JP2015076321A - 真空装置 - Google Patents

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【課題】放射線の漏洩を防ぎつつ、容易にベーキングを行うことができる真空装置を提供する。【解決手段】真空装置100は、荷電粒子線または一次放射線を発生させる発生部と、前記荷電粒子線または前記一次放射線が照射されることにより二次放射線を発生させる放射線発生源が配置されている真空室20と、前記放射線発生源で発生した前記二次放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材2と、放射線遮蔽部材2を密閉する密閉容器4と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、真空装置に関する。
鉛は質量数が大きく安価であることから、X線等の放射線の遮蔽部材として広く使用されている。例えば、電子顕微鏡でX線が発生する要因は、試料や絞り等が光軸に挿入され、それらに電子線が照射されることによる。X線の漏洩が懸念される場所としては、電子顕微鏡本体に排気用として設けられた横穴(排気管)が該当する。これは、排気速度を上げるために穴径を大きくしているためであり、X線の遮蔽物が肉厚の薄い排気管のみになることが要因である。
例えば特許文献1の粒子線装置では、排気管からX線が漏洩することを防ぐために、遮蔽板を排気管の真空室側端部に面して設置している。
実開昭54−49856号公報
生物に対して蓄積性をもつ鉛は、人が容易に触れることが可能な場所に配置することは避ける必要がある。排気管における遮蔽部材の設置方法としては、例えば、排気管内面に貼り付けるか、排気管外表面に貼り付けてその上を塗装で保護する方法をとることができる。
電子顕微鏡等の高真空環境を必要とする真空装置では、一般的に、高温のベーキングが必要不可欠である。しかしながら、低融点の鉛は、この高温のベーキングでは融解してしまう場合がある。そのため、鉛を遮蔽部材として用いた場合、例えば遮蔽部材を脱着可能とし、ベーキング時には遮蔽部材を取り外さなければならなかった。仮に、鉛の融点以下にベーキングの温度を下げた場合、数日間にわたる長時間のベーキングが必要となる。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、放射線の漏洩を防ぎつつ、容易にベーキングを行うことができる真空装置を提供することにある。
(1)本発明に係る真空装置は、
荷電粒子線または一次放射線を発生させる発生部と、
前記荷電粒子線または前記一次放射線が照射されることにより二次放射線を発生させる放射線発生源が配置されている真空室と、
前記放射線発生源で発生した前記二次放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材と、
前記放射線遮蔽部材を密閉する密閉容器と、
を含む。
このような真空装置では、放射線遮蔽部材が密閉容器に密閉されているため、放射線の漏洩を防ぎつつ、容易にベーキングを行うことができる。
具体的には、例えば、このような真空装置では、放射線遮蔽部材が熱によって融解しても、融解した放射線遮蔽部材が密閉容器の外にでることがない。したがって、放射線遮蔽部材として融点が低い鉛等を用いても、放射線遮蔽部材を取り外すことなくベーキングを行うことができる。したがって、放射線(二次放射線)の漏洩を防ぎつつ、容易にベーキングを行うことができる。
さらに、例えば、このような真空装置では、放射線遮蔽部材として、粉末状のものを用いることができる。
(2)本発明に係る真空装置において、
前記密閉容器は、
外管と、
前記外管の内側に配置されている内管と、
を有し、
前記放射線遮蔽部材は、前記外管と前記内管との間の密閉空間に充填されていてもよい。
このような真空装置では、例えば密閉容器を、真空室を排気するための排気管として用いることができる。これにより、排気管からの放射線の漏洩を防ぎつつ、容易にベーキングを行うことができる。また、例えば、放射線を遮蔽するための遮蔽板を排気管の真空室側端部に面して設置している場合と比べて、より確実に放射線の漏洩を防ぐことができる。
(3)本発明に係る真空装置において、
前記内管の内側の空間は、前記真空室に連通していてもよい。
このような真空装置では、例えば密閉容器を、真空室を排気するための排気管として用いることができる。したがって、排気管からの放射線の漏洩することを防ぐことができる。
(4)本発明に係る真空装置において、
前記放射線遮蔽部材は、前記荷電粒子線または前記一次放射線の進行方向から見て、環状に設けられていてもよい。
このような真空装置では、例えば放射線(二次放射線)が広がる方向を荷電粒子線または一次放射線の進行方向に制限することができる。
(5)本発明に係る真空装置において、
前記放射線発生源は、前記放射線遮蔽部材の内側に配置されていてもよい。
このような真空装置では、放射線(二次放射線)が広がることを抑えて、より確実に放射線の漏洩を防ぐことができる。
(6)本発明に係る真空装置において、
前記放射線遮蔽部材は、鉛であってもよい。
このような真空装置では、例えば鉛が熱によって融解しても密閉容器の外に出ないため、放射線遮蔽部材を取り外すことなくベーキングを行うことができる。
(7)本発明に係る真空装置において、
前記放射線遮蔽部材の形状は、粉末であってもよい。
このような真空装置では、例えば放射線遮蔽部材の製造を容易化することができる。
(8)本発明に係る真空装置において、
前記放射線遮蔽部材は、タングステン粉末であってもよい。
このような真空装置では、放射線の漏洩を防ぎつつ、容易にベーキングを行うことができる。
(9)本発明に係る真空装置において、
前記密閉容器の材質は、ステンレス鋼、チタン、または、チタン合金であってもよい。
このような真空装置では、放射線の漏洩を防ぎつつ、容易にベーキングを行うことができる。
第1実施形態に係る真空装置を模式的に示す図。 第1実施形態に係る真空装置の排気管を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る真空装置の排気管の製造工程を模式的に示す断面図。 第1実施形態の変形例に係る真空装置の排気管を模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る真空装置を模式的に示す図。 第2実施形態に係る真空装置の放射線遮蔽部材および密閉容器を模式的に示す断面図。 第2実施形態に係る真空装置の密閉容器を光軸の方向から見た図。 第2実施形態の第1変形例に係る真空装置の放射線遮蔽部材および密閉容器を模式的に示す断面図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1 真空装置
まず、第1実施形態に係る真空装置について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る真空装置100を模式的に示す図である。
真空装置100は、真空状態の持つ特性を利用した装置である。ここでは、真空装置100が透過電子顕微鏡(TEM)である例について説明する。
真空装置100は、図1に示すように、発生部10と、真空室20と、試料ホルダー30と、光学系40と、撮像装置50と、排気管60と、を含んで構成されている。
発生部10は、電子線(荷電粒子線)EBを発生させる。すなわち、真空装置100において、発生部10は電子線源である。発生部10としては、例えば、公知の電子銃を用いることができる。
真空室20は、鏡筒22内の空間である。真空室20は、鏡筒22の内壁で区画される空間である。すなわち、鏡筒22は、真空室20を備えた真空容器ともいえる。
真空室20内は、排気管60を介して、排気装置(図示せず)によって排気されている。これにより、真空室20は、真空に保たれている。ここで、真空とは、圧力が大気圧より低い空間状態のことをいう。真空室20には、発生部10、試料ホルダー30の先端部(試料保持部)、光学系40、撮像装置50等が収容されている。
真空室20には、試料ホルダー30の先端部が配置されている。真空室20において、試料ホルダー30に電子線EBが照射されると、X線(二次放射線)が発生する。すなわち、試料ホルダー30は、電子線EBの照射によりX線を発生させる放射線(X線)発生源である。X線は、放射線発生源から放射状に広がる。そして、X線の一部は、排気管60に到達する。
図示はしないが、真空室20に配置されるコンデンサー絞りや、対物絞り、制限視野絞り等の絞りに電子線EBが照射されても、X線が発生する。すなわち、これらの絞りも、X線を発生させる放射線(X線)発生源である。
試料ホルダー30は、試料Sを真空室20内に保持する。試料ホルダー30の先端部には、試料Sを保持するための試料保持部が設けられている。試料ホルダー30に保持された試料Sの真空室20内における位置決めは、試料位置決め装置(ゴニオメーター)32で行う。
光学系40は、試料Sに電子線EBを照射するための照射レンズ42と、試料Sを透過した電子線EBで結像するための結像系を構成している対物レンズ44、中間レンズ46、および投影レンズ48と、を含んで構成されている。
撮像装置50は、結像系(レンズ44,46,48)によって結像された電子顕微鏡像を撮像する。撮像装置50は、例えば、2次元的に配置された固体撮像素子を有するCCDカメラを含んで構成されている。撮像装置50は、電子顕微鏡像を撮像し、この電子顕微鏡像の情報を出力する。
排気管60は、真空室20内を排気するための管である。排気管60は、鏡筒22に接続されている。排気管60は、図示の例では、複数(4つ)設けられており、各レンズ42,44,46,48の近傍に設けられている。排気管60は、真空室20と排気装置(図示せず)とを接続している。排気装置は、排気管60を介して、真空室20を排気している。排気装置は、例えば、イオンポンプ、スクロールポンプ、ターボ分子ポンプ等である。
図2は、真空装置100の排気管60を模式的に示す断面図である。
排気管60は、図2に示すように、放射線遮蔽部材2と、密閉容器4と、を含んで構成されている。
放射線遮蔽部材2は、X線を遮蔽する。放射線遮蔽部材2は、真空室20の放射線発生源で発生したX線が装置の外部に漏洩することを防ぐための部材である。
放射線遮蔽部材2の材質は、例えば、鉛である。鉛は、X線、γ線等の波長の短い電磁波に対して極めて良好な吸収材であり、また加工も容易である。そのため、鉛は、放射線遮蔽部材2の材質として好ましい。放射線遮蔽部材2は、図示の例では、鉛板を円筒状に形成したものである。放射線遮蔽部材2の材質は、X線に対する遮蔽効果が高いものであれば特に限定されず、タングステン、タンタル、その他の重金属等であってもよい。
密閉容器4は、放射線遮蔽部材2を密閉する容器である。密閉容器4は、図2に示すように、外管4aと、外管4aの内側に配置されている内管4bと、を有する。外管4aは、内管4bよりも径が大きい管である。密閉容器4(外管4a、内管4b)の材質は、ステンレス鋼、チタン、またはチタン合金である。密閉容器4(外管4a、内管4b)の材質は、特に限定されず、その他の金属であってもよい。
外管4aと内管4bとの間には、密閉空間が形成される。図示の例では、密閉空間は、外管4aの端部と内管4bの端部とが接合部5a,5bで接合されることで形成されている。接合部5aは、内管4bの真空室20側の端部が外側に延在して外管4aに接合されている箇所である。接合部5bは、外管4aの排気装置側の端部が内側に延在して内管4bと接合されている箇所である。
密閉空間には、放射線遮蔽部材2が充填されている。密閉空間には、放射線遮蔽部材2が、例えば、放射線遮蔽部材2が融解したときに偏りがでない程度に充填されている。放射線遮蔽部材2は、密閉空間に隙間なく充填されていることが望ましい。これにより、より確実にX線の漏洩を防ぐことができる。図示の例では、密閉空間において、内管4bの外面および外管4aの内面に接するように放射線遮蔽部材2が配置されている。
密閉容器4は、例えば、放射線遮蔽部材2が融解したときに、融解した放射線遮蔽部材2が密閉空間から外に出ないように放射線遮蔽部材2を封じ込めている。密閉容器4は、例えば、融解した鉛が密閉空間から外に出ないように放射線遮蔽部材2を密閉している。
排気管60は、鏡筒22に接続されている。図示の例では、排気管60の真空室20側の端部が、鏡筒22に接続管24を介して接続されている。また、排気管60の排気装置側の端部は、フランジ26等を介して、排気装置に接続される。排気管60の内側の空間6、すなわち、内管4bの内側の空間6は、真空室20に連通している。
排気管60の製造方法について図面を参照しながら説明する。図3は、真空装置100の排気管60の製造工程を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、内管4bに円筒状の放射線遮蔽部材2を挿入する。これにより、放射線遮蔽部材2の内側に内管4bが位置する。次に、放射線遮蔽部材2に外管4aを挿入する。これにより、放射線遮蔽部材2の外側に外管4aが位置する。
次に、図2に示すように、外管4aと内管4bとを接合部5a,5bで溶接により接合する。溶接の手法としては、レーザー溶接を用いる。アーク溶接のような手法では外管4aおよび内管4bの温度が上昇し、溶接作業中において放射線遮蔽部材2(例えば鉛)が融解してしまうためである。放射線遮蔽部材2が融解してしまうと、密閉容器4の密閉空間に十分な放射線遮蔽部材2の充填ができない場合や、作業者へ危険が及ぶ場合がある。それに対して、レーザー溶接の場合は、接合部5a,5bが局所的に高温になるのみであり、放射線遮蔽部材2(鉛)を融解させないことができる。そのため、放射線遮蔽部材2を密閉空間に十分に充填することができ、かつ安全である。
真空装置100は、図示の例では、除振機72を介して架台70上に設置されている。
1.2. 真空装置の動作
次に、真空装置100の動作について、図1および図2を参照しながら説明する。
真空装置100では、図1に示すように、発生部10が電子線EBを発生させ、発生し
た電子線EBは、照射レンズ42によって、試料ホルダー30に保持された試料Sに照射される。試料Sを透過した電子は、対物レンズ44、中間レンズ46、投影レンズ48によって結像される。このようにして結像された電子顕微鏡像は、撮像装置50によって撮像される。
ここで、真空室20において、発生部10からの電子線EBが試料ホルダー30に照射されると、試料ホルダー30が放射線発生源となりX線が発生する。このX線は放射状に広がる。真空室20と連通している排気管60にもこのX線が照射されるが、放射線遮蔽部材2によってX線が外部に漏洩することを防ぐことができる。
また、真空装置100では、高い真空度が要求される。そのため、真空装置100では、高温(例えば300℃以上)でのベーキングが必要となる。ここで、ベーキングとは、真空室20の内壁や排気管60を含む排気系の内壁に付着する不純物を熱により離脱させて外部に放出することをいう。
真空装置100では、排気管60を鉛の融点(約327.5℃)以上にベーキングした場合、放射線遮蔽部材2が融解しても、密閉容器4から外に出てくることがない。したがって、真空装置100では、300℃以上の高温でのベーキングが可能となる。
1.3. 特徴
第1実施形態に係る真空装置100では、例えば、以下の特徴を有する。
真空装置100では、放射線遮蔽部材2が密閉容器4に密閉されているため、放射線遮蔽部材2が熱によって融解しても、融解した放射線遮蔽部材2が密閉容器4の外にでることがない。したがって、放射線遮蔽部材2として融点が低い鉛等を用いても、例えば放射線遮蔽部材2を取り外すことなくベーキングを行うことができる。したがって、X線の漏洩を防ぎつつ、容易にベーキングを行うことができる。
さらに、放射線遮蔽部材2が密閉容器4に密閉されているため、放射線遮蔽部材2を直接触れることができない。そのため、安全である。
真空装置100では、密閉容器4は、外管4aと、外管4aの内側に配置されている内管4bと、を有し、放射線遮蔽部材2は、外管4aと内管4bとの間の密閉空間に充填されている。そのため、密閉容器4を、真空室20を排気するための排気管60として用いることができる。これにより、排気管60からのX線の漏洩を防ぎつつ、容易にベーキングを行うことができる。また、例えば、遮蔽板を排気管の真空室側端部に面して設置している場合と比べて、より確実にX線の漏洩を防ぐことができる。
真空装置100では、密閉容器4の内管4bの内側の空間6は、真空室20に連通しているため、例えば密閉容器4を、真空室20を排気するための排気管60として用いることができる。したがって、排気管60からのX線の漏洩を防ぎつつ、容易にベーキングを行うことができる。
真空装置100では、放射線遮蔽部材2の材質は、鉛である。真空装置100では、例えば鉛が熱によって融解しても密閉容器4の外に出ないため、放射線遮蔽部材2として鉛を用いた場合でも、放射線遮蔽部材2を取り外すことなくベーキングを行うことができる。
真空装置100では、密閉容器4の材質は、ステンレス鋼、チタン、またはチタン合金である。これにより、例えば、真空室20において、高い真空度を実現できる。また、X
線の漏洩を防ぎつつ、容易にベーキングを行うことができる。
1.4. 変形例
次に、第1実施形態に係る真空装置100の変形例について説明する。図4は、第1実施形態の変形例に係る真空装置200の排気管60を模式的に示す断面図である。以下、第1実施形態の変形例に係る真空装置200において、上述した第1実施形態に係る真空装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上述した真空装置100では、放射線遮蔽部材2は、図2に示すように、例えば鉛板を円筒状にして密閉容器4に密閉した例について説明した。
これに対し、真空装置200では、放射線遮蔽部材2は、図4に示すように、例えばタングステン粉末である。このタングステン粉末状が密閉容器4に密閉されている。
タングステンは、X線に対する遮蔽効果が高いため、放射線遮蔽部材2の材質として有効である。また、タングステンは融点が高いため、ベーキングによって融解しない。しかしながら、タングステンは、例えば鉛に比べて、加工が困難であり高価である。真空装置200では、放射線遮蔽部材2としてタングステン粉末を用いているため、例えばタングステンの塊を加工して用いる場合と比べて、密閉容器4に密閉するだけで加工の必要がなく、また材料の利用効率もよい。
なお、放射線遮蔽部材2は、タングステン粉末に限定されず、その他の金属の粉末であってもよい。また、放射線遮蔽部材2は、例えば、タングステン粉末の焼結体などの金属の粉末の焼結体であってもよい。
真空装置200では、放射線遮蔽部材2を密閉容器4に密閉することにより、放射線遮蔽部材2として粉末状のものや粉末の焼結体を用いることができる。これにより、例えば放射線遮蔽部材2の製造を容易化することができる。
2. 第2実施形態
2.1. 真空装置
次に、第2実施形態に係る真空装置について図面を参照しながら説明する。図5は、第2実施形態に係る真空装置300を模式的に示す図である。なお、図5では、放射線遮蔽部材2および密閉容器4を簡略化している。
図6は、真空装置300の放射線遮蔽部材2、および密閉容器4を模式的に示す断面図である。図7は、真空装置300の密閉容器4を光軸Aの方向から見た図である。なお、図6は、図7のVI−VI線断面図である。
以下、第2実施形態に係る真空装置300において、上述した第1実施形態に係る真空装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上述した第1実施形態に係る真空装置100では、図1に示すように、放射線遮蔽部材2が排気管60に設けられていた。
これに対して、真空装置300では、図5〜図7に示すように、放射線遮蔽部材2は、電子線EBの進行方向から見て、環状に設けられている。
放射線遮蔽部材2は、真空室20に収容されている。放射線遮蔽部材2は、光軸Aを中心として、環状に設けられている。ここで、光軸Aとは、各レンズ42,44,46,48の中心を結ぶ軸である。電子線EBは、光軸Aに沿って真空室20を進行する。放射線遮蔽部材2は、放射線遮蔽部材2が作る環のなかを電子線EBが通るように設けられている。また、放射線遮蔽部材2の内側(すなわち放射線遮蔽部材2が作る環のなか)には、コンデンサー絞り320の先端部が位置している。すなわち、放射線遮蔽部材2は、コンデンサー絞り320を囲むように設けられている。
放射線遮蔽部材2の形状は、図示の例では、円筒状である。より具体的には、放射線遮蔽部材2の形状は、光軸Aを中心軸とする円筒状である。放射線遮蔽部材2には、コンデンサー絞り320を通すための穴(穴310)が設けられている。この穴は、光軸Aと直交する方向に設けられている。
密閉容器4は、図6および図7に示すように、収容部304aと、蓋部304bと、を有している。収容部304aは、放射線遮蔽部材2を収容するための容器である。密閉容器4の形状は、光軸Aを中心とする円筒状である。収容部304aには、コンデンサー絞り320を通すための穴310が設けられている。穴310は、光軸Aに対して、直交する方向に延びる穴である。穴310は、収容部304aに管310aを通して接合することで形成することができる。
蓋部304bは、収容部304aを封止して、放射線遮蔽部材2を密閉するための部材である。蓋部304bは、収容部304aに放射線遮蔽部材2を充填した(例えば融解した鉛を充填した)後に、レーザー溶接等で収容部304aに接合される。
真空装置300は、コンデンサー絞り320を含んで構成されている。コンデンサー絞り320は、例えば、電子線EBの開き角、照射量を決定するための絞りである。真空室20において、コンデンサー絞り320に電子線EBが照射されると、X線が発生する。すなわち、コンデンサー絞り320は、電子線EBの照射によりX線を発生させる放射線(X線)発生源である。
コンデンサー絞り320は、放射線遮蔽部材2の内側に位置している。コンデンサー絞り320は、放射線遮蔽部材2で囲まれた空間内に配置されている。そのため、電子線EBの照射によりコンデンサー絞り320からX線が発生しても、X線が広がることを防ぐことができ、より確実にX線の漏洩を防ぐことができる。具体的には、放射線遮蔽部材2によって、X線の広がる方向は、光軸A方向および穴310の方向に限定されるため、漏洩の対策が容易である。
2.2. 特徴
第2実施形態に係る真空装置300では、例えば、以下の特徴を有する。
真空装置300では、放射線遮蔽部材2は、電子線EBの進行方向から見て、環状に設けられている。そのため、放射線発生源(コンデンサー絞り320の先端部)から発生したX線が広がる方向を制限することができる。したがって、より確実にX線の漏洩を防ぐことができる。
真空装置300では、放射線発生源(コンデンサー絞り320の先端部)は、放射線遮蔽部材2の内側に配置されている。そのため、X線が広がることを抑えて、より確実にX線の漏洩を防ぐことができる。
2.3. 変形例
次に、第2実施形態に係る真空装置300の変形例について説明する。
(1)第1変形例
図8は、第2実施形態の第1変形例に係る真空装置400の放射線遮蔽部材2、および密閉容器4を模式的に示す断面図である。以下、第2実施形態の第1変形例に係る真空装置400において、上述した第2実施形態に係る真空装置300の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
上述した真空装置300では、放射線遮蔽部材2は、図6に示すように、例えば鉛を融解して密閉容器4に密閉した例について説明した。
これに対し、真空装置300では、放射線遮蔽部材2は、例えばタングステン粉末である。このタングステン粉末状が密閉容器4に密閉されている。
なお、放射線遮蔽部材2は、タングステン粉末に限定されず、その他の金属の粉末であってもよい。また、放射線遮蔽部材2は、例えば、タングステン粉末の焼結体であってもよい。
真空装置400では、放射線遮蔽部材2を密閉容器4に密閉することにより、放射線遮蔽部材2として粉末状のものや粉末の焼結体を用いることができる。これにより、例えば放射線遮蔽部材2の製造を容易化することができる。
(2)第2変形例
上述した真空装置300の例では、図5〜7に示すように、コンデンサー絞り320を囲むように放射線遮蔽部材2を設ける場合について説明したが、放射線遮蔽部材2を、対物絞りや、制限視野絞り等のその他の絞りを囲むように設けてもよい。また、例えば、鏡筒22の内壁の全面に放射線遮蔽部材2を設けてもよい。このような場合にも、真空装置300と同様の作用効果を奏することができる。
3. その他の実施形態
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施形態および変形例では、本発明に係る真空装置が透過電子顕微鏡である場合について説明したが、本発明に係る真空装置はこれに限定されず、真空状態の持つ特性を利用した装置であればよい。本発明に係る真空装置は、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)、電子線マイクロアナライザー(EPMA)であってもよい。
また、例えば、上述した実施形態および変形例では、本発明に係る真空装置の発生部10が電子線を発生させる場合について説明したが、発生部10は、イオン化された原子や分子を含む荷電粒子線を発生させてもよい。
また、例えば、発生部10は放射線(一次放射線)を発生させてもよい。ここで放射線とは、例えば、紫外線、X線、γ線等のその経路の媒質において電離・励起をもたらす電磁波をいう。すなわち、本発明に係る真空装置は、例えば、蛍光X線分析装置であってもよい。
また、例えば、本発明に係る真空装置は、分析装置に限定されず、加工装置であってもよい。すなわち、本発明に係る真空装置は、例えば、イオンビームを用いて加工を行う集束イオンビーム装置(FIB装置)であってもよい。
また、例えば、上述した実施形態および変形例では、放射線発生源がX線を発生させる場合について説明したが、放射線発生源は、発生部10が発生させる荷電粒子線や放射線が照射されることにより発生する放射線(二次放射線)であれば特に限定されない。このような放射線としては、例えば、γ線、β線、α線等の電離放射線が挙げられる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…放射線遮蔽部材、4…密閉容器、4a…外管、4b…内管、5a…接合部、5b…接合部、6…空間、10…発生部、20…真空室、22…鏡筒、24…接続管、26…フランジ、30…試料ホルダー、40…光学系、42…照射レンズ、44…対物レンズ、46…中間レンズ、48…投影レンズ、50…撮像装置、60…排気管、70…架台、72…除振機、100,200,300…真空装置、304a…収容部、304b…蓋部、310…穴、310a…管、320…コンデンサー絞り、400…真空装置

Claims (9)

  1. 荷電粒子線または一次放射線を発生させる発生部と、
    前記荷電粒子線または前記一次放射線が照射されることにより二次放射線を発生させる放射線発生源が配置されている真空室と、
    前記放射線発生源で発生した前記二次放射線を遮蔽する放射線遮蔽部材と、
    前記放射線遮蔽部材を密閉する密閉容器と、
    を含む、真空装置。
  2. 請求項1において、
    前記密閉容器は、
    外管と、
    前記外管の内側に配置されている内管と、
    を有し、
    前記放射線遮蔽部材は、前記外管と前記内管との間の密閉空間に充填されている、真空装置。
  3. 請求項2において、
    前記内管の内側の空間は、前記真空室に連通している、真空装置。
  4. 請求項1において、
    前記放射線遮蔽部材は、前記荷電粒子線または前記一次放射線の進行方向から見て、環状に設けられている、真空装置。
  5. 請求項4において、
    前記放射線発生源は、前記放射線遮蔽部材の内側に配置されている、真空装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記放射線遮蔽部材の材質は、鉛である、真空装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、
    前記放射線遮蔽部材の形状は、粉末である、真空装置。
  8. 請求項7において、
    前記放射線遮蔽部材は、タングステン粉末である、真空装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、
    前記密閉容器の材質は、ステンレス鋼、チタン、またはチタン合金である、真空装置。
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