JP2019152496A - 加硫ゴムの離型性評価方法および装置 - Google Patents

加硫ゴムの離型性評価方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加硫終了後に加硫ゴムを加硫用モールドから離型させる際の離型性を精度よく把握することができる加硫ゴムの離型性評価方法および装置を提供する。【解決手段】ベース台7の平坦な金属表面7aに未加硫ゴムを押圧した状態で加硫することで、金属表面7aに加硫ゴム10が密着している試験体9を形成し、引張機構2により試験体9に金属表面7aに対して垂直方向の引張力を付与して、金属表面7aと加硫ゴム10との界面の破壊強度を測定器6により測定し、測定した破壊強度の大きさに基づいて、金属表面7aに対する加硫ゴム10の離型性を評価する。【選択図】図6

Description

本発明は、加硫ゴムの離型性評価方法および装置に関し、さらに詳しくは、加硫終了後に加硫ゴムを加硫用モールドから離型させる際の離型性を精度よく把握することができる加硫ゴムの離型性評価方法および装置に関するものである。
空気入りタイヤ等のゴム製品は、未加硫ゴムを加硫用モールドの中で加硫して製造される。加硫後に製造されたゴム製品を加硫用モールドから取り出す際に、ゴム製品(加硫ゴム)が加硫用モールドから離型し難いと、ゴムの欠け等の不具合が発生する。このような不具合は、ゴム製品の外観不良につながる。或いは、ゴムが欠けて加硫用モールドのベントホールに詰まった状態になると、この詰まりを解消する作業が必要となるので生産性の低下につながる。それ故、加硫ゴムの離型性を把握することは、ゴム製品の品質向上や生産性向上のために重要である。
加硫ゴムの離型性を評価する技術ではないが、例えば、ゴムと金属の複合体の製造に適した金型汚染性の低い加硫接着剤を選別する評価方法が提案されている(特許文献1参照)。この評価方法では、所定の接着処理をした金属基板の表面に未加硫ゴムを加硫接着させた後、加硫したゴムを金属基板の表面に対して90°の角度でピーリングさせて剥離強度を測定する。加硫ゴムの接着性等を評価するには、このように加硫ゴムを金属表面から剥離させる際の剥離強度を測定することが多い。しかしながら、加硫したゴムを加硫用モールドから離型させる際の離型性については評価方法が確立されていない。
特開2002−243629号公報
本発明の目的は、加硫終了後に加硫ゴムを加硫用モールドから離型させる際の離型性を精度よく把握することができる加硫ゴムの離型性評価方法および装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の加硫ゴムの離型性評価方法は、ベース台の平坦な金属表面に未加硫ゴムを押圧した状態で加硫することで、前記金属表面に加硫ゴムが密着している試験体を形成し、前記試験体に前記金属表面に対して垂直方向の引張力を付与する引張試験を行うことにより、前記金属表面と前記加硫ゴムとの界面の破壊強度を測定し、測定した前記破壊強度の大きさに基づいて前記加硫ゴムの離型性を評価することを特徴とする。
本発明の加硫ゴムの離型性評価装置は、ベース台の平坦な金属表面に未加硫ゴムが押圧した状態で加硫されることで形成されている前記金属表面に加硫ゴムが密着している試験体に、前記金属表面に対して垂直方向の引張力を付与する引張機構と、前記引張力が付与された前記試験体の前記金属表面と前記加硫ゴムとの界面の破壊強度を測定する測定器とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、前記金属表面に加硫ゴムが密着している試験体に、前記金属表面に対して垂直方向の引張力を付与することで、実際のゴム製品の製造工程において加硫ゴムが加硫用モールドから最も離型し難い条件に近似させている。これにより、前記金属表面と前記加硫ゴムとの界面の破壊強度を、ばらつきを抑えて安定して測定することが可能になる。そのため、加硫終了後に加硫ゴムを加硫用モールドから離型させる際の離型性を精度よく把握することができる。
加硫ゴムの離型性評価装置の実施形態を例示する説明図である。 図1のベース台と保持台の間に未加硫ゴムと樹脂フィルムを設置する状態を例示する説明図である。 図2の未加硫ゴムと樹脂フィルムを平面視で例示する説明図である。 未加硫ゴム、樹脂フィルムおよびベース台を重ねた状態を平面視で例示する説明図である。 図2のベース台の金属表面に未加硫ゴムを押圧した状態で加硫している状態を例示する説明である。 形成された試験体に引張力を付与している状態を例示する説明図である。 評価装置の別の実施形態を例示する説明図である。 図7の支持フレームおよび保持台を平面視で例示する説明図である。 図8の支持フレームと保持台との係合状態を断面視で例示する説明図である。 図7の加硫機構により試験体を形成している状態を例示する説明図である。 形成された試験体を加硫機構の位置から引張機構の位置へ移動させた状態を例示する説明図である。 形成された試験体に引張力を付与している状態を例示する説明図である。
以下、本発明の加硫ゴムの離型性評価方法および装置を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1に例示する加硫ゴムの離型性評価装置1(以下、評価装置1という)の実施形態は、引張機構2と測定器6とを備えている。この評価装置1では、金属表面7aに加硫ゴム10が密着している試験体9を使用して、加硫ゴム10の離型性が評価される。この評価装置1では、引張機構2は加硫機構12としても機能する。さらに、この評価装置1は、試験体9が載置される支持フレーム5と、恒温槽14とを有している。恒温槽14によって支持フレーム5およびその上方が覆われて、恒温槽14の内部が所望の温度に制御される。
試験体9は、ベース台7の平坦な金属表面7aに未加硫ゴム10aが押圧した状態で加硫されることで形成される。この実施形態の試験体9では、金属製の円柱形状のベース台7と、金属製の円柱形状の保持台8とに挟まれた加硫ゴム10が、それぞれの金属表面7a、8aに密着している。即ち、加硫ゴム10と金属表面7aとは加硫接着している訳ではなく、単純に密着している状態である。尚、加硫ゴム10と金属表面8aとは加硫接着させてもよいが、保持台8を繰り返し使用するには、加硫接着させずに単純に密着している状態にすることが好ましい。
ベース台7は下面が平坦な金属表面7aであり、上面に上方に突出する係合部7bを有している。保持台8は上面が平坦な金属表面8aであり、下面に下方に突出する係合部8bを有している。支持フレーム5の中央部に上下に貫通する貫通穴5aが形成されている。保持台8は、係合部8bを貫通穴5aに挿通させて支持フレーム5の上面に載置される。
金属表面7a(ベース台7)の材質は、実際の加硫用モールドと同じ(同等)にすることもできるが、例えば、予め評価指標とする基準材質を設定して、その基準材質を使用すればよい。金属表面8a(保持台8)の材質についても金属表面7aと同様に設定すればよい。
引張機構2は、加硫ゴム10を金属表面7aから引き剥がそうとする引張力を試験体9に付与する。具体的には引張機構2は、金属表面7aに対して垂直方向の引張力を試験体9に付与する。本発明での垂直方向とは金属表面7aに対して法線方向であるが、実質的には金属表面7aに対して90°±2°の方向であり、より好ましくは90°±1°の方向であればよい。
引張機構2は、油圧シリンダ等のアクチュエータ3と、このアクチュエータ3のロッドに接続されたアタッチメント4とを有している。アタッチメント4を介して、アクチュエータ3とベース台7とが連結される。アタッチメント4は、下面の中央部に開口する係合孔4bと、係合孔4bを横断して貫通する係合ピン4aとを有している。
加硫機構12は、油圧シリンダ等のアクチュエータ13と、このアクチュエータ13のロッドに接続されたアタッチメント4と、加熱機14とを有している。油圧シリンダ13には、引張機構2を構成する油圧シリンダ3が兼用され、アタッチメント4も引張機構2と兼用される。アクチュエータ3、13としては、エアシリンダ、モータにより作動するロッド等など、種々の手段を用いることができる。評価装置1には、引張機構2(加硫機構12)は1台に限らず複数台を備えることもできる。
加熱機14はそれぞれの金属表面7a、8aを、未加硫ゴム10aの加硫温度以上に加熱するが、少なくとも金属表面7aを加熱できればよい。加熱機14による加熱は、電気やスチーム等の熱媒体など、種々の手段を用いることができる。
ベース台7の係合部7bには横断する貫通孔が形成されている。この係合部7bをアタッチメント4の係合孔4bに挿入した状態にして、係合ピン4aを係合部7bに形成されている貫通孔に挿通させる。これにより、ベース台7はアタッチメント4に対して上下方向に遊びを有した状態(上下方向に若干のずれ移動可能な状態)で結合される。
測定器6は、引張力が付与された試験体9の金属表面7aと加硫ゴム10との界面の破壊強度を測定する。測定器6としては、例えばロードセルを用いることができる。床面に連結された測定器6は、上面にフック等の係合部6aを有している。支持フレーム5に載置された保持台8の係合部8bを横断する貫通孔に、係合部6aを係合させることで、測定器6と保持台8とは連結される。
測定器6により測定される金属表面7aと加硫ゴム10との界面の破壊強度とは、基本的には、金属表面7aに密着している加硫ゴム10が金属表面7aから剥がれる時の引張強度(=引張力/加硫ゴム10と金属表面7aの接触面積)である。加硫ゴム10が金属表面7aから剥がれる前に加硫ゴム10が破損した場合は、この破壊強度は、加硫ゴム10が破損した時の引張強度よりも大きいと評価する、或いは、加硫ゴム10が破損した時の引張強度と同じであると評価することもできる。
この実施形態では、評価装置1を用いて試験体9を形成するが、別の装置によって形成した試験体9を用いることもできる。別の装置によって形成された試験体9を使用するのであれば、評価装置1から加硫機構12を省略することができる。
以下、この評価装置1を用いて、加硫ゴム10の離型性を評価する方法を説明する。
まず、図2に例示するように、試験体9を形成するために、ベース台7と保持台8との間に、樹脂フィルム11および未加硫ゴム10aを設置する。樹脂フィルム11は、未加硫ゴム10aとベース台7(金属表面7a)との間に配置する。
図3に例示するように、矩形の樹脂フィルム11は未加硫ゴム10aよりも面積が大きく、中央に矩形の開口部11aを有している。樹脂フィルム11には、未加硫ゴム10aを加硫する際の加硫温度では溶解せず、金属表面7aから容易に引き剥がすことができる(金属表面7aとの結合力を無視できる)材質を使用する。樹脂フィルム11として具体的にはPET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)等を例示できる。樹脂フィルム11の形状や開口部11aの形状は矩形に限らず、円形などにすることもできる。
図4に例示するように、樹脂フィルム11の開口部11aを、未加硫ゴム10aおよび金属表面7aの平面視の中央部に位置決めする。そして、この樹脂フィルム11および未加硫ゴム10aを、ベース台7と保持台8との間に設置する。
次いで、図5に例示するように、加硫機構12のアクチュエータ13を作動させてベース台7を下方移動させる。これにより、平坦な金属表面7aに未加硫ゴム10aを押圧した状態にする。それぞれの金属表面7a、8aを加熱機14により加熱しておき、未加硫ゴム10aを所定の加硫温度、所定の圧力下で加硫して加硫ゴム10にする。この加硫工程によって、金属表面7aに加硫ゴム10が密着している試験体9を形成する。加硫工程では、未加硫ゴム10aはある程度押し潰されるので、形成された加硫ゴム10の規定厚さを予め設定しておき、加硫ゴム10を概ね規定厚さに仕上げるとよい。
この加硫工程では、保持台8は支持フレーム5に載置されている。そのため、保持台8がアクチュエータ13により押圧されても、測定器6には実質的に負荷が作用しない。
この実施形態では、それぞれの金属表面7a、8aに加硫ゴム10が密着する。ただし、金属表面7aと加硫ゴム10との間には樹脂フィルム11が介在しているので、開口部11aを通じてのみ、加硫ゴム10と金属表面7aとが密着する。樹脂フィルム11と金属表面7aとは互いに当接しているだけで、互いの結合強度は実質的にゼロである。加硫ゴム10は保持台8の金属表面8aの全範囲と密着している。そのため、この金属表面8aと加硫ゴム10との界面の破壊強力は、ベース台7の金属表面7aと加硫ゴム10と界面の破壊強力よりも遥かに大きくなっている。
未加硫ゴム10aの加硫終了後、図6に例示するように、引張機構2のアクチュエータ3を作動させて試験体9を上方移動させる。これにより、形成した試験体9に、金属表面7aに対して垂直方向の引張力を付与する引張試験を行う。保持台8が支持フレーム5から浮き上がって、測定器6には試験体9に付与されている引張力が伝わり、この引張力が測定される。
試験体9に引張力を付与する速度は、実際に加硫したゴム製品から加硫用モールドを離型させる際の実速度と同じ(同等)にすることもできるが、例えば、この実速度以下の範囲で評価指標とする基準速度を設定すればよい。
試験体9に付与する引張力が徐々に大きくなると、金属表面7aと加硫ゴム10との界面が破壊する(分離する)ので、この時の引張力を把握する。この引張力を、金属表面7aと加硫ゴム10との接触面積(この実施形態では開口部11aの面積)で除すことにより算出した値を、金属表面7aと加硫ゴム10との界面の破壊強度とする。
このように測定した破壊強度の大きさに基づいて、加硫ゴム10の離型性を評価する。破壊強度が大きい程、加硫ゴム10の離型性が悪く、破壊強度が小さい程、加硫ゴム10の離型性が良好であると判断できる。
試験体9に、金属表面7aに対して垂直方向の引張力を付与することで、実際のゴム製品の製造工程において加硫ゴムが加硫用モールドから最も離型し難い条件に近似させている。加硫ゴムをピーリングさせて接着力を測定する試験では、加硫ゴムと金属表面との剥離角度が不安定になり易いため、ばらつきを抑えて接着力を測定することが困難になる。一方、本発明では、加硫ゴム10をピーリングするのではなく、金属表面7aに密着している加硫ゴム10の全範囲に一度に、金属表面7aに対して垂直方向に離間させるように引張力を付与する。そのため、金属表面7aと加硫ゴム10との界面の破壊強度を、ばらつきを抑えて安定して測定することが可能になっている。
上述した加硫ゴム10の離型性の評価結果を用いることで、実際のゴム製品の製造ラインでの加硫終了後に、評価した加硫ゴム10と同種の加硫ゴムを加硫用モールドから離型させる際の離型性を精度よく把握することができる。
試験体9において、加硫ゴム10が金属表面7aの周縁にも密着していると、引張試験を行った際に、測定結果(金属表面7aと加硫ゴム10の界面の破壊強度)のばらつきが大きくなることが確認されている。そこで、試験体9は、この実施形態のように、加硫ゴム10が金属表面7aの周縁に密着していない仕様にすることが好ましい。即ち、加硫ゴム10が金属表面7aの周縁(外縁)に接しない状態にする。例えば、加硫ゴム10の周縁を金属表面7aの周縁よりも1mm以上内側に位置させる。
加硫ゴム10が金属表面7aの周縁に密着していない仕様にするには、樹脂フィルム11を使用しなくてもよい。例えば、金属表面7aの面積に対して格段に狭い面積の未加硫ゴム10aを用いて試験体9を形成する。この場合は、未加硫ゴム10aが加硫工程で押し潰されても金属表面7aの周縁まで達することがない。
尚、上記した樹脂フィルム11を使用することで、加硫ゴム10と金属表面7aとの接触面積(開口部11の面積)を精度よく把握できるメリットがある。また、加硫ゴム10を金属表面7aの周縁に密着させないようにするには有利である。
加硫ゴム10の離型性を評価する課程を、より実際の製造ラインと近似した条件にするため、加硫機構12による未加硫ゴム10aの加硫終了時から、引張機構2による試験体9の引張試験が完了するまでの金属表面7aの温度を、加硫機構12による未加硫ゴム10aの加硫終了時の金属表面7aの温度の±10℃の温度範囲に維持することが好ましい。未加硫ゴム10aの加硫温度は例えば120℃〜180℃程度なので、加硫終了時の金属表面7aの温度も同程度の温度範囲となる。
そこで、恒温槽15を金属表面7aの温度調節機構として機能させて、恒温槽15の内部を所定温度(例えば、50℃〜90℃)に維持する。これにより、試験体9の引張試験が完了するまでの金属表面7aの温度を、未加硫ゴム10aの加硫終了時の金属表面7aの温度の±10℃の温度範囲に維持し易くなる。
或いは、加熱機14を金属表面7aの温度調節機構として機能させることもできる。例えば、加硫機構12により未加硫ゴム10aの加硫が完了した後も、加熱機14により金属表面7aを加熱して、試験体9の引張試験を行う。引張試験が完了するまでの間、加熱機により連続的、または、断続的に金属表面7aを加熱することで、試験体9の引張試験が完了するまでの金属表面7aの温度を、未加硫ゴム10aの加硫終了時の金属表面7aの温度の±10℃の温度範囲に維持し易くなる。
この評価装置1では、未加硫ゴム10aを金属表面7aに押圧した状態にするアクチュエータ13を用いて、試験体9に引張力を付与する構成にしている。即ち、試験体9の形成と試験体9の引張試験とを同じ位置で行うことができる。そのため、未加硫ゴム10aの加硫終了時から、引張機構2による試験体9の引張試験が完了するまでの金属表面7aの温度を、加硫機構12による未加硫ゴム10aの加硫終了時の金属表面7aの温度の±10℃の温度範囲に維持するには有利になっている。
図7に例示する評価装置1の実施形態では、未加硫ゴム10aを金属表面7aに押圧した状態にするアクチュエータ12と、形成した試験体9に引張力を付与するアクチュエータ3とが別々に備わっている。即ち、加硫機構12のアクチュエータ13と引張機構2のアクチュエータ3とが隣接配置されていて互いに独立して作動する。
加硫機構12のアクチュエータ13のロッドには、アタッチメント4が取り付けられている。ベース台7の係合部7は、アタッチメント4に形成された係合穴4bに遊嵌されて位置決めされる。
引張機構2のアクチュエータ3のロッドには、測定器6が取り付けられている。測定器6の下面にはフック等の係合部6aが取り付けられている。係合部6aには、ベース台7の係合部7bを横断する貫通孔が係合可能になっている。
図8、図9に例示するように、保持台8は支持フレーム5の上面に載置され、係合部8bは、支持フレーム5の上面に延在する溝5bに係合している。溝5bに係合部8bが係合することで、保持台8は、溝5bの延在方向にスライド自在になっていて、上下方向には移動が規制される。
支持フレーム5にはベース台7(金属表面7a)および保持台8(金属表面8a)を加熱する加熱機14が取り付けられている。また、この評価装置1には、支持フレーム5およびその上方を覆う恒温槽15が備わっている。
以下、この評価装置1を用いて、加硫ゴム10の離型性を評価する方法を説明する。
まず、図10に例示するように、試験体9を形成するために、ベース台7と保持台8との間に、樹脂フィルム11および未加硫ゴム10aを設置する。次いで、アタッチメント4により位置決めされたベース台7を、加硫機構12のアクチュエータ13を作動させることにより下方移動させる。これにより、平坦な金属表面7aに未加硫ゴム10aを押圧した状態にする。それぞれの金属表面7a、8aを加熱機14により加熱しておき、未加硫ゴム10aを所定の加硫温度、所定の圧力下で加硫して加硫ゴム10にする。この加硫工程によって、金属表面7aに加硫ゴム10が密着している試験体9を形成する。金属表面7aと加硫ゴム10との間には樹脂フィルム11が介在しているので、開口部11aを通じてのみ、加硫ゴム10と金属表面7aとが密着する。
未加硫ゴム10aの加硫終了後、図11に例示するように、加硫機構12のアクチュエータ13を作動させてアタッチメント4を上方移動させる。これにより、アタッチメント4とベース台7との係合を解除する。その後、治具やロボットアームを用いて試験体9を、加硫機構12の位置から引張機構2の位置まで移動させる。保持台8の係合部8bが支持フレーム5の溝5bに係合しているので、試験体9を円滑に引張機構2の位置まで移動させることができる。移動先でベース台7の係合部7bを横断する貫通孔に測定器6に取り付けられた係合部6aを係合させる。
次いで、図12に例示するように、引張機構2のアクチュエータ3を作動させて試験体9を上方移動させる。これにより、試験体9に、金属表面7aに対して垂直方向の引張力を付与する引張試験を行う。保持台8の係合部8bは溝5bに係合しているので上方移動が規制される。そのため、測定器6には試験体9に付与されている引張力が伝わり、この引張力が測定される。先の実施形態と同様、測定した金属表面7aと加硫ゴム10との界面の破壊強度の大きさに基づいて、加硫ゴム10の離型性を評価する。
この実施形態では、加硫機構12と引張機構2とが互いに独立しているので、引張機構2によって試験体9の引張試験を行っている間に、加硫機構12によって別の試験体9を形成することができるメリットがある。尚、評価装置1には、加硫機構12と引張機構2をそれぞれ複数台設けることもできる。
この実施形態においても、先の実施形態で説明した様々なアレンジを同様に行うことができる。
1 評価装置
2 引張機構
3 アクチュエータ(油圧シリンダ)
4 アタッチメント
4a 係止ピン
4b 係合孔
5 支持フレーム
5a 貫通穴
5b 溝
6 測定器(ロードセル)
6a 係合部
7 ベース台
7a 平坦な金属表面
7b 係合部
8 保持台
8a 平坦な金属表面
8b 係合部
9 試験体
10 加硫ゴム
10a 未加硫ゴム
11 樹脂フィルム
11a 開口部
12 加硫機構
13 アクチュエータ(油圧シリンダ)
14 加熱機
15 恒温槽
上記目的を達成するため本発明の加硫ゴムの離型性評価方法は、ベース台の平坦な金属表面に未加硫ゴムを押圧した状態で加硫することで、前記金属表面に加硫接着することなく加硫ゴムが密着している試験体を形成し、この試験体に、前記金属表面に密着している前記加硫ゴムの全範囲に一度に、前記金属表面に対して垂直方向に離間させるように引張力を付与する引張試験を行うことにより、前記金属表面と前記加硫ゴムとの界面の破壊強度を測定し、測定した前記破壊強度の大きさに基づいて前記加硫ゴムの離型性を評価することを特徴とする。
本発明の加硫ゴムの離型性評価装置は、ベース台の平坦な金属表面に未加硫ゴムが押圧した状態で加硫されることで形成されている前記金属表面に加硫接着することなく加硫ゴムが密着している試験体に、前記金属表面に密着している前記加硫ゴムの全範囲に一度に、前記金属表面に対して垂直方向に離間させるように引張力を付与する引張機構と、前記引張力が付与された前記試験体の前記金属表面と前記加硫ゴムとの界面の破壊強度を測定する測定器とを備えたことを特徴とする。
図1に例示する加硫ゴムの離型性評価装置1(以下、評価装置1という)の実施形態は、引張機構2と測定器6とを備えている。この評価装置1では、金属表面7aに加硫ゴム10が密着している試験体9を使用して、加硫ゴム10の離型性が評価される。この評価装置1では、引張機構2は加硫機構12としても機能する。さらに、この評価装置1は、試験体9が載置される支持フレーム5と、恒温槽15とを有している。恒温槽15によって支持フレーム5およびその上方が覆われて、恒温槽15の内部が所望の温度に制御される。

Claims (9)

  1. ベース台の平坦な金属表面に未加硫ゴムを押圧した状態で加硫することで、前記金属表面に加硫ゴムが密着している試験体を形成し、前記試験体に前記金属表面に対して垂直方向の引張力を付与する引張試験を行うことにより、前記金属表面と前記加硫ゴムとの界面の破壊強度を測定し、測定した前記破壊強度の大きさに基づいて前記加硫ゴムの離型性を評価することを特徴とする加硫ゴムの離型性評価方法。
  2. 前記未加硫ゴムの加硫終了時から前記引張試験が完了するまでの前記金属表面の温度を、加硫終了時の前記金属表面の温度の±10℃の温度範囲に維持する請求項1に記載の加硫ゴムの離型性評価方法。
  3. 前記試験体を、前記加硫ゴムが前記金属表面の周縁に密着していない仕様にする請求項1または2に記載の加硫ゴムの離型性評価方法。
  4. ベース台の平坦な金属表面に未加硫ゴムが押圧した状態で加硫されることで形成されている前記金属表面に加硫ゴムが密着している試験体に、前記金属表面に対して垂直方向の引張力を付与する引張機構と、前記引張力が付与された前記試験体の前記金属表面と前記加硫ゴムとの界面の破壊強度を測定する測定器とを備えたことを特徴とする加硫ゴムの離型性評価装置。
  5. 前記未加硫ゴムの加硫終了時から前記引張試験が完了するまでの前記金属表面の温度を、加硫終了時の前記金属表面の温度の±10℃の温度範囲に維持する温度調節機構を有する請求項4に記載の加硫ゴムの離型性評価装置。
  6. 前記温度調節機構が、前記未加硫ゴムを加硫する加硫機および前記引張機構が収容される恒温槽を備えている請求項5に記載の加硫ゴムの離型性評価装置。
  7. 前記未加硫ゴムが加硫される際に前記金属表面に押圧した状態にするアクチュエータを用いて、前記試験体に前記引張力を付与する構成にした請求項4〜6にいずれかに記載の加硫ゴムの離型性評価装置。
  8. 前記未加硫ゴムが加硫される際に前記金属表面に押圧した状態にするアクチュエータと、前記試験体に前記引張力を付与するアクチュエータとが別々に備わっている請求項4〜6にいずれかに記載の加硫ゴムの離型性評価装置。
  9. 前記試験体が、前記加硫ゴムが前記金属表面の周縁に密着していない仕様になっている請求項4〜8に記載の加硫ゴムの離型性評価装置。
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