JP2019151212A - 乗物内装品 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗物内装品の外形となる表皮の形状を、比較的シンプルな構成によって変更することにある。【解決手段】外観をなす表皮20を備え、表皮20の少なくとも一部が変形することにより外形を変更可能である乗物内装品において、表皮20は、外的刺激によって伸縮し且つ外的刺激を受けないことで元の状態に戻る線状又は面状の可変部位24を有するとともに、伸長状態又は収縮状態の可変部位24によって、表皮20の少なくとも一部の変形後の状態が乗員と接触していない場合においても維持されている。【選択図】図7
Description
本発明は、表皮を備えた乗物内装品に関し、より具体的には、表皮にて形成されている外形形状を変更可能な乗物内装品に関する。
この種の乗物内装品は、外観をなす表皮で覆われているとともに、この表皮によって外形の少なくとも一部が構成されている。そして乗物内装品は、乗員に適した外形形状を有していることが望ましく、例えば乗物用シート(乗物内装品の一例)では、着座面をなす表皮の面形状を変更して、表皮の張力を乗員に合わせて調節できることが望ましい。例えば特許文献1に開示の乗物用シートは、乗員の背凭れとなるシートバックを有し、シートバックの着座面が表皮で構成されている。このシートバックは、一対の回転軸部材と一対のサイドサポート部材とを有し、これら各部材によって表皮の張力を変更することができる。一対の回転軸部材は、各々、上下方向に起立している棒状部材であり、シートの左右に配置されている。これら各回転軸部材には、それぞれサイドサポート部材が取付けられている。そして各サイドサポート部材は、それぞれ横断面が楕円形状を有している筒状部材であり、対応する回転軸部材の軸心周りに回転可能な状態となっている。
また表皮は、シートバックの着座面となる面状部材であり、左右のサイドサポート部材の間に張られた状態で取付けられている。この表皮の右側は、右側のサイドサポート部材の前側(着座側)から後方に回り込んだ状態で固定されており、表皮の左側は、左側のサイドサポート部材の前側から後方に回り込んだ状態で固定されている。そして公知技術においては、各サイドサポート部材を適宜の向きに回転させることにより、表皮の張力を調整することが可能となっている。例えば表皮の左右縁を巻き込むように各サイドサポート部材を回転させることで、表皮が左右から張引されて張力が強まることとなる。また表皮の左右縁を引き出すように各サイドサポート部材を逆回転させることで、表皮が弛んで(後方に凹むように変形して)張力が弱まることとなる。
ところで公知技術では、表皮の張力の変更(形状の変更)に、左右のサイドサポート部材と回転軸部材を用いている。このため公知技術の構成は、シートの部品点数が増加して構成の複雑化を招くことから、すんなり採用できる構成ではなかった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、乗物内装品の外形となる表皮の形状を、比較的シンプルな構成によって変更することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物内装品は、外観をなす表皮を備え、表皮の少なくとも一部が変形することにより外形を変更可能である。この種の構成では、乗物内装品の外形となる表皮の形状を、比較的シンプルな構成によって変更することが望ましい。そこで本発明の表皮は、外的刺激によって伸縮し且つ外的刺激を受けないことで元の状態に戻る線状又は面状の可変部位を有するとともに、伸長状態又は収縮状態の可変部位によって、表皮の少なくとも一部の変形後の状態が乗員と接触していない場合においても維持されている。本発明では、表皮自体に、外的刺激に応じて伸縮する可変部位を設けている。そして可変部位によって表皮の形状を変更し且つ維持することができるため、乗物内装品の構成をシンプル化することが可能となっている。
第2発明の乗物内装品は、第1発明の乗物内装品において、表皮は、乗員に接触可能な受止め部位と、受止め部位の周囲に配置する可変部位とで構成されている。本発明では、表皮に、可変部位とは別に受止め部位を設け、この受止め部材によって乗員をより安定的に受止めることが可能となる。
第3発明の乗物内装品は、第1発明又は第2発明の乗物内装品において、可変部位は、外的刺激を受けて収縮又は伸長する線材と、外的刺激を受けて面方向に広がる面材の少なくとも一方を有している。本発明では、外的刺激によって変形する線材又は面材によって可変部位の少なくとも一部を構成することにより、表皮をより確実に変形させることができる。
第4発明の乗物内装品は、第1発明〜第3発明のいずれかの乗物内装品において、可変部位は、外的刺激を受けて収縮する線材を有している。本発明では、外的刺激によって収縮する線材によって、可変部位の少なくとも一部を構成することにより、表皮を更に確実に変形させることができる。
本発明に係る第1発明によれば、乗物内装品の外形となる表皮の形状を、比較的シンプルな構成によって変更することができる。また第2発明によれば、表皮の形状をより性能良く変更することができる。また第3発明によれば、表皮の形状をより確実に変更することができる。そして第4発明によれば、表皮の形状を更に確実に変更することができる。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図14を参照して説明する。各図には、便宜上、乗物用シートの前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。また図5、図6、図8〜図10では、可変部位が乗物用シートに配設されている状態を基準として各部材の方向を示す矢線を図示している。そして図1では、便宜上、表皮の構成を簡略化して面状に図示し、図2にて、表皮の具体的な構成を図示している。
[乗物用シート(乗物内装品の一例)]
図1の乗物用シート2は、本発明の乗物内装品に相当する部材であり、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材(4,6,8)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シートの意匠面を構成するシートカバー(6S,8S)を有する。またシートバック6(ヘッドレスト8)には、これらの外形をなして乗員を弾性的に支持するシートパッド6P(8P)が設けられている。そしてシートクッション4の後部にシートバック6の下部が起倒可能に連結されている。また起立状態のシートバック6の上部にはヘッドレスト8が配設されている。
図1の乗物用シート2は、本発明の乗物内装品に相当する部材であり、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材(4,6,8)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シートの意匠面を構成するシートカバー(6S,8S)を有する。またシートバック6(ヘッドレスト8)には、これらの外形をなして乗員を弾性的に支持するシートパッド6P(8P)が設けられている。そしてシートクッション4の後部にシートバック6の下部が起倒可能に連結されている。また起立状態のシートバック6の上部にはヘッドレスト8が配設されている。
[実施例1]
実施例1では、図1に示すシートクッション4に本発明を適用した例を説明する。このシートクッション4は、図1及び図2に示すように座面となる上面視で略矩形の部材であり、上述のシートフレーム4Fと、シールドSMと、上面の外観の一部をなす表皮20とを備えている(各部材の詳細は後述)。この表皮20は、シートクッション4の着座面をなしており、着座状態の乗員を受止めて支持することができる。この種の構成では、シート性能向上の観点から、乗員の体格に応じて表皮20の形状を変更して張力を調整できることが望ましいが、このときシート構成が過度に複雑化することは極力回避すべきである。そこで本実施例では、シートクッション4の外形となる表皮20の形状を、後述する比較的シンプルな構成によって変更することとした。以下、各構成について詳述する。
実施例1では、図1に示すシートクッション4に本発明を適用した例を説明する。このシートクッション4は、図1及び図2に示すように座面となる上面視で略矩形の部材であり、上述のシートフレーム4Fと、シールドSMと、上面の外観の一部をなす表皮20とを備えている(各部材の詳細は後述)。この表皮20は、シートクッション4の着座面をなしており、着座状態の乗員を受止めて支持することができる。この種の構成では、シート性能向上の観点から、乗員の体格に応じて表皮20の形状を変更して張力を調整できることが望ましいが、このときシート構成が過度に複雑化することは極力回避すべきである。そこで本実施例では、シートクッション4の外形となる表皮20の形状を、後述する比較的シンプルな構成によって変更することとした。以下、各構成について詳述する。
[基本構成]
ここでシートフレーム4Fは、図2に示すように上方視で略矩形の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材で構成されている。このシートフレーム4Fは、前辺をなす前枠部11と、後辺をなす後枠部12と、右辺をなす右枠部13と、左辺をなす左枠部14とを有している。前枠部11と後枠部12は、それぞれシート幅方向である左右方向に延びている板状部位であり、シート前後方向に適宜の間隔をあけて対面配置されている。また右枠部13と左枠部14は、それぞれシート前後方向に延びている板状部位であり、シート左右方向に適宜の間隔をあけて対面配置されている。これら各枠部11〜14の上縁と下縁とは、図3及び図4に示すようにシートフレーム4Fの枠内に向けて屈曲しており、上縁によって上側フランジ部10aが形成され、下縁によって下側フランジ部10bが形成されている。さらに上側フランジ部10aには、複数の締結孔(図示省略)が適宜の間隔で設けられており、各締結孔に挿通されたボルト材BMによって、上側フランジ部10aに板状の取付け具16が締結固定されている。またシールドSMは、シートクッション4の周縁を保護する板状部材であり、図4に示すようにシートフレーム4Fの外側を被覆するように配設される。この種のシールドSMの素材として、剛性に優れている硬質樹脂を例示できる。なおシールドSMは、図示しないシートカバーで被覆されていてもよく、シールドSMの代替えとしてシートカバーを用いることもできる。
ここでシートフレーム4Fは、図2に示すように上方視で略矩形の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材で構成されている。このシートフレーム4Fは、前辺をなす前枠部11と、後辺をなす後枠部12と、右辺をなす右枠部13と、左辺をなす左枠部14とを有している。前枠部11と後枠部12は、それぞれシート幅方向である左右方向に延びている板状部位であり、シート前後方向に適宜の間隔をあけて対面配置されている。また右枠部13と左枠部14は、それぞれシート前後方向に延びている板状部位であり、シート左右方向に適宜の間隔をあけて対面配置されている。これら各枠部11〜14の上縁と下縁とは、図3及び図4に示すようにシートフレーム4Fの枠内に向けて屈曲しており、上縁によって上側フランジ部10aが形成され、下縁によって下側フランジ部10bが形成されている。さらに上側フランジ部10aには、複数の締結孔(図示省略)が適宜の間隔で設けられており、各締結孔に挿通されたボルト材BMによって、上側フランジ部10aに板状の取付け具16が締結固定されている。またシールドSMは、シートクッション4の周縁を保護する板状部材であり、図4に示すようにシートフレーム4Fの外側を被覆するように配設される。この種のシールドSMの素材として、剛性に優れている硬質樹脂を例示できる。なおシールドSMは、図示しないシートカバーで被覆されていてもよく、シールドSMの代替えとしてシートカバーを用いることもできる。
[表皮(受止め部位)]
そして図2及び図3を参照して、シートフレーム4Fの枠内には表皮20が張られており、この表皮20によってシートクッション4の着座面が構成されている。この表皮20は、上方視で概ね矩形の面状部材であり、複数の受止め部位22と、後述の可変部位24とを有している。ここで各受止め部位22は、それぞれ乗員に接触可能な上方視で正六角形の部位であり、表皮20の面方向に適宜の間隔で配置することができる(図2及び図3では、便宜上、各受止め部位の外形のみを図示している)。例えば本実施例では、図2を参照して、複数の受止め部位22を前後方向に並列させた列が複数設けられており、左右方向に隣り合う列同士は、受止め部位22の一辺分だけ前後にずれた状態で設けられている。そして各受止め部位22は概ね同一の基本構成を有しているため、以下に、右端の受止め部位22を一例にその詳細を説明する。
そして図2及び図3を参照して、シートフレーム4Fの枠内には表皮20が張られており、この表皮20によってシートクッション4の着座面が構成されている。この表皮20は、上方視で概ね矩形の面状部材であり、複数の受止め部位22と、後述の可変部位24とを有している。ここで各受止め部位22は、それぞれ乗員に接触可能な上方視で正六角形の部位であり、表皮20の面方向に適宜の間隔で配置することができる(図2及び図3では、便宜上、各受止め部位の外形のみを図示している)。例えば本実施例では、図2を参照して、複数の受止め部位22を前後方向に並列させた列が複数設けられており、左右方向に隣り合う列同士は、受止め部位22の一辺分だけ前後にずれた状態で設けられている。そして各受止め部位22は概ね同一の基本構成を有しているため、以下に、右端の受止め部位22を一例にその詳細を説明する。
図4に示す右端の受止め部位22は、パッド部材22aと、支持部材22bと、複数の取付け部材22cとを有している。パッド部材22aは、断面六角形状の柱状部材であり、弾性的に伸縮可能な素材で形成されている。この種のパッド部材22aの素材として、スラブウレタンなどの発泡樹脂、ゴム弾性を有するエラストマやゴム、エア又はガスが充填された袋材を例示できる。また支持部材22bは、それぞれ上方視で六角形状の板材であり、典型的に金属又は硬質樹脂などの剛性に優れる素材で構成されている。そして支持部材22bは、パッド部材22aよりもやや幅広であるとともに、支持部材22bの上面の概ね中央に起立状態とされたパッド部材22aが固定されて支持されている。また支持部材22b上面の周縁の少なくとも一部は、パッド部材22aから露出しているとともに、ボルト材BMを挿通可能な締結孔(図示省略)が複数形成されている。また各取付け部材22cは、上方視で概ね矩形の板材であり、支持部材22b上面の周縁(締結孔)にボルト材BMで固定されている。そして各取付け部材22cと支持部材22bとの間には後述する可変部位24が挟み付けられた状態で取付けられている。
[可変部位]
図2〜図4に示す可変部位24は、後述する外的刺激によって伸縮し且つ外的刺激を受けないことで元の状態に戻る部位であり、表皮20の少なくとも一部を構成している。本実施例の可変部位24は、各受止め部位22を除く表皮部分を構成する概ね線形状の部位であり、図5に示す収縮する線材26(詳細後述)を有している。ここで可変部位24は、線材26だけで構成することができ、必要に応じて補強材(図示省略)を用いることもできる。例えば本実施例では、線材26を、適度な伸縮性を備えた補強材に縫い付けなどの手法で取付けておくことで可変部位24の剛性を高めている。この種の補強材として、後述する線材26の伸縮に追従して伸縮する各種の面状又は線状の部材を用いることができ、例えば布帛製の帯状の面状部材やゴム弾性を備えた線状部材を例示できる。また可変部位24に用いられる線材26の本数は特に限定しないが、剛性確保の観点などから複数の線材26を用いることができる。例えば複数の線材26を撚り合わせたり引き揃えたりして線状の可変部位24を形成することができ、複数の線材26(経糸)と他の糸材(緯糸)を織製して平織りの帯状の可変部位24を形成することもできる。
図2〜図4に示す可変部位24は、後述する外的刺激によって伸縮し且つ外的刺激を受けないことで元の状態に戻る部位であり、表皮20の少なくとも一部を構成している。本実施例の可変部位24は、各受止め部位22を除く表皮部分を構成する概ね線形状の部位であり、図5に示す収縮する線材26(詳細後述)を有している。ここで可変部位24は、線材26だけで構成することができ、必要に応じて補強材(図示省略)を用いることもできる。例えば本実施例では、線材26を、適度な伸縮性を備えた補強材に縫い付けなどの手法で取付けておくことで可変部位24の剛性を高めている。この種の補強材として、後述する線材26の伸縮に追従して伸縮する各種の面状又は線状の部材を用いることができ、例えば布帛製の帯状の面状部材やゴム弾性を備えた線状部材を例示できる。また可変部位24に用いられる線材26の本数は特に限定しないが、剛性確保の観点などから複数の線材26を用いることができる。例えば複数の線材26を撚り合わせたり引き揃えたりして線状の可変部位24を形成することができ、複数の線材26(経糸)と他の糸材(緯糸)を織製して平織りの帯状の可変部位24を形成することもできる。
[線材]
図5及び図6に示す線材26は、ソフトアクチュエータ(人工筋肉)として機能する線状部材であり、電気的又は熱的な刺激(外的刺激の一例)を受けて収縮できる。この線材26は、必須構成である第一線材26aと、付属構成である第二線材26bを有している。第一線材26aは、コイル形状をなして軸心方向に延びている線状部材であり、引き延ばした状態で加熱すると全長が収縮し且つ直径が拡大する高分子で構成されている。この第一線材26aのコイル形状として、直線状に配置した第一線材26aに対してねじりを加え、このねじりによって自然にできるコイル形状を採用している。また第一線材26aの素材は、所望の特性を有する限り特に限定しないが、例えば各種のポリマー繊維を用いることが可能である。この種のポリマー繊維として、ナイロン6やナイロン6,6等のポリアミド樹脂製のポリマー繊維、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂製のポリマー繊維、これらと同等の特性を備えた各種の樹脂製のポリマー繊維を好適に使用できる。また第二線材26bは、通電により発熱する線状部材であり、第一線材26aの周りにスパイラル状に巻装されている。この種の第二線材26bの素材として、各種の導電性を備えた素材を用いることができ、金属(銅やアルミニウム等)や合金などの糸材、メッキ線材、炭素繊維のフィラメントを用いることができる。メッキ線材は、非導電性又は導電性の芯材と、金属又は合金のメッキ製の被覆層を有する。また炭素繊維とは、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)やピッチ系炭素繊維である。なお線材26を、シートに設置されている送風装置の温風や面状ヒータなどで直接加熱できる場合には、第一線材26aだけで線材26を構成することもできる。
図5及び図6に示す線材26は、ソフトアクチュエータ(人工筋肉)として機能する線状部材であり、電気的又は熱的な刺激(外的刺激の一例)を受けて収縮できる。この線材26は、必須構成である第一線材26aと、付属構成である第二線材26bを有している。第一線材26aは、コイル形状をなして軸心方向に延びている線状部材であり、引き延ばした状態で加熱すると全長が収縮し且つ直径が拡大する高分子で構成されている。この第一線材26aのコイル形状として、直線状に配置した第一線材26aに対してねじりを加え、このねじりによって自然にできるコイル形状を採用している。また第一線材26aの素材は、所望の特性を有する限り特に限定しないが、例えば各種のポリマー繊維を用いることが可能である。この種のポリマー繊維として、ナイロン6やナイロン6,6等のポリアミド樹脂製のポリマー繊維、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂製のポリマー繊維、これらと同等の特性を備えた各種の樹脂製のポリマー繊維を好適に使用できる。また第二線材26bは、通電により発熱する線状部材であり、第一線材26aの周りにスパイラル状に巻装されている。この種の第二線材26bの素材として、各種の導電性を備えた素材を用いることができ、金属(銅やアルミニウム等)や合金などの糸材、メッキ線材、炭素繊維のフィラメントを用いることができる。メッキ線材は、非導電性又は導電性の芯材と、金属又は合金のメッキ製の被覆層を有する。また炭素繊維とは、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(PAN系炭素繊維)やピッチ系炭素繊維である。なお線材26を、シートに設置されている送風装置の温風や面状ヒータなどで直接加熱できる場合には、第一線材26aだけで線材26を構成することもできる。
[表皮の形成(可変部位の配設)]
図2〜図4を参照して、線形状の可変部位24にて、隣り合う受止め部位22同士を連結しつつ、さらに可変部位24の末端側をシートフレーム4Fに固定しておく。隣り合う受止め部位22同士を可変部位24で連結するに際しては、この可変部位24を、各受止め部位22の支持部材22bの上面と各取付け部材22cの間に挟み付けて固定する。そして可変部位24が、隣り合う受止め部位22の間に橋し渡されて固定されることで、これら受止め部位22同士を連結しておくことができる。そしてシートフレーム4F側の可変部位24の末端を、図4に示す上側フランジ部10aの上面と図2に示す取付け具16の間に挟み付けて固定する。こうして本実施例では、可変部位24と各受止め部位22とで表皮20を形成しつつ、表皮20を、シートフレーム4Fの枠内に張った状態で固定しておくことができる。
図2〜図4を参照して、線形状の可変部位24にて、隣り合う受止め部位22同士を連結しつつ、さらに可変部位24の末端側をシートフレーム4Fに固定しておく。隣り合う受止め部位22同士を可変部位24で連結するに際しては、この可変部位24を、各受止め部位22の支持部材22bの上面と各取付け部材22cの間に挟み付けて固定する。そして可変部位24が、隣り合う受止め部位22の間に橋し渡されて固定されることで、これら受止め部位22同士を連結しておくことができる。そしてシートフレーム4F側の可変部位24の末端を、図4に示す上側フランジ部10aの上面と図2に示す取付け具16の間に挟み付けて固定する。こうして本実施例では、可変部位24と各受止め部位22とで表皮20を形成しつつ、表皮20を、シートフレーム4Fの枠内に張った状態で固定しておくことができる。
そしてシートフレーム4Fに表皮20が張られた状態では、図2及び図3を参照して、受止め部位22が表皮20の面方向に概ね均等に配置され、さらに各受止め部位22の周囲に可変部位24がネット状に張り巡らされる。そしてこの状態の表皮20は、乗員から受ける押圧の程度に応じて、複数の部位(左右の強押圧部位30,弱押圧部位32)に区分けでき、各押圧部位30,32には、それぞれ受止め部位22と可変部位24が配置されている。ここで左右の強押圧部位30は、図2及び図3及び図7を参照して、それぞれ乗員CMの臀部や脚部を支持する表皮部分である。これら左右の強押圧部位30は、乗員CMから受ける圧力が大きい部位であり、表皮20の左右に分かれて配置されている。また弱押圧部位32は、乗員CMから受ける圧力が相対的に小さい部位であり、本実施例においては強押圧部位30を除く表皮部分(中央と端側)に設定されている。
[可変部位に対する通電手法]
上述の作業に前後して、図5に示す可変部位24の線材26(第二線材26b)を、配線等を通じて電源(図示省略)に電気的につなげておく。こうすることで第二線材26bを必要に応じて通電させて発熱状態とし、この第二線材26bの発熱により第一線材26aを収縮させることが可能となる。このとき図2及び図3に示す表皮20中の可変部位24を一律に通電して一様に変形させる構成としてもよく、特定の可変部位24部分のみを大きく変形させる(選択通電する)構成とすることもできる。例えば選択通電においては、変形させたい可変部位24部分を選択してその選択された可変部位24部分にのみ通電することとなる。また可変部位24は、印加電圧が大きいほど大きく収縮するため、変形させたい可変部位24部分を選択してその選択された可変部位24部分に対する印加電圧を大きくすることもできる。例えば本実施例では、図3に示す各強押圧部位30に配置されている可変部位24部分と、弱押圧部位32に配置されている可変部位24部分とを個別に通電することが可能である。そして選択通電を行う場合には、選択装置(図示省略)を乗物用シート2自体又はその近傍に配置し、この選択装置を手動操作することにより、特定の可変部位24部分だけを通電する(または電圧量を設定する)ことができる。また各受止め部位22又はその近傍に、圧力などの乗員情報を感知可能なセンサ(図示省略)を設置することもできる。そしてセンサからの乗員情報を、ECUなどの制御部(図示省略)に伝え、この制御部によって、特定の可変部位24部分に自動で通電する(または電圧量を設定する)構成とすることもできる。
上述の作業に前後して、図5に示す可変部位24の線材26(第二線材26b)を、配線等を通じて電源(図示省略)に電気的につなげておく。こうすることで第二線材26bを必要に応じて通電させて発熱状態とし、この第二線材26bの発熱により第一線材26aを収縮させることが可能となる。このとき図2及び図3に示す表皮20中の可変部位24を一律に通電して一様に変形させる構成としてもよく、特定の可変部位24部分のみを大きく変形させる(選択通電する)構成とすることもできる。例えば選択通電においては、変形させたい可変部位24部分を選択してその選択された可変部位24部分にのみ通電することとなる。また可変部位24は、印加電圧が大きいほど大きく収縮するため、変形させたい可変部位24部分を選択してその選択された可変部位24部分に対する印加電圧を大きくすることもできる。例えば本実施例では、図3に示す各強押圧部位30に配置されている可変部位24部分と、弱押圧部位32に配置されている可変部位24部分とを個別に通電することが可能である。そして選択通電を行う場合には、選択装置(図示省略)を乗物用シート2自体又はその近傍に配置し、この選択装置を手動操作することにより、特定の可変部位24部分だけを通電する(または電圧量を設定する)ことができる。また各受止め部位22又はその近傍に、圧力などの乗員情報を感知可能なセンサ(図示省略)を設置することもできる。そしてセンサからの乗員情報を、ECUなどの制御部(図示省略)に伝え、この制御部によって、特定の可変部位24部分に自動で通電する(または電圧量を設定する)構成とすることもできる。
[シートクッションの挙動]
図2及び図7を参照して、シートクッション4に乗員CMが着座する際には、この乗員CMを、着座面を構成する表皮20にて支持する。このとき乗員CMの体格に応じて、表皮20が部分的に強く押圧され(座圧分布が生じ)、特に左右の強押圧部位30が乗員CM臀部から相対的に強く押圧される。そして表皮20の座圧分布は乗員CMの体格に応じて異なることから、乗員CMの体格に応じて表皮20の形状を変更して張力を調整できることが望ましい。例えば左右の強押圧部位30は、弱押圧部位32に比して強く押圧されるため、相対的に下方に凹んだ形状としておくことが望ましい。このため表皮20は、その少なくとも一部が変形することにより外形を変更可能とされているのであるが、この種の表皮20では、外形変更をシンプルな構成で行うことが望まれる。
図2及び図7を参照して、シートクッション4に乗員CMが着座する際には、この乗員CMを、着座面を構成する表皮20にて支持する。このとき乗員CMの体格に応じて、表皮20が部分的に強く押圧され(座圧分布が生じ)、特に左右の強押圧部位30が乗員CM臀部から相対的に強く押圧される。そして表皮20の座圧分布は乗員CMの体格に応じて異なることから、乗員CMの体格に応じて表皮20の形状を変更して張力を調整できることが望ましい。例えば左右の強押圧部位30は、弱押圧部位32に比して強く押圧されるため、相対的に下方に凹んだ形状としておくことが望ましい。このため表皮20は、その少なくとも一部が変形することにより外形を変更可能とされているのであるが、この種の表皮20では、外形変更をシンプルな構成で行うことが望まれる。
そこで本実施例の表皮20は、図2及び図7を参照して、外的刺激によって収縮し且つ外的刺激を受けないことで元の状態に戻る可変部位24を有するとともに、収縮状態の可変部位24によって、表皮20の少なくとも一部の変形後の状態が乗員と接触していない場合においても維持されている。すなわち本実施例では、弱押圧部位32において、対応する可変部位24部分を通電により収縮させて、同部位の表皮20部分を適度に張った状態としておく。また左右の強押圧部位30では、乗員CMの体格に応じて対応する可変部位24部分を非通電状態(又は低電圧状態)で維持して伸長させておく。こうすることで各強押圧部位30の可変部位24部分が適度に弛んだ状態となり、同部位の表皮20部分を、弱押圧部位32に比して下方に凹み変形した状態とすることができる。なお弱押圧部位32と各強押圧部位30とは、表皮20の面方向である前後左右方向に面的に形成されている。このため弱押圧部位32と各強押圧部位30では、図7に示す左右方向に延びている可変部位24部分とともに、図1に示す前後方向に延びている可変部位24部分も適宜収縮させておくこととなる。こうして本実施例では、可変部位24を部分的に伸縮させて、表皮20の面形状を乗員CMに追従する座面形状に変形させることが可能となっている。そして可変部位24の伸縮動作は実質的に無音で行われるため、騒音や異音の発生によるシート性能の低下を好適に回避することが可能となっている。
そして図7に示すシートクッション4に乗員CMが着座する際には、表皮20の面形状が乗員CMに追従する座面形状に予め変形しているため、適切な張力でもって乗員CMを支持することができる。さらに表皮20には、可変部位24とは別に受止め部位22が複数設けられており、これら各受止め部位22によって乗員CMをより安定的に受止めることが可能となっている。こうして本実施例では、表皮20で着座面(座面)を構成することにより、比較的シンプルな構成で、幅広い乗員に追従する座面形状を形成することが可能となっている。そして乗員CMが離席する際には、可変部位24の通電を停止して元の状態に戻すことにより、表皮20が自然と元の状態に復帰する。
以上説明した通り本実施例では、表皮20自体に、外的刺激に応じて伸縮する可変部位24を設けている。そして可変部位24によって表皮20の形状を変更し且つ維持することができるため、乗物用シート2の構成をシンプル化することが可能となっている。すなわち表皮20自体に形状変更を可能とする構成を設けたことで、表皮20以外の部材をできる限り省略することが可能となっている。特に本実施例では、外的刺激によって収縮する線材26によって、表皮20を更に確実に変形させることができる。また本実施例では、表皮20に、可変部位24とは別に受止め部位22を設け、この受止め部位22によって乗員をより安定的に受止めることが可能となっている。このため本実施例によれば、乗物用シート2の外形となる表皮20の形状を、比較的シンプルな構成によって変更することができる。
[変形例1]
ここで可変部位の構成は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図8に示す変形例1の可変部位24Aは、第一線材26aと第二線材26bとからなる別の線材27を有し、この別の線材27は、外的刺激によって伸長し且つ外的刺激を受けないことで元の状態に戻る点が実施例1と異なっている。そして別の線材27の第一線材26aのコイル形状として、直線状に配置した第一線材26aに対してねじりを加え、このねじりによって自然にできるコイル形状とは逆向きのコイル形状を採用している。この逆向きのコイル形状を有する第一線材26aは、実施例1とは反対に加熱により伸長することが可能である。
ここで可変部位の構成は、上述の構成のほか、各種の構成を取り得る。例えば図8に示す変形例1の可変部位24Aは、第一線材26aと第二線材26bとからなる別の線材27を有し、この別の線材27は、外的刺激によって伸長し且つ外的刺激を受けないことで元の状態に戻る点が実施例1と異なっている。そして別の線材27の第一線材26aのコイル形状として、直線状に配置した第一線材26aに対してねじりを加え、このねじりによって自然にできるコイル形状とは逆向きのコイル形状を採用している。この逆向きのコイル形状を有する第一線材26aは、実施例1とは反対に加熱により伸長することが可能である。
図8に示す本変形例の可変部位24A(別の線材27)は、図3及び図7に示す実施例1の可変部位24(線材26)の代替えとして表皮20に使用できる。そして弱押圧部位32において、対応する可変部位部分を非通電状態で維持して収縮させておくことにより、同部位の表皮20部分を適度に張った状態としておく。また左右の強押圧部位30では、乗員の体格に応じて対応する可変部位部分を通電により伸長させて(弛ませて)おくことで、同部位の表皮20部分が弱押圧部位32に比して下方に凹み変形した状態となる。こうして本変形例においても、図8に示す可変部位24Aを部分的に伸長させることにより、図7に示す表皮20の面形状を乗員に追従する座面形状に変形させることが可能となっている。
[変形例2(面材を用いる例)]
また図9に示す変形例2の可変部位24Bは、ソフトアクチュエータ(人工筋肉)として機能する誘電エラストマ製の面材28を有している点が実施例1と異なっている。この面材28は、図10を参照して、電気的な刺激(外的刺激の一例)を受けて面方向(図10では前後左右方向)に広がることが可能であり、表側電極部28aと、本体部28bと、裏側電極部28cとをこの順で積層状に有している。ここで本体部28bは、電気的な刺激を受けることで薄くなり且つ面方向に広がる各種の誘電エラストマで形成できる。この種の誘電エラストマの基材として、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、スチレン系などの各種エラストマを例示でき、これら各種の基材に、導電フィラーを含有させることにより本体部28bを形成できる。ここで導電フィラーは、導電性を備えた微細な物質であり、この種の導電フィラーとして、金や白金や銀や銅などの金属シート又は金属粒子、炭素系の微粒子や繊維体、カーボンナノチューブを例示できる。また各電極部28a,28cは、それぞれ適度な導電性を有する面状部材であり、本体部28bの面方向への広がりに追従可能な伸縮性を有していることが望ましい。この種の各電極部28a,28cの基材として、誘電エラストマで例示の基材や、シリコングリース等の高粘性材料などの樹脂を例示できる。そして各電極部28a,28cは、各種の基材に導電フィラーを含有させることで形成でき、このとき本体部28bよりも多量の導電フィラーを含有させるなどして導電性を高めておくことが望ましい。
また図9に示す変形例2の可変部位24Bは、ソフトアクチュエータ(人工筋肉)として機能する誘電エラストマ製の面材28を有している点が実施例1と異なっている。この面材28は、図10を参照して、電気的な刺激(外的刺激の一例)を受けて面方向(図10では前後左右方向)に広がることが可能であり、表側電極部28aと、本体部28bと、裏側電極部28cとをこの順で積層状に有している。ここで本体部28bは、電気的な刺激を受けることで薄くなり且つ面方向に広がる各種の誘電エラストマで形成できる。この種の誘電エラストマの基材として、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、スチレン系などの各種エラストマを例示でき、これら各種の基材に、導電フィラーを含有させることにより本体部28bを形成できる。ここで導電フィラーは、導電性を備えた微細な物質であり、この種の導電フィラーとして、金や白金や銀や銅などの金属シート又は金属粒子、炭素系の微粒子や繊維体、カーボンナノチューブを例示できる。また各電極部28a,28cは、それぞれ適度な導電性を有する面状部材であり、本体部28bの面方向への広がりに追従可能な伸縮性を有していることが望ましい。この種の各電極部28a,28cの基材として、誘電エラストマで例示の基材や、シリコングリース等の高粘性材料などの樹脂を例示できる。そして各電極部28a,28cは、各種の基材に導電フィラーを含有させることで形成でき、このとき本体部28bよりも多量の導電フィラーを含有させるなどして導電性を高めておくことが望ましい。
そして図9に示す本変形例の可変部位24Bも、図3及び図7に示す実施例1の可変部位24(線材26)の代替えとして表皮20に使用できる。そして弱押圧部位32において、対応する可変部位部分を非通電状態で維持して収縮させておくことにより、同部位の表皮20部分を適度に張った状態としておく。また左右の強押圧部位30では、乗員の体格に応じて対応する可変部位部分を通電により広げて(弛ませて)おくことで、同部位の表皮20部分が弱押圧部位32に比して下方に凹み変形した状態となる。こうして本変形例においても、図9及び図10に示す可変部位24Bを部分的に広げることで、図7に示す表皮20の面形状を乗員に追従する座面形状に変形させることが可能となっている。
[センサとしての機能]
さらに図9に示す変形例2の可変部位24Bは、表側電極部28aと本体部28bと裏側電極部28cが積層されているため、静電容量型センサとして機能することもできる。そこで本変形例においては、乗員の着座時における表皮中の可変部位24Bの静電容量分布を測定したのち、この測定情報をECUなどの制御部(図示省略)に伝える。そして制御部によって、相対的に強く押圧されている表皮部分の可変部位24Bに自動で通電する構成とすることもできる。このため本変形例によれば、別途センサを用いる必要がないため、シート構成の更なるシンプル化に資する構成となっている。
さらに図9に示す変形例2の可変部位24Bは、表側電極部28aと本体部28bと裏側電極部28cが積層されているため、静電容量型センサとして機能することもできる。そこで本変形例においては、乗員の着座時における表皮中の可変部位24Bの静電容量分布を測定したのち、この測定情報をECUなどの制御部(図示省略)に伝える。そして制御部によって、相対的に強く押圧されている表皮部分の可変部位24Bに自動で通電する構成とすることもできる。このため本変形例によれば、別途センサを用いる必要がないため、シート構成の更なるシンプル化に資する構成となっている。
[実施例2]
実施例2の乗物用シートでは、実施例1の乗物用シートとほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。図11に示す本実施例の表皮20Aは、一枚物の面状部材によって受止め部位22Aを構成している点が実施例1と異なっている。この受止め部位22Aは、シートフレーム4F内に収まる形状を有しており、本実施例では上方視で矩形状をなしている。この種の受止め部位22Aの素材として、乗員を支持可能な剛性を備えた素材を用いることができ、布帛や皮革などの可撓性を備えた面状部材や、板状に成形された樹脂製の面状部材を例示できる。そして受止め部位22Aの周縁(前後左右)には可変部位24(実施例1と同一構成)の一端が取付けられており、この可変部位24の他端はシートフレーム4Fに固定されている。こうして本実施例では、面状の受止め部位22Aが、前後左右の可変部位24に吊られた状態となってシートフレーム4Fの枠内に配設されている。そして本実施例では、一枚物の受止め部位22Aで比較的広範囲の着座面を構成することが可能となり、乗員に対する支持性能の向上に資する構成となっている。
実施例2の乗物用シートでは、実施例1の乗物用シートとほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。図11に示す本実施例の表皮20Aは、一枚物の面状部材によって受止め部位22Aを構成している点が実施例1と異なっている。この受止め部位22Aは、シートフレーム4F内に収まる形状を有しており、本実施例では上方視で矩形状をなしている。この種の受止め部位22Aの素材として、乗員を支持可能な剛性を備えた素材を用いることができ、布帛や皮革などの可撓性を備えた面状部材や、板状に成形された樹脂製の面状部材を例示できる。そして受止め部位22Aの周縁(前後左右)には可変部位24(実施例1と同一構成)の一端が取付けられており、この可変部位24の他端はシートフレーム4Fに固定されている。こうして本実施例では、面状の受止め部位22Aが、前後左右の可変部位24に吊られた状態となってシートフレーム4Fの枠内に配設されている。そして本実施例では、一枚物の受止め部位22Aで比較的広範囲の着座面を構成することが可能となり、乗員に対する支持性能の向上に資する構成となっている。
そして本実施例においても、可変部位24を伸縮させることにより表皮20Aの外形を変更することが可能である。例えば図11の実線で示すように、前後左右の可変部位24を通電により収縮させて適度に張った状態としておくことにより、受止め部位22Aが相対的に上方に配置された状態となる。また図11の二点破線で示すように、前後左右の可変部位24を非通電状態で維持して伸長させて(弛ませて)おくことで、受止め部位22Aが相対的に下方に配置された状態となる。このように本実施例では、可変部位24の伸縮によって、乗員の座高の高さに応じて受止め部位22Aを上下動させるように表皮20Aの外形を変更することが可能となっている。さらに本実施例では、左右の可変部位24の一方を、対応する前後の可変部位24とともに伸長させ、左右の可変部位24の他方を、対応する前後の可変部位24とともに収縮させることもできる。こうすることで受止め部位22Aを左右に傾かせることができ、カーブ走行時に等において乗員の体重移動をサポートすることもできる。また前側の可変部位24を、対応する左右の可変部位24とともに収縮させて、受止め部位22Aを前側に向かうにつれて次第に上方に傾かせることにより、乗員の前滑り(サブマリン現象の発生など)を防止又は低減することもできる。
[実施例3]
実施例3の乗物用シートでは、実施例1の乗物用シートとほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。本実施例では、図1に示すシートバック6に本発明を適用した例を説明する。そしてシートバック6では、シートカバー6Sが本発明の表皮に相当し、さらに図12に示すシートカバー6S(表皮)の縫合線SEWとして可変部位24を用いている点が実施例1と異なっている。このシートバック6は、図1に示すように乗員の背凭れとなる正面視で略矩形の部材であり、シートパッド6Pを、シートフレーム6F上に配置したのちシートカバー6Sで被覆することで形成されている。ここでシートパッド6P(図示省略)は、シートバック6の外形形状をなす部材であり、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)などの発泡樹脂で形成できる。このシートパッド6Pの着座面には、着座部6aと、左右の土手部6bとが形成されている。着座部6aは、シート幅方向中央に形成された乗員の着座が可能な部位である。また左右の土手部6bは、着座部6aの側方で相対的に前方に向けて山なりに盛り上がっている部位である。
実施例3の乗物用シートでは、実施例1の乗物用シートとほぼ同一の基本構成を備える構成については、対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。本実施例では、図1に示すシートバック6に本発明を適用した例を説明する。そしてシートバック6では、シートカバー6Sが本発明の表皮に相当し、さらに図12に示すシートカバー6S(表皮)の縫合線SEWとして可変部位24を用いている点が実施例1と異なっている。このシートバック6は、図1に示すように乗員の背凭れとなる正面視で略矩形の部材であり、シートパッド6Pを、シートフレーム6F上に配置したのちシートカバー6Sで被覆することで形成されている。ここでシートパッド6P(図示省略)は、シートバック6の外形形状をなす部材であり、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)などの発泡樹脂で形成できる。このシートパッド6Pの着座面には、着座部6aと、左右の土手部6bとが形成されている。着座部6aは、シート幅方向中央に形成された乗員の着座が可能な部位である。また左右の土手部6bは、着座部6aの側方で相対的に前方に向けて山なりに盛り上がっている部位である。
[シートカバー(表皮)]
そしてシートカバー6Sは、本発明の表皮に相当する面材であり、図1及び図12に示すように複数の表皮ピースSP1,SP2等を縫合することで形成されている。例えばシートカバー6Sの着座面は、着座部6aを被覆するメイン表皮ピースSP1と、左右の土手部6bを被覆する一対のサイド表皮ピースSP2とを縫合することで形成されている。これら各表皮ピースSP1,SP2の素材として、シートの意匠面を構成可能な各種の面材を用いることができ、例えば皮革(天然皮革,合成皮革)や布帛(織物,編物,不織布)を適宜選択して用いることができる。そして可変部位24(実施例1と同一構成)は、外的刺激によって収縮し且つ外的刺激を受けないことで元の状態に戻る線材を有し、メイン表皮ピースSP1とサイド表皮ピースSP2とを縫合する縫合線SEWとして用いられている。この可変部位24としての縫合線SEWは、左右方向からメイン表皮ピースSP1とサイド表皮ピースSP2とを縫い付けつつ上下方向に延長している。
そしてシートカバー6Sは、本発明の表皮に相当する面材であり、図1及び図12に示すように複数の表皮ピースSP1,SP2等を縫合することで形成されている。例えばシートカバー6Sの着座面は、着座部6aを被覆するメイン表皮ピースSP1と、左右の土手部6bを被覆する一対のサイド表皮ピースSP2とを縫合することで形成されている。これら各表皮ピースSP1,SP2の素材として、シートの意匠面を構成可能な各種の面材を用いることができ、例えば皮革(天然皮革,合成皮革)や布帛(織物,編物,不織布)を適宜選択して用いることができる。そして可変部位24(実施例1と同一構成)は、外的刺激によって収縮し且つ外的刺激を受けないことで元の状態に戻る線材を有し、メイン表皮ピースSP1とサイド表皮ピースSP2とを縫合する縫合線SEWとして用いられている。この可変部位24としての縫合線SEWは、左右方向からメイン表皮ピースSP1とサイド表皮ピースSP2とを縫い付けつつ上下方向に延長している。
そして本実施例においても、可変部位24を伸縮させることによりシートカバー6Sの外形を変更することが可能である。すなわち図12に示すように可変部位24に通電して収縮させておくことで、メイン表皮ピースSP1とサイド表皮ピースSP2の縫合状態が維持される。この状態ではメイン表皮ピースSP1が適度に張った状態で乗員を支持することとなる。また図13に示すように可変部位24を非通電状態で維持して伸長させる(弛ませる)ことにより、メイン表皮ピースSP1とサイド表皮ピースSP2の縫合状態が緩んだ状態となる。この状態ではメイン表皮ピースSP1が、サイド表皮ピースSP2から離間しつつ後方に大きく凹み変形することが可能となる。こうして本実施例においても、可変部位24を伸縮させることにより、シートカバー6S(表皮)の面形状を乗員に追従する面形状に変形させることが可能となっている。
[変形例]
また実施例3の変形例では、縫合線SEWとともに、別の縫合線としての可変部位24を用いることが可能である。例えば図14に示す本変形例では、別の縫合線としての可変部位24にて、縫合線SEWよりも着座側で、メイン表皮ピースSP1とサイド表皮ピースSP2とを縫合しておく。このような構成では、縫合線SEWにて両表皮ピースSP1,SP2の縫合強度を維持した上で、可変部位24を伸縮させることによりシートカバー6Sの外形を実施例3と同様に変更することが可能である。
また実施例3の変形例では、縫合線SEWとともに、別の縫合線としての可変部位24を用いることが可能である。例えば図14に示す本変形例では、別の縫合線としての可変部位24にて、縫合線SEWよりも着座側で、メイン表皮ピースSP1とサイド表皮ピースSP2とを縫合しておく。このような構成では、縫合線SEWにて両表皮ピースSP1,SP2の縫合強度を維持した上で、可変部位24を伸縮させることによりシートカバー6Sの外形を実施例3と同様に変更することが可能である。
本実施形態の乗物用シート2(乗物内装品の一例)は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、表皮20をなしている受止め部位22等と可変部位24等の構成(形状,寸法,配置位置,配置数,構成要素など)を例示したが、各部位の構成を限定する趣旨ではない。例えば実施例1の受止め部位の外形として、上方視で六角形のほか、三角や四角等の多角形状や、円形や楕円形などの円形状を採用することができ、複数の受止め部位を用いる場合には、それぞれ独立に外形や寸法を設定できる。また実施例2の受止め部材の形状や寸法も適宜変更可能であり、例えば帯状(線状)の受止め部材をネット状に張り巡らせて用いることができる。そして受止め部位を、通電性を備えた素材(例えば金属やバイオメタル)で構成して、線材や面材に電力を供給するための電極として用いることも可能である。
また本実施形態では、各線材26,27又は面材28を有する可変部位を例示したが、これら可変部位の構成を限定する趣旨ではない。例えば可変部位は、各線材と面材の少なくとも一つを有することができる。また可変部位は、他のソフトアクチュエータを有することができ、この他のソフトアクチュエータを、各線材や面材の代替えとして用いたり、各線材や面材と併用して用いたりすることができる。この種の他のソフトアクチュエータとして、導電性ポリマー製の部材(電解質を電極で挟んだ部材)、イオンポリマー金属化合物製の部材(水で膨潤した高分子電解質膜に金属電極を接合した部材)、イオンポリマーゲル製の部材(酸性からアルカリ性に変化する(又はその逆に変化する)ことで膨張する部材)、磁気アクティブポリマー製の部材(磁気で動く部材)を例示できる。そして外的刺激は、用いるべきソフトアクチュエータの種類に応じて適宜設定することができ、複数種類の外的刺激を用いることもできる。
また各実施例の構成と各変形例の構成は、適宜入れ替えたり組合せたりして用いることが可能である。実施例2においては、変形例1の可変部位24A(線材27)や変形例2の可変部位24B(面材28)を用いることができ、例えば可変部位24Bを、実施例2の可変部位24と受止め部位22Aの少なくとも一方の代替えとして用いることができる。また実施例3においても、変形例1の可変部位24A(線材27)や変形例2の可変部位24B(面材28)を用いることができる。例えば変形例2の可変部位24Bを、メイン表皮ピース等の素材に用いることができ、メイン表皮ピースとサイド表皮ピースをつなぐ接ぎ布として用いることもできる。また変形例2の可変部位24Bをセンサとして用いて、各線材を適宜伸縮させる構成とすることもできる。そして表皮は、可変部位のみで構成することも可能である。例えば実施例1において、受止め部位の代替えに変形例2の可変部位を使用し、この変形例2の可変部位を、実施例1又は変形例1の線材で連結する構成とすることができる。
また本実施形態では、乗物内装品として乗物用シート2を例示したが、本実施形態の構成は、各種の乗物内装品の表皮に適用することができる。この種の乗物内装品として、乗物用シートのほか、ドア部やインストルメントパネルや天井部やコンソールなどの各種部材を例示でき、本実施例の構成は、特に車両や航空機や電車や船舶などの乗物に搭載される乗物内装品に好適に適用できる。そして乗物内装品(表皮)の外形が乗員に合わせて変更することにより、特定の乗員に適した乗物室内環境を形成することが可能である。また乗物用シートにおいては、シートクッションやシートバックのほか、ヘッドレストやアームレスト等の各種シート構成部材において、これらの着座面を構成する表皮部分や、意匠面を構成する表皮部分(シートカバー)に本実施形態の構成を適用できる。
2 乗物用シート(本発明の乗物内装品)
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4F,6F,8F シートフレーム
6P,8P シートパッド
6S,8S シートカバー
SM シールド
10a 上側フランジ部
10b 下側フランジ部
11 前枠部
12 後枠部
13 右枠部
14 左枠部
16 取付け具
20 表皮
22 受止め部位
22a パッド部材
22b 支持部材
22c 取付け部材
24 可変部位
26 線材
26a 第一線材
26b 第二線材
24A 変形例1の可変部位
27 変形例1の線材
24B 変形例2の可変部位
28 面材
28a 表側電極部
28b 本体部
28c 裏側電極部
20A 実施例2の表皮
22A 実施例2の受止め部位
30 強押圧部位
32 弱押圧部位
BM ボルト材
CM 乗員
SEW 縫合線
SP1 メイン表皮ピース(実施例3にかかる本発明の表皮)
SP2 サイド表皮ピース(実施例3にかかる本発明の表皮)
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4F,6F,8F シートフレーム
6P,8P シートパッド
6S,8S シートカバー
SM シールド
10a 上側フランジ部
10b 下側フランジ部
11 前枠部
12 後枠部
13 右枠部
14 左枠部
16 取付け具
20 表皮
22 受止め部位
22a パッド部材
22b 支持部材
22c 取付け部材
24 可変部位
26 線材
26a 第一線材
26b 第二線材
24A 変形例1の可変部位
27 変形例1の線材
24B 変形例2の可変部位
28 面材
28a 表側電極部
28b 本体部
28c 裏側電極部
20A 実施例2の表皮
22A 実施例2の受止め部位
30 強押圧部位
32 弱押圧部位
BM ボルト材
CM 乗員
SEW 縫合線
SP1 メイン表皮ピース(実施例3にかかる本発明の表皮)
SP2 サイド表皮ピース(実施例3にかかる本発明の表皮)
Claims (4)
- 外観をなす表皮を備え、前記表皮の少なくとも一部が変形することにより外形を変更可能である乗物内装品において、
前記表皮は、外的刺激によって伸縮し且つ外的刺激を受けないことで元の状態に戻る線状又は面状の可変部位を有するとともに、伸長状態又は収縮状態の前記可変部位によって、前記表皮の少なくとも一部の変形後の状態が乗員と接触していない場合においても維持されている乗物内装品。 - 前記表皮は、乗員に接触可能な受止め部位と、前記受止め部位の周囲に配置する前記可変部位とで構成されている請求項1に記載の乗物内装品。
- 前記可変部位は、外的刺激を受けて収縮又は伸長する線材と、外的刺激を受けて面方向に広がる面材の少なくとも一方を有している請求項1又は2に記載の乗物内装品。
- 前記可変部位は、外的刺激を受けて収縮する線材を有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗物内装品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018037664A JP2019151212A (ja) | 2018-03-02 | 2018-03-02 | 乗物内装品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018037664A JP2019151212A (ja) | 2018-03-02 | 2018-03-02 | 乗物内装品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019151212A true JP2019151212A (ja) | 2019-09-12 |
Family
ID=67947906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018037664A Pending JP2019151212A (ja) | 2018-03-02 | 2018-03-02 | 乗物内装品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019151212A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021033750A1 (ja) | 2019-08-21 | 2021-02-25 | 学校法人早稲田大学 | 細胞分析装置システムおよび細胞分析方法 |
-
2018
- 2018-03-02 JP JP2018037664A patent/JP2019151212A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021033750A1 (ja) | 2019-08-21 | 2021-02-25 | 学校法人早稲田大学 | 細胞分析装置システムおよび細胞分析方法 |
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