JP2019152211A - スクロール式流体機械 - Google Patents

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翔 渡邉
Sho Watanabe
翔 渡邉
坂本 晋
Susumu Sakamoto
晋 坂本
小林 義雄
Yoshio Kobayashi
義雄 小林
公宣 岩野
Kiminobu Iwano
公宣 岩野
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Abstract

【課題】圧縮運転時に固定スクロールと旋回スクロールのラップ隙間を可能な限り小さくし,圧縮室から圧縮流体が漏れるのを抑えることによって,圧縮効率を高める。【解決手段】渦巻状のラップ部を有する固定スクロールと、該固定スクロールに対向して設けられ、該固定スクロールのラップ部との間で複数の圧縮室を形成するように渦巻状のラップ部が旋回する旋回スクロールと、を備えるスクロール式流体機械において、前記固定スクロールと前記旋回スクロールのうち少なくとも一方のラップ部は、所定の領域において、一方の側面に凹部(8)が設けられ、他方の側面には凸部(9)が設けられることを特徴とするスクロール式流体機械。【選択図】図8

Description

本発明は,例えば空気,冷媒等の圧縮機または真空ポンプ等として好適に用いられるスクロール式流体機械に関する。
特許文献1には、圧縮運転時において、固定スクロールまたは旋回スクロールの前記ラップ部の歯先側の温度上昇が歯底側の温度上昇よりも大きくなる部位は、固定スクロールまたは旋回スクロールのラップ部の歯底側の温度上昇が歯先側の温度上昇よりも大きくなる部位に比べ、径方向外側で対向するスクロールのラップ部との間の最も接近した状態でのクリアランスを大きく形成した構成が記載されている。
特許第4988805号公報
スクロール式流体機械は,圧縮運転時に固定スクロールと旋回スクロールのラップ隙間を可能な限り小さくし,圧縮室から圧縮流体が漏れるのを抑えることによって,圧縮効率等を高めるようにしている。この際,圧縮され高温となった圧縮空気によりラップが加熱され、熱変形によりラップ隙間が変化する。ラップ隙間の変化によって、隙間が小さくなる部分ではラップが接触する可能性があり、また、隙間が大きくなる部分では、圧縮流体が漏れ性能が悪化する。
上述した従来技術によれば、圧縮運転時において、ラップ部の歯先側の温度上昇が歯底側の温度上昇よりも大きくなる部位は、歯底側の温度上昇が歯先側の温度上昇よりも大きくなる部位に比べ、径方向外側で対向するスクロールのラップ部との間の最も接近した状態でのクリアランスを大きく形成し、熱変形によるラップの接触を防いでいる。
一方、熱変形によりラップ隙間が大きくなる部分に対しては言及されておらず、圧縮流体の漏れ性能が悪化することが課題としてあげられる。
上述した課題を解決するために,例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、渦巻状のラップ部を有する固定スクロールと、該固定スクロールに対向して設けられ、該固定スクロールのラップ部との間で複数の圧縮室を形成するように渦巻状のラップ部が旋回する旋回スクロールと、を備えるスクロール式流体機械において、前記固定スクロールと前記旋回スクロールのうち少なくとも一方のラップ部は、所定の領域において、一方の側面に凹部が設けられ、他方の側面には凸部が設けられることを特徴とするスクロール式流体機械を提供する。
本発明によると、熱変形によりラップ隙間に変化があっても、信頼性を保ちながら性能向上を実現することができる。
本発明のスクロール式圧縮機本体の外観図である。 本発明の実施例1に係るスクロール式圧縮機の断面図である。 本発明の実施例1に係るスクロール式圧縮機の断面図である。 本発明の実施例1に係るスクロール式圧縮機の断面図である。 本発明の課題を示すスクロール式圧縮機の断面図である。 本発明の課題を示すスクロール式圧縮機の断面図である。 本発明の実施例1に係るラップ部の断面図である。 本発明の実施例1に係る固定スクロールの断面図である。 本発明の実施例1に係るラップ変形量のグラフである。 本発明の実施例2に係るラップ部の断面図である。 本発明の実施例3に係るラップ部の断面図である。 本発明の実施例4に係るラップ部の断面図である。 本発明の実施例5に係るラップ部の断面図である。
以下,本発明の実施例1を図1−8に従って詳細に説明する。
図1は、本発明におけるスクロール式圧縮機本体の外観図であって、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は左側面図、(D)は上面図、(E)は背面図を示す。図1において、70は圧縮機本体の外殻を構成するケーシングであり、軸方向の一側が閉塞され、軸方向の他側が開口した有底筒状体として形成されている。ケーシング70の筒部内には、後述の旋回スクロール等が収容されている。そして、圧縮機本体は、ケーシング70の開口端側に固定して設けられた一のスクロール部材としての固定スクロールを有している。71の内部には、固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部との間に画成された複数の圧縮室があり、各圧縮室は、旋回スクロールのラップ部を固定スクロールのラップ部と重なり合うように配置されている。72はプーリで、駆動軸(図示せず)の一端に設けられており、駆動源としての電動モータの出力側にベルト(いずれも図示せず)等を介して連結され、駆動軸を駆動する。駆動軸は、固定スクロールに対して旋回スクロールを旋回運動させるものである。なお、モータの回転軸を駆動軸と一体とした、モータ一体型のスクロール式空気圧縮機とし、プーリ72や、ベルトを不要にした構成でも良い。80は固定スクロールの外周側に設けられた吸入口で、吸入口80は、吸気フィルタ81を介して外部から空気を吸込み、この空気は各圧縮室内で旋回スクロールの旋回動作に伴って連続的に圧縮される。
即ち、旋回スクロールは、電動モータ(図示せず)等により駆動軸を介して駆動され、固定スクロールに対し旋回運動を行う。これにより、複数の圧縮室のうち外径側の圧縮室は、固定スクロールの吸入口80から空気を吸込み、この空気は各圧縮室内で連続的に圧縮される。そして、最内径側の圧縮室から圧縮空気を中心側に位置する吐出口42から圧縮空気を外部に向けて吐出する。73は固定スクロールの吐出口42に接続して設けられた吐出配管で、吐出配管73は、貯留タンク(図示せず)と吐出口42との間を連通させる吐出流路を構成するものである。また、74は、後述する冷却ファンが回転して発生する冷却風を、固定スクロールの固定冷却フィン75と旋回スクロールの旋回冷却フィン76に導風するファンダクトである。また、77は、固定冷却フィン75を覆うフィンカバーである。上述の構造は、スクロール式圧縮機の基本的な構造であり、以下に説明する実施例1−5に共通する。
次に、図2に本発明のスクロール式圧縮機のスクロール部分の断面図を示す。旋回スクロール1と、固定スクロール2は、それぞれ鏡板に渦巻状に立設され、互いに重なり合っている。旋回スクロール1の旋回運動により,旋回スクロール1のラップ部3と固定スクロール2のラップ部4との間に画成される圧縮室5が連続的に縮小される。これによって各圧縮室は,吸込ポート6から吸込んだ空気を順次圧縮しつつ,この圧縮空気を吐出ポート7から吐出口42を経由して外部の空気タンク(図示せず)に向けて吐出する。
旋回スクロール1のラップ部3の内、a−b間を外線と言い、a−c間を内線と言う。また同様に、固定スクロール2のラップ部4の内、d−e間を外線と言い、d−f間を内線と言う。旋回スクロール1が旋回運動により移動している内、図2の瞬間では旋回スクロール1のラップ部3の内線と、固定スクロール2のラップ部4の外線との間で、圧縮室が3つ形成されている。その3つの圧縮室の内、外周側の圧縮室5からそれぞれ圧縮室Pa(5a)、圧縮室Pb(5b)、圧縮室Pc(5c)とする。また、同様に旋回スクロール1のラップ部3の外線と固定スクロール2のラップ部4の内線との間で圧縮室が3つ形成されている。その3つの圧縮室の内、外周側の圧縮室5からそれぞれ圧縮室Pd(5d)、圧縮室Pe(5e)、圧縮室Pf(5f)とする。それぞれの各圧縮室の圧力は吐出ポート6に近づくにつれ高くなっている。つまり圧力の高さは順に、5c>5b>5aとなっている。また同様に、5f>5e>5dとなっている。
図3に図2の状態から旋回スクロール1が半回転分移動した後のスクロール式圧縮機断面図を示す。図3の瞬間では各圧縮室はそれぞれ半周分だけ吐出ポート6に近づき、圧縮室Pa(5a)は圧縮室Pa’(5a’)に、圧縮室Pb(5b)は圧縮室Pb’(5b’)に、圧縮室Pc(5c)は圧縮室Pc’(5c’)に変化している。また同様に、圧縮室Pd(5d)は圧縮室Pd’(5d’)に、圧縮室Pe(5e)は圧縮室Pe’(5e’)に、圧縮室Pf(5f)は圧縮室Pf’(5f’)に変化している。この内圧縮室Pc’(5c’)と圧縮室Pf’(5f’)は吐出ポート6と連通し空気タンク(図示せず)へ圧縮空気を吐出している。
図4にラップ隙間を示す。図4に示すように旋回スクロール1と、固定スクロール2は,ラップ部3,4に形成するラジアル方向の隙間8(ラップ隙間と呼ぶ)を可能な限り小さくすることによって,各圧縮室から圧縮空気が漏れるのを抑え,空気圧縮機としての効率等を高めるようにしている。
圧縮した空気は高温となっており、それにより旋回スクロール1および固定スクロール2は熱変形を起こす。また、圧縮した空気の圧力を受けることによっても、変形を起こす。また、ラップ部3、4も同様の変形を起こす。従って、ラップ隙間8を小さくすると圧縮空気の熱等の影響でラップ部3、4が変形した場合に、ラップ部3、4が接触する可能性がある。
図5及び図6は本発明の課題を示すスクロール式圧縮機の断面図である。図5はラップ隙間8を小さくとった場合の運転中の圧縮機を示している。圧縮室Pc(5c)と圧縮室Pb(5b)および、圧縮室Pb(5b)と圧縮室Pa(5a)をそれぞれ画成している断面A−Aでは、熱などの影響により変形したラップ部4がラップ部3に接触してしまっている。この場合スクロール式圧縮機は破損してしまう。一方、ラップ部3とラップ部4が接触しないようにラップ隙間8を大きく取ることが考えらえるが、その場合、圧力差からラップ隙間8を通り、圧縮室Pc(5c)から圧縮室Pb(5b)に、圧縮室Pb(5b)からは圧縮室Pa(5a)へ圧縮した空気が流出してしまい、圧縮機としての効率が低下する。
図6では図5の状態から旋回スクロール1が半回転分移動した瞬間である。図5と同様の位置のA−A断面を示している。図6のA−A断面は、圧縮室Pf’(5f’)と圧縮室Pe’(5e’)、圧縮室Pd’(5d’)と圧縮室Pe’(5e’)をそれぞれ画成している。図5の瞬間にて熱などの影響により接触する方向へ倒れ込むように変形していたラップ部4は、旋回スクロール1が半回転分移動した場合には、その変形により相手側のラップ部3から離れる形になっており、隙間を生じている。この隙間を通じて圧力差から、圧縮室Pf’(5f’)から圧縮室Pe’(5e’)に、圧縮室Pe’(5e’)からは圧縮室Pd’(5d’)に圧縮した空気が流出し、圧縮機としての効率が低下している。
背景技術に示した特許文献1(特許第4988805号公報)では変形によりラップ隙間8が小さくなる部位において、ラップ部3、4を肉削ぎすることでラップ部3との接触を防ぎ、ラップ隙間8を小さく保てるよう構成している。一方、図6に示したようなラップ隙間8が大きくなる部位については、隙間はそのまま存在しており圧縮機としての効率が低下することが考えられる。
図7に本実施例におけるラップ部4の形状を示す。本実施例では、図7に示すように,熱などの影響による変形によりラップ隙間が小さくなる部分のラップ部4の側面に凹部8を設け,ラップ部3、4が接触する(かじる)ことを防止している。一方、凹部8を設けた反対側の側面では、ラップ隙間が大きくなるのを防止するため凸部9を設けている。凸部9を設けることにより、ラップ部3およびラップ部4が変形した後でも、ラップ隙間の拡大を防ぐことができ圧縮空気の漏れを防止している。図8に本実施例における固定スクロール2のラップ部4の断面図を示す。図7では説明のために凹部8と凸部9を一部にしか設けていないが、本実施例では図8に示すようにラップ部4の全周にわたって凹部8及び凸部9を設けている。また、図示しないが旋回スクロール1のラップ部3においても同様に全周にわたって凹部8及び凸部9を設けてもよい。図9に圧縮機運転中における、ラップ部3、4の変形量を示す。縦軸はラップ変形量を示し、周方向外側への変形量の大きさを示す。横軸はラップ中心部からの伸開角である。凹部8および凸部9を設ける位置は、図9に示す通り、例えば固定スクロール2のラップ部4の歯先側の内線の変形量と、それと相対する旋回スクロール1のラップ部3の歯元側の外線の変形量とを比較するように、相対するラップ部3およびラップ部4の変形量を比較することで求められる。図9のように比較した場合には、旋回スクロール1のラップ部3の歯元側外線の変形量より、固定スクロール2のラップ部4の歯先側内線の変形量が大きくなる部分が固定スクロール2のラップ部4に凸部9を設けるべき位置であり、小さくなる部分が凹部8を設けるべき位置である。
また、図示しないが同様に、固定スクロール2のラップ部4の歯先側の外線の変形量と、それと相対する旋回スクロール1のラップ部3の歯元側の内線の変形量とを比較して、凸部及び凹部を設ける位置を特定する。さらに、固定スクロール2のラップ部4の歯元側又の内線及び外線の変形量と、それと相対する旋回スクロール1のラップ部3の歯先側の内線及び外線の変形量とを比較して、凸部及び凹部を設ける位置を特定することができる。
また、変形量に応じて凸部及び凹部の大きさを調整してもよい。例えば、図9に示す固定スクロール2のラップ部4の歯先側内線の変形量と旋回スクロール1のラップ部3の歯元側外線の変形量の差が他の領域より大きい領域においては、より凸部を大きく形成する。
図8においては固定スクロール2に凸部及び凹部を設けているが、図9に示す変形量に基づき、旋回スクロール2に凸部及び凹部を設けてもよいし、固定スクロール2と旋回スクロール1の両方に設けてもよい。本実施例における凹部8および凸部9の大きさは、運転時の熱変形量に基づき予め算出しておき、必要に応じて、切削加工時における削り量を調整することで形成している。凹部8を形成する場合には、削り量を多くし、凸部9を形成する場合には削り量を少なくすることで凹部8および凸部9を形成している。一方、凹部8および凸部9を構成する方法として、切削加工によらず予めラップ部3、4の素材の型を調整することにより鋳抜きにより形成しても構わない。また、コーティング剤をラップ部3或いはラップ部4、もしくは両方の側面に塗布している場合には、そのコーティング剤の膜厚を調整することにより凹部8および凸部9を構成しても構わない。
凹部または凸部は、他の領域のラップ部に対して相対的にラップ部の歯厚が小さくなる方向(内線であれば径方向外側、外線であれば径方向内側)に加工された部分を凹部とし、相対的に歯厚が大きくなる方向(内線であれば径方向内側、外線であれば径方向外側)に加工された部分を凸部と考えることができる。また、凹部または凸部は、渦巻状のスクロールの基準となるインボリュート曲線及び歯厚に対しての凹凸としての凹部または凸部として考えてもよい。
次に実施例2について,図10を用いて説明する。図10に本実施例におけるラップ部の形状を示す。実施例1と同様にラップの変形によりラップ隙間が小さくなる部分のラップ部4の側面に凹部8を設け、ラップ部3とラップ部4が接触することを防止している。一方、凹部8を設けた反対側の側面に対向するラップ部3の側面に凸部9aを設けている。凹部8を設けた反対側の側面に凸部を設けず、その対向する側面に凸部9aを設けることにより、それぞれラップ部の片側のみに凸部または凹部が設けられるようになる。これにより、ラップ部の加工において、凸部または凹部を設けない側を基準にして加工することができ、加工精度の確認が容易となり生産性が向上する。
次に実施例3について,図11を用いて説明する。図11に本実施例におけるラップ部の形状を示す。実施例1、2と同様にラップの変形によりラップ隙間が小さくなる部分のラップ部4の側面に凹部8aを設けている。その範囲は、ラップ部4の歯元(g)から歯先(g’)へ向かう方向(歯高方向)において歯先側の一部分だけとした。これは、例えば凹部8aを設けるラップ部4のg−g’部において、g−g’部に相対するラップ部3のh−h’部とのラップ隙間を見た際に、g’−h間ではラップ隙間が小さくなるのに対し、g−h’間ではラップ隙間があまり変化しない場合に、凹部8aの範囲を必要最低限に抑える効果がある。凹部8aの範囲を必要最低限にすることで、ラップ隙間が不必要に広がることがなくなり、漏れが少なくなり性能が向上する。
また、凸部9bについても、i−i’部の内歯先(i’)側だけ凸部9bとしている。これにより歯元側であるi−j’間のラップ隙間が小さくなるか或いは変わらない場合においても、歯先(i’)側のラップ隙間が広がることを適切に防ぐことができる。
次に実施例4について,図12を用いて説明する。実施例1、2と同様にラップの変形によりラップ隙間が小さくなる部分のラップ部4の側面に凹部8bを設けている。実施例3と同様に凹部8bおよび凸部9を設ける範囲を歯高方向において一部分としている。ただし、その形状は直線に限らず曲線でも構成されていることを特徴としている。この曲線の形状は、相対するラップ部3の側面h−h’間とのラップ隙間で決定される。従って、必要であれば一部分だけでなく、g−g’間全てにおいて凹部8bを設けても良い。ラップ部3およびラップ部4の変形は曲線状に変形することが多いため、凹部8bを曲線状にすることでより最適なラップ隙間を形成することができる。これは、凸部9cにおいても同様であり、凸部9cの大きさ及び形状は相対するラップ部3の側面におけるj−j’間とのラップ隙間で決定される。従って、必ずしもg−g’間の凹部8bの大きさ及び形状とi−i’間の凸部9cの大きさ及び形状は一致しない。また、曲線状に凸部8bを形成することにより、ラップ隙間の拡大を可能な限り抑えることができる。
また、ラップ部4のi−i’間とラップ部3のj−j’間において、i−j’間のラップ隙間が小さくなり、i’−j間のラップ隙間が大きくなる場合には、ラップ部4のi−i’間において凸部9cと凹部8cを同時に設けても構わない。その場合には、ラップ部3のj−j’間とラップ部4のi−i’間とにおいて、最適なラップ隙間が形成されることになり、信頼性と性能向上を両立することができる。これは、ラップ部4のg−g’間においても同様である。
本実施例では、説明のために凹部8b、8cおよび凸部9cの形状を曲線状としたが、もちろん成形性を優先して、直線のみで構成しても構わない。
次に実施例5について、図13を用いて説明する。図13に本実施例におけるラップ部の形状を示す。実施例5では、ラビリンス(突起10)を設けたラップ側面に凹部8と凸部9を設けたことを特徴としている。ラビリンスとは図13に示すように、ラップ側面に設けた突起10である。ラビリンスを設けた場合、ラップ部3とラップ部4が接触するような場合であっても、突起10の先端のみで接触しラップ側面全体が接触することを防止し、圧縮機が破損することを防いでいる。従ってラビリンス(突起10)を設けた場合には、ラップ隙間8を小さくすることができ、圧縮機としての効率を高めることができる。ラビリンス(突起10)は、ラップ部3とラップ部4が全体的に接触することを防ぐために設けるため、ラップ側面より突出する範囲は周方向において非常に小さいことを特徴としている。
本実施例においては、図13の形状1に示す通りラビリンス(突起10)を設けたラップ部4において、凹部8を設けた反対側のラップ側面に凸部9を設けている。凸部9はラップ部4の変形によるラップ隙間8の拡大を防止することを目的としているため、ラップ側面より突出する範囲は周方向において、比較的大きいことに特徴がある。また、本実施例において凸部9を設ける範囲に置いてラップ部4は、相対するラップ部3の側面より離れる(ラップ隙間が大きくなる)方向に変形する。従って、ラップ部3と接触する可能性は低い。そこで、凸部9の突出量を突起10より大きく形成している。そのため、凸部9を設けた範囲においては、ラビリンスの突起10が無くなっている。また、突起10の先端より高く凸部9を設けているため、突起10aと突起10bの間を通り漏れてしまう圧縮空気がなくなり、より圧縮機としての効率を高めることができる。凸部を設けない領域においては突起10が設けられる。
或いは図13の形状2のように、凸部9に突起10を設けても構わない。その場合には、圧縮機としての性能が低下してしまうものの、万が一凸部9を設けた範囲に置いてラップ部3と接触するようなことがあっても、破損することがなく信頼性を向上することができる。
前記実施例1−5の形態では,スクロール式流体機械を空気圧縮機として用いる場合を例に挙げて説明した。しかし,本発明はこれに限るものではなく,例えば冷媒を圧縮する冷媒圧縮機,真空ポンプ等を含めて他のスクロール式流体機械に適用してもよいものである。
1:旋回スクロール、2:固定スクロール、3:旋回スクロールラップ部、4:固定スクロールラップ部、5,5a,5b,5c,5a’,5b’,5c’,5d,5e,5f,5d’,5e’,5f’:圧縮室、6:吸込ポート、7:吐出ポート、8,8a,8b,8c:凹部、9,9a,9b,9c:凸部、10,10a,10b:突起

Claims (10)

  1. 渦巻状のラップ部を有する固定スクロールと、
    前記固定スクロールに対向して設けられ、渦巻状のラップ部を有する旋回スクロールと、を備え、
    前記固定スクロール又は前記旋回スクロールのラップ部のうち一方のラップ部の歯元側外線の変形量よりも前記一方のラップ部と相対するラップ部の歯先側内線の変形量が大きくなる部分の、前記一方のラップ部の外線又は前記一方のラップ部と相対するラップ部の内線の少なくとも一方の側面に凸部が設けられ、
    前記一方のラップ部の歯元側外線の変形量よりも前記一方のラップ部と相対するラップ部の歯先側内線の変形量が小さくなる部分の、前記一方のラップ部の外線又は前記一方のラップ部と相対するラップ部の内線の少なくとも一方の側面に凹部が設けられたスクロール式流体機械。
  2. 渦巻状のラップ部を有する固定スクロールと、
    前記固定スクロールに対向して設けられ、渦巻状のラップ部を有する旋回スクロールと、を備え、
    前記固定スクロール又は前記旋回スクロールのラップ部のうち一方のラップ部の歯元側内線の変形量よりも前記一方のラップ部と相対するラップ部の歯先側外線の変形量が大きくなる部分の、前記一方のラップ部の内線又は前記一方のラップ部と相対するラップ部の少なくとも一方に凹部が設けられ、
    前記一方のラップ部の歯元側内線の変形量よりも前記一方のラップ部と相対するラップ部の歯先側外線の変形量が小さくなる部分において、前記一方のラップ部の内線又は前記一方のラップ部と相対するラップ部の外線の少なくとも一方の側面に凸部が設けられたスクロール式流体機械。
  3. 前記凹部又は凸部が、当該凹部又は凸部が設けられたラップ部の高さ方向の一部にのみ形成された請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  4. 前記凹部又は前記凸部が、当該凹部又は凸部が設けられたラップ部の歯底から歯先の間に設けられた請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  5. 前記凹部又は前記凸部が、歯底から歯先の間で凹となる量又は凸となる量が変化している請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  6. 前記ラップ部の前記凸部の設けられた領域を除いて複数の突起が設けられた請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  7. 前記ラップ部の前記凸部の設けられた領域を含め複数の突起が設けられた請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  8. 前記凸部が、運転時に前記固定スクロール又は前記旋回スクロールの一方のラップ部の外線の外周方向への変形量より、外側に対向する他方のスクロール部のラップ部の内線の外周方向への変形量が大きくなる領域に設けられた請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  9. 前記凸部及び凹部が、ラップ部の複数の領域に設けられた請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
  10. 前記凸部が、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとの運転時の変形量に応じて、領域により異なる大きさで形成された請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
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