JP2019156032A - シートスライド装置 - Google Patents

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雄基 村松
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Abstract

【課題】ロック部材によるロック力の低下を抑制しつつロック時の打撃音を低減し得る構成を提供する。【解決手段】ロック部材50に組み付けられて、ロック状態時にアッパーレール20の押圧面21aに押圧されて弾性変形し、ロック解除状態時に押圧面21aによる押圧が解除されるダンパー部材60が設けられている。このダンパー部材60は、押圧面21aに向けて筒状に開口する筒部62を備えるように形成されている。【選択図】図14

Description

本発明は、車両用のシートを前後にスライドさせるためのシートスライド装置に関するものである。
従来、車両用のシートを前後にスライドさせるためのシートスライド装置として、例えば、下記特許文献1に開示される車両用シートスライド装置が知られている。この車両用シートスライド装置のロック機構は、操作レバーのロック操作によりスプリングの弾性力に応じてロックレバーがロック側に傾動することで、ロックレバーの係止爪がロアレールのロック孔とアッパーレールの係合溝との双方に係合し、アッパーレールをロアレールに対して移動不能にロックするように構成されている。そして、操作レバーのロック解除操作によりスプリングの弾性力に抗してロックレバーが反ロック側に傾動することで、ロックレバーの係止爪がロアレールのロック孔及びアッパーレールの係合溝から引き抜かれて、上記ロックが解除される。
特開2015−083425号公報
ところで、上述のようにロックレバーの傾動にスプリングの弾性力を利用するため、ロックレバーの係止爪がロアレールのロック孔やアッパーレールの係合溝に入り込む際のロックイン時には、金属と金属とが衝突することで生じる金属打撃音が発生する。この打撃音を低減するために、係合部分にゴム等の弾性部材を単に設けると、ロックレバーの係止爪がロアレールのロック孔やアッパーレールの係合溝に係合しているロック中に、その弾性部材の弾性力がロック部材によるロック力を弱める反力として作用してしまうという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ロック部材によるロック力の低下を抑制しつつロック時の打撃音を低減し得る構成を提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1のシートスライド装置(10)は、
車体(B)に固定されるロアレール部材(30)と、
シート(S)に固定されると共に、前記ロアレール部材に対して摺動自在に設けられるアッパーレール部材(20)と、
前記ロアレール部材のロアレール側被係合部(35a)と、前記アッパーレール部材のアッパーレール側被係合部(22b)と、に係脱可能なロック側係合部(51)を有するロック部材(50)と、
前記ロック側係合部を前記ロアレール側被係合部及び前記アッパーレール側被係合部に係合する方向に付勢する付勢部材(52)と、
前記ロック側係合部が前記ロアレール側被係合部及び前記アッパーレール側被係合部に係合するロック状態と、当該ロック状態を解除するロック解除状態と、を切り替えるために操作される操作部材(70)と、
前記ロック部材に組み付けられて、前記ロック状態時に前記アッパーレール部材の押圧面(21a)に押圧されて弾性変形し、前記ロック解除状態時に前記押圧面による押圧が解除されるダンパー部材(60,60a〜60c)と、
を備え、
前記ダンパー部材は、前記押圧面に向けて筒状に開口する筒部(62〜65)を備えるように形成されることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
請求項1の発明では、ロック部材に組み付けられて、ロック状態時にアッパーレール部材の押圧面に押圧されて弾性変形し、ロック解除状態時に押圧面による押圧が解除されるダンパー部材が設けられている。このダンパー部材は、押圧面に向けて筒状に開口する筒部を備えるように形成されている。
これにより、ロック側係合部がロアレール側被係合部及びアッパーレール側被係合部に入り込む際のロックイン時には、付勢部材の付勢力に起因するロック力に応じて、まず、ダンパー部材の筒部がアッパーレール部材の押圧面に押圧されて撓むように弾性変形するので、ロックイン時の打撃音を低減することができる。そして、ダンパー部材を介して作用するロック力は、付勢部材の付勢力に応じてロックイン時から増加し始める。その際、ダンパー部材は、筒部にて押圧面に向けて筒状に開口しているので、押圧面に押圧された直後の筒部は、増加し始めのロック力に応じて僅かに撓みつつその形状を維持した後、ロック力が所定値を超えると、潰れるように座屈する。このように筒部が座屈することで、ロック力に対して反力として作用するダンパー部材の弾性力が、座屈前の撓んだ状態よりも弱くなる。したがって、ロック部材によるロック力の低下を抑制しつつロック時の打撃音を低減することができる。
請求項2の発明では、筒部は、押圧面側が円筒状に形成されるため、押圧面からの押圧力が筒部に対して均等に作用しやすくなることから、筒部を座屈させるために必要な力が大きくなる。これにより、筒部が撓む間もなく座屈するような状態が防止されるので、ロックイン時の打撃音を確実に低減することができる。
請求項3の発明では、筒部は、断面が円環状であって押圧面から離れるほど外径が拡径するように形成される。これにより、筒部が単に円筒状に形成される場合と比較して、筒部が同じ座屈状態となるように座屈し易くなることから、筒部の座屈する方向がばらつき難く、ロック力に対して反力として作用するダンパー部材の弾性力のばらつきが抑制されて、ロック部材によるロック力のばらつきを抑制することができる。
請求項4の発明では、筒部には、押圧面側から見て均等となる位置にスリットが形成されるため、スリットの形状や数に応じて座屈する際のロック力を調整することができる。
本発明の第1実施形態に係るシートスライド装置が設置される車両用シートの構成概要を示す側面図である。 図1のシートスライド装置を示す斜視図である。 図1のシートスライド装置の分解斜視図である。 図2のアッパーレールを示す斜視図である。 図5(A)は、図4のアッパーレールの底面図であり、図5(B)は、その側面図である。 図3のロック部材を示す斜視図である。 図7(A)は、図6のロック部材の平面図であり、図7(B)は、その側面図であり、図7(C)は、その正面図である。 図8(A)は、図3のダンパー部材を筒部側から見た斜視図であり、図8(B)は、図8(A)のダンパー部材を基部側から見た斜視図である。 図9(A)は、図3のダンパー部材の平面図を示し、図9(B)は、図9(A)のダンパー部材の正面図を示し、図9(C)は、図9(B)のダンパー部材の断面図を示す。 図1の操作レバーの一部を示す斜視図である。 図1の操作レバーの底面図である。 ダンパー部材が組み付けられたロック部材の一部を拡大して示す斜視図である。 治具を用いてダンパー部材をロック部材に組み付ける状態を説明する断面図である。 図14(A)は、ロック解除状態におけるダンパー部材の状態を説明する説明図であり、図14(B)は、ロック状態におけるダンパー部材の状態を説明する説明図である。 図15(A)は、ダンパー部材が僅かに撓んだ状態を説明する斜視図であり、図15(B)は、ダンパー部材が座屈し始めた状態を説明する斜視図であり、図15(C)は、ダンパー部材が座屈し終えた状態を説明する斜視図である。 ストローク量の時間変化と、ダンパー部材の有無及びダンパー部材の形状との関係を説明するための説明図である。 ダンパー部材や円柱状ダンパー部材の潰れ量とその潰れ量によってロック力を減衰させる反力との関係を説明する説明図である。 図18(A)は、第1実施形態の第1変形例に係るダンパー部材を筒部側から見た斜視図であり、図18(B)は、図18(A)のダンパー部材を基部側から見た斜視図である。 図19(A)は、第1実施形態の第1変形例に係るダンパー部材の平面図を示し、図19(B)は、図19(A)のダンパー部材の正面図を示し、図19(C)は、図19(B)のダンパー部材の断面図を示す。 図20(A)は、第1実施形態の第2変形例に係るダンパー部材を筒部側から見た斜視図であり、図20(B)は、図20(A)のダンパー部材を基部側から見た斜視図である。 図21(A)は、第1実施形態の第2変形例に係るダンパー部材の平面図を示し、図21(B)は、図21(A)のダンパー部材の正面図を示し、図21(C)は、図21(B)のダンパー部材の断面図を示す。 図22(A)は、第1実施形態の第3変形例に係るダンパー部材を筒部側から見た斜視図であり、図22(B)は、図22(A)のダンパー部材を基部側から見た斜視図である。 図23(A)は、第1実施形態の第3変形例に係るダンパー部材の平面図を示し、図23(B)は、図23(A)のダンパー部材の正面図を示し、図23(C)は、図23(B)のダンパー部材の断面図を示す。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、シートスライド装置10は、車両用シートSを前後摺動可能に車両フロアBに固定するもので、主に、車両用シートSに固定されるアッパーレール20と、前後フット31を介して車体(車両フロアB)に固定されるロアレール30と、アッパーレール20とロアレール30とを相対移動不能に固定(ロック)可能なロック部材50及びダンパー部材60と、をそれぞれ一対備えるとともに(図1〜図3には一方のみを記載する)、上記一対のロック部材50によるアッパーレール20とロアレール30とのロック状態とそのロック状態を解除するロック解除状態とを切り替えるために操作される操作レバー70とを備えている。以下、シートスライド装置10を構成する各要素について詳述する。
アッパーレール(アッパーレール部材)20は、ロアレール30に対して摺動自在に設けられる。また、アッパーレール20は、図4、図5に示すように、アッパーレール20は車両フロアBに略水平で車両用シートSが図略のブラケット等を介して取り付けられる上壁21とこの上壁21の両端から垂設される側壁22と、各側壁22の下端からそれぞれ上方に屈曲して折れ曲がっている連結部23と、リテーナ(図示略)によって保持されるスチールボール(図示略)をロアレール30との間の空間に保持する傾斜部24を備えている。
また、図4、図5に示すように、一方の側壁22と、この側壁22に連結する連結部23とには、ロック部材50の一部が入り込むことが可能な長孔状の切欠き22aが形成されている。また、側壁22側の切欠き22aの一部には、ロック部材50のロック片51(後述する)に係脱可能なロック爪22bがそれぞれ3カ所設けられている。また、アッパーレール20の一端側において、一方の側壁22と連結部23とに、後述するロック部材50の突出部52b,52cがそれぞれ嵌合する略長孔状の切欠き22c,22dが形成されている。また、切欠き22cにおける上壁21側に、上壁21側とは反対側に突出する突出片22eが形成され、切欠き22dにおける上壁21側とは反対側に、他方の側壁22側に突出する突出片22fが形成されている。なお、ロック爪22bは、「アッパーレール側被係合部」の一例に相当し得る。
ロアレール(ロアレール部材)30は、図3に示すように、車両フロアBに略水平でアッパーレール20の上壁21に対向し前後フット31を介して車両フロアBに固定される底壁32と、この底壁32の両端から上方に延出する第1側部33と、各第1側部33の上端から中央に向かい底壁32と略平行に設けられる鍔部34と、各鍔部34の端末から底壁32に向かい第1側部33と略平行に延出する第2側部35とを備えている。
また、図3に示すように、側壁22の各ロック爪22bに対応する第2側部35には、ロック爪22bと同様に形成される5カ所以上のロック爪35aが設けられている。なお、ロック爪35aは、「ロアレール側被係合部」の一例に相当し得る。
アッパーレール20はその上壁21がロアレール30の底壁32と対向し、ロアレール30の第1側部33と第2側部35の間の空間にアッパーレール20の傾斜部24が入り込むように配置されている。なお、図示を省略するが、例えば、ロアレール30の第1側部33から鍔部34との間のコーナー部分とアッパーレール20の傾斜部24の間と、ロアレール30の底壁32と第1側部33との間のコーナー部分とアッパーレールの連結部23の間には、リテーナ(図示略)によって保持されるスチールボール(図示略)が配置されている。このように、リテーナに保持されるスチールボールにより、アッパーレール20とロアレール30は車両前後方向に円滑に摺動できるようになる。
次に、ロック部材50及びダンパー部材60について詳しく説明する。
図6及び図7に示すように、ロック部材50は、金属製の板部材から打ち抜き加工及び曲げ加工等により略長手板状に形成されるもので、4つのロック穴51aが形成されるロック片51と、アッパーレール20に嵌合してロック片51を間接的に支持する一対の支持部52と、ロック片51と両支持部52とを連結する連結部53と、を備えている。また、ロック部材50は、ロック片51と一体的に形成されて操作レバー70からの押圧力を受ける一対の延出部54と、両支持部52の間に形成されて両支持部52が互いに近づく方向への弾性変形を規制するための規制部55と、を備えている。
ロック片51には、ロアレール30のロック爪35a及びアッパーレール20のロック爪22bに係脱可能なロック側係合部として機能する4つのロック穴51aが略正方形形状にて形成されている。また、ロック片51のうち連結部53から離れた部位には、ダンパー部材60が係合する円形の係合穴51bが形成されている。また、4つのロック穴51aの間に位置する開口51cには、係合穴51b側の縁から板厚方向に立ち上がる突出片51dが形成されている。
支持部52は、一端が連結部53と接続され、他端側にはアッパーレール20に固定される固定部52aが形成されている。支持部52は、ロック状態でのロック力となる付勢力を生じさせる付勢部材として機能するため、図7(B)からわかるように、他端側が屈曲するように形成されている。
固定部52aは、支持部52の長手方向に対して僅かに傾斜する略矩形板状に形成され、アッパーレール20の切欠き22c,22dにそれぞれ入り込む突出部52b,52cを備えている。突出部52bは、ロック部材50の一端に位置し、支持部52の長手方向に直交する方向において、他方の固定部52aとは反対側に突出するように略矩形板状に形成されている。また、突出部52cは、突出部52bと離間した支持部52側の位置に、支持部52の長手方向に直交する方向において、他方の固定部52aとは反対側に突出するように略台形板状に形成されている。また、図7(A)に示すように、突出部52bにおける突出部52cと対向する側部52dは、固定部52aの長手方向と直交する方向に対してθ1(例えば7°)の角度で傾斜するようにテーパ状になっている。また、突出部52cにおける突出部52bと対向する側部52eは、固定部52aの長手方向と直交する方向に対してθ2(例えば7°)の角度で傾斜するようにテーパ状になっている。これにより、突出部52b,52cは、外側に向かうにつれて幅が狭くなる形状となっている。
一対の延出部54は、ロック片51の一側における連結部53の接続位置に隣接する位置から連結部53に沿って延出するように形成され、それぞれ連結部53を挟むように連結部53と略平行になっている。
規制部55は、連結部53の一端にて両支持部52の間から延出する平板部55aと、この平板部55aに連なる屈曲板部55bと、を備えている。平板部55aは、両支持部52の長手方向に対して傾くように形成され、連結部53から離れるにつれて両支持部52の間から離れるようになっている。屈曲板部55bは、図7(B)に示すように、略逆U字状に折り曲がった形状であり、外力が作用しない状態では、両支持部52の間から離れて位置するようになっている。
ダンパー部材60は、ロック部材50の各ロック穴51aが対応するロアレール30のロック爪35a及びアッパーレール20のロック爪22bに入り込む際のロックイン時に生じる音を低減するためのものである。本実施形態では、ダンパー部材60は、ニトリルゴム(NBR)やクロロプレンゴム(CR)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)等の合成ゴムにより形成されて、ロックイン時にアッパーレール20における上壁21の内面(以下、押圧面21a)に押圧されて弾性変形することで、ロック部材50がロアレール30やアッパーレール20に衝突することで生じる金属打撃音を低減するように形成されている。
図8及び図9に示すように、ダンパー部材60は、ロック部材50に組み付けられる基部61と、筒状に開口する筒部62とを備えている。基部61は、小径部61aと先端部61bとを備えるように形成されている。小径部61aは、係合穴51bに嵌まり込んで係合するように形成され、先端部61bは、略円錐状に形成されて、小径部61a側が当該小径部61aに対して大径化されることで、係合穴51bに対して嵌めやすく抜けにくくなるように形成されている。
筒部62は、円筒状に形成されており、その開口62a内には凹部62bが設けられている。この凹部62bは、ロック部材50への組み付け時に組み付け用の治具Hをはめ込むための部位であって、小径部61aに対して同軸的であって断面円形状に形成されている。凹部62bは、その底面62cが先端部61bに達する程度の深さとなるように形成されている。また、筒部62は、その高さが、ロック解除状態時にアッパーレール20における上壁21の押圧面21aに接触しないように形成されている。
操作レバー(操作部材)70は、図10及び図11に示すように、アッパーレール20の外方に配置される把持部71と、この把持部71の両端から互いに平行に略直線状にそれぞれ延出する連結部72と、両連結部72にそれぞれ連結されてアッパーレール20とロック部材50との間に配置される操作部73とを備えている。操作部73の先端側には、両端の厚みを厚くするようにして形成される一対の凸部73aが操作部73の延出方向に沿って長手状となるように形成されている。
次に、ダンパー部材60のロック部材50への組み付けについて説明する。
ダンパー部材60をロック部材50に組み付ける場合には、ダンパー部材60の先端部61bをロック部材50の係合穴51bに対して同軸的に接触させた状態で、開口62a側から挿入した治具Hで凹部62bの底面62cを係合穴51bに向けて押し下げる。これにより、先端部61bが係合穴51bに押し込まれて、小径部61aが係合穴51bに嵌まり込むことで、図12に示すように、ダンパー部材60のロック部材50への組み付けが完了する。
この組み付け作業では、図13に示すように、ロック部材50の係合穴51bに対して先端部61bを同軸的に接触させた際に、凹部62bの底面62cと係合穴51bが形成される上面(ダンパー部材60が組み付けられる側の面)51eとが接近する。より詳細には、凹部62bの底面62cと係合穴51bが形成される上面51eとの距離が係合穴51bの内径よりも小さい程度の距離となる。
これにより、凹部62bの底面62cと係合穴51bが形成される上面51eとの距離が離れている場合と比較して、先端部61bを係合穴51bに対して容易に押し込むことができる。凹部62bの底面62cと係合穴51bが形成される上面51eとの距離が離れていると、治具Hを介して作用する押し込み力により、先端部61bが押し込み方向よりも横方向(押し込み方向に対して直交する横方向)に拡がってしまうために押し込み難くなる。その一方で、凹部62bの底面62cと係合穴51bが形成される上面51eとが接近していると、上記押し込み力が作用する場合でも先端部61bが横方向に拡がらずに押し込み方向に伸びやすくなるからである。
次に、ロック部材50及びダンパー部材60のアッパーレール20への組み付けについて説明する。
まず、ロック片51の各ロック穴51aを対応するアッパーレール20のロック爪22bに係合させる。この状態では、ロック部材50の係合穴51bに組み付けられているダンパー部材60は、アッパーレール20における上壁21の押圧面21aに押圧されて、座屈するように押し潰される。そして、ロック部材50の一対の支持部52を互いに近づくように押圧して弾性変形させ、突出部52bと切欠き22cとをそれぞれ対向させるとともに突出部52cと切欠き22dとをそれぞれ対向させた状態で、上記押圧を解除する。これにより、両突出部52bが対応する切欠き22cに向けて付勢されるように圧入されて嵌合し、両突出部52cが対応する切欠き22dに向けて付勢されるように圧入されて嵌合する。具体的には、突出部52bは、切欠き22cから側壁22と連結部23との間に入り込んで、突出片22eと連結部23とに挟まれる状態となる。また、突出部52cは、切欠き22dから側壁22と連結部23との間に入り込んで、突出片22fの側面に当接する状態となる。このとき、外力が作用していない規制部55は、両支持部52の間から退避している状態となっている。
そして、ロック部材50の突出部52b,52cは、外側に向かうにつれて幅が狭くなる形状となっているため、それぞれ切欠き22c,22dに入り込むことになる。また、突出部52bの側部52d(θ1で傾斜する部分)が切欠き22cの側縁に当接し、突出部52bの側部が切欠き22cの側縁に当接し、突出部52cの側部52e(θ2で傾斜する部分)が切欠き22dの側縁に当接する。これにより、ロック部材50の突出部52b,52cがアッパーレール20の切欠き22c,22dに確実に接触することになり、突出部52b,52cと切欠き22c,22dとの間で摩擦が生じて、ロック部材50やアッパーレール20に外力が加わるような場合であっても、このような突出部52b,52cと切欠き22c,22dとの間にクリアランスが生じ難くなる。したがって、ロック部材50とアッパーレール20との間にガタが生じ難くなり、ロック部材50によるロック状態を安定的に維持することができる。
このように両固定部52aにてアッパーレール20に固定されている状態では、両支持部52の他端側が屈曲しているため、両支持部52による付勢力がロック力となって、ロック片51が切欠き22aに押し付けられることで、各ロック穴51aが対応するロック爪22bにそれぞれ係合する。
次に、アッパーレール20及びロック部材50への操作レバー70の組み付けについて説明する。
ロック部材50等を組み付けたアッパーレール20に対して、操作レバー70の操作部73をアッパーレール20の上壁21とロック部材50の規制部55との間に差し込むようにして、操作レバー70を組み付ける。このとき、操作部73のほぼ全体がアッパーレール20とロック部材50との間に入り込むことになる。また、操作部73の先端がロック部材50の突出片51dの近傍に位置し、両凸部73aが延出部54とそれぞれ対向するように位置する状態となる。
また、この状態では、規制部55の屈曲板部55bが操作レバー70の操作部73により押し下げられるため、弾性変形した規制部55の平板部55aが両支持部52の間に入り込む。これにより、両支持部52が互いに近づく方向に弾性変形しようとすると平板部55aに接触してさらに弾性変形しなくなるので、固定部52aの側壁22からの抜けを防止することができる。
次に、シートスライド装置10における操作レバー70によるロック状態及びロック解除状態との切り替え操作について説明する。
操作レバー70が操作されない場合には、両支持部52によるロック力(付勢力)によって、各ロック穴51aがアッパーレール20のロック爪22bとロアレール30のロック爪35aとに同時に嵌まり込んで係合しており、アッパーレール20とロアレール30とが相対移動不能にロックされるロック状態となる。
そして、ロック状態を解除するために操作レバー70が操作されると、ロック部材50の延出部54が操作部73の両凸部73aにより押し下げられることで、連結部53及びロック片51が押し下げられる。これにより、各ロック穴51aとロック爪22b及びロック爪35aとの係合が解除されて、アッパーレール20とロアレール30とが相対移動可能なロック解除状態になる。
次に、ロック部材50に組み付けられたダンパー部材60の機能について図面を参照して詳述する。
上述のようなロック解除状態では、図14(A)に示すように、ロック片51が押し下げられているため、ダンパー部材60の筒部62は、僅かな隙間を介してアッパーレール20における上壁21の押圧面21aに対向している。そして、ロック状態にするため操作レバー70が元の位置に戻される操作(以下、ロック操作ともいう)がなされると、図14(B)に示すように、各ロック穴51aがロック爪22b及びロック爪35aに係合する際、押圧面21aから押圧力を受けた筒部62が押し潰されて座屈するように弾性変形した状態でロック状態となる。
このように、各ロック穴51aがロック爪22b及びロック爪35aに入り込む際のロックイン時には、両支持部52によるロック力(付勢力)に応じて、まず、ダンパー部材60の筒部62がアッパーレール20の押圧面21aに押圧されて撓むように弾性変形するので、ロックイン時の打撃音を低減することができる。
そして、ダンパー部材60を介して作用するロック力は、両支持部52による付勢力に応じてロックイン時から増加し始める。その際、ダンパー部材60は、筒部62にて押圧面21aに向けて筒状に開口しているので、押圧面21aに押圧された直後の筒部62は、図15(A)に示すように、増加し始めのロック力に応じて僅かに撓みつつその形状を維持する。その後、ロック力が所定値を超えると、図15(B)に示すように座屈し始めて、各ロック穴51aがロック爪22b及びロック爪35aに係合しているロック状態となると、図15(C)及び図14(B)に示すように、潰れるように座屈する。
ここで、ダンパー部材60を座屈させる効果について、図16及び17を参照して詳述する。図16は、ロック操作開始直後からロック片51が持ち上げられる距離をストローク量とするとき、このストローク量の時間変化と、ダンパー部材の有無及びダンパー部材の形状との関係を説明するための説明図である。図16では、ロック部分に本実施形態のダンパー部材60が採用される場合のストローク量の時間変化を直線S1にて示し、ロック部分に円柱状のダンパー部材(押圧面21a側が開口していないダンパー部材)が採用される場合のストローク量の時間変化を一点鎖線S2にて示し、ロック部分にダンパー部材が採用されない場合のストローク量の時間変化を破線S3にて示す。
図16からわかるように、ロック部分にダンパー部材が採用されない場合には、ロック操作直後に(図16のt1参照)、ストローク量がロック状態となる規定量Saまで急増する(図16の破線S3参照)。一方、ロック部分に円柱状ダンパー部材が採用される場合には、ロック操作直後にストローク量が増加しても、上記規定量Saに到達する前に収束する(図16の一点鎖線S2参照)。弾性変形しなくなった円柱状ダンパー部材による弾性力が、ロック力に対して抗力として作用するためである。この状態では、ロックイン時の打撃音を低減できても、必要なロック力を得ることができず、各ロック穴51aがロック爪22b及びロック爪35aに対して深く入り込めないという問題がある。これに対して、ロック部分にダンパー部材を採用しない構成では、必要なロック力を得ることができても、ロックイン時の打撃音を低減できないという問題がある。
図17は、ダンパー部材60や円柱状ダンパー部材の潰れ量(撓み量)とその潰れ量によってロック力を減衰させる反力との関係を説明する説明図である。図17では、本実施形態に係るダンパー部材60によりロック力を減衰させる反力を直線F1にて示し、円柱状ダンパー部材によりロック力を減衰させる反力を一点鎖線F2にて示し、初めから座屈しているダンパー部材によりロック力を減衰させる反力を二点鎖線F3にて示す。
図17からわかるように、初めから座屈しているダンパー部材が採用される場合には、ロック力を減衰させる反力が小さくなり、打撃音を軽減することができないという問題がある。一方、円柱状ダンパー部材が採用される場合には、潰れ量の増加に応じてロック力を減衰させる反力が大きくなることから打撃音を軽減できるが、この反力がロック中も作用することから、必要なロック力を得ることができないという問題がある。
上述の問題を解決するため、本実施形態では、押圧面21aに向けて筒状に開口する筒部62を備えるダンパー部材60を採用する。これにより、図16の直線S1からわかるように、ロック操作直後に増加していたストローク量が、ダンパー部材60が座屈する前の撓み状態(図15(A)参照)となることで一時的に増加しなくなっても、ダンパー部材60が座屈し始めると(図15(B)及び図16のt2参照)、再び増加し始める。このように筒部62が座屈することで、ロック力に対して反力として作用するダンパー部材60の弾性力が、座屈前の撓んだ状態よりも弱くなるからである。すなわち、ダンパー部材60は、ロックイン時にその弾性変形状態が、撓みモードから座屈モードに移行する。
このように、ダンパー部材60を採用することで、撓みモード(図17のM1参照)では、円柱状ダンパー部材が採用される場合と同等のロック力を減衰させる反力が得られ、座屈モード(図17のM2参照)では、初めから座屈しているダンパー部材が採用される場合と同等の反力に低減することができる。
すなわち、ダンパー部材60が座屈し終えたときにストローク量が規定量Saに達するようにダンパー部材60の材質や高さ、筒部62の厚さ等を設定することで、必要なロック力の確保とロックイン時の打撃音との両立を図ることができる。したがって、ロック部材50によるロック力の低下を抑制しつつロック時の打撃音を低減することができる。
特に、筒部62は、押圧面21a側が円筒状に形成されるため、押圧面21aからの押圧力が筒部62に対して均等に作用しやすくなることから、筒部62を座屈させるために必要な力が大きくなる。これにより、筒部62が撓む間もなく座屈するような状態が防止されるので、ロックイン時の打撃音を確実に低減することができる。
なお、ロック部材50に組み付けられるダンパー部材は、円筒状に形成される筒部62を備えるように形成されることに限らず、押圧面21aに向けて筒状に開口する筒部を備えるように形成されればよい。例えば、本実施形態の第1変形例として、図18及び図19に例示するダンパー部材60aのように、多角形状に開口する筒部63を備えるように形成されてもよい。
また、本実施形態の第2変形例として、図20及び図21に例示するダンパー部材60bのように、断面が円環状であって押圧面21aから離れるほど外径が拡径するように形成されるたる型の筒部64を備えるように形成されてもよい。これにより、筒部が単に円筒状に形成される場合と比較して、たる型の筒部64が同じ座屈状態となるように座屈し易くなることから、筒部64の座屈する方向がばらつき難く、ロック力に対して反力として作用するダンパー部材60bの弾性力のばらつきが抑制されて、ロック部材50によるロック力のばらつきを抑制することができる。
また、本実施形態の第3変形例として、図22及び図23に例示するダンパー部材60cのように、押圧面21a側から見て均等となる位置にスリット65aが形成される筒部65を備えるように形成されてもよい。スリット65aは、図22及び図23に示すように筒部65に対して8個均等に形成されることに限らず、複数形成されてもよく、そのスリット65aの形状や数に応じて座屈する際のロック力を調整することができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は上記実施形態及び変形例等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明に係るダンパー部材60,60a〜60cは、付勢部材として機能する支持部52とロック片51とが一体化されるロック部材50に組み付けられて利用されることに限らず、例えば、スプリング等の付勢部材を別途有するロック部材に組み付けられて利用されてもよい。
(2)ロック部材50のロック片51は、ロック側係合部として、4つのロック穴51aを有するように形成されることに限らず、アッパーレール20のアッパーレール側被係合部やロアレール30のロアレール側被係合部に係合可能な形状であれば、例えば、爪状に形成されてもよい。
10…シートスライド装置
20…アッパーレール(アッパーレール部材)
21a…押圧面
22b…ロック爪(アッパーレール側被係合部)
30…ロアレール(ロアレール部材)
35a…ロック爪(ロアレール側被係合部)
50…ロック部材
51…ロック片(ロック側係合部)
52…支持部(付勢部材)
60,60a〜60c…ダンパー部材
62〜65…筒部
70…操作レバー(操作部材)

Claims (4)

  1. 車体に固定されるロアレール部材と、
    シートに固定されると共に、前記ロアレール部材に対して摺動自在に設けられるアッパーレール部材と、
    前記ロアレール部材のロアレール側被係合部と、前記アッパーレール部材のアッパーレール側被係合部と、に係脱可能なロック側係合部を有するロック部材と、
    前記ロック側係合部を前記ロアレール側被係合部及び前記アッパーレール側被係合部に係合する方向に付勢する付勢部材と、
    前記ロック側係合部が前記ロアレール側被係合部及び前記アッパーレール側被係合部に係合するロック状態と、当該ロック状態を解除するロック解除状態と、を切り替えるために操作される操作部材と、
    前記ロック部材に組み付けられて、前記ロック状態時に前記アッパーレール部材の押圧面に押圧されて弾性変形し、前記ロック解除状態時に前記押圧面による押圧が解除されるダンパー部材と、
    を備え、
    前記ダンパー部材は、前記押圧面に向けて筒状に開口する筒部を備えるように形成されることを特徴とするシートスライド装置。
  2. 前記筒部は、前記押圧面側が円筒状に形成されることを特徴とする請求項1に記載のシートスライド装置。
  3. 前記筒部は、断面が円環状であって前記押圧面から離れるほど外径が拡径するように形成されることを特徴とする請求項1に記載のシートスライド装置。
  4. 前記筒部には、前記押圧面側から見て均等となる位置にスリットが形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシートスライド装置。
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