JP2020025905A - 廃液の処理方法および廃液処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸着剤の飛散を防止でき、吸着剤の回収を容易にし、かつ充分に不純物を除去することができる方法および装置を提供する。【解決手段】 この方法は、排ガスを浄化するフィルタを洗浄した際に排出される液を含む廃液を処理する方法であり、廃液中に、所定以上の粒径を有する吸着剤が収容された複数の穴を有する1以上の容器を浸漬させる工程と、液循環手段により廃液を循環させ、廃液を1以上の容器内の吸着剤に接触させる工程とを含む。【選択図】 図6

Description

本発明は、廃液を処理する方法およびその装置に関する。
車両や加熱炉等から排出される排ガスには、煤等の粒子状物質(PM)が含まれ、PMが大気中へ排出されないように、車両や加熱炉等には、PMを捕集するためのフィルタが設けられている。フィルタは、長期間の使用によりPMが堆積し、目詰まりを引き起こし、その機能を低下させることから、適当な時期に取り外して洗浄される。
フィルタの洗浄は、洗浄液にフィルタを浸漬させる等して行われるが、使用後の洗浄液には、PMが含まれており、PMを分離除去するために、例えば凝集剤を使用して廃液処理を行っている。
PMを含む廃液の処理ではないが、廃液の処理方法として、吸着剤を添加し、吸着剤に吸着させる方法も知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、凝集と吸着剤への吸着を組み合わせた方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開昭52−133877号公報 特開昭54−064855号公報 特開平5−068817号公報 特開2009−172712号公報
しかしながら、上記の従来の方法では、廃液に吸着剤を添加し、撹拌機で撹拌することにより、廃液中に吸着剤を分散させるため、吸着剤の添加時や撹拌時に吸着剤が飛散するという問題があった。また、廃液中に吸着剤が分散しているので、吸着剤の回収に手間がかかり、途中で吸着剤を交換することが困難で、充分に不純物を除去できないという問題もあった。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、吸着剤の飛散を防止でき、吸着剤の回収を容易にし、かつ充分に不純物を除去することが可能となる方法や装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、発明の一実施形態では、排ガスを浄化するフィルタを洗浄した際に排出される液を含む廃液を処理する方法であって、廃液中に、所定以上の粒径を有する吸着剤が収容された複数の穴を有する1以上の容器を浸漬させる工程と、液循環手段により廃液を循環させ、廃液を1以上の容器内の吸着剤に接触させる工程とを含む、廃液の処理方法が提供される。
本発明によれば、吸着剤の飛散を防止でき、吸着剤の回収を容易にし、かつ充分に不純物を除去することが可能となる。
DPFの使用例と、DPFの内部構造を例示した図。 DPFの洗浄および廃液の凝集処理について説明する図。 廃液処理を行う装置の第1の構成例を示した図。 吸着剤を収容する容器の一例を示した図。 廃液処理を行う装置の第2の構成例を示した図。 廃液処理の作業の流れを示したフローチャート。 吸着剤を入れ替えて処理した結果を示した図。 吸着剤を入れ替えて処理した結果を示した図。
本発明の廃液の処理方法および装置は、燃料の燃焼により生成された排ガス中に含まれる粒子状物質(PM)を捕捉し、排ガス中からこのPMを除去して浄化するフィルタを、洗浄液により洗浄し、その洗浄した際に排出される液を含む廃液を処理する方法および装置である。
このフィルタが設置される装置としては、エンジンを搭載した自動車、トラック、建設機械、漁船、航空機、発電機等を挙げることができる。これらは一例であり、これ以外の装置であってもよく、化学プラント、発電プラント、製鉄所等であってもよい。上記のエンジンは、ガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。フィルタとして、ディーゼルエンジンに用いられるDPF(Diesel Particulate Filter)を一例として挙げ、はじめにDPFの使用例と、内部構造について簡単に説明する。
ディーゼルエンジンは、往復運動を行うピストンと、そのピストンの往復運動を回転運動に変換する軸としてのクランクシャフトと、ピストンを収納し、燃料の燃焼室を構成するシリンダとを含んで構成される。シリンダ内には、燃料および空気が供給され、燃料を燃焼させることにより、ピストンを往復運動させる。このとき、クランクシャフトやシリンダ壁を潤滑するために、潤滑剤としてのエンジンオイルが燃料に少量混ぜられ、燃料とともにシリンダ内に供給される。
エンジンオイルには、耐摩耗剤や酸化防止剤としての亜鉛化合物や、酸中和剤としてのカルシウム化合物等の灰分(アッシュ)、燐、硫黄を含む金属系添加剤が含まれており、燃料中にも、各種の添加剤が含まれている。このため、燃料を燃焼させると、二酸化炭素、水蒸気、窒素、酸素のほか、一酸化炭素、メタン等の炭化水素、窒素酸化物等のガスと、未燃焼炭素、硫黄酸化物、高分子炭化水素、金属系化合物、有機酸やその塩、ごみ等のPMが、排ガスを構成してディーゼルエンジンから排出される。
DPFは、ディーゼルエンジンから排出された排ガス中のPMを捕捉し、酸化触媒も実装する場合は、一酸化炭素、炭化水素、未燃焼炭素の一部を酸化して無害化する。図1は、DPFの使用例と、DPFの内部構造を例示した図である。DPFは、図1(a)に示すように、排気管10内に配設され、酸化触媒11と、触媒付き微粒子フィルタ12とから構成される。矢線で示す排ガスが流れる方向の前流側に、酸化触媒11が設置され、その後流側に、微粒子フィルタ12が設置される。
酸化触媒11は、排ガスに含まれる一酸化炭素、炭化水素、未燃焼炭素を酸化して無害化する。酸化触媒11は、図1(b)に示すように、一端から他端に向けて排ガスが通る直線状の複数の通路13を備えた担体と、各通路13内の壁面に担持されている貴金属からなる図示しない触媒とにより構成される。
微粒子フィルタ12は、図1(b)に示すように、一端から他端に向けて直線状の複数の通路14が形成され、複数の通路14の一端または他端が交互に閉じられた構造とされる。このため、排ガスは、矢線に示すように、酸化触媒11側の一端が開いている通路14へ入り、隣り合う通路14へ壁面を通して流れ、該隣り合う通路14の開いている他端から排出される。排ガス中の気体成分、例えば二酸化炭素や水蒸気等は、この壁面を通して流れ、排ガス中のPMは、この壁面を通過することができないので、この壁面によって捕捉され、その壁面に付着、堆積する。微粒子フィルタ12は、酸化触媒11と同様、各通路14内の壁面に貴金属からなる触媒が担持された、触媒付き微粒子フィルタであってもよい。
DPFは、PMの一部を、酸化触媒11の各通路13内に、また、その残りの大部分を、微粒子フィルタ12の各通路14内、すなわち図1(b)に示す微粒子フィルタ12の他端が閉じられた通路14内に捕捉する。微粒子フィルタ12には、触媒が担持されているため、捕捉されたPMを強制的に燃焼して再生される。しかしながら、長期にわたって使用するうちにその処理効率が低下し、徐々にPM15が付着、堆積して目詰まりを引き起こす。このため、定期的にDPFを取り外し、洗浄することが必要となっている。
図2を参照して、DPFの洗浄および排水等の凝集処理について説明する。PMが大量に付着し、目詰まりを引き起こしたDPF20は、装置から取り外し、洗浄液を用いて洗浄される。
DPF20の洗浄は、洗浄液を噴射する方法を採用してもよいし、洗浄槽21に洗浄液22を入れ、DPF20を一定時間浸漬させる方法を採用してもよい。
洗浄液には、DPF20が触媒として貴金属を担持していることから、貴金属が担体から剥がれ落ちないように、例えばグリコールエーテル系の有機溶媒またはその水溶液が用いられる。グリコールエーテル系の有機溶媒としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルやエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。水溶液にする場合、グリコールエーテル系の有機溶媒が約70体積%以上とされる。
DPF20を洗浄液22に浸漬させると、DPF20の内部へ洗浄液22が浸透し、DPF20に強固に付着し、堆積したPMが洗浄液22中に溶出する。DPF20は、洗浄液22による洗浄後、水で洗い流し、乾燥される。
DPF20の洗浄では、PMが溶出した洗浄液22と、DPF20を水で洗い流した際の排水23とが排出される。これらの液は、凝集槽24に回収され、凝集剤が添加される。凝集槽24内では、液中のPMに含まれる未燃焼炭素等の粒子が結合してフロック25を生成し、底に沈殿する。凝集槽24の上澄みの液体が凝集後の廃液26として回収され、廃液処理が行われる。なお、凝集槽24に回収される液には、洗車の排水等が含まれていてもよい。洗車の排水等に含まれる埃等も、凝集処理により除去される。
廃液処理は、廃液に吸着剤を添加し、廃液中の有機物等の不純物を吸着除去することにより行われる。不純物は、廃液中に分散していることから、従来の方法では、分散しやすい粉末状の吸着剤を用い、それを廃液に添加し、撹拌することにより、廃液中に吸着剤を分散させ、不純物を吸着除去している。
しかしながら、粉末状の吸着剤は、吸着剤の添加時や撹拌時に吸着剤が飛散しやすく、飛散すると、作業環境を悪化させ、粉塵爆発の危険性があり、人体へ影響を及ぼす。また、分散した吸着剤は、回収に手間がかかる。
吸着剤の吸着性能には限界があるが、吸着剤が分散していると、吸着剤を途中で交換することが難しいため、吸着剤を追加していくことで、不純物を除去することが可能になる。しかしながら、吸着剤を追加していくと、撹拌が困難になり、吸着剤を分散させることができなくなってしまう。その結果、廃液中の不純物を充分に除去することはできない。
吸着剤には、粉末状以外に、粒状、シート状、糸状のものが多数集まった繊維状、柱状等、様々な形状のものが存在する。吸着剤は、粒子が小さくなるほど、比表面積が増加し、同じ材料でも、単位重量もしくは体積当たりの吸着量を増加させることができる。このため、吸着剤は、粒子が最も小さい粉末状のものが好ましい。
粉末状以外のものを使用しても、その量を増加することで、粉末状のものと同等の不純物の除去効果を得ることができるものと考えられる。しかしながら、シート状、繊維状、柱状等のサイズが大きいものは、その量が相当な量となり、多くのコストがかかる。また、廃液を入れて処理する処理槽のサイズには、制限があるため、廃液中に入れることができる吸着剤の量にも限界があり、廃液中の不純物を充分に除去するためには、相当の時間がかかる。
その点で、粒状のものは、粉末状のものに近く、それほど量を増加させることなく、粉末状のものと同等の効果を得ることができると考えられる。
そこで、粒状の所定以上の粒径を有する吸着剤を用い、以下に説明する構成の装置により処理することで、上記の問題を解決する。
図3は、廃液26を処理する装置の構成例を示した図である。図3(a)は、廃液処理装置の断面図で、図3(b)は、廃液処理装置の平面図である。廃液処理装置は、廃液26を受け入れる処理槽30と、処理槽30内の廃液26に浸漬される複数の穴を有し、粒状の吸着剤が収容された容器31と、容器31を結び付け、容器31を引き上げ可能にする紐状部材32と、処理槽30内に設置され、廃液26を循環させる液循環手段としてのポンプ33とを含んで構成される。
処理槽30は、例えば所定量の廃液26を貯留することが可能なサイズの鋼製またはプラスチック樹脂製の容器とされる。処理槽30は、廃液26を供給するための供給ノズルと、廃液26を排出するための排出ノズルとを備え、供給ノズルには、廃液26を供給するための液供給手段としての供給ポンプが接続され、排出ノズルには、処理された廃液26を排出させるための液排出手段としての排出ポンプが接続される。
紐状部材32は、一端が容器31と結び付けられ、その容器31を処理槽30内に入れたときに、処理槽30の上端を超えて他端が処理槽30の外部へ延びる長さとされる。紐状部材32の他端は、処理槽30の外側面に沿って垂れ下がるように延び、処理が終了したときに、作業員が持ち、引っ張ることで、容器31を引き上げることができる。紐状部材32の他端は、作業室内の柱等に結び付けられ、廃液26内に入らないように固定されていてもよい。
ポンプ33は、廃液26中に浸漬させて設置され、廃液26を吸引し、所定の圧力で吐出することで、廃液26を循環させる。ポンプ33は、処理槽30が円筒形の槽である場合、図3(b)に示すように、処理槽30の側壁に近隣して設置し、側壁に沿って廃液26が一周するように循環させることができる。この循環により、容器31に設けられた1以上の穴から廃液26が進入し、内部の吸着剤と接触し、別の1以上の穴から排出される。廃液26は、吸着剤と接触した際、廃液26中の不純物、例えば高分子炭化水素、有機酸やその塩等が吸着除去される。廃液26は、ポンプ33により循環されるので、繰り返し吸着剤と接触し、不純物が充分に吸着除去される。
ポンプ33には、廃液26が適切に一定の方向に循環するように、吐出口に短管等を設けることができる。図3(b)に示すように短管を設け、処理槽30の側壁までの距離を短くするとともに、その側面に斜めに衝突させることで、矢線に示す方向とは逆の方向への流れが生じるのを防ぎ、矢線に示す方向へ廃液26を循環させることができる。
ここで、図4を参照して、使用する吸着剤34および複数の穴を有する容器31について説明する。吸着剤34は、所定以上の粒径を有する活性炭、アルミナ、シリカ、ゼオライト等が使用される。粒径は、例えば0.1mm以上で、0.1〜10mm程度とされ、0.5〜3mmが好ましい。個々の粒子は、複雑な形状を有しているので、粒径は、粒子の長軸径、短軸径、特定の方向の長さ等をそのまま使用してもよいし、幾何学公式により球等の規則的な形状に換算し、その径を採用してもよい。
吸着剤34は、廃液26中の高分子炭化水素、有機酸やその塩等の不純物を吸着除去する。吸着は、ファンデルワールス力による物理吸着であっても、化学結合による化学吸着であってもよい。凝集後の廃液26は、不純物として、主に有機物を含むことから、吸着剤34としては、有機物を選択的に吸着しやすい活性炭が好ましい。
廃液26は、水を含むことから、活性炭としては、水とのなじみが良く、水となじんで沈降する水分を含有する活性炭がより好ましい。活性炭が液中にあることで、循環する液と充分に接触し、吸着除去されるからである。水分を含有する活性炭は、含水率が10〜70%とすることができ、30〜60%がより好ましい。
複数の穴を有する容器31は、穴の大きさが、吸着剤34の粒径より小さく、吸着剤34が流出しない大きさで、一定量の吸着剤34を収容することができれば、いかなる形状のものであってもよく、穴の形状も、いかなる形状であってもよい。容器31としては、プラスチック樹脂または金属製の網状の袋や籠を一例として挙げることができる。図4に示す例では、容器31が網状の袋とされ、吸着剤34を収容し、また、取り出すための口31aを閉じることができる構造とされている。
網状の袋は、例えば洗濯ネットのような構造とし、吸着剤34を出し入れする口31aの部分に、線状の開閉可能な留め具(ファスナー)31bを備えるものとすることができる。これは一例であり、この構造に限定されるものではない。
籠は、紐状の素材を編んで作成された入れ物のほか、底面および側面に複数の矩形の穴が設けられた買い物かごのようなものであってもよい。これも一例であるので、この構造に限定されるものではない。
再び図3を参照して、ポンプ33は、処理槽30の底に設置し、容器31は、廃液26中であって、ポンプ33の上部に配置する。廃液26の循環は、吸着剤34を収容した容器31を廃液26中に入れている間、継続してもよいし、一定の時間が経過した後、停止し、その後静置してもよい。なお、ポンプ33で廃液26を循環し、廃液26を撹拌するので、容器31として網状の袋を用いる場合でも、網状の袋の破損を防ぐことができる。
廃液26中に吸着剤34を入れる量は、吸着剤34の種類や廃液26中の不純物の濃度に応じて適切な量とすることができる。
処理槽30内に入れる容器31は、1つに限られるものではなく、図5に示すように、複数であってもよい。その際、容器31は、図5に示すように、処理槽30の上端に棒状部材35を架け渡し、紐状部材32を、棒状部材35を介して処理槽30の外部に垂らすように配置して、水平方向の位置を変えることができる。また、容器31は、紐状部材32を引っ張る長さを変え、高さ方向の位置を変えることができる。この場合、その高さ位置で固定するため、紐状部材32の他端を柱等に結び付けて固定することができる。
複数の容器31を用いる場合、このように水平方向や高さ方向の位置を変えて配置することで、どの位置にある液も吸着剤34と接触し、効率的に不純物を吸着除去することができる。
なお、廃液26が収容された処理槽30内に、吸着剤34を収容する容器31を増やすことで、廃液26中の不純物をより多く吸着除去することができるが、容器31の数を増やすと、ポンプ33による液の循環が難しくなり、吸着剤34への液の接触効率が悪くなるので、適切な数とすることが望ましい。
吸着剤34の吸着能力には限界があるため、ある程度の時間が経過すると、廃液26中の不純物を吸着しなくなるが、吸着剤34が容器31内に収容されているため、容器31を引き上げ、新しい吸着剤34を収容した容器31を再度浸漬させることで、容易に吸着剤34を回収し、また、これを数回繰り返すことで、充分に不純物を除去することができる。
図6を参照して、廃液処理の作業の流れについて説明する。この作業は、処理槽30内にポンプ33を設置し、処理槽30の準備をすることにより、ステップ600から開始される。ステップ601では、容器31に吸着剤34を入れる作業を行う。吸着剤34は、計量容器や計量器を使用し、その重量や体積を計量しながら適切な量を容器31に入れ、容器31に紐状部材32を結び付ける。ステップ602で、処理槽30内に廃液26を供給する。ステップ601とステップ602の順は、逆であってもよいし、並行して行われてもよい。ここで、廃液26を採取し、成分の分析を行う。
ステップ603で、廃液26中に容器31を浸漬させる。容器31を浸漬させる位置は、ポンプ33から一定距離離れた位置とされる。これは、容器31がポンプ33の吸込口や吐出口付近に配置されていると、容器31が吸込口にくっつき、廃液26が吸引されなくなったり、吐出口付近にある容器31に廃液26が当たり、廃液26が循環されなくなるからである。ステップ604では、ポンプ33を起動させ、廃液26を循環させる。これにより、廃液26を撹拌する。
ステップ605で、第1の時間が経過したかを確認する。第1の時間は、任意の時間を設定することができ、例えば1時間とされる。第1の時間が経過した場合、ステップ606へ進み、ポンプ33を停止し、容器31を引き上げ、新しい容器31を浸漬させ、吸着剤34を入れ替える。そして、ステップ607で、ポンプ33を起動させ、再び廃液26を撹拌する。経過していない場合は、廃液26の撹拌を継続する。
ステップ608で、第2の時間が経過したかを確認する。第2の時間も、第1の時間と同様、任意の時間を設定することができ、例えば24時間とされる。第2の時間が経過した場合、ステップ609へ進み、ステップ606と同様、ポンプ33を停止し、吸着剤を入れ替える。そして、ステップ610で、ポンプ33を起動させ、再び廃液26を撹拌する。経過していない場合は、廃液26の撹拌を継続する。
ステップ611で、第3の時間が経過したかを確認する。第3の時間も、第1および第2の時間と同様、任意の時間を設定することができ、例えば24時間とされる。第3の時間が経過した場合、容器31を引き上げ、処理された廃液26を採取し、成分の分析を行う。そして、ステップ612で処理を終了する。
一方、経過していない場合、廃液26の撹拌を継続する。なお、成分の分析を行い、不純物が充分に除去できていない場合、再度新しい容器31を浸漬させ、ポンプ33を起動し、廃液26を撹拌して、廃液26を処理することができる。
廃液26がどの程度処理されたかは、代表的な水質の指標の1つである化学的酸素要求量(COD)の値により評価することができる。CODは、排水基準に用いられ、現在の基準値は160mg/Lである。
ここで、廃液26を、含水率40〜50%の粒径0.5〜3mmの活性炭(株式会社クラレ製のクラレコール(登録商標)KW10/32、20/40)を使用し、2回入れ替えて処理した結果を、図7に示す。ちなみに、KW10/32は、1インチ当たりの目の数(メッシュ)が10〜30、KW20/40は、メッシュが18〜42のものである。廃液26を約200L処理槽30に入れ、1回に約15kgの活性炭を数個の網状の袋に分けて入れ、それを廃液26中に投入した。
図7は、時間とCOD(mg/L)との関係を示した図である。図7(a)と図7(b)は、縦軸の目盛りが異なったグラフである。図7(a)は等間隔の目盛りで、図7(b)は対数目盛りである。
廃液26中の処理前CODの値は、17900mg/Lであったが、1回目の吸着開始から1時間で、約半分の8930mg/Lまで急激に低下した。吸着開始から3時間経過したときの6800mg/Lまでは大きく低下したが、それ以降、ゆっくり低下した。このため、吸着開始から3時間が経過したところで、飽和に近い状態に達しているものと考えられる。
1回目の吸着開始から24時間が経過したところで、5400mg/Lと低下しているが、その低下する速度が遅いことから、吸着剤を新しいものと入れ替え、2回目の吸着を開始した。すると、CODの値は、大きく低下し、吸着開始から24時間が経過したとき、427mg/Lまで低下した。グラフでは、2回目の吸着開始時の点と終了時の点とを直線で繋いでいるが、この2回目の吸着も、実際には1回目と同様、2回目の吸着開始から3時間が経過するまでに大きく低下し、その後は飽和に近い状態で、ゆっくり低下するものと考えられる。
2回目の吸着開始から24時間が経過したところで、吸着剤を新しいものと入れ替え、3回目の吸着を開始した。すると、CODの値は、排水基準値の160mg/Lを下回り、さらに低下した。最終的に、最初の吸着開始から72時間が経過したところで、CODの値は、22.9mg/Lとなった。3回目も、1回目、2回目と同様、はじめに大きく低下し、その後は飽和に近い状態で、ゆっくり低下するものと考えられる。
DPFを洗浄し、凝集剤により凝集処理した後の廃液26は、概ねCODの値が約18000mg/Lであることから、上記のように2回吸着剤を入れ替えることで、排水基準値を下回る状態まで、不純物を充分に除去することができることが見出された。このため、図6に示すように、本方法では、少なくとも2回吸着剤を入れ替える工程を含むことができる。
ちなみに、活性炭の粉末を使用し、廃液26をろ過し、2回活性炭を交換して同じように廃液26を処理してみたところ、3回目の吸着後(1回目の吸着開始から72時間経過後)のCODの値が数千mg/Lで、排水基準値を下回る値にまで不純物を除去することはできなかった。このことから、水分を含む粒状の活性炭は、特にこの廃液26を処理するのに適していることが見出された。
廃液26がどの程度処理されたかは、CODの値のほか、生物化学的酸素要求量(BOD)の値(mg/L)、浮遊物質量(mg/L)、鉛およびその化合物(mg/L)、銅含有量(mg/L)、亜鉛含有量(mg/L)、溶解性鉄含有量(mg/L)等でも評価することが可能である。図8は、廃液26の処理前の各値と、処理後の各値とを示した図である。この処理も、上記と同様、含水率40〜50%の粒径0.5〜3mmの活性炭(株式会社クラレ製のクラレコール(登録商標)KW10/32、20/40)を使用し、2回入れ替えて処理した結果である。
排水基準値は、BODの値が160mg/L、浮遊物質量が200mg/L、鉛およびその化合物が0.1mg/L、銅含有量が3mg/L、亜鉛含有量が2mg/L、溶解性鉄含有量が10mg/Lである。
図8に示すように、いずれの値も大きく低下しており、廃液26中の不純物を充分に除去できていることを示した。
以上に説明してきたように、粒状の吸着剤を用いることで、吸着剤の飛散を防止することができ、洗濯ネット等の複数の穴を有する容器31に入れ、廃液26中に浸漬させることで、回収が容易で、必要に応じて入れ替えることで、廃液26中の不純物を充分に除去することができる。
これまで本発明の廃液の処理方法および廃液処理装置について詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…排気管
11…酸化触媒
12…微粒子フィルタ
13、14…通路
15…PM
20…DPF
21…洗浄槽
22…洗浄液
23…排水
24…凝集槽
25…フロック
26…廃液
30…処理槽
31…容器
31a…口
31b…留め具
32…紐状部材
33…ポンプ
34…吸着剤
35…棒状部材

Claims (7)

  1. 排ガスを浄化するフィルタを洗浄した際に排出される液を含む廃液を処理する方法であって、
    前記廃液中に、所定以上の粒径を有する吸着剤が収容された複数の穴を有する1以上の容器を浸漬させる工程と、
    液循環手段により前記廃液を循環させ、前記廃液を1以上の容器内の吸着剤に接触させる工程と
    を含む、廃液の処理方法。
  2. 前記容器を引き上げ、新しい吸着剤が収容された容器を浸漬させることにより、吸着剤を入れ替える工程を含み、
    吸着剤を入れ替えた後、前記接触させる工程を再度実施する、請求項1に記載の廃液の処理方法。
  3. 前記入れ替える工程と、前記接触させる工程とを少なくとも2回繰り返す、請求項2に記載の廃液の処理方法。
  4. 前記吸着剤は、粒径が0.1〜10mmの活性炭である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の廃液の処理方法。
  5. 前記活性炭は、水分を含む活性炭である、請求項4に記載の廃液の処理方法。
  6. 前記廃液は、ディーゼルエンジンで燃焼した後の排ガスが通されるフィルタを、グリコールエーテル系の有機溶媒またはその水溶液からなる洗浄液で洗浄した後の該洗浄液と、洗浄後の前記フィルタを水洗した後の排水とを凝集剤により凝集処理し、沈殿物を除去した後の上澄み液である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の廃液の処理方法。
  7. 排ガスを浄化するフィルタを洗浄した際に排出される液を含む廃液を処理する装置であって、
    前記廃液中の不純物を吸着する、所定以上の粒径を有する吸着剤と、
    前記廃液中に浸漬され、前記吸着剤を収容し、複数の穴を有する1以上の容器と、
    前記廃液を循環させ、前記廃液を前記1以上の容器内の前記吸着剤に接触させる液循環手段と
    を含む、廃液処理装置。
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