(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の一つの実施形態に係る遊技データ収集システム1を説明する。
まず、図1を参照して、遊技データ収集システム1について説明する。図1は、実施形態に係る遊技データ収集システム1全体の構成を示す図である。
遊技データ収集システム1では、複数のパチンコ機2(遊技機)、複数の台間機3(遊技用装置)、複数のスロット機5(遊技機)、複数の台間機6(遊技用装置)が島コンピュータ7を介してネットワーク8に接続されている。複数の台間機3は、複数のパチンコ機2にそれぞれに接続されている。複数の台間機6は、スロット機5間にそれぞれ備えられている。
以下、複数のパチンコ機2および複数のスロット機5を個別に説明する必要がある場合を除き、これらをまとめて「各遊技機」と称す。
遊技データ収集システム1には、上記説明した機器以外にも様々な機器が設けられる。計数機11、精算機12、景品管理機(POS)13、再プレー受付機14、発券機15、データ表示機16、データ公開機17などがそれぞれ接続されて備えられる。景品管理機13には、景品払出機18を併設することもできる。さらに、台間機3および6が紙幣識別装置(ビルバリ)を備えていない場合、台間機3および6に対応して、貯留機構付き紙幣識別装置(ビルバリ)10がそれぞれ取り付けられる場合がある。
これらの機器からの情報は、ネットワーク8を介して管理装置20(ホールコンピュータや景品管理装置、会員管理装置などの情報収集装置)に出力され、さらに、プロトコルコンバータ21、モデム22を介してカードセンタ23に送信される。なお、モデム22からカードセンタ23への情報の通信は、一般通信回線を介して行われる。
遊技データ収集システム1では、遊技者は、貨幣(紙幣や硬貨)、会員用カード30(遊技用記録媒体)、非会員用カード31(遊技用記録媒体)などを用いてパチンコやスロットなどの遊技を行うことができる。
詳細には、遊技データ収集システム1では、貨幣、会員用カード30、非会員用カード31により特定可能な度数(有価価値)によって遊技ホールと遊技者(会員の遊技者,非会員の遊技者)との間で、パチンコ玉やメダル(コイン)などの遊技媒体の貸借が行われ、遊技者は、貸借されたパチンコ玉やメダルを使用して遊技を行う。
「度数」とは、入金された金額を遊技によって消費される数値に変換(度数化)したもので、例えば、1万円を度数化すると100度数となる。
「会員の遊技者」とは、会員用カード30を有する遊技者であって、住所、氏名、年齢、性別、好きな台、連絡先、暗証番号などの属性情報が、会員の遊技者を個別に識別可能な会員番号と対応付けて管理装置20に登録されている遊技者をいう。
「非会員の遊技者」とは、会員の遊技者として情報が登録されていない一般の遊技者をいう。
会員用カード30および非会員用カード31は、従来から遊技データ収集システム1で使用されていたICチップおよびアンテナを有する非接触タイプの記録媒体であり、カード形状やコイン形状を有している。
非会員用カード31は、例えば、会員用カード30よりもカードの縦および横の長さが短く、さらに、厚さが薄く構成されていて会員用カード30と区別される。
会員用カード30には、カードID(記録媒体特定情報)が記憶されており、このカードIDには、会員の遊技者の種々の情報が紐付けられる。
この紐付けられる情報は、図4に示すように、例えば、遊技ID(収集用識別情報)、会員番号、度数残高、アウト(発射玉)、セーフ(遊技機への供給玉、つまり遊技の上皿への供給玉:遊技者の獲得玉)、利用した金額、などの情報である。
この他にも、度数残高、貯玉数(スロットの場合は、貯メダル)、ポイントや、図示を省略した勝敗(セーフからアウトを減じたもの)、貸玉数(スロットの場合は、貸メダル数)、遊技台種別などの情報、これらの情報を履歴情報、日毎情報、週毎情報とした情報、住所、氏名、年齢、性別、好きな台、連絡先、暗証番号なども紐付け可能である。また、遊技中は、例えば、遊技者が遊技している遊技台の番号や台間機3の番号を一時的に紐付けることもできる。
上記した度数残高や貸玉、貯玉など金銭的に価値のある情報を「価値情報」と呼ぶ。また、遊技を行った時間や発生した大当たり回数などを集計して紐づけてもよい。
上記の「アウト(発射玉)」は、スロットでは「イン(投入枚数)」と呼ばれることもある。ここではスロットであってもパチンコと同様に「アウト」と称す。同様に上記の「セーフ」は、スロットでは、「アウト(払い出されたメダルの枚数)」と呼ばれることもある。ここでは、スロットであってもパチンコと同様に「セーフ」と称す。
「ポイント」には、来店ポイント(台間機3および6に会員用カード30を差し込むと付与されるポイント)、貸玉ポイント(貸し玉数に応じて付与されるポイント)、勝敗ポイント(アウト数からセーフ数の差に応じて、負けた客に付与されるポイント)、稼動ポイント(アウト数に応じて付与されるポイント)などがある。
これらの情報は、管理装置20によって管理される。「管理」とは、これらの情報を更新したり、消去したり、保持したりすることである。この情報は、これらに限定されず、遊技情報の管理を行う上で必要な情報であれば適宜紐付けられる。
非会員用カード31にもカードID(記録媒体特定情報)が記憶されており、このカードIDには、非会員の遊技者の種々の情報が紐付けられる。
詳細には、遊技ID、度数、貸玉、入金などの情報、これらの情報を所定の期間に限って紐付ける。ただし、この情報は、これらに限定されず、遊技管理を行う上で必要な情報であれば適宜紐付けられる。
これらの紐付けられる情報は、会員用カード30に紐付けられる情報と同様に、管理装置20によって管理される。
非会員用カード31には、会員番号、ポイントなどの情報は紐付けられない。ただし、管理装置20は、これらの情報をいつでも紐付け可能なように、保持することができる。
上記情報のうち遊技IDは、例えば、台間機3および6に貨幣を投入したときに付与されるIDであり、以後の遊技の情報はこの遊技IDに対応付けられて管理される。例えば、会員用カード30および非会員用カード31を所有しない遊技者が貨幣によって遊技を開始した場合、まず遊技IDが発行され、この遊技IDに遊技情報が紐付けられて管理される。その後、例えば、非会員用カード31が発行された場合、遊技IDに対して非会員用カード31に記憶されているカードIDが追加で紐付けられて管理される。また、会員用カード30を所有している遊技者においては、貨幣を投入せずに会員用カード30を台間機3および6に挿入し遊技を開始する場合があるが、その場合、会員用カード30を受け付けた際に遊技IDを発行してもよい。
次に図2を用いて、台間機3および6について詳細に説明する。ただし台間機6は、台間メダル貸し機であるが、台間機3と対応する機能を有しているので、ここでは台間機3について主に説明し、台間機6については詳細な説明は省略する。
図2は台間機3の機能示すブロック図である。図2に示すように、台間機3は、制御部310、カード受付部320、カード処理部330、貨幣受付部340、ボタン部350、表示部360、ランプ部370、通信部380を備える。台間機3はユニットタイプでもよいしサンドタイプでもよい。また、例えば対応する遊技機において獲得したパチンコ玉(メダル)を計数することができる計数部を備えてもよい。
ユニットタイプの台間機3は、パチンコ機2と情報通信ができるので、パチンコ機2の貸玉ボタンが押されると、パチンコ機2内部からパチンコ機2の上皿へ直接パチンコ玉を供給することができる。
一方、サンドタイプの台間機3は、パチンコ機2と情報通信ができないので、パチンコ玉は、サンドのノズルよりパチンコ機2の上皿へ供給される。
なお、台間機6は、スロット機5と情報通信ができないので、メダルは、台間機6のメダル払出口に供給され、遊技者によってスロット機5に移動される。なお、台間機6(台間メダル貸し機)のメダル払出口にノズルを取り付け、自動的にメダルがスロット機5のメダル払出口に供給されるようにしてもよい。
制御部310は、図示しない演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの各種電子部品を有し、制御回路、LANや専用回線用の接続口に接続されるインターフェース回路、電源回路部、昇圧または降圧回路など台間機3を動作させるのに必要な各種の電気回路を有する。
制御部310は、これらの回路を有することによって、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行し、上記した各部(カード受付部320、カード処理部330、貨幣受付部340、ボタン部350、表示部360、ランプ部370)を制御したり、管理装置20、島コンピュータ7など外部の装置と情報通信を行ったりすることができる。
カード受付部320には、会員用カード30または非会員用カード31が挿入される。
カード処理部330は、ここでは図示を省略したカード貯留部、カード発行部、リーダライタ部を備える。リーダライタ部は、カード受付部320が受け付けた会員用カード30または非会員用カード31からカードIDを読み取る。また、会員用カード30または非会員用カード31に度数などの情報が記憶される場合は、カードIDに加えてこれらの情報も読み取る。
リーダライタ部は、その読み取った情報を制御部310へ出力したり、制御部310に制御されて更新された度数などの書き込みを行う。
カード処理部330は、カード貯留部、カード発行部を備える事により、使用済みの非会員用カード31を回収したり、貯留している非会員用カード31を新たに発行したりする機能を有する。
カード貯留部は、度数が「0」となり回収した非会員用カード31を貯留する。カード発行部は、カード貯留部から非会員用カード31を取り出し、例えば、カードIDや最新の価値情報などを新たに記憶させてカード受付部320から排出(発行)する。「最新の価値情報」は、例えば、遊技中に消費されずに残った度数を示す情報である。この情報は、残価値情報や残額情報と呼ばれることがある。
新たな非会員用カード31を発行した場合、カード処理部330は、制御部310に制御されて、非会員用カード31を発行したことを発行情報S5として管理装置20に送信する。この発行情報S5には、非会員用カード31を発行したことを示す情報と、この新たな非会員用カード31に記録されたカードIDが含まれる。この発行情報S5には、非会員用カード31に記憶させた最新の価値情報を含めてもよい。すなわち非会員用カード31発行時点において、度数が残っている場合は該情報も発行情報S5に含めることができる。
貨幣受付部340は、紙幣識別装置と接続されており、紙幣識別装置に貨幣が挿入されたことや貨幣の金額を認識することができる。
ボタン部350は、貸玉ボタン351(遊技機に貸玉ボタンを有しているので台間機3にはない場合もある。)、再プレー用貸玉ボタン352、返却ボタン353を備える。
貸玉ボタン351は、遊技者がパチンコ玉の貸し出しを要求するときに、押されるボタンである。例えば、貸玉ボタン351が1回押されると500円分のパチンコ玉が貸し出しされる。
台間機6では、貸玉ボタン351および再プレー用貸玉ボタン352は、設けられず、その代わりに台間機6には、これらのボタンに対応する貸メダルボタンおよび再プレー用貸メダルボタンが設けられる。
貸メダルボタンは、遊技者がメダルの貸し出しを要求するときに押されるボタンである。例えば、貸メダルボタンが1回押されると1000円分のメダルが貸し出しされる。
再プレー用貸玉ボタン352(台間機6の場合は、再プレー用貸メダルボタン)は、遊技者が再プレー(貯玉の再払い出し)を要求するときに押されるボタンである。
次に図3〜図5を用いて、管理装置20について説明する。図3は管理装置20の機能を示すブロック図である。図4は、管理装置20が備えるデータベース部250に記憶されるテーブルを示す概念図である。図5は、管理装置20が備える状態監視部240が監視する各遊技機の状態を説明する概念図である。
図3に示すように、管理装置20は、制御部210、タイマ部220、情報集計管理部230、状態監視部240、データベース部250、通信部260、ID管理部270を備える。
これら(制御部210、タイマ部220、情報集計管理部230、状態監視部240、データベース部250、通信部260、ID管理部270)は、例えば、ICチップなどの電子素子、電気回路、外付けタイプの装置(外部装置)やこれらを動作させる種々のプログラムによって実現される
管理装置20は、1台のコンピュータで構成してもよいし、複数のコンピュータをケーブルやネットワークで接続して全体で一つの管理装置20として機能するように構成してもよい。
管理装置20は、上記したように、例えば、会員用カード30または非会員用カード31に紐付けられる情報を管理する。管理装置20は、この管理の一環として遊技IDを発行する。
これらの情報の管理方法には、例えば、以下(1)〜(5)がある。
(1)会員用カード30には、会員番号またはカードIDだけが記録され、その他の情報は管理装置20が管理する。
(2)会員用カード30には、会員番号以外にも、上記した度数などの情報を全てまたは一部が記録され、さらに、管理装置20もこれらの情報を管理するシステム。
(3)非会員用カード31には、カードIDだけが記録され、その他の情報は管理装置20が管理するシステム。
(4)非会員用カード31には、カードID以外にも、上記した度数などの情報が全てまたは一部が記録され、さらに、管理装置20もこれらの情報を管理するシステム。
(5)会員用カード30または非会員用カード31には、カードIDを含む上記した度数などの情報が全てまたは一部が記録され、管理装置20においては、その記録された情報の全てまたは一部を管理しないシステム。この場合、非会員用カード31に記録された情報は、必要に応じて適宜管理装置20に送信される。
管理装置20には、管理装置20の情報を参照する機能を含んだパーソナルコンピュータ20a(図1参照)が接続される。管理装置20からの情報は、ネットワーク8を介して各機器に出力することができる。この結果として、例えばデータ表示機16において、複数のパチンコ機2のスランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報を表示することができる。
制御部210は、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)から主に構成され、CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。
制御部210は、情報集計管理部230、状態監視部240、通信部260、ID管理部270を制御したり、島コンピュータ7、パチンコ機2、スロット機5および台間機3および6など図1に示した遊技データ収集システム1を構成する各機器とネットワーク8介して情報通信をしたりする。
制御部210は、データベース部250の情報を読み取り、データベース部250が保持する種々の情報を検索し抽出する機能を備える。この情報の検索および抽出は、制御部210が行うこともできるし、例えば、ID管理部270を制御することで、ID管理部270が行うこともできる。
タイマ部220は所定時間(例えば、数秒〜数分の範囲で任意の期間)を計時する。タイマ部220は制御部210、情報集計管理部230または状態監視部240などに制御されて計時動作を開始し、所定時間を計時すると、タイムアップしたことを制御部210、情報集計管理部230または状態監視部240などに通知する。
タイマ部220は、タイムアップ通知後、制御部210、情報集計管理部230または状態監視部240などによってリセットされる。ただし、タイムアップ通知後、タイマ部220が自らカウント値をリセットしてもよい。
情報集計管理部230は、制御部210に制御されて、島コンピュータ7や台間機3および6、各遊技機から送信された種々の情報に基づき例えば、下記(1)〜(6)の各情報(図4参照)を遊技情報としてデータベース部250へ登録したり、集計したり、必要に応じて制御部210に通知したりする。
(1)稼働/非稼働
「稼働」とは、各遊技機において遊技が行われている最中であることを示す。「非稼働」は、遊技が終了または一時的に中断していることを示す。
各遊技機の稼働または非稼働はフラグ(例えば0:非稼働,1:稼働)によって管理される。
このフラグ立てをパチンコ機2における遊技を例に説明すると、情報集計管理部230は、パチンコ機2における遊技の結果、アウトが所定期間中に累積で例えば50玉以上の場合は、稼働と判定してデータベース部250へ登録する。
スロット機5の場合には、アウトまたはセーフが所定期間中に累積で例えば10枚以上の場合は稼働とみなす。
稼働から非稼働へのフラグ立ての変更は、1)1個のパチンコ玉がアウトしてから所定期間の間にさらにアウトがあるか否かを情報集計管理部230が監視および判定し、2)この所定期間の間にアウトがなかった場合、タイマ部220に所定時間(例えば2分間)計時を行わせ、3)この計時の最中にさらにアウトがなかった場合に行われる。
なお、上記した稼働・非稼働の判定には、アウトのかわりにセーフが所定期間中に所定以上増加することを監視することで行ってもよいし、台間機3および6、各遊技機から送信された全ての遊技情報の受信状況により判定してもよい。また、所定期間の間に50玉以上の変化の有無によって「アウトが有る」または「アウトが無い」ことを判定してもよい。
(2)遊技者監視タイム
タイマ部が計時する時間情報(例えば、○秒や○分などの計時情報や、タイマ部の停止・計時中を示すフラグ)である。
(3)玉の増加情報
所定期間中に増えた獲得玉であり、例えば所定期間(数秒から1分程度)中に10玉以上増加した場合には情報集計管理部230は「獲得玉が増加している」と判定し、10玉未満の場合「獲得玉に変化なし」と判定する。
(4)カード情報
台間機3および6における会員用カード30または非会員用カード31の挿入状況や内部メモリ(RAM)に度数を貯めて遊技が行われているか否かを指す。
ここでは、挿入された会員用カード30によって遊技が行われている場合には「会員」,挿入された非会員用カード31によって遊技が行われている場合には「非会員」,内部メモリに度数を貯めて遊技が行われている場合には「内部メモリ」,これらのいずれにも当てはまらない場合には「なし」という情報がデータベース部250に登録される。
(5)閉店要求
閉店処理を行うか否かを示し、フラグ立てすることで管理される。
(6)クリア要求
遊技ホールの営業中に、メンテナンスのためなど必要に応じて行われる遊技データのクリア作業の要不要を示し、フラグ立てすることで管理される。
情報集計管理部230は、これらの情報以外にも、例えば、スタート回数や大当たり回数、など、図4に示した種々の情報の集計や管理も行う。
また、これら以外にも大当たり中か否か、確変中か否か、テーブルの最終更新時間などの情報も管理することができる。
これらの遊技情報の管理は、例えば、パチンコ機2から出力される、大当り信号、スタート信号、入賞信号、確変信号、アウト信号、セーフ信号、排出するパチンコ玉数に関する信号や、台間機3から出力される、入金信号、貸玉信号、再プレー貸玉信号などに基づいて行われる。
また、情報集計管理部230は、これらの情報の管理を例えば、スロット機5から出力される、レギュラーボーナス信号、ビッグボーナス信号、スタート信号、IN信号、OUT信号、排出するメダル数に関する信号や、台間機6から出力される、入金信号、貸メダル信号、再プレー貸メダル信号に基づいて行うこともできる。
これらの遊技情報はデータベース部250にテーブルとして記憶され、数値、1や0によるフラグ情報、文字列など種々の情報が対応付けられる。このテーブルは、情報集計管理部230だけでなく制御部210に制御された状態監視部240によっても管理される。
なお、図4では、全ての情報が一つのテーブルで管理されている例を示しているが、テーブルを複数用意し、これらの情報を分散して管理することもできる。分散されたテーブルは、テーブル固有の識別子(例えば、図4中の「データ番号」参照)をそれぞれ紐付けることよって、関連させて管理することができる。
これらの遊技情報は、情報集計管理部230において、履歴情報、日毎情報、週毎情報などとしても管理することができる。
例えば、情報集計管理部230は、大当り種別毎に遊技情報を集計するなど、種々の情報毎に集計データを管理する。情報集計管理部230は、遊技情報に基づいて、遊技機の各入賞口のうちのいずれの入賞口に入賞したかを判定することもできる。
状態監視部240は、制御部210に制御されて、情報集計管理部230が管理する上記の遊技情報(例えば、稼働/非稼働などの状態など全ての遊技情報)に基づいて、各遊技機を「空台状態」、「遊技状態」、「監視状態」の3つの状態に区分する(図5参照)。
「空台状態」は、遊技者により遊技機が占有されていない状態を指す。「遊技状態」は、遊技の最中であることを指す。
「監視状態」は、空台状態と遊技状態の中間の状態であり、例えば、パチンコ玉のアウトやセーフがなく遊技中であると判定できないが、空台状態でもない状態を指す。例えば、遊技者は遊技をやめて退店したのかもしれないし、トイレなどに離席しているなど一時的に遊技が中断しているだけかもしれないという状態である。
空台状態から遊技が開始されると遊技状態となる。遊技状態から遊技が終了すると空台状態となる。
遊技状態から特定の条件を満たすと仮終了となり監視状態になる。この特定の条件については後述する。
監視状態から遊技が再開されると再び遊技状態となる。このとき、同一の遊技者による遊技の再開(継続)と、ほかの遊技者による遊技の開始(交代)がある。監視状態から遊技が終了していると判断すると空台状態となる。
データベース部250は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)など種々の記憶装置を備えている。データベース部250には、上記した情報がテーブルとして記憶される。これらの情報は必要に応じて適宜読み書きされる。
通信部260は、ネットワーク8を介して図1に示した各機器(例えば、台間機3)と情報(信号)の送受信を行うためのインターフェースである。
ID管理部270は、ID検索部271、ID発行部272およびID登録部273を備える。
ID検索部271は、制御部210に制御されて、データベース部250に記憶されたテーブルから、所定の遊技IDを検索する。ID検索部271は、検索の結果として、遊技IDの有無や遊技IDが検索された場合には、その遊技IDを制御部210に通知する。
ID発行部272は、制御部210に制御されて新たに遊技IDを発行する。遊技IDの発行は、ID発行部272が、所定の桁の英数字を組み合わせてランダムに生成することでおこなってもよいし、データベース部250の所定の領域にあらかじめプールされた連番の数字や英数字を適宜読みだして遊技IDとして適用してもよい。
ID登録部273は、制御部210に制御されてID発行部272が発行した遊技IDをデータベース部250に記憶させる。また、ID登録部273は、発行情報S5に含まれるカードIDを遊技IDと対応付けてデータベース部250に登録する。
次に、図6を参照して台間機3および6の動作を説明する。ただし、各台間機3および6における基本的な動作は同じであるので、ここでは、一例として台間機3の動作について説明する。図6は台間機3の動作を示すフローチャートである。
以下の説明では、会員用カード30または非会員用カード31には、カードIDだけが記録され、その他の情報は管理装置20において一元的に管理されているものとする。
台間機3は、カード受付部320に会員用カード30または非会員用カード31が挿入されず(ステップS111のNo)、また紙幣識別装置に貨幣が挿入されない状態(ステップS113のNo)では、これらが挿入されるまで待機している(ステップS110)。
カード受付部320に会員用カード30または非会員用カード31が挿入された場合(ステップS111のYes)、カード処理部330は、カード受付部320が受け付けた会員用カード30または非会員用カード31からカードIDを読み取る。カード処理部330は、読み取ったカードIDを制御部310に送信する。
制御部310は、カード処理部330からカードIDを受信する。制御部310は、カード受付部320に会員用カード30または非会員用カード31が挿入されことを示すカード挿入情報と、カード処理部330から受信したカードIDをカード情報S1(記録媒体受付情報)として管理装置20に送信する(ステップS112)。会員用カード30または非会員用カード31に度数などの情報が全てまたは一部が記録されるような場合は、このカード情報S1に、カード挿入情報、カードIDに加えて会員用カード30または非会員用カード31に記憶された度数の情報(残価値情報)を含めてもよい。
なお、カード情報S1を受信した管理装置20は、受信したカードIDに紐づけて記憶している残価値情報を検索し、該残価値情報を台間機3に返信する。返信された残価値情報は台間機3により記憶される。
カード受付部320に会員用カード30または非会員用カード31が挿入されず(ステップS111のNo)、紙幣識別装置に貨幣が挿入された(ステップS113のYes)場合、貨幣受付部340は、挿入された貨幣の種類および金額を識別し、この識別した貨幣の種類および金額を示す情報を制御部310に送信する。
制御部310は、貨幣受付部340から貨幣の種類および金額を示す情報を受信する。制御部310は、貨幣が挿入されたことを示す貨幣挿入情報と、貨幣受付部340から受信した貨幣の種類および金額を示す情報を貨幣受付情報S2として管理装置20に送信する(ステップS114)。
ステップS112またはS114が終了すると、制御部310は、遊技者が遊技機で遊技するための種々の処理(遊技開始処理)を行う(ステップS115)。カード受付部320は、読み取ったカードIDを制御部310に送信する。
「種々の処理」とは、例えば、挿入された会員用カード30または非会員用カード31や貨幣に基づいて度数に変換したり、パチンコ玉を貸し出したり、すでに説明した遊技情報を管理装置20に送信したりすることである。
以後、制御部310は、遊技が終了するまで、遊技に必要な種々の処理を実行していく。
例えば、遊技の途中で貨幣が追加挿入された場合(ステップS116のYes)、制御部310は、挿入された貨幣の額に対応する度数を現在残っている度数(残価値)に追加(加算)する処理を行う。そして、制御部310は、ステップS114と同様に、貨幣が挿入されことを示す貨幣挿入情報と、貨幣の種類および金額を示す情報を貨幣受付情報S2として管理装置20に送信する(ステップS117)。
遊技中に、残価値が0になった場合(ステップS118のYes)、制御部310は、この旨を示す情報を残価値0情報S3として管理装置20に送信する(ステップS119)。
カード受付部320は、読み取ったカードIDを制御部310に送信する。
「残価値」とは、まだ消費されていない有価価値の残りを意味し、「残価値が0」とは例えば、度数を全て消費した状態を指す。
遊技中に、残価値が0にならない場合(ステップS118のNo)、残価値0情報S3は、管理装置20には送信されない。なお、残価値が0になったかどうかを管理装置20が管理するようにしてもよい。この場合には、残価値0情報S3に対応する情報が、管理装置20内で送受信される。同様に、カード情報S1や貨幣受付情報S2に対応する情報が、管理装置20内で送受信されるように構成してもよい。
制御部310は、カード返却、あるいはカード発行を行うために遊技者により返却ボタン353が押されるまで上記したステップS115〜119の処理を繰り返す(ステップS120のNo)。
返却ボタン353が押され、制御部310がこれを検知した場合(ステップS120のYes)、制御部310は、会員用カード30が挿入されているか否かで異なる制御を行う(ステップS121)。
例えば、会員用カード30が挿入されている場合(ステップS121のYes)、制御部310は、カード処理部330を制御して、挿入されている会員用カード30を排出させて遊技者にカードを返却する(ステップS122)。
制御部310は、会員用カード30を返却したことを示す返却情報S4を管理装置20に送信する(ステップS123)。なお、返却情報S4には会員用カード30に紐づける残価値情報が含まれる。また、制御部310が残価値情報を管理するシステムの場合、このとき制御部310が、会員用カード30に対して最新の残価値情報を記憶させてからこのカードを返却してもよい。
ステップS123の処理の後、制御部310は、ステップS110の待機状態に戻る。
ステップS121において、会員用カード30ではなく、非会員用カード31が挿入されている場合または非会員用カード31も挿入されておらず、貨幣の挿入により内部メモリに残価値情報が記憶された状態にて遊技が行われている場合がある(ステップS121のNoおよびステップS124)。
まず非会員用カード31が挿入されている場合(ステップS124のYes)を説明する。
制御部310は、残価値が0か否かで異なる制御を行う(ステップS125)。残価値が0の場合(ステップS125のYes)、制御部310は、カード処理部330を制御して、非会員用カード31を使用済みのカードとして回収させる(ステップS126)。あるいは、例えばステップS120におけるカード返却操作の検知を伴わずとも、ステップS119において残価値0情報S3を送信した後、挿入されているカードが非会員用カード31であればこの回収処理を行う構成としてもよい。
制御部310は、非会員用カード31を回収したことを示す回収情報S6を管理装置20に送信する(ステップS127)。
ステップS127の処理の後、制御部310は、ステップS110の待機状態に戻る。
残価値が0ではない場合(ステップS125のNo)がある。このシチュエーションとしては、ステップS120において、例えば度数がまだ残っている状態で返却ボタン353が押された場合が考えられる。
この場合、制御部310は、カード処理部330を制御して、挿入されている非会員用カード31を排出させて遊技者にカードを返却する(ステップS128)。
制御部310は、非会員用カード31を返却したことを示す返却情報S4を管理装置20に送信する(ステップS129)。なお、返却情報S4には非会員用カード31に紐づける残価値情報が含まれる。また、制御部310が残価値情報を管理するシステムの場合、このとき制御部310が、非会員用カード31に対して最新の残価値情報を記憶させてからこのカードを返却してもよい。
ステップS129の処理の後、制御部310は、ステップS110の待機状態に戻る。
ステップS124において、非会員用カード31が挿入されておらず、貨幣の挿入により内部メモリに残価値情報が記憶された状態にて遊技が行われている場合の処理を説明する(ステップS124のNo)。
制御部310は、残価値が0か否かで異なる制御を行う(ステップS130)。残価値が0の場合(ステップS130のYes)、制御部310は、ステップS110の待機状態に戻る。
残価値が0ではない場合(ステップS130のNo)がある。このシチュエーションとしては、ステップS120において、例えば度数がまだ残っている状態で返却ボタン353が押された場合が考えられる。
制御部310は、カード処理部330を制御して、非会員用カード31を新たに発行する(ステップS131)。すなわち、カード貯留部に貯留されていた非会員用カード31が新たな非会員用カード31として排出される。
制御部310は、非会員用カード31を発行したことを示す情報と、この新たな非会員用カード31に記録されたカードIDを発行情報S5として管理装置20に送信する(ステップS132)。なお、発行情報S5には非会員用カード31に紐づける残価値情報が含まれる。また、制御部310が残価値情報を管理するシステムの場合、このとき制御部310が、新たに発行する非会員用カード31に対して最新の残価値情報を記憶させてからこのカードを排出(発行)してもよい。
ステップS132の処理の後、制御部310は、ステップS110の待機状態に戻る。
以上説明したように、この実施形態の台間機3は、会員用カード30または非会員用カード31や貨幣が挿入されたことに対応して、カード情報S1や貨幣受付情報S2を管理装置20に送信する。管理装置20は、このカード情報S1や貨幣受付情報S2などの情報に対応して遊技IDを発行したり種々の処理を行ったりする。
次に、図7〜9を参照して、管理装置20の動作を説明する。図7は、管理装置20の動作を示すフローチャートである。図8は、図7に示す第1の遊技状態監視処理の動作を示すフローチャートである。図9は、図7に示す第2の遊技状態監視処理の動作を示すフローチャートである。
以下、説明を分かりやすくするため、台間機3およびパチンコ機2を対象とした動作について説明し、対応する台間機6やスロット機5の動作の説明は省略する。
すでに説明したように、管理装置20(制御部210に制御された状態監視部240)は、パチンコ機2の現在の状態(空台状態、監視状態、遊技状態)を区分している。
図7に示すようにパチンコ機2が空台状態である場合(ステップS31のYes)、制御部210に制御された状態監視部240は、例えば、カード情報S1や貨幣受付情報S2などの情報(信号)の受信に基づいて、パチンコ機2において遊技が開始されたか否かを監視している(ステップS32の「第1の遊技機状態監視処理」)。なお、遊技の開始はカード情報S1や貨幣受付情報S2に限らず、台間機3に対応して備えられる遊技媒体計数装置にて計数が行われたことを示す計数信号や貸玉を行ったことを示す貸玉信号、アウトやセーフに基づいても監視してもよい。遊技客がパチンコ機2において遊技を行っている、もしくは行おうとしていることを示す全ての遊技情報が含まれる。
すでにパチンコ機2が遊技状態であり空台状態ではない場合(ステップS31のNo)、「第1の遊技機状態監視処理」は行われない。
パチンコ機2が遊技状態である場合(ステップS33のYes)、状態監視部240は、遊技状態から監視状態へ区分を変更するか否かの判定を行う(ステップS34の「第2の遊技機状態監視処理」)。遊技状態から監視状態への区分の変更、または、遊技状態から空台状態への区分の変更の判定は、「第2の遊技機状態監視処理」の中で行われる。
パチンコ機2が、空台状態であり遊技状態ではない場合(ステップS33のNo)、「第2の遊技機状態監視処理」は行われない。
ステップS34の後、または、ステップS33がNoの場合、状態監視部240は、データベース部250のテーブルの遊技終了のフラグに基づいて、このフラグが0(遊技終了ではない)の場合(ステップS35のNo)は、ステップS31〜S34の処理を繰り返す。
また、遊技終了のフラグが1(遊技終了)の場合(ステップS35のYes)、状態監視部240は、パチンコ機2を空台状態に区分する(ステップS36)。状態監視部240は、この後、ステップS31の状態に戻る。
次に、図8を用いて図7のステップS32の「第1の遊技機状態監視処理」について詳細に説明する。図8に示すように、管理装置20(制御部210)は、状態監視部240がパチンコ機2を空台状態に区分しているときに、通信部260を介して台間機3からカード情報S1または貨幣受付情報S2を受信することがある(ステップS321及びS322)。
カード情報S1または貨幣受付情報S2のどちらも受信しない場合(ステップS321のNo及びS322No)、パチンコ機2が空台状態のままであることを意味する。
カード情報S1を受信した場合(ステップS321のYes)、制御部210は、状態監視部240を制御してデータベース部250に記憶されたテーブルのうち、遊技機の状態を「空台状態」から「遊技状態」に更新させる(ステップS323)。
次に、制御部210は、ID管理部270を制御して、カード情報S1に含まれたカードIDに紐付けられた遊技IDをデータベース部250のテーブルから検索させる(ステップS324)。
遊技IDが検出されると、制御部210は、以後、情報集計管理部230や状態監視部240を制御して、この検出された遊技IDを含むテーブル(図4参照)に対してパチンコ機2の遊技情報やこのパチンコ機2に接続された台間機3からの情報を管理していく(ステップS325)。よって、カード情報S1に含まれたカードIDに紐付けられた遊技IDに紐づけられて管理されていく。
ステップS325の処理の後は、図7のステップS33以後の処理が行われる。
台間機3からカード情報S1ではなく(ステップS321のNo)、貨幣受付情報S2を受信した場合(ステップS322のYes)、制御部210は、状態監視部240を制御してデータベース部250に記憶されたテーブルのうち、遊技機の状態を「空台状態」から「遊技状態」に更新させる(ステップS326)。なお、貨幣受付情報S2の代わりに例えば、台間機3に対応して備えられる遊技媒体計数装置における計数情報の受信、台間機3における遊技媒体払出情報の受信、遊技機から出力されるアウト信号、セーフ信号、貸玉信号などの信号を受信した場合に遊技機の状態を「遊技状態」に更新してもよい。
次に制御部210は、ID管理部270を制御して、新たな遊技IDを発行させ、データベース部250に登録させる。ID管理部270は、発行した新たな遊技IDを含むテーブル(図4参照)をデータベース部250に登録する(ステップS327)。この新たに登録されたテーブルには、カードID、暗証番号など、遊技を開始する前の情報はまだ登録されておらず、ブランクを示すデータ(例えば、数字の「0」)で埋められている。
新たに生成された遊技IDを含むテーブルが登録されると、制御部210は、以後、情報集計管理部230や状態監視部240を制御して、この登録されたテーブルに対してパチンコ機2の遊技情報やこのパチンコ機2に接続された台間機3からの情報を管理していく(ステップS325)。
次に図9を用いて図7のステップS34の第2の遊技機状態監視処理について詳細に説明する。
図9に示すように、制御部210は、状態監視部240がパチンコ機2を遊技状態に区分しているときに、台間機3から返却情報S4、発行情報S5、回収情報S6(図9のステップS341の「情報S4〜S6」参照)を受信したり、残価値0情報S3(図9のステップS342の「情報S3」参照))を受信したりすることがある。
台間機3から返却情報S4、発行情報S5、回収情報S6を受信した場合(ステップS341のYes)、制御部210は、パチンコ機2が稼働状態か否かで異なる処理を行う(ステップS343)。
パチンコ機2が稼働状態であるシチュエーションの一例としては、ステップS341において、返却情報S4を受信した場合であっても、パチンコ機2の上皿にまだパチンコ玉が残っており、遊技が可能である場合が考えられる。
パチンコ機2がまだ稼動状態のとき(ステップS343のYes)にカード情報S1または貨幣受付情報S2(ステップS344中の「情報S1」または「情報S2」参照)を受信した場合(ステップS344のYes)、制御部210は、同一の遊技者による遊技が継続しているものとして、状態監視部240によるパチンコ機2の状態を遊技状態に維持させ、以後の遊技情報も現在管理しているテーブルに引き続き紐付けて管理していく(ステップS355)。
ただし、S341において返却されたカードが会員用カードであって、S344にて受信したカード情報S1がS341にて返却された会員用カードとは異なる会員用カードの場合は、遊技が終了し、他の遊技者による遊技が開始されたと判断し、ステップS321以降の処理を行ってもよい。
なお、制御部210は、ステップS343において、パチンコ機2の稼働状態によってそれ以後の処理を行うのではなく、稼働状態ではなくとも、返却情報S4、発行情報S5、回収情報S6を受信したことに対応して、所定の時間をタイマ部220に計時させ、この計時状態に対応させて以後の処理を行うようにしてもよい。
例えば、所定時間内にカード情報S1または貨幣受付情報S2を受け取ったことに対応して、状態監視部240によるパチンコ機2の状態を遊技状態に維持させるようにしてもよい。
ステップS344において、カード情報S1または貨幣受付情報S2を受信しない場合(ステップS344のNo)、制御部210は、ステップS343の処理に戻る。
ステップS343において、遊技機が非稼動状態のとき(ステップS343のNo)、制御部210は、ステップS342の処理を実行する。
残価値0情報S3を受信しない場合(ステップS342のNo)、制御部210は、遊技を継続するか否かの判定を行う(ステップS345)。この判定に用いられる情報は、例えば、現在管理しているテーブルにおけるクリア要求や閉店要求のフラグである。
これらのフラグが1(On)の場合、制御部210は、現在管理しているテーブルの遊技終了フラグに1(遊技終了)を書き込み、第2の遊技機状態監視処理を終了する(ステップS345のNoおよびステップS346)。
また、制御部210は、ステップS341にて、台間機3から返却情報S4、発行情報S5または回収情報S6のいずれかを受信していた場合には、ステップS346の処理を行ってもよい。
遊技が継続される場合(ステップS345のYes)、制御部210は、遊技情報を現在の遊技情報が対応付けられているテーブルに対して引き続き管理していく(ステップS347)。そして、制御部210は、遊技状態から監視状態へ区分を変更する必要が無いので、第2の遊技機状態処理を終了する。
ステップS345のYesとなるシチュエーションの一例は、ステップS341およびS342において、残価値0情報S3、返却情報S4、発行情報S5、回収情報S6のいずれも受信していない場合である。
ステップS342において残価値0情報S3を受信した場合(ステップS342のYes)、制御部210は、状態監視部240を制御して、例えば以下(1)〜(4)の要素からパチンコ機2の状態を遊技状態から監視状態に区分するか否かを判定させる(ステップS348)。
(1)データベース部250が記憶するテーブルにおいて、パチンコ機2が非稼働であるフラグが立っている場合
(2)確変中、大当たり回数に変化がない場合
(3)計数玉数が変化していない場合
(4)食事中のフラグが0の場合(食事中ではない場合)
なお、上記(1)〜(4)の要素は、これらに限定されず、例えば、返却情報S4、発行情報S5、回収情報S6などを受信したか否かも勘案してもよいし、パチンコ機2あるいは台間機3から送信される全ての遊技情報に基づいてもよい。
これらのうち複数または全てを満たす場合、遊技者が遊技を終了して席を離れたか、または、例えばトイレなど一時的に離席した可能性がある(仮終了)。
したがって、この場合、この後、新たな遊技者が遊技を開始するか、離席した遊技者が戻ってきて遊技を再開することが考えられる。
そこで、状態監視部240は、パチンコ機2を監視状態に区分する(ステップS348のYes)。状態監視部240は、データベース部250のテーブルの「遊技機の状態」に監視状態を示す情報を書き込む(ステップS349)。
ステップS348において、上記条件(1)〜(4)を満たさない場合、制御部210は、ステップS345の処理を行う。
ステップS349の後、制御部210は、タイマ部220に遊技者監視タイム(例えば、3分間)を計時させる(ステップS350)。
遊技者監視タイムが計時されている最中(ステップS351のNo)に、新たにカード情報S1または貨幣受付情報S2(ステップS352の「情報S1」または「情報S2」参照)を受信した場合(ステップS352のYes)、同一の遊技者による遊技の再開を意味する。
この場合、制御部210は、タイマ部220を制御して遊技者監視タイムの計時を停止させる(ステップS353)。このときタイマ部220の計時のリセットも行われる。
状態監視部240は、データベース部250のテーブルの「遊技機の状態」の監視状態を示す情報を遊技中を示す情報に更新する。
以後、制御部210は、監視状態と区分する直前の遊技において遊技情報が更新されていたテーブルに対して、新たに始められた遊技の遊技情報を対応付けて管理していく(ステップS354)。つまり、監視状態と区分する直前の遊技において遊技情報が紐づけられていた遊技IDに新たな遊技情報も紐づけられていく。
また、ステップS352において受け付けた情報がカード情報S1であって、該カード情報S1に含まれるカードIDが監視状態と区分する直前と異なるカードIDの場合、該カードIDも監視状態と区分する直前の遊技において遊技情報が紐づけられていた遊技IDにも紐づけられる。
なお、監視状態と区分する直前のカードIDとステップS352において受信したカード情報S1に含まれるカードIDが夫々異なる会員用カード30のカードIDの場合は、ステップS350における監視タイムの計時時間に関わらず遊技者が交代したと判断してもよい。その場合、ステップS352において受信したカード情報S1に含まれるカードIDに紐づけられている遊技IDの検索を行い、該遊技IDにその後の遊技情報が紐づけられる。
ステップS352において、新たにカード情報S1または貨幣受付情報S2を受信しなかった場合(ステップS352のNo)には、これらの情報S1またはS2を受信するか、遊技者監視タイムがタイムアップするまでステップS351およびS352の処理が繰り返される。
遊技者監視タイムがタイムアップした場合(ステップS351のYes)、制御部210は、データベース部250のテーブル中の遊技終了のフラグを1(遊技終了)にしてこの第2の遊技機状態監視処理を終了する(ステップS356)。
ステップS351のYes以後にカード情報S1または貨幣受付情報S2を受信した場合は、異なる遊技者による遊技の開始として処理される(遊技者の交代)。例えば、貨幣受付情報S2を受信した場合には、データベース部250には、新たなテーブルが登録される。
遊技者の継続か交代かについては、パチンコ機2や台間機3に顔認識用のカメラや指紋認証装置や体重や体型などを計測可能なセンサを設け、遊技者の特徴を機械的に捉えて解析することで、同一の遊技者が戻ってきて遊技を再開したのか、それとも別の遊技者が遊技を開始したのかを判定するようにしてもよい。この判定は、制御部210が行う。
また、上述の通り遊技者監視タイムの計時中に新たな会員用IDカード30が挿入された場合には、別の遊技者が遊技を開始したと判定してもよい。
上記図7〜図9の各ステップのいずれかにおいて、台間機3から返却情報S4、発行情報S5、回収情報S6を受け取った場合、制御部210は、ID管理部270などの各部を制御してデータベース部250のテーブルを更新する。
例えば、返却情報S4や回収情報S6を受信した場合には、テーブル中の「カード情報」や「カードID」にブランクや未挿入を示す情報を書き込む。
例えば、発行情報S5を受信した場合には、ID管理部270を制御して、現在の遊技情報が対応付けられているテーブルに対して発行情報S5に含まれるカードIDを紐付ける。
以上説明したように、この実施形態の遊技データ収集システム1によれば、貨幣の投入に対応して遊技IDが作成され、以後の遊技情報はこの遊技IDに紐付けられて記憶される。
そして、この貨幣の投入によりはじめられた遊技情報と、遊技者監視タイムが計時中に挿入された貨幣や会員用カード30および非会員用カード31による遊技情報とを対応付けて保存できるので、遊技情報のうちの一部が紐付けられずに、情報の精度が落ちてしまうことを防止することができる。
すなわち、遊技データ収集システム1によれば、1の遊技者の遊技情報の全てがその遊技者の遊技情報として正確に収集されずに遊技情報の精度が落ちてしまうことを防止することができる。
以下に、本願の一実施形態に係る発明の要旨を記載する。「( )」中の文言、例えば「玉」や「メダル」は、具体例である。
[1]
遊技媒体(玉、メダル)を使用して遊技を行う複数の遊技機(パチンコ機、スロット機)の各々に対応して設けられ、遊技者が所持する記録媒体特定情報(カードID)が記録された遊技用記録媒体(非会員カード、会員カード、記録媒体の種類:コイン等)、または、貨幣(紙幣、硬貨)を受付け、該受付けた遊技用記録媒体または貨幣から特定される価値情報(カード等:度数残額、貯玉(メダル))に基づいて遊技に使用可能な遊技媒体に変換するための変換処理(玉(メダル)貸処理、)を実行する複数の遊技用装置(カードユニット、台間玉(メダル)貸機)と、
前記複数の遊技機および前記複数の遊技用装置と通信可能に接続され、少なくとも該複数の遊技機から送信される各種情報(スタート、特賞等)を収集する情報収集装置(ローカルコンピュータ、ホールコン)と、
からなる遊技データ収集システムであって、
前記遊技用装置は、
前記遊技用記録媒体が受付けられた場合、該遊技用記録媒体に記録された前記記録媒体特定情報を含む記録媒体受付情報(カード挿入情報+カードID(+残額情報))を送信し、
前記貨幣が受付けられた場合、該貨幣が受付けられたことを示す貨幣受付情報(貨幣挿入情報+金額情報)を送信し、
前記受付けられた遊技用記録媒体を返却する場合、該遊技用記録媒体を返却することを示す返却情報(カード返却情報(+残額情報))を送信し、
前記受付けられた貨幣による残価値情報がある場合、遊技者からの要求に応じて該残価値情報を特定可能な前記遊技用記録媒体を発行するとともに、該遊技用記録媒体に記録された前記記録媒体特定情報を含むとともに該遊技用記録媒体の発行を示す発行情報(カード発行情報+カードID+残額情報)を送信する処理と、を実行し、
前記情報収集装置は、
前記貨幣受付情報を受信した場合、前記各種情報を対応付けて収集するための収集用識別情報(遊技ID)を新たに登録し、
該収集用識別情報を登録した後に前記各種情報を受信した場合、該収集用識別情報に対応付けて該各種情報を収集し、
前記収集用識別情報を登録した後に前記発行情報を受信した場合(貨幣挿入し、遊技IDを発行し、残額有があった場合、カード発行する)、該発行情報から特定される前記記録媒体特定情報を該収集用識別情報と対応付けて記憶し、
前記記録媒体受付情報を受信した場合、該記録媒体受付情報から特定される前記記録媒体特定情報が対応付けられた前記収集用識別情報を特定し、
該収集用識別情報を特定した後に前記各種情報を受信した場合は、該収集用識別情報に対応付けて該各種情報を収集する処理を実行する、
ことを特徴とする遊技データ収集システム。
[2]
前記遊技用装置は、
前記変換処理の実行により前記遊技用記録媒体または前記貨幣の残価値情報が0となる場合、残価値情報が0となることを示す残価値情報を送信し、
前記情報収集装置は、
前記残価値情報を受信した場合、該残価値情報を受信した後に所定条件が成立(遊技者監視タイマがタイムアップ)したか否かを判定し、
前記所定条件が成立する前に前記貨幣受付情報を受信した場合、該貨幣受付情報を受信した後に受信した前記各種情報を前記収集用識別情報に対応付けて収集する一方、
前記所定条件が成立した後に前記貨幣受付情報を受信した場合、新たに収集用識別情報を登録し、該貨幣受付情報を受信した後に受信した前記各種情報を該登録した前記収集用識別情報に対応付けて収集する、[1]に記載の遊技データ収集システム。
[3]
前記遊技用装置は、
前記変換処理の実行により前記遊技用記録媒体または前記貨幣の残価値情報が0となる場合、残価値情報が0となることを示す残価値情報を送信し、
前記情報収集装置は、
前記所定条件が成立する前に前記記録媒体受付情報を受信した場合、該記録媒体受付情報を受信した後に受信した前記各種情報を前記収集用識別情報に対応付けて収集する一方、
前記所定条件が成立した後に前記記録媒体受付情報を受信した場合、該記録媒体受付情報から特定される前記記録媒体特定情報が対応付けられた前記収集用識別情報を特定し、該収集用識別情報に対応付けて該各種情報を収集する処理を実行する、[1]または[2]に記載の遊技データ収集システム。
(その他の実施形態)
以上、第1の実施形態を具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態などに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素をさらに変形して具現化できる。また、上記実施形態などに開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。
例えば、台間機3や管理装置20の機能の少なくとも一部を島コンピュータ7や発券機15など図1に示した各装置が有していてもよく、この場合、例えば発券機15から管理装置20に対してカード情報S1、貨幣受付情報S2などの情報を送信することができる。
例えば、台間機3の構成および機能の少なくとも一部を管理装置20が備えたり、管理装置20の構成および機能の少なくとも一部を台間機3が備えたりしてもよい。例えば、タイマ部220やこのタイマ部220を制御する機能を台間機3が備えてもよい。この要な場合には、台間機3と管理装置20との間で、タイムアップ通知など計時に係る種々の情報が送受信される。