JP2019153407A - コネクタ嵌合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】雄端子の挿入時における挿入力の低減を図りつつも、嵌合後における棒状部の動きを好適に規制することが可能なコネクタ嵌合構造を提供する。【解決手段】コネクタ嵌合構造は、雄端子10を収容した第1コネクタ100と、筒部21及び樋部22を電気接続部Eとして有する雌端子20を収容した第2コネクタと、雌端子に取り付けられて雌端子と共に第2コネクタに収容される弾性部材30とを備えている。雌端子は複数のインデント部を有し、弾性部材30は、リング又は半リング形状の基部と、基部から片持ち状に延びると共に片持ちの他端32aが半リング形状の基部31よりも径方向に広がって配置される複数の板バネ32とを有し、第1コネクタ100は、第2コネクタが嵌合されるに従って、片持ち状に延びる複数の板バネ32の他端32aが接触して、複数の板バネ32を筒部21の内側方向に撓ませるための傾斜面102を有する。【選択図】図11
Description
本発明は、コネクタ嵌合構造に関する。
従来、円柱形状の棒状部を有する雄端子を収容した第1コネクタと、雄端子の棒状部が挿入される円筒部を有する雌端子を収容した第2コネクタと、雌端子の円筒部内に組み込まれた弾性部材とを備えたコネクタ嵌合構造が提案されている。この嵌合構造は、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合時に雄端子の棒状部が雌端子の円筒部に挿入され、挿入された雄端子の棒状部を弾性部材の弾性力により雌端子の円筒部内に保持する構造となっている。この嵌合構造において、弾性部材は、同軸上に配置された2つのリング部材と、2つのリング部材を接続し内側に湾曲して周状に配列された複数の板バネとを備えて構成されている。雄端子の棒状部は、雌端子の円筒部内に挿入された結果、弾性部材の複数の板バネによって円筒部の中心軸側に付勢された状態で保持される。
しかし、この構造では、複数の板バネの押圧力を超える振動が発生した場合に、雌端子に対する雄端子の相対的な動きを抑制できず、端子間の接点摺動を引き起こし、ひいては接点摩耗による抵抗値の増大を招いてしまう。
そこで、特許文献1に記載の構造が提案されている。この構造において、雌端子は、円筒部の内壁のうち、一側(雌端子の後端に設けられるバレルの開放側)から内側に突出した複数のインデント部を備えている。具体的に複数のインデント部は、円筒部内の先端側の一側に設けられた2つのインデント部と、後端側の一側に設けられた2つのインデント部とからなる。また、弾性部材は、半周状のみに複数の板バネを有し、雄端子の棒状部を、複数のインデント部が設けられる円筒部の一側に付勢するようになっている。インデント部は弾性力を有しないことから、雄端子の棒状部の動きをインデント部で規制することができ、接点摺動による抵抗値の増大のおそれを低減することができる。
しかし、特許文献1に記載の構造は、複数のインデント部がくさび効果を発揮して挿入力が高くなってしまう。特に、棒状部が弾性部材と複数のインデント部との双方に接触し始めるコネクタ嵌合の初期において挿入力がピークとなり、過大な挿入力が必要となってしまう。
一方で、板バネの押圧力を小さくすることで挿入力の低減を図ることができるが、この場合には、雄端子の嵌合後において雄端子の棒状部の動きを規制し難くなってしまう。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、雄端子の挿入時における挿入力の低減を図りつつも、嵌合後における棒状部の動きを好適に規制することが可能なコネクタ嵌合構造を提供することにある。
本発明に係るコネクタ嵌合構造は、円柱形状の棒状部を有する雄端子を収容した第1コネクタと、前記雄端子の前記棒状部が挿入される筒部、及び、前記筒部の先端側に設けられた樋形状の樋部を電気接続部として有する雌端子を収容した第2コネクタと、前記雌端子の前記筒部内に取り付けられて前記雌端子と共に前記第2コネクタに収容され、前記第1及び第2コネクタが嵌合されて前記雄端子の前記棒状部が前記雌端子の前記筒部に挿入された場合において、前記雄端子の前記棒状部を前記樋部に付勢する弾性部材と、を備え、前記雌端子は、正面視して、前記第1及び第2コネクタの嵌合状態において前記電気接続部のうち前記弾性部材の付勢力を正対して受ける箇所を挟んだそれぞれの領域から内側に突出した複数のインデント部を有し、前記弾性部材は、リング又は半リング形状の基部と、前記基部から前記雌端子の先端側に向けて片持ち状に延びると共に片持ちの自由端が前記基部よりも径方向に広がって配置される複数の板バネと、を有し、前記第1コネクタは、前記第2コネクタが嵌合されるに従って、片持ち状に延びる前記複数の板バネの自由端が接触して、前記複数の板バネを前記筒部の内側方向に撓ませるための傾斜面を有することを特徴とする。
本発明に係るコネクタ嵌合構造によれば、弾性部材は、自由端がリング又は半リング形状の基部よりも径方向に広がって配置される複数の板バネを有し、第1コネクタは、嵌合されるに従って、片持ち状に延びる複数の板バネの自由端が接触して、複数の板バネを筒部の内側方向に撓ませるための傾斜面を有する。このため、第1及び第2コネクタの嵌合過程の初期においては、複数の板バネを棒状部に接触させず又は接触しても比較的弱い力で棒状部を押圧するようにできる。よって、従来発生していたコネクタ嵌合の初期における挿入力のピークを回避することができる。また、第1及び第2コネクタの嵌合状態において、複数の板バネは比較的強い力で棒状部を押圧するようにできる。このため、複数の板バネの反力と複数のインデント部とにより、くさび効果を利用してより強く棒状部を保持することができる。従って、雄端子の挿入時における挿入力の低減を図りつつも、嵌合後における棒状部の動きを好適に規制することができる。
また、本発明に係るコネクタ嵌合構造において、前記第1コネクタは、前記傾斜面に連続しコネクタ挿入方向と平行となる規制面を有し、前記規制面は、前記第1及び第2コネクタの嵌合状態において前記複数の板バネの自由端が接することが好ましい。
このコネクタ嵌合構造によれば、規制面を有するため、複数の板バネの自由端が傾斜面に接したままとなり、板バネの力によって第1コネクタに対して抜け方向の力が作用してしまう事態を防止することができる。
また、本発明に係るコネクタ嵌合構造において、前記雌端子は、前記筒部の後端面から後端側に向かって突出すると共に先端が前記筒部の内側に折れ曲がった折れ曲がり部を有する鉤部材を有し、前記弾性部材は、その後端が前記鉤部材の折れ曲がり部に接触又は近接することが好ましい。
このコネクタ嵌合構造によれば、弾性部材の後端が鉤部材の折れ曲がり部に接触又は近接するため、弾性部材に対して雌端子の後端側への力が加わったとしても、弾性部材の後端が折れ曲がり部に接触して、これを食い止めるように機能する。よって、弾性部材を後端側に外れ難くすることができ、弾性部材の雌端子への組付性を向上させることができる。
本発明によれば、雄端子の挿入時における挿入力の低減を図りつつも、嵌合後における棒状部の動きを好適に規制することが可能なコネクタ嵌合構造を提供することができる。
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係るコネクタ嵌合構造を示す図であり、図1は斜視図を示し、図2は断面図を示している。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るコネクタ嵌合構造1は、第1コネクタ100と、第2コネクタ200とを備えている。第1コネクタ100は、樹脂製のハウジング101を有し、ハウジング101内に雄端子10を収容するものである。第2コネクタ200についても、第1コネクタ100と同様に、樹脂製のハウジング201を有し、ハウジング201内に雌端子20を収容するものである。なお、雌端子20には、弾性部材30が取り付けられる。これらのコネクタ100,200が嵌合させられると、それぞれの内部に収容される雄端子10と雌端子20とが電気的に接続される。なお、各端子10,20が各コネクタ100,200に収容される構造は、インサート成形、ロック嵌合など、コネクタ100,200に対する位置が定まるものであれば、特に限定されるものではない。
図3は、図1及び図2に示した雄端子10を示す斜視図である。図3に示すように、雄端子10は、導電性を有した金属材料で形成され、いわゆる丸ピン型の端子である。この雄端子10は、円柱形状の棒状部11と、棒状部11に連設され他の導体部と共にボルト締めされる締結部12とを有している。なお、雄端子10は、締結部12に代えて電線等の導体部が圧着されるバレル部などを備えていてもよい。
棒状部11の外周径は、雌端子20の筒部(後述する符号21)の内径よりも小さくされており、第1及び第2コネクタ100,200の嵌合時において棒状部11は当該筒部に挿入される。棒状部11の先端11aは、テーパ形状になっており、筒部内への挿入が円滑に行われるようになっている。
図4は、図1及び図2に示した雌端子20を示す斜視図である。図4に示すように、雌端子20は、導電性を有した金属材料で形成され、雄端子10の棒状部11が挿入される筒部21と、筒部21の先端側に設けられた樋形状の樋部22と、筒部21の後端側に連設され電線等の導体部が圧着されるバレル部23とを有している。なお、雌端子20は、バレル部23に代えて雄端子10と同様の締結部などを備えていてもよい。また、雌端子20は、筒部21と樋部22とによって電気接続部Eを構成する。
雌端子20は電気接続部Eの内壁から筒部21の内側方向に突出した複数のインデント部E1,E2を備えている。複数のインデント部E1,E2は、例えば打ち出し加工によって形成されるものであって、雌端子20の先端側の下方に形成される先端側インデント部E1と、雌端子20の後端側の下方に形成される後端側インデント部E2とを備えて構成されている。
ここで、後述するように弾性部材30は複数の板バネ32を備えており、コネクタ嵌合時においてこれら板バネ32の合力(付勢力)は下方中央部Cに向かう。このため、図4に示す電気接続部Eの下方中央部Cは、付勢力を正対して受ける箇所となる。先端側インデント部E1は、このような下方中央部Cを挟んだそれぞれの領域に形成されている。すなわち、先端側インデント部E1は、正面視して中央部Cを挟む右側領域ARに1つ、左側領域ALに1つの計2つ設けられている。同様に、後端側インデント部E2についても、右側領域ARに1つ、左側領域ALに1つの計2つ設けられている。なお、後端側インデント部E2は、先端側インデント部E1よりも周方向に幅広に形成されている。
図5は、図1及び図2に示した弾性部材30を示す斜視図である。図5に示す弾性部材30は、雌端子20の筒部21内に取り付けられる導電性又は非導電性の金属や樹脂等の材料で構成された部材である。この弾性部材30は、筒部21内に取り付けられて雌端子20と共に第2コネクタ200に収容される。このような弾性部材30は、筒部21内の上方(図4に示す樋部対向側)に取り付けられ、第1及び第2コネクタ100,200が嵌合されて雄端子10の棒状部11が雌端子20の筒部21内に挿入された場合において、弾性力により棒状部11を樋部22側(特に下方中央部C)に付勢して保持するようになっている。
詳細に弾性部材30は、半リング形状の基部31と、一端が基部31に接続され他端が自由端となった複数の板バネ32とを備えて構成されている。複数の板バネ32は基部31から雌端子20の先端側に向けて延びており、片持ちの自由端となる他端が半リング形状の基部31よりも径方向に広がって配置されたものとなっている。また、各板バネ32は、一端と他端(自由端)とを結ぶ直線に対してやや筒部21の内側に湾曲した構造となっている。
筒部21に雄端子10の棒状部11が挿入された場合、後述するように、複数の板バネ32の他端が筒部21の内側に向けて撓み、棒状部11を複数のインデント部E1,E2側に押し付けることとなる。これにより、本実施形態に係るコネクタ嵌合構造1は、強固な保持力を実現するようになっている。なお、本実施形態において複数のインデント部E1,E2は、図4に示すように、先端が筒部21の外側に凸となる曲面構造となっている。
図6は、図1及び図2に示した第1コネクタ100の斜視図であり、図7は、図6のVII−VII断面図である。なお、図6及び図7においては、第1コネクタ100の端子収容室の詳細を省略して図示するものとする。
図6及び図7に示すように、第1コネクタ100は、雄端子10を収容する収容空間Sが形成されると共に、傾斜面102と、規制面103とが形成されている。傾斜面102は、コネクタ挿入方向に対して傾斜する面であって、半筒状(第1コネクタ100の上方側に半筒状)且つコネクタ挿入方向に縮径されるような面構造となっている。この傾斜面102は、後述のように、第2コネクタ200が嵌合されるに従って、片持ち状に延びる複数の板バネ32の他端(自由端)が接触して、複数の板バネ32を筒部21の内側方向に撓ませるようになっている。規制面103は、傾斜面102に連続して雄端子10の後端側に形成された面であり、コネクタ挿入方向に対して平行となる半筒状(第1コネクタ100の上方側に半筒状)の面である。
以下、図4、図5、図8及び図9を参照して、雌端子20及び弾性部材30を更に詳細に説明する。図8は、弾性部材30を雌端子20に取り付けたときの断面図であり、図9は、弾性部材30を雌端子20に取り付けたときの後端側を示す上面図である。なお、図9では、図示の関係上、一部構成(後述の鉤部材21e)を破線にて示すものとする。
図4及び図8に示すように、雌端子20は、筒部21の後端面から更に後端側に向かって延出した柱部材21dを備えている。柱部材21dは、筒部21の上方領域において左右対称となるように2つ設けられている。それぞれの柱部材21dは、筒部21の内側にやや折れ曲がった形状となっている。
加えて、雌端子20は、鉤部材21eを備えている。鉤部材21eは、柱部材21dと同様に、筒部21の後端面から後端側に向かって突出するものである。この鉤部材21eは、筒部21の上方端から1つだけ後端側に向かって延びており、先端が筒部21の内側に折れ曲がった折れ曲がり部21fを有するものとなっている。
図5及び図8に示すように、弾性部材30は、基部31から後端側に延出した略T字形状の片持ち部材35を備えている。片持ち部材35は、基部31の周方向の中央から後端側に向かって直線的に延びる支持部材35aと、支持部材35aから両側方に延びる側方部材35bとを備えている。なお、側方部材35bは、筒部21の内壁形状に合わせて、両端側が筒部21の内側方向に湾曲している。これにより、弾性部材30を筒部21の内側に取り付ける際に(弾性部材30を筒部21内へ挿入する際に)、側方部材35bが筒部21の内壁形状に沿うようになり、円滑な弾性部材30の取り付けに寄与することとなる。
また、図9に示すように、弾性部材30が筒部21内に取り付けられた場合、片持ち部材35の側方部材35bが、2つの柱部材21dの先端21gに近接する(接触していても良い)。このため、弾性部材30に対して雌端子20の先端側への力が加わったとしても、2つの柱部材21dの先端21gに側方部材35bが接触して、弾性部材30が先端側へ外れてしまうことを防止することとなる。
また、図8及び図9に示すように、弾性部材30が筒部21内に取り付けられた場合、弾性部材30(片持ち部材35)の後端30aが、鉤部材21eの折れ曲がり部21fに近接する(接触していても良い)。このため、弾性部材30に対して雌端子20の後端側への力が加わったとしても、弾性部材30の後端30aが折れ曲がり部21fに接触して、弾性部材30が後端側へ外れてしまうことを防止することとなる。
さらに、図8に示すように、後端側インデント部E2は、先端側インデント部E1よりも周方向に幅広に形成されており、弾性部材30は、筒部21内に取り付けられた状態において、半リング形状となる基部31の端部(下方端)が後端側インデント部E2に近接する(接触していても良い)。このため、弾性部材30が下方(樋部22側)に抜けようとしても、後端側インデント部E2が基部31を支えることとなり、弾性部材30の下方抜けを防止することとなる。
加えて、第1及び第2コネクタ100,200の嵌合前において、弾性部材30の複数の板バネ32の一部は、樋部22の端部面22a(図4参照)に載置されることとなる。このため、嵌合前において弾性部材30に対して下方に力が加わったとしても、先端側において樋部22の端部面22aにより支えられ、後端側において後端側インデント部E2に支えられることとなる。よって、弾性部材30は、先端側から後端側に亘って下方抜けが防止されることとなる。
次に、本実施形態に係るコネクタ嵌合構造1による端子接続の様子を説明する。図10〜図12は、端子接続の様子を示す断面図であり、図10は嵌合過程の初期を示し、図11は嵌合過程の中期を示し、図12は嵌合過程の終期(嵌合状態)を示している。なお、図10〜図12においては、第2コネクタ200の図示を省略するものとする。
まず、図10に示すように、嵌合過程の初期においては棒状部11の先端11aが後端側インデント部E2付近まで挿入される。ここで、複数の板バネ32は、他端32aが自由端となっている。さらに、板バネ32の他端32aは、半リング形状の基部31よりも径方向に広がって配置されている。このため、棒状部11は板バネ32の反力を略受けることなく、後端側インデント部E2付近まで挿入される。
次に、図11に示すように、嵌合過程の中期において複数の板バネ32の他端32aは第1コネクタ100の傾斜面102に接触する。このため、嵌合過程の中期においては嵌合させられるに従って、複数の板バネ32は徐々に筒部21の内側方向に撓ませられることとなる。この際、筒部21に対する棒状部11への接触荷重も徐々に高まることとなる。なお、この状態においては、弾性部材30に対して後方側への力が加わることとなるが、弾性部材30の後端30aが鉤部材21eの折れ曲がり部21fに接触するため、弾性部材30の後方抜けが防止される。
その後、図12に示すように嵌合終期において複数の板バネ32の他端32aは第1コネクタ100の規制面103に達する。規制面103は、コネクタ挿入方向と略平行となっている。すなわち、規制面103は傾斜面102のようにコネクタ挿入方向に対して傾斜していないことから、板バネ32を好適に抑えることとなり、第1コネクタ100に対して抜け方向の力が作用することを防止している。特に、この状態においては、特許文献1と同様に板バネ32の弾性力によって棒状部11が複数のインデント部E1,E2に対して押圧されており、強固な保持力が実現されている。
しかも、コネクタ嵌合の初期において発生する挿入力のピークについては、図10を参照して説明したように回避されることとなり、雄端子10の挿入時における挿入力の低減を図りつつも、嵌合後における棒状部11の動きを好適に規制することとなる。
このようにして、第1実施形態に係るコネクタ嵌合構造1によれば、弾性部材30は、他端(自由端)32aが半リング形状の基部31よりも径方向に広がって配置される複数の板バネ32を有し、第1コネクタ100は、嵌合されるに従って、片持ち状に延びる複数の板バネ32の他端(自由端)32aが接触して、複数の板バネ32を筒部21の内側方向に撓ませるための傾斜面102を有する。このため、第1及び第2コネクタ100,200の嵌合過程の初期においては、複数の板バネ32を棒状部11に接触させず又は接触しても比較的弱い力で棒状部11を押圧するようにできる。よって、従来発生していたコネクタ嵌合の初期における挿入力のピークを回避することができる。また、第1及び第2コネクタ100,200の嵌合状態において、複数の板バネ32は比較的強い力で棒状部11を押圧するようにできる。このため、複数の板バネ32の反力と複数のインデント部E1,E2とにより、くさび効果を利用してより強く棒状部11を保持することができる。従って、雄端子10の挿入時における挿入力の低減を図りつつも、嵌合後における棒状部11の動きを好適に規制することができる。
また、規制面103を有するため、複数の板バネ32の他端(自由端)32aが傾斜面102に接したままとなり、板バネ32の力によって第1コネクタ100に対して抜け方向の力が作用してしまう事態を防止することができる。
また、半リング形状となる弾性部材30の基部31の端部が後端側インデント部E2に接触又は近接しているため、弾性部材30は、基部31によって樋部22側への移動が規制され、雄端子10が挿入される前であっても、樋部22側に外れ難い構造とすることができる。よって、弾性部材30の雌端子20への組付性を向上させることができる。
また、弾性部材30の後端が鉤部材21eの折れ曲がり部21fに接触又は近接するため、弾性部材30に対して雌端子20の後端側への力が加わったとしても、弾性部材30の後端が折れ曲がり部21fに接触して、これを食い止めるように機能する。よって、弾性部材30を後端側に外れ難くすることができ、弾性部材30の雌端子20への組付性を向上させることができる。
また、片持ち部材35の側方部材35bが柱部材21dの先端21gに接触又は近接するため、弾性部材30に対して雌端子20の先端側への力が加わったとしても、側方部材35bが柱部材21dに接触してこれを食い止めるように機能する。よって、弾性部材30を先端側に外れ難くすることができ、弾性部材30の雌端子20への組付性を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る端子接続構造は第1実施形態のものと同様であるが、一部構成(雌端子20及び弾性部材30の構成)が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
図13は、第2実施形態に係る弾性部材30を雌端子20の筒部21内に取り付けたときの断面図である。図13に示すように、第2実施形態に係る弾性部材30は、基部31から後端側に延びる延出部36を備えている。なお、図13においては、1つの延出部36のみを図示しているが、延出部36は、基部31の両端部からそれぞれ1つずつの計2つが延びている。これら2つの延出部36は、片持ち部材35よりも更に後端側まで延びており、延出部36の先端は側方部材35bよりも後端側に突き出た構造となっている。
第2実施形態に係る雌端子20は、後端側インデント部E2が、第1実施形態のものと比較して周方向に幅広となっておらず、先端側インデント部E1と同程度の幅を有している。さらに、雌端子20は、後端側インデント部E2よりも後端側のやや上方に、突起部25を備えている。なお、図13においては、雌端子20の右側領域ARのみを図示しているため、1つの突起部25のみが図示されているが、突起部25は左側領域ALにも設けられている。すなわち、雌端子20は2つの突起部25を有している。
ここで、弾性部材30は、筒部21内に取り付けられた状態において、延出部36の下方端(一側)が突起部25に近接する(接触していても良い)。このため、弾性部材30が下方に抜けようとしても、突起部25が延出部36を介して弾性部材30を支えることとなり、弾性部材30の下方抜けを防止している。
このようにして、第2実施形態に係るコネクタ嵌合構造1によれば、第1実施形態と同様に、雄端子10の挿入時における挿入力の低減を図りつつも、嵌合後における棒状部11の動きを好適に規制することができる。また、板バネ32の力によって第1コネクタ100に対して抜け方向の力が作用してしまう事態を防止することができ、弾性部材30の雌端子20への組付性を向上させることができる。
さらに、第2実施形態によれば、弾性部材30の延出部36のうち樋部22側となる側部に突起部25が接触又は近接するため、弾性部材30は、延出部36と突起部25との協働によって樋部22側への移動が規制され、雄端子10が挿入される前であっても、樋部22側に外れ難い構造とすることができる。よって、弾性部材30の雌端子20への組付性を向上させることができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態に記載の技術を適宜組み合わせてもよい。さらには、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
例えば本実施形態に係るコネクタ嵌合構造1は、先端側インデント部E1と後端側インデント部E2との2種類のインデント部E1,E2を備えているが、これに限らず、雄端子10の棒状部11を保持できれば、いずれか一方のみを備えるものであってもよいし、3種類目などの他のインデント部をさらに有していてもよい。また、雌端子20は、2つの先端側インデント部E1を備えているが、2つに限らず、3つ以上備えていてもよい。後端側インデント部E2も同様である。加えて、2つの先端側インデント部E1は、筒部21の軸に直交する同一断面上に設けられているが、可能であれば、軸方向にズレて形成されていてもよい。2つの後端側インデント部E2についても同様である。
また、本実施形態において柱部材21dは2つであるが、1つ又は3つ以上であってもよい。加えて、片持ち部材35は、上面視してT字形状となっているが、これに限らず、L字形状などの他の形状であってもよい。
さらに、弾性部材30を筒部21内に取り付ける場合に、上記した構成とは異なる他の構成によって取り付けるようにしてもよい。また、弾性部材30は、筒部21内の上方に限らず、下方などの他の箇所に取り付けられるようになっていてもよい。
加えて、本実施形態においては、第1コネクタ100は、傾斜面102等を備えていれば、その外観は円筒形状等に限られるものではない。また、第2コネクタ200についても同様に、外観は円筒形状等に限られるものではない。加えて、本実施形態に係る第1及び第2コネクタ100,200は、各端子10,20を1つだけ収容するものであるが、これに限らず、複数個収容するものであってもよい。
さらに、本実施形態において弾性部材30の基部31は半リング形状(すなわち半円形状)であるが、これに限らず、リング形状(すなわち円形状)であってもよい。また、半リング形状とは、完全な円の一部(すなわち円弧)の形状に限らず、概略的に円弧を形成していれば、中間部等に屈曲部や折れ部などが存在してもよい。
1 :コネクタ嵌合構造
10 :雄端子
11 :棒状部
20 :雌端子
21 :筒部
21d :柱部材
21e :鉤部材
21f :折れ曲がり部
21g :先端
22 :樋部
25 :突起部
30 :弾性部材
31 :基部
32 :複数の板バネ
32a :他端(自由端)
35 :片持ち部材
35a :支持部材
35b :側方部材
36 :延出部
100 :第1コネクタ
102 :傾斜面
103 :規制面
200 :第2コネクタ
AL :左側領域
AR :右側領域
C :下方中央部
E :電気接続部
E1,E2 :複数のインデント部
E1 :先端側インデント部
E2 :後端側インデント部
10 :雄端子
11 :棒状部
20 :雌端子
21 :筒部
21d :柱部材
21e :鉤部材
21f :折れ曲がり部
21g :先端
22 :樋部
25 :突起部
30 :弾性部材
31 :基部
32 :複数の板バネ
32a :他端(自由端)
35 :片持ち部材
35a :支持部材
35b :側方部材
36 :延出部
100 :第1コネクタ
102 :傾斜面
103 :規制面
200 :第2コネクタ
AL :左側領域
AR :右側領域
C :下方中央部
E :電気接続部
E1,E2 :複数のインデント部
E1 :先端側インデント部
E2 :後端側インデント部
Claims (3)
- 円柱形状の棒状部を有する雄端子を収容した第1コネクタと、
前記雄端子の前記棒状部が挿入される筒部、及び、前記筒部の先端側に設けられた樋形状の樋部を電気接続部として有する雌端子を収容した第2コネクタと、
前記雌端子の前記筒部内に取り付けられて前記雌端子と共に前記第2コネクタに収容され、前記第1及び第2コネクタが嵌合されて前記雄端子の前記棒状部が前記雌端子の前記筒部に挿入された場合において、前記雄端子の前記棒状部を前記樋部に付勢する弾性部材と、を備え、
前記雌端子は、正面視して、前記第1及び第2コネクタの嵌合状態において前記電気接続部のうち前記弾性部材の付勢力を正対して受ける箇所を挟んだそれぞれの領域から内側に突出した複数のインデント部を有し、
前記弾性部材は、リング又は半リング形状の基部と、前記基部から前記雌端子の先端側に向けて片持ち状に延びると共に片持ちの自由端が前記基部よりも径方向に広がって配置される複数の板バネと、を有し、
前記第1コネクタは、前記第2コネクタが嵌合されるに従って、片持ち状に延びる前記複数の板バネの自由端が接触して、前記複数の板バネを前記筒部の内側方向に撓ませるための傾斜面を有する
ことを特徴とするコネクタ嵌合構造。 - 前記第1コネクタは、前記傾斜面に連続しコネクタ挿入方向と平行となる規制面を有し、
前記規制面は、前記第1及び第2コネクタの嵌合状態において前記複数の板バネの自由端が接する
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ嵌合構造。 - 前記雌端子は、前記筒部の後端面から後端側に向かって突出すると共に先端が前記筒部の内側に折れ曲がった折れ曲がり部を有する鉤部材を有し、
前記弾性部材は、その後端が前記鉤部材の折れ曲がり部に接触又は近接する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のコネクタ嵌合構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018036134A JP2019153407A (ja) | 2018-03-01 | 2018-03-01 | コネクタ嵌合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018036134A JP2019153407A (ja) | 2018-03-01 | 2018-03-01 | コネクタ嵌合構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019153407A true JP2019153407A (ja) | 2019-09-12 |
Family
ID=67946710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018036134A Pending JP2019153407A (ja) | 2018-03-01 | 2018-03-01 | コネクタ嵌合構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019153407A (ja) |
-
2018
- 2018-03-01 JP JP2018036134A patent/JP2019153407A/ja active Pending
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