JP2019155413A - レーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバケーブルに起因する空気の漏れを防止すること。【解決手段】レーザ加工装置10は、チャンバ11と、チャンバ11の外部に設けられ、レーザ光を発振するレーザ発振器12と、チャンバ11の内部に設けられ、レーザ光を照射するレーザヘッド30と、レーザ発振器12と、レーザヘッド30とを接続する光ファイバケーブル21と、レーザヘッド30と、光ファイバケーブル21との接続部を覆うボックス60と、ボックス60に設けられ、ボックス60と、光ファイバケーブル21との間を封止する半割れ形状の一対の第1シール部41と、光ファイバケーブル21をチャンバ11内に導入するチャンバ壁に設けられ、チャンバ11と、光ファイバケーブル21との間を封止する半割れ形状の一対の第2シール部51とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ加工装置に関する。
真空などの低圧雰囲気下で、レーザ加工装置を用いて被溶接部材の溶接を行う技術が知られている。
特許文献1は、厚板に対して、高品質のレーザ溶接を簡便かつ安定的に行うことができるレーザ溶接方法を開示している。
特開2016−120506号公報
特許文献1に記載のレーザ溶接装置は、レーザヘッドをチャンバに固定し、チャンバ内の被溶接部材を移動させることによって溶接を行っている。この場合、被溶接部材が大きくなるにつれて、被溶接部材を移動させるための移動機構や、チャンバも大きくなり、設備が大型化してしまう。設備の大型化を抑制するために、レーザヘッドをチャンバの内部に設け、レーザヘッドを移動させることが考えられる。
レーザヘッドにレーザ光を伝搬する光ファイバケーブルは、光ファイバを金属メッシュや、樹脂などの数種類の部材で包み込んだ多重構造となっているため、内部には空気が蓄えられている。このため、レーザヘッドをチャンバの内部に設けると、光ファイバケーブル内の空気が、チャンバ内に漏れてしまう恐れがある。また、光ファイバケーブルは、チャンバの側壁に設けられた導入部からチャンバの内部に導入することになるため、光ファイバケーブルと導入部との隙間から、大気中の空気がチャンバの内部に流入してしまう恐れもある。この場合、チャンバ内の圧力が高くなり、適切な溶接ができなくなる可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、光ファイバケーブルに起因する空気の漏れを防止することのできるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
本発明のレーザ加工装置は、チャンバと、前記チャンバの外部に設けられ、レーザ光を発振するレーザ発振器と、前記チャンバの内部に設けられ、前記レーザ光を照射するレーザヘッドと、前記レーザ発振器と、前記レーザヘッドとを接続する光ファイバケーブルと、前記レーザヘッドと、前記光ファイバケーブルとの接続部を覆うボックスと、前記ボックスに設けられ、前記ボックスと、前記光ファイバケーブルとの間を封止する半割れ形状の一対の第1シール部と、前記光ファイバケーブルを前記チャンバ内に導入するチャンバ壁に設けられ、前記チャンバと、前記光ファイバケーブルとの間を封止する半割れ形状の一対の第2シール部とを備える。
この構造により、光ファイバケーブルとボックスとの間、及び光ファイバケーブルと、チャンバとの間を封止することができる。したがって、光ファイバケーブルに起因する空気の漏れを防止することができる。
また、前記第1シール部及び前記第2シール部は、シール面に溝を有する半割れの一対のフランジ部と、前記溝に嵌め込まれる半割れの一対のOリングと、を有することが好ましい。
この構造により、光ファイバケーブルとボックスとの間、および光ファイバケーブルと、チャンバとの間を確実に封止することができる。したがって、光ファイバケーブルに起因する空気の漏れをより防止することができる。
また、前記第1シール部及び前記第2シール部は、シール面を有する半割れの一対のフランジ部と、前記光ファイバケーブルと前記シール面との間に充填される接着剤と、を有することが好ましい。
この構造により、第1シール部及び第2シール部は、接着剤のみで光ファイバケーブルとボックスとの間、及び光ファイバケーブルと、チャンバとの間を封止することができる。したがって、光ファイバケーブルとボックスとの間、および光ファイバケーブルと、チャンバとの間を封止することが容易になる。また、フランジ部に溝を形成する必要がなくなるので、コストの観点からも有利となる。
また、前記一対のフランジ部の合わせ面に充填された前記接着剤を更に有することが好ましい。
この構造により、第1シール部及び第2シール部のシール性が向上する。したがって、光ファイバケーブルに起因する空気の漏れをより防止することができる。
また、前記溝には細溝が設けられ、前記細溝に充填された接着剤を更に有することが好ましい。
この構造により、この構造により、光ファイバケーブルとボックスとの間、および光ファイバケーブルと、チャンバとの間を確実に封止することができる。したがって、光ファイバケーブルに起因する空気の漏れをより防止することができる。
また、前記第1シール部によりシールされる前記光ファイバケーブルの部位の外周、及び前記第2シール部によりシールされる前記光ファイバケーブルの部位の外周を取り囲むように設けられる円環部品をさらに備えることが好ましい。
この構造により、光ファイバケーブルの外周に精度のよい被シール面を形成できるため、光ファイバケーブルを締め付けることができる。したがって、光ファイバケーブルに起因する空気の漏れをより防止することができる。
図1は、本発明の各実施形態が適用されるレーザ加工装置の概略を示す模式図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係るレーザ加工装置における光ファイバケーブルを封止する構成の一例を示す図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係るフランジの構成の一例を示す模式図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係るシール部を拡大して示した模式図である。 図5は、光ファイバケーブルを締め付けた際の、Oリングの断面を示す模式図である。 図6は、図5とは異なるOリングの断面を示す模式図である。 図7は、本発明の第1実施形態の変形例に係るフランジの構成の一例を示す模式図である。 図8は、2組の一対の半割れのOリングを使用する一例を説明するための模式図である。 図9は、本発明の第1実施形態に係るフランジの構成の一例を示す側面図である。 図10は、本発明の第2実施形態に係るレーザ加工装置における光ファイバケーブルを封止する構成の一例を示す図である。 図11は、本発明の第2実施形態に係るフランジの構成の一例を示す側面図である。 図12は、本発明の第3実施形態に係るレーザ加工装置における光ファイバケーブルを封止する構成の一例を示す図である。 図13は、本発明の第3実施形態に係るフランジの構成の一例を示す側面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るレーザ加工装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。
図1を用いて、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置の概略について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置の概略を示す模式図である。なお、本発明と直接的に関連のない構成要素については、詳細な説明および図示を省略している。
図1に示すように、レーザ加工装置10は、チャンバ11と、レーザ発振器12と、シールドガス噴射装置13と、排気装置14と、移動機構15と、制御装置16と、光ファイバケーブル21と、レーザヘッド30と、第1シール部41と、第2シール部51と、ボックス60とを備える。本実施形態において、レーザ加工装置10は、例えば、真空中において、加工対象物Tを溶接するための装置である。
チャンバ11は、その内部空間において、真空を形成する容器である。本実施形態において、真空とは、例えば、10−1(Pa:パスカル)オーダー以下の高真空を想定している。
レーザ発振器12は、チャンバ11の外部に設けられ、加工対象物Tに対して照射するための、レーザを発振する。レーザ発振器12は、光ファイバケーブル21を介して、レーザヘッド30と接続されている。この場合、レーザ発振器12によって発振されたレーザは、光ファイバケーブル21を介してレーザヘッド30に伝搬された後、レーザ光Lとして加工対象物Tに照射される。
シールドガス噴射装置13は、チャンバ11の外部に設けられ、シールドガス供給配管22を介して、レーザヘッド30が有するレーザ照射ノズル31の内部空間にシールドガスを供給する。シールドガス噴射装置13には、圧力調整器131と、流量調整器132とが接続されている。圧力調整器131は、シールドガス噴射装置13がレーザ照射ノズル31の内部に噴射するシールドガスの圧力を調整する。流量調整器132は、シールドガス噴射装置13がレーザ照射ノズル31の内部に噴射するシールドガスの流量を調整する。本実施形態において、シールドガスは、窒素、アルゴンなどである。
排気装置14は、チャンバ11の外部に設けられ、チャンバ11の内部の空気を排気することによって、チャンバ11の内部に真空を形成する。排気装置14は、例えば、真空ポンプで実現することができる。
移動機構15は、チャンバ11の内部に設けられ、チャンバ11の内部において、レーザヘッド30を移動させる。移動機構15に特に制限はないが、例えば、移動機構15は、レーザヘッド30を、3次元の方向に加え、光軸を中心とする角度方向に移動させる。なお、図1では、直交座標系を使用しており、x方向は左右方向、y方向は前後方向(奥行方向)、z方向は高さ方向である。
制御装置16は、チャンバ11の外部に設けられ、レーザ発振器12と、シールドガス噴射装置13と、圧力調整器131と、流量調整器132と、排気装置14と、移動機構15とに接続されている。制御装置16は、各装置を制御することによって、レーザ加工装置10の動作を制御している。制御装置16は、例えば、レーザ発振器12を制御することで、レーザヘッド30から照射されるレーザ光Lの条件を調整する。制御装置16は、例えば、シールドガス噴射装置13と、圧力調整器131と、流量調整器132を制御することで、レーザ照射ノズル31の内部に噴射されるシールドガスの圧力と、流量とを調整する。制御装置16は、例えば、排気装置14を制御することで、チャンバ11内部の圧力を調整する。制御装置16は、例えば、移動機構15を制御することで、レーザヘッド30を移動させ、加工対象物Tに対するレーザ光Lの照射位置を調整する。このような制御装置16は、CPU(Central Processing Unit)を含む電子的な回路を備えた装置で実現することができる。
光ファイバケーブル21は、チャンバ11の外部に設けられたレーザ発振器12と、チャンバ11の内部に設けられたレーザヘッド30とを接続している。光ファイバケーブル21は、レーザ発振器12で発振されたレーザ光をレーザヘッド30に伝搬する。
レーザヘッド30は、チャンバ11の内部に設けられ、レーザ照射ノズル31と、集光レンズ32と、保護窓33とを有する。レーザ照射ノズル31は、例えば、円筒形状を有しており、内部において、レーザ発振器12から供給されたレーザ光を通過させるノズルである。集光レンズ32は、レーザ照射ノズル31の内部において、レーザ発振器12から供給されたレーザを集光する。保護窓33は、レーザ照射ノズル31の内部において、集光レンズ32よりもレーザ光Lの照射方向の下流側に設けられ、加工対象物Tにレーザ光Lが照射された際に発生するヒュームなどの蒸発物質から集光レンズ32を保護する。これにより、レーザ照射ノズル31の先端から保護窓33を介してレーザ光Lが照射される。
第1シール部41は、具体的には後述するが、チャンバ11の内部に設けられており、光ファイバケーブル21と、レーザヘッド30との接続部を覆うボックス60と、光ファイバケーブル21との間を封止するシール部材である。
第2シール部51は、具体的には後述するが、チャンバ11の側壁に設けられており、光ファイバケーブル21をチャンバ11内に導入する導入部において、チャンバ11と、光ファイバケーブル21との間を封止するシール部材である。
図2を用いて、光ファイバケーブル21と、ボックス60との間、及び光ファイバケーブル21と、チャンバ11との間を封止する構成の一例について説明する。図2は、光ファイバケーブル21と、レーザヘッド30との間、及び光ファイバケーブル21と、チャンバ11との間を封止する構成の一例を示す図である。
図2に示すように、光ファイバケーブル21は、一端には第1コネクタ21aが設けられ、他端には第2コネクタ21bが設けられている。第1コネクタ21aは、チャンバ11の側壁に設けられた導入部11aからチャンバ11の内部に導入され、レーザヘッド30に接続されている。第1コネクタ21aの周囲には、第1コネクタ21aを保護するための保護部23が設けられている。第2コネクタ21bは、チャンバ11の外部に設けられたレーザ発振器に接続される。
レーザヘッド30には、第1コネクタ21aと、レーザヘッド30との接続部を含む、光ファイバケーブル21の先端部分を覆うようにボックス60が設けられている。ボックス60は、例えば、レーザヘッド30にボルトによって固定されている。光ファイバケーブル21は、ボックス60に設けられた開口部60aからボックス60の外部に引き出されている。ボックス60の内部の圧力は、大気圧に保たれている。
第1シール部41は、ボックス60の開口部60aにおいて、光ファイバケーブル21と、ボックス60との間を封止するように設けられており、第1フランジ部61と、第2フランジ部62と、第1Oリング71aと、第2Oリング71bと、第3Oリング72aと、第4Oリング72bとを有する。
第1フランジ部61と、第2フランジ部62とは、ボックス60の開口部60aにおいて、光ファイバケーブル21と、ボックス60との間を封止するように設けられている。第1フランジ部61と、第2フランジ部62とは、具体的には後述するが、円形のフランジを半分に分割した半円状の形状(以後、半割れ形状と称する)を有している。
第1Oリング71aは、第1フランジ部61の内周面に形成された溝に嵌め込まれたOリングである。第2Oリング71bは、第1フランジ部61の軸方向の端面に形成された溝に嵌め込まれたOリングである。すなわち、第1Oリング71aと、第2Oリング71bとは、半割れ形状のOリングである。
第3Oリング72aは、第2フランジ部62の内周面に形成された溝に嵌め込まれたOリングである。第4Oリング72bは、第2フランジ部62の軸方向の端面に形成された溝に嵌め込まれたOリングである。すなわち、第3Oリング72aと、第4Oリング72bとは、半割れ形状のOリングである。
第1シール部41は、ボックス60の開口部60aにおいて、第1フランジ部61と、第2フランジ部62と、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとによって光ファイバケーブル21を締め付ける。第1シール部41は、光ファイバケーブル21を締め付けた後、ボックス60にボルトなどで固定される。これにより、第1シール部41は、ボックス60と、光ファイバケーブル21との間を封止する。第1コネクタ21aと、レーザヘッド30との接続部は、第1シール部41によって密閉されたボックス60の内部空間に収容される。このため、第1コネクタ21aから漏れ出した空気は、ボックス60の外部に流出することなく、ボックス60の内部空間に留まる。また、光ファイバケーブル21は、第1シール部41によって締め付けられているので、x−y−z方向の動きが規制される。なお、シール性の向上という観点から、第1フランジ部61と、ボックス60との接触箇所、及び第2フランジ部62と、ボックス60との接触箇所には接着材が充填されてもよい。
第2Oリング71bは、第1フランジ部61の軸方向の端面と、ボックス60との間を封止する。第4Oリング72bは、第2フランジ部62の軸方向の端面と、ボックス60との間を封止する。すなわち、第1シール部41と、ボックス60との間における空気の漏れは、第2Oリング71bと、第4Oリング72bとによって防止される。
第2シール部51は、チャンバ11の導入部11aにおいて、チャンバ11と、光ファイバケーブル21との間を封止するように設けられており、第3フランジ部63と、第4フランジ部64と、第5Oリング73aと、第6Oリング73bと、第7Oリング74aと、第8Oリング74bとから構成されている。
第3フランジ部63と、第4フランジ部64とは、それぞれ、半割れ形状のフランジである。
第5Oリング73aは、第3フランジ部63の内周面に形成された溝に嵌め込まれたOリングである。第6Oリング73bは、第3フランジ部63の軸方向の端面に形成された溝に嵌め込まれたOリングである。すなわち、第5Oリング73aと、第6Oリング73bとは、半割れ形状のOリングである。
第7Oリング74aは、第4フランジ部64の内周面に形成された溝に嵌め込まれたOリングである。第8Oリング74bは、第4フランジ部64の軸方向の端面に形成された溝に嵌め込まれたOリングである。すなわち、第7Oリング74aと、第8Oリング74bとは、半割れ形状のOリングである。
第2シール部51は、チャンバ11の導入部11aにおいて、第3フランジ部63と、第4フランジ部64と、第5Oリング73aと、第7Oリング74aとによって光ファイバケーブル21を締め付ける。第2シール部51は、光ファイバケーブル21を締め付けた後、ボルトなどでチャンバ11に固定される。これにより、第2シール部51は、チャンバ11の側壁と、光ファイバケーブル21との間を封止する。第2シール部51によってチャンバ11は密閉されるので、外部の空気がチャンバ11に流入してしまうことが防止される。また、光ファイバケーブル21は、第5Oリング73aと、第7Oリング74aとによって締め付けられているので、導入部11aにおいて、x−y−z方向の動きが規制される。
第6Oリング73bは、第3フランジ部63の軸方向の端面と、チャンバ11との間を封止する。第8Oリング74bは、第4フランジ部64の軸方向の端面と、チャンバ11との間を封止する。すなわち、第2シール部51と、チャンバ11との間における空気の漏れは、第6Oリング73bと、第8Oリング74bとによって防止される。
ここで、図3と、図4とを用いて、光ファイバケーブル21を封止する、第1シール部41と、第2シール部51とを構成するフランジの具体的な構成について説明する。図3は、第1フランジ部61と、第2フランジ部62との構成の一例を示す模式図である。図4は、第1フランジ部61と、第2フランジ部62との構成の一例を示す側面図である。なお、第3フランジ部63と、第4フランジ部64との構成は、第1フランジ部61と、第2フランジ部62と同様なので説明は省略する。
図3に示すように、第1フランジ部61と、第2フランジ部62とは、半割れ形状のフランジである。第1フランジ部61は、ボルト挿入部61−1と、図示しないボルト挿入部と、第1溝部61aと、第2溝部61bとを有する。第2フランジ部62は、第1ねじ穴部62−1と、第2ねじ穴部62−2と、第3溝部62aと、第4溝部62bとを有する。
第1溝部61aは、第1フランジ部61の内周面に形成されており、第1フランジ部61と、光ファイバケーブル21との間をシールするために使用する第1Oリング71a(図2参照)を嵌め込むための溝である。第2溝部61bは、軸方向の端面に形成されており、第1フランジ部61と、ボックス60との間をシールするために使用する第2Oリング71bを嵌め込むための溝である。第1フランジ部61の内周面と、軸方向の端面とは、併せてシール面と呼ばれることもある。
ボルト挿入部61−1は、第1フランジ部61と、第2フランジ部62とを固定するためのボルト81を挿入するための孔である。また、図示は省略しているが、第1フランジ部61には、ボルト82を挿入するためのボルト挿入部が設けられている。
第3溝部62aは、第2フランジ部62の内周面に形成されており、第2フランジ部62と、光ファイバケーブル21との間をシールするために使用する第3Oリング72a(図2参照)を嵌め込むための溝である。第4溝部62bは、軸方向の端面に形成されており、第2フランジ部62と、ボックス60との間をシールするために使用する第4Oリング72bを嵌め込むための溝である。
ここで、図4を用いて、第1溝部61aと、第3溝部62aと、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとの関係についてより詳細に説明する。図4は、第1シール部41を拡大して示した模式図である。
図4に示すように、第1Oリング71aは、第1フランジ部61に設けられた第1溝部61aに嵌め込まれている。また、第3Oリング72aは、第2フランジ部62に設けられた第3溝部62aに嵌め込まれている。第1溝部61aと、第3溝部62aとの幅Lは、例えば、40mm程度である。また、第1溝部61aの底部から第3溝部62aの底部までの高さDは、例えば、76mmである。このような構造を有することで、第1フランジ部61と、第2フランジ部62とは、ぞれぞれ、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとによって、光ファイバケーブル21を締め付けることができる。
次に図5を用いて、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとの形状の一例について説明する。図5は、光ファイバケーブル21を締め付けた際の、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとの断面を示す模式図である。
図5に示す例では、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとの幅Wは、例えば、40mmである。第3Oリング72aの底部から第1Oリング71aの頂部までの高さHは、例えば、76mmであり、公差が0〜+0.5mmである。第1Oリング71aと、第3Oリング72aによって形成される径Rは、例えば、14mmであり、公差が−0.5〜0mmである。なお、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとの形状は、限定されるものではなく、光ファイバケーブル21の形状や、チャンバ11内の真空度に応じて適宜変更可能である。
図6は、図5とは異なる形状を有する第1Oリング71aと、第3Oリング72aとを示す模式図である。具体的には、図6は、図5と比べて、薄型に形成された第1Oリング71aと、第3Oリング72aとを示している。
図6に示す例では、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとの幅Wは、例えば、10mmであり、公差が±0.05mmである。第3Oリング72aの底部から第1Oリング71aの頂部までの高さHは、例えば、76mmであり、公差が−0.05〜+0.10mmである。第1Oリング71aと、第3Oリング72aによって形成される径Rは、例えば、13.6mmであり、公差が+0.05〜0.10mmである。また、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとは、光ファイバケーブル21が導入される側において、C面取りされている。このため、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとは、光ファイバケーブル21との接触面がより狭くなっている。これにより、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとは、それぞれ、光ファイバケーブル21との接触圧力が向上する。
図7は、本実施形態の変形例を示す模式図である。図7に示すように、第1溝部61aには第1細溝部61a−1が設けられ、第3溝部62aには第2細溝部62a−1が設けられている。
第1細溝部61a−1と、第2細溝部62a−1とには、それぞれ、接着剤が充填される。接着剤には、例えば、真空用の接着剤を用いることができる。これにより、第1溝部61aと、第1Oリング71aとの間のシール性、及び第3溝部62aと、第3Oリング72aとの間のシール性が向上する。
また、第1溝部61aと、第3溝部62aとには、1組の一対の半割れのOリングが嵌め込まれているものとして説明したが、これに限定されない。第1溝部61aと、第3溝部62aとには、例えば、2組の一対の半割れのOリングが嵌め込まれていてもよい。
図8は、第1溝部61aと、第3溝部62aとに、2組の一対の半割れのOリングが嵌め込まれる場合の一例を示す模式図である。図8には、第1Oリング71a−1と、第3Oリング72a−1とで構成される一対のOリングと、第1Oリング71a−2と、第3Oリング72a−2とで構成される一対のOリングとの2組のOリングが示されている。図8に示すように、2組のOリングは、割れている方向が90°異なっている。2組のOリングを用いて、それぞれの割れの方向を90°傾けることによって、第1フランジ部61と、第2フランジ部62との合わせ面におけるシール性を向上させることができる。
再び図3を参照する。第1ねじ穴部62−1は、ボルト挿入部61−1に挿入したボルト81をねじ込むためのねじ穴である、第2ねじ穴部62−2は、図示しない挿入部に挿入したボルト82をねじ込むためのねじ穴である。
第1フランジ部61と、第2フランジ部62とで光ファイバケーブル21を挟んだ状態で、ボルト81と、ボルト82とを、それぞれ、第1ねじ穴部62−1と、第2ねじ穴部62−2とにねじ込むことで、光ファイバケーブル21を締め付けることができる。また、これにより、図9に示すように、第1フランジ部61と、第2フランジ部62とは固定される。なお、シール性の向上という観点から、第1フランジ部61と、第2フランジ部62とで光ファイバケーブル21を締め付ける際に、第1ねじ穴部62−1と、第2ねじ穴部62−2とが設けられている面には、接着材が充填されていてもよい。また、第1フランジ部61と、第2フランジ部62とを固定した後の穴径Rは光ファイバケーブル21の直径よりも小さいことが好ましい。これは、通常、光ファイバケーブル21の表面は、比較的高い弾力性を有する樹脂で形成されている。このため、第1フランジ部61と、第2フランジ部62とで、光ファイバケーブル21を締め付けた際に、第1Oリング71aと、第3Oリング72aとが、光ファイバケーブル21の表面の樹脂に、より食い込むこととなる。これにより、光ファイバケーブル21のずれがより防止されるとともに、シール性がより向上する。
上述のとおり、本実施形態では、チャンバ11の内部において、光ファイバケーブル21と、レーザヘッド30との接続部はボックス60に収容され、ボックス60は第1シール部41で封止されている。これにより、光ファイバケーブル21から漏れ出した空気はボックス60の内部に留まるため、光ファイバケーブル21の端部から漏れ出した空気がチャンバ11の内部に流出してしまうことを防止することができる。また、第1シール部41において、光ファイバケーブル21は、第1シール部41が有する第1Oリング71aと、第3Oリング72aとによって締め付けられているので、動きが規制されている。これにより、光ファイバケーブル21の位置ずれを防止することができる。
また、本実施形態では、チャンバ11への導入部は、第2シール部51によって封止されている。これにより、大気中の空気が、チャンバ11の内部に流入してしまうことを防止することができる。また、第2シール部51において、光ファイバケーブル21は、第2シール部51が有する第5Oリング73aと、第7Oリング74aとによって締め付けられているので、動きが規制されている。これにより、光ファイバケーブル21の位置ずれを防止することができる。
[第2の実施形態]
図10を用いて、本発明の第2の実施形態に係る第1シール部41Aと、第2シール部51Aとの構成について説明する。第1の実施形態と同様の構造については、同一の参照番号を付し、適宜説明は省略する。
第1の実施形態では、Oリングで光ファイバケーブル21を締めつけている。第2の実施形態では、光ファイバケーブルを締めつける際に、Oリングを用いない点で、第1の実施形態と異なっている。
第1シール部41Aにおいて、ボックス60と、第1フランジ部61Aとの間には、接着材90aが充填されている。光ファイバケーブル21と、第1フランジ部61Aとの間には、接着材90bが充填されている。ボックス60と、第2フランジ部62Aとの間には、接着剤90cが充填されている。光ファイバケーブル21と、第2フランジ部62Aとの間には、接着剤90dが充填されている。すなわち、本実施形態では、第1シール部41Aは、接着材90a〜90dによって、ボックス60を封止している。接着剤90a〜90dは真空用の接着材であればよく、例えば、Varian社製の「Torr Seal」、信越化学製の「RTVゴム KE−4898−W」などを用いることができる。
第2シール部51Aにおいて、チャンバ11と、第3フランジ部63Aとの間には、接着材90eが充填されている。光ファイバケーブル21と、第3フランジ部63Aとの間には、接着材90fが充填されている。ボックス60と、第4フランジ部64Aとの間には、接着剤90gが充填されている。光ファイバケーブル21と、第4フランジ部64Aとの間には、接着剤90hが充填されている。すなわち、本実施形態では、第2シール部51Aは、接着材90e〜90hによって、チャンバ11を封止している。接着材90e〜90hは、接着材90a〜90dと同一である。
図11を用いて、第1シール部41Aと、第2シール部51Aとを構成するフランジの具体的な構成について説明する。図11は、第1フランジ部61Aと、第2フランジ部62Aとの構成の一例を示す模式図である。第3フランジ部63Aと、第4フランジ部64Aとは、それぞれ、第1フランジ部61Aと、第2フランジ部62Aと同一の構成なので説明は省略する。
図11に示すように、第1フランジ部61Aにおいて、内周面と、軸方向の端面とには、Oリングを嵌め込むための溝が形成されていない。第1フランジ部61Aの内周面と、軸方向の端面とには、光ファイバケーブル21と、ボックス60との間を封止するための接着材が充填される。第2フランジ部62Aにおいて、内周面と、軸方向の端面とには、Oリングを嵌め込むための溝が形成されていない。第2フランジ部62Aの内周面と、軸方向の端面とには、チャンバ11と、光ファイバケーブル21との間を封止するための接着材が充填される。
本実施形態では、Oリングを用いることなく、光ファイバケーブル21と、ボックス60との間、及びチャンバ11と、光ファイバケーブル21との間を封止している。これにより、各フランジ部にOリングを嵌め込むための溝を形成する必要がなくなるので、コストの観点からより有利となる。
[第3の実施形態]
図12と、図13とを用いて、本発明の第3の実施形態に係る第1シール部41Bと、第2シール部51Bとの構成について説明する。図12は、本発明の第3の実施形態に係る第1シール部41Bと、第2シール部51Bとの構成を示す図である。図13は、第1フランジ部61Bと、第2フランジ部62Bとの構成の一例を示す模式図である。第3フランジ部63Bと、第4フランジ部64Bとは、それぞれ、第1フランジ部61Bと、第2フランジ部62Bと同一の構成なので説明は省略する。
図12に示すように、光ファイバケーブル21において、第1フランジ部61Bと、第2フランジ部62Bとによって締め付けられる箇所には第1円環部品110と、第2円環部品120とが設けられている。第1円環部品110と、第2円環部品120とは、円筒の円環部品を半分にした半割れ形状をした一対の円環部品である。第3の実施形態では、第1シール部41Bにおいて、第1円環部品110と、第2円環部品120とを介して、光ファイバケーブル21が締め付けられる。また、光ファイバケーブル21において、第3フランジ部63Bと、第4フランジ部64Bとで締め付けられる箇所には、第3円環部品130と、第4円環部品140とが設けられている。第3円環部品130と、第4円環部品140とは、円筒の円環部品を半分にした半割れ形状をした一対の円環部品である。第3の実施形態では、第2シール部51Bにおいて、第3円環部品130と、第4円環部品140とを介して、光ファイバケーブル21が締め付けられる。第1円環部品110〜第4円環部品140とは、例えば、接着剤によって光ファイバケーブル21に接着されている。接着材は、蒸気圧の低い、真空用の接着剤を使用することが好ましい。
図13に示すように、第1フランジ部61Bは、第2溝部61bと、ボルト挿入部61−1と、図示しないボルト挿入部とを有する。すなわち、第1フランジ部61Bには、軸方向の端面にはOリングを嵌め込むための溝が設けられているが、内周面にはOリングを嵌め込むための溝が設けられていない。第2フランジ部62Bは、第4溝部62bと、第1ねじ穴部62−1と、第2ねじ穴部62−2とを有する。すなわち、第2フランジ部62Bには、軸方向の端面にはOリングを嵌め込むための溝が設けられているが、内周面にはOリングを嵌め込むための溝が設けられていない。
通常、光ファイバケーブル21の表面は樹脂で覆われている。このため、光ファイバケーブル21の表面には凹凸が存在する。このため、光ファイバケーブル21をフランジで単に締め付けただけでは、表面の凹凸から空気が漏れてしまう恐れがある。そこで、第3の実施形態では、第1フランジ部61Bと、第2フランジ部62Bとで締め付ける箇所において、光ファイバケーブル21の外周を取り囲むように第1円環部品110と、第2円環部品120とが設けられている。また、第3フランジ部63Bと、第4フランジ部64Bとで締め付ける箇所において、光ファイバケーブル21の外周を取り囲むように第3円環部品130と、第4円環部品140とが設けられている。これにより、第1円環部品110〜第4円環部品140は外周面が平坦に形成されているので、各フランジ部と、各円環部品とが密着した状態で、光ファイバケーブル21が締め付けられる。なお、第1円環部品110〜第4円環部品140は、第1の実施形態および第2の実施形態に適用してもよい。
本実施形態では、光ファイバケーブル21の表面に部分的に円環部品を設け、円環部品の上から光ファイバケーブル21の締め付けることで、光ファイバケーブル21と、ボックス60との間、及びチャンバ11と、光ファイバケーブル21との間を封止している。これにより、光ファイバケーブル21の表面に凹凸に起因する空気の漏れを防止することができる。
また、本実施形態では、各フランジ部の内周面にOリングを嵌め込むための溝を形成する必要がなくなるので、コストの観点からより有利となる。
10 レーザ加工装置
11 チャンバ
11a 導入部
12 レーザ発振器
13 シールドガス噴射装置
14 排気装置
15 移動機構
16 制御装置
21 光ファイバケーブル
21a 第1コネクタ
21b 第2コネクタ
22 シールドガス供給配管
23 保護部
30 レーザヘッド
31 レーザ照射ノズル
32 集光レンズ
33 保護窓
41,41A,41B 第1シール部
51,51A,51B 第2シール部
60 ボックス
60a 開口部
61,61A,61B 第1フランジ部
61a 第1溝部
61a−1 第1細溝部
61b 第2溝部
61−1 ボルト挿入部
62,62A,62B 第2フランジ部
62a 第3溝部
62a−1 第2細溝部
62b 第4溝部
62−1 第1ねじ穴部
62−2 第2ねじ穴部
63,63A,63B 第3フランジ部
64,64A,64B 第4フランジ部
71a,71a−1,71a−2 第1Oリング
71b 第2Oリング
72a,72a−1,72a−2 第3Oリング
72b 第4Oリング
73a 第5Oリング
73b 第6Oリング
74a 第7Oリング
74b 第8Oリング
81,82 ボルト
90a,90b,90c,90d,90e,90f,90g 接着剤
110 第1円環部品
120 第2円環部品
130 第3円環部品
140 第4円環部品

Claims (6)

  1. チャンバと、
    前記チャンバの外部に設けられ、レーザ光を発振するレーザ発振器と、
    前記チャンバの内部に設けられ、前記レーザ光を照射するレーザヘッドと、
    前記レーザ発振器と、前記レーザヘッドとを接続する光ファイバケーブルと、
    前記レーザヘッドと、前記光ファイバケーブルとの接続部を覆うボックスと、
    前記ボックスに設けられ、前記ボックスと、前記光ファイバケーブルとの間を封止する半割れ形状の一対の第1シール部と、
    前記光ファイバケーブルを前記チャンバ内に導入するチャンバ壁に設けられ、前記チャンバと、前記光ファイバケーブルとの間を封止する半割れ形状の一対の第2シール部とを備える、レーザ加工装置。
  2. 前記第1シール部及び前記第2シール部は、
    シール面に溝を有する半割れの一対のフランジ部と、
    前記溝に嵌め込まれる半割れの一対のOリングと、を有する、請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記溝には細溝が設けられ、
    前記細溝に充填された接着剤を更に有する、請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記第1シール部及び前記第2シール部は、
    シール面を有する半割れの一対のフランジ部と、
    前記光ファイバケーブルと前記シール面との間に充填される接着剤と、を有する、請求項1に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記一対のフランジ部の合わせ面に充填された接着剤を更に有する、請求項2から4のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記第1シール部によりシールされる前記光ファイバケーブルの部位の外周、及び前記第2シール部によりシールされる前記光ファイバケーブルの部位の外周を取り囲むように設けられる円環部品をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のレーザ加工装置。
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