JP2019150785A - 捕集フィルタの再生方法 - Google Patents

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充志 竹田
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清隆 表
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博行 井上
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Shin Sugimura
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Abstract

【課題】使用済DPF装置内の付着物を除去して再生する際に、付着物の除去をより完全に行うことによって再生効果を高める。【解決手段】この発明の捕集フィルタ(DPF装置)の再生方法は、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含有される粒子状物質を捕集する捕集フィルタを再生させる捕集フィルタの再生方法であって、車体から取外す準備工程と、捕集フィルタ内を洗浄する洗浄処理を行い、該捕集フィルタ内の付着物を除去する除去工程を有し、前記除去工程では、酸性処理液で洗浄し又は付着物を溶解および軟質化処理する。前記酸性処理液には塩酸,硫酸,硝酸,しゅう酸,酢酸,リン酸,炭酸,酪酸,フタル酸,酒石酸,ほう酸,ぎ酸,グルコン酸,乳酸,リンゴ酸,クエン酸,アスコルビン酸等を用いる。【選択図】図10

Description

この発明は、ディーゼルエンジンの排ガス中に含有される粒子状物質を捕集する捕集フィルタを洗浄する捕集フィルタの再生方法に関する。
ディーゼルエンジンの排ガス中に含有され且つ炭素を主成分とする微細な粒子状物質(パテキュレートマター=PTとも称されている。本文中では以下単に「スス」と略す。)を捕集する捕集フィルタは一般的にDPF装置と呼ばれている(以下DPF装置と略す。)。
このDPF装置は、ススを捕集し続けると内部に堆積し、目詰りを生じて排ガス流の抵抗を増加させ、エンジントラブルを生じる。
これを防止するため、DPF装置は、予め設けられた酸化触媒等による発熱機能を有し、堆積したススを燃焼灰化して減容化させ、DPF装置を構成するフィルタ(以下単に「フィルタ」と略す。)で捕集する仕組のセルフクリーニング機能を備えている。
一般名称であるDPFは、自動車メーカーによって、DPDやDPRと登録商標化されている。
DPF装置は少なくともフィルタ部分と酸化触媒部分と、それらおよび前後を連絡する連結管より構成され、更にそれら連結部のガスの流れを均一化するための整流板が設けられている。本発明のDPF装置は、一体化された全体を対象として含む。
本発明の洗浄対象は一体化されたこれらの装置を含む。したがって洗浄対象の部位は、フィルタのみならず酸化触媒や連絡管内部、整流板表面など、装置内の排ガスの流れる全ての部分を対象としている。
しかし、DPF装置が長時間使用されて、ススの燃焼が何度も繰り返されると、ススに含まれる潤滑油の燃焼残渣や、エンジン等の機器の摩耗によって生じた金属成分等の異物が燃焼して発生する灰等(以下「灰」と略す。)がフィルタ内に、フィルタ容量以上に堆積し、目詰りを生じさせ、排ガスがスムーズに排出されなくなり、坂道での馬力低下を生じさせるなどの問題があった。
すなわち、DPF装置のセルフクリーニング機能が有効であっても、堆積した灰の洗浄除去は必要であった。
さらに、EGRバルブ開閉不良やEGRクーラー詰りにより、多量のススが排出された場合には、酸化触媒表面に付着し、触媒の発熱機能が低下し、セルフクリーニング機能が発揮されなくなり、白煙や黒煙を発生させたり、大量のススの燃焼により異常発熱しセラミックを熔損させる問題を生じた。
また、DPF装置内に軽油や潤滑油が溜る事もある。この場合は、装置そのものの発熱によりマフラーの発火を生じる恐れがある。
上記の理由から、DPF装置を洗浄する事は、車輌の性能を保持したり、発火を防止したりする観点から重要な保守、管理項目である。
これに対して、長期間の使用によって、DPF装置を構成するフィルタ内に堆積した灰を定期的に洗浄して洗い流し、フィルタの目詰まりを解消する特許文献1に記載のフィルタ単独の再生方法が従来公知である。
このような公知のフィルタ再生方法は、DPF装置を構成するフィルタが、分割可能なタイプにおいてのみ有効な方法であり、一体化されたDPF装置を対象とするものではなかった。
更に、車体側から取外されたDPF装置が分割型の場合、分割したフィルタを洗浄槽内で洗浄することにより、フィルタ内に堆積した灰等の付着物はある程度は洗い流されるため、一定の洗浄効果を有し再使用が可能になるが、再生度合いが不十分な事が多く、再使用期間が短時間になり、数週間〜数ヶ月後に再洗浄という例が数多く見られた。
本発明は、DPF装置が一体型、分割型のどちらであっても、適用可能な洗浄方法を提供するものである。
更に、DPF装置が一体型、分割型を問わず、装置の構成するフィルタ内に堆積した灰等付着物を確実に洗浄除去する洗浄方法の提供を意図している。
DPF装置の洗浄は、その装置内の排ガス流路の全ての洗浄が目的である。
主たる洗浄部位と主たる洗浄対象物は以下の通りである。
Figure 2019150785
本発明は上記いずれも可能であるが、特にフィルタに堆積した灰に対して有効である。
特に、スス燃焼によって生じた灰は、非常に微細なため、フィルタを構成するハニカム構造の多孔質セラミック隔壁の微小孔内に入り込み、排ガス圧力、熱、水分により微小孔内でセラミックと一体化していると思われ、排出除去(洗浄)が難しかった。
また、別の事情として、ディーゼルエンジン排ガス規制の強化により、排ガス中に含まれる粒子状物質の減少が求められ、それによりセラミックフィルタの透過粒子径及び量の低下が一層求められている。すなわち、洗浄後のDPF装置の粒子状物質の捕集性能の向上の要求が高まっていることも挙げられる。
特開2006−205044号公報
ディーゼルエンジンの排ガス中に含有される粒子状物質を捕集するDPF装置を、車体側から取外し、内部の付着物を除去するにあたり、該付着物を効率的に除去して目詰まりを十分に改善させることが可能なDPF装置の再生方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の捕集フィルタの再生方法は、ディーゼルエンジンの排ガス中に含有される粒子状物質を捕集するDPF装置を再生させるDPF装置の再生方法であって、車体から取外す準備工程と、少なくとも前記DPF装置内を洗浄液によって洗浄する洗浄処理を行い、該DPF装置内に付着した付着物の少なくとも一部を除去する除去工程を有し、前記除去工程では、洗浄液として酸性処理液を用いるか、或いは洗浄処理とは別に灰分を含む付着物を酸性処理液により溶解および軟質化処理することを特徴としている。
前記酸性処理液が塩酸,硫酸,硝酸,しゅう酸,酢酸,リン酸,炭酸,酪酸,フタル酸,酒石酸,ほう酸,ぎ酸,グルコン酸,乳酸,リンゴ酸,クエン酸,アスコルビン酸の1又は2以上を含むものとしてもよい。
前記除去工程では、加熱された酸性処理液を用いるものとしてもよい。
前記DPF装置を振動させる振動工程をさらに有するものとしてもよい。
前記振動工程では、上記DPF装置に縦振動を加えるものとしてもよい。
前記振動工程は、前記除去工程の後に行われるものとしてもよい。
前記DPF装置にエヤを圧送して該エヤの圧力を測定することにより、該DPF装置の再生度合いを確認する確認工程をさらに有し、前記確定工程によって再生が不十分であることが確認された場合のみ、前記振動工程を実行するものとしてもよい。
前記振動工程は、前記除去工程の前に行われるものとしてもよい。
ディーゼルエンジンの排ガス中に含有される粒子状物質を捕集するDPF装置を、車体側から取外し、内部の付着物を除去するにあたり、酸性処理液による化学的処理が併用されるため、該付着物を効率的に除去して目詰まりを十分に改善させることが可能になる。
洗浄装置の構成を示した図である。 (A)及び(B)は、洗浄用アダプタの構成を示した斜視図及び断面図である。 DPF装置を洗浄液に浸漬して加熱しながらバブリングしている状態を示す断面図である。 測定装置の構成を示した図である。 (A)及び(B)は、測定用アダプタの構成を示した斜視図及び断面図である。 基本的なDPF装置の構成を示した断面図である。 洗浄が必要になった状態を示したDPF装置の断面図である。 DPF装置を横置きにして振動を付与する振動処理装置を示す側面図である。 DPF装置を縦置きにして振動を付与する振動処理装置を示す側面図である。 本発明の第1実施例である再生処理方法の作業工程を示したフロー図である。 本発明の第2実施例を示し、DPF装置の再生処理を振動処理を加えて行った例のフロー図である。 本発明の第3実施例を示し、DPF装置の再生処理を酸性水を用いて化学的処理を行った例のフロー図である。 (A)〜(C)はそれぞれDPF装置の構造例と排ガスの流れを示し、(A)はフィルタと酸化触媒が単一の柱状円筒本体内に設置された構造例、(B)は同じく円筒状本体の前後が円錐形になっているもの、(C)は排ガスの流入端が円錐形のラッパ型と称されるものである。 (D)〜(F)はDPF装置の他の構造例で、(D)は同じく円筒状本体の前後端が直交方向に閉じられた一体型で前後の排気管が互いに対称なL字形に折り曲げられたU字型と称されるもの、(E)は酸化触媒とフィルタが別体で、その中間をS字形の排気管で連結されたS字型と称されるもの、(F)は柱状円筒形の本体内にフィルタのみを設置した単体型のものをそれそれ示している。
以下本発明の実施形態を、本発明の実施のための装置と、これらの装置を利用して行う再生処理方法につき詳述する。
1.DPF装置の再生処理と再生効果の評価に用いる装置
(1)洗浄装置
先ず図1乃至図2に基づいて、本実施形態で使用した発明に係るDPF装置の洗浄装置について説明する。図示されるように、本発明の捕集フィルタの洗浄方法は、車体の排気管側から取外された捕集フィルタ(以下、DPF装置という)1の洗浄を行う洗浄装置2と、洗浄したDPF装置1の乾燥及び洗浄具合いの確認をする測定装置3とが用いられる。
前記洗浄装置2は、DPF装置1を洗浄する洗浄液が貯留される洗浄槽4と、該洗浄槽4内の洗浄液を加熱する加熱装置6と、洗浄槽4の上部側にDPF装置を支持する支持部7と、洗浄槽4からDPF装置1に向けて洗浄液を供給するポンプ8と、ポンプ8から洗浄液が供給される供給用パイプ9とDPF装置1の吸気口11又は排気口12とを接続する洗浄用アダプタ13とを備えている。該洗浄用アダプタ13が取付けられた吸気口11又は排気口12の一方側(接続口11,12)からDPF装置1内に洗浄液を供給するとともに、他方の開口部から洗浄液を排出することによって、DPF装置1内を洗浄できるように構成されている(図1(B)参照)。
前記洗浄槽4は、DPF装置1の洗浄に用いられる洗浄液が貯留され、貯留された洗浄液は、前記ポンプ8を介してDPF装置1側に供給でき、洗浄槽4側には加熱装置6が設けられており、加熱装置6によって加熱された洗浄液を用いてDPF装置1内を洗浄する。
ポンプの送液量は50L/分〜200L/分が望ましい。50L/分以下では、スス,灰等の押し出し力が弱い。更に200L/分を超えると、洗浄液が加温されているため、洩れ、噴き出しを生じ易く危険である。
ポンプ送液時間は、1回当り20〜60分が望ましい。汚れ具合に応じて送液時間と回数を加減する。
上記加熱装置6より洗浄液を60〜95℃程度に加熱することによって、DPF装置1内に堆積したスス等を溶解させることができるため、ポンプ8によって圧送された洗浄液によってDPF装置1内に堆積したスス等をDPF装置1外へと押し出すことができるようになり、洗浄効果がより高くなる。
更に汚れ具合に応じて、95〜100℃の洗浄液中に3時間〜6時間浸漬させても良い。この場合、図3に示すようにDPF装置1を浸漬槽5内に縦置きに支持し、下部から加熱装置(この例ではバーナー)10で加熱するとともに、浸漬槽5内の底部(DPF装置1の下部)に設置したエアノズル15からエアを噴出させてバブリングさせ、槽内の液を常時対流させることにより、洗浄効果を向上させることができる。
また、洗浄槽4は、その下部側に洗浄液が貯留されるとともに、その上部側にDPF装置1が支持される前記支持部7と、DPF装置1に供給される洗浄液が直接洗浄槽4の下部側に排出されるように開口された開口部14とが設けられている。これにより、洗浄槽4内の洗浄液は、ポンプ8によってDPF装置1に供給され、DPF装置1内に供給された洗浄液が開口部14から洗浄槽4内に排出される。
その結果洗浄槽4内に貯留された洗浄液が、洗浄装置2全体で循環されるように構成される。
洗浄槽4内には、DPF装置1内を洗浄して不純物等の汚れを含んだ循環する洗浄液から不純物を取り除くための洗浄液用フィルタ16が設けられている。なお、上述の洗浄装置2は洗浄液を循環させずにDPF装置1に供給した洗浄液を洗浄槽4外に排出してそのまま廃棄する再生処理としても良い。
本実施形態では、DPF装置の洗浄に用いられる洗浄液として、硬質カーボンの除去に用いられる洗浄液として製品名「ハイカーボン」(日本油化工業)の希釈液、DPF装置内に付着した灰等を含む付着物を一部溶解及び軟質化して除去させる酸性処理液等が用いられる。この酸性処理液は、後述するように洗浄処理とは別に、DPF装置に付着物が残存する場合は、この付着物を溶解及び軟化させて除去させるためにのみ使用される。
洗浄液はDPF装置の汚れの内容によって使い分ける。スス汚れが多いときは、製品名「ハイカーボン」(日本油化工業)が適する。又、その濃度は、汚れ具合により加減する。5〜50%濃度が適当であるが、加温する事により5%程度でも十分効果が発揮される。潤滑油や軽油の汚れにも「ハイカーボン」が適する。
洗浄目的が灰である場合には、酸性処理が適している。洗浄液としては、塩酸,硫酸,硝酸,しゅう酸,酢酸,リン酸,炭酸,酪酸,フタル酸,酒石酸,ほう酸,ぎ酸,グルコン酸,乳酸,リンゴ酸,クエン酸,アスコルビン酸の1又は2以上を含む希釈液が適当である。なかでもクエン酸水溶液が、安全性及び入手容易性から適する。クエン酸水溶液は2〜10%程度が、更に温度は60℃〜100℃の状態が特に好ましい。加熱クエン酸水溶液は、多孔質セラミック隔壁の微細孔内に入り込み固化してセラミックと一体化した付着物を溶解及び軟質化させて剥離を促進させる効果があると考えられる。
前記支持部7として、DPF装置1の長手方向に沿って少なくとも一対配置された支持杆7a,7aが設けられており、支持杆7a上に円筒状のDPF装置1が載置支持されるように構成されている。上記構成によれば、支持部7は、支持杆7aに載置されるDPF装置1を軸回転させることによって、支持部7に支持されるDPF装置1の上下を容易に反転させることができる(図1(A)参照)。
前記洗浄用アダプタ13は、円筒状のDPF装置1の接続口11,12の一方を塞ぐように円盤状に形成され、該洗浄アダプタ13の外周側に形成されてDPF装置1の接続口にボルト固定するための固定孔17aが穿設された取付部17と、前記ポンプ8から洗浄液が供給される供給パイプ9が連結されるとともに中心側に上下一対配置された連結部18,18とが設けられている(図2(A)及び(B)参照)。洗浄用アダプタ13は、DPF装置1の形状・大きさに応じて取付けられる接続口11,12を密閉することができるように専用のものが用いられる。
上記構成によれば、前記DPF装置1の接続口11,12側に前記洗浄用アダプタ13を取付けることにより、ポンプ8によって洗浄液が供給される供給パイプ9と、DPF装置1の接続口11,12側とをスムーズに連結することができるとともに、前記ポンプ8により供給される洗浄液のすべてを漏らすことなくDPF装置1内へと供給することができる。
また、洗浄用アダプタ13は、供給パイプ9を一対の連結部18,18のうち、下部側の連結部18に連結することにより、支持部7に支持されたDPF装置1の下部側から洗浄液を供給することができる(図1及び図2参照)。これにより、DPF装置1内に供給される洗浄液は、重力の影響もあり主にDPF装置1の下部側を中心に流動して洗浄する。
上記構成によれば、DPF装置1の下部側を中心とした洗浄が完了した後、前記支持部7に支持されるDPF装置を180°軸回転させて載置し直すとともに、これに伴ってDPF装置1の下側に配置される他方側の連結部18に、前記供給パイプ9を連結することにより、DPF装置1の上下方向反対側を中心に洗浄液を供給することができる。これにより、DPF装置1の全体に洗浄液を供給し、DPF装置1全体をムラなく洗浄することができる(図1(A)及び(B)参照)。
また該洗浄用アダプタ13を一度DPF装置1側に取付けると、洗浄用アダプタ13を付け替えることなくDPF装置1の洗浄位置を変更することができるため、DPF装置1の洗浄作業をよりスムーズに行うことができる。
ちなみに、該洗浄用アダプタ13に形成される連結部18は、中心を軸とする円軌跡に沿って3カ所等間隔に設けることにより、洗浄作業される箇所の切換時に行うDPF装置1の軸回転を120°とし、洗浄作業を計3回繰り返すように構成にしても良い(図示しない)。この構成によれば、より大径のDPF装置1を洗浄する場合等であっても、DPF装置1全体をさらにムラなく洗浄することができる。
(2)測定装置
次に図3〜図6に基づきDPF装置の目詰り(又は洗浄)状態を測定する測定装置につき説明する。測定装置3は、車体側から取外されたDPF装置1を支持する支持台21と、DPF装置1にエアを送風する送風装置22と、該送風装置22による送風量を操作する操作部23と、該送風装置22から延設された供給管(エア送風口)24とDPF装置1の吸気口11又は排気口12(接続口)とを連結する測定用アダプタ(アダプタ)26と、該送風装置22と連結されたDPF装置1との間の供給管24側に設けられた圧力計測装置27とを備えている(図4参照)。
圧力計測装置27は、測定用アダプタ26を介して連結される送風装置22側の供給管24に連通して設けられている。DPF装置1の接続口11側は、前記測定用アダプタ26により密閉される一方で、他方の排出口12側は開放されているため、送風装置22によって供給されるエアの圧力と、圧力計測装置27によって計測されるゲージ圧とによって、DPF装置1内の差圧を測定することができる。
送風装置22は、操作部23によって供給管24を介してDPF装置1内に送風されるエアの流量(圧力)を複数段階に調整することができ、前記圧力計測装置27によって差圧を計測する際には、送風装置22によって送風されるエアの圧力を複数段階に変化させて計測できるように構成されている。
また、送風装置22は、送風されるエアの温度調整もすることができ、洗浄作業が終了したDPF装置1に加熱したエアを送風することによって、DPF装置1の乾燥作業を行うことができる。
測定用アダプタ26は、円筒状のDPF装置1の前後の接続口11又は12の一方を塞ぐ円盤状に形成され、該測定用アダプタ26の外周側にフランジ状に形成されてDPF装置1の接続口11,12にボルト固定するための固定孔28aが穿設された取付部28と、前記送風装置22からエアが供給される供給管24と連結される連結部29と、取付部28と連結部と29の間にあって且つ径方向に延設されたパイプからなる圧力解放部31とが設けられている(図5(A)及び(B)参照)。該測定用アダプタ26は、DPF装置1の形状・大きさに応じて取付けられる接続口11,12を密閉することができるように専用のものが用いられる(図5(A)及び(B)参照)。
該構成によれば、前記DPF装置1の接続口側に前記測定用アダプタ26を取付けることにより、送風装置22によって供給されるエアを漏れなくDPF装置1の接続口へと供給することができるため、圧力計測装置27によって計測されるゲージ圧と、送風装置による供給されるエアの圧力との差をより正確に測定することができる。
また、圧力解放部31は、DPF装置1内のフィルタの詰まりが激しい場合に、送風装置22から比較的高圧なエアが送風されてDPF装置1内の圧力が急激に上昇した際に、上端側を解放することによって圧力の上昇を緩和させることができる。また、測定用アダプタ26をDPF装置1の接続口側に取付ける際の把持部にもなる。
前記DPF装置1は、トラックやバス、トラクター等のディーゼルエンジンを用いた車両のマフラー等の排気経路に取付けられる筒状の装置であって、排ガスが供給される吸気口(上流)側に配置される酸化触媒32と、排ガスが排気される排気口(下流)側に配置されるフィルタ33とが内装されている(図6参照)。
酸化触媒32とフィルタ33の間には空間を有し(直接接触していない)、温度センサー,差圧測定用パイプ,ドレン抜き孔が設けられている。酸化触媒32とフィルタ33はともにセラミック材質から成るが、一部のフィルタには、金属製のワイヤーメッシュから成るものもある。ワイヤーメッシュは、線状の金属を焼結させて、細孔を有するフィルタ機能を有する素材で、筒状に立体成形されたものである。酸化触媒32とフィルタ33の径(内径)は通常同一であるが、異なるタイプもある(図13,図14参照)。メーカーによっては酸化触媒は、全体が駒状で、入口側が狭く、下流に行くにしたがって大きくなり、出口部はフィルタと同一径になっている場合もある。
前記DPF装置1は、基本的に図13(A)に示すような酸化触媒32とフィルタ33の2つより構成される円柱状筒状が基本である。更にその機能の確認のため、温度センサー,差圧センサー,NOセンサー,ドレン抜き孔等多くの付属部品が複数内側から外側に取付けられている。本発明の洗浄方法は、DPF装置内部へ洗浄液を強制的に圧送する方法であるので、これらの付属品を取外す事なく洗浄可能である。
DPF装置1の形状は図13,図14に示すように様々であり、酸化触媒32とフィルタ33とに分割可能タイプもある。この場合には、酸化触媒32とフィルタ33とを別個に洗浄してもよいし、本発明においては、分割せず2つ同時に洗浄する事も出来る点が有用である。
DPF装置1の形状は、車輌の取付スペースの大小等の制約により次に示すように各種形状のものがある。
・基本型 円柱筒状 (図13(A)参照)
・前後に連結管 接続 一本物 (図13(B)参照)
・前側のみ連結管 接続 ラッパ型 (図13(C)参照)
・触媒32とフィルタ33を連結パイプを介して構成する U字型 (図14(D)参照)
・触媒32とフィルタ33を連結パイプを介して構成する S字型 (図14(E)参照)
などがある。尚、比較用としてフィルタ単体を図14(F)に示す。
更に、連結管と酸化触媒32,フィルタ33の口径(内径)が異なるため、連結部には、ガスの流れを均一化するための整流板(風車様の金属板)が設けられている。(図示しない)
通常連結管(排気管とも呼ばれる)は口径5〜8cm程度であり、触媒、フィルタの口径が20〜30cmであるので、内面積差は6〜36倍程度になり、整流板を設けてガス流の方向を均一化させ、それらの機能の発揮を確実化している。また連結管は、車輌移動時の振動による脱落防止や凍結防止剤(塩化カルシウム)による腐食防止のため、触媒やフィルタに強固に溶接されている。
この様に、DPF装置は左右、上下を含めて対象形ではない。
上記フィルタ33は、軸方向に平行に配置された複数のセルを有し、隣接するセルの始端と終端とを交互に目封じしたウォールフロー式のセラミックフィルタである。具体的には、ハニカム構造を互い違いに目封じした形状となっており、排ガスが壁面に形成された微細な孔を通過することにより、排ガス中の粒子状物質(PM)が捕集される(図5参照)。
上記触媒32は、排ガス中から捕集した粒子状物質をヒーター等の熱を用いた再生燃焼によるセルフクリーニング機能を促進するためのものであり、且つ酸化されやすい一酸化炭素や炭化水素、粒子状物質を除去するものである。具体的には、排ガス中の窒素酸化物をより二酸化窒素の多い状態とすることにより、二酸化窒素の強力な酸化性能で粒子状物質を燃焼(除去)することができる。
触媒32の構造は、フィルタ33と異なり、交互目封じのない、ストレートの細孔から成るセラミックである。交互目封じが無いため、その孔径は、フィルタより大きく、更に、発熱や酸化作用を発揮させるためセラミック表面にPtやCsなど金属を露出させてその機能を発揮するために有効である。
上記DPF装置1は、ディーゼルエンジンの排ガス中に多く含まれる窒素酸化物や、粒子状物質(PM)を捕集し、アイドリング時等にエンジンから発生させる熱や酸化触媒の発熱作用を用いてフィルタ33により捕集された粒子状物質を燃焼させることによって、フィルタ33を自動的にクリーニングすることができる。
本発明の実施形態では、上記洗浄装置を用いた洗浄処理と測定装置を用いたDPF装置の再生度合を計測・算出して評価するほかに、後で詳述するようにDPF装置1内の灰分を含む付着物を酸性処理液により溶解及び軟質化処理することにより、または機械的な振動を与えることにより、付着物を分離除去する処理を付加している。以下機械的な振動を付与する振動処理装置につき説明する。
(3)振動処理装置
図1,図2に示す洗浄装置により洗浄済のDPF装置1は、図8,図9に示される振動処理装置36上に取付けられて、フィルタ33及び酸化触媒32を含む装置全体に対して振動が付与される。
振動処理装置36は、前後の機体フレーム37上に弾性部材よりなる防振部38をそれぞれ介して前後方向の振動台39が架設され、該振動台39の下面側には低周波振動モーターよりなる振動機41が取付けられている。上記振動台39上には筒状のDPF装置1がハニカム方向に沿って横(前後)方向になるように載置し、固定ベルト等からなる緊締部材42で取付固定され、DPF装置1の一方の接続口にアダプター43を介して吸引機44との間を、吸引パイプ46で接続している。
DPF装置1は、上記のように振動処理装置36上に取付けられ、振動機41より振動を付与され、フィルタ33,酸化触媒32内の残存付着物を機械的に破壊又は粉砕して分離除去し、流動化させるとともに、吸引機44側に吸引捕集されて回収される。捕集物の1回収は吸引に限られることはなく、エアパージによる吹飛ばしでも良い。
DPF装置の振動処理は、セラミックを含む内部が乾いた状態で行う(振動処理を行う順番は限定されない)。内部が完全に乾いていれば、洗浄前、洗浄中、洗浄後のいずれも可能である。DPF装置が分割型でフィルタ単体として洗浄する場合には、洗浄前に振動処理を行えば、洗浄効果を高められる。
上記振動機41の振動周波数は30〜60Hz、振幅は0.1〜1.0mm範囲が望ましい。この範囲をずれると効果が少ないか、又はDPF装置を構成する酸化触媒セラミックやフィルタセラミックに破損の恐れがある。
振動処理時間は0.5〜3時間程度が望ましい。
振動付与方向は、ハニカム孔の方向に対して平行方向、直角方向の両方向が望ましい。振動処理回数は、複数回が望ましい。これらの振動条件は、DPF装置の汚れ具合及び分割型か否かを含めてその形状により決められる。
図9は、筒状のDPF装置が装置に適したサイズ又は形状に対応した振動処理装置36とその使用状態を示しており、このケースでは振動台39上にDPF装置1を緊締部材42により取付固定して振動機41により振動を付与してDPF内の残存付着物を分離(剥離)除去し、吸引機44で落下付着物を吸引回収する点は、図8の例と共通している。
主な相違点はDPF装置1が、その筒状本体の軸線及びハニカム方向に沿って縦(上下)向きに取付け固定され、落下した付着物を受け止める振動台39の内部が中空部39aとなっており、この中空部39aに落下した粒状固体を、中空部39a内と吸引機44を接続する吸引パイプ46により吸引機44内に吸引回収する点であり、その他の点は使用方法を含めて図7に示す場合と共通している。
後に酸性処理液による処理(化学的処理)の結果と共に実際の実験結果を示すが、実際の振動付与処理の条件は、振動周波数30〜60Hzの範囲で3〜4段階に分けて、付与時間を30〜60分とした。
2.DPF装置の再生処理方法
次に上記各装置を用いたDPF装置の洗浄、酸性処理液による溶解及び軟質化処理、振動、乾燥等の各処理及び処理効果確認のための圧力計測を含む再生処理方法を図10〜図12の各実施例につき説明する。
[第1実施例]
図10は本発明の再生処理方法の第1実施例を示し、再生処理開始時の準備工程では、車体側に取付けられているDPF装置1を取外し、装置内に残留する付着物を分離除去する除去工程前における加圧エア供給時の内部圧力(差圧)を計測する工程を含んでいる。
上記準備工程でDPF装置1は、前記測定装置3側に設置される。具体的には、DPF装置1は、接続口11,12が密閉されるように前記測定用アダプタ13をボルト固定するとともに、排出口11,12側を開放した状態で支持台21に載置し、前記送風装置22の供給管24と測定用アダプタ26とを連結する。このとき、DPF装置1のフィルタ33又は触媒32に破損個所がないかを目視で確認する。
前記洗浄前圧力計測は、洗浄作業を行う前に、送風装置22によってDPF装置1にエアを供給した際に、前記圧力計測装置27によって計測される差圧(大気圧を基準とするゲージ圧)を測定する。このとき、例えばDPF装置内の詰りが酷く、DPF装置内の圧力が高すぎると圧力計測装置27の故障の原因にもなるため、送風装置22による供給するエアの圧力を複数段階で徐々に高くしていく。例えば、インバータを介して30、40、50、60Hzの順に周波数を上げることによって、風量を増やして送風時の圧力を高くすることができる。これにより、各段階でDPF装置1の差圧を計測する。
上記除去工程には、図1,図2に示す洗浄装置2を用いた洗浄液による洗浄処理と、燃料や潤滑油等の燃焼の結果生じる灰分等を酸性処理液によって中和する溶解及び軟質化処理、洗浄液及び洗浄液と共に残存する付着粒子等を洗い流すすぎ処理を含んでいる。洗浄処理液には既述の付着カーボン除去用の「ハイカーボン」溶液が、すすぎ処理には水道水が用いられ、いずれも図1,図2に示す洗浄装置2の利用が可能である。
除去工程中の洗浄処理は、前記DPF装置1を前記洗浄装置2側に設置し、DPF装置1の吸気口11側から洗浄液を圧送する第1洗浄と、DPF装置1の排気口12側から洗浄液を圧送する第2洗浄とからなる。
上記第1洗浄では、まず、DPF装置1の吸気口12側に前記洗浄用アダプタ13を取付け、該洗浄用アダプタ13に設けられた下側の連結部18と、前記ポンプ8によって洗浄槽4内の洗浄液が供給される供給用パイプ9とを連結する。これにより、前記ポンプ8により圧送される洗浄液によって、DPF装置1内の触媒32やフィルタ33の主に下部側が洗浄され、該洗浄液は排気口12側から洗浄槽4に向けて排出される(図1参照)。
次に、洗浄槽4側の支持部7に支持されるDPF装置1を180°軸心に沿って回転させることにより上下を反転させ、下側に位置する洗浄用アダプタ13の他方側の連結部18と供給用パイプ9とを連結する。これにより、前記ポンプ8で洗浄液を圧送して、DPF装置1の上下方向反対側を中心に洗浄作業を行うことができる。
第2洗浄では、接続口11,12が前後反転されて逆方向の洗浄が行われ、さらに、DPF装置1を上下反転させ第1洗浄と同様に洗浄する。
各洗浄処理によって用いられる洗浄液は、前記加熱装置6によって60〜95℃程度に加熱したものが用いられる。該洗浄液は、60℃程度に加熱したものを用いることが好ましいが、DPF装置1の詰りが激しい場合には、90〜95℃程度まで加熱した洗浄液を用いることによって、DPF装置1内に詰まった灰や油等の汚れをより強力に溶解・排出させることができる。なお、各洗浄工程は、各1〜2時間程度を目安に行われるが、DPF装置の大きさや汚れ具合に応じて変更する。
これにより、前記ポンプ8により圧送された洗浄液によってDPF装置1内に詰まっていた汚れが排出口11,12側に洗い流されるため、作業者は、エアコンプレッサー(図示しない)等を用いて排出口の表面に出てきた汚れをエア洗浄する。
ちなみに、図示する洗浄装置2では、前記支持部7にDPF装置1を横向きに載置支持した状態で洗浄するものであるが、DPF装置1を縦置きにした状態で洗浄しても良い(図示しない)。
また中和処理は、上記洗浄液又はすすぎ液として酸性処理液を用いてもよく、洗浄又はすすぎ処理とは別に洗浄装置2内に酸性処理液を供給して処理し又はその他の浸漬による処理でもよい。これらの選択は再生処理するDPF装置の汚染状態その他の条件によって決められる。既述の酸性処理液の構成及び濃度等を適切に調節することで洗浄性能を維持しつつ環境負荷の軽減ができる。
なお上記溶解及び軟質化処理は、100℃近くに加熱された酸性処理液中に1〜2時間浸すことにより行われ、この処理により、後述するようにフィルタ内の付着物の顕著な除去効果が見られた。
すすぎ処理の乾燥工程では、洗浄が終了したDPF装置1を測定装置3側に支持するとともに、前記測定アダプタ26をDPF装置1の吸気口11側に取付けた状態で測定装置3側に連結する。この状態で、前記送風装置22により加熱したエア(温風)をDPF装置1内へと送風することによって洗浄及びすすぎ処理等によって水分を含んだDPF装置1内を十分に乾燥させる。
このとき、乾燥工程でDPF装置1への送風を継続すると、DPF装置1の排気口12側から視認されるセラミック製のフィルタ33が、乾いた箇所から徐々に白色に変化するため、フィルタ33の色によって乾燥状態を確認することができる。フィルタの全体が白く乾いた状態となったことが確認された場合、DPF装置が完全に乾燥したものとして乾燥作業を終了する。乾燥工程は、DPF装置の大きさ、温風の温度及びその湿度によって異なるが、およそ20〜60分程度行われる。
一方、DPF装置の乾燥度合は差圧に大きく影響する。電気炉等の外部からの乾燥では外側から徐々に乾燥する。視認不可能な中心部が最後に乾燥する事になる。
すなわち、半乾きの状態はフィルタセラミック微細孔が塞がっており、差圧は高くなり、乾燥状態では低くなる。
本発明では、送風側より乾燥が始まり、一番最後に出口側が乾燥するので、乾燥状態を視認化でき、精度の高い差圧を測定する事が可能となった。また、連結管が接続されていたり、整流板が設けられて直接セラミックの視認が不可能な時は、ファイバースコープを用いてセラミック表面色を確認する。
乾燥工程での処理が完了した後は、除去工程によるDPF装置1の再生処理度合を確認する確認工程に入り、この確認は後述するように除去工程での処理前後のフィルタの通気状態と新品のフィルタの通気状態を、前述の圧力計測と同様に加圧空気を流通させた時の圧力計測値27に基づいて行う。
この確認工程における除去工程後の圧力計測は、洗浄前(除去工程前)圧力計測と同様に、DPF装置1の吸気口11側が密閉されるように測定用アダプタ26を取付けるとともに、排気口12側が開放された状態で、前記送風装置22の供給管24と測定用アダプタ26とを連結する。そして、送風装置22によりDPF装置1内にエアを送風し、前記測定装置3の圧力計測装置27によって、DPF装置1の差圧(大気圧を基準とするゲージ圧)を測定して記録する。
除去工程後の圧力計測では、洗浄前圧力計測と同様に、送風装置22によって送風されるエアの圧力を複数段階で調整して、それぞれの状態において計測されたDPF装置1の差圧を記録する。このとき、DPF装置が取付けられる車体の排気圧に近い条件でも差圧を測定する。
具体的な例としては、前記送付装置によって、除去工程の前後で、7200L/分、9200L/分、10700L/分、12000L/分の順番で段階的に流量を増やして送風し、各流量を送風した際に前記圧力計測装置27によって計測された差圧を記録した。ちなみに、9200L/分の流量の場合、およそ6000ccのエンジンで3000回転/分程度させた状態の排気量と近似する。
また確認工程では、洗浄前圧力計測で測定された差圧A(kPa)と、洗浄後圧力計測で測定された差圧B(kPa)とを比較することによって、DPF装置1内の洗浄度合を確認することができる。
具体的には、同じ圧力のエアを供給した際に、洗浄の前後で測定された差圧の変化量、すなわち、(A−B)kPaを評価する。すなわち、この値が大きいほど洗浄効果が高く、DPF装置内の詰りが解消されていることを示している。これにより、上述の洗浄方法によってDPF装置の目詰まりしている原因となる汚れが洗浄されていることと、その洗浄度合とを確認することができる。
また、上記確認工程では、洗浄対象のDPF装置1が新品の場合に検出される差圧C(kPa)をデータとして取得しておくことにより、再洗浄する必要があるか否かの判定を行うこともできる。
具体的には、洗浄による機能回復の判断指数をαとすると、洗浄後圧力計測工程で測定された差圧Bと、DPF装置1が新品の場合に検出される差圧Cとで算出されるα=(B−C)/Cの値で判定することができる。本実施例では、(B−C)/Cで算出される値αが0.1より小さい(新品に対する再生度合が90%以上の)場合には、DPF装置1が十分に洗浄されているものとして洗浄作業を終了し、(B−C)/Cで算出される値αが0.1以上で0.2未満(同再生度合が80%以上90%未満)の場合には、DPF装置の洗浄が十分ではなく、フィルタ33内に未だ除去を要する汚れが残留していると判定し、除去工程に処理を戻して再度DPF装置1の洗浄、すすぎ処理を行う。
これにより、(B−C)/Cの値が0.1以下であれば、洗浄後のDPF装置1は、新品のDPF装置1と比較して90%以上の機能は発揮できる状態に回復していることが確認できる。なお、再洗浄するか否かを判定する値αが0.2〜0.1程度の間で状況に応じて設定できる。
上述の洗浄方法によれば、DPF装置1の汚れが十分に洗浄されていることを定量的に判定することができるほか、処理度合が不足するものは、所定の度合になるまで再生処理されるため、洗浄後のDPF装置1を車体側に取付けて使用し始めた後に、DPF装置1の洗浄が十分でないことが発覚し、再度の洗浄作業に必要以上の手間が掛かるような事態をより確実に防止することができる。
[第2実施例・第3実施例]
図11,図12は本発明方法の第2実施例と第3実施例をそれぞれ示すフロー図であり、いずれの実施例も図10で示したすべての工程を含んでおり且つ確認工程で再生度合が不足するもの(再生度合90%未満)は、すべて除去工程に戻され、満足な数値になるまで再生処理される点は共通している。
図11に示す第2実施例では、振動工程が除去工程の前に入れられ、図12に示す第3実施例では、振動工程は除去工程の次に入れられる点が第1実施例の場合と異なり、いずれも振動工程は第1実施例のケースのように省略されることはない。この相違点に対応し、第1実施例では確認工程の再生度合判定時に、80%未満のものが除去工程に戻されていたが、第2、第3の各実施例では90%未満のものが除去工程に戻される。
第2、第3実施例は、DPF装置内のフィルタに対する付着物が強固に付着しているため、洗浄工程のみでは期待される効果が上がらない場合等は、振動付与処理が特に効果的な場合に採用される。
既述のようにDPF1装置内の付着物には単に軽油等の燃料によって生じる未燃焼のスス等の他、エンジン内部の潤滑成分、摩耗金属粉等の未燃焼粒子を含むため、ハニカム構造を形成する多孔質セラミックの隔壁の小孔内に強固に付着している。このため上記のような洗浄や振動付与処理のほか、燃焼灰中に含まれるカルシウム等のアルカリ成分に酸性溶液を与えて溶解させ又は亀裂若しくは亀裂を生じさせ易い状態にして分離除去を助長することが望ましい。酸性処理液及びその使用条件は、上記目的を達成できるものであれば特に限定されない。
上記のように機械的再生処理及び化学的再生処理の効果確認又は評価のための圧力計測は、前述した図4,図5の装置を用いた方法により行い、化学的処理における浸漬後の洗浄又は酸性処理液による洗浄は、いずれも図1,図2に示す装置を用いて既述の方法で出来る。
[実験結果]
表1〜22は既述のように図1〜図3で示す要領で水洗浄したDPF装置1の水洗浄の前後等に分けた洗浄度合の評価、さらに洗浄の前後のタイミングで振動処理や酸性処理液による浸漬処理を行った場合の処理度合の評価を、図4,図5の装置で差圧計測した結果を示すもので、振動付与時の振動数30,40,50,60(Hz)で行った場合について示している。表外に実験日とDPF装置1の形式記号を示している。
これらの結果によれば、選択した振動数が多い程差圧の数値が高く且ついずれも振動付与処理又は酸性処理液による浸漬処理を行うことによって、再生処理効果が確実に大きくなることが明らかである。
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1 DPF装置(捕集フィルタ)

Claims (8)

  1. ディーゼルエンジンの排気ガス中に含有される粒子状物質を捕集する捕集フィルタを再生させる捕集フィルタの再生方法であって、
    車体から取外す準備工程と、
    少なくとも前記捕集フィルタ内を洗浄液によって洗浄する洗浄処理を行い、該捕集フィルタ内に付着した付着物の少なくとも一部を除去する除去工程を有し、
    前記除去工程では、洗浄液として酸性処理液を用いるか、或いは洗浄処理とは別に灰分を含む付着物を酸性処理液により溶解および軟質化処理する
    ことを特徴とする捕集フィルタの再生方法。
  2. 前記酸性処理液が塩酸,硫酸,硝酸,しゅう酸,酢酸,リン酸,炭酸,酪酸,フタル酸,酒石酸,ほう酸,ぎ酸,グルコン酸,乳酸,リンゴ酸,クエン酸,アスコルビン酸の1又は2以上を含む
    請求項1に記載の捕集フィルタの再生方法。
  3. 前記除去工程では、加熱された酸性処理液を用いる
    請求項1に記載の捕集フィルタの再生方法。
  4. 前記捕集フィルタを振動させる振動工程をさらに有する
    請求項1乃至3の何れかに記載の捕集フィルタの再生方法。
  5. 前記振動工程では、上記捕集フィルタに縦振動を加える
    請求項4に記載の捕集フィルタの再生方法。
  6. 前記振動工程は、前記除去工程の後に行われる
    請求項4又は5の何れかに記載の捕集フィルタの再生方法。
  7. 前記捕集フィルタにエヤを圧送して該エヤの圧力を測定することにより、該捕集フィルタの再生度合いを確認する確認工程をさらに有し、
    前記確定工程によって再生が不十分であることが確認された場合のみ、前記振動工程を実行する
    請求項6に記載の捕集フィルタの再生方法。
  8. 前記振動工程は、前記除去工程の前に行われる
    請求項4又は5の何れかに記載の捕集フィルタの再生方法。
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