JP2019152382A - 流動焙焼炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】焙焼後の被焙焼物の純度に対する要求が高い場合でも、被焙焼物を均一に焙焼することができる流動焙焼炉を提供する。【解決手段】流動焙焼炉10には、下側から上側へ向けて流れるガスを用いて被焙焼物が焙焼される筒状炉心部11が設けられている。この筒状炉心部11には、被焙焼物が焙焼される流動層が形成されている高さ方向の領域において、流動層に振動を付加する振動体16が備えられている。この構成により、凝集している被焙焼物が解砕され、被焙焼物の大きさが均一に揃う。これにより焙焼の均一性を高めることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、流動焙焼炉に関する。さらに詳しくは、高品位が要求される被焙焼物を焙焼可能な流動焙焼炉に関する。
一般的に、流動焙焼炉は、原料単独、もしくは流動媒体を用いてガスを供給しながら焙焼対象の粉状または粒状の原料をあたかも流体のように浮遊させることによって媒体との混合状態をつくり上げ、効率的に焙焼する装置である。焙焼対象の原料と流動媒体とを混合させた状態で焙焼することにより原料と流動媒体とが衝突しながら焙焼が進み、また、原料が流動層内に比較的長時間滞留できるため、効率的に焙焼することができる。
このような流動焙焼炉を用いて供給した原料に対する焙焼を確実に行うためには、ガスの流速を、原料(以下、本明細書において「被焙焼物」と称することがある)と流動媒体との混合物の空塔速度が、最小流動化速度以上、終末速度未満の範囲となるように正確に制御されなければならない。
ここで、「空塔速度」とは、ガス流量/炉内断面積で求められる実速度である。ここで「炉内断面積」は、炉芯の軸心に垂直な平面における炉内の面積をいう。また、「最小流動化速度」とは、被焙焼物と流動媒体との混合物である粉体等(本明細書で少なくとも粉体及び流体のいずれかを含んでいるものを「粉体等」と称することがある)が流動を始める最小の速度である。「終末速度」とは、流動層から粉体等が上昇して飛び出し始める速度をいう。
上記のように速度制御が正確に行われる必要があるのは、以下のような理由のためである。すなわち、供給するガスの流速が、原料と流動媒体との混合物の「最小流動化速度」未満であると、原料が流動化しないために焙焼が均一に進まず、原料の凝集が発生する等の問題が生じる。
一方で、ガスの流速がその混合物の「終末速度」以上であると、流速が速すぎて原料または流動媒体がガスと共に流されてしまい、効果的に焙焼を施すことができないという問題、または回収率が大きく低下するという問題が生じる。
つまり、流動焙焼では、ガス流量を適切な範囲内で制御して、原料を焙焼に足る時間、流動層内で流動化させることが必要となる。
特許文献1には、古砂ダストを流動焙焼炉の焙焼室内に供給し、その焙焼室内において流動焙焼させ、焙焼室内に形成される流動層の上部位置に開口する溢流口からオーバーフローさせて、再生処理ダストとして回収する技術が開示されている。ここで、古砂ダストは、鋳物古砂再生用の乾式再生機で発生したダストを集じんして得たものである。また、流動焙焼炉の底部には、珪砂がベース砂として収容されている。
また、特許文献2には、金属鉄源を流動焙焼炉で酸化焙焼する工程と、焙焼炉の溢流口より排出された粗粒子の酸化層を剥離する工程と、剥離工程後の酸化鉄と金属鉄粉を流動焙焼炉に循環する工程と、生成した微粉酸化鉄を焙焼ガスと共に流出させて焙焼ガス中より捕捉回収する工程とからなる高品位酸化鉄の製造方法が開示されている。
これらの特許文献1または2では、古砂ダストや酸化鉄が焙焼されているが、焙焼後にこれらの原料がどの程度均一に焙焼されているかについては言及されていない。
特開2000−42515号公報 特開昭61−236616号公報
二次電池の材料として多く用いられる酸化ニッケル(NiO)は、焙焼後の被焙焼物の純度に対する要求が非常に厳しい。酸化ニッケルは、硫酸ニッケル(NiSO)を含有する水溶液にアルカリを添加し、中和して水酸化ニッケル(Ni(OH))を得、その水酸化ニッケルを焙焼して製造される。焙焼後の酸化ニッケルに含まれる不純物の硫黄品位が、例えば100ppmを超えるような高さだと、電池の特性を低下させる等の影響が生じるなど好ましくない。特許文献1等で開示されている従来の流動焙焼炉での焙焼は、焙焼後の被焙焼物の純度を上げる必要性はそれほど高くなく、特許文献1で開示されている構成では、焙焼後の被焙焼物の純度を上げることが困難であった。また、水酸化ニッケルは凝集しやすく、そのまま炉内に供給された場合、焙焼が均一に進行せず、この点でも被焙焼物の純度を上げることが困難であった。すなわち従来の流動焙焼炉の構成では、焙焼の均一性を十分に上げることができないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑み、焙焼後の被焙焼物の純度に対する要求が高い場合でも、被焙焼物を均一に焙焼することができる流動焙焼炉を提供することを目的とする。
本発明者らは、この問題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、流動焙焼炉の流動層に振動を加え、被焙焼物の解砕を進ませることにより、焙焼後の被焙焼物の純度に対する要求が高い場合でも、被焙焼物を均一に焙焼することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
第1発明の流動焙焼炉は、下側から上側へ向けて流れるガスを用いて被焙焼物が焙焼される筒状炉心部が設けられ、該筒状炉心部には、前記被焙焼物が焙焼される流動層が形成されている高さ方向の領域において、前記流動層に振動を付加する振動体が備えられていることを特徴とする。
第2発明の流動焙焼炉は、第1発明において、前記振動体は、バイブレータにより振動していることを特徴とする。
第3発明の流動焙焼炉は、第1発明において、前記振動体は、超音波振動装置により振動していることを特徴とする。
第4発明の流動焙焼炉は、第1発明から第3発明のいずれかにおいて、前記振動体が上下に2以上設けられていることを特徴とする。
第5発明の流動焙焼炉は、第1発明から第4発明のいずれかにおいて、前前記被焙焼物が、鉱石または精鉱であることを特徴とする。
第6発明の流動焙焼炉は、第1発明から第4発明のいずれかにおいて、前記被焙焼物が、電池材料であることを特徴とする。
第1発明によれば、流動層が形成されている高さ方向の領域において、流動層に振動を付加する振動体が設けられていることにより、凝集している被焙焼物が解砕され、被焙焼物の大きさが均一に揃う。これにより焙焼の均一性を高めることができる。
第2発明によれば、振動体は、バイブレータにより振動していることにより、被焙焼物に付加する振動の振幅を比較的大きくできるので、凝集した被焙焼物が大きい場合でも、解砕が十分に行われる。
第3発明によれば、振動体は、超音波振動装置により振動していることにより、被焙焼物に付加する振動を比較的高周波にできるので被焙焼物の均一性をより高めることができる。
第4発明によれば、振動体が上下に2以上設けられていることにより、流動層が形成されている領域が上下に長くなっても、被焙焼物に振動をより均一に付加することができるので、被焙焼物の均一性をさらに高めることができる。
第5発明によれば、被焙焼物が鉱石または精鉱である場合であっても、本発明の流動焙焼炉によれば、焙焼後の被焙焼物の純度に対する高い要求に応えることができる。
第6発明によれば、被焙焼物が電池材料である場合であっても、本発明の流動焙焼炉によれば、焙焼後の被焙焼物の純度に対する高い要求に応えることができる。
本発明の第1実施形態に係る流動焙焼炉の正面方向から見た断面図である。 本発明の第2実施形態に係る流動焙焼炉の正面方向から見た断面図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための流動焙焼炉およびその運転方法を例示するものであって、本発明は流動焙焼炉およびその運転方法を以下のものに特定しない。なお、各図面が示す部材の大きさまたは位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
(第1実施形態)
図1には、本発明の第1実施形態に係る流動焙焼炉10の正面方向からの断面図を示す。図1において黒色の太線矢印は、流動用ガスの流れ方向を示している。本実施形態の流動焙焼炉10には、筒状炉心部11が、軸心を鉛直にした状態で設けられている。この筒状炉心部11の下部には固定層15が設けられている。固定層15は例えば球状のアルミナなどのセラミックスを充填したものを用いることができ、セラミックスはポーラスであってよく、高い充填率のものであってよい。そして被焙焼物が固定層15の下に落ち込まないように固定層15を何層かで構成してもよい。例えば固定層15の下側を球状のアルミナを用い、固定層15の上側をより小さな球状のアルミナを用いてもよい。この固定層15の下面には、筒状炉心部11の下部から流動用ガスを導入するための流動用ガス導入管12が設けられている。この流動用ガス導入管12から太線矢印で示す向きに流動用ガスが供給されることで、固定層15の上に位置している流動媒体31および原料32が流動化して流動層が生じ、この流動層内で原料32が浮遊した状態で焙焼が行なわれる。
筒状炉心部11の下部には、流動媒体31等を一定の温度に保持するためのヒータ13が設けられている。なおこのヒータ13は原料32によっては設けられない場合もある。ヒータ13が用いられない場合は、例えば高温の流動用ガスを流して流動焙焼してもよい。
筒状炉心部11に供給する原料32は、筒状炉心部11の側部に設けられた原料投入管14により適宜投入される。そして原料投入管14は原料投入後、蓋またはバルブで閉じる。
本実施形態に係る流動焙焼炉10は、筒状炉心部11に、筒状炉心部11内部に突出するように振動体16が設けられている。この振動体16は、被焙焼物が焙焼される流動層が形成されている高さ方向の領域に設けられている。すなわち、振動体16は、流動層を形成している流動媒体31および原料32がある高さに位置しており、被焙焼物である原料32に振動を付加することが可能となっている。振動体16は、丸棒形状であり、一方の端部が筒状炉心部11外に位置している。
流動層が形成されている高さ方向の領域において、流動層に振動を付加する振動体16が設けられていることにより、凝集している被焙焼物が解砕され、被焙焼物の大きさが均一に揃う。これにより焙焼の均一性を高めることができる。
振動体16は、筒状炉心部11の外側に位置しているバイブレータ17により振動している。バイブレータ17は、電動モータまたはエアモータなどの回転式アクチュエータからの回転運動を、機械的な構成により振動に変換するものであり、一定の周期の振動を振動体16に付加することができる。
振動体16は、バイブレータ17により振動していることにより、被焙焼物に付加する振動の振幅を比較的大きくできるので、凝集した被焙焼物が大きい場合でも、解砕が十分に行われる。
なお、本実施形態では、振動体16はバイブレータ17により振動し、バイブレータ17が筒状炉心部11の外側に位置している構成であったが、筒状炉心部11内の焙焼温度が低い場合は、振動体16がバイブレータである構成とすることも可能である。
(第1実施形態に係る流動焙焼炉10の運転方法)
図1に示すように、流動焙焼炉10には、原料32と一緒に流動層を生じさせるための流動媒体31が装入されている。流動焙焼炉10に流動用ガス導入管12から流動用ガスが導入されるとともに、原料32があらかじめ定められた量だけ投入される。流動用ガスの流速は、原料32と流動媒体31との混合物の「空塔速度」が、「最小流動化速度」以上で「終末速度」未満であるように調整する。このとき、振動体16を動作させ、流動層に振動を付加する。このように振動を付加することで、被焙焼物が解砕される。振動は、流動焙焼が行なわれている間は連続的に付加されるのが好ましい。
なお、振動数は、被焙焼物の大きさにより決定される。例えば被焙焼物の解砕後の大きさが比較的大きい場合は、振動数は比較的大きくすることが好ましく、被焙焼物の解砕後の大きさが比較的小さい場合は、振動数は比較的小さくすることが好ましい。またバイブレータ17の出力は、流動層の大きさ、または解砕前の被焙焼物の予想される大きさによって決定される。
流動焙焼炉10はヒータ13により加熱した状態にしておき、原料32を投入して焙焼することが好ましい。原料投入後、加熱すると時間がかかり効率が悪くなるからである。ヒータ13は電気式であることが、制御が容易である点で好ましい。また、図示していないが、ガスバーナなどはコスト面で安く、好ましい。
(第2実施形態)
図2には、本発明の第2実施形態に係る流動焙焼炉10の正面方向からの断面図を示す。第1実施形態との相違点は、振動体16が上下に2つ設けられている点である。なおこの振動体16は3つ以上設けることも可能である。
振動体16が上下に2以上設けられていることにより、流動層が形成されている領域が上下に長くなっても、被焙焼物に振動をより均一に付加することができるので、被焙焼物の均一性をさらに高めることができる。
上記二つの実施形態においては、振動体16に振動を付加するのは、回転運動を振動運動に変換するバイブレータ17であったが、これに限定されない。例えば振動を付加するのは、超音波振動装置またはノッカーなどであってよい。超音波振動装置は、20kHz以上の周波数を有する振動を発生する装置であってよい。またノッカーは、間欠的に振動を与えることができる装置であり、主にエアにより駆動される。
振動体16は、超音波振動装置により振動していることにより、被焙焼物に付加する振動を比較的高周波にでき、付加する振動の数を多くできるので被焙焼物の流動が滑らかになり、かつ解砕が進むので、被焙焼物の均一性をより高めることができる。
また、上記二つの実施形態においては、流動層に振動を付加する振動体16は、筒状炉心部11の内部に突出した形態で設けられているが、この形態に限定されない。例えば、筒状炉心部11が十分に細い場合は、筒状炉心部11の外面または内面に沿って設けることも可能である。
以下、本発明に関連する実験を行い、本発明の各実施形態の実施例を示して説明する。なお、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実験1)(振動装置による効果の検証、原料:水酸化ニッケル)
<原料>
焙焼対象の原料(被焙焼物)32として、水酸化ニッケル(Ni(OH))を準備した。水酸化ニッケルは、平均粒径が23.7±1.0μmのものであり、あらかじめ真空中で175℃、3時間の真空加熱処理が行われ、含有水分が実質的に除去された。分析すると硫黄分が2.0±0.1重量%の割合で含まれていた。その他の不純物成分は、実質的に無視できる程度だった。
なお、以下の各実験においては、バッチ処理を行った。すなわち各原料32は所定量を流動焙焼炉10に装入し、次に空気を流動用ガスとして炉内下部から送り込んで流動化するとともに所定の温度に昇温し維持して流動焙焼を行い、焙焼後の流動用ガスは上部から排出するようにした。
<流動焙焼処理>
実験1の実施例1では図1に示す第1実施形態に係る流動焙焼炉10が用いられた。実施例2では、バイブレータ17を超音波振動装置に交換した流動焙焼炉10が用いられた。また、比較例1では、図1に示す流動焙焼炉10から振動体16を取り除いた焙焼炉が用いられた。これらの焙焼炉により、原料の水酸化ニッケルが焙焼され、焙焼物である酸化ニッケル(NiO)が回収された。
投入原料の重量は、全て同一とし、焙焼条件は全て同一条件とした。具体的には焙焼温度は900℃、焙焼時間は20分、流動用ガスには空気が用いられた。所定の焙焼後炉を冷却し、炉内の被焙焼物を回収した。
バイブレータ17は、エクセン(株)の単相誘導モータを用いたバイブレータ(型式:KM3S−2PD)であり、焙焼処理を行う間、連続的に振動体16を47.9Hzで振動させた。また超音波振動装置は、日本ALEX(株)の超音波発振器(型式:NH1200)であり、焙焼処理を行う間、連続的に振動体16を40kHzで振動させた。
<評価>
実施例1、2、比較例1のそれぞれの処理において、焙焼により得られた試料の回収率(すなわち実収率)、回収した試料中における酸化ニッケルの含有量、および、回収した試料中における硫黄の含有量が評価された。表1に、測定結果を示す。なお、評価方法は以下の通りである。
[焙焼により得られた試料の回収率]
焙焼により得られた試料の回収率は、下記の数1により算出した。
(数1)
R=W/(W−S)×100
R:回収率[%]
:回収した試料の重量
:投入した原料32(今回はNi(OH))が全て焙焼された(今回はNiO)ときの重量
S:投入した原料32に含まれている硫黄の重量
[回収した試料中における酸化ニッケルの含有量の割合]
回収した試料中における酸化ニッケルの含有量の割合は、回収した試料中に含まれる酸化ニッケル(NiO)と水酸化ニッケル(Ni(OH))の含有量をそれぞれ算出し、それぞれの含有量の合計値に対するNiO含有量の割合(重量%)として算出した。
[回収した試料中における硫黄の含有量]
回収した試料中における硫黄の含有量は、硫黄分析装置(三菱化学株式会社製,型式:TOX−100)を用いて測定した。
Figure 2019152382
表1に示すように、流動焙焼炉10で振動装置が用いられた実施例1、2では、良好な結果が得られた。すなわち、回収率は全て高い値を示し、その回収した試料中における酸化ニッケルの含有割合も全て99.5%以上で、原料の水酸化ニッケルのほとんどが酸化ニッケルに焙焼できていることが分かる。また、回収した試料中の硫黄の含量量も極めて少なくなった。これは、被焙焼物が振動装置によって凝集が解かれ、均一に効率よく焙焼されたためであると考えられる。
一方、振動装置が用いられていない比較例1では、実施例1、2に対して回収率は低く、回収した試料中における硫黄品位も高いものであった。これは、流動焙焼中に十分に被焙焼物である水酸化ニッケルの解砕ができず、焙焼が不均一になったことによるものと考えられる。
(実験2)(振動装置による効果の検証、原料:銅精鉱)
<原料>
焙焼対象の原料(被焙焼物)32として、表2に示した砒素、硫黄品位の銅精鉱を用いた。
Figure 2019152382
<流動焙焼処理>
実験2の実施例3では実験1と同様、図1に示す第1実施形態に係る流動焙焼炉10が用いられた。実施例4では、バイブレータ17を超音波振動装置に交換した流動焙焼炉10が用いられた。また、比較例2では、図1に示す流動焙焼炉10から振動体16を取り除いた焙焼炉が用いられた。これらの焙焼炉により、原料の銅精鉱が焙焼された。
投入原料の重量は、全て同一とし、焙焼条件は全て同一条件とした。具体的には焙焼温度は900℃、焙焼時間は4.0時間とし、流動用ガスには窒素が用いられた。所定の焙焼後炉を冷却し、炉内の被焙焼物を回収した。
バイブレータ17は、エクセン(株)の単相誘導モータを用いたバイブレータ(型式:KM3S−2PD)であり、焙焼処理を行う間、連続的に振動体16を47.9Hzで振動させた。また超音波振動装置は、日本ALEX(株)の超音波発振器(型式:NH1200)であり、焙焼処理を行う間、連続的に振動体16を40kHzで振動させた。
<評価>
実施例3、4、比較例2のそれぞれの処理において、フィルターでの試料の回収率(飛散率)、及び、銅精鉱中の砒素含有量について以下の方法で評価した。表3に、測定結果を示す。なお、評価方法は以下の通りである。
[フィルターでの試料の回収率]
焙焼後、排気ガスとともに流し出された試料をバグフィルターで回収し、その回収量から下式によって回収率(飛散率)を算出した。なお、本来銅精鉱がフィルターで捕集されるのはロスになり好ましくなくこの回収率(飛散率)は低い方が好ましい。
(数2)
=W/W×100
:フィルターでの回収率[%]
:回収した試料の重量
:投入した原料(今回は銅精鉱)の重量
[実験前後の試料中の砒素含有量]
実験前後の試料については、ICP発光分光分析装置を用いて砒素と硫黄を分析した。
Figure 2019152382
表3に示すように、流動焙焼炉10で振動装置が用いられた実施例3、4では、良好な結果が得られた。すなわち、実施例において砒素は0.1重量%未満であり、精鉱中の砒素と硫黄の含有量が大きく減少した。銅精鉱中の砒素、硫黄が減少したため、銅精鉱中の銅含有率が流動焙焼によって10%以上増加し銅を濃縮できた。これは、被焙焼物が振動装置によって凝集が解かれ、均一に効率よく焙焼されたためであると考えられる。
一方、振動装置が用いられていない比較例2では、実施例3、4に対して好ましくない結果となった。すなわち、砒素品位が0.1重量%あり、フィルターでの回収量は0.4%であった。これは、流動焙焼中に十分に被焙焼物である銅精鉱の解砕ができず、焙焼が不均一になったことによるものと考えられる。
10 流動焙焼炉
11 筒状炉心部
16 振動体
17 バイブレータ

Claims (6)

  1. 下側から上側へ向けて流れるガスを用いて被焙焼物が焙焼される筒状炉心部が設けられ、
    該筒状炉心部には、前記被焙焼物が焙焼される流動層が形成されている高さ方向の領域において、前記流動層に振動を付加する振動体が備えられている、
    ことを特徴とする流動焙焼炉。
  2. 前記振動体は、回転運動を振動運動に変換するバイブレータにより振動している、
    ことを特徴とする請求項1記載の流動焙焼炉。
  3. 前記振動体は、超音波振動装置により振動している、
    ことを特徴とする請求項1記載の流動焙焼炉。
  4. 前記振動体が上下に2以上設けられている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の流動焙焼炉。
  5. 前記被焙焼物が、鉱石または精鉱である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の流動焙焼炉。
  6. 前記被焙焼物が、電池材料である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の流動焙焼炉。
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