JP2019151630A - 多官能化合物及びその製造方法、アミック酸化合物及びその製造方法、並びにイミド化合物の製造方法 - Google Patents

多官能化合物及びその製造方法、アミック酸化合物及びその製造方法、並びにイミド化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019151630A
JP2019151630A JP2019037908A JP2019037908A JP2019151630A JP 2019151630 A JP2019151630 A JP 2019151630A JP 2019037908 A JP2019037908 A JP 2019037908A JP 2019037908 A JP2019037908 A JP 2019037908A JP 2019151630 A JP2019151630 A JP 2019151630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
amic acid
acid
imide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019037908A
Other languages
English (en)
Inventor
健雄 須賀
Takeo Suga
健雄 須賀
西出 宏之
Hiroyuki Nishide
宏之 西出
伸一 小松
Shinichi Komatsu
伸一 小松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Waseda University
Eneos Corp
Original Assignee
Waseda University
JX Nippon Oil and Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Waseda University, JX Nippon Oil and Energy Corp filed Critical Waseda University
Publication of JP2019151630A publication Critical patent/JP2019151630A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

【課題】アミック酸段階での塩形成を防ぎ、イミド構造を効率良く形成することが可能な多官能化合物及びその製造方法を提供すること。【解決手段】第一の飽和炭素原子と、第一の飽和炭素原子に結合するアミノ基と、第二の飽和炭素原子と、第二の飽和炭素原子に結合し、−NHC(=O)OHで表されるカルバミン酸基と、を有する、多官能化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、多官能化合物及びその製造方法、アミック酸化合物及びその製造方法、並びにイミド化合物の製造方法に関する。また、本発明は、アミック酸化合物を含有する塗布液及び当該塗布液から形成される樹脂フィルムに関する。
従来から、イミド構造は、構造の剛直さ、高い耐熱性等の観点で様々な化成品に利用されている。例えば、ポリイミドは、高い耐熱性を有する樹脂として知られており、これまで様々な用途に用いられている。例えば、非特許文献1及び非特許文献2には、テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの反応によりポリイミドを製造する方法が記載されている。
エンジニアリングプラスチック、高分子学会編集、片岡俊郎著、共立出版、1987、p88 新訂 最新ポリイミド−基礎と応用−、NTS出版、2010、p291〜293
ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により形成される。しかし、ジアミンとして脂肪族ジアミンを用いると、イミド構造に至る中間体であるアミック酸にジアミンが付加し、塩形成によって不溶化し、重合反応が停止してしまう。このため、テトラカルボン酸二無水物と反応させるジアミンには、主に芳香族ジアミンが用いられている。
本発明は、アミック酸段階での塩形成を防ぎ、イミド構造を効率良く形成することが可能な多官能化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記多官能化合物から形成されるアミック酸化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。本発明は更に、上記アミック酸化合物を用いたイミド化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、第一の飽和炭素原子と、上記第一の飽和炭素原子に結合するアミノ基と、第二の飽和炭素原子と、上記第二の飽和炭素原子に結合し、−NHC(=O)OHで表されるカルバミン酸基と、を有する、多官能化合物に関する。
上記多官能化合物は、2つのアミノ基のうち一方がカルバミン酸基に変換された化合物ということもできる。上記多官能化合物によれば、2つのアミノ基のうち一方がカルバミン酸基に変換されているため、他方のアミノ基が酸無水物基と反応してアミック酸構造を形成した場合であっても、塩形成が避けられ、その後の反応を効率的に進行させることができる。また、上記多官能化合物と酸無水物とから形成されたアミック酸構造は、加熱により熱イミド化して、イミド構造を形成できる。更に、このときの加熱によって、カルバミン酸基は脱炭酸し、アミノ基を生じる。当該アミノ基を他の酸無水物基と反応させることで、イミド構造を複数有するイミド化合物(例えば、ポリイミド、イミド架橋型樹脂等)を形成することができる。
一態様に係る多官能化合物は、上記第一の飽和炭素原子及び上記第二の飽和炭素原子を含み、上記アミノ基と上記カルバミン酸基とを連結する連結基を更に有していてよい。
一態様において、上記連結基は、脂環式基、脂肪族基、ポリエーテル基、ポリアミン基及びシロキサン基からなる群より選択される少なくとも一種を含んでいてよい。
本発明の他の一側面は、上記多官能化合物の製造方法に関する。この製造方法は、飽和炭素原子に結合するアミノ基を2以上有するポリアミン化合物と二酸化炭素とを反応させて、上記ポリアミン化合物が有する上記アミノ基の一部を、上記カルバミン酸基に変換する工程を備えている。
一態様において、上記工程は、上記ポリアミン化合物を含有する水溶液中に、当該水溶液のpHが6〜9になるまで二酸化炭素を吹き込む工程であってよい。
また、上記工程は、上記ポリアミン化合物を含有する反応溶液中に、上記ポリアミン化合物が有するアミノ基に対して0.25〜0.75当量の二酸化炭素を吹き込む工程であってもよい。
本発明の更に他の一側面は、アミック酸化合物の製造方法に関する。この製造方法は、上記多官能化合物とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて、上記多官能化合物が有する上記アミノ基と上記テトラカルボン酸二無水物が有する酸無水物基との反応によりアミック酸構造を形成し、当該アミック酸構造及び上記カルバミン酸基を有するアミック酸化合物を得る工程を備えている。
本発明の更に他の一側面は、アミック酸化合物の製造方法に関する。この製造方法は、上記多官能化合物と不飽和ジカルボン酸無水物単位を有するポリマーとを反応させて、上記多官能化合物が有する上記アミノ基と上記不飽和ジカルボン酸無水物単位中の酸無水物基との反応によりアミック酸構造を形成し、当該アミック酸構造及び上記カルバミン酸基を有するアミック酸化合物を得る工程を備えている。
本発明の更に他の一側面は、アミック酸構造と、−NHC(=O)OHで表されるカルバミン酸基と上記アミック酸構造の窒素原子に結合する第一の飽和炭素原子及び上記カルバミン酸基に結合する第二の飽和炭素原子を含む連結基と、を有する、アミック酸化合物に関する。
一態様において、上記連結基は、脂環式基、脂肪族基、ポリエーテル基、ポリアミン基、及びシロキサン基からなる群より選択される少なくとも一種を含んでいてよい。
一態様に係るアミック酸化合物は、酸無水物基を更に有していてよい。
本発明の更に他の一側面は、イミド化合物の製造方法に関する。この製造方法は、上記アミック酸化合物を加熱して、上記アミック酸構造の熱イミド化及び上記カルバミン酸基の脱炭酸によりイミド構造及びアミノ基を形成する工程を備えている。
本発明の更に他の一側面は、イミド化合物の製造方法に関する。この製造方法は、酸無水物基の存在下、上記アミック酸化合物を加熱して、上記アミック酸構造の熱イミド化により形成された第一のイミド構造と、上記カルバミン酸基の脱炭酸により生じたアミノ基と上記酸無水物基との反応により形成された第二のイミド構造と、を有するイミド化合物を得る工程を備えている。
本発明の更に他の一側面は、酸無水物基を有する上記アミック酸化合物を加熱して、上記アミック酸構造の熱イミド化により形成された第一のイミド構造と、上記カルバミン酸基の脱炭酸により生じたアミノ基と上記酸無水物基との分子内又は分子間反応により形成された第二のイミド構造と、を有するイミド化合物を得る工程を備えている。
本発明の更に他の一側面は、上記アミック酸化合物を含有する、溶液に関する。上記アミック酸は塩形成しないため、溶媒に容易に溶解することができる。
本発明の更に他の一側面は、上記溶液から形成される塗膜の加熱硬化物である、樹脂フィルムに関する。
本発明によれば、アミック酸段階での塩形成を防ぎ、イミド構造を効率良く形成することが可能な多官能化合物及びその製造方法が提供される。また、本発明によれば、上記多官能化合物から形成されるアミック酸化合物及びその製造方法が提供される。更に、本発明によれば、上記アミック酸化合物を用いたイミド化合物の製造方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
<多官能化合物>
本実施形態に係る多官能化合物は、第一の飽和炭素原子と、第一の飽和炭素原子に結合するアミノ基と、第二の飽和炭素原子と、第二の飽和炭素原子に結合し、−NHC(=O)OHで表されるカルバミン酸基と、を有している。
本実施形態に係る多官能化合物は、2つのアミノ基のうち一方がカルバミン酸基に変換された化合物ということもできる。上記多官能化合物によれば、2つのアミノ基のうち一方がカルバミン酸基に変換されているため、他方のアミノ基が酸無水物基と反応してアミック酸構造を形成した場合であっても、塩形成が避けられ、その後の反応を効率的に進行させることができる。また、上記多官能化合物と酸無水物とから形成されたアミック酸構造は、加熱により熱イミド化して、イミド構造を形成できる。更に、このときの加熱によって、カルバミン酸基は脱炭酸し、アミノ基を生じる。当該アミノ基を他の酸無水物基と反応させることで、イミド構造を複数有するイミド化合物(例えば、ポリイミド、イミド架橋型樹脂等)を形成することができる。
脂肪族ジアミン等の飽和炭素原子に結合したアミノ基を複数有するポリアミン化合物を用いた場合、従来の方法では、アミック酸が塩形成して不溶化し、複数のイミド構造を効率良く形成することが困難であった。これに対して、本実施形態に係る多官能化合物では、カルバミン酸基によってアミック酸の塩形成が防止され、アミック酸を溶液中で取り扱うことができる。また、アミック酸溶液の塗布及び乾燥時、又は、アミック酸の熱イミド化時に、カルバミン酸基の脱炭酸によってアミノ基を生じさせることができるため、当該アミノ基を基点に、容易に更なるイミド構造を形成することができる。
なお、本明細書中、飽和炭素原子は、4つの結合手がそれぞれ異なる原子と結合した炭素原子(他の原子と多重結合を形成していない炭素原子)を示す。このような飽和炭素原子に結合するアミノ基は、脂肪族アミン等と称され、芳香族アミン(芳香環に結合したアミノ基)と比較して塩基性が高く、塩形成しやすいことが知られている。
第一の飽和炭素原子及びそれに結合するアミノ基は、例えば、下記式(1−1)で表される一価の基、下記式(1−2)で表される二価の基、又は、下記式(1−3)で表される三価の基であってよい。なお、下記式中、炭素原子(第一の飽和炭素原子)のフリーの結合手(−)は、水素原子以外の原子に結合する結合手である。
Figure 2019151630
アミック酸と塩形成しやすく、従来法ではイミド化への適用が難しいという観点からは、第一の飽和炭素原子及びそれに結合するアミノ基は、式(1−1)で表される一価の基又は式(1−2)で表される二価の基であることが好ましく、式(1−1)で表される一価の基であることがより好ましい。
本実施形態に係る多官能化合物は、第一の飽和炭素原子に結合するアミノ基以外に、他のアミノ基を更に有していてもよい。他のアミノ基は、例えば、飽和炭素原子(第一の飽和炭素原子又はそれ以外の飽和炭素原子)に結合するアミノ基であってよく、芳香環に結合するアミノ基であってもよい。
アミック酸構造の塩形成をより顕著に防止する観点からは、多官能化合物は、第一の飽和炭素原子に結合するアミノ基以外に、飽和炭素原子に結合するアミノ基を有しないことが好ましく、他のアミノ基を有しないことが更に好ましい。
第二の飽和炭素原子及びそれに結合するカルバミン酸基は、例えば、下記式(2−1)で表される一価の基、下記式(2−2)で表される二価の基、又は、下記式(2−3)で表される三価の基であってよい。なお、下記式中、炭素原子(第二の飽和炭素原子)のフリーの結合手(−)は、水素原子以外の原子に結合する結合手である。
Figure 2019151630
アミック酸と塩形成しやすく、従来法ではイミド化への適用が難しいという観点からは、第一の飽和炭素原子及びそれに結合するアミノ基は、式(1−1)で表される一価の基又は式(1−2)で表される二価の基であることが好ましく、式(1−1)で表される一価の基であることがより好ましい。また、同様の観点から、各式中の炭素原子が有するフリーの結合手は、それぞれ別の飽和炭素原子に結合していることが好ましい。
本実施形態に係る多官能化合物は、第二の飽和炭素原子に結合するカルバミン酸基以外に、他のカルバミン酸を更に有していてもよい。他のカルバミン酸基は、例えば、飽和炭素原子(第一の飽和炭素原子以外の飽和炭素原子)に結合するアミノ基であってよく、芳香環に結合するアミノ基であってもよい。
脱炭酸によって生じるアミノ基を酸無水物基と反応させる場合に、アミック酸の塩形成を顕著に抑制する観点からは、多官能化合物は、第二の飽和炭素原子に結合するカルバミン酸基以外に、飽和炭素原子に結合するカルバミン酸基を有しないことが好ましく、他のカルバミン酸基を有しないことが更に好ましい。
多官能化合物は、例えば、アミノ基及びカルバミン酸基をそれぞれ一つずつ有し、アミノ基が第一の飽和炭素原子に、カルバミン酸基が第二の飽和炭素原子にそれぞれ結合した化合物であってよい。このような多官能化合物は、テトラカルボン酸二無水物と反応させるジアミンの代替品として、好適に用いることができる。
多官能化合物は、上述のアミノ基とカルバミン酸基とを連結する連結基を更に有していてよい。連結基は、第一の飽和炭素原子及び第二の飽和炭素原子を含んでいればよく、特に限定されない。
連結基は、例えば、脂環式基、脂肪族基、ポリエーテル基、ポリアミン基、及びシロキサン基からなる群より選択される少なくとも一種を含んでいてよい。
脂環式基は、脂環式化合物から1つ以上の水素原子を除いた残りの基を示す。脂環式化合物は、例えば、シクロアルカンであってよい。シクロアルカンの具体例としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、ビシクロヘプタン、ビシクロオクタン、ビスシクロペンチル、ビスシクロヘキシル、メチレンビスシクロヘキシル、ヒドリンダン、テトラヒドロジシクロペンタジエン、デカヒドロナフタレン、アダマンタン等が挙げられる。
脂環式基は、例えば2価の基であってよい。2価の脂環式基としては、例えば、シクロアルカンジイル基が挙げられる。
脂肪族基は、脂肪族炭化水素から1つ以上の水素原子を除いた残りの基を示す。脂肪族炭化水素は、例えば、脂肪族飽和炭化水素であってよく、アルカンが好ましい。鎖状アルカンの具体例としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等が挙げられる。アルカンは、直鎖状でも分岐状でもよい。
脂肪族基は、例えば2価の基であってよい。2価の脂肪族基としては、例えば、アルカンジイル基が挙げられる。
ポリエーテル基は、ポリエーテル結合を有する基を示す。ポリエーテル基としては、ポリ(アルキレンエーテル)構造を有する基が好ましい。ポリ(アルキレンエーテル)構造が有するアルキレン基は特に限定されず、例えば、炭素数1〜50のアルキレン基であってよく、炭素数1〜20のアルキレン基であることが好ましい。
ポリアミン基は、ポリアミン結合を有する基を示す。ポリアミン基としては、ポリ(アルキレンアミン)構造を有する基が好ましい。ポリ(アルキレンアミン)構造が有するアルキレン基は特に限定されず、例えば、炭素数1〜50のアルキレン基であってよく、炭素数1〜20のアルキレン基であることが好ましい。
シロキサン基は、シロキサン結合を有する基を示す。シロキサン基としては、ポリ(ジアルキルシロキサン)構造を有する基が好ましい。ポリ(ジアルキルシロキサン)構造が有するアルキル基は特に限定されず、例えば、炭素数1〜10のアルキル基であってよく、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。
連結基は、これらの基のいずれかから構成されていてよく、これらの基の複数を組み合わせて構成されていてよく、これらの基と他の基とを組み合わせて構成されていてもよい。
なお、多官能化合物において、アミノ基及びカルバミン酸基の反応性は、これらが結合する炭素原子の形態による影響が大きいと考えられる。このため、連結基は、第一の飽和炭素原子及び第二の飽和炭素原子を含まない範囲であれば、どのような構成を有していてもよい。
第一の飽和炭素原子及び第二の飽和炭素原子は、例えば、上述の脂環式基又は脂肪族基を構成する炭素原子であることが好ましく、シクロアルカンジイル基又はアルカンジイル基を構成する炭素原子であることがより好ましい。
多官能化合物の具体例としては、例えば、下記式(A−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019151630
式(A−1)中、Rは、アルカンジイル基、シクロアルカンジイル基、又は、アルカンジイル基及びシクロアルカンジイル基から選択される2つ以上の基を組み合わせた炭化水素基を示す。
のアルカンジイル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。Rのアルカンジイル基の炭素数は特に限定されず、多官能化合物の用途に応じて適宜選択してよい。Rのアルカンジイル基の炭素数は、例えば1〜30であってよく、好ましくは1〜12である。
のアルカンジイル基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロパンジイル基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,5−ペンタンジイル基、1,6−ヘキサンジイル基、1,7−ヘプタンジイル基、1,8−オクタンジイル基、1,9−ノナンジイル基、1,10−デカンジイル基等が挙げられる。
のシクロアルカンジイル基は、単環でも多環でも縮合環でもよい。Rのシクロアルカンジイル基の炭素数は特に限定されず、多官能化合物の用途に応じて適宜選択してよい。Rのシクロアルカンジイル基の炭素数は、例えば1〜30であってよく、好ましくは1〜20である。
のシクロアルカンジイル基としては、例えば、1,2−シクロプロパンジイル基、1,3−シクロブタンジイル基、1,3−シクロペンタンジイル基、1,4−シクロヘキサンジイル基、1,4−シクロヘプタンジイル基、1,5−シクロオクタンジイル基、1,5−シクロノナンジイル基、1,6−シクロデカンジイル基、2,5−ビシクロヘプタンジイル基、2,5−ビシクロオクタンジイル基、3,3’−ビスシクロペンチルジイル基、4,4’−ビスシクロヘキシルジイル基、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイル基、ヒドリンダンジイル基、テトラヒドロジシクロペンタジエンジイル基、デカヒドロナフタレンジイル基、アダマンタンジイル基等が挙げられる。
の炭化水素基は、上述のアルカンジイル基及び上述のシクロアルカンジイル基から選択される2つ以上の基を組み合わせた基であってよい。Rの炭化水素基の炭素数は特に限定されず、多官能化合物の用途に応じて適宜選択してよい。Rの炭化水素基の炭素数は、例えば1〜30であってよく、好ましくは1〜20である。
式(A−1)で表される化合物の具体例としては、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。なお、下記の化合物のうち、2級アミンを有する化合物(例えば、式(A−1−15)、(A−1−17)、(A−1−19)及び(A−1−21)の化合物)は、当該2級アミンの一部又は全部に二酸化炭素が付加していてもよい。
Figure 2019151630
Figure 2019151630
Figure 2019151630
Figure 2019151630
多官能化合物としては、また、下記式(A−2)で表される化合物も例示できる。
Figure 2019151630
式(A−2)中、nは0以上の整数を示し、Rはアルキル基を示し、Rはアルカンジイル基を示す。複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよい。
のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。Rのアルキル基の炭素数は特に限定されず、多官能化合物の用途に応じて適宜選択してよい。Rのアルキル基の炭素数は、例えば1〜30であってよく、好ましくは1〜10である。
のアルカンジイル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。Rのアルカンジイル基の炭素数は特に限定されず、多官能化合物の用途に応じて適宜選択してよい。Rのアルカンジイル基の炭素数は、例えば1〜30であってよく、好ましくは1〜10である。
nは特に限定されず、多官能化合物の用途に応じて適宜選択してよい。nは、例えば0〜1000であってよく、好ましくは1〜200、より好ましくは1〜100である。
式(A−2)で表される化合物の具体例としては、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
Figure 2019151630
式(A−2)中、nは1以上の整数を示し、好ましくは1〜200であり、より好ましくは1〜100である。
多官能化合物の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下に示す方法によって、ポリアミン化合物から容易に製造することができる。
<多官能化合物の製造方法>
本実施形態に係る多官能化合物の製造方法は、飽和炭素原子に結合するアミノ基を2以上有するポリアミン化合物と二酸化炭素とを反応させて、ポリアミン化合物が有するアミノ基の一部を、カルバミン酸基に変換する工程を備えている。
ポリアミン化合物は、上述の多官能化合物におけるカルバミン酸基をアミノ基に変換してなる化合物ということもできる。ポリアミン化合物は、飽和炭素原子に結合するアミノ基を2以上有する化合物であればよく、飽和炭素原子に結合するアミノ基を2つ有する化合物であることが好ましい。
ポリアミン化合物において、飽和炭素原子及びそれに結合するアミノ基は、例えば、上記式(1−1)で表される一価の基、上記式(1−2)で表される二価の基、又は、上記式(1−3)で表される三価の基であってよく、式(1−1)で表される一価の基又は式(1−2)で表される二価の基であることが好ましく、式(1−1)で表される一価の基であることがより好ましい。
ポリアミン化合物は、飽和炭素原子に結合するアミノ基同士を連結する連結基を更に有していてよい。連結基としては、多官能化合物の連結基として記載したものと同じものが例示できる。
ポリアミン化合物と二酸化炭素との反応は、例えば、ポリアミン化合物を含有する水溶液中に、二酸化炭素を吹き込むことで実施することができる。反応を水溶液中で行うことで、水溶液のpHに基づいて、容易にポリアミン化合物と二酸化炭素との反応を制御することができる。
例えば、ポリアミン化合物が飽和炭素原子に結合するアミノ基を2つ有する化合物である場合、ポリアミン化合物を含有する水溶液中に、当該水溶液のpHが6〜9になるまで二酸化炭素を吹き込むことによって、アミノ基の一方のみがカルバミン酸基に変換した一置換体(すなわち、多官能化合物)を多く得ることができる。
多官能化合物の合成に最適なpHは、ポリアミン化合物の種類によって異なるため、ポリアミン化合物の種類に応じて適宜変更してよい。例えば、ポリアミン化合物を含有する水溶液中に一定の通気量で二酸化炭素を吹き込んだときのpHの経時変化を追跡して、中和曲線を作成することで、多官能化合物を得るための最適なpH範囲を確認することができる。
水溶液は、水以外の他の溶媒を更に含有していてもよい。他の溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、テトラメチルウレア(TMU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ピリジン、m−クレゾール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
なお、ポリアミン化合物と二酸化炭素との反応は、必ずしも水溶液中で行う必要はなく、二酸化炭素の量を適切にコントロールすることで、有機溶媒中又は有機溶媒と水との混合溶媒中で行うこともできる。このとき、上記工程は、ポリアミン化合物を含有する有機溶剤中に、ポリアミン化合物が有するアミノ基に対して0.25〜0.75当量に相当する二酸化炭素を吹き込む工程であってよい。
また、ポリアミン化合物を含有する反応溶液中に吹き込む二酸化炭素の量は、反応溶液の質量変化を追跡し、ポリアミン化合物と二酸化炭素との所望の反応が完了した場合の理論質量に基づいて決定することもできる。
ポリアミン化合物と二酸化炭素との反応の反応温度は、特に限定されず、例えば0〜100℃であってよく、好ましくは10〜50℃である。
ポリアミン化合物と二酸化炭素との反応により生じた多官能化合物は、水溶液から分離して単離・精製してもよく、水溶液のまま他の反応に供してもよい。水溶液から分離する方法は特に限定されず、例えば、濃縮、抽出、晶析、再結晶、塩析、アンモニウム塩化(塩酸塩化等)、貧溶媒の添加、再沈殿、カラム分離、吸着分離、HPLC分離、GPC分離、蒸留(シリル化等の高揮発化後)等の方法を用いることができる。また、単離・精製の方法も特に限定されず、晶析、再結晶、カラム分離、吸着分離、HPLC分離、GPC分離等の方法を用いることができる。
<アミック酸化合物>
本実施形態に係るアミック酸化合物は、アミック酸構造と、−NHC(=O)OHで表されるカルバミン酸基と、アミック酸構造の窒素原子に結合する第一の飽和炭素原子及びカルバミン酸基に結合する第二の飽和炭素原子を含む連結基と、を有している。このようなアミック酸化合物は、上述の多官能化合物と、酸無水物基を有する化合物との反応によって、容易に形成することができる。
本実施形態において、アミック酸構造とは、酸無水物基にアミノ基が付加して形成される構造であって、カルボキシル基及びアミド結合を有する部分構造である。
アミック酸構造は、例えば、下記式(3−1)で表される構造であってよい。なお、式(3−1)中の破線を付した結合は、単結合又は二重結合を示す。また、式(3−1)中の波線を付した結合手は、他の構造(基又は原子)との結合手を示す。
Figure 2019151630
本実施形態に係るアミック酸化合物は、アミック酸構造の窒素原子とカルバミン酸基とが、連結基を介して結合している。連結基としては、多官能化合物の連結基として記載したものと同じものが例示できる。
本実施形態に係るアミック酸化合物は、上述の多官能化合物と、酸無水物基を有する化合物との反応により得られた反応生成物であってよい。ここで、酸無水物基を有する化合物(以下、酸無水物化合物ともいう)は、酸無水物基を有しており、好ましくは環状酸無水物基を有している。環状酸無水物基は、例えば、下記式(4−1)で表される基を示す。なお、式(4−1)中の破線を付した結合は、単結合又は二重結合を示す。また、式(4−1)中の波線を付した結合手は、他の構造(基又は原子)との結合手を示す。
Figure 2019151630
酸無水物化合物は、酸無水物基を1つ有する化合物であってよく、酸無水物基を2以上有する化合物であってもよい。酸無水物化合物が、酸無水物基を2以上有する化合物であると、例えば、アミック酸化合物中に未反応の酸無水物基を残存させることができる。アミック酸化合物中に酸無水物基が残存していると、カルバミン酸基の脱炭酸により生じたアミノ基との反応により、アミック酸化合物の重合又は架橋を行うことができる。
好適な一態様において、酸無水物化合物は、テトラカルボン酸二無水物であってよい。テトラカルボン酸二無水物は、式(4−1)で表される酸無水物基を2つ有する化合物である。
この態様では、テトラカルボン酸二無水物が有する酸無水物基の一方のみが、多官能化合物と反応してアミック酸構造を形成してよく、テトラカルボン酸二無水物が有する酸無水物基の両方がそれぞれ多官能化合物と反応して、2つのアミック酸構造を形成してもよい。アミック酸化合物中に未反応の酸無水物基が残存する観点からは、テトラカルボン酸二無水物が有する酸無水物基の一方のみが、多官能化合物と反応してアミック酸構造を形成することが好ましい。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビスカルボキシフェニルジメチルシラン二無水物、ビスジカルボキシフェノキシジフェニルスルフィド二無水物、スルホニルジフタル酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、イソプロピリデンジフェノキシビスフタル酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−2,3,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸二無水物、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−オキシビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−チオビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−スルホニルビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−(ジメチルシランジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、4,4’−(テトラフルオロプロパン−2,2−ジイル)ビス(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物)、オクタヒドロペンタレン−1,3,4,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、6−(カルボキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5−トリカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−2,3,7,8−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカ−7−エン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、9−オキサトリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物、(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2c,3c,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物、(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2t,3t,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸、(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2c,3c,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物、(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン−2t,3t,6c,7c−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘキサノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、[2,2’−ビ(ノルボルナン)]−5,5’,6,6’−テトラカルボン酸二無水物、1,4−フェニレンビス(2−ノルボルナン−5,6−ジカルボン酸無水物)、4,4‘−ビフェニレンビス(2−ノルボルナン−5,6−ジカルボン酸無水物)、4,4’‘−ターフェニレンビス(2−ノルボルナン−5,6−ジカルボン酸無水物)等が挙げられる。これらを、単独で使用してもよく、また複数種を組み合わせて使用することもできる。
好適な他の一態様において、酸無水物化合物は、不飽和ジカルボン酸無水物単位を有するポリマーであってよい。この態様では、ポリマー中の酸無水物基に多官能化合物を反応させることで、側鎖にカルバミン酸基を有する修飾ポリマーを形成することができる。このような修飾ポリマーは、側鎖のカルバミン酸基を脱炭酸させてアミノ基を生じさせることで、当該アミノ基を介して更なる修飾を行ったり、当該アミノ基と他のポリマー中の酸無水物基との反応によりポリマー間を架橋させたりすることができる。
不飽和ジカルボン酸無水物単位とは、不飽和ジカルボン酸無水物に由来する構造単位を示す。例えば、不飽和ジカルボン酸無水物が式(5−1−1)で表される化合物であるとき、不飽和ジカルボン酸無水物単位は、式(5−1−2)で表される構造単位を示す。
Figure 2019151630
式(5−1−1)及び(5−1−2)中、Rは、水素原子、アルキル基、アリル基、アルキリデン基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン基又はシアノ基を示し、2つのRは互いに同一でも異なっていてもよい。
不飽和ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、2−(2−カルボキシエチル)−3−メチルマレイン酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、フェニルマレイン酸無水物、2,3−ジフェニルマレイン酸無水物、アリルこはく酸無水物、(2−メチル−2−プロペニル)こはく酸無水物、2−ブテン−1−イルこはく酸無水物、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
上記ポリマーは、不飽和ジカルボン酸無水物以外の他のモノマーに由来するモノマー単位を更に有していてよい。他のモノマーとしては、不飽和ジカルボン酸無水物と共重合可能なモノマーであれば特に限定されず、例えば、環状オレフィン、直鎖状オレフィン、分岐状オレフィン、ジエン、インデン、ビニルエーテル、フラン、ベンゾフラン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピリジン、N−ビニルラクタム等が挙げられる。
環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、アセナフチレン、5−アセチル−2−ノルボルネンビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン、[ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−イル]トリエトキシシラン、tert−ブチル−5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、ジシクロペンタジエン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ヒドロキシジシクロペンタジエン、2−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、2,5−ノルボルナジエン、5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル 5−ノルボルネン−2−カルボキシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール、cis−5−ノルボルネン−exo−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2−endo,3−endo−ジメタノール、5−ノルボルネン−2−exo,3−exo−ジメタノール、5−ノルボルネン−2−イル アセテート、5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、5−ノルボルネン−2−メチルアミン、5−ノルボルネン−2−メタノール、N−(2−エチルヘキシル)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、3a,4,7,7a−テトラヒドロインデン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデ−4−エン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロペンタジエン、ジメタノベンズインデン、ジメタノフルオレン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン等が挙げられる。
本実施形態に係るアミック酸化合物は、加熱によってアミック酸構造をイミド構造に変換することができる。アミック酸構造の熱イミド化によって形成されるイミド構造は、例えば、下記式(6−1)で表される構造であってよい。式(3−1)で表されるアミック酸構造の熱イミド化により、式(6−1)で表されるイミド構造が形成される。なお、式(6−1)中の破線を付した結合は、単結合又は二重結合を示す。また、式(6−1)中の波線を付した結合手は、他の構造(基又は原子)との結合手を示す。
Figure 2019151630
本実施形態に係るアミック酸化合物は、加熱により、アミック酸構造の熱イミド化と同時に、カルバミン酸基が脱炭酸してアミノ基を生じる。これにより、イミド構造とアミノ基とを有するイミド化合物を得ることができる。
また、本実施形態では、脱炭酸により生じたアミノ基を他の反応性基と反応させることもできる。例えば、酸無水物基の存在下、アミック酸化合物を加熱することで、アミック酸構造の熱イミド化と同時に、カルバミン酸基の脱炭酸により生じたアミノ基と酸無水物基との反応を進行させて、熱イミド化による第一のイミド構造と、アミノ基及び酸無水物基の反応による第二のイミド構造とを形成させることができる。第一のイミド構造と第二のイミド構造とは、それぞれの窒素原子に結合する連結基を介して連結される。このため、このような反応によれば、アミック酸化合物をモノマーとする重合体の合成や、アミック酸化合物間の架橋等を行うことができる。
アミック酸構造の熱イミド化及びカルバミン酸基の脱炭酸のための加熱条件は特に限定されないが、例えば、加熱温度は50〜500℃であってよく、好ましくは100〜450℃である。また、加熱時間は、例えば0.1〜48hであってよく、好ましくは0.5〜24hである。
アミック酸構造の熱イミド化及びカルバミン酸基の脱炭酸は、溶媒中で実施してよい。溶媒としては、アミック酸化合物を溶解可能な溶媒であれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、テトラメチルウレア(TMU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ピリジン、m−クレゾール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等であってよい。
アミック酸化合物の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下に示す方法によって、多官能化合物から容易に製造することができる。
<アミック酸化合物の製造方法>
本実施形態に係るアミック酸化合物の製造方法は、上述の多官能化合物と酸無水物化合物とを反応させて、多官能化合物が有するアミノ基と酸無水物化合物が有する酸無水物基との反応によりアミック酸構造を形成する工程を備える。
上記工程において、反応形式及び反応条件は特に限定されない。例えば、上記工程は、多官能化合物と酸無水物化合物とを溶媒中で反応させる工程であってよい。溶媒は、多官能化合物及び酸無水物化合物を溶解可能な溶媒であることが好ましい。溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、テトラメチルウレア(TMU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ピリジン、m−クレゾール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられ、これらの混合溶媒であってもよい。
上記工程における反応温度は、例えば−20〜200℃であってよく、好ましくは0〜100℃である。
反応に供される多官能化合物及び酸無水物化合物の割合は特に限定されないが、アミック酸とアミノ基との塩形成をより顕著に防止する観点からは、酸無水物化合物が有する酸無水物基の総数Cに対する多官能化合物が有するアミノ基及びカルバミン酸基の総数Cの比C/Cが、例えば2以下であってよく、1.5以下であることが好ましく、1.2以下であることがより好ましく、1.0以下であることが更に好ましい。また、アミック酸化合物中に酸無水物基を残存させる観点からは、上記比C/Cが、0.9以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、0.7以下であることが更に好ましい。
上記比C/Cの下限は特に限定されず、アミック酸化合物の用途に応じて適宜変更してよい。例えば、酸無水物化合物が、酸無水物基を2つ有する化合物(例えば、テトラカルボン酸二無水物)である場合、比C/Cは、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上であり、1.0以上であってもよい。また、酸無水物化合物が、酸無水物基を有するポリマー(例えば、不飽和ジカルボン酸無水物単位を有するポリマー)である場合、比C/Cは、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.067以上である。
多官能化合物と酸無水物化合物との反応により生じたアミック酸化合物は、反応溶液から分離して単離・精製してもよく、反応溶液のまま他の反応に供してもよい。反応溶液から分離する方法は特に限定されず、例えば、濃縮、再沈殿、透析分離、GPC分離、カラム分離、吸着分離等の方法を用いることができる。また、単離・精製の方法も特に限定されず、再沈殿、透析、GPC分取、カラム分離、吸着分離等の方法を用いることができる。
<イミド化合物>
上述のとおり、上記アミック酸化合物を加熱して、アミック酸構造の熱イミド化をすることで、イミド構造を有するイミド化合物を製造することができる。このとき、カルバミン酸基の脱炭酸によってアミノ基が生成する。イミド化合物は、当該アミノ基を更に有していてもよい。
カルバミン酸基の脱炭酸により生じるアミノ基は、反応系中に存在する他の反応性基と反応して、更に他の基に変換されてもよい。他の反応性基としては、例えば、酸無水物基、カルボン酸基、エステル基、ケトン基、酸クロライド基、アミド基、イソイミド基、イミド基等が挙げられる。
他の反応性基が酸無水物基である場合、アミック酸構造の熱イミド化及びカルバミン酸基の脱炭酸を行うことで、熱イミド化による第一のイミド構造と、カルバミン酸基の脱炭酸により生じたアミノ基と酸無水物基との反応による第二のイミド構造と、をそれぞれ形成させることができる。第一のイミド構造と第二のイミド構造とは、それぞれの窒素原子に結合する連結基を介して連結されるため、このような反応によれば、アミック酸化合物をモノマーとする重合体の合成や、アミック酸化合物間の架橋等を行うことができる。
例えば、アミック酸化合物が、上記多官能化合物とテトラカルボン酸二無水物との反応物であり、カルバミン酸基、酸無水物基及びアミック酸構造を有するものである場合、加熱により、アミック酸構造の熱イミド化、カルバミン酸基の脱炭酸、及び、生成したアミノ基と他の分子が有する酸無水物基との反応が生じ、アミック酸化合物を重合させることができる。
また、例えば、アミック酸化合物が、上記多官能化合物と、不飽和ジカルボン酸無水物単位を有するポリマーとの反応物である場合、加熱により、アミック酸構造の熱イミド化、カルバミン酸基の脱炭酸、及び、生成したアミノ基と酸無水物基との分子内又は分子間反応が生じ、アミック酸化合物を架橋することができる。すなわち、この方法によれば、上記多官能化合物を架橋剤として、上記ポリマーの架橋体を形成することができる。
アミック酸構造は、溶媒中で化学イミド化法によりイミド化することもできる。溶媒としては、アミック酸化合物を溶解可能な溶媒であれば特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)、テトラメチルウレア(TMU)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ピリジン、m−クレゾール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等であってよい。
化学イミド化法では、塩基性化合物及び縮合剤が用いられる。化学イミド化に用いる塩基性化合物は特に制限されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセン−7、ピリジン、イソキノリン、N−メチルピペリジン、α−ピコリン、イミダゾール、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール等であってよい。化学イミド化に用いる縮合剤は特に制限されないが、例えば、無水酢酸、無水酪酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ペンタフルオロプロピオン酸、無水ヘプタフルオロ酪酸等であってよい。
本実施形態では、アミック酸構造の塩形成が十分に抑制されるため、アミック酸化合物を溶液として取り扱うことができる。アミック酸化合物を含有する溶液は、例えば、樹脂フィルムを形成するための塗布液として、好適に用いることができる。塗布液を基板上に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を加熱して、アミック酸化合物を重合又は架橋させることで、イミド化合物(アミック酸化合物の重合体又は架橋体)を含有する樹脂フィルムを形成することができる。
アミック酸化合物の重合体及び架橋体は、剛直なイミド構造によって連結されているため、耐熱性に優れる傾向がある。また、本実施形態の方法によれば、従来は困難であった、脂肪族ジアミンに由来するイミド構造を有するイミド化合物を、容易に得ることができる。このようなイミド化合物は、例えば、耐熱性及び透明性に優れる樹脂フィルムを形成することができ、例えば表面保護フィルム、フロントフィルム、カバーウィンドー、タッチパネル用基板、TFT基板、ガラス代替基板等のフィルム基材として好適に用いることができる。本実施形態に係る表面保護フィルムは、例えば、携帯情報端末のディスプレイ、タッチパネル、パソコン用ディスプレイ、テレビ用ディスプレイ、デジタルサイネージ等の分野に好適に適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwの測定>
GPC測定法により以下の条件にて、数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwを測定した。
機器:島津製作所製「RID−10A/CBM−20A/DGU−20A3,
LC−20AD/DPD−M20A/CTO−20A」
カラム:東ソー社製「TSKgel superHM−N」
検出器:示差屈折率検出器(RI検出器/内蔵)
溶媒:クロロホルム
温度:40℃
流速:0.3mL/分
注入量:20μL
濃度:0.1重量%
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法:ポリスチレン
<10%重量減少温度(Td10%)の測定方法>
熱重量分析装置(株式会社リガク製の「Thermo plus Evo TG8120」)を利用して10%重量減少温度を測定した。窒素ガス雰囲気下、窒素ガスを流しながら、走査温度を30℃〜500℃に設定して、昇温速度:10℃/min.の条件で加熱して、用いた試料の重量が10%減少する温度を測定することにより求めた。
<5%重量減少温度(Td5%)の測定>
5%重量減少温度は、各実施例等で得られたフィルムから、それぞれ2〜4mgの試料を準備し、これをアルミ製サンプルパンに入れ、測定装置として熱重量分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の商品名「TG/DTA7200」)を使用して、窒素ガス雰囲気下、走査温度を30℃から550℃に設定し、昇温速度10℃/分の条件で加熱して、用いた試料の重量が5%減少する温度を測定することにより求めた。
<全光線透過率とHAZEの測定>
全光線透過率の値(単位:%)は、各実施例等で得られたフィルムをそのまま測定用の試料として用い、測定装置として日本電色工業株式会社製の商品名「ヘーズメーターNDH−5000」を用いて求めた。全光線透過率は、JIS K7361−1(1997年発行)に準拠し、ヘイズ(濁度)は、JIS K7136(2000年発行)に準拠した測定を行うことにより求めた。
<黄色度YIの測定>
YIは各実施例等で得られたフィルムをそのまま測定用の試料として用い、測定装置として日本電色工業株式会社製の「分光色彩計SD6000」で測定した。黄色度(YI)はASTM E313−05(2005年発行)に準拠した測定を行うことにより求めた。求められた測定値(測定装置の自動測定(自動計算)による測定値)に基づいて、フィルムの厚み10μmあたりの値に換算した値(換算値)を算出した。
<鉛筆硬度試験>
測定装置としてHEIDON 新東科学株式会社製 連続荷重式表面性測定機トライポギア TYPE−22を用いて自動測定を行った。
<線膨張係数の測定>
線膨張係数の測定方法としては、先ず、縦20mm、横5mmの大きさのフィルムを準備し、熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8310」又は「TMA8311」)を利用して、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、昇温速度5℃/分の条件を採用して、室温から200℃まで昇温(1回目の昇温)し、30℃以下まで放冷した後に、その温度から400℃まで昇温(2回目の昇温)し、その昇温時の前記試料の縦方向の長さの変化を測定した。次いで、このような2回目の昇温時の測定(放冷時の温度から400℃まで昇温する際の測定)で得られたTMA曲線を用いて、100℃〜200℃の温度範囲における1℃あたりの長さの変化の平均値を求め、得られる値をポリイミドの線膨張係数として測定した。
<ガラス転移点Tgの測定>
ガラス転移温度(Tg)は、熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8310」又は「TMA8311」)を使用して引張モードにより測定した。縦20mm、横5mmの大きさのフィルムを測定試料とし、窒素雰囲気下、引張りモード(49mN)、昇温速度5℃/分の条件を採用して測定を行ってTMA曲線を求め、ガラス転移に起因するTMA曲線の変曲点に対し、その前後の曲線を外挿することにより求めた。
<軟化点の測定>
軟化点は、熱機械的分析装置(リガク製の商品名「TMA8310」又は「TMA8311」)を使用してペネトレーションモードにより測定した。縦3mm、横3mmの大きさのフィルムを測定試料とし、窒素雰囲気下、ペネトレーションモード(500mN)、昇温速度5℃/分の条件を採用して測定を行ってTMA曲線を求め、軟化点に起因するTMA曲線の変曲点に対し、その前後の曲線を外挿することにより求めた。
<Rthの測定方法>
厚み方向のリタデーション(Rth)は、測定装置としてAXOMETRICS社製の商品名「AxoScan」を用い、フィルムの屈折率(589nm)の値を前記測定装置にインプットした後、温度:25℃、湿度:40%の条件下、波長590nmの光を用いて、フィルムの厚み方向のリタデーションを測定し、求められた厚み方向のリタデーションの測定値(測定装置の自動測定(自動計算)による測定値)に基づいて、フィルムの厚み10μmあたりのリタデーション値に換算した値(換算値)を求め、その換算値から絶対値を算出して求めた。
(実施例1−1)
<多官能化合物の調製>
式(A−1−2)で表される多官能化合物を含有する溶液を調製した。
Figure 2019151630
具体的には、19.4mg(0.17mmol)のトランス−1,4−シクロヘキサンジアミン(CHXN)を、1mLのDMAcに80℃で溶解させ、室温に冷却してCHXN溶液を得た。CHXN溶液に、その質量変化を追跡しながら、二酸化炭素を通気した。溶液の質量が7.27mg(0.17mmolの二酸化炭素に相当)増加した時点で二酸化炭素の通気を止めることで、多官能化合物を含有する溶液A−1を得た。
<アミック酸化合物の調製>
式(A−1−2)で表される多官能化合物と、下記式で表される4,4’−ビフタル酸無水物とを反応させ、アミック酸化合物を含有する溶液を調製した。
Figure 2019151630
具体的には、50mg(0.17mmol)の4,4’−ビフタル酸無水物(BPDA)を、3mLのDMAcに80℃で溶解させ、室温に冷却してBPDA溶液を得た。このBPDA溶液を、多官能化合物を含有する溶液A−1に添加し、25℃で30分撹拌することで、アミック酸化合物を含有する溶液B−1を得た。
<ポリイミドフィルムの作製>
溶液B−1を100℃で1時間撹拌した後、ポリテトラフルオロエチレン製の皿(縦×横×高さ=2cm×2cm×0.5cm)にキャストして成膜し、130℃で加熱乾燥させた。次いで、真空下で200℃で24時間加熱し、更に窒素下で380℃で1時間加熱することで、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムは、上述の方法で評価した。結果を表1に示す。
(実施例1−2)
CHXN溶液及びBPDA溶液の溶媒として、DMAcに代えてDMSOを用いたこと以外は、実施例1−1と同様にしてポリイミドフィルムの作製を行った。得られたポリイミドフィルムは、上述の方法で評価した。結果を表1に示す。
(比較例1−1)
50mgの4,4’−ビフタル酸無水物(BPDA)を3mLのDMAcに80℃で溶解させ、室温に冷却して、BPDA溶液を得た。また、トランス−1,4−シクロヘキサンジアミン(CHXN)を、1mLのDMAcに80℃で溶解させ、室温に冷却してCHXN溶液を得た。得られたBPDA溶液及びCHXN溶液を混合したところ、速やかに塩(ポリアミック酸塩)が析出し、100℃で加熱撹拌しても溶解せず、キャスト成膜ができなかった。
(比較例1−2)
50mgの4,4’−ビフタル酸無水物(BPDA)を3mLのDMSOに80℃で溶解させ、室温に冷却して、BPDA溶液を得た。また、トランス−1,4−シクロヘキサンジアミン(CHXN)を、1mLのDMSOに80℃で溶解させ、室温に冷却してCHXN溶液を得た。得られたBPDA溶液及びCHXN溶液を混合したところ、速やかに塩(ポリアミック酸塩)が析出し、キャスト成膜ができなかった。
Figure 2019151630
(実施例2−1)
<共重合体の合成>
ノルボルネンと無水マレイン酸との交互共重合により、共重合体P−1を得た。ノルボルネンと無水マレイン酸の仕込み比は1:1(モル比)とし、重合反応は、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロパノール中、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)をラジカル重合開始剤とし、65℃、20時間の条件で行った。AIBNの使用量は、モノマー成分の総量に対して0.32mol%とした。
Figure 2019151630
より具体的には、ノルボルネン2000mgと無水マレイン酸2080mgとを1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロパノール3mLに溶解し、8.3mgのAIBNをラジカル重合開始剤として加え、65℃で20時間、反応を行った。ジエチルエーテルへの再沈殿精製を経て、2650mgの共重合体P−1を白色粉末として得た。得られた共重合体P−1の数平均分子量Mnは20000、分子量分布Mw/Mnは1.7であった。なお、数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwは、上述の方法で測定した。
<多官能化合物の調製>
下記式で表されるジアミン(以下、BATDと称する。)を用いて、多官能化合物を含有する溶液を調製した。
Figure 2019151630
具体的には、0.5Mのジアミン(BATD)水溶液(pH:11.5)に、pHが7.8付近になるまで二酸化炭素を通気して、多官能化合物を含有する水溶液A−2を得た。
<イミド架橋型樹脂の製造>
共重合体P−1をTHFに溶解させて、共重合体溶液(濃度5質量%)を調製した。この共重合体溶液に対して、共重合体P−1の酸無水物基1当量に対して多官能化合物のアミノ基が0.25当量(カルバミン酸基についても0.25当量)となるように、水溶液A−2を加えた。20分撹拌した後、ポリテトラフルオロエチレン製の基板にキャストして成膜し、25℃で1時間、100℃で1時間乾燥させて自立膜を得た。得られた自立膜を、1mmHgの真空下、200℃で24時間加熱することで、ポリアミック酸をイミド化させて、イミド架橋型樹脂から構成された透明フィルムを得た。得られた透明フィルムを上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
(実施例2−2)
<イミド架橋型樹脂の製造>
共重合体P−1をシクロペンタノン(CPN)及びTHFの混合溶媒(CPN:THF=1:10)に溶解させて、共重合体溶液を調製した。この共重合体溶液に対して、共重合体P−1の酸無水物基1当量に対して多官能化合物のアミノ基が0.25当量となるように水溶液A−2を加え、更に、下記式で表されるジアミン(以下、DMS−A12と称する。なお、式中のnは3である。)を0.1当量加えた。20分撹拌した後、ポリテトラフルオロエチレン製の基板にキャストして成膜し、25℃で1時間、100℃で1時間乾燥させて自立膜を得た。得られた自立膜を、1mmHgの真空下、200℃で24時間加熱することで、ポリアミック酸をイミド化させて、イミド架橋型樹脂から構成された透明フィルムを得た。得られた透明フィルムを上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2019151630
(実施例2−3)
共重合体P−1の酸無水物基1当量に対する多官能化合物のアミノ基の当量が0.20当量となるように、水溶液A−2の添加量を変更したこと以外は、実施例2−2と同様にして透明フィルムを作製した。得られた透明フィルムを上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
(実施例2−4)
共重合体P−1の酸無水物基1当量に対する多官能化合物のアミノ基の当量が0.15当量となるように、水溶液A−2の添加量を変更したこと以外は、実施例2−2と同様にして透明フィルムを作製した。得られた透明フィルムを上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
(実施例2−5)
共重合体P−1を溶解させる溶媒をCPN/THF混合溶媒から、THFに変更したこと以外は、実施例2−2と同様にして透明フィルムを作製した。得られた透明フィルムを上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
(実施例2−6)
共重合体P−1を溶解させる溶媒をCPN/THF混合溶媒から、THFに変更したこと以外は、実施例2−3と同様にして透明フィルムを作製した。得られた透明フィルムを上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
(実施例2−7)
共重合体P−1を溶解させる溶媒をCPN/THF混合溶媒から、THFに変更したこと以外は、実施例2−4と同様にして透明フィルムを作製した。得られた透明フィルムを上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
(実施例2−8)
<多官能化合物の調製>において、BATDを溶解させる溶媒を水からDMAc(ジメチルアセトアミド)に変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして透明フィルムを作製した。得られた透明フィルムを上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
(実施例2−9)
<多官能化合物の調製>において、BATDを溶解させる溶媒を水からDMSO(ジメチルスルホキシド)に変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして透明フィルムを作製した。得られた透明フィルムを上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
(実施例2−10)
<多官能化合物の調製>において、BATDを溶解させる溶媒を水からDMAc(ジメチルアセトアミド)に変更したこと以外は、実施例2−2と同様にして透明フィルムを作製した。得られた透明フィルムを上述の方法で評価した。結果を表2に示す。
(比較例2−1)
共重合体P−1をTHFに溶解させて、共重合体溶液(濃度5質量%)を調製した。この共重合体溶液に対して、ジアミン(BATD)のTHF溶液を徐々に添加したところ、塩形成により不溶化し、キャスト成膜ができなかった。
(比較例2−2)
<共重合体の合成>
反応時間を24時間に変更したこと以外は、実施例2−1の<共重合体の合成>と同様にして、数平均分子量が28000の共重合体P−2を得た。
<イミド架橋型樹脂の製造>
200mgの共重合体を6mLのTHFに溶解させて、共重合体溶液を得た。次いで、上述のDMS−A12(19.76mg、0.04当量)及びBATD(6.06mg、0.06当量)をTHF2mLに溶解させて、ジアミン溶液を得た。共重合体溶液にジアミン溶液を徐々に添加したところ、ジアミン量が0.1当量を超えた時点でポリアミック酸塩が析出し、キャスト成膜が困難になった。
Figure 2019151630
(実施例3−1)
<多官能化合物の調製>
トリス(2−アミノエチル)アミン(TAEA)のアミノ基の2つに二酸化炭素が付加した多官能化合物(下記式の化合物、以下、「TAEA付加体」)を調整した。
Figure 2019151630
具体的には、21.4mg(0.146mmol)のTAEAを、1mLのDMSOに25℃で溶解させ、TAEA溶液を得た。TAEA溶液に、その質量変化を追跡しながら、二酸化炭素を通気した。溶液の質量が12.8mg(0.291mmolの二酸化炭素に相当する量)増加した時点で二酸化炭素の通気を止めることで、TAEA付加体を含有する溶液A−3を得た。
<アミック酸化合物の調製>
TAEA付加体と1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(下記式の化合物、以下、「CTDA」)とを反応させ、アミック酸化合物を調製した。
Figure 2019151630
具体的には、具体的には、50mg(0.22mmol)のCTDAを、1mLのDMSOに25℃で溶解させ、CTDA溶液を得た。このCTDA溶液を、TAEA付加体の溶液A−3に添加し、25℃で30分撹拌することで、アミック酸化合物を含有する溶液B−2を得た。
<ポリイミドフィルムの作製>
溶液B−2を100℃で1時間撹拌した後、ポリテトラフルオロエチレン製の皿(縦×横×高さ=2cm×2cm×0.5cm)にキャストして成膜し、90℃で加熱乾燥させたところ黄色透明なポリアミック酸フィルムが得られた。次いで、真空下で200℃で24時間加熱し、更に窒素下で300℃で1時間加熱することで、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムは、上述の方法で評価した。結果を表3に示す。
Figure 2019151630
(比較例3−1)
TAEA付加体に代えて、CO付加をしていないTAEAを用いてアミック酸化合物の合成を試みたが、アミック酸化合物を含有する溶液中に塩の生成が見られた。また、キャスト製膜を試みたが、形成されたフィルムは脆く、クラックが入っていた。この結果から、塩の生成によりアミック酸化合物の分子量が低く止まったことが示唆された。

Claims (16)

  1. 第一の飽和炭素原子と、
    前記第一の飽和炭素原子に結合するアミノ基と、
    第二の飽和炭素原子と、
    前記第二の飽和炭素原子に結合し、−NHC(=O)OHで表されるカルバミン酸基と、
    を有する、多官能化合物。
  2. 前記第一の飽和炭素原子及び前記第二の飽和炭素原子を含み、前記アミノ基と前記カルバミン酸基とを連結する連結基を更に有する、請求項1に記載の多官能化合物。
  3. 前記連結基が、脂環式基、脂肪族基、ポリエーテル基、ポリアミン基及びシロキサン基からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項2に記載の多官能化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の多官能化合物を製造する方法であって、
    飽和炭素原子に結合するアミノ基を2以上有するポリアミン化合物と二酸化炭素とを反応させて、前記ポリアミン化合物が有する前記アミノ基の一部を、前記カルバミン酸基に変換する工程を備える、多官能化合物の製造方法。
  5. 前記工程が、前記ポリアミン化合物を含有する水溶液中に、当該水溶液のpHが6〜9になるまで二酸化炭素を吹き込む工程である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記工程が、前記ポリアミン化合物を含有する反応溶液中に、前記ポリアミン化合物が有するアミノ基に対して0.25〜0.75当量の二酸化炭素を吹き込む工程である、請求項4に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の多官能化合物とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて、前記多官能化合物が有する前記アミノ基と前記テトラカルボン酸二無水物が有する酸無水物基との反応によりアミック酸構造を形成し、当該アミック酸構造及び前記カルバミン酸基を有するアミック酸化合物を得る工程を備える、アミック酸化合物の製造方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の多官能化合物と不飽和ジカルボン酸無水物単位を有するポリマーとを反応させて、前記多官能化合物が有する前記アミノ基と前記不飽和ジカルボン酸無水物単位中の酸無水物基との反応によりアミック酸構造を形成し、当該アミック酸構造及び前記カルバミン酸基を有するアミック酸化合物を得る工程を備える、アミック酸化合物の製造方法。
  9. アミック酸構造と、
    −NHC(=O)OHで表されるカルバミン酸基と、
    前記アミック酸構造の窒素原子に結合する第一の飽和炭素原子及び前記カルバミン酸基に結合する第二の飽和炭素原子を含む連結基と、
    を有する、アミック酸化合物。
  10. 前記連結基が、脂環式基、脂肪族基及びシロキサン基からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項9に記載のアミック酸化合物。
  11. 酸無水物基を更に有する、請求項9又は10に記載のアミック酸化合物。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載のアミック酸化合物を加熱して、前記アミック酸構造の熱イミド化及び前記カルバミン酸基の脱炭酸によりイミド構造及びアミノ基を形成する工程を備える、イミド化合物の製造方法。
  13. 酸無水物基の存在下、請求項9〜11のいずれか一項に記載のアミック酸化合物を加熱して、前記アミック酸構造の熱イミド化により形成された第一のイミド構造と、前記カルバミン酸基の脱炭酸により生じたアミノ基と前記酸無水物基との反応により形成された第二のイミド構造と、を有するイミド化合物を得る工程を備える、イミド化合物の製造方法。
  14. 請求項11に記載のアミック酸化合物を加熱して、前記アミック酸構造の熱イミド化により形成された第一のイミド構造と、前記カルバミン酸基の脱炭酸により生じたアミノ基と前記酸無水物基との分子内又は分子間反応により形成された第二のイミド構造と、を有するイミド化合物を得る工程を備える、イミド化合物の製造方法。
  15. 請求項9〜11のいずれか一項に記載のアミック酸化合物を含有する、溶液。
  16. 請求項15に記載の溶液から形成される塗膜の加熱硬化物である、樹脂フィルム。
JP2019037908A 2018-03-02 2019-03-01 多官能化合物及びその製造方法、アミック酸化合物及びその製造方法、並びにイミド化合物の製造方法 Pending JP2019151630A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018037853 2018-03-02
JP2018037853 2018-03-02

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019151630A true JP2019151630A (ja) 2019-09-12

Family

ID=67948215

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019037908A Pending JP2019151630A (ja) 2018-03-02 2019-03-01 多官能化合物及びその製造方法、アミック酸化合物及びその製造方法、並びにイミド化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019151630A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115850700A (zh) * 2022-12-01 2023-03-28 无锡阿科力科技股份有限公司 一种光学级聚合物薄膜及其制备方法和应用
WO2023127582A1 (ja) * 2021-12-28 2023-07-06 日本ゼオン株式会社 重合体及びその製造方法、樹脂組成物、並びに電子部品
WO2024095777A1 (ja) * 2022-10-31 2024-05-10 日本ゼオン株式会社 樹脂組成物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000504688A (ja) * 1996-02-06 2000-04-18 イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ジアミンカルバメート類の製造
CN104592058A (zh) * 2015-02-18 2015-05-06 中国科学院长春应用化学研究所 有机胺氨基甲酸盐的制备方法
CN106380461A (zh) * 2016-08-31 2017-02-08 昆明理工大学 一种碳酸乙(丙)烯酯的制备方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000504688A (ja) * 1996-02-06 2000-04-18 イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ジアミンカルバメート類の製造
CN104592058A (zh) * 2015-02-18 2015-05-06 中国科学院长春应用化学研究所 有机胺氨基甲酸盐的制备方法
CN106380461A (zh) * 2016-08-31 2017-02-08 昆明理工大学 一种碳酸乙(丙)烯酯的制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023127582A1 (ja) * 2021-12-28 2023-07-06 日本ゼオン株式会社 重合体及びその製造方法、樹脂組成物、並びに電子部品
WO2024095777A1 (ja) * 2022-10-31 2024-05-10 日本ゼオン株式会社 樹脂組成物
CN115850700A (zh) * 2022-12-01 2023-03-28 无锡阿科力科技股份有限公司 一种光学级聚合物薄膜及其制备方法和应用
CN115850700B (zh) * 2022-12-01 2024-04-30 无锡阿科力科技股份有限公司 一种光学级聚合物薄膜及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7163437B2 (ja) 接着力が向上したポリアミック酸組成物及びこれを含むポリイミドフィルム
TWI523913B (zh) A polyimide precursor and a resin composition containing the same
TWI568716B (zh) Resin precursor and resin composition containing the same, resin film and method for producing the same, and layered product and method for producing the same
US7572878B2 (en) Polycyclic polyimides and compositions and methods relating thereto
WO2018221607A1 (ja) ポリイミドフィルム
JP2021055104A (ja) ポリイミド形成用組成物を用いた透明ポリイミド樹脂フィルム
TWI759335B (zh) 聚醯亞胺、聚醯亞胺前驅物樹脂、該等之溶液、聚醯亞胺之製造方法及使用聚醯亞胺之薄膜
JP6353931B2 (ja) ポリイミド及びこれを用いたフィルム
TW201805339A (zh) 聚醯亞胺嵌段共聚物以及包含此共聚物的聚醯亞胺薄膜
JP2019151630A (ja) 多官能化合物及びその製造方法、アミック酸化合物及びその製造方法、並びにイミド化合物の製造方法
CN113227207B (zh) 聚酰胺酸组合物及利用其的透明聚酰亚胺膜
JP6693676B2 (ja) ポリイミド及びポリイミドフィルム
KR20210003100A (ko) 폴리이미드 수지, 폴리이미드 바니시 및 폴리이미드 필름
WO1998029471A1 (fr) Resine polyimide soluble, son procede de preparation, et composition de solution de resine polyimide
JP2016222644A (ja) 環状炭化水素骨格およびエステル基を有するテトラカルボン酸二無水物、ポリアミック酸、及びポリイミド。
TWI787256B (zh) 四羧酸二酐、聚醯亞胺前驅物樹脂及其溶液,以及聚醯亞胺及其溶液
WO2017195728A1 (ja) イミド架橋型樹脂、透明フィルム及び表面保護フィルム
JP2020033421A (ja) ポリイミド樹脂およびその製造方法、ポリイミド溶液、ポリイミドフィルムおよびその製造方法、ならびにテトラカルボン酸二無水物の製造方法
JP2024028411A (ja) ポリアミック酸組成物、及びこれを用いた透明ポリイミドフィルム
JP2022172466A (ja) 新規なジアミン化合物、それを用いたポリイミド前駆体およびポリイミドフィルム、並びにその用途
WO2016190170A1 (ja) 環状炭化水素骨格およびエステル基を有するテトラカルボン酸二無水物、ポリアミック酸、及びポリイミド
KR20150078925A (ko) 폴리이미드실록산 공중합체 및 이로부터 제조된 필름
JP6443579B2 (ja) ポリイミドフィルム
TW202102583A (zh) 聚醯亞胺、聚醯胺酸、樹脂溶液、塗劑及聚醯亞胺膜
KR102078760B1 (ko) 폴리(아미드-이미드) 공중합체, 이의 제조 방법 및 상기 폴리(아미드-이미드) 공중합체를 포함하는 무색 투명한 필름

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20190319

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190404

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220913

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230307