JP2019155811A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波による乾燥においても画像の黄変を抑制しながら十分な黒色濃度を有する画像を形成できる画像形成装置を提供する。【解決手段】インクと、前記インクを記録媒体1に対して付与するインク付与手段3と、前記記録媒体1上に付与された前記インクを、電磁波により加熱する加熱手段6aと、を有し、前記インクが、カーボンブラック、マゼンタ顔料、シアン顔料およびイエロー顔料を含むことを特徴とする画像形成装置によって上記課題を解決した。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置および画像形成方法に関する。
インクジェットプリンターは、低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易である等の利点を有することから、デジタル信号の出力機器として、近年急速に普及している。
インクジェットインクとしては、生体及び環境に対する安全性が高いことから、水性のインクジェットインクが広く用いられている。水性のインクは印刷後にインクを加熱乾燥することによりインク中の水分や有機溶剤が揮発して画像を形成する。生産性向上のため、加熱乾燥にかける時間は短いほど好ましい。
しかしながら、従来から使用されている熱風乾燥方式では、均一な乾燥が困難であることから、被乾燥物の乾燥時間が長くなるという問題がある。
こういった問題に対応するために、最近では、マイクロ波や高周波等の電磁波により加熱する乾燥方式が提案されている(例えば特許文献1〜4参照)。
しかし、電磁波による加熱では導電率の高い物質、たとえばインクジェットで使用されるブラックインクなどを加熱する際に黄変が生じることがあるため、乾燥強度が高くできないという問題がある。カーボンブラックを用いずにブラックをシアン、マゼンタ、イエローなどの色を混色させ黒色を表現する方法もあるが、結果的にインク総量が多くなり乾燥には不利となったり、黒色濃度が高くならないという問題がある。
本発明は、電磁波による乾燥においても画像の黄変を抑制しながら十分な黒色濃度を有する画像を形成できる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)インクと、
前記インクを記録媒体に対して付与するインク付与手段と、
前記記録媒体上に付与された前記インクを、電磁波により加熱する加熱手段と、を有し、
前記インクが、カーボンブラック、マゼンタ顔料、シアン顔料およびイエロー顔料を含むことを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、電磁波による乾燥においても画像の黄変を抑制しながら十分な黒色濃度を有する画像を形成できる画像形成装置を提供することができる。
本発明の画像形成装置の実施形態の側面図である。 本発明の画像形成装置の実施形態の高周波誘電加熱装置の斜視図である。 本発明の画像形成装置の実施形態の高周波誘電加熱装置の側面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明の画像形成装置は、インクと、前記インクを記録媒体に対して付与するインク付与手段と、前記記録媒体上に付与された前記インクを、電磁波により加熱する加熱手段と、を有し、前記インクがカーボンブラック、マゼンタ顔料、シアン顔料およびイエロー顔料を含むことを特徴とする。
近年、インクの乾燥性を上げるため、乾燥装置側に特徴を持たせることが考えられており、赤外線照射、マイクロ派照射、高周波誘電加熱等の電磁波を用いた乾燥方法が検討されている。良好な黒濃度を有する黒色画像を形成するためにカーボンブラックを含有するブラックインクが用いられているが、カーボンブラックは電磁波等を照射することで発熱する特徴がある。カーボンブラックを乾燥する際に電磁波を使用すると、カーボンブラックの発熱により黒色画像部分が黄変することがある。インクの乾燥に電磁波等を用いる場合には、カーボンブラックの含有量を減らすことでインクの導電率を下げることにより、乾燥時の黄変を防ぐことは可能であるが、黒色濃度の低下が避けられない問題となる。
そこで、カーボンブラックを含むブラックインク中にマゼンタ(M)顔料、シアン(C)顔料およびイエロー(Y)顔料を含ませることで、電磁波を乾燥に用いる場合の黒色画像濃度向上と、黄変を防ぐことの両立を達成できることを本発明者は知見した。
詳細な機構は判明していないが、Y、M、Cの顔料を全て含むことで黒色濃度を上げることができ、Y、M、C顔料は導電性が低いために、カーボンブラック顔料間での導電性が下がり、黄変を防ぐことができるのではないかと推測される。つまり、ブラックインク中で、カーボンブラックとその他Y、M、Cの顔料が分散されていることが重要であり、この場合は記録媒体上に本発明のブラックインクを付与して電磁波により加熱した場合でもカーボンブラックとその他Y、M、Cの顔料が混ざり合って存在することで導電性を下げ、黒色濃度が良好で、かつ、黄変を防ぐことのできる画像形成装置を提供できる。
Yインク、Mインク、Cインクを重ね打ちして黒色を出すことは通常行われているが、カーボンブラックを含むブラックインクを用いた場合よりも、黒色濃度が劣り、また色味もカーボンブラックを含むブラックインクには劣ってしまう。また、カーボンブラックを含むブラックインクを記録媒体に付与した後、Yインク、Mインク、Cインクを付与することで黒色濃度は向上するが、ブラックインク中のカーボンブラック顔料間での導電性は低下しないため、黄変という課題は解消されない。
以上から、カーボンブラックとマゼンタ顔料、シアン顔料、イエロー顔料とを組み合わせて用いることで、インクの導電性が下がり、電磁波により加熱しても黄変の起こらない画像を形成することができる。またこれらの配合量を適切な範囲にすることで、十分な黒色濃度が得られる。
以下、詳細を説明する。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
多価アルコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
アミド類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等が挙げられる。
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
有機溶剤として、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<色材>
顔料としては、カーボンブラック、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料を用いることができる。
カーボンブラックは、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
顔料の具体例として、イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、等がある。
中でも、カーボンブラック顔料間での導電性を下げ、黄変を防ぐという観点から、イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー185が好ましく、マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントバイオレット19が好ましく、シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4が好ましい。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボンブラック)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
インク中における色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
本発明のインクはカーボンブラック、マゼンタ顔料、シアン顔料、イエロー顔料を含む。前記カーボンブラックのインク中における含有量の下限値は1.0質量%以上が好ましく、2.0質量%以上含むことが好ましく、上限値は3.2質量%未満が好ましく、3.0質量%以下がより好ましい。画像の黒色濃度を向上するためには、カーボンブラックを1.0質量%以上含むことが好ましい。また、画像の黄変を防ぐためには、カーボンブラックの含有量は3.2質量%未満であることが好ましく、3.0質量%以下がより好ましい。
本発明のインクは、カーボンブラックの他に、マゼンタ顔料、シアン顔料、イエロー顔料を含む。マゼンタ顔料、シアン顔料、イエロー顔料の含有量はそれぞれ任意に含ませることができるが、合計量は、0.06質量%以上が好ましく、2.4質量%以上がより好ましく、上限として5.0質量%以下が好ましく、4.5質量%以下がさらに好ましい。本発明では、インクが0.06質量%以上のカーボンブラックを含む場合であっても黄変を防ぐことができる。
マゼンタ顔料、シアン顔料およびイエロー顔料(以下、YMC顔料と言うことがある)の合計含有量と、カーボンブラックの含有量との関係も特定することが好ましく、黒色濃度を確保するためには一定量以上のカーボンブラック量を確保するのが好ましい。カーボンブラックの含有量が、インク全量に対して3.2質量%未満が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、前記インク中のマゼンタ顔料、シアン顔料、イエロー顔料の合計含有量が、インク全量に対して0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
また、質量比率(カーボンブラックの含有量/(YMC顔料含有量)としては、0.4以上5.0以下が好ましく、0.5以上1.0以下がより好ましい。0.4以上5.0以下であることで黒濃度が向上し、0.5以上1.0以下であることで黄変のより効果的に防ぐことができる。
なお、本発明では、YMC顔料を全て含む必要が有り、1つが欠けたりする場合は、黒色濃度が向上せず、黒色として不自然な色になってしまうことがある。
また、カーボンブラック顔料間での導電性を下げ、黄変を防ぐという観点から、インク全量に対して、マゼンタ顔料の含有量は0.02質量%以上2.0質量%以下が好ましく、シアン顔料の含有量は0.02質量%以上2.0質量%以下が好ましく、イエロー顔料の含有量は0.02質量%以上2.0質量%以下が好ましい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
顔料分散体に対し、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
本発明においては、前記樹脂として絶縁性樹脂を用いることが好ましい。絶縁性樹脂を含むことで、インクの導電率を好適に下げることができ、黄変を防ぐ効果が高い。絶縁性樹脂としては、該効果をさらに高めるという観点から、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂がさらに好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、インク中の固形分の粒径の最大頻度が最大個数換算で20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましい。シリコーン系界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 2019155811
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 2019155811
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
Figure 2019155811
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<記録媒体>
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
本発明のインクは、蒸発率80%時に導電率0.01S/m以下であることが好ましい。
この要件を満たすことにより、カーボンブラック顔料間での導電性が下がり、電磁波により加熱しても黄変の起こらない画像を形成することができる、という本発明の効果を高めることができる。
なお、蒸発率80%時とは、インクを加熱蒸発させ、加熱蒸発前のインク質量に対し、加熱蒸発後の質量が20%となった時点を意味する。
図1は、本発明の画像形成装置の実施形態の側面図である。
図1に示す本発明の画像形成装置は、インクジェット記録装置であり、担持体2、インクジェットヘッド3、電磁波により加熱する加熱手段として高周波誘電加熱装置6a、記録紙バンク7を有する。また、3Y、3M、3C、3Kは、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色のインクを示している。一般的にこの4色によりカラー画像が形成される。
記録紙1が搬送される方向100に沿って、インクジェットヘッド3、高周波誘電加熱装置6aが配置されている。また、記録紙バンク7が設けられ、ここから記録紙1が搬送され、担持体2によって支持されながらインクジェットヘッド3によるインクの吐出によって記録紙1に画像が形成される。
本実施形態では、電磁波により加熱する加熱手段として高周波誘電加熱装置6aを使用している。図2および図3は高周波誘電加熱装置6aを示している。図2に示すように、棒状電極61が担持体2の下側に配置されている。図3に示すように、棒状電極61は、隣り合う電極が異極になるように構成されている。棒状電極61には、例えば10〜80MHzの高周波が掛けられる。すると、図3の点線で示す電気力線が担持体2へ作用し、記録紙1上のインクに加熱作用が起きる。この加熱作用の強さは材質に依存する。一般的に高周波中に誘電体を置くと、誘電体ロスδ(誘電損失角)、電圧E、電流Icとすると、Ic・tabδ・E分の熱が発生することが知られている。このtanδを誘電正接と呼び、この値が大きいほど強く加熱され、この値が小さいほど加熱されにくい。
表1に、周波数1MHzでの一般的な材質の誘電正接tanδの値を示す。表1に示すように、水は突出してtanδが大きいので、高周波によって加熱されやすい。即ち、インクに含まれている水分は、高周波によって加熱されやすい。これに対して、担持体2は高周波誘電加熱装置6aから発生する高周波の周波数に対する誘電正接tanδが0.01以下の非常に小さい材料によって形成されている。例えば、ポリイミド、ポリプロピレン、天然ゴム、シリコーン樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、PFA等である。これらの材料は誘電正接tanδが非常に小さいため、高周波によって加熱されにくい。
Figure 2019155811
図1に示す画像形成装置の動作について説明する。
図示しないインクタンクからインクジェットヘッド3にインクが供給される。インクジェットヘッド3は、小さなインク滴を吐出し、記録紙1上に画像を形成する。担持体2は矢印100方向に移動し記録紙1を支持しながら搬送する。
さらに、高周波誘電加熱装置6aの棒状電極61近傍をインクが通過する際に、インク内の水分のみが加熱され蒸発することにより、インクが乾燥する。この時、図示しない水分センサによってインク内の水分量を測定し、得られた測定値に応じて、加熱乾燥後のインク内の水分量が転写適正範囲となるように、高周波誘電加熱装置6aの出力及び加熱時間を図示しない制御手段によって制御する。この時、転写適正範囲となるインク内の水分量に応じた高周波誘電加熱装置6aの出力及び加熱時間は、実験により予め把握し、記憶しておく。
インク内の水分を測定する代わりに、インクジェットヘッド3から吐出したインクの量を計量し、吐出したインクの量に応じて高周波誘電加熱装置6aを制御してもよい。この場合は、インクの量に応じた転写適正範囲となる高周波誘電加熱装置6aの出力及び加熱時間を実験により予め把握し、記憶しておく。
本発明の画像形成方法は、前記の画像形成装置を用いて好適に実施できる。すなわち、カーボンブラック、マゼンタ顔料、シアン顔料およびイエロー顔料を含むインクを、例えばインクジェット法により、記録紙1に対して付与するインク付与工程と、記録紙1上に付与されたインクを、例えば高周波誘電加熱装置6aによって加熱する加熱工程と、を有する。
なお、前記では加熱手段が高周波誘電加熱手段である形態を例にとり説明したが、本発明はこれに制限されず、その他の公知の電磁波により加熱する加熱手段を用いることもできる。例えば公知の赤外線(IR)照射手段が挙げられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」を表し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を表す。
(ウレタン樹脂エマルションAの調製)
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、ポリライトOD−X−2420(DIC社製、ポリエステルポリオール)1,500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347gを窒素雰囲気下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、さらにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4,340gを抜き出して、強撹拌下、水5,400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去し、得られた樹脂エマルジョンをペイントコンディショナー(レッドデビル社製、50〜1,425rpmの範囲で速度調節可能)で分散処理し、固形分濃度40.0質量%、Tg10℃のポリエステル系ウレタン樹脂エマルションAを得た。
なお、TgはDSC(リガク社製Thermo plus EVO2/DSC)にて測定した。
<アクリル樹脂エマルションBの調製>
アクリル樹脂エマルションBとして、ボンコートCF−6140(DIC社製、Tg12℃)を用いた。
<エチレン酢酸ビニル樹脂エマルションCの調製>
エチレン酢酸ビニル樹脂エマルションCとして、S-400HQ(スミカケムテックス社製、Tg0℃)を用いた。
(インクの調製)
<顔料分散体の調製>
<<ブラック顔料分散体の調製>>
東海カーボン社製のカーボンブラック:シーストSP(SRF−LS)100gを、2.5N(規定)の次亜塩素酸ナトリウム溶液3000mLに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行い、カーボンブラックの表面にカルボン酸基が付与された顔料を得た。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。
次いで、該顔料分散体とイオン交換水を用いて透析膜による限外濾過を行い、更に、超音波分散を行って、顔料固形分を20%に濃縮した体積平均粒径100nmのブラック顔料分散体を得た。
<<シアン顔料分散体の調製>>
ブラック顔料分散体の調製において、使用する色材を東洋インキ社製銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:4、商品名:LX4033)に代えた以外は同様にして体積平均粒径75nmのシアン顔料分散体を得た。
<<マゼンタ顔料分散体の調製>>
ブラック顔料分散体の調製において、使用する色材をSun Chemical社製Pigment Red 122に代えた以外は同様にして体積平均粒径73nmのマゼンタ顔料分散体を得た。
<<イエロー顔料分散体の調製>>
ブラック顔料分散体の調製において、使用する色材を大日精化工業社製イエロー顔料(ピグメントイエロー74、商品名:イエローNO.46)に代えた以外は同様にして体積平均粒径82nmのイエロー顔料分散体を得た。
<インクの調製方法>
表2に記載した通りの処方(質量%)で各成分を混合攪拌し、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより、インク1〜13を調製した。なお、界面活性剤は、FS−300(DuPont社製フッ素系界面活性剤)を使用した。
Figure 2019155811
なお、表2中、顔料分散体の含有量及びエマルションA〜Cの含有量は固形分を表す。
インクの蒸発率80%時の導電率を、京都エレクトロン社製デジタル電導率計GM−117S使用して測定した。表3に測定結果を示す。
Figure 2019155811
(実施例1)
インク1に対し、表4に示される通りに下記の評価を行った。
<黒色濃度>
調製したインクを用いて、普通紙PPC用紙4024(ゼロックス社製)及びMC光沢紙(EPSON社製)にベタ画像を形成し、Xrite938濃度計を用いて黒色濃度を測定した。なお、普通紙に対する黒色濃度が1.30以上である場合を合格、また、光沢紙に対する画像濃度が1.80以上である場合を合格として、判定した。
普通紙、光沢紙の判定結果から、下記基準により黒色濃度を評価した。
「評価基準」
A:普通紙、光沢紙ともに合格。
B:普通紙、光沢紙いずれかが合格。
C:普通紙、光沢紙いずれも不合格。
<加熱後紙黄変度評価>
同様に、調製したインク1を用いて、普通紙PPC用紙4024(ゼロックス社製)及びMC光沢紙(EPSON社製)にベタ画像を形成し、表4に示す乾燥法によってベタ画像を乾燥し、Xrite938濃度計(測定条件:D50光源、2度視野、Status T)を用いてクロマティック指数a*2、b*2を測定した。前記黒色濃度評価におけるベタ画像のクロマティック指数a*1、b*1とし、以下の式により彩度差Δcを普通紙、光沢紙について計算した。
[a*、b*はCIE1976L*a*b表色系のクロマティック指数]
(式1)
Δc=(Δa+Δb(1/2)
※Δa=(a*2−a*1)、Δb=(b*2−b*1)
なお、普通紙、光沢紙に対するΔcが3以下である場合を合格として、判定した。
普通紙、光沢紙の判定結果から、下記基準により加熱後紙黄変度を評価した。
「評価基準」
A:普通紙、光沢紙ともに合格。
B:普通紙、光沢紙いずれかが合格。
C:普通紙、光沢紙いずれも不合格。
なお、前記乾燥法による乾燥条件は以下の通りである。
高周波誘電:誘電加熱は、電極(山本ビニター社製、長さ50cm、20mmピッチ格子電極)を用いて、1000W、2.5秒の乾燥条件で行なった。
IR:印字終了後、5秒間後に、印字面から4cm上方から赤外線ヒーターにより赤外線を1秒間照射した。1,000℃の条件で、高出力カーボンヒーター(メトロ電機工業株式会社製)を用いた。熱源の温度については、ヒーターに加える電圧を変化させることにより調整した。熱源温度の測定には、デジタル放射温度センサFT−H50K(株式会社キーエンス製)を用いて測定した。ただし、高出力カーボンヒーターについては、熱源のカーボンがガラス管で封入されているため、ガラス管の温度を計測し、そこからカーボンの温度を推定した。
マイクロ波:印字終了後、5秒間後に、ESG−2450S−2A(島田理化工業社製;マイクロ波発生装置)を用いて、マイクロ波(発振周波数:2450MHz、出力:100W)を3秒間照射し、乾燥させた。
<乾燥性評価>
同様に、調製したインク1を用いて、普通紙PPC用紙4024(ゼロックス社製)及びMC光沢紙(EPSON社製)にベタ画像を形成し、表4に示す乾燥法によってベタ画像を乾燥し、乾燥後のベタ部に濾紙を押し当て、濾紙へのインクの転写がないものを合格、濾紙へのインクの転写があるものを不合格として、判定した。普通紙、光沢紙の判定結果から、下記基準により乾燥性を評価した。
「評価基準」
A:普通紙、光沢紙ともに合格。
B:普通紙、光沢紙いずれかが合格。
C:普通紙、光沢紙いずれも不合格。
(実施例2〜9)
実施例1において、表2、表4に示される通りにインク、加熱方式を代えた以外は同様にして評価を行った。
(比較例1〜5)
実施例1において、表2、表5に示される通りにインク、加熱方式を代えた以外は同様にして評価を行った。
Figure 2019155811
Figure 2019155811
実施例1は本発明の特に好ましい例である。これらの実施例では黒色濃度、黄変度、乾燥性評価ともに全てでA評価であった。
実施例2〜9は本発明の好ましい例である。これらの実施例では黒色濃度、黄変度、乾燥性評価いずれかがB評価となっているが、使用上問題のないレベルと言える。
比較例1〜2はシアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料をいずれも用いない場合の例である。
これらの例ではカーボンブラックが多い場合(比較例1)、黄変が起こってしまい、カーボンブラックが少ない場合(比較例2)、黒色濃度が不足するという問題が生じてしまった。
比較例3〜5はシアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料のいずれかを用いない場合の例である。
これらの例ではベタ画像に色味がついてしまい、結果的に黒色濃度、黄変評価ともに問題を生じてしまった。
1 記録紙
2 担持体
3 インクジェットヘッド
6a 高周波誘電加熱装置
7 記録紙バンク
61 棒状電極
特開2017−50216号公報 特開2017−119395号公報 特開2017−165000号公報 特許第6173020号公報

Claims (10)

  1. インクと、
    前記インクを記録媒体に対して付与するインク付与手段と、
    前記記録媒体上に付与された前記インクを、電磁波により加熱する加熱手段と、を有し、
    前記インクが、カーボンブラック、マゼンタ顔料、シアン顔料およびイエロー顔料を含むことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記加熱手段が、高周波誘電加熱手段または赤外線(IR)照射手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記加熱手段が、高周波誘電加熱手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記インク中のカーボンブラックの含有量が、インク全量に対して3.2質量%未満であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記インク中のカーボンブラックの含有量が、インク全量に対して3.2質量%未満であり、
    前記インク中のマゼンタ顔料、シアン顔料およびイエロー顔料の合計含有量が、インク全量に対して0.1質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記インクが、絶縁性樹脂を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記絶縁性樹脂がウレタン樹脂またはアクリル樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記インクが、蒸発率80%時に導電率0.01S/m以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. カーボンブラック、マゼンタ顔料、シアン顔料およびイエロー顔料を含むインクを記録媒体に対して付与するインク付与工程と、
    前記記録媒体上に付与された前記インクを、電磁波により加熱する加熱工程と、を有することを特徴とする画像形成方法。
  10. カーボンブラック、マゼンタ顔料、シアン顔料およびイエロー顔料を含み、
    前記インク中のカーボンブラックの含有量が、インク全量に対して3.2質量%未満であり、
    前記インク中のマゼンタ顔料、シアン顔料およびイエロー顔料の合計含有量が、インク全量に対して0.1質量%以上5質量%以下であるインク。
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