JP2015030439A - 発熱体付きシート - Google Patents

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三浦 宏明
Hiroaki Miura
宏明 三浦
寸田 剛司
Goji Suda
剛司 寸田
壮一郎 森
Soichiro Mori
壮一郎 森
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Abstract

【課題】着座者が着座したときの違和感が緩和される発熱体付きシートを提供する。【解決手段】車両用シート1は、溝部15を有するクッションパッド13と、該クッションパッド13を覆うと共に、導電繊維35を有するシートカバー11と、前記導電繊維35を制御するサーモスタット41と、を備えている。前記シートカバー11は、センター部用布帛31およびサイド部用布帛33の端部同士を結合して結合部37が形成され、この結合部37および前記サーモスタット41を前記クッションパッド13の溝部15の内部に収容した。【選択図】図5

Description

本発明は、発熱体付きシートに関する。特に、自動車等の車両に搭載されて、発熱性を有する発熱体付きシートに関する。
従来から、冬期等の寒冷時にシートクッションを暖めて着座者の快適性を向上させる車両用シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載されたシートクッションは、シートパッドと該シートパッドの上に載置した面状ヒータと該面状ヒータおよびシートパッドを覆う表皮とから構成されている。
国際公開WO2010/137290号パンフレット
しかしながら、前記従来の車両用シートでは、面状ヒータにサーモスタット等の温調器が接続されるが、この温調器はシートパッドの上に載置されることになる。
そうすると、着座者がシートクッションに着座したときや着座者の着座位置がずれたときなどに、尻等の身体の部位が温調器に当たり、着座者が違和感を覚えるおそれがあった。
そこで、本発明は、着座者が着座したときの違和感が緩和される発熱体付きシートを提供することを目的としている。
本発明に係る発熱体付きシートは、溝部を有するクッションパッドを発熱性のシートカバーで覆うと共にシートカバーに温調器を接続する。そして、複数の分割体の端部同士を結合してシートカバーを形成し、この結合部および前記温調器を前記クッションパッドの溝部の内部に収容する。
本発明に係る発熱体付きシートによれば、温調器とシートカバーにおける結合部とがクッションパッドの溝部内に収容される。従って、着座者がシートに着座したときに、尻などの身体の部位が温調器に当たりにくくなる。また、着座者が姿勢を変えて着座位置が変わった場合でも、身体の部位が温調器に当たりにくくなる。このため、着座者が着座したときの違和感が緩和される。
本発明の第1実施形態に係る車両用シートを示す斜視図である。 図1のシートクッションを構成するクッションパッドの後部を示す一部が断面の斜視図である。 図2のA部を拡大した断面図である。 本発明の第1実施形態に係るシートカバーを示す斜視図である。 シートカバーを構成する複数の分割体同士の結合部と温調器とを溝部内に配設した状態を示すシートクッションの断面図であり、図3に対応している。 本発明の第1実施形態に係る発熱体に用いる導電繊維のうち、外周側の表面が被覆されていない金属線を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る発熱体に用いる導電繊維のうち、芯鞘型繊維を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る発熱体に用いる導電繊維のうち、サイドバイサイド型繊維を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る発熱体に用いる導電繊維のうち、海島型繊維を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る発熱体に用いる導電繊維の1本を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る発熱体に用いる導電繊維のバンドルを示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るクッションパッドの溝部の断面図であり、図3に対応している。 本発明の第3実施形態に係るクッションパッドの溝部の断面図であり、図3に対応している。 本発明の実施例および比較例に用いた発熱体の配線図である。 本発明の比較例1に用いたヒートシータの平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態による車両用シートの構成について説明する。本実施形態に係る車両用シートは、乗用車のシートに適用される発熱体付きシートである。なお、本発明に係る発熱体付きシートは、乗用車のシートに限定されず、バス・トラック等の自動車、列車・汽車等の鉄道車両、建設車両、農業車両、産業車両などに用いられる車両用シート、および、オフィスシート等の椅子にも適用可能である。
図1に示すように、第1実施形態に係る車両用シート1(発熱体付きシート)は、乗用車に適用されるシートであって、シートクッション3(座部)と、シートバック5(背もたれ部)と、ヘッドレスト7と、から構成される。
シートクッション3は、フロアパネルに取り付けられており、上面となる着座面9がシートカバー11で覆われている。具体的には、シートクッション3は、図2に示すクッションパッド13で構成されており、クッションパッド13には、着座目的のクッション材が用いられる。前記クッションパッド13は、ウレタンフォーム、PEフォーム、PPフォーム等の熱硬化性発泡樹脂または熱可塑性発泡樹脂から形成されている。
図2,3に示すように、クッションパッド13の上面側には、溝部15が形成されている。この溝部15は、左右両側に一対に配設されて前後方向に沿って延在する前後方向溝部17と、これら一対の前後方向溝部17,17における後端同士を車幅方向WDに沿って繋ぐ車幅方向溝部19と、から構成される。即ち、本実施形態に係る溝部15は、平面視でU字状に形成され、前後方向溝部17と車幅方向溝部19とは連通している。また、溝部15の断面形状は、上下方向に延びる左右一対の縦壁面21,23と、これらの縦壁面21,23の下端同士を結ぶ底壁面25と、から縦長の矩形状(U字状)に形成されている。前記縦壁面21,23は、底壁面25からクッションパッド13の上面27にまで延在している。さらに、前後方向溝部17の下方には、前後方向に沿って直線状に延在する長尺状の固定具29がクッションパッド13に埋設されている。
図4に示すように、本実施形態に係るシートカバー11は、シートクッション3の車幅方向中央部に対応する部位に配置されるセンター部用布帛31(分割体)と、該センター部用布帛31の左右両側に配置されるサイド部用布帛33(分割体)と、から構成される。前記センター部用布帛31には、図4の破線で示すように、車幅方向WDに沿って延在する導電繊維35(発熱体)を車両前後方向に所定間隔をおいて複数配置する。即ち、センター部用布帛31を構成する糸に導電繊維35を用いる。この導電繊維35は、通電することによって発熱するため、シートクッション3の着座面9のセンター部が発熱するシートカバー11となる。そして、前記センター部用布帛31の端部とサイド部用布帛33の端部とを縫合によって結合して結合部37を形成し、図5に示すように、この結合部37を前後方向溝部17の内部に収容する。なお、縫合でなく、センター部用布帛31の端部とサイド部用布帛33の端部とを熱融着させることによって結合部を形成してもよい。この場合、センター部用布帛31の端部とサイド部用布帛33の端部とを熱軟化性樹脂等の融着材で結合させてもよい。
ここで、前述したように、前後方向溝部17の下方には、固定具29が埋設されているため、結合部37と固定具29とを金属製のリング39を介して締結する。これによって、前記結合部37を前後方向溝部17の内部に収容して保持することができる。
また、シートカバー11のセンター部用布帛31に設けられた導電繊維35は、図外の配線を介して、温調器であるサーモスタット41に接続されている。このサーモスタット41も、図5に示すように、前後方向溝部17の内部に収容されている。具体的には、サーモスタット41は、図2に示す前後方向溝部17の後端部17aに配置され、図5に示すように前後方向溝部17の縦壁面23と前記結合部37とで挟まれることによってサーモスタット41が保持されている。なお、温調器は、前記サーモスタット41に限定されず、サーミスタ、熱電対、ロガー、リレー等が適用可能である。なお、サーモスタット41を車幅方向溝部19の車幅方向中央部19aに配置してもよい。
次いで、シートカバー11の布帛を構成する繊維について説明する。
本実施形態に係る繊維としては、図10に示すように、溶融紡糸、湿式紡糸およびエレクトロスピニング等の方法で紡糸された繊維40や、フィルム切り出し等のスリットしたものが好ましい。繊維40の径寸法や幅寸法は、1本について数μm〜数百μm程度が好ましい。これは、織物や編物を形成する上で、織り易さ・編み易さ、織った後の織り布や編んだ後の編物としての柔らかさ、生地としての使い易さ等から前記寸法が好ましい。図11に示すように、これらの繊維40を数十本から数千本の束42(バンドル)にすることで、繊維40としての扱いも容易になる。このとき、撚りがかかることも構わない。
本実施形態に用いる導電繊維の導電成分としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、ケッチェンブラック、グラファイト等の炭素系材料や、金、銀、銅、錫、ニッケル、アルミニウムなどの導電性を有する金属粉、酸化錫、酸化亜鉛、ITO、ATO等の導電性金属酸化物の微粉末や、酸化チタンなどのセラミック微粉末に金属やITO、ATOなどの導電性金属酸化物をコーティングしたものや、アセチレン系、複素5員環系、フェニレン系、アニリン系等の導電性高分子等が挙げられる。これらの導電成分を合成繊維の中に混練し紡糸した導電繊維や、導電性高分子のみで繊維を構成することで導電性を持つ導電繊維が好ましい。
炭素系材料からなる繊維の例としては、カーボンからなる繊維体(トレカ(東レ株式会社製)、ドナカーボ(大阪ガスケミカル社製)等)のように一般に市販されているものの他、炭素繊維、炭素粉末等を混入し紡糸した繊維等を用いることも可能である。
一方、導電材として用いる粒子の例としては、カーボンブラック,ケッチェンブラックなどの炭素系粉末、炭素系繊維、鉄,アルミニウムなどの金属微粒子があり、さらに半導電性微粒子として酸化錫(SnO)や酸化亜鉛(ZnO)などが挙げられる。
これらの材料単体でできているもの、表面に蒸着、塗布等で被覆したもの、芯材として使用し表面を別の材料で被覆したもの等を用いることができる。
これらのうちで、市場での入手の容易性、比重等の観点から炭素繊維または炭素粉末からなる繊維が望ましい。
導電性の素材は単一の素材でも、複数の素材でもよい。
導電繊維に用いる導電性高分子のうち、特に導電性高分子のポリピロール、PEDTOT/PSS、ポリアニリン、PPVの少なくともいずれかを含んだ導電性高分子とすることが好ましい。
さらにこれらの中でも、繊維として得やすい材料としては、チオフェン系導電性高分子のポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)にポリ4−スチレンサルフォネート(PSS)をドープしたPEDOT/PSS(Bayer社、Clevios P(登録))や、フェニレン系のポリパラフェニレンビニレン(PPV)、ピロール系のポリピロールなどが挙げられる。
これらの材料は、導電性高分子の中でも、湿式紡糸やエレクトロスピニングという方法で容易に繊維化することが可能である。例えば、チオフェン系、ピロール系、アニリン系では、湿式紡糸による製造が可能で、例えば、PEDOT/PSSの水分散液(Bayer社Clevios PR)をアセトン中にシリンダーから押し出すことで、容易に導電性高分子繊維を得ることが出来る。
導電繊維以外の非導電繊維には、一般的な天然繊維や樹脂素材からなる合成繊維を用いる。
これらの一般的な樹脂素材には、ナイロン6,ナイロン66等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、共重合成分を含むポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリルや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルなどのポリビニル系樹脂等を単独あるいは混合して用いることが、コストや実用性の点から好ましい。
導電繊維としては、図6〜図9に示す種々の繊維が好ましい。これらの繊維の機能化を図る手段は、繊維自体を自然に捩れた形状にして風合いを変え、繊維の表面積を大きくして軽量化および断熱性保持を狙うことである。
図6は、側方の表面が被覆されていない金属線51であり、全体が同一の金属材料で形成されている。
図7は、芯鞘型繊維53である。この芯鞘型繊維53は、図7に示すように、径方向の中央部に配置され導電性を有する円柱状の芯部55と、芯部55における側面を被覆し、非導電性を有する鞘部57と、から一体に形成されている。断面積については、芯鞘型繊維53の全体の断面積に対して芯部55の断面積が20%〜50%程度であることが好ましい。この断面積にすることによって、繊維の強度や発熱性能のバランスが最も効率的になる。なお、芯部55は湿式紡糸や電界重合で作製され、この芯部55の側面に、鞘成分となる樹脂を塗布することが好ましい。また、鞘部57となる樹脂は、前述したナイロン6などの一般的な樹脂素材が好ましい。さらに、鞘部57を除去して芯部55を露出させる場合には、鞘部57の樹脂を薬品で熔解させる方法、熱で鞘部57を溶融させる方法、パンチやハサミで機械的に鞘部57を除去する方法が挙げられる。特に薬品や熱を用いる方法は、導電繊維を用いた導電性の布帛の表面を傷つける必要がなく、布帛の形状を保持したまま鞘部57を除去できるため、好適である。なお、芯鞘型繊維を用いたセンター部用布帛31の端部と、サイド部用布帛33の端部と、を結合させる場合、センター部用布帛31における芯鞘型繊維53の鞘部57を熱融解させてサイド部用布帛33の端部に結合させてもよい。
図8は、サイドバイサイド型繊維61である。これは、断面が半円状に形成された導電繊維部63と非導電繊維部65とを溶着させて得られる円柱状の繊維である。
図9は、海島型繊維71(多芯型繊維)である。これは、円柱状の非導電繊維部73の内部に、複数の導電繊維部75,77,79を埋設した繊維である。
以下に、第1実施形態による作用効果を説明する。
(1)第1実施形態に係る車両用シート1(発熱体付きシート)は、溝部15を有するクッションパッド13と、該クッションパッド13を覆うと共に、導電繊維35(発熱体)を有するシートカバー11と、前記導電繊維35を制御するサーモスタット41(温調器)と、を備えている。
前記シートカバー11は、センター部用布帛31(分割体)およびサイド部用布帛33(分割体)の端部同士を結合して結合部37が形成され、この結合部37および前記サーモスタット41を前記クッションパッド13の溝部15の内部に収容した。
本実施形態では、サーモスタット41がクッションパッド13の溝部15の内部に収容されている。従って、着座者が車両用シート1に着座したときに、尻などの身体の部位がサーモスタット41に当たりにくくなる。また、着座者が姿勢を変えて着座位置が変わった場合でも、身体の部位がサーモスタット41に当たりにくくなる。このため、着座時に着座者が感じる違和感が緩和され、座り心地が向上する。また、サーモスタット41が外部からの入力に対して直接的に力を受けにくいため、サーモスタット41に損傷等が生じにくい。
(2)前記サーモスタット41(温調器)を、車両用シート1(シート)を構成するシートクッション3(座部)の後部に配置した。
シートクッション3における後部は、着座時に尻などの身体の部位が当たりにくい部位である。即ち、シートクッション3における後端部は、着座者の荷重が大きくかかる前後方向の中央部から離れた部位に位置している。従って、シートクッション3に想定以上の大きな荷重がかかった場合でも、着座時に着座者が感じる違和感をさらに緩和することができる。なお、シートクッション3における後端部のうち、特に左右の端部の溝部内にサーモスタット41を配置することが更に好ましい。
(3)前記シートカバー11の発熱体は、通電によって発熱する導電繊維35であり、この導電繊維を用いた布帛でシートカバー11を構成した。
このように、発熱体に導電繊維を用いるため、車両用シート1の発熱速度が大きくなって、即暖性に優れた車両用シート1を得ることができる。
(4)前記導電繊維35は、芯鞘型繊維53である。
この芯鞘型繊維53は、芯部55の外周側を鞘部57で被覆しているため、漏電等を効果的に防止することができる。
[第2実施形態]
次いで、本発明の第2実施形態に係るクッションパッドについて説明する。ただし、第1実施形態と同一構成の部位には、同一符号を付けて説明を省略する。
図12に示すように、第2実施形態に係るクッションパッド81には、いわゆる逆テーパ断面の溝部83が形成されている。この溝部83は、断面形状が台形状に形成されている。
具体的には、クッションパッド81における車幅方向中央側(CL側)の縦壁面85と、車幅方向外側(OTR側)の縦壁面87と、これら一対の縦壁面85,87の下端同士を結ぶ底壁面89と、から前記溝部83が画成されている。車幅方向中央側の縦壁面85は、上下方向に沿って延在しており、車幅方向外側の縦壁面87は、上方(クッションパッド81の上面91)に行くに従って車幅方向中央側に向かうように傾斜している。なお、底壁面89の下方には、固定具29がクッションパッド81に埋設されている。このように、本実施形態では、溝部83の車幅方向WDに沿った幅寸法は、上端部が下端部よりも狭くなって、溝部83の断面形状は上方に向かうにつれて先細りになる形状に形成されている。
以下に、第2実施形態による作用効果を説明する。
(1)前記クッションパッド81の溝部83は、表面側の幅寸法が奥側の幅寸法よりも小さく設定されている。従って、サーモスタット41(温調器)に対して衝撃等がかかった場合に、サーモスタット41が溝部83から抜け出しにくくなる効果がある。
[第3実施形態]
次いで、本発明の第3実施形態に係るクッションパッドについて説明する。ただし、第1および第2実施形態と同一構成の部位には、同一符号を付けて説明を省略する。
図13に示すように、第3実施形態においては、溝部101の上端部の幅寸法は下端部の幅寸法よりも小さく形成されている。
具体的には、溝部101は、クッションパッド103における車幅方向中央側(CL側)の縦壁面105と、車幅方向外側(OTR側)の縦壁面107と、これら一対の縦壁面105,107の下端同士を結ぶ底壁面109と、から画成されている。車幅方向中央側の縦壁面105は、上下方向に沿ってクッションパッド103の上面111まで延在している。また、車幅方向外側の縦壁面107は、上部に配置された上側縦壁面113と下部に配置された下側縦壁面115とに分かれており、それぞれ上下方向に沿って延在している。しかし、上側縦壁面113の方が下側縦壁面115よりも車幅方向中央側にオフセットして配置されており、上側縦壁面113と下側縦壁面115との境目部分に段差部114が形成されている。このように、溝部101の上部の幅寸法は、下部の幅寸法よりも小さく形成されている。ただし、第2実施形態のように車幅方向外側の縦壁面107が傾斜しておらず、溝部101の上部における幅寸法は一定で、下部の幅寸法も一定である。
以下に、第3実施形態による作用効果を説明する。
(1)前記クッションパッド103の溝部101は、表面側の幅寸法が奥側の幅寸法よりも小さく設定されている。従って、サーモスタット41(温調器)に対して衝撃等がかかった場合に、サーモスタット41が溝部101から抜け出しにくくなる効果がある。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[実施例1]
まず、実施例1に係る発熱性の布帛の形成に用いられる導電繊維を、次に示す湿式紡糸法で作成した。湿式紡糸法において、溶媒相にアセトン(和光化学株式会社製:019−00353)を用いた。そして、一度濾過した導電性高分子PEDOT/PSSの水分散液(H.C.スタルク株式会社製:Clevios(登録商標) P)とポリビニルアルコール(PVA)(関東化学株式会社製)の7wt%水溶液とを混合し、紡糸原液とした。この紡糸原液を2μL/min.の速度でマイクロシリンジから溶媒相に押し出すことで、直径約10μmの導電繊維を得た。なお、マイクロシリンジとしては、針部の内径が260μmの、伊藤製作所製MS−GLL100を使用した。
得られた導電繊維の導電率をJIS K7194(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)に準拠して測定した。得られた抵抗率(Ω・cm)は、約10−1Ω・cmであった。この導電繊維を20本束ねてバンドル化した。この導電繊維を実施例1における芯鞘型繊維の芯部とした。
次に、実施例1における芯鞘型繊維の鞘部成分として、ポリ酢酸ビニル(PVAc)(純正化学株式会社製)をシクロヘキサノン(純正化学株式会社製)に溶解した17wt%溶液を準備した。この溶液を前記芯部に塗布し、断面積比が1:1の芯鞘型繊維を得た。
この芯鞘型繊維を横糸に用い、縦糸にはポリエステル繊維(中央繊維資材株式会社製:グンゼポリーナ)を用いて、平織物を得た。
まず、この平織物から60cm角を切り出して正方形状の布帛を得た。この布帛の左右両端の端縁からそれぞれ4cmずつの部位について、前記シクロヘキサノンを用いて鞘部を溶出させ、露出部分とした。即ち、正方形状の布帛の左右両端部において、端縁から4cmの露出部分を左右一対に形成した。
次いで、この幅4cmの露出部分のうち端縁から2cmの部位に、導通体である幅2cmの銅テープ(寺岡製作所製)を貼った。そして、この銅テープが貼着された端部を内側に折り込むことによって、銅テープを布帛の端部で挟み込んだ。これによって、縦寸法が60cmで横寸法が56cmの実施例1に係る導電性布帛を得た。
前記銅テープを、電圧印加手段である直流安定化電源(株式会社A&D製)に電気的に接続した。そして、直流安定化電源から銅テープに対して、電圧12Vを印加したところ、導電性布帛の抵抗値が5Ωとなった。
実施例1の前記導電性布帛を、リーフ(日産自動車株式会社製)の車両用シートのシートクッションにおけるシートカバーのセンター部用布帛に採用した。具体的には、前記導電性布帛のうち、左右両端部の3cmずつを縫い継ぎ代に設定し、サイド部用布帛の端部に縫い合わせることによって、シートカバーを作成した。
次に、温調器であるサーモスタット41(RSコンポーネンツ製)と発熱体である芯鞘型繊維53とを、図14の配線図に従って接続した。なお、配線中には、電源121とスイッチ123を設けた。そして、前記サーモスタットを図5のように、シートクッションのクッションパッドの溝部内に配設した。具体的には、シートクッションの前後方向に沿って前後方向溝部を形成し、該前後方向溝部の前後方向の中央部に前記サーモスタットを配置した。こののち、前記シートカバーをクッションパッドに被せたのち、シートカバーの端部をクッションパッドの裏面側に固定した。そして、シートカバーにおけるセンター部用布帛とサイド部用布帛との縫合部(結合部37)を、図5のようにクッションパッドの前後方向溝部内に配置すると共に、クッションパッドに埋設されたワイヤに金属製リングを介して固定した。この際、サーモスタットに熱を伝えるための新たな発熱部を設ける必要はなかった。
この状態で、シートカバーのセンター部用布帛に、電圧12Vを印加して5分経過したとき、センター部用布帛の表面温度は40℃となったため、実施例1の車両用シートは発熱体付きシートとして機能することが確認できた。
環境実験室内で気温を0℃とし、2時間のソークを行った。乗員が着座した30秒後に、電圧12Vを印加し、表面温度をモニターした。その結果、目標温度とする35℃に3.0分で到達した。
[実施例2]
まず、実施例1と同様の平織物を準備した。そして、この平織物から54cm角を切り出して正方形状の布帛を得た。この布帛の左右両端の端縁からそれぞれ4cmずつの部位について、前記シクロヘキサノンを用いて鞘部を溶出させ、露出部分とした。即ち、正方形状の布帛の左右両端部において、端縁から4cmの露出部分を左右一対に形成した。
次いで、この幅4cmの露出部分のうち端縁から2cmの部位に、導通体である幅2cmの銅テープ(寺岡製作所製)を貼った。そして、この銅テープが貼着された端部を内側に折り込むことによって、銅テープを布帛の端部で挟み込んだ。これによって、縦寸法が54cmで横寸法が50cmの実施例2に係る導電性布帛(センター部用布帛)を得た。そして、前記導電性布帛のうち、左右両端部の2cmずつを縫い継ぎ代に設定し、サイド部用布帛の端部に縫い合わせることによって、シートカバーを作成した。
これ以外は、前記実施例1と同様にして、実施例2に係るシートカバーおよび車両用シートを作成した。
[実施例3]
実施例2と同様のシートカバーを準備した。ここで、センター部用布帛とサイド部用布帛との縫合部にサーモスタットも併せて縫合した。そして、この縫合部(結合部)を、実施例1,2と同様に、シートクッションにおいて前後方向に延びる前後方向溝部の前後方向の中央部に収容した。
これ以外は、前記実施例2と同様にして、実施例3に係るシートカバーおよび車両用シートを作成した。
[実施例4]
実施例1と同様のシートカバーを準備した。図2に示したように、シートクッションのクッションパッドに形成した前後方向に延びる前後方向溝部における後端部17aにサーモスタットを収容した。これ以外は、前記実施例2と同様にして、実施例4に係るシートカバーおよび車両用シートを作成した。
[実施例5]
実施例1と同様のシートカバーを準備した。ここで、クッションパッドの溝部の断面形状を、図12に示したように表面側の幅寸法が奥側の幅寸法よりも小さい台形状の逆テーパにした。これ以外は、前記実施例2と同様にして、実施例4に係るシートカバーおよび車両用シートを作成した。
[実施例6]
導電繊維として、銀をコーティングした銀コーティング繊維(紹興運佳紡織品社製)を横糸に用いて平織物を形成した。これをシートカバーのセンター部用布帛に用いた以外は実施例2と同様にして、実施例6に係るシートカバーおよび車両用シートを作成した。
[実施例7]
まず、実施例2で用いた54cm角の正方形状の布帛を準備し、左右両端部の幅4cmの露出部分のうち端縁から2cmの部位に、導通体である幅2cmの銅テープ(寺岡製作所製)を貼った。この導電性布帛を、シートクッションにおけるシートカバーのセンター部用布帛に採用した。このセンター部用布帛における左右両端部の幅4cmの露出部分を結合部とした。即ち、センター部用布帛における左右両端部の幅4cmの露出部分とサイド部用布帛の端部とを、180℃のアイロンで熱溶着させて結合した。
これ以外は、前記実施例2と同様にして、実施例7に係るシートカバーおよび車両用シートを作成した。
[実施例8]
まず、実施例2で用いた54cm角の正方形状の布帛を準備し、次に、この正方形状の布帛の向きを90°回転させた。即ち、ポリエステル繊維を横糸に用い、縦糸には芯鞘型繊維を用いた。この布帛をシートクッッションのセンター部用布帛に採用し、非導電繊維からなるサイド部用布帛に縫合してシートカバーを作成した。また、サーモスタットを、クッションパッドの後端部に形成した車幅方向に延びる車幅方向溝部の車幅方向中央部19aに収容した。これ以外は、前記実施例2と同様にして、実施例8に係るシートカバーおよび車両用シートを作成した。
[実施例9]
実施例9では、発熱体として外周側の表面が露出した金属線を用いた。具体的には、横糸として金属線(銅線、古河電工製ポリエステル線)を1cmごとに1本の間隔で配置した布帛を導電性布帛とした。この導電性布帛をシートカバーのセンター部用布帛に採用した。これ以外は、前記実施例2と同様にして、実施例9に係るシートカバーおよび車両用シートを作成した。
[比較例1]
図15に示すように、比較例1として、不織布201の表面に金属線203を配索した従来のヒートシータ205(日産自動車製のエクストレイル用)を採用した。このヒートシータ205における後端部まで前記金属線203の端部207を延設し、この金属線203の端部207をサーモスタット用発熱部209とした。このサーモスタット用発熱部209の面積は10cmとした。即ち、比較例1では、実施例1〜9のように、溝部内にサーモスタットを収容しておらず、シートクッションの上にサーモスタットを配置した。また、シートカバーにおけるセンター部用布帛とサイド部用布帛との縫合部(結合部)も、シートクッッションの上に配置した。なお、温調器であるサーモスタットと発熱体である金属線203とを、図14の配線図に従って接続した。
[評価結果]
以上の評価結果を下記の表1にまとめた。
Figure 2015030439
表1において、実施例1〜6および8〜9、並びに、比較例1においては、シートカバーのセンター部用布帛の端部とサイド部用布帛の端部とを結合する際には、縫い継ぎ材料として繊維を用い、この繊維を用いて端部同士を縫合した。一方、実施例7では、前述したように、センター部用布帛の端部とサイド部用布帛の端部とを熱で溶着させて結合させた。
サーモスタット用発熱部209については、実施例1〜9は不要だった。これは、前述したように、実施例1〜9においては、サーモスタットを溝部内に収容したためである。一方、比較例1では、サーモスタットをシートクッションの上に載置したため、シートクッション上にサーモスタット用発熱部209を設ける必要があった。
また、サーモスタット位置の安定性とは、乗員がシートに着座したときや姿勢を変えたときに、サーモスタットの位置ズレの起こりやすさを意味する。実施例1〜9では、溝部内にサーモスタットを収容したため、サーモスタットが溝部から飛び出しにくかった。なお、実施例5では、溝部の断面形状を逆テーパにしたため、サーモスタットが特に溝部から飛び出しにくかった。一方、比較例1では、サーモスタットをシートクッションの上に載置したため、サーモスタットの位置ズレが起こりやすい結果となった。
以上のように、実施例1〜9に係るシートカバーおよび車両用シートの方が、比較例1に係るものよりも、サーモスタット用発熱部209が不要であると共に、サーモスタットの位置ズレが起こりにくいため、有利であることが実証された。
以上、本発明を実施例及び比較例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。すなわち、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、前述した第1〜第3実施形態では、車両用シート1(発熱体付きシート)を構成するシートクッション3の溝部15の内部に、温調器であるサーモスタット41を収容した。
しかし、車両用シート1を構成するシートバック5(背もたれ部)の表面側に溝部を形成し、該溝部の内部にサーモスタット41を収容してもよい。この場合、サーモスタット41は、シートバック5の下部に配置することが好ましい。
シートバック5における下部は、着座時に腰などの身体の部位が当たりにくい部位である。即ち、シートバック5における下部は、着座者の荷重が大きくかかる上下方向の中央部から離れた部位に位置している。従って、シートバック5に想定以上の大きな荷重がかかった場合でも、着座時に着座者が感じる違和感をさらに緩和することができる。なお、シートバック5における下部のうち、特に左右の端部の溝部内にサーモスタット41を配置することが更に好ましい。
1 車両用シート(発熱体付きシート)
3 シートクッション(座部)
5 シートバック(背もたれ部)
11 シートカバー
13 クッションパッド
15 溝部
17 前後方向溝部(溝部)
17a 後端部
19 車幅方向溝部(溝部)
31 センター部用布帛(分割体)
33 サイド部用布帛(分割体)
35 導電繊維(発熱体)
37 結合部
41 サーモスタット(温調器)
53 芯鞘型繊維

Claims (6)

  1. 溝部を有するクッションパッドと、該クッションパッドを覆うと共に、発熱体を有するシートカバーと、前記発熱体を制御する温調器と、を備えた発熱体付きシートであって、
    前記シートカバーは、複数の分割体の端部同士を結合して結合部が形成され、この結合部および前記温調器を前記クッションパッドの溝部の内部に収容したことを特徴とする発熱体付きシート。
  2. 前記温調器を、シートを構成する座部の後部に配置したことを特徴とする請求項1に記載の発熱体付きシート。
  3. 前記温調器を、シートを構成する背もたれ部における下部に配置したことを特徴とする請求項1に記載の発熱体付きシート。
  4. 前記クッションパッドの溝部は、表面側の幅寸法が奥側の幅寸法よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発熱体付きシート。
  5. 前記シートカバーの発熱体は、通電によって発熱する導電繊維であり、この導電繊維を用いた布帛でシートカバーを構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発熱体付きシート。
  6. 前記導電繊維は、芯鞘型繊維であることを特徴とする請求項5に記載の発熱体付きシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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