JP2017140784A - 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル内の液体が乾燥して増粘することによってノズル連通路内の液体が増粘しやすい。【解決手段】液体を吐出する複数のノズル4と、ノズル4が通じる複数の個別液室6と、ノズル4と個別液室6とを通じるノズル連通路40とを有し、ノズル連通路40は、ノズル4が臨むノズル側開口部41と、個別液室6に開口する液室側開口部42とを含み、ノズル配列方向で隣り合うノズル4A、4Bは、ノズル配列方向と直交する方向において、液室側開口部42に対して互いに逆側に配置され、ノズル側開口部41には、ノズル配列方向の幅W1,W2が個別液室6の幅W0よりも広い部分41aを有している。【選択図】図6
Description
本発明は液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置に関する。
液体吐出ヘッドとして、液体を吐出する複数のノズルと、ノズルが通じる複数の個別液室と、ノズルと個別液室とを通じるノズル連通路(連通管とも称される。)を有するものがある。
そして、従来、ノズル連通路が、ノズルが臨むノズル側開口部と、個別液室に開口する液室側開口部とを含み、ノズル配列方向で隣り合うノズル側開口部は、ノズル配列方向と直交する方向において、液室側開口部に対して互いに逆側に配置されているものが知られている(特許文献1)。
ところで、特許文献1に開示のヘッドにあっては、ノズル側開口部のノズル配列方向の幅(以下、単に「幅」という。)が個別液室の幅以下であることから、ノズル配列密度が高密度化するに従ってノズル側開口部が小さくなる。
そのため、液体を吐出していないノズル内の液体が乾燥によって増粘するとき、液体の拡散による増粘抑制効果が小さく、また、微駆動(吐出しない程度の駆動)による撹拌を行った場合でも撹拌効果が小さく、ノズル内の液体が増粘しやすいという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、高いノズル配列密度でもノズル内の液体の増粘を抑制することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、
液体を吐出する複数のノズルと、
前記ノズルが通じる複数の個別液室と、
前記ノズルと前記個別液室とを通じるノズル連通路と、を有し、
前記ノズル連通路は、前記ノズルが臨むノズル側開口部と、前記個別液室に開口する液室側開口部とを含み、
ノズル配列方向で隣り合う前記ノズルは、ノズル配列方向と直交する方向において、前記液室側開口部に対して互いに逆側に配置され、
前記ノズル連通路の前記ノズル側開口部には、ノズル配列方向の幅が前記個別液室のノズル配列方向の幅よりも広い部分を有している
構成とした。
液体を吐出する複数のノズルと、
前記ノズルが通じる複数の個別液室と、
前記ノズルと前記個別液室とを通じるノズル連通路と、を有し、
前記ノズル連通路は、前記ノズルが臨むノズル側開口部と、前記個別液室に開口する液室側開口部とを含み、
ノズル配列方向で隣り合う前記ノズルは、ノズル配列方向と直交する方向において、前記液室側開口部に対して互いに逆側に配置され、
前記ノズル連通路の前記ノズル側開口部には、ノズル配列方向の幅が前記個別液室のノズル配列方向の幅よりも広い部分を有している
構成とした。
本発明によれば、高いノズル配列密度でもノズル内の液体の増粘を抑制できる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図1ないし図6を参照して説明する。図1は同液体吐出ヘッドの図6のA−A線に相当するノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)に沿う断面説明図である。図2は同液体吐出ヘッドの吐出部の図6のA−A線に相当するノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図3は同吐出部の図6のC−C線に相当するノズル配列方向(液室短手方向)に沿う要部断面説明図である。図4は同吐出部の連通管基板及びノズル板の図6のB−B線に相当するノズル配列方向と直交する方向の要部断面説明図、図5は同じく図6のD−D線に相当するノズル配列方向に沿う要部断面説明図である。図6は同ヘッドの流路構成の説明に供する要部平面説明図、図7は同ヘッドのノズル連通路の説明に供する斜視説明図である。
この液体吐出ヘッドは、ノズル板1と、流路板2を構成する連通管基板2B及び個別液室基板2Aと、圧力発生手段としての圧電素子11と、保持基板(保護基板とも称される。)50と、共通液室部材70、ダンパ部材80、ベース部材100などを備えている。
本実施形態では、流路板2、振動板3及び圧電素子11で流路基板(アクチュエータ基板)20を構成していている。ただし、流路基板20として独立の部材が形成された後にノズル板1や保持基板50と接合されることまで意味するものではない。
ノズル板1には、液体を吐出する複数のノズル4が形成されている。
流路板2を構成する個別液室基板2Aは、連通管基板2B及び振動板3とともに、ノズル4が通じる個別液室6、個別液室6に通じる流体抵抗部7、流体抵抗部7が通じる液導入部8を形成している。流路板2を構成する連通管基板2Bは、ノズル4と個別液室6との間の流路であるノズル連通路(連通管)40を形成している。
液導入部8は、振動板3に形成された開口部9を通じて、保持基板50の開口部51から共通液室10に通じている。なお、図6では開口部9をフィルタとした例で図示している。
振動板3は、個別液室6の壁面の一部をなす変形可能な振動領域30を形成している。そして、この振動板3の振動領域30の個別液室6と反対側の面には、振動領域30と一体的に圧電素子11が設けられ、振動領域30と圧電素子11によって圧電アクチュエータを構成している。
圧電素子11は、振動領域30側から下部電極13、電気機械変換膜としての圧電膜(圧電層、圧電体)12及び上部電極14を順次積層形成して構成している。この圧電素子11上には絶縁膜21が形成されている。
圧電素子11の下部電極13は共通配線15を介して引き出されてバイパス配線17に接続されている。上部電極14は個別配線16を介して引き出されて接続パッド18に接続され、駆動IC(ドライバIC)に接続される。
そして、流路基板20上には保持基板50を接合している。保持基板50は、共通液室10から個別液室6への流路となるノズル配列方向でスリット状の開口部51と、圧電素子11を収容する凹部52及び駆動IC(ドライバIC)が配置される開口部53などを有している。また、保持基板50は、ノズル配列方向において、凹部52、52間で個別液室6、6間の隔壁6aに対応して接合した支柱部54を形成している。
共通液室部材70は、共通液室10を構成する。ここでは、共通液室部材70は、複数枚の板状部材が積層して構成されているが、これに限るものではなく、1又は複数の部材で形成することができる。
この共通液室部材70には、共通液室10の一部の変形可能な壁面を形成するダンパ部材80が接合されている。ダンパ部材80は、共通液室10の壁面を形成しているダンパ81と、共通液室10と反対側にダンパ室82を形成するダンパ室形成部材83とで構成されている。このダンパ室形成部材83にはベース部材100が接合されている。
この液体吐出ヘッドにおいては、圧電素子11の上部電極14と下部電極13の間に電圧を与えて圧電素子11に撓み変形を生じさせることで、個別液室6内の液体を加圧してノズル4から液体を吐出させる。
次に、本実施形態におけるノズル連通路の構成について説明する。
特に図6を参照して、連通管基板2Bには、前述したように、ノズル4と個別液室6とを通じるノズル連通路40が形成されている。
ノズル連通路40は、ノズル4が臨むノズル側開口部41と、個別液室6に開口する液室側開口42とを有している。
一方、ノズル配列方向において隣り合うノズル4(4A、4B)は、ノズル配列方向と直交する方向において、液室側開口部42に対して互いに逆側に配置(千鳥状配置)されている。隣り合うノズル4A、4Bに対応してノズル連通路40を区別するときには、ノズル連通路40A、40Bという。
そして、ノズル連通路40のノズル側開口部41は、ノズル4が臨む側の部分41aと、液室側開口部42に連続する部分41bとを含んでいる。
ここで、ノズル4が臨む側の部分41aのノズル配列方向の幅(以下、単に「幅」という。)W1は、液室側開口部42に連続する部分41bの幅W2よりも広い(W1>W2)。
また、ノズル4が臨む側の部分41aの幅W1は、個別液室6に幅W0よりも広い(W1>W0)。
一方、ノズル連通路40の液室側開口部42に連続する部分41bの幅W2、及び、液室側開口部42の幅(直径D)は、個別液室6の幅W0以下としている。なお、部分41bの幅W2及び液室側開口部42の幅(直径D)は同じ(W2=D)とすることも、異なるものとすることもできる。
この場合、ノズル配列方向において隣り合うノズル4A、4Bは、上述したように、ノズル配列方向と直交する方向において液室側開口部42に対して逆側に配置されている。したがって、ノズル配列方向において隣り合うノズル連通路40A,40Bの各ノズル側開口部41のノズル4が臨む側の部分41aも液室側開口部42に対して逆側に配置される。
これにより、ノズル側開口部41のノズル4が臨む側の部分41aの幅W1を個別液室6の幅W0よりも広くしても、ノズル配列方向において隣り合うノズル連通路40A、40Bが干渉することがない。
このように、ノズル連通路40のうち、ノズル4が臨むノズル側開口部41には、幅W1が個別液室6の幅W0よりも広い部分41aを有することで、ノズル側開口部41の容積が大きくなる。
したがって、液体を吐出していないノズル内の液体が乾燥によって増粘するとき、液体の拡散による増粘抑制効果が大きくなり、また、微駆動による撹拌を行った場合の撹拌効果が大きくなり、ノズル内の液体の増粘を抑制することができる。
特に、ノズル配列方向において隣り合うノズル連通路40A,40Bの各ノズル側開口部41のノズル4が臨む側の部分41aを液室側開口部42に対して逆側に配置することで、ノズル密度が高密度化されても、個別液室6の幅よりも広いノズル側開口部41を確保することができ、ノズル内の液体の増粘をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態においては、ノズル配列方向で隣り合うノズル連通路40A、40Bの液室側開口部42に連続する一部である部分41b、41bは、ノズル配列方向において重複して配置され、広い部分41a、41aは重複しないで配置されている。なお。ノズル連通路40A、40Bが重複するノズル配列方向と直交する方向における領域を重複領域46とする。
したがって、ノズル連通路40の最大の幅W1となる部分(ここでは、広い部分41a)は、ノズル連通路40A、40Bのノズル側開口部41のうちの重複領域46以外の領域(オーバーラップしない部分)に配置されている。
これにより、ノズル4の配列密度を高くしても、ノズル連通路40を一列に配列しつつ、ノズル側開口部41の容積を大きく確保することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図8を参照して説明する。図8は同ヘッドにおけるノズル連通路部分の平面説明図である。
本実施形態では、ノズル連通路40の液室側開口部42の位置に対してノズル4のノズル配列方向の位置をずらしている。この場合、ノズル連通路40A、40Bのノズル側開口部41は、液室側開口部42の列に対しての面対称(鏡像)になっている。
このような対称形状でも、隣り合うノズル連通路40、40Bで液室側開口部42からノズル4までの流路バラメータは同じになるので、ノズル4Aとノズル4Bの吐出特性を揃えることができる。
また、本実施形態では、ノズル4A、4Bはノズル連通路40の液室側開口部42に対してノズル配列方向で同じ側にずれているので、ノズル4Aとノズル4Bはノズル間を補間する配置となる。
次に、本発明の第3実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図9を参照して説明する。図9は同ヘッドにおけるノズル連通路部分の平面説明図である。
本実施形態でも、ノズル連通路40の液室側開口部42の位置に対してノズル4のノズル配列方向の位置をずらしている。この場合、ノズル連通路40A、40Bのノズル側開口部41は、液室側開口部42に対して軸対称になっている。
このような対称形状でも、隣り合うノズル連通路40、40Bで液室側開口部42からノズル4までの流路バラメータは同じになるので、ノズル4Aとノズル4Bの吐出特性を揃えることができる。
また、本実施形態では、ノズル4A、4Bはノズル連通路40の液室側開口部42に対してノズル配列方向で逆側にずれているので、それぞれ、ひとつ分だけシフトしないと、ノズル4Aとノズル4Bはノズル間を補間する配置とならない。
また、本実施形態では、ノズル列における奇数番目のノズル4及び偶数番目のノズル4と、奇数番目の個別液室6及び偶数番目の個別液室6のノズル配列方向における位置が入れ替わっている。
この第3実施形態の構成は、前記第2実施形態の構成に比べて、ノズル配列方向にヘッドサイズを小さくすることができる。つまり、第2実施形態の構成では、ノズル配列方向の一端部のノズル4は個別液室6の配置領域よりも1ノズル分はみ出すことになるのに対し、第3実施形態の構成では、個別液室6の配置領域内にノズル4を収めることができる。
次に、本発明の第4実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図10ないし図15を参照して説明する。図10は同液体吐出ヘッドの吐出部の図14のE−E線に相当するノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図11は同吐出部の図14のF−F線に相当するノズル配列方向(液室短手方向)に沿う要部断面説明図である。図12は同吐出部の連通管基板及びノズル板のノズル配列方向と直交する方向の要部断面説明図、図13は同じくノズル配列方向に沿う要部断面説明図である。図14は同ヘッドの流路構成の説明に供する要部平面説明図、図15は同じくノズル連通路部分の平面説明図である。
本実施形態では、ノズル連通路40のノズル側開口部41は、平面視において、図14及び図15に示すように、ほぼ菱型(平行四辺形)形状である。
そして、隣り合うノズル連通路40A、40Bは、ノズル配列方向と直交する方向において、ノズル側開口部41の半分未満の範囲でオーバーラップさせている。これにより、ノズル側開口部41のオーバーラップしていない部分に最も幅が広い部分41c(幅W1の部分)を配置することができる。
つまり、ノズル側開口部41のうちのノズル配列方向の幅が最大となる部分41cは、液室側開口部42に通じる側とノズル4に通じる側との間に配置されている。したがって、ノズル側開口部41は、平面視において、ノズル配列方向の幅が最大となる部分41cからノズル4側に向かってノズル配列方向の幅が漸次狭くなる形状の部分を有している。
これにより、ノズル側開口部41をノズル4側に向かって絞ることができて、気泡排出性が向上する。
また、液室側開口部42に対して隣り合うノズル連通路40A、40Bのノズル側開口部41を対称形状としている。
これにより、個別液室6からノズル4Aとノズル4Bまでは同じ流路パラメータとすることができて、吐出特性の均一化を図れる。
次に、本発明の第5実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図16を参照して説明する。図16は同液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
本実施形態では、ノズル連通路40は、ノズル側開口部41の壁面の一部に、液室側開口部42側からノズル4側に向かって傾斜する傾斜面44を設けている。
これにより、ノズル側連通路40内での気泡滞留個所を小さくすることができて、気泡排出性を向上することができる。
次に、本発明の第6実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図17ないし図21を参照して説明する。図17は同液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図18は同液体吐出ヘッドの吐出部のノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図19は同吐出部のノズル配列方向(液室短手方向)に沿う要部断面説明図である。図20は同ヘッドの流路構成の説明に供する要部平面説明図、図21は同じくノズル連通路部分の平面説明図である。
本実施形態では、流路基板20の内の振動板3と、振動板3と保持基板50との間の部材(ここでは絶縁膜21など)と、保持基板50とが、ノズル連通路40を形成する部材を兼ね、保持基板50の流路基板20に接合する面と反対側の面にノズル板1を接合している。
また、流路基板20は、流路板2を挟んで振動板3と反対側に流体抵抗部7を形成する壁面部材35を接合して構成している。そして、この壁面部材35側に共通液室部材70、ダンパ部材80及びベース部材100を順次積層している。
振動板3、振動板3と保持基板50との間の部材及び保持基板50に設けたノズル連通路40の構成は、前記第4実施形態と同様である。ノズル連通路40のノズル側開口部41は、図20及び図21に示すように、平面視において、ほぼ菱型(平行四辺形)形状としている。
このように構成することで、ノズル連通路40を形成する前記第1実施形態のような連通管基板2Bを省くことができる。
次に、本発明の第7実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図22及び図23を参照して説明する。図22は同液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図23は同液体吐出ヘッドの吐出部のノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
本実施形態では、前記第6実施形態と同様に保持基板50にノズル連通路40を設ける構成としている。
そして、本実施形態では、圧電素子11の下部電極13と一体の共通配線15を介して接続したバイパス配線17と、圧電素子11の上部電極14と個別配線16を介して接続した接続パッド18とを、ノズル配列方向と直交する方向において、流路基板20の同じ側であって、ノズル連通路40の液室側開口部42と反対側に配置している。
つまり、本実施形態のようにノズル4を振動板3に対して個別液室6と反対側に配置する場合、ノズル配列方向において、個別液室6の領域内にノズル連通路40の液室側開口部42が配置され、また、圧電素子11の保護空間(凹部52)の接合面も個別液室6の領域内に配置される。
これらの部分は圧電アクチュエータの可動部ではないので、個別液室6の壁面のうちの圧電アクチュエータによって可動される振動領域30の面積を広くするには、ノズル連通路40の液室側開口部42に近い位置まで振動領域30の変位を可能にする必要がある。
前記第6実施形態の構成では、バイパス配線17が個別液室6の領域内に位置するため、バイパス配線17の配置領域分、圧電アクチュエータによって変位できる振動領域30の面積が制約を受けることになる。
本実施例では、バイパス配線17を個別電極用の接続パッド18を配置する側と同じ側に配置して、バイパス配線17も個別液室6の領域外とすることで、圧電アクチュエータによって変位できる振動領域30の面積を広くすることができて、吐出効率を向上させることができる。
次に、本発明の第8実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図24を参照して説明する。図24は同液体吐出ヘッドの吐出部のノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
本実施形態では、前記第6実施形態と同様に保持基板50にノズル連通路40を設ける構成としている。
そして、本実施形態では、圧電素子11の下部電極13を個別電極として圧電素子11毎に分割し、個別配線16を介して接続パッド18に接続している。一方、上部電極14を共通電極としてすべての圧電素子11に接続し、共通配線15を介してバイパス配線17に接続している。
本実施形態でも、バイパス配線17及び接続パッド18を、ノズル配列方向と直交する方向において、流路基板20の同じ側であって、ノズル連通路40の液室側開口部42と反対側に配置している。
この場合、ノズル配列方向と直交する方向において、共通電極用のバイパス配線17よりも個別電極用の接続パッド18を外側(個別液室6の端部から離れた側)に配置することで、駆動ICの配置が容易になる。
次に、本発明の第9実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図25ないし図27を参照して説明する。図25は同液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図26は同ヘッドの吐出部のノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図27は同じく流路構成の説明に供する平面説明図である。
本実施形態では、前記第1実施形態と同様に、流路板2に流体抵抗部7及び液導入部8を設けている。そして、流路板2の振動板3とは反対側に流路を閉じる壁面部材35を設け、壁面部材35には、図27にも示すように、共通液室10に通じるスリット状の開口部9を設けている。
次に、本発明の第10実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図28を参照して説明する。図28は同液体吐出ヘッドの吐出部のノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
本実施形態は、前記第7実施形態の構成において、ノズル連通路40を前記第5実施形態と同様に、壁面の一部に、液室側開口部42側からノズル4側に向かって傾斜する傾斜面44を有する形状としたものである。
次に、本発明の第11実施形態に係る液体吐出ヘッドについて図29及び図30を参照して説明する。図29は同液体吐出ヘッドの吐出部のノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図、図30は同ヘッドの保持基板の製造工程の説明図である。
本実施形態では、ノズル連通路40と圧電素子11を収容する空間(凹部52)が平面上重ならないように配置している。すなわち、ノズル連通路40のノズル側開口部41と凹部52との間に距離ΔLの間隔を置いて配置している。
これにより、凹部52及びノズル連通路40を有する保持基板50の作製を容易にしている。
つまり、図30(a)に示すように、保持基板50となるシリコン基板200を使用して、ノズル連通路40の液室側開口部42、凹部52、開口部53となる部分242、252、253に例えばICPドライエッチングで溝を形成する。
これにより、図30(b)に示すように、シリコン基板200にはノズル連通路40の液室側開口部42、凹部52、開口部53の一部253Aが形成される。そこで、上記の溝加工を行った面とは反対側の面から、ノズル連通路40のノズル側開口部41及び開口部53となる部分241A、241B、253Bに例えばICPドライエッチングで、液室側開口部42、開口部53の一部253Aと貫通するまで加工する。
これにより、図30(c)に示すように、簡単なプロセスで保持基板5を製作でき、ノズル連通路40の千鳥配置を容易に実現することができる。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図31及び図32を参照して説明する。図31は同装置の要部平面説明図、図32は同装置の要部側面説明図である。
この装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド404及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給機構494により、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452等で構成される。液体カートリッジ450はカートリッジホルダ451に着脱可能に装着される。ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって、液体カートリッジ450から液体が送液される。
この装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成
する。
する。
このように、この装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの他の例について図33を参照して説明する。図33は同ユニットの要部平面説明図である。
この液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404で構成されている。
なお、この液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、及び供給機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの更に他の例について図34を参照して説明する。図34は同ユニットの正面説明図である。
この液体吐出ユニットは、流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド404と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。
なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド404と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
「液体吐出ユニット」は、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体が含まれる。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
1 ノズル板
2 流路板
2A 個別液室基板
2B 連通管基板
3 振動板
4 ノズル
10 共通液室
11 圧電素子
20 流路基板
40 ノズル連通路
41 ノズル側開口部
42 液室側開口部
50 保持基板
51 開口部
70 共通液室部材
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
440 液体吐出ユニット
2 流路板
2A 個別液室基板
2B 連通管基板
3 振動板
4 ノズル
10 共通液室
11 圧電素子
20 流路基板
40 ノズル連通路
41 ノズル側開口部
42 液室側開口部
50 保持基板
51 開口部
70 共通液室部材
403 キャリッジ
404 液体吐出ヘッド
440 液体吐出ユニット
Claims (7)
- 液体を吐出する複数のノズルと、
前記ノズルが通じる複数の個別液室と、
前記ノズルと前記個別液室とを通じるノズル連通路と、を有し、
前記ノズル連通路は、前記ノズルが臨むノズル側開口部と、前記個別液室に開口する液室側開口部とを含み、
ノズル配列方向で隣り合う前記ノズルは、ノズル配列方向と直交する方向において、前記液室側開口部に対して互いに逆側に配置され、
前記ノズル連通路の前記ノズル側開口部には、ノズル配列方向の幅が前記個別液室のノズル配列方向の幅よりも広い部分を有している
ことを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記ノズル連通路の前記ノズル側開口部のうちのノズル配列方向の幅が最大となる部分は、前記液室側開口部に通じる側と前記ノズルに通じる側との間に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記ノズル連通路の前記ノズル側開口部は、平面視において、前記ノズル側に向かってノズル配列方向の幅が漸次狭くなる形状の部分を有している
ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記ノズル連通路の前記ノズル側開口部は、前記液室側開口部側から前記ノズル側に向かって傾斜する傾斜面を有している
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを含むことを特徴とする液体吐出ユニット。
- 前記液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク、前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジ、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構、前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構、前記液体吐出ヘッドを主走査方向に移動させる主走査移動機構の少なくともいずれか一つと前記液体吐出ヘッドとを一体化した
ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ユニット。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド、又は、請求項5若しくは6に記載の液体吐出ユニットを備えていることを特徴とする液体を吐出する装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016024169A JP2017140784A (ja) | 2016-02-10 | 2016-02-10 | 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016024169A JP2017140784A (ja) | 2016-02-10 | 2016-02-10 | 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置 |
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Family
ID=59627705
Family Applications (1)
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JP2016024169A Pending JP2017140784A (ja) | 2016-02-10 | 2016-02-10 | 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置 |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019151005A (ja) * | 2018-03-02 | 2019-09-12 | 株式会社リコー | 液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置 |
JP2020168736A (ja) * | 2019-04-01 | 2020-10-15 | ブラザー工業株式会社 | 液体吐出ヘッド |
-
2016
- 2016-02-10 JP JP2016024169A patent/JP2017140784A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11618256B2 (en) | 2019-04-01 | 2023-04-04 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Liquid ejection head |
JP7302238B2 (ja) | 2019-04-01 | 2023-07-04 | ブラザー工業株式会社 | 液体吐出ヘッド |
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