪速度Vrを示す信号が読み込まれる。
ステップ120においては、車輪速度Vfl、Vfr及びVrに基づいて車速Vが演算され、車速Vが基準値V0(正の定数)以上であり且つ操舵角θの絶対値が基準値θ0(正の定数)以上であるか否かの判別、即ち車両10が旋回走行中であるか否かの判別が行われる。否定判別が行われたときには、即ち各車輪速度が低く、或いは車両が旋回しておらず、各車輪に作用するジャイロモーメントが小さいときには、ショックアブソーバの制御はステップ150へ進む。これに対し、肯定判別が行われたときにはショックアブソーバの制御はステップ130へ進む。
ステップ130においては、左前輪12Lの車輪速度Vflの変化率が車輪加速度Vfldとして演算され、車輪加速度Vfldが基準値Ve(負の定数)以下であるか否かの判別、即ち左前輪の車輪減速度が基準値以上であるか否かの判別が行われる。肯定判別が行われたときにはショックアブソーバの制御はステップ160へ進み、否定判別が行われたときにはショックアブソーバの制御はステップ140へ進む。
ステップ140においては、右前輪12Rの車輪速度Vfrの変化率が車輪加速度Vfrdとして演算され、車輪加速度Vfrdが基準値Ve以下であるか否かの判別、即ち右前輪の車輪減速度が基準値以上であるか否かの判別が行われる。肯定判別が行われたときにはショックアブソーバの制御はステップ160へ進み、否定判別が行われたときにはショックアブソーバの制御はステップ150へ進む。
なお、ステップ130及び140の判定に代えて、車速Vの変化率Vdが演算され、変化率Vdが基準値Vd0(負の定数)以下であるか否かの判別、即ち車両の減速度が基準値以上であるか否かの判別が行われてもよい。
ステップ150においては、ショックアブソーバ51の伸び側の減衰係数Ce及び縮み側の減衰係数Ccが、それぞれ標準値Cen及びCcnに設定される。
ステップ160においては、ショックアブソーバ51の伸び側の減衰係数Ce及び縮み側の減衰係数Ccが、それぞれ標準値Cen及びCcnよりも高い値Ceh及びCchに設定される。
ステップ170においては、ショックアブソーバ51の伸び側の減衰係数Ce及び縮み側の減衰係数Ccがそれぞれステップ150又は160において設定された減衰係数になるよう、ショックアブソーバが制御される。
以上の説明から解るように、車速Vが基準値V0以上であるときには、ステップ130において、左前輪の車輪減速度が基準値以上であるか否かの判別が行われ、ステップ140において、右前輪の車輪減速度が基準値以上であるか否かの判別が行われる。左前輪及び右前輪の車輪減速度が基準値未満であるときには、減衰係数Ce及びCcはそれぞれ標準値Cen及びCcnに設定され、これにより車両10の良好な乗り心地性が確保される。これに対し、左前輪又は右前輪の車輪減速度が基準値以上であるときには、減衰係数Ce及びCcはそれぞれ標準値よりも高いCeh及びCchに設定され、これによりアクチュエータ38に対する車体24の上下方向の相対変位が抑制される。
<車輪に作用するジャイロモーメントの影響による問題>
前述のように、従来の自動傾斜車両においては、車両が旋回走行中に急激に減速される状況において、車両の傾斜角θを精度よく車両の目標傾斜角θtに制御することが困難であり、車両の傾斜角の制御性がよくないという問題がある。また、車両が旋回走行中に急激に減速され停止する際に、車両の重心が瞬間的に高くなって車両の安定性が低下し易いという問題がある。図15を参照して、これらの問題について説明する。
図15は、車両10が傾斜した状態を示すスケルトン図である。なお、傾斜アクチュエータ38は枢軸48の周りに枢動するよう支持されているので、揺動部材36が下方へ変位し、アクチュエータ38の後方側部分が下降すると、アクチュエータ38の前方側部分が上昇し、サスペンションスプリング50が伸張する。図2及び図15においては、揺動部材36の上下変位とサスペンションスプリング50の伸縮変形とが対応するよう、サスペンションスプリング50及びショックアブソーバ51はアクチュエータ38の上側に図示されている。
車両10の傾斜角θの大きさが最大許容傾斜角θamaxのような大きい値であるときには、旋回外輪側の枢点Pbrは、枢点Par及び接地点Pfrを結ぶ線分Lacr上よりも横方向外側に位置する。旋回内輪側の枢点Pblは、枢点Pal及び接地点Pflを結ぶ線分Lacl上又は該線分よりも横方向内側に位置する。
例えば、車両10が左旋回する場合には、揺動部材36は、旋回外輪側が低くなるようアクチュエータ38の回転トルクによって車両の前方から見て揺動軸線34の周りに反時計回り方向へ揺動される。これにより、旋回外輪側のタイロッド40Rが車体24に対し下方へ押し下げられ、旋回内輪側のタイロッド40Lが車体24に対し上方へ持ち上げられ、その結果車両10の全体が旋回内側へ傾斜する。よって、前輪12L及び12R及び後輪14は、車体24と実質的に同一の角度旋回内側へ傾斜する。
前輪12L及び12R及び後輪14が傾斜すると、前輪及び後輪にはそれぞれジャイロモーメントMjf及びMjrが作用し、前輪及び後輪はそれぞれ車両10が標準状態であるときの前輪の位置及び後輪の位置へ戻ろうとする。なお、前輪12L及び12Rはインホイールモータを内蔵しており、前輪の質量は後輪14の質量よりも大きいので、ジャイロモーメントMjfはジャイロモーメントMjrよりも大きい。
前輪及び後輪は接地点において路面Rに接しており、路面に対し横方向へ変位することができないので、前輪12L及び12Rはジャイロモーメントによりそれぞれ接地点Pfl及びPfrの周りに反時計回り方向へ枢動しようする。なお、後輪14も接地点Prの周りに反時計回り方向へ枢動しようとする。よって、枢点Pbl及びPbrはそれぞれ接地点Pfl及びPfrの周りに反時計回り方向へ回転しようとするので、枢点Pal及びParはそれぞれタイロッド40L及び40Rを介して左方且つ下方への力を受ける。よって、アクチュエータ38は揺動部材36から左方且つ下方への力を受け、その力は車両10の傾斜角θを低減するよう作用する。
また、ジャイロモーメントMjfは、サスペンションアーム22L及び22Rを経て車体24へ伝達され、ジャイロモーメントMjrは後輪サスペンション54を経て車体24へ伝達される。これらのジャイロモーメントは、車体24の傾斜を低減しようとするので、車両10の傾斜角θを低減するよう作用する。
枢点Pal及びParはそれぞれタイロッド40L及び40Rを介して左方且つ下方への力を受け、揺動部材36は車体24に対し中心平面66に沿って下方へ変位するので、アクチュエータ38も下方へ変位し、車体24の高さが低くなる。また、旋回外輪である前輪12Rの回転速度は旋回内輪である前輪12Lの回転速度よりも高いので、前輪12Rに作用するジャイロモーメントの大きさは前輪12Lに作用するジャイロモーメントの大きさよりも大きい。よって、前輪12L及び12Rに作用するジャイロモーメントは、枢点Pbl及びPbrの間の距離を大きくするよう作用するので、四辺形Pal−Pbl−Pbr−Parは底辺が増大することによって上辺Pal−Parの高さが減少するよう変形しようとする。従って、この作用によっても揺動部材36は車体24に対し中心平面66に沿って下方へ変位し、車体24の高さが低くなる。
枢点Pal及びParがそれぞれタイロッド40L及び40Rを介して左方且つ下方への力を受け、車体24の高さが低くなると、揺動部材36及びタイロッド40L及び40Rの位置関係が車両10の標準状態におけるそれらの関係とは異なる関係になる。その結果、揺動部材36及びタイロッド40L及び40Rなどを車両10の標準状態における位置へ弾性的に付勢する弾性部材45L及び45Rの弾性変形量が本来の値とは異なる値に変化することにより弾性エネルギが蓄積される。
弾性部材45L及び45Rにより蓄積される弾性エネルギは、車両10の旋回状態が変化しなければ、一定に維持される。これに対し、車両10が旋回している状況において、車両が急激に減速され、前輪12L及び12R及び後輪14の回転速度が急激に低下すると、前輪12L及び12Rに作用するジャイロモーメントMjf及び後輪14に作用するジャイロモーメントMjrも急激に低下する。その結果、蓄積されていた弾性エネルギが急激に放出されるので、弾性部材45L及び45Rの変形量が本来の値になるよう急激に減少し、揺動部材36が車体24に対し中心平面66に沿って上方へ変位しようとする。
よって、車体24が急激に中心平面66に沿って上方へ変位し、車両10の重心Gmの高さが急激に高くなり、サスペンションスプリング50の圧縮変形量が急激に増大する。そのため、弾性部材45L及び45R及びサスペンションスプリング50の弾性変形量が振動的に増減し、車両10の重心Gmの高さが振動して重心Gmの旋回半径が振動的に増減するので、車両の実横加速度Gyも振動する。よって、車両10の傾斜角θが目標傾斜角θtになるよう車両傾斜装置18を制御しても、車両の傾斜角θは振動し、車両の傾斜角θを精度よく目標傾斜角θtに制御することが困難である。
また、車両10の重心Gmの高さが急激に高くなり、重心Gmを通る垂線84が図13に示されているよう三角形69の範囲外又は所定の余裕マージンを通り、これに起因して車両が旋回走行中に減速され停止する際の安定性が低下し易い。
<実施形態における車両の傾斜角θの制御性の向上>
実施形態においては、例えば車両が急激に減速されることにより、前輪12L又は12Rの車輪減速度が基準値以上になると、図8に示されたフローチャートのステップ120又は130において肯定判別が行われる。よって、ステップ150において、ショックアブソーバ51の伸び側の減衰係数Ce及び縮み側の減衰係数Ccが、それぞれ標準値Cen及びCcnよりも高い値Ceh及びCchに設定される。従って、ジャイロモーメントMjf及びMjrが低下し、蓄積されていた弾性エネルギが急激に放出されても、車体24が急激に中心平面66に沿って上方へ変位することが、ショックアブソーバ51の伸び側の減衰力によって抑制される。その結果、車両10の重心Gmの高さの増大が穏やかになり、サスペンションスプリング50の圧縮変形量の減少も穏やかになる。
また、ショックアブソーバ51の伸び側の減衰係数Ceも標準値Cenよりも高い値Cehに設定されるので、弾性部材45L及び45R及びサスペンションスプリング50の弾性変形量が振動的に増減することが効果的に抑制される。よって、車両10の重心Gmの高さが振動することに起因する重心Gmの旋回半径の振動的増減量が低減されるので、車両の実横加速度Gyの振動も低減される。従って、従来の自動傾斜車両の場合に比して車両の傾斜角θの振動を低減し、車両の傾斜角θを精度よく目標傾斜角θtに制御することができる。
更に、上述のように、蓄積されていた弾性エネルギが急激に放出されても、車体24が急激に中心平面66に沿って上方へ変位することが抑制され、車両10の重心Gmの高さの増大が穏やかになる。よって、車体24の慣性によるオーバーシュートにより重心Gmの高さが一時的に過剰に高くなり、重心Gmを通る垂線84が三角形69の範囲外又は所定の余裕マージンを通ることに起因して車両の安定性が低下する虞を低減することができる。
なお、前輪12L及び12Rの車輪減速度が基準値未満であるときには、図8に示されたフローチャートのステップ120及び130において否定判別が行われる。よって、ステップ140において、ショックアブソーバ51の伸び側の減衰係数Ce及び縮み側の減衰係数Ccが、それぞれ標準値Cen及びCcnに設定される。従って、車両10の良好な乗り心地性を確保することができる。
以上においては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上述の実施形態においては、前輪12L又は12Rの車輪減速度が基準値以上であるときには、ショックアブソーバ51の伸び側の減衰係数Ce及び縮み側の減衰係数Ccが、それぞれ標準値Cen及びCcnよりも高い値Ceh及びCchに設定される。しかし、伸び側の減衰係数Ceが標準値Cenよりも高い値Cehに設定され、縮み側の減衰係数Ccが標準値Cenに維持されるよう修正されてもよい。
また、上述の実施形態においては、前輪12L又は12Rの車輪減速度が基準値以上であるときに、ショックアブソーバ51の減衰係数Ce及びCcが、それぞれ標準値Cen及びCcnよりも高い値Ceh及びCchに設定される。しかし、前輪12L又は12Rの車輪減速度が一旦基準値以上になると、前輪12L又は12Rの車輪減速度が基準値よりも小さい終了基準値未満になるまで、減衰係数Ce及びCcがそれぞれ標準値よりも高い値Ceh及びCchに設定されるよう修正されてもよい。
また、上述の実施形態においては、標準値Cen及びCcnよりも高い値Ceh及びCchは一定であるが、例えば左右の前輪12L及び12Rの車輪減速度が高いほど高くなるよう、前輪の減速度に応じて可変設定されてもよい。
また、上述の実施形態においては、ステップ120において、車両10が旋回走行中であると判別されたときに、ステップ130以降が実行される。しかし、ステップ120に代えて車両10が走行中であるか否かの判別が行われ、車両10が走行中であると判別されるとステップ130以降が実行されるよう修正されてもよい。その場合には、車両10が実質的に直進走行中であっても、車輪減速度が高いときには、ショックアブソーバの減衰係数を高くし、車体の重心の上下振動を低減し、車両のノーズダイブを低減することができる。
また、上述の実施形態においては、前輪サスペンション52のショックアブソーバ51の減衰係数が制御されるようになっているが、後輪サスペンション54のショックアブソーバの減衰係数もショックアブソーバ51の減衰係数と同様に制御されてもよい。
また、上述の実施形態においては、アクチュエータ38は、その長手方向中央部に設けられた一対の枢軸48が一対のブラケット46によって支持されることにより、枢軸48の周りに揺動可能に支持されている。アクチュエータ38の出力回転軸は後方へ突出し、出力回転軸の先端、即ちアクチュエータ38の後端部に揺動部材36のボス部36Bが一体的に取り付けられており、サスペンションスプリング50及びショックアブソーバは、アクチュエータ38の前端部とその下方の車体24との間に介装されている。
しかし、図16に示されているように、枢軸48がアクチュエータ38の前端部に設けられ、枢軸48に対し後方側においてサスペンションスプリング50及びショックアブソーバ51がアクチュエータ38と車体24との間に介装されてもよい(第一の修正例)。なお、その場合には、車体24の重量はサスペンションスプリング50の伸び変形によるばね力によって支持されるので、サスペンションスプリング50は例えば引張りコイルばねのような弾性部材であってよい。また、前輪に作用するジャイロモーメントに起因してアクチュエータ38の後方側部分が車体24に対し下方へ移動されると、サスペンションスプリング50の伸び変形量の減少により車体24の高さが低下する。
また、アクチュエータ38の枢軸48に対する揺動部材36及びサスペンションスプリング50及びショックアブソーバ51の前後方向の位置関係が、上述の実施形態における関係とは逆であってもよい。即ち、アクチュエータ38が車両傾斜装置18の後方に配置され、前方へ突出する出力回転軸に揺動部材36のボス部36Bが一体的に取り付けられ、サスペンションスプリング50及びショックアブソーバ51がアクチュエータ38の後端部と車体24との間に介装されてもよい。更に、アクチュエータ38の枢軸48に対する揺動部材36及びサスペンションスプリング50及びショックアブソーバ51の前後方向の位置関係が、上述の第一の修正例における関係とは逆であってもよい。
また、アクチュエータ38が揺動することなく車体24に対し上下動するよう車体により支持されてもよい(第二の修正例)。その場合、圧縮コイルばねのようなサスペンションスプリング50がアクチュエータ38とその上方の車体部材との間に介装されてもよく、引張りコイルばねのようなサスペンションスプリング50がアクチュエータ38とその下方の車体部材との間に介装されてもよい。
なお、以上の修正例の場合には、前輪12L又は12Rの車輪減速度が基準値以上であるときには、ショックアブソーバ51の少なくとも縮み側の減衰係数Ccが標準値Ccnよりも高いCchに設定される。
また、上述の実施形態においては、タイロッド40L及び40Rの有効長さ、即ちそれぞれ枢点Par及びPalと枢点Pbr及びPblとの間の距離は、それぞれ枢点Pbr及びPblと接地点Pfr及びPflとの間の距離よりも小さい。しかし、タイロッド40L及び40Rの有効長さは、それぞれ枢点Pbr及びPblと接地点Pfr及びPflとの間の距離より大きくてもよい。更に、それぞれアーム部36AL及び36ARの有効長さに対するタイロッド40L及び40Rの有効長さ及び枢点Pbr及びPblと接地点Pfr及びPflとの間の距離の関係は、図示の関係とは異なっていてもよい。
また、上述の実施形態においては、揺動部材36のアーム部36AL及び36ARは、互いに他に対し傾斜することなく一直線状をなし、車両10が標準状態にあるときには水平に延在するようになっている。しかし、アーム部36AL及び36ARは、ボス部36Bから離れるにつれて高さが高くなるよう、V形をなしていてもよく、逆にボス部36Bから離れるにつれて高さが低くなるよう、逆V形をなしていてもよい。
また、上述の実施形態においては、タイロッド40L、40Rの下端は、それぞれナックルアーム30L、30R及びサスペンションアーム22L、22Rを介してナックル16L、16Rに連結されている。しかし、ナックルアーム30L、30Rはそれぞれ下端にてナックル16L、16Rに一体的に連結されていてもよく、更にはナックルアーム30L、30Rが省略され、タイロッド40L、40Rが下端にてそれぞれナックル16L、16Rに枢着され又は一体的に連結されていてもよい。
更に、上述の実施形態においては、後輪は一つであるが、左右の前輪よりもトレッドが小さい二つの後輪が設けられてもよく、後輪も駆動輪であってもよい。
10…自動傾斜車両、12L,12R…前輪、16L,16R…ナックル、18…車両傾斜装置、20…電子制御装置、24…車体、30L,30R…ナックルアーム、34…揺動軸線、36…揺動部材、38…傾斜アクチュエータ、40L,40R…タイロッド、45L,45R…弾性部材、50…サスペンションスプリング、51…ショックアブソーバ、52…前輪サスペンション、70…ジャイロスコープ、72…操舵角センサ、74FL,74FR,74R…車輪速度センサ、76…回転角センサ

Claims (1)

  1. 横方向に隔置された一対の車輪と、車両傾斜装置と、制御装置とを含む自動傾斜車両であって、前記一対の車輪は、それぞれ対応するナックルにより回転可能に支持されており、前記車両傾斜装置は、前後方向に延在する揺動軸線の周りに揺動する揺動部材と、前記揺動軸線の周りに前記揺動部材を揺動させる傾斜アクチュエータと、一対のタイロッドとを含み、前記一対のタイロッドは前記揺動軸線に対し横方向両側において上端の枢着部にて前記揺動部材に枢着され且つ下端の枢着部にて対応するナックルに枢着されており、前記傾斜アクチュエータはサスペンションスプリング及び減衰力可変式のショックアブソーバを介して車体に連結されており、前記制御装置は、車両を旋回内側へ傾斜させるための車両の目標傾斜角を演算し、車両の傾斜角が前記目標傾斜角になるように前記傾斜アクチュエータを制御するよう構成された自動傾斜車両において、
    前記制御装置は、前記車両が旋回走行している状況において、前記一対の車輪の少なくとも一方の車輪減速度が基準値以上であるときには、前記ショックアブソーバの減衰係数を高くするよう構成された自動傾斜車両。

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