JP2016020660A - フィルタの再生処理方法およびフィルタの再利用方法 - Google Patents

フィルタの再生処理方法およびフィルタの再利用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィルタを破損させることなく、フィルタに付着したPM等の付着物を充分に除去することができ、また、刺激臭や白煙を発生させることなく、短時間で乾燥させることができる方法を提供する。【解決手段】 この方法は、燃料の燃焼により生成された排ガスを浄化するためのフィルタを再生処理する方法であり、フィルタに付着した付着物を溶出させるための洗浄液を該フィルタに噴射し、または該洗浄液に該フィルタを浸漬させる工程と、フィルタを水に浸漬させて該フィルタから付着物を含む洗浄液を水中に流出させる工程と、フィルタに付着した水を蒸発させて除去する工程とを含む。【選択図】 図6

Description

本発明は、フィルタを再生処理する方法、およびフィルタを再生処理して再利用するための方法に関する。
車両や加熱炉等から排出される排ガスは、主に、窒素、二酸化炭素、酸素、水蒸気から構成されるが、そのほか、一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、粒子状物質(PM)等が含まれている。PMには、未燃焼炭素、硫黄酸化物、高分子炭化水素等の燃料中の添加剤が析出したもの、燃料中の金属系化合物、有機酸やその塩、ごみ等が含まれる。このPMが大気中に放出されると、長い時間浮遊し、健康被害を引き起こすことが知られている。このため、排ガスを排出する際、このPMを捕集して除去するための装置としてフィルタが用いられている。
例えば、フィルタには、上記のPMを捕捉する機能のみを有するものから、触媒を備え、酸化されやすい一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、未燃焼炭素等を酸化や燃焼させて除去する機能を有するものもある。しかしながら、これらのフィルタは、長時間の使用により、徐々にPMが付着、堆積していき、目詰まりを引き起こして、その機能を低下させるため、適当な時期に取り外して洗浄を行い、その機能を回復させる必要がある。
フィルタを再生処理する方法として、フィルタを洗剤の溶液に浸漬し、浸漬後、取り出して高圧空気により泡やフィルタの壁等に付着したPMを押し出し、フィルタを浄化する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、ディーゼルエンジン用のフィルタ(DPF)の細孔内部に蓄積したカルシウム化合物を硝酸水溶液により溶出除去し、遠心分離によりDPFの液切りを行い、乾燥して再生処理する方法も提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−169661号公報 特開2006−105086号公報
上記特許文献1に記載の方法では、高圧空気により洗剤の泡やPMを押し出し、これらを除去しているが、フィルタ内部の泡やPMを高圧空気により押し出すには、相当に高い圧力の空気を噴射しなければならない。このように高い圧力の空気を噴射すると、フィルタ自体が破損してしまい、フィルタを再利用することができなくなるという問題があった。
上記特許文献2に記載の方法では、遠心分離により液切りを行うのみであるため、溶出したPMや洗浄液がフィルタ内に残り、再利用する場合に、所望の性能を得ることができないという問題があった。
フィルタに付着した洗浄液は、乾燥することにより気化させて除去することができるが、乾燥時間がかかるという問題がある。乾燥時間を短縮するために、高温で乾燥することができるが、高温で乾燥すると、フィルタが溶融する等して再利用することができなくなってしまうという問題がある。また、洗浄液を気化させると、刺激臭が発生したり、フィルタに含まれる触媒と反応して白煙が発生したりするという問題もある。
そこで、フィルタを破損させることなく、フィルタに付着したPM等の付着物を充分に除去することができ、高温にすることなく、短時間で乾燥させることができ、刺激臭や白煙を発生させることもない方法の提供が望まれている。
本発明者らは、鋭意検討の結果、フィルタを洗浄液で洗浄した後、水に浸漬させることで、付着物が溶解した洗浄液をフィルタから水中へ流出させることができ、水中から取り出したフィルタには、ほぼ水しか付着していないので、それほど高温にすることなく、また、刺激臭や白煙も発生することなく短時間で乾燥させることができることを見出した。本発明は、このことを見出すことによりなされたものであり、上記課題は、本発明の方法を提供することにより解決することができる。
すなわち、本発明によれば、燃料の燃焼により生成された排ガスを浄化するためのフィルタを再生処理する方法であって、フィルタに付着した付着物を溶出させるための洗浄液を該フィルタに噴射し、または該洗浄液に該フィルタを浸漬させる工程と、フィルタを水に浸漬させて該フィルタから付着物を含む洗浄液を水中に流出させる工程と、フィルタに付着した水を蒸発させて除去する工程とを含む、フィルタの再生処理方法が提供される。
また、本発明によれば、燃料を燃焼により生成された排ガスを浄化するためのフィルタを再生処理して再利用する方法であって、フィルタに付着した付着物を溶出させるための洗浄液を該フィルタに噴射し、または該洗浄液に該フィルタを浸漬させる工程と、フィルタを水に浸漬させて該フィルタから付着物を含む洗浄液を水中に流出させる工程と、フィルタに付着した水を蒸発させて除去する工程と、水が除去されたフィルタに空気を流通させ、該フィルタを通過した空気の風速を計測する工程とを含み、計測された風速が閾値以上である場合にフィルタを再利用する、フィルタの再利用方法が提供される。
本発明の方法を提供することにより、フィルタを破損させることなく、フィルタに付着したPM等の付着物を充分に除去することができ、刺激臭や白煙を発生させることなく、短時間で乾燥させることができる。
DPFの使用例と、DPFの内部構造を例示した図。 DPFを再利用するための全体の処理の流れを例示したフロー図。 取り外したDPFの様子を示した図。 図2に示す処理の流れを示したフローチャート。 DPFの再生処理を行う再生処理システムの構成例を示した図。 再生処理における洗浄工程および水洗工程の詳細な流れを示したフローチャート。 再生処理における乾燥工程の詳細な流れを示したフローチャート。 再生処理における乾燥工程の詳細な流れを示したフローチャート。 再生処理における振動工程の詳細な流れを示したフローチャート。 再生処理前後の風速および重量、乾燥時間および刺激臭の有無等の結果を示した図。 再生処理前後の風速および重量、乾燥時間および刺激臭の有無等の結果を示した図。
本発明のフィルタの再生処理方法および再利用方法は、燃料の燃焼により生成された排ガス中に含まれる粒子状物質(PM)を捕捉し、排ガス中からこのPMを除去して浄化するためのフィルタを再生処理する方法および再生処理して再利用する方法である。このフィルタが設置される装置としては、エンジンを搭載した自動車、トラック、建設機械、漁船、発電機等を挙げることができる。これらは一例であり、これ以外の装置であってもよく、化学プラント、発電プラント、製鉄所等であってもよい。上記のエンジンは、ガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。以下、エンジンをディーゼルエンジンとし、フィルタをそのディーゼルエンジンに用いられるDPF(Diesel Particulate Filter)として説明する。
ディーゼルエンジンは、往復運動を行うピストンと、そのピストンの往復運動を回転運動に変換する軸としてのクランクシャフトと、ピストンを収納し、燃料の燃焼室を構成するシリンダとを含んで構成される。これは、ガソリンエンジンも同様である。シリンダ内には、燃料および空気が供給され、燃料を燃焼させることにより、ピストンを往復運動させる。このとき、クランクシャフトやシリンダ壁を潤滑するために、潤滑剤としてのエンジンオイルがシリンダ内に供給される。
エンジンオイルには、耐摩耗剤や酸化防止剤としての亜鉛化合物や、酸中和剤としてのカルシウム化合物等の灰分(アッシュ)、燐、硫黄を含む金属系添加剤が含まれており、燃料中にも、各種の添加剤が含まれている。このため、燃料を燃焼させると、二酸化炭素、水蒸気、窒素、酸素のほか、一酸化炭素、メタン等の炭化水素、窒素酸化物等のガスと、未燃焼炭素、硫黄酸化物、高分子炭化水素、金属系化合物、有機酸やその塩、ごみ等のPMが、排ガスを構成してディーゼルエンジンから排出される。
DPFは、ディーゼルエンジンから排出された排ガス中のPMを捕捉し、酸化触媒も実装する場合は、一酸化炭素、炭化水素、未燃焼炭素の一部を酸化して無害化する。図1は、DPFの使用例と、DPFの内部構造を例示した図である。DPFは、図1(a)に示すように、排気管10内に配設され、酸化触媒11と、触媒付き微粒子フィルタ12とから構成される。矢線で示す排ガスが流れる方向の前流側に、酸化触媒11が設置され、その後流側に、微粒子フィルタ12が設置される。酸化触媒11と微粒子フィルタ12のいずれも、断面が円形の排気管10内に隙間なく配設するために、略円柱状のものとされている。
酸化触媒11は、排ガスに含まれる一酸化炭素、炭化水素、未燃焼炭素を酸化して無害化する。すなわち、これらを酸化して、無害の二酸化炭素および水蒸気へ変換する。酸化触媒11は、図1(b)に示すように、一端から他端に向けて排ガスが通る直線状の複数の通路13を備えた担体と、各通路13内の壁面に担持されている貴金属からなる触媒とにより構成される。なお、担体としては、セラミック材料により製造されたものを用いることができる。触媒は、その触媒を含有する溶液にその担体を浸漬させることにより、各通路13内の壁面に担持させることができる。この方法は一例であり、その他の方法を採用してもよい。
微粒子フィルタ12は、図1(b)に示すように、一端から他端に向けて直線状の複数の通路14が形成され、複数の通路14の一端または他端が交互に閉じられた構造とされている。このため、排ガスは、矢線に示すように、酸化触媒11側の一端が開いている通路14へ入り、隣り合う通路14へ壁面を通して流れ、該隣り合う通路14の開いている他端から排出される。排ガス中の気体成分、例えば二酸化炭素や水蒸気等は、この壁面を通して流れ、排ガス中のPMは、この壁面を通過することができないので、この壁面によって捕捉され、その壁面に付着、堆積する。
DPFは、PMの一部を、酸化触媒11の各通路13内に、また、その残りの大部分を、微粒子フィルタ12の各通路14内、すなわち図1(b)に示す微粒子フィルタ12の他端が閉じられた通路14内に捕捉する。微粒子フィルタ12には、触媒が担持されているため、捕捉されたPMを強制的に燃焼して、フィルタを再生することができ、これを繰り返すことにより、連続的にPM15を処理することができるようになっている。しかしながら、長期にわたって使用するうちにその処理効率が低下し、徐々にPM15が付着、堆積して目詰まりを引き起こす。このため、定期的にDPFを取り外し、洗浄することが必要となっている。
微粒子フィルタ12は、触媒として、酸化触媒のほか、還元触媒も担持することができ、その還元触媒によって排ガス中の窒素酸化物を、窒素および酸素に還元することができる。この微粒子フィルタ12も、セラミック材料により製造されたものを用いることができ、上記と同様の方法により触媒を担持させることができる。なお、還元触媒は、微粒子フィルタ12に担持させるのではなく、この微粒子フィルタ12の後流側に別途設けてもよい。
DPFを再生処理し、再利用する方法について、図2および図3を参照して説明する。図2に示すように、PMが大量に付着し、目詰まりを引き起こしたDPFは、不具合のDPFとして回収場所に回収される。一箇所に集められたDPFは、1つずつ検査を行い、再生可能なものを再生可能品として選別する。再生不可能なものについては、DPFが酸化触媒として白金等の貴金属を含むことから、有価物回収品として選別される。
再生可能か否かは、DPFを再生処理し、一定の性能が得られるかどうかにより判断することができる。例えば、DPFがPMにより目詰まりしただけのものであるか、熱により内部が溶損したものであるか等を、目視により、あるいは水や空気を流し、それらが流れるか否かにより判断する。図3(a)は、すすにより目詰まりした例を示し、図3(b)は、内部溶損した例を示す。図3(a)に示すように、単にすすにより目詰まりしただけのものであれば再生可能であるため、再生可能品として選別し、図3(b)に示すように、内部が溶損してフィルタとしての性能を回復することができないものについては再生不可能であるため、有価物回収品として選別する。
再生可能品として選別されたDPFは、再生処理へと送られ、有価物回収品として選別されたDPFは、有価物(貴金属)回収処理へと送られる。有価物回収処理では、例えば、王水等の酸性溶液にDPFを浸漬させ、貴金属を溶出させることにより回収する。このようにして回収された貴金属は、貴金属を取り扱う業者等に売ることができる。なお、上記に例示した回収処理は一例であるので、これに限定されるものではない。また、貴金属としては、白金のほか、パラジウム、ロジウム、イリジウム等も回収することができる。
再生処理では、洗浄液を用いてDPFを洗浄し、洗浄したDPFを水に浸漬させ、乾燥後、出荷検査を行う。再生処理の詳細については後述する。出荷検査で合格したDPFは、再生品として、そのDPFを取り外したディーゼルエンジンを搭載したトラック等を所有する所有者の元へ送られ、そのトラック等に再搭載される。そして、トラック等の使用により、その再生品が再利用される。
再利用され、再び不具合が発生した場合、再び不具合のDPFとして回収され、上記の選別、再生処理が実施される。このようにして再生処理を行い、貴金属を回収することで、資源の無駄を防止し、廃棄物の排出量を減少させることができる。
フィルタの再利用方法の流れの概略については、上記に説明した通りであるが、その詳細について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。上記の選別、再生処理、有価物回収処理等を行う工場に、DPFが入庫されることにより、ステップ400からこの処理を開始する。ステップ405では、DPFがDOCと呼ばれる酸化触媒11とCSFと呼ばれる微粒子フィルタ12に分解可能であるかを判断する。可能である場合は、ステップ410へ進み、DOCとCSFとに分解する。そして、ステップ415で、CSFかどうかを判断する。
ステップ405で分解が不可能である場合、ステップ415でCSFである場合、ステップ420へ進み、送風機に取り付け、ステップ425でDPFに送風し、DPF通過後の風速を計測する。ステップ430では、送風機から取り外し、ステップ435では、DPFの重量を計測する。ステップ440では、計測した情報および目視にて再生可能品かどうかを判断する。例えば、風速が小さすぎる場合は内部溶損しているものと考えられ、目視により溶損が確認できるものは、再生不可能と判断し、それ以外は、PMが堆積し、目詰まりしていると考えられるため、再生可能と判断することができる。DOCも目視により再生可能かどうかを判断する。
ステップ440で再生可能品と判断された場合、ステップ450へ進み、再生処理を行う。これに対し、再生不可能と判断された場合は、ステップ445へ進み、有価物回収を行う。そして、有価物回収処理後、ステップ490へ進み、この処理を終了する。有価物を回収した後は、有価物を取り扱う業者等に回収した有価物を売買することができる。
再生処理後、ステップ455では、部品がDOCであるかを判断し、DOCでない場合は、ステップ460へ進み、DOCである場合は、ステップ475へ進む。ステップ460では、再び送風機に取り付け、ステップ465でDPFに送風して空気を流通させ、DPF通過後の風速を計測する。これにより、風速から差圧を判断し、その差圧がどの程度減少し、どの程度再生できているかを把握することができる。また、ステップ470で送風機からDPFを取り外し、ステップ475で再生処理後のDPFの重量を計測する。この計測結果からも、PMがどの程度取れ、どの程度再生できているかを把握することができる。なお、DOCの場合は、PMがほとんど堆積しないため、風速は測定せず、重量のみを計測する。この例では、DOCについては風速を計測していないが、風速を計測してもよい。
ステップ480では、CSFについては差圧および重量、DOCについては重量から、出荷可能かどうかを判断し、差圧が一定以内で、重量が一定量以上減少していれば出荷可能と判断し、ステップ485でDPFを納品する。一方、出荷可能でないと判断した場合、ステップ445へ進み、有価物回収を行う。なお、DPFを納品したところで、ステップ490へ進み、この処理を終了する。ここでは、出荷可能かどうかを、差圧と重量から判断しているが、差圧のみで判断してもよいし、差圧ではなく、風速が閾値以上であれば出荷可能と判断してもよい。
次に、ステップ450の再生処理について詳細に説明する。再生処理は、図5に示すシステムを使用して実施される。再生処理システムは、DPFの洗浄装置20と、水洗装置21と、乾燥装置22と、振動装置23とを含んで構成される。なお、振動装置23は、使用してもよいし、使用しなくてもよい。
洗浄装置20は、DPF24に洗浄液を噴射して洗浄する装置であってもよいし、容器に洗浄液を入れ、DPF24を一定時間洗浄液に浸漬させる装置であってもよい。洗浄液を噴射する装置である場合、洗浄に使用された洗浄液は、DPF24から剥がれ落ちたPMを含むため、PMを除去するための多孔板等を介して回収され、再利用される。
DPF24に洗浄液を噴射する場合、DPF24のハニカム構造が破壊されない圧力で噴射される。洗浄液は、DPF24の一方に延びる各穴に1つずつ噴射し、各穴を1つずつ洗浄してもよいし、噴霧装置を使用し、霧状に噴射して複数の穴を同時に洗浄してもよい。また、DPF24の一方側から噴射するのみではなく、他方側からも噴射して洗浄することができる。
洗浄液を流す際の流速は、DPF24の各穴が延びる方向を鉛直方向に向け、上部から洗浄液を流す場合にDPF24の上部から洗浄液が溢れ出さない最大の流速が望ましい。溢れ出ると、その溢れ出た洗浄液がDPF24の外部を流れ落ちることになるので、洗浄液が無駄になるからである。また、出来るだけ速い流速のほうが内部全体により浸透しやすいからである。
洗浄液にDPF24を浸漬させる場合、洗浄液に気泡を発生させる気泡発生装置を設け、洗浄液中に細かい気泡を発生させ、洗浄液の泡をDPF24内に浸透させ、より効果的に洗浄することも可能である。なお、このような細かい泡や霧状に噴射し、DPF24の内部にまで洗浄液を浸透させることで、DPF24に強固に付着し、堆積したPMを洗浄液中に溶出させ、DPF24から除去することができる。
洗浄液は、連続して噴射してもよいし、間欠的に噴射してもよい。また、一定時間噴射し、液切りした後、また一定時間噴射するようにしてもよい。液切りした後、所定の圧力の空気を噴射するファンやブロワを用いてエアブローを行ってもよい。この液切りやエアブローにより、内部で剥がれ落ちたPMを外部に排出させることができる。
洗浄液の噴射は、洗浄液を再利用することができるため、洗浄液の使用量は少なくて済むが、洗浄液を噴射させるためのポンプが必要で、DPF24の内部にまで洗浄液が行き渡りにくいことから長い時間噴射しなければならない。これに対し、洗浄液への浸漬は、洗浄液を多く使用するものの、ポンプが不要で、上記の噴射よりも内部にまで短時間で浸透させることが可能であるため、洗浄液に浸漬させる装置のほうが好ましい。ちなみに、図5では、洗浄装置20が、洗浄液が収容された洗浄容器からなる装置とされている。
洗浄液としては、日本油化工業株式会社製のユニゾールSHや、株式会社スリーボンド製のスリーボンド(登録商標)6654等を使用することができる。これらの液は、界面活性剤を含有する液である。
DPF24には、触媒としての貴金属が担持されている。貴金属としては、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム等が使用されている。この貴金属は、界面活性剤を含む洗浄液を使用すると、担体から剥がれ落ちる量が多く、触媒としての機能が低下することを見出した。このため、洗浄液としては、界面活性剤を含まない液がより望ましい。付着、堆積したPMを良好に溶出させて除去することができ、かつ界面活性剤を含まない液としては、例えば、グリコールエーテル系の有機溶媒またはその水溶液を用いることができる。なお、界面活性剤を含まない液としては、これらに限定されるものではなく、アルコール等の別の有機溶媒や、それら有機溶媒に添加剤等を含んだものであってもよい。
グリコールエーテル系の有機溶媒としては、これらに限定されるものではないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。
なお、水溶液にする場合、水の含有量が多いとPMを充分に溶出させることができなくなるので、グリコールエーテル系の有機溶媒が、約70体積%以上であることが望ましい。
水洗装置21は、水が収容された水槽とされ、洗浄液により洗浄され、その洗浄液が付着したDPF24を浸漬し、DPFから洗浄液を流出させる。水洗装置21は、この容器に加えて水を噴射するホース等を用いた水噴射装置を用いることができる。DPF24は、水槽のみによって水洗してもよいが、水噴射装置も併用して水洗することができる。水槽は、ステンレス鋼やFRP等のプラスチック樹脂から製造されたDPF24が収納可能な大きさの上部が開放された容器を用いることができる。なお、洗浄容器も同様の容器を用いることができる。
洗浄液が付着したままの状態で乾燥を行うと、洗浄液が気化しにくいこともあり、乾燥時間がかかり、洗浄液成分の刺激臭が発生する場合がある。また、DPF24に担持される貴金属と反応して白煙が発生する場合もある。しかしながら、上記の水洗でDPF24に付着した洗浄液を水に置き換えることで、乾燥時間を短縮することができ、刺激臭や白煙の発生をなくすことができる。
水洗装置21は、上記のように洗浄液を水に置換するために、水槽を使用し、必要に応じて、上記の水噴射装置を併用することができる。両装置を使用する場合、水噴射装置により簡単に水洗した後、水槽にDPF24を浸漬させることが望ましい。
また、界面活性剤を含む洗浄液は、水洗を長時間実施しても泡を発生させ、泡切れしない。その結果、洗浄液が残ったままの状態となり、乾燥を行うと、乾燥時間がかかり、刺激臭や白煙を発生させる。このことからも、これらの問題が生じない、界面活性剤を含まない、グリコールエーテル系の有機溶媒またはその水溶液、上記のアルコール等の有機溶媒、これらの有機溶媒に添加剤等を含むものを用いることが望ましい。
乾燥装置22は、DPF24に付着した水を蒸発させて除去する。乾燥装置22は、例えば、熱風を発生させ、その熱風をDPF24に供給して乾燥させることができる。熱風の温度は、水の蒸発温度である100℃より高い、例えば、150℃〜250℃とすることができる。熱風の流速は、速すぎると、DPF24のハニカム構造の強度の低下につながることから、適切な流速とすることができる。
熱風は、DPF24の各穴に1つずつ通し、各穴を1つずつ乾燥させてもよいし、複数の穴に同時に供給して、複数の穴を同時に乾燥させてもよい。また、DPF24の一方側から順方向に熱風を供給するのみではなく、他方側から逆方向に供給して乾燥することができる。
熱風は、DPF24の未乾部分が全周で縁1cmや1.5cm等の所定の値になったところで温度を変更することができる。例えば、急激な乾燥を防ぐために、それまでは比較的低い温度で乾燥を行い、ある程度乾燥したところで温度を上げ、高い温度で乾燥を行うことができる。最後まで低い温度で乾燥せず、途中から温度を上げることで、乾燥時間を短縮することができる。
乾燥が完了したかどうかは、水が蒸発すると湯気が出ることから、その湯気が発生しなくなり、目視により濡れた部分がなくなったことを確認することにより判断することができる。
振動装置23は、DPF24を支持しつつ左右や上下に振るためのアームを備える装置、DPF24に振動を与えるバイブレータ、DPF24を叩くためのハンマー等を用いることができる。振動装置23は、DPF24を吊す装置に吊し、DPF24の外表面に隣接して配設することにより、DPF24に振動を与えることができる。なお、振動装置23は、乾燥したDPF24に振動を与え、洗浄装置20や水洗装置21で取りきれなかった付着物であるPMを剥ぎ落とし、また、内部に詰まったPMの固まりを破壊し、微細化して、それらを外部へ排出する。
振動装置23によりDPF24に振動を与え、残りのPMを排出した後、さらに、エアブローを行い、PMの残りかす等を排出させることができる。エアブローは、水洗する前や、水洗した後や乾燥を行う前にも実施してもよい。このように適宜エアブローを行うことで、液切り、水切り、乾燥を良くし、DPF24に付着したPMを適宜外部に排出させることにより該PMを効果的に除去することができる。
図6を参照して、再生処理における洗浄装置20による洗浄工程および水洗装置21による水洗工程について詳細に説明する。再生処理の開始に伴い、ステップ600からこの処理を開始する。ステップ605では、洗浄装置20によりDPF24を洗浄する。具体的には、洗浄液にDPFを浸漬させ、またはDPFに洗浄液を噴射する。ステップ610では、DPF24表面のPM、主にカーボンが剥がれ落ちたかどうかを確認する。剥がれ落ちていない場合は、ステップ605へ戻り、浸漬または噴射を継続する。剥がれ落ちた場合は、洗浄装置20から取り出し、ステップ615へ進む。
DPF24は、その長手方向の両側が開口とされた排気管10内に配設されるため、ステップ615では一方の開口から他方の開口へ向けて順方向、および他方の開口から一方の開口へ向けて逆方向に、両方向からエアブローを行う。ステップ620では、水洗装置21の水噴射装置を使用して、両方向からDPF24をすすぐ(リンスする)。ステップ625では、DPF24内から付着物であるPMが排出されたかどうかを確認する。排出された場合は、ステップ630でその排出された物が黒い物体かどうかを確認する。黒い物体である場合は、カーボンであるため、ステップ615へ戻り、再びエアブローおよびリンスを実施する。
ステップ630で黒い物体でない場合、ステップ635へ進み、その排出された物が茶色または白い物体かどうかを確認する。茶色または白である場合は、アッシュである。この成分は、堆積物の一部で、少量しか含まれていないので、再びエアブローやリンスを実施することなく、ステップ625で付着物が排出されていない場合と同様に、次のステップであるステップ645へ進む。一方、その排出された物が茶色または白い物体でない場合、多量の油分であると考えられるため、ステップ640へ進み、DPFをノルマルヘキサンに例えば3日間浸漬させ、エアブローを行って、油分を除去する。ここでは、ノルマルヘキサンを使用したが、油分を除去できる溶液であればいかなる溶液を使用してもよい。また、浸漬させる時間は、上記3日間に限られるものではなく、また、浸漬ではなく、DPFにその溶液を噴射させる等して油分を除去してもよい。
ステップ645では、水を流し、全面から出てくる水量がどの位置もほぼ同じかどうかを確認する。同じではない場合、内部溶損の可能性があるため、ステップ665へ進み、再生処理を終了する。同じである場合、ステップ650で水槽にDPF24を浸漬させ、DPF24内部のPMを含む洗浄液を、DPF24から水中に流出させる。そして、ステップ655で水への浸漬を開始してから15時間以上を経過したかを確認する。経過していない場合は、ステップ650へ戻り、その時間が経過するまで浸漬を継続する。経過した場合は、ステップ660へ進み、エアブローを行い、ステップ665でこの洗浄工程および水洗工程を終了する。
ステップ660のエアブローは、水中からDPF24を取り出した際に付着している水を、大まかに除去するために実施される。乾燥時間を短くし、電力の消費量を低減するためである。なお、乾燥装置22によりDPF24に付着した水は除去されるので、このエアブローは実施しなくてもよい。また、上記の15時間という期間は、一例であり、DPF24からPMを含む洗浄液を充分に流出させることができれば、この期間より短くてもよいし、その期間では不足する場合は長い期間を設けてもよい。この期間は、好ましくは1分〜24時間とすることができる。
次に、図7を参照して、図6に示す水洗工程に続いて実施される乾燥工程について詳細に説明する。この乾燥工程は、図6に示すステップ660で水洗工程が終了した後に実施される。ステップ700からこの工程を開始し、ステップ705では、DPF24を乾燥装置22である熱風機に取り付ける。熱風機は、ヒータとブロワとを備え、熱風を吹き出す装置である。DPF24は、DPF24に排ガスを通す場合の排ガスが流れる方向と同じ方向に熱風が流れるように熱風機に取り付ける。
ステップ710では、熱風機から風を送り、その風がDPF24の一部分以上を通過しているかを確認する。通過していない場合は、図6中の符号Aへ進み、熱風機から取り外し、ステップ660でエアブローを実施し、再び熱風機に取り付け、上記風が一部分以上通過しているかを確認する。
ステップ715では、200℃の熱風を送風する。なお、熱風の温度は、200℃に限定されるものではなく、上記の150℃〜250℃の温度であればいかなる温度であってもよい。ステップ720では、熱風の通過により蒸気が発生しているかどうかを確認する。出ていない場合は、ステップ715へ戻り、蒸気が発生するまで熱風の送風を継続する。出ている場合は、ステップ725へ進み、煙が出ているかどうかを確認する。
ステップ725で煙が出ている場合、DPF24に残留する洗浄液が気化し、酸化触媒11と反応し、また、DPF24が燃焼していると考えられるので、ステップ730へ進み、熱風の送風を停止し、熱風機からDPF24を取り外す。そして、ステップ735で、DPF24内の空気を遮断する。ステップ740では、DPF24が充分に冷却されたかどうかを確認する。されていない場合、ステップ735へ戻り、空気の遮断を継続し、一定の温度に冷却されるまで待つ。これにより、反応や燃焼を停止させる。
ステップ740で充分に冷却されたことを確認できた場合、図6中の符号Bへ進み、ステップ650で再び水に浸漬させ、これまでと同様の処理を実施する。洗浄液の流出が充分でなかったため、再び水に浸漬させて充分に流出させる。
ステップ725で煙が出ていない場合、ステップ745へ進み、DPF24の全面から出てくる熱風がどの位置もほぼ同じ量かどうかを確認する。同じでない場合、ステップ720へ戻り、再び蒸気が発生しているかを確認する。同じである場合、ステップ750へ進み、DPF24の熱風が入る入口の温度が、熱風が出る出口の温度以上であるか否かを確認する。
出口温度の方が入口温度より高い場合、ステップ755へ進み、熱風機の風量を増加させる。出口温度の方が入口温度より高いケースとしては、残存した洗浄液が触媒と反応することにより出口温度の上昇が起こり、反応が進みすぎてDPF内で異常加熱状態になり煙が発生する場合が挙げられる。煙が発生する理由としては、残存洗浄液が多い、供給温度が高すぎる、風量が少なすぎることが考えられる。また、DPF24が図1(b)に示す構造であるため、風量が少ない場合に入口側に水が残り、出口側が早く乾燥した場合も考えられる。すなわち、DPF24に入った熱風が通路14をそのまま直進し、出口側の壁面を通して流れる場合である。そこで、残存した洗浄液と触媒との反応により温度上昇が始まった場合、風量を増加させることにより、その反応速度より速く、残存した洗浄液を揮発させ、DPF外へ排出させ、また、入口側に残った水を蒸発させることができる。
熱風機の風量を増加させると、残存した洗浄液がDPF外へ排出されることから、上記の反応速度が低下し、また、入口側に残った水が熱風から熱を得て蒸発するので、DPF24入口側の温度が低下し始める。そこで、ステップ760では、DPF24の入口温度が低下し始めたかどうかを確認する。低下し始めた場合は、順調に乾燥が進んでいるため、ステップ770へ進み、低下し始めない場合は、順調に乾燥が進んでいないため、そのままでは風量増加に伴い、熱量が増加し、溶損等の悪影響が生じる可能性がある。そこで、ステップ765では、熱風機の設定温度を下げ、ステップ720へ戻り、再び同様の処理を実施する。
ステップ770では、DPF24の縁部分以外、全体的に乾燥が進んだかどうかを確認する。縁部分は熱風が当たらない部分で熱の伝達により乾燥が進むので、最も乾燥が遅い部分である。ここでは、その部分以外の部分の乾燥が概ね終了したかどうかを確認する。まだ充分に乾燥が進んでいない場合、ステップ725へ戻り、縁部分以外の乾燥を進める。そして、符号Cへと進む。
図8を参照して、符号Cからステップ805へ進み、縁部分の乾燥速度が中央部分より低下したかを目視にて確認する。縁部分の乾燥速度が低下した場合、ステップ810で、熱風機の設定温度を250℃に上げる。ステップ815では、図7のステップ725と同様、煙が出ているかどうかを確認する。
煙が出ている場合、符号Dへ進み、図7のステップ730へ進む。煙が出ていない場合、ステップ820へ進み、DPF24の熱風が入る入口の温度が、熱風が出る出口の温度以上であるか否かを確認する。出口温度の方が入口温度より高い場合、ステップ825へ進み、熱風機の風量を増加させる。そして、ステップ830では、DPF24の入口温度が低下し始めたかどうかを確認する。低下し始めた場合は、順調に乾燥が進んでいるため、ステップ815へ戻り、低下し始めない場合は、順調に乾燥が進んでいないため、そのままでは熱量が増加し、溶損等の悪影響が生じる可能性がある。そこで、ステップ835で、熱風機の設定温度を下げ、ステップ815へ戻り、再び同様の処理を実施する。
ステップ840では、DPF24から蒸気の発生、洗浄液の気化による刺激臭がなくなり、目視にて乾燥したかどうかを確認する。乾燥していない場合は、ステップ815へ戻り、乾燥を継続する。一方、乾燥した場合は、ステップ845へ進み、DPF24を熱風機から取り外し、ステップ850でこの乾燥工程を終了する。
図9を参照して、振動装置23による振動工程について詳細に説明する。振動工程は、乾燥工程が終了し、それに続いて実施される。ステップ900からその処理を開始し、ステップ905では、振動させる部品がCSFかどうかを確認する。DOCである場合、ほとんど付着物であるPMが付着しておらず、振動させる必要はないので、ステップ940へ進み、振動工程を終了する。
部品がDOC以外である場合は、PMが付着しており、洗浄工程等でも取り切れていない可能性もあるので、ステップ910へ進み、振動装置23の1つであるバイブレータを取り付け、CSFであるDPF24をワイヤ等で吊し、空中に浮かせる。このとき、DPF24の出口側が上に向くようにセットされる。残留しているPMを排出されやすいようにするためである。ステップ915では、バイブレータを作動させ、DPF24に振動を与える。
ステップ920では、その振動によりDPF24から付着物、例えばアッシュが排出されたかどうかを確認する。アッシュが排出された場合は、まだ残っている可能性があるため、ステップ915へ戻り、再び振動を与える。これを、アッシュが出なくなるまで繰り返す。そして、アッシュが出なくなったところで、ステップ925へ進み、ハンマーを使用し、DPF24を損傷、変形させない程度の力の強さで連続的に叩く。例えば、1秒間に3回程度の割合で叩くことができる。
ステップ930では、ハンマーで叩いてDPF24から付着物、例えばアッシュが排出されたかどうかを確認する。アッシュが排出された場合は、まだ残っている可能性があるため、ステップ925へ戻り、再び叩く。これを、アッシュが出なくなるまで繰り返す。そして、アッシュが出なくなったところで、ステップ935へ進み、ハンマーで叩くのをやめ、DPF24からバイブレータを取り外す。バイブレータを取り外したところで、ステップ940へ進み、この振動工程を終了する。
ここに、上記の再生処理の効果を検証するために種々の試験を行い、その試験結果を示す。洗浄は、容器に洗浄液を入れ、洗浄液にDPFを一定時間浸漬させることにより行った。洗浄液は、ジエチレングリコールモノメチルエーテル100%の溶液(DEG−MM)を使用した。水洗は、ホースを介して水を供給し、ホースから水を噴射して流水による水洗と、水槽にDPFを浸漬させる水浸漬とにより行った。
乾燥は、熱風機として、株式会社スイデン製のSHD−9FIIを使用して行った。振動は、バイブレータとして、エクセン株式会社製のCH19Aとハンマーを使用して行った。差圧の指標として風速を計測するために風速計を用い、その風速計に、株式会社エスコ製のEA739AR−2を使用した。また、DPFの各工程前または終了時に重量を計測するために重量計を用い、その重量計に、株式会社エー・アンド・デイ製のFG−60KAMを使用した。
試験は、最初に風速計、重量計を用いてDPFを通過する空気の風速、DPFの重量を計測した。次に、洗浄液に浸漬させた。それから、重量計により重量を計測し、流水、水浸漬により水洗し、再び重量計により重量を計測した。その後、熱風機を用いてDPFを熱風乾燥した。熱風乾燥では、非接触型の赤外線温度センサを用い、DPFの外板表面の温度を、熱電対を使用して熱風機の出口温度、DPFのハニカム構造の入口温度および出口温度を計測した。
熱風乾燥は、設定温度を200℃として、未乾部分が全周で縁1.5cm以下になるまで乾燥させ、縁1.5cm以下になった後は、設定温度を250℃に上げて、水の蒸発がなくなり、DPFの後流側で目視により全面乾燥するまで行った。熱風乾燥後、再び風速計と重量計を用い、DPFを通過する空気の風速とDPFの重量とを計測した。その後、後処理としてバイブレータを用いてDPFを振動させ、ハンマーで叩き、残留するPMを排出させた。後処理が終了した後、最後に再び風速計と重量計を用い、DPFを通過する空気の風速とDPFの重量とを計測した。ちなみに、新品のDPFを通過する空気の風速は、17.4m/sであった。
図10および図11は、DPFを再生処理する前後の風速および重量、再生処理における乾燥時間、乾燥時の刺激臭の有無等の結果を示した図である。実施例1は、洗浄液にDEG−MMを用い、その洗浄液に20時間浸漬し、水浸漬を20時間行い、熱風乾燥を行い、バイブレータで2分振動させ、その後、バイブレータとハンマーを用いて13分後処理した結果である。実施例2は、洗浄液にDEG−MMを用い、その洗浄液に20時間浸漬し、流水を順方向4回、逆方向10回行い、水浸漬を20時間行い、熱風乾燥を行い、バイブレータで振動させることなく、ハンマーで叩くこともなく、エアブローを行った結果である。
実施例3は、洗浄液にDEG−MMを用い、その洗浄液に1時間浸漬し、流水を順方向3回、逆方向7回行い、水浸漬を20時間行い、熱風乾燥を行い、バイブレータで3分振動させ、その後、バイブレータとハンマーを用いて22分後処理した結果である。実施例4は、洗浄液にDEG−MMを用い、その洗浄液に1分間浸漬し、流水を順方向3回、逆方向8回行い、水浸漬を20時間行い、熱風乾燥を行い、バイブレータで3分振動させ、その後、バイブレータとハンマーを用いて15分後処理した結果である。実施例5は、洗浄液にユニゾールを用い、その洗浄液に20時間浸漬し、流水を順方向5回、逆方向25回行い、水浸漬を20時間行い、熱風乾燥を行い、バイブレータで3分振動させ、その後、バイブレータとハンマーを用いて20分後処理した結果である。
比較例1は、洗浄液にDEG−MMを用い、その洗浄液に20時間浸漬し、流水を順方向2回、逆方向6回行い、熱風乾燥を行い、バイブレータで3分振動させ、その後、バイブレータとハンマーを用いて23分後処理した結果である。比較例2は、洗浄液にDEG−MMを用い、その洗浄液に20時間浸漬し、水洗を行わず、熱風乾燥を行った結果である。比較例3は、洗浄液にユニゾールを用い、その洗浄液に20時間浸漬し、流水を順方向4回、逆方向11回行い、熱風乾燥を行い、バイブレータで2分振動させ、その後、バイブレータとハンマーを用いて20分後処理した結果である。
実施例1〜5および比較例1〜3はいずれも、再生処理においてフィルタの損傷は見られなかった。実施例1〜5はいずれも風速が、新品のDPFに近い値を示しており、充分に再生を行うことができることが示された。
同じDEG−MMを使用した場合でも、比較例1の流水のみで、水浸漬を行わなかった場合は、風速は回復したものの、刺激臭が残り、洗浄液がDPF内に残留しているものと推定される。このことから、水浸漬を行うことで、洗浄液をDPFから水中へ流出させ、洗浄剤の残存を無くすことができることが見出された。また、水浸漬を行うことで、行わない場合に比較して2/3程度の時間で乾燥できることが見出された。ちなみに、DEG−MM以外の洗浄液を使用した場合も同様で、水浸漬を行うことで、洗浄液の残存を無くすことができる。ただし、界面活性剤を含む洗浄液については、水洗により泡を発生させ、その泡が消失しないので完全に洗浄液の残存を無くすことはできないが、水浸漬を行うことで、水浸漬を行わない場合に比較してその残存量を大幅に減らすことができる。その結果、乾燥時間を短縮することができる。
比較例2では、熱風がDPFを通り抜けなくなり、途中で乾燥を強制的に中止した。比較例3では、蒸気ではない煙状のものが発生し、273分経過しても刺激臭はなくならなかったが、見た目で乾燥しているのでそこで乾燥を強制的に終了した。ちなみに、いずれも、後処理前後では風速はほとんど変化しないが、PMが数g回収されるので、後処理を行うことで、より多くのPMをDPFから除去し、より効果的に再生処理を行うことができることが見出された。
これまで本発明のフィルタの再生処理方法および再利用方法について詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…排気管、11…酸化触媒、12…微粒子フィルタ、13、14…通路、15…PM、20…洗浄装置、21…水洗装置、22…乾燥装置、23…振動装置、24…DPF

Claims (10)

  1. 燃料の燃焼により生成された排ガスを浄化するためのフィルタを再生処理する方法であって、
    前記フィルタに付着した付着物を溶出させるための洗浄液を該フィルタに噴射し、または該洗浄液に該フィルタを浸漬させる工程と、
    前記フィルタを水に浸漬させて該フィルタから前記付着物を含む前記洗浄液を水中に流出させる工程と、
    前記フィルタに付着した前記水を蒸発させて除去する工程とを含む、フィルタの再生処理方法。
  2. 前記除去する工程後、前記フィルタを振動させ、該フィルタに残留する前記付着物を排出させる工程をさらに含む、請求項1に記載のフィルタの再生処理方法。
  3. 前記フィルタを浸漬させる工程後、前記水中に流出させる工程の前に、前記フィルタを流水により水洗し、または該フィルタに空気を噴射して、前記付着物を含む洗浄液を前記フィルタの外部へ排出させる工程をさらに含む、請求項1または2に記載のフィルタの再生処理方法。
  4. 前記水中に流出させる工程後、前記除去する工程の前に、前記フィルタに空気を噴射し、該フィルタに付着した前記水の一部を除去する工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルタの再生処理方法。
  5. 前記フィルタは、ディーゼルエンジンで燃焼した後の排ガスが通されるフィルタであり、前記洗浄液は、グリコールエーテル系の有機溶媒またはその水溶液である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルタの再生処理方法。
  6. 燃料を燃焼により生成された排ガスを浄化するためのフィルタを再生処理して再利用する方法であって、
    前記フィルタに付着した付着物を溶出させるための洗浄液を該フィルタに噴射し、または該洗浄液に該フィルタを浸漬させる工程と、
    前記フィルタを水に浸漬させて該フィルタから前記付着物を含む前記洗浄液を水中に流出させる工程と、
    前記フィルタに付着した前記水を蒸発させて除去する工程と、
    前記水が除去された前記フィルタに空気を流通させ、該フィルタを通過した空気の風速を計測する工程とを含み、
    計測された前記風速が閾値以上である場合に前記フィルタを再利用する、フィルタの再利用方法。
  7. 前記除去する工程後、前記フィルタを振動させ、該フィルタに残留する前記付着物を排出させる工程をさらに含む、請求項6に記載のフィルタの再利用方法。
  8. 前記フィルタを浸漬させる工程後、前記水中に流出させる工程の前に、前記フィルタを流水により水洗し、または該フィルタに空気を噴射して、前記付着物を含む洗浄液を前記フィルタの外部へ排出させる工程をさらに含む、請求項6または7に記載のフィルタの再利用方法。
  9. 前記水中に流出させる工程後、前記除去する工程の前に、前記フィルタに空気を噴射し、該フィルタに付着した前記水の一部を除去する工程をさらに含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載のフィルタの再利用方法。
  10. 前記フィルタは、ディーゼルエンジンで燃焼した後の排ガスが通されるフィルタであり、前記洗浄液は、グリコールエーテル系の有機溶媒またはその水溶液である、請求項6〜9のいずれか1項に記載のフィルタの再利用方法。

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