JPH0632129A - 自動車のサスペンション装置 - Google Patents

自動車のサスペンション装置

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JPH0632129A
JPH0632129A JP20740792A JP20740792A JPH0632129A JP H0632129 A JPH0632129 A JP H0632129A JP 20740792 A JP20740792 A JP 20740792A JP 20740792 A JP20740792 A JP 20740792A JP H0632129 A JPH0632129 A JP H0632129A
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steering angle
vehicle body
turning
wheel
instantaneous center
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JP20740792A
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Fumitaka Ando
文隆 安藤
Takeshi Edahiro
毅志 枝廣
Shigefumi Hirabayashi
繁文 平林
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車のサスペンション装置において、小舵
角領域における姿勢安定性を高め、且つ大舵角領域にお
けるハイキャスタ化を図り得るようにする。 【構成】 サスペンション機構1は、アッパトレーリン
グリンク6、アッパラテラルリンク7、1対のロアラテ
ラルリンク8,9等からなり、前輪2の車体側面視の瞬
間中心Pcは、アッパトレーリングリンク6の軸線と、
ロアラテラルリンク8,9の車体側連結点を結ぶ線の交
点として決定されるが、このサスペンション機構1で
は、前記瞬間中心Pcを比較的低く設定してあり、旋回
バンプ時に旋回外輪の前記瞬間中心Pcの地上高を増加
させて姿勢安定性の向上を図る為、アッパトレーリング
リンク6の車体側連結点Aを、旋回度合に応じて位置調
整する調整手段5を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は、自動車のサスペンション装置に
関し、特に自動車の旋回度合に応じて、転舵される車輪
の車体側面視の瞬間中間中心の地上高を増加させる調整
手段を設けたものに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車が旋回すると、車体には遠心力が
作用するが、ロールセンタは一般にこの遠心力が作用す
る車体重心よりも下方に位置するため、前記遠心力は車
体重心とロールセンタとの間の距離をレバー長とするロ
ールモーメントとして車体に作用する。その結果、旋回
外輪を支持するホイールサポートと車体との間に介設さ
れたサスペンション機構は、自動車の旋回外輪側をバン
プ(外側バンプ)させるように、つまり旋回外輪に車体
が接近するように運動する。一方、自動車の加速時や制
動時や旋回時には、車体重心に前後力が作用するが、車
輪の車体側面視の瞬間中心は、一般にこの前後力が作用
する車体重心よりも下方に位置するため、前記前後力は
車体重心と、前記瞬間中心との間の距離に比例するピッ
チングモーメントが作用する。その結果、前記ピッチン
グモーメントにより、加速時にはスクァットが生じ、ま
た制動時にはノーズダイブが生じ、旋回時にはダイアゴ
ナルロールが生じる。
【0003】即ち、図6に示すように、前輪100のサ
スペンション機構のアッパトレーリングリンク101と
ロアトレーリングリンク102の軸心の交点が、前輪1
00の車体側面視の瞬間中心P1であり、また、後輪1
03のサスペンション機構のアッパトレーリングリンク
104とロアトレーリングリンク105の軸心の交点
が、後輪103の車体側面視の瞬間中心P2であり、前
輪100のサスペンション機構に関して、H1/L1が
アンチダイブ性能を左右し、また、H2/L2がアンチ
スクワァット性能を左右することから、瞬間中心P1の
地上高を大きくすれば、アンチダイブ性能が向上し、ま
た、瞬間中心P2の地上高を大きくすれば、アンチスク
ワァット性能が向上することになる。
【0004】ここで、旋回時、旋回外輪の対地キャンバ
を極力零に近づけて旋回性能を高めるようにするため、
前記外側バンプに伴って生じる旋回外輪の対車体キャン
バの変化をネガティブキャンバ方向の変化とするような
サスペンションジオメトリが一般に採用される。一方、
前記外側バンプの度合に応じて、キャスタトレールを増
加させてセルフアライニングトルクの増大を図り、且つ
キャスタ角を増加させて操舵力を増加させ、アンダステ
アが助長されるようなサスペンションジオメトリが一般
に採用される。
【0005】即ち、図7に示すように、前輪100のサ
スペンション機構において、前輪100が鎖線で図示の
ようにバンプすると、キングピン軸の傾きつまりキャス
タ角及びキャスタトレールCtが増加し、同時に、前輪
100の車体側面視の瞬間中心P1は、初期の瞬間中心
P1からバンプ時の瞬間中心P1Aへ下降することにな
る。前記瞬間中心P1の下降により、アンチダイアゴナ
ルロール性能及びアンチダイブ性能が低下することにな
る。以上説明したように、自動車の旋回性能向上の為に
は、ローリング時のキャンバ特性とピッチング時のキャ
スタ特性とを両立させるようなサスペンションジオメト
リに設定することが必要である。
【0006】ここで、西独特許公開公報DE37302
12には、サスペンション機構の一部を構成する上下1
対のラテラルリンクのうち、下側のラテラルリンクの車
体側連結点をバンプ時に上昇させる調整機構を備えたサ
スペンション装置が開示されている。このサスペンショ
ン装置によれば、旋回時に発生する外側バンプによって
ラテラルリンクの車体側連結点が上昇するため、旋回時
のロールセンタの低下を抑制し、旋回性能を向上させる
ことが出来る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のサスペンション
装置では、前述のように、旋回時の外側バンプの度合に
応じて、キャスタトレール及びキャスタ角を増加させる
ように設定される関係上、必然的に、旋回の度合に応じ
て、旋回外輪の車体側面視の瞬間中心が下降してピッチ
ングモーメントが増大し、ダイアゴナルロールが助長さ
れることになる。その対策として、前輪の車体側面視の
瞬間中心を高く設定したサスペンションジオメトリを採
用すると、姿勢安定性(アンチダイブ性能、アンチダイ
アゴナルロール性能等)が高まるものの、直進走行時の
乗り心地が低下し、バンプ時のキャスタ特性の設定が難
しくなる。そこで、前記瞬間中心を予め低く設定してお
き、旋回度合に応じて、前輪の車体側面視の瞬間中心の
地上高を増加させるような調整手段を設けることが考え
られるが、旋回度合が大きな領域におけるハイキャスタ
化を図ることが困難になり、旋回走行時の操縦安定性を
確保するのが難しくなるという問題が残る。
【0008】前記公報のサスペンション装置は、バンプ
時のロールセンタの上昇を図るようにしたもので、バン
プ時のピッチング抑制機能を実現するものではない。特
に、このサスペンション装置は、旋回によるバンプ時に
も、直進時路面の凸部によるバンプ時にも、同様に一律
に作用するように構成してあるため、路面の凸部による
バンプ時に、急激な対地キャンバの変化によって直進安
定性が損なわれるという欠点がある。本発明の目的は、
小舵角領域における姿勢安定性を高め、且つ大舵角領域
におけるハイキャスタ化を図り得るような自動車のサス
ペンション装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る自動車の
サスペンション装置は、前記車輪を支持するホイールサ
ポートと車体との間に架設されたサスペンション機構
と、自動車の旋回度合に応じて、前記車輪の車体側面視
の瞬間中心の地上高を増加させ且つその増加率が大舵角
領域よりも小舵角領域の方が大きくなるよう、前記サス
ペンション機構を調整する調整手段を備えたものであ
る。
【0010】前記「自動車の旋回度合」を具体的に判断
する手段としては、例えば、舵角、車体に作用する横加
速度、舵角と車速等が採用可能である。尚、前記舵角
は、前記車輪自体の舵角、又はステアリングホイールの
回転角度とすることができる。前記「調整手段」の具体
例としては、トレーリングリンクの車体側連結点または
ホイールサポート側連結点を上下動させるアクチュエー
タと、このアクチュエータを自動車の旋回度合に応じて
作動させる制御手段とからなる、いわば電気的な構成と
してもよいし、ステアリングリンクによる車輪の転舵動
作に連動してトレーリングリンクまたはラテラルリンク
の車体側連結点またはホイールサポート側連結点を上下
動させる調整機構からなる、いわば機械的な構成として
もよい。
【0011】尚、前記「自動車の旋回度合に応じて、前
記車輪の車体側面視の瞬間中心の地上高を増加させる」
とは、スタティック状態(バンプ零の状態)を比較の基
準として考えた場合の変化を意味する表現である。即
ち、実際には、旋回に伴って車体のロールが発生し、外
舵側の車輪の車体側面視の瞬間中心は低下することとな
るが、スタティック状態での比較(例えば、静止した自
動車のステアリングホイールを回転させたときの比較)
において、「自動車の旋回度合に応じて、前記車輪の車
体側面視の瞬間中心の地上高を増加させる」ことによ
り、実際には、自動車の旋回度合が大きくなるのに応じ
て、外舵側の車輪の車体側面視の瞬間中心の低下が抑制
されることになる。
【0012】「その増加率が大舵角領域よりも小舵角領
域の方が大きくなる」の具体例としては、小舵角領域、
中舵角領域、大舵角領域の順に増加率が低減する特性
(請求項2)、または小舵角領域における増加率が大舵
角領域における増加率よりも大きくなる特性、等が採用
可能である。請求項3に係る自動車のサスペンション装
置は、自動車の旋回度合に応じて、前記車輪の車体側面
視の瞬間中心の地上高を変化させ且つその変化率が小舵
角領域においては正となり、また大舵角領域においては
負となる特性でもって変化させるよう、前記サスペンシ
ョン機構を調整する調整手段を備えたものである。
【0013】
【発明の作用および効果】請求項1に記載したように、
調整手段によるサスペンション機構の調整により、自動
車の旋回度合に応じて、前記車輪の車体側面視の瞬間中
心の地上高を増加させ且つその増加率が大舵角領域より
も小舵角領域の方が大きくなるよう、前記サスペンショ
ン機構を調整するように構成してあるので、乗り心地を
確保する為、通常のサスペンションジオメトリのように
前記瞬間中心を比較的低く設定した場合であっても、旋
回走行時には、前記瞬間中心の地上高を増加させること
で、姿勢安定性(アンチダイブ性能やアンチダイアゴナ
ルロール性能等)を高めることが出来る。
【0014】しかも、前記瞬間中心の地上高を増加させ
る増加率に関して、小舵角領域における増加率を大舵角
領域における増加率より大きく設定するため、小舵角高
速走行時の姿勢安定性を確保しつつ、中速ワインディン
グ走行時のハイキャスタ化を図り、操縦安定性を達成す
ることができる。また、直進走行時には、路面の凸部等
でバンプ状態となっても、車輪の車体側面視の瞬間中心
が変動することがないため、キャスタ角やキャスタトレ
ールの変動がなく、直進走行の安定性を確保することも
出来る。
【0015】請求項2に関して、前記瞬間中心の地上高
の増加率に関して、小舵角領域、中舵角領域、大舵角領
域の順に増加率が低減する特性とすることにより、小舵
角高速走行状態と、中速ワインディング走行状態と、大
舵角低速走行状態とに応じた増加率を設定することがで
きる。請求項3に関して、前記車輪の車体側面視の瞬間
中心の地上高を変化させ且つその変化率が小舵角領域に
おいては正となり、また大舵角領域においては負となる
特性でもって変化させるので、請求項1と同様に小舵角
領域における高速走行時の姿勢安定性を確保しつつ、F
R車等オーバステア傾向の自動車において、大舵角領域
におけるオーバステア傾向を抑制することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しつつ説明する。図1、図2に示すように、このサスペ
ンション装置は、自動車の左側前輪である車輪2を車体
3に連結するサスペンション装置であり、車輪2を支持
するホイールサポート4と車体3との間に架設されたサ
スペンション機構1と、舵角に応じて車輪2の車体側面
視の瞬間中心Pcを変化させるようサスペンション機構
1を調整する調整手段5とを備えた構成である。尚、右
側前輪部分のサスペンション装置についても同様の構成
が採用されている。
【0017】前記サスペンション機構1は、ホイールサ
ポート4の上端部に連結されて前方および車幅方向内方
へ夫々延びるアッパトレーリングリンク6およびアッパ
ラテラルリンク7と、ホイールサポート4の下端部に前
後所定間隔をおいて連結されて略車幅方向内方へ延びる
1対のロアラテラルリンク8,9等で構成されている。
前記アッパラテラルリンク7とロアラテラルリンク8,
9は直接車体3に連結されているが、アッパトレーリン
グリンク6の前端部は、折曲部において車体3に回転自
在に支持されたL字状のベルクランク10の一端部に連
結されている。
【0018】前記ホイールサポート4には、タイロッド
13を介してステアリングリンク14が連結され、この
ステアリングリンク14は、運転者のステアリング操作
に応じたパワーシリンダ15の助勢作用により車幅方向
に移動するように構成されている。前記サスペンション
機構1は、自動車の走行中の対地キャンバが零になるよ
うに設定され、また、自動車の走行中に発生する通常の
バンプに対する対車体キャンバ変化を最小限に抑えるよ
うに予めロールセンタ高が設定されており、且つ、直進
走行時の乗り心地を確保する為、車輪2の車体側面視の
瞬間中心Pcの地上高が、通常のサスペンション機構の
ように低く設定されている。
【0019】前記調整手段5は、前記ベルクランク10
と、出力軸16がベルクランク10の他端部に連結され
ベルクランク10を介してアッパトレーリングリンク6
の車体側連結点Aを上下動させるように作動するアクチ
ュエータ11(例えば、電動モータ)と、このアクチュ
エータ11を舵角(ここでは、ステアリングホイールの
回転角度)に応じて作動させる制御手段12(例えば、
マイクロコンピュータを備えたコントローラ)等で構成
されている。
【0020】次に、図3に基いて制御手段12によるア
クチュエータ11の作動制御の内容について説明する
が、図中Si(i=1、2、・・)は、各ステップを示
すものである。先ず、S1において、車速センサ(図示
略)からの出力信号として得られる車速Vと、ステアリ
ングシャフトに付設された舵角センサ(図示略)からの
出力信号として得られる舵角ΘH と、この舵角ΘH から
演算される舵角変化率ΔΘH (舵角ΘH の時間微分値)
とが読み込まれる。
【0021】次に、S2において、舵角ΘH に応じたア
ッパトレーリングリンク6の車体側連結点Aの上下変位
量設定値Ptoがマップ検索される。このマップは、車
速Vをパラメータとして設定されており、車輪2が旋回
外輪(外舵側の車輪)となる場合と、旋回内輪(内舵側
の車輪)となる場合とで異なるマップが設定されてい
る。即ち、旋回内輪に対しては、舵角ΘH が大きくなる
に従って、また車速Vが大きくなるに従って、上下変位
量設定値Ptoが正の方向に大きくなる(つまり、連結
点Aを上げる)マップが設定されている。また、旋回外
輪に対しては、舵角ΘH が大きくなるに従って、また車
速Vが大きくなるに従って、上下変位量Ptoが負の方
向に大きくなる(つまり、連結点Aを下げる)マップが
設定されている。
【0022】前記のようなマップを設定するのは、次の
理由による。図1、図2に示すように、前記サスペンシ
ョン機構1において、車輪2の車体側面視の瞬間中心P
cは、アッパトレーリングリンク6の軸線と、1対のロ
アラテラルリンク8,9の車体側連結点を結ぶ線との交
点として決定される。そして、従来技術の欄において図
6に基いて説明したように、直進走行状態の時、車輪2
がバンプしていない時の車輪2の車体側面視の瞬間中心
Pc対して、旋回時外舵側の車輪2(旋回外輪)がバン
プすると、前記瞬間中心Pcが下降する。このサスペン
ション機構1は、そのサスペンションジオメトリとし
て、直進走行時の乗り心地を確保する為に、前記車輪2
の車体側面視の瞬間中心Pcを通常の値同様に比較的低
く設定してあるが、旋回走行時の外側バンプにより、前
記瞬間中心Pcが下降すると、ピッチングモーメント増
加し、姿勢安定性(アンチダイブ性能、アンチダイアゴ
ナルロール性能等)が低下する。
【0023】そこで、旋回時の姿勢安定性を高める為
に、図2に示すように、旋回外輪については、アッパト
レーリングリンク6の車体側連結点Aを下げると、前記
瞬間中心Pcを点Pcaへ上昇させる作用が働く。これ
により、前記瞬間中心Pcの下降を抑制して、旋回時の
姿勢安定性の低下を抑制し、キャスタ角及びキャスタト
レールを増大させ、旋回走行時の操縦安定性を確保す
る。尚、内舵側の車輪2(旋回内輪)については、旋回
外輪と反対の挙動を示すことから、アッパトレーリング
リンク6の車体側連結点Aを上げることにより、前記瞬
間中心Pcの上昇を抑制することになる。
【0024】但し、従来技術の欄で説明したように、旋
回時に旋回外輪がバンプすると、前記瞬間中心Pcが下
降する方向へ変位するため、前記瞬間中心Pcの上昇
は、スタティック状態(静止状態の自動車のステアリン
グホイールを回転させたとき)での比較であり、実際の
旋回走行時には前記調整手段5を介しての前記瞬間中心
Pcの上昇により、瞬間中心Pcの下降が抑制されるこ
とになる。更に、旋回時に車体3に作用する外力は、舵
角ΘH が大きくなるのに応じて舵角ΘH に比例して大き
くなり、また、車速Vが大きくなるのに応じて車速Vの
二乗に比例して大きくなることから、前記マップは前記
のような特性に設定されている。但し、このマップは概
略的なもので、前記瞬間中心Pcの変化特性については
後述する。
【0025】前記S2において、上下変位量設定値Pt
oのマップ検索後、S3において舵角変化率ΔΘH が所
定の舵角変化率ΔΘHoよりも大きいか否かの判定がなさ
れ、Noの場合にはS5において前記上下変位量設定値
Ptoを上下変位量信号Ptとし、S6において上下変
位量信号Ptをアクチュエータ11へ出力する。一方、
舵角変化率ΔΘH が所定の舵角変化率ΔΘHoよりも大き
い場合には、そうでない場合に比較して遠心力が大きく
なることに鑑み、S4において、上下変位量設定値Pt
oに所定の係数α(但し、例えば、α=1.1)を乗じ
た値を上下変位量信号Ptとし、S6において上下変位
量信号Ptをアクチュエータ11へ出力する。但し、係
数αは、舵角変化率ΔΘH の関数で決定してもよい。
【0026】次に、前記調整手段5により、前記瞬間中
心Pcの地上高を変化させる特性に関して、例えば、あ
る車速Vのときの特性を例として、旋回外輪の車体側面
視の瞬間中心Pcについて説明する。図4に示すよう
に、前記瞬間中心Pcの地上高の変化量(ここでは、増
加量)ΔHの増加率に関して、実線Lで示すように、小
舵角領域の増加率が、大舵角領域の増加率よりも大きく
なるように設定する。このようにすると、小舵角領域の
高速走行時の姿勢安定性(アンチダイブ性能、アンチダ
イナゴナルロール性能等)を急速に高めつつ、大舵角領
域におけるハイキャスタ化を促進して、旋回走行時の操
縦安定性を高めることができる。
【0027】ここで、前記の特性に代えて、一点鎖線M
で示すように、小舵角領域、中舵角領域、大舵角領域の
順に増加率が低減する特性を採用することも可能であ
る。この場合、基本的には前記と同様の作用が得られる
が、小舵角高速走行状態と、中速ワインディング走行状
態と、大舵角低速走行状態とに応じた増加率を設定する
ことができる。更に、前記2通りの特性に代えて、二点
鎖線Nで示すように、小舵角領域においては正の変化率
となり、また大舵角領域においては負の変化率となる特
性を採用することも可能である。この場合、小舵角領域
の高速走行時の姿勢安定性(アンチダイブ性能、アンチ
ダイナゴナルロール性能等)を急速に高めつつ、大舵角
時のハイキャスタ化を急速に促進できることになる。
尚、この特性は、FR車等のオーバステア傾向の自動車
に適したものである。
【0028】以上説明したように、本実施例によれば、
サスペンションジオメトリとして、前輪の車体側面視の
瞬間中心Pcの地上高を比較的低くく設定したサスペン
ション機構1において、旋回度合が大きくなるのに応じ
て、旋回外輪の車体側面視の瞬間中心Pcの地上高を増
加させるように構成してあるため、旋回度合に応じて前
記瞬間中心Pcの下降を抑制して、姿勢安定性を高める
ことができる。そして、小舵角領域における前記瞬間中
心Pcの地上高の増加率を、大舵角領域における増加率
よりも大きく設定したので、前述のような作用・効果が
得られる。
【0029】しかも、前記調整手段5は、旋回度合に応
じて作動するように構成され、直進走行時の通常のバン
プやリバウンドに対しては作動しないため、直進走行時
に路面の凹凸部等でバンプ、リバウンドする際には全く
影響がなく、直進走行時、特に高速直進走行時の安定性
は、サスペンションジオメトリで設定される所期の特性
に維持されることなる。
【0030】尚、前記調整手段5としては、ベルクラン
ク10に代わる種々の連結部材を介してアッパトレーリ
ングリンク6の前端部を車体3に連結した構成にしても
よい。更に、前記実施例では、舵角ΘH を用いて自動車
の旋回度合を検出するように構成したが、この舵角ΘH
に代えて、または舵角ΘH に加えて、車体に作用する横
加速度、舵角ΘH と車速V、車体のヨーレート(車体の
ヨー方向の回転速度)を用いるようにしてもよい。ま
た、前記調整手段5に代えて、または調整手段5に加え
て、前記ロアラテラルリンク8,9の何れか一方の車体
側連結点を上下方向に調整する調整手段を設けることも
可能である。また、調整手段5のアクチュエータとして
は、モータに限らず油圧シリンダ等を適用することもあ
り得る。
【0031】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図5に示すように、このサスペンション機構1A
は、車輪2を支持するホイールサポート4の上下両端か
ら夫々前方へ延びるアッパトレーリングリンク6びロア
トレーリングリンク20と、ホイールサポート4の上下
両端から夫々車幅方向内方へ延びて車体3に連結される
アッパラテラルリンク7及びロアラテラルリンク21等
で構成され、ホイールサポート4は、タイロッド13を
介して、パワーシリンダ15で助勢されるステアリング
リンク14に連結されている。前記アッパトレーリング
リンク6の前端部を車体3に連結する車体側連結点A
は、車体3に固定された略縦向き状のアクチュエータ1
1の上下方向に駆動される出力軸に連結され、また、ロ
アトレーリングリンク20の前端部を車体3に連結する
車体側連結点Bは、車体3に固定された略縦向き状のア
クチュエータ11Aの上下方向に駆動される出力軸に連
結されている。
【0032】前記車体側連結点Aの上下方向位置を調整
する調整手段5Aは、アクチュエータ11とコントロー
ラ12Aとで構成され、この調整手段5Aの調整内容
は、前記実施例と同様で、旋回度合に応じて、旋回外輪
については車体側連結点Aを下げ、旋回内輪については
車体側連結点Aを上げるように調整する。また、前記車
体側連結点Bの上下方向位置を調整する調整手段5B
は、アクチュエータ11Aとコントローラ12Aとで構
成され、この調整手段5Bの調整内容も前記実施例と略
同様で、旋回度合に応じて、旋回外輪については車体側
連結点Bを下げ、旋回内輪については車体側連結点Bを
上げるように調整する。
【0033】このように、旋回外輪に関しては両方の車
体側連結点A,Bを、旋回度合に応じて下げ、また、旋
回内輪に関しては両方の車体側連結点A,Bを、旋回度
合に応じて上げることにより、前記車体側面視の瞬間中
心Pcの下降を抑制し、同時に車輪から車体側面視の瞬
間中心Pcまでのレバー長(図6のL1に相当する)の
増大を抑制して略一定に維持できる。尚、前記実施例に
おいては、調整手段5,5A,5Bを介して、旋回時、
旋回外輪の車体側面視の瞬間中心Pcの下降を抑制し、
また旋回内輪については前記瞬間中心Pcの上昇を抑制
するように構成したが、前記マップやコントローラの制
御内容の設定如何で、旋回時、旋回外輪の車体側面視の
瞬間中心Pcの地上高が実際にある程度まで上昇するよ
うに構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るサスペンション装置のサスペンシ
ョン機構の斜視図である。
【図2】図1の装置の車輪の車体側面視の瞬間中心の説
明図である。
【図3】図1の装置の車体側連結点の高さ位置調節制御
のフローチャートである。
【図4】前記実施例に係る車輪の瞬間中心の変化量の特
性図である。
【図5】第2実施例に係るサスペンション装置のサスペ
ンション機構の斜視図である。
【図6】従来技術に係る車輪の瞬間中心の説明図であ
る。
【図7】図6の前輪の瞬間中心の挙動説明図である。
【符号の説明】
1,1A サスペンション機構 2 車輪 4 ホイールサポート 5,5A,5B 調整手段 11,11A アクチュエータ 12,12A コントローラ A,B 車体側連結点

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車の転舵可能な車輪のサスペンショ
    ン装置であって、 前記車輪を支持するホイールサポートと車体との間に架
    設されたサスペンション機構と、 自動車の旋回度合に応じて、前記車輪の車体側面視の瞬
    間中心の地上高を増加させ且つその増加率が大舵角領域
    よりも小舵角領域の方が大きくなるよう、前記サスペン
    ション機構を調整する調整手段を備えたことを特徴とす
    る自動車のサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 前記調整手段は、小舵角領域における前
    記瞬間中心の地上高の増加率が、小舵角領域、中舵角領
    域、大舵角領域の順に低減するように構成されたことを
    特徴とする請求項1に記載の自動車のサスペンション装
    置。
  3. 【請求項3】 自動車の転舵可能な車輪のサスペンショ
    ン装置であって、 前記車輪を支持するホイールサポートと車体との間に架
    設されたサスペンション機構と、 自動車の旋回度合に応じて、前記車輪の車体側面視の瞬
    間中心の地上高を変化させ且つその変化率が小舵角領域
    においては正となり、また大舵角領域においては負とな
    る特性でもって変化させるよう、前記サスペンション機
    構を調整する調整手段を備えたことを特徴とする自動車
    のサスペンション装置。
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