JP2019151005A - 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロストークを抑制しつつ、液体供給性を向上する。【解決手段】複数の個別液室6に各々通じる複数の供給口9と、複数の供給口9に各々通じる複数の供給流路51とを有し、供給流路51は、共通液室10に臨む上流側流路部である拡幅部52と、拡幅部52に連通し、供給口9に臨む下流側流路部である供給管部53とで構成し、拡幅部52は、供給管部51bよりも開口断面積を広くする拡幅部分52aを有し、ノズル配列方向で隣り合う供給流路51A,51Bの拡幅部52の拡幅部分52aは、ノズル配列方向と直交する方向において、供給口9に対して互いに反対側の位置にある。【選択図】図7
Description
本発明は液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置に関する。
液体吐出ヘッドとして、液体を吐出する複数のノズルに各々連通する複数の個別液室(圧力室、圧力発生室とも称される。)に対して共通液室(共通流路)から液体を供給するとき、複数の個別液室に各々対応する個別供給流路を介して供給する構成のものがある。
従来、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室を有する個別流路が設けられた流路形成基板と、流路形成基板の圧力発生素子側の面に接合され保護基板とを具備し、保護基板上の他方面側に形成されたリザーバと、保護基板の圧力発生室の長手方向の一端部側に設けられてリザーバと個別流路とを連通する貫通孔とを備えるものが知られている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に開示の構成にあっては、個別供給流路となる貫通孔は、流路断面が狭く、且つ、長い流路であるため、流体抵抗分が大きくなるため、液体供給性が低くなるという課題がある。
この場合、貫通孔の幅を広くすることはヘッドサイズの大型化につながり、貫通孔の隔壁を狭くすることは相互干渉に増加につながるという課題を生じる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、相互干渉を抑制しつつ、液体供給性を向上することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液体を吐出する複数のノズルと、
前記複数のノズルに各々通じる複数の個別液室と、
前記複数の個別液室に各々通じる複数の供給口と、
前記複数の供給口に各々通じる複数の供給流路と、
前記複数の供給流路に通じる共通流路と、を有し、
前記複数の供給流路は、前記共通流路側に前記供給口側よりも開口断面積が広い拡幅部を有し、
ノズル配列方向で隣り合う前記供給流路の前記拡幅部の拡幅部分は、ノズル配列方向と直交する方向において、前記供給口に対して互いに反対側の位置にある
構成とした。
液体を吐出する複数のノズルと、
前記複数のノズルに各々通じる複数の個別液室と、
前記複数の個別液室に各々通じる複数の供給口と、
前記複数の供給口に各々通じる複数の供給流路と、
前記複数の供給流路に通じる共通流路と、を有し、
前記複数の供給流路は、前記共通流路側に前記供給口側よりも開口断面積が広い拡幅部を有し、
ノズル配列方向で隣り合う前記供給流路の前記拡幅部の拡幅部分は、ノズル配列方向と直交する方向において、前記供給口に対して互いに反対側の位置にある
構成とした。
本発明によれば、相互干渉を抑制しつつ、液体供給性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について図1ないし図6を参照して説明する。図1は同実施形態に係る液体吐出ヘッドの図6のA−A線に相当するノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図2は図1の要部断面説明図、図3は同じく図2のC−C線に相当するノズル配列方向に沿う要部断面説明図である。図4は同じく供給流路基板の図6のB−B線に相当するノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図5は同じく図6のD−D線に相当するノズル配列方向に沿う断面説明図、図6は同じく流路構成の説明に供する平面説明図である。
この液体吐出ヘッド100は、ノズル板1と、流路板2と、振動板部材3と、供給流路基板50と、共通流路部材70と、ダンパ部材80、ベース部材90などを備えている。
本実施形態では、流路板2、振動板部材3及び圧電素子11で流路基板(アクチュエータ基板)20を構成していている。ただし、流路基板20として独立の部材が形成された後にノズル板1や供給流路基板50と接合されることまで意味するものではない。
ノズル板1には、液体を吐出する複数のノズル4が形成されている。
流路板2は、複数のノズル4に各々通じる複数の個別液室6と、各個別液室6に通じる複数の流体抵抗部7と、各流体抵抗部7が通じる複数の液導入部8を形成している。
振動板部材3には、液導入部8及び流体抵抗部7を複数の個別液室6に各々通じる複数の供給口9を形成している。
また、振動板部材3は、個別液室6の壁面の一部をなす変形可能な振動領域30を形成している。そして、この振動板3の振動領域30の個別液室6と反対側の面には、振動領域30と一体的に圧電素子11が設けられ、振動領域30と圧電素子11によって圧電アクチュエータを構成している。
圧電素子11は、振動領域30側から下部電極13、電気機械変換膜としての圧電膜(圧電層、圧電体)12及び上部電極14を順次積層形成して構成している。この圧電素子11上には絶縁膜21が形成されている。
圧電素子11の下部電極13は共通配線15を介して引き出されて配線17に接続されている。上部電極14は個別配線16を介して引き出されて接続パッド18に接続され、駆動IC(ドライバIC)に接続される。
流路基板20上には供給流路基板50を接合している。供給流路基板50には、複数の供給口9に各々通じる複数の供給流路51を形成している。また、供給流路基板50は、圧電素子11を収容する凹部57及び駆動IC(ドライバIC)が配置される開口部58などを有している。また、供給流路基板50は、ノズル配列方向において、凹部57、57間で個別液室6、6間の隔壁6aに対応して接合した支柱部57aを形成している。
共通流路部材70は、複数の供給流路51に連通する共通流路10を構成する。ここでは、共通流路部材70は、複数枚の板状部材が積層して構成されているが、これに限るものではなく、1又は複数の部材で形成することができる。
この共通流路部材70には、共通流路10の一部の変形可能な壁面を形成するダンパ部材80が接合されている。ダンパ部材80は、共通流路10の壁面を形成しているダンパ81と、共通流路10と反対側にダンパ室82を形成するダンパ室形成部材83とで構成されている。このダンパ室形成部材83にはベース部材90が接合されている。
この液体吐出ヘッド100においては、圧電素子11の上部電極14と下部電極13の間に電圧を与えて圧電素子11に撓み変形を生じさせることで、個別液室6内の液体を加圧してノズル4から液体を吐出させる。
次に、本発明の第1実施形態における供給流路の構成について図7ないし図9も参照して説明する。図7は同液体吐出ヘッドの供給流路部分の平面説明図、図8は同供給流路部分の斜視説明図、図9は同じく1つの供給流路の斜視説明図である。
供給流路基板50には、複数の供給口9にそれぞれ通じる複数の供給流路51(51A,51B)が形成されている。ノズル配列方向(供給口9の配列方向でもある。)で隣り合う一方の供給流路51を「供給流路51A」とし、他方の供給流路51を「供給流路51B」とする。
供給流路51は、共通流路10に臨む上流側流路部である拡幅部52と、拡幅部52に連通し、供給口9に臨む下流側流路部である供給管部53とで構成している。ここで、拡幅部52は、供給管部53よりも開口断面積(液体の流れ方向と直交する方向の断面積)を広くする拡幅部分52aを有している。つまり、供給流路51は、共通流路10側に、供給口9側よりも開口断面積が広い拡幅部52を有している。
なお、拡幅部分52aは供給管部53の開口断面積よりも開口断面積を広くしている部分であり、拡幅部52は供給管部53と同じ開口断面積の部分と拡幅部分52aとを合わせた部分である。
ここでは、供給流路51の拡幅部52の拡幅部分52aは、供給管部53と同じノズル配列方向の幅(以下、単に「幅」という。)W2よりも広い幅W1の部分を有する。
そして、ノズル配列方向で隣り合う供給流路51Aの拡幅部52の拡幅部分52aと供給流路51Bの拡幅部52の拡幅部分52aとは、ノズル配列方向と直交する方向において、供給口9に対して互いに反対側(逆側)に配置されている。
このとき、ノズル配列方向で隣り合う供給流路51Aと供給流路51Bの各供給管部53は、ノズル配列方向と直交する方向において、重複領域56で重複し、拡幅部52の拡幅部分52aは、重複領域56の外側に配置されている。
これにより、拡幅部52の拡幅部分52aの幅W1は個別液室6の幅W0よりも広くすることができる。また、液室全体を千鳥配置する場合に比べて、ノズル配列方向と直交する方向のヘッドサイズを小型化することができる。
また、供給流路51A、51Bの供給管部53、53間の隔壁50aは、図5に示すように、流路板2の流路隔壁62と対向している。
これにより、液体吐出駆動を行ったときの隣接相互干渉、流路基板20全体のたわみ変形による相互干渉を抑制することができる。
また、個別液室6への供給流路51を、各個別液室6毎に供給流路51A又は供給流路51Bに独立させて配置することで、供給流路基板50の剛性も高くなり、ヘッド全体の振動を抑制することができる。
また、供給流路51A、52の拡幅部52の拡幅部分52aを千鳥配置とすることで、図7に示すように、供給流路51Aの中立軸P1と供給流路51Bの中立軸P2の距離L1は、拡幅部52がなく、供給管部53だけの場合に比べて長くなり、液体の流れに起因した液体経由の圧力干渉を小さくできる。
また、供給流路51A、52の拡幅部52の拡幅部分52aを千鳥配置とすることで、供給流路51A、51B間を隔てる隔壁50aのノズル配列方向と直交する方向の長さが短くなり、隔壁50aを振動させて生じる隣接干渉も小さくできる。
このようにして、ノズル列内で、ヘッド(ノズル板1、流路基板20、供給流路基板50)の振動を起因とする吐出速度の変動、及び、隣接相互干渉を抑制して、個別化した供給流路の流体抵抗値及びインダクタンスを小さくすることができ、液体供給性が向上し、高周波駆動による生産性の向上も図れる。
また、供給口9に対して、供給流路51Aと供給流路51Bを対称形状(供給口9の中心軸に対しての回転対称でもあり、供給口9の列に対しての面対称:鏡像でもある。)としている。
これにより、ノズル4から共通流路10までの流路のパラメータは、供給流路51Aの流路と供給流路51Bの流路のいずれでもほぼ同じになるので、各ノズル4の吐出特性の均一化を図ることができる。
また、供給流路51Aの中立軸P1と供給流路51Bの中立軸P2の距離L1は、同じ列内のノズル4、4間の距離以上に長くすることが好ましい。
つまり、振動板部材3の振動領域30の変形による個別液室6の体積変化(圧力変化)で、液体が共通流路10から引き込まれるとき(押し出されるときも同じ)、供給流路51及び供給流路51Bの壁面での流速はゼロになるので、開口部の全壁面から遠い位置にある点が流速の速い速度分布を形成する。
流速が速いということは、その点がもっとも液体を引き込むことになる。この流速が速くなる点は、供給流路51及び供給流路51Bの各断面形状の中立軸P1、P2とほぼ同一とみなすことができる。
ここで、供給流路51Aの中立軸P1と供給流路51Bの中立軸P2の距離L1が短いと、周辺の液体の取り合いになり、液体経由での圧力干渉が大きくなることを意味する。供給流路51Aの中立軸P1と供給流路51Bの中立軸P2の距離L1を長くすることで、隣り合う供給流路からの液体を引き込みよりも、共通流路10の液体を引き込み易くなるので、液体経由の隣接圧力干渉を十分小さくすることができる。
これに対し、本実施形態のように供給流路51と供給流路51Bを千鳥配置にしないで、一列に並べた場合には、中心軸P1,P2の距離L1は個別液室6の配列ピッチとなるので、高集積のヘッドにおいては液体経由の圧力干渉が大きくなる。
また、供給口9毎に供給流路を設けないスリット形状とした場合には、なおさら、液体経由の圧力干渉が大きくなる。
次に、本発明の第2実施形態について図10を参照して説明する。図10は同実施形態に係る液体吐出ヘッドの供給流路部分の平面説明図である。
本実施形態では、供給流路51A及び供給流路51Bの拡幅部分52aは、供給口9に対してノズル配列方向で同じ側に配置している。このとき、供給流路51と供給流路51Bは、供給口9の列に対して面対称(鏡像)になっている。
このような対称形状でも、ノズル4から共通流路10までの流路のパラメータは、供給流路51Aの流路と供給流路51Bの流路のいずれでもほぼ同じになるので、各ノズル4の吐出特性の均一化を図ることができる。
また、供給口9は千鳥に配置せずに、供給口9を一列に配置して、供給流路51Aと供給流路51Bを千鳥に配置しているので、ヘッドサイズの大型化を抑制できる。
また、供給流路51Aの供給管部53と供給流路51Bの供給管部53との重複領域56以外の部分に拡幅部52の拡幅部分52aを設けている。これにより、隣接の相互干渉が小さく、かつ、供給流路51の流体抵抗値を下げて、液体供給不足による吐出量の制約を下げて、印刷の生産性を確保することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図11を参照して説明する。図11は同実施形態に係る液体吐出ヘッドの供給流路部分の平面説明図である。
本実施形態では、供給流路51Aの拡幅部52の拡幅部分52aは、供給口9に対してノズル配列方向において一方の方向を向けて配置し、供給流路51Bの拡幅部52の拡幅部分52aは供給口9に対してノズル配列方向において他方の方向を向けて配置している。このとき、供給流路51と供給流路51Bは、供給口9に対して軸対称になっている。
このような対称形状でも、ノズル4から共通流路10までの流路のパラメータは、供給流路51Aの流路と供給流路51Bの流路のいずれでもほぼ同じになるので、各ノズル4の吐出特性の均一化を図ることができる。
また、供給口9は千鳥に配置せずに、供給口9を一列に配置して、供給流路51Aと供給流路51Bを千鳥に配置しているので、ヘッドサイズの大型化を抑制できる。
また、供給流路51Aの供給管部53と供給流路51Bの供給管部53との重複領域56以外の部分に拡幅部52の拡幅部分52aを設けている。これにより、隣接の相互干渉が小さく、かつ、供給流路51の流体抵抗値を下げて、液体供給不足による吐出量の制約を下げて、印刷の生産性を確保することができる。
また、第2実施形態に比べて、供給口9の列方向に、供給流路51Aの拡幅部52の拡幅部分52aがはみ出していないので、ノズル配列方向(供給口9の列方向)のチップサイズを小さくできる。
次に、本発明の第4実施形態について図12ないし図14を参照して説明する。図12は同液体吐出ヘッドの流路構成の説明に供する要部平面説明図、図13は同じく供給流路部分の平面説明図、図14は同じく供給流路の斜視説明図である。
本実施形態では、供給流路51A及び供給流路51Bは、平面視において、ほぼ菱型(平行四辺形)形状としている。このとき、供給流路51A、51Bの平面形状は、重複している領域56において、供給口9に向かってノズル配列方向の幅が狭くなる形状となる。
ここで、隣り合う供給流路51Aと供給流路51Bとは、ノズル配列方向と直交する方向において、供給流路51A及び供給流路51Bの半分未満の範囲でオーバーラップさせている。供給流路51A及び供給流路51Bは、供給管部53を重複させており、重複領域56では幅W3としている。
そして、供給流路51のオーバーラップしていない部分に拡幅部52の拡幅部分52aの最も幅が広い部分52c(幅W1の部分)を配置している。
これにより、供給流路51の拡幅部52の断面積を広くして、流体抵抗値を下げやすくなる。つまり、同じ断面積でも、細長い長方形と、正方形では、正方形の方が流体抵抗値は小さくなる。
供給流路51の断面形状(平面形状)を略菱形状にすることで、角部が少なく、加工性が向上する。また、前記各実施形態に比べて、機械的剛性が強くなり、ヘッドの構造振動を抑える効果が高くなる。
さらに、供給流路51Aと供給流路51Bの隔壁50aの長さL2は、供給流路51A及び供給流路51Bの最大幅W1よりも小さく、液体供給を確保しつつ、隔壁50aを経由した隣接相互干渉を小さくすることができる。
また、本実施形態でも、ズル4から共通流路10までの流路のパラメータは、供給流路51Aの流路と供給流路51Bの流路のいずれでもほぼ同じになるので、各ノズル4の吐出特性の均一化を図ることができる。
次に、本発明の第5実施形態について図15を参照して説明する。図15は同実施形態に係る液体吐出ヘッドの流路構成の説明に供する要部平面説明図である。
本実施形態では、前記第4実施形態の菱形形状に対して、供給流路51A及び供給流路51Bの拡幅部52の拡幅部分52aの最も幅の広い部分52cの長さ(ノズル配列方向と直交する方向の長さ)を長くしている。ここでも、供給流路51A、51Bの平面形状は、重複している領域56において、供給口9に向かってノズル配列方向の幅が狭くなる形状としている。
これにより、供給流路51A及び供給流路51Bの中立軸P1,P2を前記第6実施形態の菱形形状よりも供給口9から離れる側にシフトさせることができる。
したがって、供給流路51Aの中立軸P1と供給流路51Bの中立軸P2との距離L1が長くなり、液体経由の隣接圧力干渉を小さくすることができる。
また、本実施形態の供給流路形状は、供給流路基板50の剛性としても強い形状となる。
また、供給流路51A及び供給流路51Bの流体抵抗値、インダクタンスも小さくなり、個別液室6に液体が引き込まれるとき(あるいは押し出されるとき)に発生する圧力振動自体も小さくなる。
次に、本発明の第6実施形態について図16を参照して説明する。図16は同実施形態に係る液体吐出ヘッドの流路構成の説明に供する要部平面説明図である。
本実施形態でも、前記第5実施形態と同様に、供給流路51A及び供給流路51Bの拡幅部52の供給口9から離れた側の最も幅の広い部分52cの長さを長くしている。ここでも、供給流路51A、51Bの平面形状は、重複している領域56において、供給口9に向かってノズル配列方向の幅が狭くなる形状としている。
これにより、前記第5実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明の第7実施形態について図17及び図18を参照して説明する。図17は同実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。図18は同ヘッドの供給流路基板の製造工程の説明図である。
本実施形態では、供給流路基板50の供給流路51Bと圧電素子11を収容する凹部57が平面上重ならないように配置している。すなわち、供給流路51Bと凹部57との間に距離ΔLの間隔を置いて配置している。
これにより、凹部57及び供給流路51と供給流路51Bを有する供給流路基板50の作製を容易にしている。
つまり、図18(a)に示すように、供給流路基板50となるシリコン基板200を使用して、供給流路51A及び供給流路51Bの各供給管部53、凹部57、開口部58となる部分251、257、258に例えばICPドライエッチングで溝を形成する。
これにより、図18(b)に示すように、シリコン基板200には、供給流路51A及び供給流路51Bの各供給管部53、凹部57、開口部58の一部58Aが形成される。そこで、上記の溝加工を行った面とは反対側の面から、供給流路51A及び供給流路51Bの拡幅部52となる部分、開口部58となる部分を例えばICPドライエッチングで除去する。
これにより、図18(c)に示すように、簡単なプロセスで供給流路基板50を製作でき、供給流路51A,供給流路51Bの千鳥配置を容易に実現することができる。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図19及び図20を参照して説明する。図19は同装置の要部平面説明図、図20は同装置の要部側面説明図である。
この装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド404及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給機構494により、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452等で構成される。液体カートリッジ450はカートリッジホルダ451に着脱可能に装着される。ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって、液体カートリッジ450から液体が送液される。
この装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成
する。
する。
このように、この装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの他の例について図21を参照して説明する。図21は同ユニットの要部平面説明図である。
この液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404で構成されている。
なお、この液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、及び供給機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの更に他の例について図22を参照して説明する。図22は同ユニットの正面説明図である。
この液体吐出ユニットは、流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド404と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。
なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド404と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
「液体吐出ユニット」は、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体が含まれる。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
1 ノズル板
2 流路板
3 振動板部材
4 ノズル
10 共通流路
20 流路基板
50 供給流路基板
51、51A,51B 供給流路
52 拡幅部(上流側流路部)
52 供給管部(下流側流路部)
51 開口部
70 共通流路部材
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
440 液体吐出ユニット
2 流路板
3 振動板部材
4 ノズル
10 共通流路
20 流路基板
50 供給流路基板
51、51A,51B 供給流路
52 拡幅部(上流側流路部)
52 供給管部(下流側流路部)
51 開口部
70 共通流路部材
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
440 液体吐出ユニット
Claims (10)
- 液体を吐出する複数のノズルと、
前記複数のノズルに各々通じる複数の個別液室と、
前記複数の個別液室に各々通じる複数の供給口と、
前記複数の供給口に各々通じる複数の供給流路と、
前記複数の供給流路に通じる共通流路と、を有し、
前記複数の供給流路は、前記共通流路側に前記供給口側よりも開口断面積が広い拡幅部を有し、
ノズル配列方向で隣り合う前記供給流路の前記拡幅部の拡幅部分は、ノズル配列方向と直交する方向において、前記供給口に対して互いに反対側の位置にある
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - ノズル配列方向で隣り合う前記供給流路は、ノズル配列方向と直交する方向で一部が重複し、
前記供給流路の前記拡幅部分は、前記重複している領域外にある
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記供給流路の平面形状は、前記重複している領域において、前記供給口に向かってノズル配列方向の幅が狭くなる
ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記供給流路の平面形状は、略菱形形状である
ことを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記供給流路の前記拡幅部分のノズル配列方向に沿う方向の最大幅は、前記個別液室のノズル配列方向に沿う幅よりも広い
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。 - ノズル配列方向で隣り合う前記供給流路は、平面形状において、前記供給口の列に対して対称形状である
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。 - ノズル配列方向で隣り合う前記供給流路の前記拡幅部の拡幅部分は、ノズル配列方向において、互いに反対方向を向いて配置されている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを含むことを特徴とする液体吐出ユニット。
- 前記液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク、前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジ、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構、前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構、前記液体吐出ヘッドを主走査方向に移動させる主走査移動機構の少なくともいずれか一つと前記液体吐出ヘッドとを一体化した
ことを特徴とする請求項8に記載の液体吐出ユニット。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の液体吐出ヘッド、又は、請求項8若しくは9に記載の液体吐出ユニットを備えていることを特徴とする液体を吐出する装置。
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JP2018037387A JP2019151005A (ja) | 2018-03-02 | 2018-03-02 | 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置 |
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JP2019151005A true JP2019151005A (ja) | 2019-09-12 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11456689B2 (en) | 2019-03-14 | 2022-09-27 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Driving device, driving system, and method of driving electric motor |
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WO2001074593A1 (fr) * | 2000-03-31 | 2001-10-11 | Fujitsu Limited | Tete a jet d'encre |
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JP2017140784A (ja) * | 2016-02-10 | 2017-08-17 | 株式会社リコー | 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置 |
-
2018
- 2018-03-02 JP JP2018037387A patent/JP2019151005A/ja active Pending
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