JP2019153807A - ヒータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒータ板の冷却効果を高める。【解決手段】基板に対して接続材を通じて接続対象を接続するためのヒータにおいて、前記接続対象を吸着する吸着エア用の第1流路と、加熱された前記接続材を冷却する冷却エア用の第2流路と、を有する取付台座と、前記取付台座に設けられ前記第2流路からの前記冷却エアが通る流路を有する断熱台座と、前記断熱台座に設けられたヒータ板であって、前記接続材を溶着するための発熱体と、前記断熱台座の側の面に設けられ前記断熱台座へ向かって突出した凸部と、を有するヒータ板と、を備えたヒータ。【選択図】図3

Description

本発明は、ヒータに関し、特に、バンプ溶着等のための半導体チップボンディング用のヒータに関する。
特許文献1には、多数の冷却フィンが吸着ツールの板状部の下面に突設された半導体チップボンディング用ヘッドが開示されている。特許文献1に開示された半導体チップボンディング用ヘッドは、吸引孔を有する吸着ツールによって半導体チップを吸着して保持し、ヒータ板によって吸着ツールを介して半導体チップを加熱する。
その後に、加熱された半導体チップが実装基板上の所定実装箇所に押圧され、半導体チップに設けられたバンプと、実装基板に設けられたはんだ層と、が溶融する。次いで、吸着ツールに形成された冷却風通路に冷風が供給され、溶融した半田が冷却され凝固する。
特開2003−303856号公報
しかし、この種のヒータは、熱源である発熱体によって直接的に加熱される部位はヒータ板である。したがって、発熱体をオフした後は、ヒータ板のように、伝熱における上流を効果的に冷却することが必要である。それにもかかわらず、特許文献1に開示されたものは冷却対象が半田であり、伝熱における下流を冷却していることになるから、冷却効果は限定的である。
そこで、本発明は、上記不都合を回避すべく、ヒータ板の冷却効果を高めることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のヒータは、
基板に対して接続材を通じて接続対象を接続するためのヒータにおいて、
前記接続材を溶着するための発熱体と、
前記発熱体によって加熱された接続材を冷却する冷却エア用の流路と、
前記冷却エアが通る流路を有する断熱台座と、
前記断熱台座に対向配置されたヒータ板と、を備え、
前記ヒータ板と前記断熱台座との対向面における冷却エアの流路に複数の凹凸部が形成されている。
さらに、前記複数の凹凸部は、所定のパターンに基づいて配置されているとよい。そして、前記複数の凹凸部は、千鳥状に配置されているとよい。
本発明の実施形態のヒータを模式的に示す斜視図である。 図1の分解図である。 図1に表した切断面A−Aにおける断面図である。 本実施形態のヒータ板の模式的な平面図である。 図1に示すヒータについての測定結果を示す図である。 本発明の実施形態2に係るヒータ板40の断熱台座20から見た斜視図である。 図6に示すヒータ板40のA−Aでの断面図である。 図6に示すヒータ板40の表面温度の測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1のヒータを模式的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態のヒータは、以下説明する、取付台座10と、断熱台座20と、ヒータ板40と、締結部材50と、中空ボルト80とに大別される。
取付台座10は、フリップチップボンダの可動台に対して、ヒータ本体を取り付けるものである。取付台座10は、例えば、ステンレス製(SUS303,304,316等)、チタン製、又は、スーパーインバー製とすることができる。一例を挙げると、取付台座10は、32mm×49mm×22mmというサイズとすることができる。
取付台座10には、図示しない半導体チップ(接続対象)を吸着する吸着エアの流路11が形成されている。また、取付台座10には、ヒータ板40を冷却する冷却エアの流路13が形成されている。
なお、発熱体をオンすることによって、取付台座10と断熱台座20との熱膨張係数の相違によって発生した空隙への冷却エアのリークを防止するために、これらの間にワッシャを設けてもよい。ワッシャは、例えばシリコン製、テフロン(登録商標)製、ポリイミド製とすることができる。
また、中空ボルト80と断熱台座20との間に吸着エアが漏れることを防止するために、これらの間に円環を設けてもよい。円環は、例えば、ステンレス製(SUS314,316等)とすることができる。
断熱台座20は、発熱体からの熱を遮断するものである。断熱台座20は、例えば、アドセラム製、ムライト製、マセライト製とすることができる。一例を挙げると、断熱台座20は、36mm×49mm×14mmというサイズとすることができる。断熱台座20の内部には、取付台座10の流路13に接続される図示しない冷却エアの流路が形成されている。断熱台座20は、例えばボルトやネジなどの締結部材50により取付台座10に固定される。
断熱台座20のヒータ板40側の面には、冷却エアの流路を構成する溝21(図4)が形成されている。溝21は、断熱台座20に形成されている冷却エアの流路13と接続されている。溝21を冷却エアが通ることで、ヒータ板40が冷却され、伝熱により以下の導電性ボンディング材と基板との接合部が冷却固化される。
ヒータ板40は、所望の形態で、発熱体がプリントされており、発熱体からの熱を金属バンプ又は半田バンプなどの導電性ボンディング材及び基板に対して均一に伝熱するためのものである。ヒータ板40は、例えば、窒化アルミニウム製、窒化珪素製、アルミナ製、炭化珪素製とすることができる。一例を挙げると、ヒータ板40は、32mm×32mm×1.5mmというサイズとすることができる。
また、ヒータ板40には、中空ボルト80が通される孔が形成されている。この孔は、中空ボルト80の中空部を通じて半導体チップを吸着する吸着エアの流路11に接続されている。したがって、ヒータ板40に対して、選択的にアタッチメントツールを介して、半導体チップを位置合わせした状態でエア吸着をすれば、ヒータによって半導体チップを搬送することが可能となる。
なお、ヒータ板40にプリントタイプの発熱体を形成するのではなく、ヒータ板40に発熱体自体を備えるようにしてもよい。
中空ボルト80は、断熱台座20とヒータ板40とを接続するものである。中空ボルト80は、例えば、チタン製、コバール製、モリブテン製、タングステン製、クロム製といった、熱膨張係数が小さい値のもの(おおよそ、3.0×10−6〜10.0×10−6)とすることができる。
一例を挙げると、中空ボルト80は、φ1.4×10mmというサイズとすることができる。例えば、中空ボルト80は、その軸心周辺が貫通した中空構造とされており、そこを吸着エアが通るように構成されている。なお、中空部分は、0.4φ〜0.5φ程度とすることができる。
なお、本実施形態のヒータでは、中空ボルト80に代えて、中空構造とされていないボルトを用いることもできる。ヒータは、吸着エアの流路11に接続された流路を有し、その流路を通じてエア吸着を行い、半導体チップを吸着することができればよい。
本実施形態のヒータは、図示しない、電極と、リード線と、抑え金具と、をさらに備える。電極は、発熱体を通電によってオンさせるもの、すなわち、発熱体を昇温させるものである。リード線は、電極と発熱体とを接続するものである。抑え金具は、リード線の位置を規定するためのものである。
本実施形態のヒータは、図示しない調整板を取り付けることもできる。この調整板は、ヒータに対して着脱可能であり、断熱台座20に形成された溝21を通過した冷却エアの向きを規定するものである。調整板をヒータに対して取り付けていない場合には、冷却エアは、断熱台座20の面方向に進行することになる。一方、調整板をヒータに対して取り付けている場合には、断熱台座20の面方向に進行した後に、調整板のエア受け面で受けられ、その角度に応じた方向に進行することになる。
なお、上記の各部のサイズは、一例として挙げていることからも明らかなように、ヒータ全体のサイズに応じて適宜変更されるものである。
図2は、図1に示すヒータ板40の断熱台座20との対向面の模式図である。図3は、図2のB部分の拡大図である。図2及び図3に示すように、ヒータ板40には凸部43が設けられている。凸部43は、ヒータ板40の冷却効果を高めるものである。
凸部43は、ヒータ板40に全面的に設けてもよいが、必ずしもその必要はなく、断熱台座20との対向面であって、少なくとも断熱台座20の溝21に対応する位置にのみ設ければよい。各凸部43は、冷却エアに渦流或いは乱流を発生させる条件で設けられていればよく、その形状は、例えば半球状、立方体状、直方体状、円筒状、角筒状などとすることができるし、これらを適宜組み合わせたものとすることもできる。
また、本明細書では、ヒータ板40に凸部43を形成することには、当該面を梨地状とすることも含まれるものとする。係る場合には、冷却エアに渦流或いは乱流を発生させることができない場合もあろうが、それでも、ヒータ板40の断熱台座20との対向面の表面積を増加させることができるので、その分、ヒータ板40の冷却効率は高まる。
また、各凸部43は、半球状の物の場合には、最大径を例えばφ0.05mm〜φ3.00mm、高さを0.02mm〜φ1.00mm、隣接する凸部までのピッチを0.16mm〜φ1.60mmというサイズとすることができる。
また、各凸部43を設けることに代えて同様の機能を実現できる条件の複数の凹部を設けてもよいし、又は、これらに代えて或いはこれらとともに、断熱台座20の溝21に複数の凹部又は凸部を設けてもよい。こうして、冷却エアに渦流或いは乱流を発生させてもよい。以上をまとめると、本実施形態では、ヒータ板40と断熱台座20との対向面における冷却エアの流路(溝部21を含む)に、複数の凹凸部を形成している。
なお、図2及び図3には、複数の凸部43は、千鳥状に配列されている例を示しているが、格子状に配列されていてもよいし、ハニカム状に配列されていてもよい。ヒータ板40は、これに限定されるものではないが、凸部43も一体的にモールド成形によって製造すればよい。
図4は、図1のA−A断面の一部を示す図である。図4には、既述のヒータ板40と断熱台座20との断面が示されている。また、図4には、断熱台座20の溝21も示されている。
図4を参照しつつ、本実施形態のヒータの加熱/冷却の工程について説明する。まず、ヒータの加熱工程では、フリップチップボンダの可動台に取り付けられたヒータは、吸着エアによって半導体チップを吸着する。具体的には、吸着エアは、中空ボルト80の中空部分、断熱台座20に設けられた吸着エアの流路、及び、取付台座10に設けられた吸着エアの流路11を通じて、図示しない吸着ポンプによって引かれる。
本実施形態のヒータのように、吸着エアが中空ボルト80の中空部分を通る場合には、冷却エアが吸着エアと混在することがなくなる。半導体チップは、ヒータによって吸着された状態で、その取付対象である基板に向けて搬送される。基板には、既知のように、導電性ボンディング材(接続材)が形成されており、その基板に対して位置合わせされる。
それから、電極及びリード線によってヒータの発熱体がオンされ、例えば、発熱体は400℃〜450℃程度まで昇温される。以上のヒータの加熱工程は、既知の手法である。
つぎに、ヒータの冷却工程について説明する。上記加熱工程によって金属バンプ等(接続材)が溶解された後には、吸着エアによって半導体チップを吸着した状態で、冷却エアが供給される。
その後、冷却エアは、取付台座10に形成されている冷却エアの流路13、及び、断熱台座20に形成されている冷却エアの流路を通じ、断熱台座20に形成されている溝21に到達する。そして、この冷却エアは、ヒータ板40を通じて半導体チップ、導電性ボンディング材及び基板を冷却することになる。つまり、冷却エアが断熱台座20に設けられた溝21を流れることにより、ヒータ板40の断熱台座20との対向面が冷却される。
冷却エアは、断熱台座20に設けられた溝21を流れる際に、ヒータ板40に設けられた凸部43に当たる。そうすると、断熱台座20の溝21を流れる冷却エアの流れが変わり、冷却エアは、溝21内を攪拌されながら進むことになる。換言すると、凸部43によって、断熱台座20の溝21を流れる冷却エアは、渦流或いは乱流となる。そうすると、冷却エアの下流でも、相対的に低温の冷却エアがヒータ板40に到達することになるので、冷却効果が高まる。
また、凸部43が設けられていないヒータ板を用いる場合と比較して、ヒータ板40の断熱台座20との対向面の表面積は、凸部43の分だけ大きくなる。これだけでも、冷却エアとヒータ板40との接触面積の増加による、ヒータ板40の冷却効果が高まる。
図5は、図1に示すヒータ板40の表面温度の測定結果を示す図である。また、図5には、比較のため、凸部43を設けていないヒータ板の表面温度も示している。なお、ここでは、冷却エアの流量を100NL/minとしている。
まず、発熱体をオンすると、僅か数秒のうちに、ヒータ板40の表面温度は約450℃に到達する。それから、約10秒間、発熱体のオン状態を維持する。
その後に、発熱体をオフするとともに、冷却エアの吹出しを開始する。この結果、冷却エアの流量が約100NL/minまで増加し、その状態が保持される。また、冷却エアにより、ヒータ板40の表面温度が低下する。
ここで、比較例のヒータの場合には、発熱体をオフしてからヒータ板40の表面温度が約100℃に低下するまでの時間は、約10秒間である。これに対して、本実施形態のヒータの場合には、発熱体をオフしてからヒータ板40の表面温度が約100℃に低下するまでの時間は、約4秒間である。
このように、本測定においては、凸部43がヒータ板40の断熱台座20の対向面に設けられている場合には、凸部が設けられていない場合と比較して、ヒータ板40の表面温度が約450℃から約100℃に低下するまでの時間を約2秒間短縮することができる。換言すると、本実施形態のヒータは、冷却時間を約20%短縮することができる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2に係るヒータ板40の断熱台座20から見た斜視図である。図7は、図6に示すヒータ板40のA−Aでの断面図である。本実施形態のヒータ板40は、内部に断熱台座20側の面からその反対面に向けて形成されていて断熱台座20の溝21に接続されている複数の冷却エアの流路43と、複数の流路43と一体的に形成されていて各流路43と直交する向きに向かってヒータ板40の側面まで延びる複数の冷却エアの流路47とが形成されている。
なお、本実施形態の場合には、断熱台座20には、図4に示すような溝41を形成する必要はなく、図6の流路43に対応する位置に冷却エアの流路を形成することも可能である。
図6に示すように、一例を挙げると、ヒータ板40には、例えば10個の流路47が全体的に設けられていて、流路43は5個の流路47に対してそれぞれ設けられている。これらの数は例示であり、これよりも多くても少なくてもよいが、ヒータ板40が均一的に冷却されるように、全体的に設けられているとよい。
また、一例を挙げると、ヒータ板40の厚さが1.5mm〜2.5mm程度というサイズとしたたきに、冷却エアの流路47の径は、ヒータ板40の厚さの1/4倍〜1/2倍程度というサイズとすることができる。もっとも、冷却エアの流路47の径は、冷却エアの流路47の数に応じて選択すればよい。
本実施形態のヒータ板40は、これに限定されるものではないが、図7における上側半分と下側半分とを各々製造し、それらを張り合わせることによって組み立てるとよい。
冷却エアは、取付台座10に形成されている流路13及び断熱台座20に形成されている流路を通じ、断熱台座20に形成されている溝21に到達する。その後、冷却エアは、溝21から流路43に向かい、流路47を通じて、ヒータ板40の外部に排出される。
これにより、溝21まで到達した冷却エアによって、ヒータ板40がその表面(断熱台座20側の面)から冷却され、さらに、ヒータ板40の内部に設けられている流路43及び流路47を流れていく冷却エアによって、ヒータ板40が内部から冷却されるので、ヒータ板40の冷却効果が高く、ひいては、半導体チップ、導電性ボンディング材及び基板を早期に冷却することにつながる。
また、本実施形態のようにヒータ板40の内部に流路43及び流路47を設けている場合には、実施形態1のようにこれらが設けられていない場合に比して、冷却エアの流路の出口の面積が広いので、多くの流量の冷却エアを流すことが可能となり、この点からも、ヒータ板40の冷却効果を高められる。
図8は、図6に示すヒータ板40の表面温度の測定結果を示す図であり、図5に対応するものである。発熱体をオンしてから約10秒間、そのオン状態を維持する点は、図5の場合と同様である。
その後に、発熱体をオフするとともに、冷却エアの吹出しを開始する。このなお、冷却エアの供給量は、実施形態1と同条件とした。冷却エアにより、ヒータ板40の表面温度が低下する。
本実施形態のヒータの場合には、発熱体をオフしてからヒータ板40の表面温度が約100℃に低下するまでの時間は、約4.5秒間である。このように、本測定においては、ヒータ板40に流路43,47が設けられている場合には、そうでない場合と比較して、ヒータ板40の表面温度が約450℃から約100℃に低下するまでの時間を約5.5秒間も短縮することができる。換言すると、本実施形態のヒータは、冷却時間を約65%も短縮することができる。
以上、本発明の実施形態1,2のヒータについて説明したが、実施形態1,2を組み合わせたものを用いてもよい。すなわち、凸部43を有し、かつ、流路43,47が設けられているヒータ板を用いてもよい。
10 取付台座
11、13 流路
20 断熱台座
21 溝
40 ヒータ板
41 孔
43 凸部
50 締結部材
80 ボルト

Claims (5)

  1. 基材と接続対象との間に位置する接続材を溶着してこれらを接続した後に、前記接続材を冷却する冷却エアが通る流路を有する断熱台座を備えるヒータに対して、前記断熱台座に対向配置されるヒータ板であって、
    前記断熱台座との対向面となる面には、前記冷却エアの流路に半球状、立方体状、直方体状、円筒状、角筒状又はこれらを組み合わせた複数の凸部が形成されている、ヒータ板。
  2. 前記接続対象との対向面となる面には、前記断熱台座との接続をする締付具の頭部を受ける凹部が形成されている、請求項1記載のヒータ板。
  3. 前記流路に対応する位置から側面にかけて形成された前記冷却エアの流路を備える、請求項1記載のヒータ板。
  4. 前記溶着時の熱を伝熱する発熱体がプリントされている、請求項1記載のヒータ板。
  5. 前記凸部は、千鳥状、格子状、又は、ハニカム状に配列されている、請求項1記載のヒータ板。

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