<全体構成>
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一形態に係るインターホンシステム1の模式図である。図1に示すように、インターホンシステム1は、玄関子機2と、端末3と、宅配ボックス4と、を含んで構成されている。玄関子機2と、端末3と、宅配ボックス4は、有線又は無線により、直接的に又は間接的に通信可能である。端末3としては、例えば、インターホン親機、タブレット端末、スマートフォン等の電子機器が利用され得る。
<第一実施形態>
図2は、第一実施形態に係るインターホンシステム1の機能ブロック図である。本実施形態では、端末3として、インターホン親機5を用いている。図2に示すように、玄関子機2は、カメラ21と、マイク22と、スピーカ23と、音声機器制御部24と、呼出部25と、映像処理部26と、中央制御部27と、通信IF(インターフェース)28と、を備えている。
カメラ21は、玄関子機2の前方を含む周囲を撮影する。カメラ21の撮影範囲に来訪者が存在する場合、カメラ21は、その来訪者を撮影する。さらに、カメラ21は、二次元コードやバーコード等の画像の読み取りも可能である。マイク22は、玄関子機2の周辺にいる来訪者の声等の音声を捉えるものである。スピーカ23は、音声機器制御部24によって制御された音声データを音声として出力する。
音声機器制御部24は、マイク22及びスピーカ23の動作を制御するための制御部である。音声機器制御部24は、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含む少なくとも一つのマイクロコントローラと、トランジスタ等のアクティブ素子およびパッシブ素子を含むその他電子回路を含んでもよい。音声機器制御部24は、例えば、スピーカ23に対し、音声データを音声として出力するように制御する。
音声機器制御部24は人工音声や警報音に関するデータを記憶することができる。人工音声としては、例えば、「宅配ボックスへの悪戯を止めてください。」といった音声である。警報音としては、例えば、サイレン音である。当該人工音声や警報音に関するデータに基づいて、音声機器制御部24はスピーカ23に駆動信号を送信し、スピーカ23から音声を発せさせる。
呼出部25は、図示しない信号発生器と呼出ボタンとを備えている。来訪者が呼出ボタンを押下すると、呼出部25は呼出信号を生成し、当該呼出信号を中央制御部27に送信する。
映像処理部26は、カメラ21の動作及び画像データ処理を制御するための制御部である。映像処理部26は、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含む少なくとも一つのマイクロコントローラと、トランジスタ等のアクティブ素子およびパッシブ素子を含むその他電子回路を含んでもよい。映像処理部26は、例えば、カメラ21が撮影した画像データ(撮像データとも呼ぶ。)を中央制御部27に送信する。また、映像処理部26は画像解析を行い、その解析結果を中央制御部27に送信する。また、映像処理部26は、中央制御部27から受信したカメラ駆動信号に基づいて、カメラ21を駆動させることもできる。
中央制御部27は、音声機器制御部24及び映像処理部26の動作、並びにインターホン親機5及び宅配ボックス4との間で行われるデータの送受信を制御するための制御部である。中央制御部27は、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含む少なくとも一つのマイクロコントローラと、トランジスタ等のアクティブ素子およびパッシブ素子を含むその他電子回路を含んでもよい。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)および/またはTPU(Tensor Processing Unit)である。
中央制御部27は、呼出信号を受信すると、この信号をインターホン親機5に送信する。また、中央制御部27は、呼出信号を一定時間受信すると、来訪者が宅配業者であるか否かを照合するモード(宅配モード)に変更するための要求信号を生成する。当該要求信号は、映像処理部26又はインターホン親機5に送信される。
中央制御部27は、宅配ボックス4から開信号を受信すると、カメラ駆動信号を生成し、当該カメラ駆動信号を映像処理部26に送信する。中央制御部27は、当該カメラ駆動信号に基づいてカメラ21を駆動させるよう、映像処理部26を制御する。
尚、玄関子機2における音声機器制御部24及び映像処理部26の少なくとも一つの機能の少なくとも一部は、中央制御部27が備えるプロセッサとメモリの協働によっても実現されうる。
通信IF28は、インターホン親機5又は宅配ボックス4との通信を可能にする装置あるいはインターフェースである。
図2に示すように、インターホン親機5は、モニタ51と、マイク52と、スピーカ53と、音声機器制御部54と、操作部55と、映像処理部56と、中央制御部57と、通信IF(インターフェース)58と、を備えている。
モニタ51は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイであって、カメラ21が撮影した画像等を表示するように構成されている。
マイク52は、インターホン親機5の周辺にいる居住者(ユーザとも呼ぶ。)の声等の音声を捉えるものである。スピーカ53は、玄関子機2のマイク22で捉えられた来訪者の声等の音声や報知音を発するものである。
音声機器制御部54は、音声機器制御部24と同様のハードウェアで構成され得る。音声機器制御部54は、マイク52及びスピーカ53の動作を制御するための制御部である。音声機器制御部54は、例えば、スピーカ53に対し、宅配ボックス4の扉41が開状態であることを示す報知音等を出力するように制御する。
操作部55は、居住者の各種入力操作を受け付ける。各種入力操作には、例えば、来訪者が呼出部25を操作したことに基づき居住者が応答するための操作、マイク52に向けて発せられた居住者の音声をスピーカ23に出力させる操作、警告メッセージや警告音等をスピーカ23に出力させる操作、カメラ21を駆動させる操作等が含まれる。操作部55は、受け付けた各種入力操作に基づき、各種信号を生成し、中央制御部57に送信する。操作部55は各操作用のボタンで構成されていても良いし、操作部55の機能も有するタッチパネルをモニタ51が含むように構成されても良い。
映像処理部56は、映像処理部26と同様のハードウェアで構成され得る。映像処理部56は、玄関子機2から送信された画像データに基づいて、画像をモニタ51に表示させる。
また、映像処理部56が、映像処理部26の代わりに、上述した画像解析を行っても良い。
中央制御部57は、音声機器制御部54及び映像処理部56の動作、並びに玄関子機2及び宅配ボックス4との間で行われるデータの送受信を制御するための制御部である。中央制御部57は、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含む少なくとも一つのマイクロコントローラと、トランジスタ等のアクティブ素子およびパッシブ素子を含むその他電子回路を含んでもよい。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)および/またはTPU(Tensor Processing Unit)である。
中央制御部57は、玄関子機2から送信された要求信号に基づき、カメラ21の駆動を要求する信号を生成する。当該駆動要求信号は、玄関子機2に送信される。また、中央制御部57は、玄関子機2のカメラ21によって撮像されたデータを、映像処理部56によって画像解析するよう、映像処理部56を制御する。
上述した画像解析の結果、来訪者が宅配業者であることが照合できた場合、中央制御部57は、宅配ボックス4の扉41を解錠するための解錠信号を生成し、これを宅配ボックス4に送信する。尚、当該動作は玄関子機2の中央制御部27が行っても良い。
また、中央制御部57は、玄関子機2から要求信号を受信する代わりに、玄関子機2の呼出部25からの呼出信号を一定時間受信すると、インターホン親機5のモードを宅配モードに変更するように制御する。宅配モードに変更されると、中央制御部57は、カメラ21を駆動させるための要求信号を生成し、これを玄関子機2に送信する。さらに、この場合、中央制御部57は、玄関子機2のカメラ21によって撮像されたデータを映像処理部56によって画像解析するように、映像処理部56を制御する。
尚、インターホン親機5における音声機器制御部54及び映像処理部56の少なくとも一つの機能の少なくとも一部は、中央制御部57が備えるプロセッサとメモリの協働によっても実現されうる。
通信IF58は、玄関子機2又は宅配ボックス4への通信を可能にする装置あるいはインターフェースである。
図2に示すように、宅配ボックス4は、扉41と、検出部42と、通信IF(インターフェース)43と、電気錠44と、を備えている。
扉41は開閉可能に構成されている。扉41が開状態のとき、居住者や来訪者等は宅配物を収容可能な空間にアクセスすることができる。
検出部42はセンサを備えている。検出部42は、赤外線、マイクロ波、ミリ波等を用いて、宅配ボックス4の扉41の開閉状態を所定の時間間隔で、又は連続的に検知するように構成されている。宅配ボックス4の扉41が開状態になると、検出部42は、扉41が開状態になったことを示す信号を玄関子機2又はインターホン親機5に送信する。
通信IF43は、玄関子機2又はインターホン親機5との通信を可能にする装置あるいはインターフェースである。
電気錠44は扉41を施錠することができる。電気錠44によって、通常、扉41は施錠されている。電気錠44は、玄関子機2又はインターホン親機5からの解錠又は施錠信号により、扉41の開閉を行い得る。このようにして、電気錠44を備える宅配ボックス4においては、電気信号に応じて施錠及び解錠が可能となる。
図3は、第一実施形態に係る電気錠44を備えるインターホンシステム1における動作の流れを示すシーケンス図である。居住者宅に赴いた来訪者(宅配業者)は、玄関子機2に備わっている呼出ボタンを一定時間押下し続ける(ステップS1)。これにより、宅配モードへの変更を要求する信号が生成され、インターホン親機5に送信される(ステップS2)。その結果、インターホン親機5は宅配モードに切り替わる。
インターホン親機5が宅配モードに切り替わると、スピーカ53から報知音が発せられる(ステップS3)。当該報知音は、宅配モードに切り替わったことを居住者に知らせるためのものである。報知音はブザー音であってもよいし、メッセージ音声であってもよい。
宅配モードに切り替わると、中央制御部57はカメラ駆動信号を生成し、玄関子機2に送信する(ステップS4)。これにより、カメラ21が駆動する。このとき、「これから撮影を開始します。」といったメッセージがスピーカ23から発せられてもよい。
カメラ21が駆動すると、来訪者が宅配業者であることを示す画像をカメラ21に読み取らせることが可能になる。このとき、音声機器制御部24は、スピーカ23に対し、「送り状をカメラに翳してください。」というようなメッセージを出力するように制御し得る。来訪者は、自身が宅配業者であることを示す画像をカメラ21に読み取らせる。当該画像としては、例えば、宅配便の伝票のような送り状である。宅配便の伝票のような送り状をカメラ21に読み取らせる場合、来訪者は当該送り状をカメラ21に翳す(ステップS5)。カメラ21は当該送り状を撮影する。
尚、ここでは、送り状の記入枠のレイアウト等から、来訪者が宅配業者であるか否かの識別をする例を用いて説明したが、この例に限られない。例えば、来訪者が宅配業者であることを示す二次元コードやバーコード等を用いてもよい。
映像処理部26はカメラ21が撮影した画像データを中央制御部27に送信する。中央制御部27は当該画像データを映像信号として、インターホン親機5に送信する(ステップS6)。
インターホン親機5の映像処理部56は、玄関子機2から受信した画像データに含まれる送り状の記入枠のレイアウトから、送り状が宅配便の伝票等であるかを解析する。送り状が、例えば宅配便の伝票である場合、映像処理部56は照合信号を生成し(ステップS7)、これを中央制御部57に送信する。また、映像処理部56は、玄関子機2から送信された画像データに基づき、撮像画像をモニタ51に表示させる(ステップS7)。尚、玄関子機2から受信した画像データは、図示しない記憶部に記憶(録画)される(ステップS7)。
来訪者が宅配業者であることの照合ができない場合、インターホン親機5は、その結果を玄関子機2に送信する。その場合、玄関子機2は、照合ができない旨を通知するための人工音声又は警報音を、音声機器制御部24に記憶されているデータに基づいて生成し、スピーカ23によって出力する。
また、この場合、インターホン親機5のモニタ51には、照合ができなかったことを示すメッセージが表示される。これにより、居住者は、照合ができなかったことを認識することができる。
一方、来訪者が宅配業者であることの照合ができた場合、中央制御部57は解錠信号を宅配ボックス4に送信する(ステップS8)。解錠信号を受信した宅配ボックス4は、電気錠44を解錠する(ステップS9)。扉41は開閉可能状態になる。これにより、宅配業者は宅配ボックス4の扉41を開けることができ(ステップS11)、宅配ボックス4の収容スペースに宅配物を入れることができる。宅配業者は、宅配物を収容スペースに入れたら、扉41を閉める。扉41が閉まった後、一定時間経過すると、電気錠44は扉41を施錠することができる。また、解錠信号が、中央制御部57から宅配ボックス4へ送信されると、インターホン親機5の中央制御部57は、音声機器制御部54に対し、スピーカ53から報知音を出力させるよう制御する(ステップS10)。報知音は、電気錠44が解錠されたことを居住者に知らせるためのものである。報知音はブザー音であってもよいし、メッセージ音声であってもよい。
電気錠44が解錠された後、宅配業者は宅配ボックス4の扉41を開ける(ステップS11)。扉41が開けられると、検出部42は、扉41が開状態になったことを示す信号(開信号)をインターホン親機5の中央制御部57に送信する(ステップS12)。
開信号を受信した中央制御部57は、音声機器制御部54に対し、スピーカ53から報知音を出力させるよう制御する(ステップS13)。報知音は、扉41が開けられたことを居住者に知らせるためのものである。報知音はブザー音であってもよいし、メッセージ音声であってもよい。
また、中央制御部57は、検出部42から開信号を受信すると、カメラ駆動信号を生成する。中央制御部57は、開信号とカメラ駆動信号を玄関子機2に送信する(ステップS14)。これにより、カメラ21が駆動する(ステップS15)。また、開信号に基づいて、「これから撮影を開始します。」といったメッセージがスピーカ23から発せられる(ステップS15)。
カメラ21は撮像を開始すると、撮像したデータを映像処理部26に送る。映像処理部26は撮像データを中央制御部27に送信する。中央制御部27は撮像データを映像信号として、インターホン親機5に送信する(ステップS16)。
映像処理部56は、玄関子機2から送信された撮像データに基づき、撮像画像をモニタ51に表示させる(ステップS17)。尚、玄関子機2から受信した撮像データは、図示しない記憶部に記憶(録画)される(ステップS17)。
モニタ51に表示された画像から、悪戯目的で扉41が開けられたと居住者が判断した場合、居住者は、来訪者への警告を含むメッセージや警報音等をスピーカ23に出力させるための操作(警報出力操作)を操作部55に入力する(ステップS18)。操作部55は、入力操作に基づいて警報出力信号を生成し、当該信号を中央制御部57に送信する。中央制御部57は警報出力信号を玄関子機2の中央制御部27に送信する(ステップS19)。
中央制御部27は、警報出力信号を受信すると、音声機器制御部24に対し、当該信号に基づいた警報をスピーカ23から出力させるように制御する(ステップS20)。
尚、上述の第一実施形態では、インターホン親機5の中央制御部57から解錠信号が宅配ボックス4へ送信された時と、宅配ボックス4の検出部42から開信号がインターホン親機5の中央制御部57へ送信された時に、インターホン親機5のスピーカ53から報知音が発せられるがこの例に限られない。ステップS11からS13までの各ステップは省略されてもよい。すなわち、中央制御部57から解錠信号が宅配ボックス4へ送信された時に発せられる報知音が発報されると(ステップS10)、中央制御部57は開信号及びカメラ駆動信号を生成し、玄関子機2に送信する(ステップS14)ように構成されてもよい。
<第二実施形態>
次に、図4及び5を参照して、第二実施形態に係るインターホンシステム1について説明する。図4は、第二実施形態に係るインターホンシステム1の機能ブロック図である。
第二実施形態は、インターホン親機5の代わりに、移動通信端末6及びサーバ7を用いている点で第一実施形態と異なっている。図4に示すように、第二実施形態に係るインターホンシステム1は、玄関子機2と、移動通信端末6と、サーバ7と、宅配ボックス4と、から構成されている。
第二実施形態に係る玄関子機2と宅配ボックス4は、第一実施形態に係る玄関子機2及び宅配ボックス4と同様であるため、説明を省略する。移動通信端末6は、タブレット端末、スマートフォン等の電子機器である。
図4に示すように、移動通信端末6は、表示部61と、マイク62と、スピーカ63と、音声機器制御部64と、操作部65と、映像処理部66と、中央制御部67と、通信IF(インターフェース)68と、を備えている。
表示部61は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のタッチスクリーン型のディスプレイであって、操作画面やカメラ21が撮影した画像等を表示するように構成されている。
マイク62は、移動通信端末6のユーザの声等の音声を捉えるものである。スピーカ63は、玄関子機2のマイク22で捉えられた来訪者の声等の音声や報知音を発するものである。
音声機器制御部64は、インターホン親機5に備わっている音声機器制御部54と同様のハードウェアで構成され得る。音声機器制御部64は、マイク62とスピーカ63の動作を制御するための制御部である。
操作部65は、例えば、表示部61上に重ねて配置されたタッチパネル、移動通信端末6の本体に取り付けられた操作ボタン等である。操作部65は、ユーザの各種入力操作を受け付ける。各種入力操作には、例えば、来訪者が呼出部25を操作したことに基づき居住者が応答するための操作、マイク62に向けて発せられたユーザの音声をスピーカ23に出力させる操作、警告メッセージや警告音等をスピーカ23に出力させる操作、表示部61に画像データを表示させる操作等が含まれる。操作部65は、受け付けた各種入力操作に基づき、各種信号を生成し、中央制御部67に送信する。
映像処理部66は、映像処理部26と同様のハードウェアで構成され得る。映像処理部66は、サーバ7から送信された画像データを表示部61に表示させる。
中央制御部67は、音声機器制御部64及び映像処理部66の動作、並びに玄関子機2、サーバ7及び宅配ボックス4との間で行われるデータの送受信を制御するための制御部である。中央制御部67は、中央制御部27と同様のハードウェアで構成され得る。
中央制御部67は、来訪者が宅配業者であることの照合ができた場合、宅配ボックス4の扉41を解錠するための解錠信号を生成し、当該信号を宅配ボックス4に送信する。尚、当該動作は玄関子機2の中央制御部27が行っても良い。
中央制御部67は、操作部65から画像取得信号や警報出力信号を受信すると、当該信号をサーバ7に送信する。
通信IF68は、サーバ7への通信を可能にする装置あるいはインターフェースである。通信IF68とサーバ7は、インターネット回線等で通信可能である。
図4に示すように、サーバ7は、記憶部71と、映像処理部72と、制御部73と、通信IF(インターフェース)74と、を備えている。サーバ7は、例えば、クラウドサーバである。
記憶部71は、各種電気信号、音声データ、音データ、画像データ等を保存可能な記憶領域を有している。
映像処理部72は、映像処理部26と同様のハードウェアで構成され得る。映像処理部72は、カメラ21が撮影した画像データに対し、画像解析を行うことができる。映像処理部72は、その解析結果を制御部73に送信する。
制御部73は、記憶部71及び映像処理部72の動作、並びに玄関子機2及び移動通信端末6との間で行われるデータの送受信を制御するための制御部である。制御部73は、中央制御部27と同様のハードウェアで構成され得る。
制御部73は、中央制御部67から画像取得信号を受信すると、記憶部71に対し、当該画像取得信号に基づいて、画像データを送信するよう制御する。
制御部73は、検出部42から開信号を受信すると、当該開信号に基づいて、記憶部71に記憶されている、扉41が開けられたことをユーザに知らせるための報知音データを移動通信端末6に送信するよう制御する。
通信IF74は、玄関子機2、宅配ボックス4又は移動通信端末6への通信を可能にする装置あるいはインターフェースである。
図5は、第二実施形態に係る電気錠44を備えるインターホンシステム1における動作の流れを示すシーケンス図である。居住者宅に赴いた来訪者(宅配業者)は、玄関子機2に備わっている呼出ボタンを一定時間押下し続ける(ステップS21)。これにより、中央制御部27は、玄関子機2を宅配モードへ切り替える。また、中央制御部27は、カメラ駆動信号を生成する。中央制御部27は、当該カメラ駆動信号を映像処理部26に送信する。映像処理部26が当該カメラ駆動信号を受信すると、カメラ21が駆動する(ステップS22)。このとき、「これから撮影を開始します。」といったメッセージがスピーカ23から発せられてもよい。
カメラ21が駆動すると、来訪者が宅配業者であることを示す画像をカメラ21に読み取らせることが可能になる。このとき、「送り状をカメラに翳してください。」というようなメッセージをスピーカ23から出力させるように構成されてもよい。来訪者は、自身が宅配業者であることを示す画像をカメラ21に読み取らせる。例えば、宅配便の伝票のような送り状をカメラ21に読み取らせる場合、来訪者は当該送り状をカメラ21に翳す(ステップS23)。カメラ21は当該送り状を撮影する。
尚、ここでは、送り状の記入枠のレイアウト等から、来訪者が宅配業者であるか否かの識別をする例を用いて説明したが、この例に限られない。例えば、来訪者が宅配業者であることを示す二次元コードやバーコード等を用いてもよい。
玄関子機2は、カメラ21が撮影したデータを中央制御部27に送信する。中央制御部27は当該画像データを映像信号として、サーバ7に送信する(ステップS24)。
サーバ7の制御部73は、受信した画像データを映像処理部72に送信する。映像処理部72は受信した画像データを記憶部71に送信する。記憶部71は、当該画像データを記憶(録画)する(ステップS25)。また、映像処理部72はカメラ21が撮影した画像データを解析する。
映像処理部72は、玄関子機2から受信した画像データに含まれる送り状の記入枠のレイアウトから、送り状が宅配便の伝票等であるかを解析する(ステップS25)。送り状が宅配便の伝票等である場合、映像処理部72は、電気錠44を解錠するための信号の一つである照合信号を生成し、これを玄関子機2に送信する(ステップS26)。玄関子機2の中央制御部27は、照合信号を受信すると、電気錠44を解錠するための信号である解錠信号を生成し、当該解錠信号を宅配ボックス4に送信する(ステップS27)。尚、来訪者が宅配業者であることの照合ができない場合、音声機器制御部24に記憶されているデータに基づく人工音声又は警報音が、スピーカ23によって出力される。
解錠信号を受信した宅配ボックス4は、電気錠44を解錠する(ステップS28)。扉41は開閉可能状態になる。
サーバ7の映像処理部72が照合信号を玄関子機2に送信すると、制御部73は解錠通知信号を生成し、当該信号を移動通信端末6に送信する(ステップS29)。移動通信端末6の中央制御部67は、当該信号を受信すると、音声機器制御部64に対し、スピーカ63から報知音を出力させるよう制御する(ステップS30)。報知音は、電気錠44が解錠されたことをユーザに知らせるためのものである。報知音はブザー音であってもよいし、メッセージ音声であってもよい。
電気錠44が解錠されると(ステップS28)、宅配業者は宅配ボックス4の扉41を開けることができる。宅配業者は、扉41を開け(ステップS31)、宅配ボックス4の収容スペースに宅配物を入れることができる。
電気錠44が解錠された後、宅配業者は宅配ボックス4の扉41を開ける(ステップS31)。扉41が開けられると、検出部42は、扉41が開状態になったことを示す信号(開信号)をサーバ7に送信する(ステップS32)。
開信号を受信したサーバ7の制御部73は、記憶部71に記憶された、扉41が開けられたことをユーザに知らせるための報知音データを移動通信端末6に送信するよう制御する(ステップS33)。移動通信端末6の中央制御部67は、音声機器制御部64に対し、当該報知音データに基づいた報知音をスピーカ63から出力させるよう制御する(ステップS34)。尚、報知音はブザー音であってもよいし、メッセージ音声であってもよい。
また、玄関子機2は、解錠信号を宅配ボックス4に送信すると(ステップS27)、中央制御部27はカメラ駆動信号を生成し、映像処理部26に当該カメラ駆動信号を送信する。映像処理部26は、当該カメラ駆動信号に基づき、カメラ21を駆動させる(ステップS35)。また、中央制御部27は通知音出力信号を生成し、音声機器制御部24に当該通知音出力信号を送信する。音声機器制御部24は、当該通知音出力信号に基づいて、スピーカ23から通知音を出力させる(ステップS35)。通知音は、例えば、「これから撮影を開始します。」といったメッセージを含んでも良い。
カメラ21は撮像を開始すると、撮像したデータを映像処理部26に送る。映像処理部26は撮像データを中央制御部27に送信する。中央制御部27は撮像データを映像信号として、制御部73に送信する(ステップS36)。制御部73は、記憶部71に対し、撮像データを記憶(録画)するよう制御する(ステップS37)。
ステップS45の報知音を聞いたユーザは、来訪者をモニタするために、表示部61に撮像データを表示させる操作(モニタ要求操作)を操作部65に入力する(ステップS38)。モニタ要求操作に基づき、中央制御部67は画像取得信号を生成し、これをサーバ7に送信する(ステップS39)。
サーバ7の制御部73は、記憶部71に対し、受信した画像取得信号に基づいて、撮像データを制御部73に送信するよう制御する。記憶部71は、当該画像取得信号に基づく撮像データを制御部73に送信する。制御部73は、当該撮像データを中央制御部67に送信する(ステップS40)。
中央制御部67は、受信した撮像データを映像処理部66に送信する。映像処理部66は、当該撮像データを表示部61に表示させる(ステップS41)。
表示部61に表示された画像から、悪戯目的で扉41が開けられたとユーザが判断した場合、ユーザは、来訪者への警告を含むメッセージや警報音等をスピーカ23に出力させるための操作(警報出力操作)を操作部65に入力する(ステップS42)。警報出力操作に基づいて、中央制御部67は警報出力信号を生成し、当該信号をサーバ7に送信する(ステップS43)。サーバ7の制御部73は警報出力信号を玄関子機2に送信する(ステップS44)。
玄関子機2の中央制御部27が警報出力信号を受信すると、中央制御部27は、音声機器制御部24に対し、当該信号に基づいた警報をスピーカ23から出力するように制御する(ステップS45)。
尚、上述の第二実施形態では、映像処理部72から、電気錠44を解錠するための信号の一つである照合信号が玄関子機2へ送信された時と、検出部42から開信号がサーバ7の制御部73へ送信された時に、移動通信端末6のスピーカ63から報知音が発せられるがこの例に限られない。例えば、ステップS31からS34の各ステップは省略されてもよい。
<第三実施形態>
次に、図6及び7を参照して、第三実施形態に係るインターホンシステム1について説明する。図6は、第三実施形態に係るインターホンシステム1の機能ブロック図である。
第三実施形態に係るインターホンシステム1は、玄関子機2、インターホン親機5、宅配ボックス4に加えて、移動通信端末6及びサーバ7も含んでいる点で第一実施形態と異なっている。また、第三実施形態に係るインターホンシステム1は、玄関子機2、移動通信端末6、サーバ7、宅配ボックス4に加えて、インターホン親機5も含んでいる点で第二実施形態と異なっている。図6に示すように、第三実施形態に係るインターホンシステム1は、玄関子機2と、インターホン親機5と、移動通信端末6と、サーバ7と、宅配ボックス4と、から構成されている。
第三実施形態に係る玄関子機2、インターホン親機5、宅配ボックス4は、第一実施形態に係る玄関子機2、インターホン親機5、宅配ボックス4と同様である。また、第三実施形態に係る移動通信端末6及びサーバ7は、第二実施形態に係る移動通信端末6及びサーバ7と同様である。ただし、通信IF28と通信IF43と通信IF58は、通信IF74とも接続されている点で、第一実施形態とは異なっている。
図7は、第三実施形態に係る電気錠44を備えるインターホンシステム1における動作の流れを示すシーケンス図である。
ステップS51〜S59は、ステップS1〜S9と同様であるので、説明を省略する。
インターホン親機5の中央制御部57は、宅配ボックス4に解錠信号を送信すると、解錠通知信号を生成し、これをサーバ7に送信する(ステップS60)。サーバ7の制御部73は、当該信号を移動通信端末6へ送信する(ステップS61)。移動通信端末6の中央制御部67は、当該信号を受信すると、音声機器制御部64に対し、スピーカ63から報知音を出力させるよう制御する(ステップS62)。報知音は、電気錠44が解錠されたことをユーザに知らせるためのものである。報知音はブザー音であってもよいし、メッセージ音声であってもよい。
電気錠44が解錠された後(ステップS59)、宅配業者は宅配ボックス4の扉41を開ける(ステップS63)。扉41が開けられると、検出部42は、扉41が開状態になったことを示す信号(開信号)をインターホン親機5の中央制御部57に送信する(ステップS64)。開信号を受信した中央制御部57は、音声機器制御部54に対し、スピーカ53から報知音を出力させるよう制御する(ステップS65)。報知音は、扉41が開けられたことを居住者に知らせるためのものである。報知音はブザー音であってもよいし、メッセージ音声であってもよい。さらに、中央制御部57は、検出部42から開信号を受信すると、カメラ駆動信号を生成する。中央制御部57は、開信号とカメラ駆動信号を玄関子機2に送信する(ステップS66)。これにより、カメラ21が駆動する(ステップS67)。また、開信号に基づいて、「これから撮影を開始します。」といったメッセージがスピーカ23から発せられる(ステップS67)。
また、検出部42は、開信号をサーバ7の制御部73にも送信する(ステップS68)。制御部73は、当該開信号を移動通信端末6の中央制御部67に送信する(ステップS69)。開信号を受信した中央制御部67は、音声機器制御部64に対し、スピーカ63から報知音を出力させるよう制御する(ステップS70)。報知音は、扉41が開けられたことを居住者に知らせるためのものである。報知音はブザー音であってもよいし、メッセージ音声であってもよい。
ステップS71〜S72は、ステップS16〜S17と同様であるので、説明を省略する。
ステップS73〜S78は、ステップS36〜S41と同様であるので、説明を省略する。
ステップS79〜S81は、ステップS18〜S20と同様であるので、説明を省略する。
ステップS82〜S85は、ステップS42〜S45と同様であるので、説明を省略する。
尚、上述の第三実施形態では、宅配ボックス4の扉41が開けられると、インターホン親機5のスピーカ53と移動通信端末6のスピーカ63から報知音が発報されるが、この例に限られない。例えば、ステップS63からS70の各ステップは省略されてもよい。
上記第一から第三実施形態の構成によれば、宅配ボックス4には電気錠44が備わっているため、電気錠44を解錠しないと宅配ボックス4を開けることができない。また、電気錠44を解錠するための信号が生成されると、端末3から、電気錠44が解錠された旨が居住者に報知される。このため、居住者は、悪戯目的で宅配ボックス4を開けようとする来訪者を、電気錠44が解錠された段階で認識することができる。その結果、居住者は悪戯目的で宅配ボックス4を開けようとしている来訪者に対し、何らかの対応を講じることができる。
このように、上記第一から第三実施形態の構成によれば、宅配ボックス4が悪戯目的で開けられることを防ぎつつ、宅配ボックス4への悪戯による居住者への影響を抑制することが可能なインターホンシステム1を提供することができる。
また、上記第一から第三実施形態の構成によれば、電気錠44が解錠されたことの報知は報知音により行われるので、居住者は、端末3を監視せずとも、電気錠44が解錠されたことを知ることができる。
また、上記第一から第三実施形態の構成によれば、電気錠44を解錠するための信号が生成されると、玄関子機2が有するカメラ21は来訪者の撮影を開始する。このため、電気錠44が解錠された時の来訪者を特定することができる。また、撮像データが保存されるように構成されていれば、当該来訪者が電気錠44を解錠したことを示す証拠を残すこともできる。
また、上記第一から第三実施形態の構成によれば、来訪者が宅配業者である場合に限り、宅配ボックス4の電気錠44が解錠される。このため、より一層、悪戯目的の来訪者によって電気錠44が解錠されることを防ぐことができる。
また、上記第一から第三実施形態の構成によれば、宅配ボックス4の扉41が開状態になると、端末3から通知音が報知される。このため、居住者は電気錠44が解錠された後、実際に宅配ボックス4の扉41が開けられたかどうか知ることができる。
また、上記第一から第三実施形態の構成によれば、来訪者が、悪戯目的で宅配ボックスを開けようとしていると居住者が判断した場合、操作部55を操作することによって、玄関子機2のスピーカ23から警報又は音声を出力することができる。このため、悪戯目的の来訪者によって宅配ボックス4の扉41が開けられることを抑制することができる。
尚、上記第一から第三実施形態では、居住者が警報出力操作を行うことで、来訪者への警告を含むメッセージや警報音等がスピーカ23から出力されるが、この例に限られない。例えば、来訪者が宅配業者であることを示す画像が一定時間、カメラ21に翳されないと、自動的に、来訪者への警告を含むメッセージや警報音等がスピーカ23から出力されるように構成されてもよい。また、さらに一定時間経過すると、玄関子機2における宅配モードは解除される。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。