JP2019152529A - 走査型レーザレーダシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光が物体で鏡面反射されたことを検出することのできる走査型レーザレーダシステムを提供する。【解決手段】走査型レーザレーダシステム10は、走査方向においてレーザ光の投光方向を所定角度ずつ変えて投光する投光部と、投光されたレーザ光が物体で反射された反射光を受光する受光部と、受光された反射光の受光量が、投光部から所定距離L1までの範囲を物体の検出範囲に限定する閾値よりも大きいことを条件として、レーザ光が投光されてから、反射光が受光されるまでの時間に基づいて、投光方向ごとに投光部から物体までの距離を算出する距離算出部と、投光部からのそれぞれの距離が所定距離で等しく且つ投光部から投光されたレーザ光が当たる位置に、円弧状に設けられたリトロリフレクタ30と、距離算出部により算出された距離(L3+L4)が所定距離よりも長い場合に、レーザ光が物体で鏡面反射されたと判定する判定部と、を備える。【選択図】 図14

Description

本発明は、走査型レーザレーダシステムに関する。
従来、監視対象エリア内を所定の走査角度ごとにレーザ光で走査することにより、監視対象エリア内の侵入物を検出する走査型レーザレーダシステムがある(特許文献1参照)。特許文献1に記載のシステムでは、監視対象エリアに向けてレーザ光を所定の走査角度ごとに投光し、投光したレーザ光が物体で反射された反射光を受光するまでの時間に基づいて、走査角度ごとに物体までの距離を測定(物体を検出)している。
特開2014−181993号公報
ところで、車両のボディの表面が滑らかである場合、ボディの表面でレーザ光が鏡面反射され、反射光がレーザレーダまで帰って来ないことがある。その場合、監視対象エリア内に車両(物体)があるにもかかわらず、物体を検出することができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、レーザ光が物体で鏡面反射されたことを検出することのできる走査型レーザレーダシステムを提供することを主たる目的とする。
上記課題を解決するための第1の手段は、走査型レーザレーダシステムであって、
走査方向においてレーザ光の投光方向を所定角度ずつ変えて投光する投光部と、
前記投光部により投光された前記レーザ光が物体で反射された反射光を受光する受光部と、
前記受光部により受光された前記反射光の受光量が、前記投光部から所定距離までの範囲を物体の検出範囲に限定する閾値よりも大きいことを条件として、前記投光部により前記レーザ光が投光されてから、前記受光部により前記反射光が受光されるまでの時間に基づいて、前記投光方向ごとに前記投光部から前記物体までの距離を算出する距離算出部と、
前記投光部からのそれぞれの距離が前記所定距離で等しく且つ前記投光部から投光された前記レーザ光が当たる位置に、円弧状に設けられたリトロリフレクタと、
前記距離算出部により算出された前記距離が前記所定距離よりも長い場合に、前記レーザ光が物体で鏡面反射されたと判定する判定部と、
を備える。
上記構成によれば、投光部により、走査方向においてレーザ光の投光方向が所定角度ずつ変えられて投光される。受光部によって、投光部により投光されたレーザ光が物体で反射された反射光が受光される。
そして、距離算出部によって、受光部により受光された前記反射光の受光量が、投光部から所定距離までの範囲を物体の検出範囲に限定する閾値よりも大きいことを条件として、投光部によりレーザ光が投光されてから、受光部により反射光が受光されるまでの時間に基づいて、投光方向ごとに投光部から物体までの距離を算出される。このため、レーザ光が検出範囲内にある物体で拡散反射された場合は、反射光の受光量が閾値よりも大きくなり、投光部から物体までの距離が算出される。一方、レーザ光が検出範囲外にある物体で拡散反射された場合は、反射光の受光量が閾値よりも小さくなり、投光部から物体までの距離が算出されない。
ここで、投光部からのそれぞれの距離が上記所定距離で等しく且つ投光部から投光されたレーザ光が当たる位置に、リトロリフレクタが円弧状に設けられている。リトロリフレクタ(再帰反射器)は、入射したレーザ光を、入射方向に平行且つ反対の方向へと再帰反射する。このため、検出範囲内に物体がない場合は、レーザ光はリトロリフレクタで再帰反射され、投光部から物体までの距離は所定距離として算出される。
一方、検出範囲内の物体でレーザ光が鏡面反射された場合は、鏡面反射されたレーザ光がリトロリフレクタで物体の方向へ再帰反射される。そして、物体で再度鏡面反射されたレーザ光は、受光部により受光される。この場合、レーザ光が投光部から、物体、リトロリフレクタ、物体、受光部へと進んだ距離は、所定距離よりも長くなる。そして、レーザ光が鏡面反射及び再帰反射された場合は、レーザ光が物体で拡散反射された場合よりも反射光の強度が大きくなる。このため、反射光の受光量が上記閾値よりも大きくなり、投光部から物体までの距離が算出される。したがって、判定部は、算出された距離が所定距離よりも長い場合に、レーザ光が物体で鏡面反射されたと判定することができる。
第2の手段では、前記リトロリフレクタは地面に設置されている。
上記構成によれば、リトロリフレクタは地面に設置されているため、検出範囲内に車両や人が入ることを妨げないようにすることができる。また、リトロリフレクタを壁等に設置する場合と比較して、投光部からのそれぞれの距離が所定距離で等しく且つ投光部から投光されたレーザ光が当たる位置に、リトロリフレクタを容易に設置することができる。
具体的には、第3の手段では、前記判定部は、前記距離算出部により算出された前記距離が前記所定距離よりも長い場合に、前記検出範囲内にある物体で前記レーザ光が鏡面反射されたと判定する。すなわち、レーザ光が物体で鏡面反射されたことに起因して、算出された物体までの距離が所定距離よりも長くなっている。このため、算出された物体までの距離が所定距離よりも長い場合であっても、検出範囲内にある物体でレーザ光が鏡面反射されたと判定することができる。
具体的には、第4の手段では、前記判定部は、前記距離算出部により算出された前記距離が前記所定距離よりも長い場合に、前記距離が算出された際の前記レーザ光の投光方向に物体があると判定する。すなわち、投光部から物体までの実際の距離を算出することはできないものの、レーザ光を鏡面反射した物体のある方向を特定することができる。
上述したように、検出範囲内に物体がない場合は、レーザ光はリトロリフレクタで再帰反射され、投光部から物体までの距離は所定距離として算出される。
この点、第5の手段では、前記判定部は、前記距離算出部により算出された前記距離が前記所定距離である場合に、前記距離が算出された際の前記レーザ光の投光方向に物体がないと判定する。したがって、算出された物体までの距離を用いることで、走査型レーザレーダシステムが正常に動作していることを確認しつつ、レーザ光の投光方向に物体がない状態を特定することができる。
第6の手段では、前記判定部は、前記距離算出部により算出された前記距離が前記所定距離よりも短い場合に、前記距離が算出された際の前記レーザ光の投光方向において前記投光部から前記距離の位置に物体があると判定する。
上記構成によれば、検出範囲内に物体があり、レーザ光が物体で拡散反射された場合は、投光部からの物体の方向と距離とを特定することができる。
検出範囲内に検出すべき物体がない場合であっても、検出範囲内の地面からの反射光が受光されたり、検出範囲外で鏡面反射された反射光が受光されたりするおそれがある。これらの反射光の受光量が閾値よりも大きくなると、物体を誤判定するおそれがある。このように1つの投光方向において反射光が複数ある場合でも、リトロリフレクタで再帰反射された反射光の受光量が基本的に最も大きくなる。
そこで、第7の手段では、前記距離算出部は、1つの前記投光方向において前記受光量が前記閾値よりも大きい反射光が複数ある場合に、前記受光量が最も大きい反射光に基づいて前記距離を算出する。このため、検出範囲内に検出すべき物体がない場合は、投光部からリトロリフレクタまでの距離を物体の距離として算出することができる。したがって、物体を誤判定することを抑制することができる。
走査型レーザレーダシステムを示す平面図。 レーザレーダを示すブロック図。 走査型レーザレーダシステムを示す側面斜視図。 レーザ光が鏡面反射される態様を示す平面図。 レーザ光が鏡面反射及び再帰反射される態様を示す平面図。 レーザ光の進む経路を示す平面図。 レーザ光の進む経路を示す側面斜視図。 レーザ光の進む経路を示す側面斜視図。 レーザ光の進む経路を示す側面斜視図。 レーザ光の進む経路を示す側面斜視図。 侵入物検出処理の手順を示すフローチャート。 リトロリフレクタで再帰反射されるレーザ光を示す平面図。 車両で拡散反射されるレーザ光を示す平面図。 車両及びリトロリフレクタで鏡面反射及び再帰反射されるレーザ光を示す平面図。
以下、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、検出範囲内に侵入した物体(侵入物)を検出する走査型レーザレーダシステムとして具現化している。
図1に示すように、走査型レーザレーダシステム10は、走査型レーザレーダ20、リトロリフレクタ30等を備えている。
レーダ20は、前方の略190°の検出範囲をレーザ光で走査する広角の測距レーダである。レーザ光には、例えば赤外線や、可視光、紫外線等を利用することができる。
図2に示すように、レーダ20は、投光部21、受光部22、距離算出部23、判定部24等を備えている。距離算出部23及び判定部24は、CPU、ROM、RAM、記憶装置、入出力インターフェース等を有するマイクロコンピュータにより構成されている。
投光部21は、投光部21を中心として、例えば0.25°(所定角度θ)間隔でレーザ光を投光する。すなわち、投光部21は、走査方向においてレーザ光の投光方向を所定角度θずつ変えて、レーザ光を投光する。
受光部22は、投光部21により投光されたレーザ光が物体で反射された反射光を受光し、反射光の受光量を検出する。受光部22は、投光部21によりレーザ光が投光される度に、反射光の受光量を検出する。
距離算出部23は、投光部21によりレーザ光が投光されてから、受光部22により反射光が受光されるまでの時間に基づいて、投光方向ごとに投光部21(レーダ20)から物体までの距離を算出する。このとき、受光部22により受光した反射光の受光量が閾値よりも大きい場合は、検出範囲内の物体で反射された反射光とみなして、投光部21から物体までの距離を算出する。一方、受光部22により受光した反射光の受光量が上記閾値よりも小さい場合は、検出範囲内の物体で反射された反射光とみなさず、投光部21から物体までの距離を算出しない。
上記閾値は、投光部21からの距離が所定距離L1(図1参照)である物体によりレーザ光が拡散反射された場合に、受光部22により検出される反射光の受光量に設定されている。これにより、レーダ20による物体の検出範囲が、レーダ20を中心とした半径L1の略半円の範囲内に限定される。所定距離L1(半径L1)は、例えば20mに設定されている。すなわち、距離算出部23は、受光部22により受光された反射光の受光量が、投光部21から所定距離L1までの範囲を物体の検出範囲に限定する閾値よりも大きいことを条件として、物体までの距離を算出する。
リトロリフレクタ30(再帰反射器)は、レーダ20からの距離が所定距離L1の位置に、すなわちレーダ20からのそれぞれの距離が所定距離L1で等しい位置に、半円状(円弧状)に設置されている。リトロリフレクタ30は、テープ状に形成されており、入射したレーザ光を、入射方向に平行且つ反対の方向へと再帰反射する。図3に側面斜視図を示すように、リトロリフレクタ30は、レーダ20から投光されたレーザ光が当たる位置に設置されている。例えば、レーダ20の投光部21が地面から10cmの高さに取り付けられており、リトロリフレクタ30は地面に設置されている。レーダ20から所定距離L1の位置において、レーザ光の径は略20cmになっている。
ここで、図4に示すように、レーダ20から投光されたレーザ光が、車両Cのボディの表面で鏡面反射されることがある。車両Cのボディの表面が滑らかで汚れが付いておらず、且つ入射角θiが略45°以上の場合に、このような鏡面反射が起こり易い。この場合、レーザ光の反射光がレーダ20まで帰って来ないため、レーダ20は車両Cを検出することができない。すなわち、物体の検出範囲内に車両C(物体)があるにもかかわらず、レーダ20は物体を検出することができない。
この点、図5に示すように、本実施形態では、車両Cで鏡面反射されたレーザ光は、リトロリフレクタ30により、入射方向に平行且つ反対の方向、すなわちレーザ光が来た方向へ帰るように再帰反射される。リトロリフレクタ30により再帰反射されたレーザ光は、車両Cで鏡面反射され、レーダ20の方向へ進む。そして、この反射光がレーダ20の受光部22により受光される。
図6はレーザ光の進む経路を示す平面図であり、図7〜10はレーザ光の進む経路を示す側面斜視図である。
図6,7に示すように、(1)レーダ20から投光されたレーザ光のいずれか1つが車両Cの方向へ進み、図6,8に示すように、(2)車両Cのボディの表面で鏡面反射される。鏡面反射されたレーザ光は、レーダ20の周囲に配置されたリトロリフレクタ30のいずれかの部分に投光され、図6,9に示すように、(3)リトロリフレクタ30により再帰反射される。再帰反射されたレーザ光は、車両Cのボディに投光され、図6,10に示すように、(4)車両Cのボディの表面で再帰反射されてレーダ20により受光される。
すなわち、レーザ光が車両C(物体)でいずれの方向へ鏡面反射されても、鏡面反射されたレーザ光がリトロリフレクタ30で再帰反射されて、レーダ20により受光される。この際にレーザ光が進む距離は、図6から明らかなように、上記所定距離L1よりも長くなる。この考えに基づいて、レーダ20の判定部24は鏡面反射の有無を判定する。
図11は、侵入物検出処理の手順を示すフローチャートである。この一連の処理は、レーダ20により、レーザ光の投光方向ごとに順次実行され、全ての投光方向(検出範囲全体)について実行される。
まず、投光部21によりレーザ光を投光し、物体で反射された反射光を受光部22により受光する(S10)。受光部22は、反射光の受光量を検出する。
距離算出部23により、受光部22により受光された反射光の受光量が上記閾値よりも大きいことを条件として、物体までの距離を算出する(S11)。詳しくは、投光部21によりレーザ光が投光されてから、受光部22により反射光が受光されるまでの時間に基づいて、投光部21から物体までの距離を算出する。なお、物体の検出範囲(半径L1の半円の範囲)外の物体で拡散反射された反射光の受光量は、閾値よりも小さくなる。一方、物体の検出範囲内の物体で拡散反射された反射光、リトロリフレクタ30に直接投光されて再帰反射された反射光、及び鏡面反射を介してリトロリフレクタ30により再帰反射された反射光の受光量は、閾値よりも大きくなる。
続いて、判定部24により、算出距離が所定距離L1と等しいか否か判定する(S12)。この判定において、算出距離が所定距離L1と等しいと判定した場合(S12:YES)、今回(距離が算出された際)の投光方向には侵入物がないと判定する(S13)。この場合、図12に示すように、レーザ光は検出範囲内の物体で反射されておらず、リトロリフレクタ30に直接投光されて再帰反射されている。その後、今回の投光方向についての処理を終了し、次の投光方向についてS10の処理から再度実行する。
一方、S12の判定において、算出距離が所定距離L1と等しくないと判定した場合(S12:NO)、判定部24により、算出距離が所定距離L1よりも短いか否か判定する(S14)。この判定において、算出距離が所定距離L1よりも短いと判定した場合(S14:YES)、判定部24により、今回の投光方向において投光部21から算出距離の位置に侵入物があると判定する(S15)。この場合、図13に示すように、レーザ光はリトロリフレクタ30に投光される前に車両Cで拡散反射されており、算出距離L2は所定距離L1よりも短くなる。その後、今回の投光方向についての処理を終了し、次の投光方向についてS10の処理から再度実行する。
また、S14の判定において、算出距離が所定距離L1よりも短くないと判定した場合(S14:NO)、判定部24により、今回の投光方向に侵入物があり、検出範囲内の侵入物でレーザ光が鏡面反射されたと判定する(S16)。この場合、図14に示すように、レーザ光は、車両Cで鏡面反射された後に、リトロリフレクタ30で再帰反射され、車両Cで再び鏡面反射された後にレーダ20により受光されている。算出距離(L3+L4)は、所定距離L1よりも長くなる。その後、今回の投光方向についての処理を終了し、次の投光方向についてS10の処理から再度実行する。
なお、S10の処理が投光部21及び受光部22としての処理に相当し、S11の処理が距離算出部23としての処理に相当し、S12〜S16の処理が判定部24としての処理に相当する。
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
・検出範囲内の車両Cでレーザ光が鏡面反射された場合は、鏡面反射されたレーザ光がリトロリフレクタ30で車両Cの方向へ再帰反射される。そして、車両Cで再度鏡面反射されたレーザ光は、受光部22により受光される。この場合は、レーザ光が投光部21から、車両C、リトロリフレクタ30、車両C、受光部22へと進んだ距離(L3+L4)は、所定距離L1よりも長くなる。そして、レーザ光が鏡面反射及び再帰反射された場合は、レーザ光が侵入物で拡散反射された場合よりも反射光の強度が大きくなる。このため、反射光の受光量が上記閾値よりも大きくなり、投光部21から車両Cまでの距離が算出される。したがって、判定部24は、算出された距離が所定距離L1よりも長い場合に、レーザ光が侵入物で鏡面反射されたと判定することができる。
・リトロリフレクタ30は地面に設置されているため、検出範囲内に車両Cや人が入ることを妨げないようにすることができる。また、リトロリフレクタ30を壁等に設置する場合と比較して、投光部21からのそれぞれの距離が所定距離L1で等しく且つ投光部21から投光されたレーザ光が当たる位置に、リトロリフレクタ30を容易に設置することができる。
・判定部24は、距離算出部23により算出された距離(L3+L4)が所定距離L1よりも長い場合に、検出範囲内にある侵入物でレーザ光が鏡面反射されたと判定する。すなわち、レーザ光が車両Cで鏡面反射されたことに起因して、算出された侵入物までの距離(L3+L4)が所定距離L1よりも長くなっている。このため、算出された侵入物までの距離(L3+L4)が所定距離L1よりも長い場合であっても、検出範囲内にある侵入物でレーザ光が鏡面反射されたと判定することができる。
・判定部24は、距離算出部23により算出された距離(L3+L4)が所定距離L1よりも長い場合に、距離(L3+L4)が算出された際のレーザ光の投光方向に侵入物があると判定する。すなわち、投光部21から侵入物までの実際の距離L3を算出することはできないものの、レーザ光を鏡面反射した侵入物のある方向を特定することができる。
・判定部24は、距離算出部23により算出された距離が所定距離L1である場合に、距離が算出された際のレーザ光の投光方向に侵入物がないと判定する。したがって、算出された侵入物までの距離を用いることで、走査型レーザレーダシステム10が正常に動作していることを確認しつつ、レーザ光の投光方向に侵入物がない状態を特定することができる。
・判定部24は、距離算出部23により算出された距離L2が所定距離L1よりも短い場合に、距離L2が算出された際のレーザ光の投光方向において投光部21から算出距離L2の位置に侵入物があると判定する。このため、検出範囲内に侵入物があり、レーザ光が侵入物で拡散反射された場合は、投光部21からの侵入物の方向と距離L2とを特定することができる。
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
・検出範囲内に検出すべき侵入物がない場合であっても、検出範囲内の地面からの反射光が受光されたり、検出範囲外で鏡面反射された反射光が受光されたりするおそれがある。これらの反射光の受光量が上記閾値よりも大きくなると、侵入物を誤判定するおそれがある。このように1つの投光方向において反射光が複数ある場合でも、リトロリフレクタ30で再帰反射された反射光の受光量が基本的に最も大きくなる。
そこで、距離算出部23は、1つの投光方向において受光量が閾値よりも大きい反射光が複数ある場合に、受光量が最も大きい反射光に基づいて距離を算出する。こうした構成によれば、検出範囲内に検出すべき侵入物がない場合は、投光部21からリトロリフレクタ30までの所定距離L1を物体の距離として算出することができる。したがって、侵入物を誤判定することを抑制することができる。
また、上記構成を採用する場合、レーダ20がレーザ光をリトロリフレクタ30に向けて下方に投光してもよい。これによれば、検出範囲内の地面からの反射光よりも優先して、リトロリフレクタ30で再帰反射された反射光に基づいて距離を算出することができる。なお、レーダ20がレーザ光をリトロリフレクタ30に向けて投光する構成であれば、レーザ光の径をより小さくすることができる。
・レーダ20は、前方の略190°の検出範囲をレーザ光で走査する広角の測距レーダに限らず、前方の略120°の検知範囲をレーザで走査する測距レーダや、前方の略240°の検知範囲をレーザで走査する広角の測距レーダであってもよい。
・算出距離が所定距離L1と等しいと判定した場合(S12:YES)、今回の投光方向には侵入物がないとの判定(S13)を省略し、特に判定を行わないようにすることもできる。
・上記実施形態では、算出距離(L3+L4)が所定距離L1よりも短くないと判定した場合(S14:NO)、判定部24により、今回の投光方向に侵入物があり、検出範囲内の侵入物でレーザ光が鏡面反射されたと判定した(S16)。しかしながら、判定部24は、算出距離(L3+L4)が所定距離L1よりも短くないと判定した場合(S14:NO)、今回の投光方向に侵入物(物体)があるとの判定のみ、あるいは検出範囲内の侵入物でレーザ光が鏡面反射されたとの判定のみを行ってもよい。また、判定部24は、算出された距離(L3+L4)が所定距離L1よりも短くないと判定した場合に、レーザ光が侵入物で鏡面反射されたとの判定のみを行ってもよい。
・上記実施形態では、判定部24は、距離算出部23により算出された距離L2が所定距離L1よりも短い場合に、距離L2が算出された際のレーザ光の投光方向において投光部21から算出距離L2の位置に侵入物があると判定した。しかしながら、判定部24は、算出された距離L2が所定距離L1よりも短い場合に、距離L2が算出された際のレーザ光の投光方向に侵入物があるとの判定のみ、あるいは投光部21から算出距離L2の位置に侵入物があるとの判定のみを行ってもよい。
・リトロリフレクタ30を、車両Cや人の通行を妨げない所定高さ(上方)に、半円状(円弧状)に設置することもできる。その場合、リトロリフレクタ30を所定高さで維持する支柱や梁などを用いるとよい。
10…走査型レーザレーダシステム、20…走査型レーザレーダ、21…投光部、22…受光部、23…距離算出部、24…判定部、30…リトロリフレクタ。

Claims (7)

  1. 走査方向においてレーザ光の投光方向を所定角度ずつ変えて投光する投光部と、
    前記投光部により投光された前記レーザ光が物体で反射された反射光を受光する受光部と、
    前記受光部により受光された前記反射光の受光量が、前記投光部から所定距離までの範囲を物体の検出範囲に限定する閾値よりも大きいことを条件として、前記投光部により前記レーザ光が投光されてから、前記受光部により前記反射光が受光されるまでの時間に基づいて、前記投光方向ごとに前記投光部から前記物体までの距離を算出する距離算出部と、
    前記投光部からのそれぞれの距離が前記所定距離で等しく且つ前記投光部から投光された前記レーザ光が当たる位置に、円弧状に設けられたリトロリフレクタと、
    前記距離算出部により算出された前記距離が前記所定距離よりも長い場合に、前記レーザ光が物体で鏡面反射されたと判定する判定部と、
    を備える走査型レーザレーダシステム。
  2. 前記リトロリフレクタは地面に設置されている、請求項1に記載の走査型レーザレーダシステム。
  3. 前記判定部は、前記距離算出部により算出された前記距離が前記所定距離よりも長い場合に、前記検出範囲内にある物体で前記レーザ光が鏡面反射されたと判定する、請求項1又は2に記載の走査型レーザレーダシステム。
  4. 前記判定部は、前記距離算出部により算出された前記距離が前記所定距離よりも長い場合に、前記距離が算出された際の前記レーザ光の投光方向に物体があると判定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の走査型レーザレーダシステム。
  5. 前記判定部は、前記距離算出部により算出された前記距離が前記所定距離である場合に、前記距離が算出された際の前記レーザ光の投光方向に物体がないと判定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の走査型レーザレーダシステム。
  6. 前記判定部は、前記距離算出部により算出された前記距離が前記所定距離よりも短い場合に、前記距離が算出された際の前記レーザ光の投光方向において前記投光部から前記距離の位置に物体があると判定する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の走査型レーザレーダシステム。
  7. 前記距離算出部は、1つの前記投光方向において前記受光量が前記閾値よりも大きい反射光が複数ある場合に、前記受光量が最も大きい反射光に基づいて前記距離を算出する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の走査型レーザレーダシステム。
JP2018037706A 2018-03-02 2018-03-02 走査型レーザレーダシステム Active JP6911795B2 (ja)

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